それだけの話をすると
今度はレフィーヤとフィルヴィスの所へ俺は向かう
祝杯のパーティーには、絶対に似合わない会話を俺はする。相手はレフィーヤに
先ほど、レフィーヤがフィルヴィスと楽しくパーティを過ごしていると、フィンがクノッソス攻略前からのショックは消えたんだと、フィンは言う
どういうことかと、俺が聞くと
一度目のクノッソス攻略に失敗に、フィルヴィスを亡くしたショックで、レフィーヤは寝込んだと言う話を聞いた
大事な人を失えば、確かに俺でもショックを受ける。親友を亡くした、ファミリア外で初の友人をレフィーヤはできて一番大事にしていた。しかし、そのフィルヴィスも一度はクノッソスでやられた、まあ分身でできた体ではあるため、本物ではないのだがな
だとしても、冒険者をやっている上ではレフィーヤには少しでも現実を知って貰う必要があり、亡くした仲間や友人が出てきても、前を向き続けろと
「失礼する」
「ん?ジーク君?」
「ジーク?どこに?」
「え?ジークさん?」
「ジーク?レフィーヤの前に立ってどうした?」
「レフィーヤ。お前に聞きたいことがある」
「な、なんですか?」
俺はレフィーヤの前に立って、彼女に厳しく助言する
誰かを亡くしてショックを受けるにしても、悲しみに浸り寝込むのは情けない。無い者は無い。それをわかって貰わなければ
「レフィーヤ。お前?フィンから聞いたが、クノッソス攻略の前に、一度目フィルヴィスを亡くして、ショックで部屋に寝込んだと言うのは本当か?」
「っ!本当なのか?レフィーヤ?」
「あ、は、はい」
「そうか、なら言わせて貰う」
レフィーヤはいつかリヴェリアの跡を受け継ぐ存在だ。それが仲間を亡くした悲しみで浸って寝込むなど、それは情けない
だからあえて、こう言う
「お前?いつまでフィルヴィスを頼って生きていく気だ?フィルヴィスは大事な親友だったとしても、フィルヴィスを亡くしたショックでも情けないぞ?」
「っ・・・・・・・・」
「ジーク。そこまで言わなくても、私も過去に仲間を何人もやられた。今だって、私は最後のデュオニュソス様の眷属だ。一人で私は生き残ってしまって、正直悲しい気持ちは今でもある」
「だからと言って、仲間の声も聞かずにショックで寝込んでは情けない。冒険者をやっている上では、誰かが失うことくらいは覚悟しろ。それが嫌なら冒険者なんてやるな、お前もベル同様に冒険者に向いてない。仲間を亡くす覚悟も無いなら、冒険なんてしない方がいい」
「・・・・・・・・・」
「ジーク。いくらなんでもそんな事を言わなくても」
「おい、待て」
「っ!ヴァナルガンド?」
「ジークの言う通りだ、俺も正直このノロマには情けねえと思っている。俺らだって仲間を亡くした。それでも俺は悲しみには浸らねえ。だが、こいつはショックで寝込みやがった。他の連中がどれだけこいつのために声を掛けたのか、心配を掛けたのか、そんなこともわからないじゃあ、この先も苦労するだけだ。確かにこのノロマには冒険者は向いてない」
厳しいとは当然、だが冒険者と言うのは甘くない。モンスターに喰われた仲間なんて。ロキ・ファミリアでもあるはずだ。でなければ最初の調査で、クレア、レミリア、ロイド、カロス、リザ、アンジュ、そしてベートの大事だったリーネなども、クノッソスで仲間も死んだ。でもベートは違う。リーネも居たと言うのに、それでも悲しみに浸る事なく、リーネの復讐を急がせた
ベートでも厳しく言う。ベートは今までにおいてもいろんな人を亡くした、それでも悲しみに浸ることなんてしなかった。レフィーヤだって仲間を失って悲しんだことはあるはずだ。なのにフィルヴィスで亡くしてショックを受けて寝込むなど
ベートからしても情けないと言う、仲間を失う気持ちはわからなくはない。しかし、いつまでもフィルヴィスに頼っては強くなれない
「お前は、これからもフィルヴィスに頼って生きていくのか?」
「わ、私は・・・・・・」
「フィルヴィスは俺が生き返らせた、喜ぶのは構わない。しかし、お前が彼女に頼り過ぎて、この先強くなれるかわからないぞ?俺が言いたいのは一つ。この先は自分の力だけで生きて行け、でないとこの先強くなれない。フィルヴィスが強い頼りになるじゃなくても、お前もそれくらいになれと言っている」
「ジークさんは今の私じゃあこの先ではまずいってことですか?」
「ああ、俺はそう思っている、ベート?お前はどう思う?」
「そうだな、俺もそう思っている。あのババアに継ぐだけの力は確かに持っている。だが、まだ弱い方だ。正直まだ力としては足りてねえ。このままじゃあババアの継ぐのも夢のまた夢だ。テメエはこれからどうするつもりだ?」
「ベートさん・・・・・・ふう・・・」
俺だけでなく、ベートもこの先強くなれないと、今ここで一人で頑張って強くならないと、この先は乗り越えられないと、彼女に試練を言い渡す
ここで、一人で戦えるようにならないと意味がないと、魔道士ではあるが、リヴェリアでも一人で戦える力を持っている、もうフィルヴィスに頼らない、自分一人だけで戦える力を手にしろと、今ここで誰を亡くしても、ベートのように、前を剥き続ける強さを持てと言う
その答えにレフィーヤは
「フィルヴィスさん・・・・」
「なんだ?」
「もう私は、貴女に頼りません、ここから先は私一人で頑張ります」
「レフィーヤ・・・・・」
「貴女を頼っていいと言われたのは嬉しかったです、でも私は貴女に頼りすぎた。私は貴女に頼ってばかりで、私は弱いまま、今度は私が貴女を守れる存在になりたいんです。ですから助言以外は私を絶対に助けないでください」
「そうか・・・・お前も成長したんだな、見ない内に、だが無茶はするなよ?」
「はい!」
レフィーヤはもう決意した
もうフィルヴィスに頼らない。むしろフィルヴィスを守れる存在になって見せると宣言した。一度はフィルヴィスを守れなかった、今度は絶対に守れるように、リヴェリアのように一人でも戦える魔道士を目指すようだ
そのために
「フィルヴィスさん。この短剣は返します。これは貴女の物です。返します」
「その短剣・・・・持っていてくれたのか・・・・いや・・・これはお前にやる」
「え!?ですけど・・・・」
「これからはあまり私に頼らずに強くなることはわかった。だがそれでも私はお前が心配だ。だからそれはお前の武器として持っていてくれ」
「ありがとうございます!フィルヴィスさんのようにこれも使いこなしてみせます!」
「それとこれも・・・・」
「え!?短杖まで!?」
「これもお前にやる、これを使って、もっと強くなってくれ、レフィーヤ」
「フィルヴィスさん・・・・はい!強くなって見せます!!貴女のように『自分を守り、誰をも救える魔法剣士』に!」
レフィーヤはフィルヴィスの武器である短剣『ティアーペイン』を返すが、それはレフィーヤに譲り、更に自身が杖として使っていた『護手のホワイトトーチ』まで彼女に譲ってしまう
実はフィルヴィスには俺から杖と短剣を用意してあるため、もう代わりはあるため、前の短剣と杖はレフィーヤに譲った
それを使って自身や仲間を守れるように強くなってくれることを祈って、前の武器はレフィーヤに譲る
「レフィーヤ、これからの試練を励むように、もうフィルヴィスはレベル5になった。お前はレベル4だな、彼女をも超えて見せろ」
「え!?フィルヴィスさんレベル5なんですか!?」
「ああ、ヘスティア様に更新をして貰ったんだが、今になってレベル5になった」
「じゃあフィルヴィスさんは第一級冒険者じゃないですか!?おめでとうございます!」
「それとベルもレベル5になった」
「え?・・・ベル・クラネルがですか?」
「前の遠征で、ウダイオスを一人で倒した。アイズみたいにな」
「ベル・クラネルが・・・・あの37階層の階層主ウダイオスを一人で撃破?しかも私よりレベルが上?しかもアイズさんと同じことを?」
「そういうことだ。普通レベル4でウダイオスを単独で撃破することなど不可能だが、ベルはそれをやり遂げた。しかも無限にモンスターが湧いてくるコロシアムの中でな」
「それは本当なのか!?ジーク!?」
「ああ、とあるイレギュラーでそこでベルとリリルカは落とされて、ベルはリリルカを背負って37階層を彷徨い、それでコロシアムを止むを得ず入る状況になり、そこで出てくるはずのないウダイオスが現れ、見事に倒した」
「す、凄すぎる」
「あの無限に出てくるコロシアムに入って、それでウダイオスも現れるなんて、生きているのが不思議なくらいよ!?」
「リリもあれは流石に死ぬかと覚悟を決めましたよ」
「なるほど、特別なのはジークだけではなく、やはりベル・クラネルもか」
「・・・・・けない」
「レフィーヤ?」
「絶対にベル・クラネルに負けない!!!」
「ど、どうしたんだ!?」
「え!?僕がなんです!?」
「絶対に負けません!貴方にだけは!!」
「なんで!?」
「本当にベルに対抗心を抱いているんだな、レフィーヤは・・・」
俺はレフィーヤにフィルヴィスとベルがレベル5になったことを告げる
フィルヴィスがランクアップして第一級冒険者になったことは喜ばしいが、ベルに関してだけは悔しさしかないのか、ベルを凄く睨みつけて対抗心を示した。なぜレフィーヤはそこまでベルを毛嫌いするのか知らないが、少なくとも更にやる気を増したようで、ベルよりも強くなろうとこれからの修行に励むようだ。半分はベルからの憎しみもあるようだが
「リヴェリア様!」
「な、なんだ?」
「明後日・・・いいえ・・・明日私と一緒にダンジョンへ付き合ってくれますか!37階層まで!アリシアさんも!」
「37階層だと!?お前は正気か!?」
「死にたいのですか!?貴方は!?」
「それでもベル・クラネルに負けたくないんです!私もできればコロシアムで!!」
「馬鹿者!!魔導士が一人でコロシアムに行くなど自殺行為だ!!」
「いくら無限に湧いてくるからと言って、そこに行って強くなるどころか、命がいくつあっても足らないくらいなんですよ!?」
「それでも私は強くなりたいんです!!絶対にフィルヴィスさんを守れるようになって、ベル・クラネルにも負けない。魔導士に私はなって見せるんです!!!」
「完全にヤケだな」
正気を無くしたかのように、強さを求めるために無謀な方法をしようとする。リヴェリアになんて無茶なことを頼むんだが、ベルは仕方がなくコロシアムに入るしか生き残る術がなかっただけであって、別に強くなろうと自らの意志で入ったわけではないのだがな、それでもそこへ行って生き残る奴など、確かにベルかリリルカしか居ない、第一級冒険者でもしないだろうな、終わらない戦いをするようなものだ、確かにアリシアの言うとおり、命がいくつあっても足りないような場所だ
しかし
そこへ行ってもでも、更に強くなろうと、ベルの真似をしようと、かなり危険なことをしてでも、完全に自分の命を散らそうとも、レフィーヤは強さを目指す
「まあやり方はお前が好きなようにすればいい、俺の言いたいことは以上だ」
「ジーク。随分とレフィーヤのやる気を出させたね?」
「レフィーヤがこのままだと、強くなれないと判断した上でだ。大きな御世話かもしれないが、このままフィルヴィスが帰って安心ではなく、もうフィルヴィスに頼らず、逆に自分がフィルヴィスを守れるようにならないと思えるように、自身のこれから強くなるための厳しいアドバイスをしただけに過ぎない」
「にしてはレフィーヤは完全に狂人に目覚めたようだが」
「それはベル・クラネルに対抗しているが故だろう。なぜあいつはベルを毛嫌いするのかは俺も知らないが」
とにかくレフィーヤに言いたいことは言えた。これで良いはずだ。ひとまずは、他のファミリアに口出しする必要はないのだが、これからもフィルヴィスに頼ってはフィルヴィスが苦労する。もう彼女は俺達の仲間であるため、あまり他のファミリアの団員頼りで他力本願でも困る
そのためにレフィーヤは自分でも問題ない強さを持たねば、この先も苦労する
レフィーヤには少しでも自分で守れる力と仲間を守れる強さが必要だ。今彼女にはその力が足りない。なんでも全部一人でやれとは言わない、そこまで俺たちも強くはない。しかし、彼女にはある程度自分が率先してできるようにならなければ意味がない
その力を今から付ければ、この先も苦労しないと、今俺は彼女に助言する。他のファミリアに口出しする権利はないとは思うが、それでも助言でもしておかないと、このままではフィルヴィスに頼り切ってしまうのかと、俺は彼女には少しでも自身の力を発揮させることを言っておく。なんのためと言われれば・・・・・フィルヴィスのためになる
フィルヴィスもこれでもうレフィーヤを心配せずに済むからだ。レフィーヤはなんだかんだで心配されるようなことをするからな
これでレフィーヤはこの先の、自分のやりたい道を見つけ。その先へと進み続ける。そしてフィルヴィスも一々心配しなくて済む
これで俺の言いたいことはもう無くなった
が
「ジーク!やっぱりウチには甥っ子である自分が必要なんや!」
「ふざけんなロキ!勝手にジークくんを引き抜くな!僕らの英雄だぞ!」
「ジーク。今度僕達の遠征に手伝ってくれないかな?僕たちも君たちにそれなりに手伝うからさ?」
「ジーク。儂と飲み比べじゃ!なに、お主は二年前からどれだけ飲んでも酔えんのじゃろ?酒での勝負なら儂でも負けんわい!」
「やめろガレス!ジークは酒を静かにゆっくり飲んで味を楽しむんだ!下品に飲むお前と一緒にするな!」
「おいジーク!今度勝負しろ!あのファーブニルの姿でだ!」
「ベート!ジークにひつこ過ぎ!ジークが自分よりランクアップしたからって!」
「ジーク。あんたが黒竜を物にしても、私も負けないからね!」
「ティオネも、いくらジークのことが嫌いだからって、対抗心燃やさなくてもよくない?」
「ジークがどんどん凄い人物になったす」
「完全に私たちと遥か上に行ったわね。ベル・クラネルも私と同じレベルにランクアップするし、私たちも負けてられないわね」
「フィルヴィスさん!いつか私もフィルヴィスさんを守れるようになりますからね!」
「だからと言って無茶はするなよ。やっぱり私はお前が心配だ」
「おいおい!ロキ・ファミリアは人の英雄を取るのかよ!」
「困ります!リリ達の一番の戦力なんですから!」
「いくらなんでも卑怯です!それは!」
「私達の英雄を取らないでください!」
「ジーク!私は貴方の好きな女になって見せる!」
「え!?アイズさん!?ジークさん!僕はどんなことをすれば、ジークさんのようにカッコ良くなれますか!?」
「おい!?主を奪うな!裏切りの女神!」
「主の横取り反対です!」
「主はヘスティア・ファミリアの団員です!裏切りの女神!それは叔母でも許しません!」
「うふふふふ、賑やかね?ジーク君」
「「「ジーク兄ちゃん!人気者!!!」」」
「やれやれ、騒がしいな。お前達は」
パーティーもある意味盛り上がってきた
今デュオニュソスのホームから盗んだ、神酒のぶどう酒を飲んで皆の賑わいを見ている。そしてこの酒を飲んで酔うことはできないまま今居なくなったデュオニュソスを今になって思うことは、これこそ皆の幸せな楽しさであるはずだと
これを壊そうとしたデュオニュソスが本当にわからない
人々を殺す快楽よりも皆と共に御馳走と美味い酒を囲んで楽しむのが一番の楽しさに決まってる、なのにあいつには理解できなかったのだろうか、神々全員がこの下界で学んでも変わるかまではわからないからな、デュオニュソスはおそらく大体十五年くらいは居たはず、それでも人間と過ごす楽しさを奴はわからなかったようだ
何が言いたいかと言うと、人間と過ごす幸せを奴は信じられないが故に、そんな狂気な快楽しか考えることしかできないと、あいつが居なくなった今、奴の愚かさを今思い当たる
そこまで嫌か?俺たち人間を見下さなければ、道具にしなければ、この先に必ず奴が望んだオルギアは来るか、それでもいいさ、ダンジョンが限界なのはその通りの事実だからな
これからどんな冒険をすることになるのか、無論わからないが、俺たちが強くなる度に、俺たちに過酷な試練がこの先に待っているに違いないと
俺たちの冒険はまだこの先にたくさんあると、俺は奴が飲んでいた酒を飲んで、そう思うのだった