ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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女性を評価するのは難しい

そして美女コンテスト会場

 

 

「うわあ〜、凄い人いっぱい居ますね?」

 

「うん。命君。こんな大勢の前でやるんだ・・・」

 

「相変わらず騒がしいですね・・・」

 

「ああ。また揉め事が起こるかもな・・・・」

 

 

「もうそこは覚悟の上だ」

 

 

俺たちはなんとか開催される前に会場に着いたが。相変わらずの大勢で奥まで行けなかった。女性上級冒険者たちが綺麗なドレスなどを着て拝むことができるなど。男たちからすれば至福なのか。かなりの熱気が出ていた。

 

市民だけでなく、冒険者や男神まで居た

 

 

すると

 

 

「待たせたな!集まったオラリオの市民の皆!俺が司会を務める・・・ガネーシャだ!!!」

 

「そして共同司会のデメテルよ。よろしくね?」

 

 

「デメテル!?ガネーシャ!?」

 

「またあいつらがやっているのか?」

 

「みたいですね」

 

「ありゃあ・・・・相変わらず神ガネーシャはあんま司会らしいことはしてないけどな?」

 

「なんだか・・・・嫌な予感しかしませんね?」

 

 

二年前同様司会がこの二人とは思ってもいなかった。まあこいつら二人がこんなものに興味があってやっているわけじゃあなさそうだが。ガネーシャはあまりにはしゃいでいて仕事をしていない。この前の俺たちのウォーゲームでもまともに仕事をしてなかったからな。なんで今年もこいつらがやるんだか

 

 

「それじゃあ簡単なルールを説明するわね。これから各神によってプロデュースされた美女たちが様々な服装して現れるから。一番の美女を決めるの。判定は観客の声援の大きさで判断するから。お気に入りの子に声援を送ってあげてね〜」

 

 

「「「「「「おおおおおおお!!」」」」」」

 

 

と、やはりルールは二年前と同様だった。声援が多いで一番を決めるなど判定が難しいと思う。普通にクジにして。多かった方を一番にすれば良いと思うのだが

 

なんだか。また騒動が起こりかねないと。あいつの考えに予想がついた

 

 

「そしてまず特別審査員の話を聞いてみようと思う!今回の美女コンテストの大会委員長にして、制作総指揮、そして美女コンテスト制作委員会・会長!ヘルメスさん!コメントお願いします!!」

 

「なんで神が神にさん付けで呼ぶんだ?」

 

 

「みんな盛り上がっているかい!今回の大会は完全にディレクションによる大会なわけだけど・・・・・・自分に自信がある女性も、恥じらう姿を見せる女の子も、みんな美して、みんなイイ。何一つ同じものはない。乙女という名の花。一番の花じゃなくていい。特別な一つの花ならそれでいい・・・本当はこんな野暮なイベントなんて開くべきじゃないだろう・・・・・」

 

「何が野暮だヘルメス。その野暮なことをするのが目的だろうが・・・」

 

 

「でも・・・・・見たいもんは見たいんだああああああああああ!!そうだろう?みんなあああああああああああああああ!!!」

 

 

「「「「「「うおおおおおおおおお!!」」」」」

 

「もっともっと盛り上げて行こうぜえええええ!俺たちの花のために!!」

 

「「「「俺たちの花のために!!!」」」」

 

 

「それでは美女コンテスト大会!開催だあああああああああ!!」

 

「「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」

 

 

 

「なんとも・・・欲望がだだ漏れと言うか・・・・」

 

「ヘルメス様らしい・・・イベントですね・・」

 

「みんな変に盛り上がっています・・・」

 

「こんなのが命だけでなく・・・ヘファイストス様まで出る羽目になるなんて・・・・あの人も椿のせいで苦労するな・・・」

 

 

「やはり二年前同様の盛り上がりか・・・・」

 

 

ヘルメスのことだからわかっていたが、予想以上に変な盛り上がりをしてくれるおかげで、観客たちが荒ぶりそうになっている。中にはイカれた奇声まで出している奴も居る

 

こんなわけの分からない連中にお洒落をして出なければならないとは、自分たちの主神のためとは言え、命たちに対して大変だなと思った

 

 

「じゃあさっそく始めよう!ではまず。エントリーナンバー・一番・二番。ヤマト・命!ヒタチ・千草!」

 

 

「よ、よろしくお願いします・・・」

 

「本来ならば・・・・このような出場は予定しなかったのですが・・・・友人に頼まれ!私も全力ながら出場させて貰いました!」

 

 

「あ!命さんですよ!」

 

「めっちゃ緊張しているぜ・・・」

 

「この人数を相手におしゃれをして出場をしなければならないとなれば当然だろうな。これが水着だったらもっと最悪だろうな」

 

 

命だけでなく。緊張をしているのは千草も一緒だった。千草に関してはもう何を喋ったらいいか戸惑っている。

 

格好としてはそこまで派手なところも無い。値段が高そうな和服を着ているのがわかる。花柄が入った可愛らしい所が普通の服よりも新鮮で良いとは思う

 

だが千草からしたらそれでも恥ずかしいのだろう。もしここに桜花が居たら。もう何も言えないだろうなと俺は思った

 

 

「千草殿!千草殿も何か・・・・」

 

「え!?えっと・・・・・とりあえず・・・・いっぱい声援を貰えたら嬉しいです!」

 

 

命に言われて、千草も流石に自分だけ何も言わないわけにもいかず。言う言葉は考えはしなかったが、とりあえず出場したからには精一杯頑張ると。観客にちゃんと大きな声でハッキリ喋った

 

 

「はい。ありがとう。緊張をしていたのかな?」

 

「ううん!いいね!恥じらう姿もグッと来た!それでは次に行って見よう!エントリーナンバー・・・・お?また二人同士か?三番・四番!ティオネ・ヒリュテとティオナ・ヒリュテのヒリュテ姉妹だ!」

 

「ヤッホー!」

 

「なんで私が・・・・・団長が居ないのに・・・」

 

 

「ティオナさん!ティオネさん!ジークさん出てきましたよ!」

 

「あいつらか。また今年も出たんだな?・・・」

 

 

今度はロキ・ファミリアの女性冒険者。ティオネとティオナだった。二年前も確かに出ていたのを今でも覚えている。二年前はドレスだったが、今回は踊り子の服で出場していた

 

本人たちはあまりにこう言うのには興味ないはずだが、ひょっとしなくてもロキが無理やり出場させたんだろうと、さっさと終わらせて出店を回りたいのだと彼女たち二人はそう考えているのではないかと予測をした

 

 

「ロキに言われて出場しろって言われたけど・・・・よくわかんないけどよろしく!」

 

「私も団長が居なくてやる気無くすけど・・・・とりあえずよろしく・・」

 

 

「はい。ありがとう。ロキに無理じえされたのね?」

 

「ううん!今年もロキ・ファミリアがやってきたか。いいね!戦闘で輝いていたアマゾネスがこうもこんなに美女の姿に変身するなんて・・・・なんとも輝かしい!」

 

 

「二人は意味がわかってない上にやる気が全然無いがな」

 

 

二人のあまりのやる気の無さに、俺も流石にこればかりは苦労しているなとしか言えなかった。出店に早く回りたいことで。あまりにどうでもよくなっている二人

 

それでも観客は人気らしく。少し露出のある服に人気があるのか。歓声が上がっている

 

ほぼティオネの胸を見て男神や男性冒険者たちが見て喜んでいることを、俺は気づいていた。ティオネは・・・・・・まあまあ観客に見ていた

 

 

「どんどん美女が出てきたとこでどんどん行こう!えっと・・・・・・・うお!?まさかの主神だ!?エントリーナンバー五番!ヘファイストス!!!」

 

「ああ・・・・・・」

 

「来たみたいだなヴェルフ?」

 

 

「ああ・・・・なんで私が・・・・・ヘファイストスよ。椿に無理やりエントリーされて参加することになったわ。とりあえず・・・・よろしくね?」

 

「「「「「「うおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

「さっきより歓声が上がっているな。好評じゃないかヴェルフ?」

 

「俺からすれば嬉しいが・・・・・なんかモヤモヤするんだよな・・・」

 

 

意外にもヘファイストスは手を振りながら苦笑いはしているが、意外と観客は人気を示しているようで、歓声はさっきよりもある。今のところはヘファイストスが一番だと思った

 

綺麗な赤いドレスを着ている。毎日仕事服を着ている彼女からしてここまでの新鮮さがあるとは思っていなかっただろう。その見たことのない美しさに観客が見惚れたのだ

 

 

でも、ヴェルフはヘファイストスに好意を抱いているのだから嫉妬をしているのだと俺はわかった

 

 

 

その後次々と美女たちがステージに出てきたが、ヘファイストス以上の歓声は起こらなかった。このままいけば優勝は本当にヘファイストスの物になる。どんな綺麗なドレスを着て美女が出ても。ヘファイストス以上の声援は起こることはなかった

 

 

「これで最後ね・・・・・・じゃあそろそろ結果発表を・・・」

 

 

「ちょっと待てや!!!」

 

 

「ロキ?どうかしたの?」

 

「まだや!ウチらはまだ全員出てへんで!まだ隠し球があるんや!」

 

 

突然ステージの裏からロキが出てきた。ずっと裏から今まで見ていたのだと思うが、まだロキ・ファミリアは全員出てないと、デメテルとヘルメスに抗議をした

 

まあ。俺も見ていて気づいていたのだが、確かにまだ『あいつ』が出ていないのに気づいていた。その本人は出場するのを今でも拒んでいると俺は予測している

 

 

「ティオネ!ティオナ!今で!!!」

 

 

『おい!お前たち何をする!?』

 

『出場すればすぐに終わるから!』

 

『ちょっと出て!ちょっと顔を出すだけでいいから!!』

 

 

「たく・・・・・なんで私が・・・・また今年もこんなのに出なければならないんだ」

 

 

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」

 

「なんと!?あのハイエルフでもある『ナインヘル』のリヴェリア・リヨス・アールヴだ!!?」

 

 

「やっぱり出場したか・・・」

 

 

ロキが言う隠し球と言うのはリヴェリアのことだった。今年も無理矢理着せられて出場を頼まれたようだ。今年も嫌そうな顔をしてドレスを着て出場する姿は。綺麗ではあるが相変わらず愛想が無い顔をしている。でもその原因は主神であるロキのせいであって、主神のせいで苦労をしているとわかる

 

彼女が着ている白いドレスを見て、大半はエルフの男性だが、声援はヘファイストスを超えた。これにより優勝が変わってしまった

 

 

「待つんだ!私の方にもまだ出ていない美女が居る!」

 

「ん!?ディオニュソス!?」

 

 

「あいつがここに居ると言うことは・・・・・・・・まさか・・・」

 

 

突然またもステージの裏からの乱入者。今度はディオニュソスが出てきた。

 

出てきたデュオニュソスもまだ出ていない美女が居ると、ロキと同じことを言い。ディオニュソスも自分の眷属をおしゃれさせて出場をさせるようだ。

 

 

でも俺の知る限りディオニュソスの眷属で美女と言うのは・・・・・・・最近知り合ったばかりのあいつしか居ない

 

 

「さあ!出てくるんだ!新たな時代の申し子たちよ!」

 

 

『フィルヴィスさん!さあ早く!』

 

『離せ!なぜ私がこのようなことを!』

 

『私も一緒に出ますから!ほら!』

 

 

「うわ!?なぜ私がこのような・・・・・」

 

「私も付いてますから大丈夫ですよ!」

 

 

「なんと!?またも乱入者が出てきたぞ!?今度はあの『マイナデス』である。フィルヴィス・シャリアだ!おまけに『サウザンド・エルフ』であるレフィーヤ・ウィリディスも居るぞ!」

 

「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」

 

 

「あいつもディオニュソスに無理矢理参加されたか・・・・・それでレフィーヤに関してはティオネが着ていた服なんだな・・・」

 

 

リヴェリアの次はフィルヴィスとレフィーヤが出てきた。レフィーヤがなんとか連れ出してステージに出てきたようだ。にしてもティオネと同じ露出の多い服でエルフでありながら肌を晒す事ができるなんて。あいつも見ない内に大胆な事ができるようになったな

 

それでフィルヴィスは紫色のワンピースを着ていた。それでも人に晒すのが嫌なのか。どうも恥じらいが命たちよりもある。そのせいで観客が更に注目を集めている

 

新鮮な姿を見た彼女が珍しいのか、あのバンシーと言われ恐れられてきた彼女がまさかこんな華麗になれるなど思ってもいなかっただろう

 

「おい!?あれがマイナデスか!?」

 

「あいつ・・・・・あんな可愛かったのか?・・」

 

 

フィルヴィスとレフィーヤの歓声はリヴェリアと多さが同じに並んでしまった。これにより状況を悪化することになる

 

 

「乱入者はもう居ないようだね?じゃあそろそろ結果を見て見よう・・・・」

 

 

「リヴェリア様が優勝に決まっているだろ!!!」

 

「何を言ってやがる!?あの変わった姿のマイナデスを見て。あっちの方が良いと思わないのか!?」

 

「何言ってやがる!?当然女神であるヘファイストス様だろ!!お前らの目は節穴か!!」

 

 

 

「またこうなるか・・・・」

 

「確かに酷いですね・・・・」

 

「これじゃあ誰も優勝を決まらないじゃないか・・・・」

 

「また今年もこうなるんですね・・・・」

 

「本当にヘファイストス様がこんなのに巻き込まれるなんて可哀想だ・・・」

 

 

もちろん想像通りの結末になった。例年通り優勝を誰かにするのか観客者同士で喧嘩になる。これで二年前は会場をボロボロにしてまで喧嘩をし始めたのを今でも覚えている。今年もそうなるだろうか

 

ヘルメスも毎年こうなると理解していると思うのだが、少しは対策を付けるべきだといい加減理解しないのだろうか・・・・でないとまた例年通り。観客共がまた暴動を起こして会場がボロボロに壊されてしまう。今でもこいつらが殴り合おうとお互い睨み合いをしている状況である

 

 

「ん!」

 

「どうしましたジークさん?」

 

「どうやら止めてくれる『女神』が来てくれたようだ・・・」

 

「え?」

 

 

俺はステージの裏からある女神の神威を感じ取った。それは俺が一番に知っている女神であって。この殺伐となった空気を完全に破壊してくれる女神でもあると、少し安心した。

 

まあロキからすれば不服の相手だろうと思うが、どうやらここへと足を運んでくれたようだ。もしくは一番の美女は誰だと言われて。自分でないと我慢できないと自分から出てきたのかもしれないと。あいつのプライドを考えた

 

 

その女神とは

 

 

 

「あらあら?随分と盛り上がっているのね?私が来るのを待っていたのかしら?」

 

 

 

 

 

 

「ん!?ステージの裏から声が!?」

 

「この甘ったるい声は・・・・・・・まさか!?」

 

 

その声にディオニュソスとロキが即座に反応した。その声は神たちであれば誰もが知る声。その女神は一人しかいない。

 

 

「少し遅れてしまったけど。今からエントリーしてもいいかしら?」

 

「おおっと!?なんと!?あの美と愛の女神と言われた女神フレイヤが!またも新たな乱入者の登場だ!!!」

 

 

「あんた?まさかこんな物に興味があったなんて・・・」

 

「ふふ。ヘファイストス。オラリオで一番美しい女を決めると聞いてね。私も足を運んできたの。なにせ・・・・・・愛しの義弟であるジークがここに来ているのだから?」

 

 

「え!?フレイヤ様!?」

 

「あいつ・・・・・俺たちの仲間が美女コンテストに出ることを何処かで知り、俺たちが必ずここに来る事を予想をしていたようだな。それと・・・・お前たちがさっきから跡を付けていたことも知っていたぞ?」

 

「え?」

 

 

「流石はジーク様。我々のことはお見通しですか」

「・・・・・・」

 

「うわ!?いつから!?」

 

「もしかしてあの『白黒の騎士』とも言われた。『白妖の魔杖』と言う二つ名を持ったヘディン・セルランドと『黒妖の魔剣』と言う二つ名のヘグニ・ラグナール!?」

 

「ああ。さっきから跡を付けていたぞ。それでフレイヤに報告したんだろうな」

 

 

まさかこんなお遊びとも言える美女コンテストにまさかフレイヤ自信が出るとは俺も思わなかった。彼女のプライドと興味からしてこんなのには絶対に出ないと思ったのだが、どうやら俺に見せようと。ヘディンとヘグニがどこからか情報を掴んで俺たちがここに向かうことをフレイヤに知らせて、跡を付けるように言われて俺たちの後ろをガッチリと追ってきたようだと俺は理解した

 

てっきりフレイヤが俺を義弟扱いしているから、俺を守ろうと警備を頼んだかのように思ったのだが、どうやら自分の綺麗な服を着た姿を見せるためだけに跡を付けるよう頼んでいたようだ

 

 

「おお!?よく見たらあのアポロン・ファミリアを打ち砕いたヘスティア・ファミリアの団長!スキールニルのジーク君が居るじゃないか!?せっかくだ!こっちのステージまで来てくれ!」

 

「なんで俺が・・・・」

 

 

「え!?ジーク!?」

 

「なんでここに居るのよ!?」

 

 

俺はヘルメスの志望により。俺はステージの上に上がることになった。以前アポロン・ファミリアを壊滅させた。俺たちのことは街中に知れ渡っているため。俺に歯向かえばファミリアごとを潰されると俺を恐れているらしい。俺がステージに上がることは誰も咎めなかった。むしろ俺の恐ろしさにみんな震えていた

 

 

「それでなんで俺がステージの上に?」

 

「そこなんだよジーク君!このままじゃあ優勝が決まらない!君の一存で決めてくれないか?」

 

「俺が決めていいのか?」

 

「うん!観客は君の言葉なら従うよ?そうだよねみんな?」

 

 

「「「「「「「は、はい!ジーク・フリード様にお任せします!!!」」」」」」

 

 

「お前らどれだけ俺を恐ろしく見ているんだ。何もしなければなにもしないと理解しないのか?」

 

 

どうやら誰も俺が優勝者を決めることに誰も文句は言えないようだ。ヘルメスも俺の一存で決めて欲しいと頼まれた。俺がなぜか優勝者を決めなくてはならんのか理解できないが

 

俺に感情と感想は無いというのに

 

 

「ジーク?一番は私よね?」

 

「そうだな・・・・・・確かに一番はお前で良いだろう。ウェディングドレスの様な服で以前のお前とは良い格好はしているなとは思う」

 

「でしょ?流石は私の義弟ね。私の魅力をわかっているだなんて流石だわ・・・」

 

 

「おお!流石はジーク様!我が女神の魅力を理解するなど流石です!」

「流石はフレイ様の義弟様・・・」

 

 

こいつを一番にでもしないとうるさいからだなんて、言えないがな。

 

 

「でも露出はなるべく避けろ。その胸元を見せるのは流石に刺激がデカイ。下手すると痴女みたいに扱われるぞ?イシュタルみたいになりたくないだろ?」

 

「そうね。それは私も避ける様にするわ。じゃあ二番は?」

 

「二番はフィルヴィスだな。おしゃれを知らないお前がよくここまで出来たと思う。友人として俺はお前にしっかりと評価する」

 

 

「おお!フィルヴィスの魅力にも答えてくれるとは・・・やはりジークは良き友人だったな?フィルヴィス?」

 

「まあ・・・・・・二番になれただけでも。幸いです」

 

 

確かに珍しい格好はしているなと思った。普段無口で無愛想の彼女にしては良い格好をしていると思う。これは友人としての本当の感想である。少しは乙女らしい姿を見せたなと。俺は評価した

 

まあそれと同時に。別にこれは褒め言葉では無いが、同時に『馬子にも衣装』と言う言葉をも半分感じてしまったのは。流石に言葉にするわけにはいかなかった

 

 

「それじゃあ三番は誰かしら?」

 

「三番は・・・・・・・・ティオナだな」

 

「え!?私!?」

 

「ジーク!?なんでティオナが三番なのよ!?」

 

 

「ティオナはこの大会の意味は全然わかってないが、それとは別にちゃんと観客に笑顔を見せて真剣に取り組んでいる。意味がわかってなくても空気を読むことはわかっている。天然ではあるが。彼女の笑顔に観客の方も照れ臭くなるほど胸にときめき差を感じるんじゃないか?」

 

 

「た、確かに良いかも・・・」

 

「アマゾンのとびっきりの笑顔!?確かに胸にキュンと来た!」

 

「そうなんだ・・・ジークが・・・へへ!なんか嬉しい!」

 

「おお!!ジーク君!それぞれの魅力をここまで見極めるなど!流石はトールの息子だ!!!」

 

 

「そこは関係ないだろう。あとは申し訳ないが評価はしない。以上だ」

 

 

「ジーク君の権限で優勝者と準優勝者が決まりました!一番はフレイヤ!二番はフィルヴィス君!三番はティオナちゃんだ!」

 

「「「「「「おおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

俺は個人的な感想で評価し。俺の独断で勝手に順位を決めさせてもらった。とりあえずこの場の収拾はなんとか出来た。本当に俺の決めたことには誰も文句が言えず。俺を恐れて観客はただ従うのみだった

 

だが評価されてないティオネたちからはなんで評価してくれないと意外にも文句は出た

 

 

「ジーク?なんで私は評価してくれないの?私はティオナたちよりも下ってことよね?」

 

「そういうことだ。お前を評価しない理由は、お前はフィンにその姿を見てもらいたいんだろ?ならばそうでない男に評価されても嬉しくないだろ?だから俺がお前のプライドに気を遣って評価しなかっただけだ」

 

「それは・・・そうだけど。それはそれでなんか女性として納得はいかないのよね・・・・・・・私が嫌いとか・・・じゃないよね?」

 

「まだ二年前のことを気にしているのか?もう忘れろと言っているのに、個人的に好きではないが、お前の気を遣ったつもりだ」

 

「そう・・・・・ならいいわ」

 

 

ティオネはフィンに自分のおしゃれを見せたかった。

 

ならば評価する必要も、男にチヤホヤされるのも嫌だろうと思って気を遣ったまでのこと。女として不服かもしれないが。好意でもない男共に評価されても意味がないなら、別にわざわざ優勝する必要はないと

 

俺は順位を落とした

 

 

「私に関しては・・・どう言う理由だジーク?」

 

「お前も聞くか?これに興味ないんじゃないのか?」

 

「いや、確かに興味はないが・・・・・お前が私を女性として評価しないのはどうも気になる・・・・理由が要るほど聞きたい」

 

「簡単な話だ。この大会に興味も無い。ロキに無理矢理出場されただけ。やる気が全然無い。辱めを受けるような感じだと思い。順位を落として問題ないだろうと思って評価しなかっただけだ。ティオネ同様にお前に気を遣っただけだ」

 

「そうか。なら・・・・・もしこの大会に全力で取り組んでいたら評価してくれたのか?」

 

「その場合は確かに評価する。でもお前の性格の場合だと。ティオナみたいにあんな爽やかな笑顔はできないと俺は思う」

 

「私だって笑ったりはする。ティオナみたいには・・・いかないが」

 

 

「てことはティオナは三位で間違いない無しなんやなジーク?」

 

「ああ。そこは断言するロキ。ロキ・ファミリアの中で一番接し方が上手く。天然ではあるが、知らない相手でも笑顔を出して対応する姿はお前らよりも乙女らしい可愛さを持っている。俺個人の判断からしてな・・・そう思った」

 

「へえ・・・・私とリヴェリアは乙女らしくないと?」

 

「そういうことだ。お前に関してはちゃんと好意に思っている相手が居る以上はそんな真似はしないだろう。リヴェリアに関してはもう年齢の関係で乙女とは言わない。もうお前は40代だ。せめて熟女だろ」

 

「く・・・・ジークがここまで言う様になったとは・・・なかなかに厳しいことを言ってくれる」

 

 

「ジークは・・・・私の笑顔が良いんだ・・・・へへ。やっぱりジークに褒められると嬉しいな・・」

 

 

やる気が無いのに評価を貰っても意味がないだろうと。ティオネには評価しなかった。あまり深く言うと言い争いになるかもしれないとそれ以上は何も言わなかった。

 

この美女コンテストにやる気が無い上に、主神に無理矢理出された女にどう評価しろと言うのだろうか。そんなもん評価する人でも愛想が尽きる様に評価しない。恥じらいも笑顔も出さない相手に、ただ無口で無愛想な顔をしている女に俺はとてもじゃないが可憐さはあっても美しさは無いと、本人も望んでないことをするつもりはなかった

 

なのにそれでも俺に多少の評価はして欲しいと言われたのは、女のプライドとして黙っておけないのだと知ったからこれ以上はこの二人に欠点を言うのは良く無いと思って。何も言わなかった

 

 

でもこの二人よりも最悪な奴が居た

 

 

「そしてレフィーヤなんだが・・・・この中で一番最悪だ」

 

「え!?なんでですか!?」

 

「どうしてやジーク!?こんなに可愛く見えるやろ!?」

 

「やっぱりチョイスしたのはお前かロキ。可愛く見えるかもしれないが、いくらなんでも露出が多すぎる上に。これティオネの服だろ?」

 

「ああ。そうやけど?」

 

「これはアマゾネス専用の服だぞ?それをエルフに着させると・・・ただの痴女にしか見えないぞ」

 

「ち!?痴女!?」

 

「私の服・・・そんな露出が多いかしら?」

 

「お前はアマゾネスだから露出に関してわからないだけだ。エルフは清楚な生き物でもあるのだから別の種族で性別が同じでも滅多に体を晒さないんだぞ?その美しいエルフがこんな大勢の前でここまで露出するとなると。美しさよりも・・・逆にいやらしさを強調するだけだ」

 

「まあ・・・・確かにエロいやな・・エルフがこの服着ると・・」

 

 

「うう!!ロキが選んだのにいいいい!!私着替えてきますううううううう!!」

 

 

エルフの体と言うのはそれほど女神に近い美しさとスタイルを持っている。それが露出の多い服を着させれば、イヤらしさは増すと。残念ながらレフィーヤのはこればかりは評価することはできず。すぐに着替えた方が良いと忠告し

 

レフィーヤは泣き出してステージの裏に逃げた

 

まだ15歳の彼女とは言え。流石にあの格好は男に刺激を与えるだけだと、美しさも欠けらもないと、俺は一番評価に値することができなかった

 

 

「あのジーク殿?・・・・私たちは?」

 

「お前たちに関しては身のためだな・・・」

 

「身のため?」

 

 

「これ以上評価が上がったりしたら。今後男性冒険者がイヤらしい目で見られると言うか。変な眼で見られるかもしれないと・・・・あえて警戒して順位を落とした。実は言うとこれで順位が上位な分だけ。男性冒険者にストーカー被害に及ぶ事もある」

 

「ええ!?そんなことがあるんですか!?」

 

「私たちジークさんが順位を落としてくれなかったらどうなっていたんだろう・・・」

 

 

この美女コンテスト。実は大会が終わった後も問題がある

 

二年前に一度ある女性冒険者がこの美女コンテストに出て。その後ストーカー被害を受けると言う事件が密かにあった。その被害を避けるためにも申し訳ないが二人を最下位にした

 

まあ命はそんな変質者が相手が出ても対応できると思うが、千草は性格からして対応できないかもしれないと。二人に申し訳ないが順位を下げた。今後どうなるかはわからないが、被害を避けるために。団員である命や友人である千草たちのために心配して気を遣った

 

 

 

「それじゃあ私は?」

 

「ヘファイストスか。お前は確かに文句の言いようがないほど見違えた。いつもの服なんかよりも、女神らしさが更に増す程感じる。本当は評価には値するほどだった」

 

「ならどうして評価してくれなかったの?」

 

「ヴェルフの気を遣って順位を落とした・・・・・理由は聞かないでくれ」

 

「ヴェルフ?」

 

 

「げ!?ジーク!?余計なことを言うなよ!?」

 

 

ヴェルフはヘファイストスが美女コンテストに出て知らない男どもにチヤホヤされているのが気に入らないらしく。嫉妬しているのだと分かった俺は

 

ヴェルフのために気を遣って順位を落とした。好意に想う相手が人気になってくれるのは嬉しいものかもしれないが。だからと言って知らない相手に好意に想われるのは、ヘファイストスを想うヴェルフにとっては恋の関係で嫉妬が出ても仕方ないこと

 

こんなことを口にしたら、ヴェルフの想いにヘファイストスが気付くと思ったが、ヘファイストスはその言葉の意味に理解はしてないから、ヴェルフの想いには気付いてないから問題なかった。意外にも察しはそこまで良くないようだ

 

 

これで結果の理由として以上だった

 

 

「結果は言った。もうステージに居なくても構わないなフレイヤ?」

 

「ええ。ここ以外にも回りたいところでも?」

 

「ああ。あとは・・・・あそこしか無い。あんたの護衛がヘディンとヘグニしか居ないが・・・・残りは闘技場か?」

 

「そうよ。もう少しで始まるから行った方がオッタルの戦いも見れるわよ?」

 

「入れるならな?」

 

 

俺は役目を終えたためステージを降りる。確かにこのあと回る予定なのは闘技場だが、上級冒険者同士の模擬戦は冒険者にとっては一番の大イベント。上級冒険者同士が戦う光景などウォーゲーム以外ありえない。それが普通に見れるとなれば誰もがその会場に向かうはず。今頃席は人気のため満席になっているだろう。

 

一応行って確認するが、フレイヤの言った言葉に興味はあったため。闘技場にはこれから向かうつもりだった

 

 

「ヘスティアもういいだろう?美女コンテストは俺が結果を決めた。命のおしゃれな和服も見られた。友人であるヘファイストスや千草のおしゃれも見れた。もうここに居る意味は無いと思うが?」

 

「そうだね。次は・・・・入れるかわからないけど。闘技場に行こうか!」

 

「は、はい!」

「おう!」

「はいです!」

 

 

目的は果たした為、美女コンテストを出ていく。まさか俺が結果を決めることになるとは思っても居なかった。でもおかげで揉め事は避けることはできた。二年前とは結末が変わって助かったが

 

俺の結果が気に食わなない出場者が何人か居るが。もちろん無視した

 

 

これ以上俺は何も言わない方が言い争いをせずに済むと。俺はヘスティアたちと共に会場を出ていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闘技場を向かう際、俺は先ほどの結果についてヴェルフに何度も問い詰められた

 

 

「お前勘弁しろよ!あともう少しでバレるところだったんだぞ!?」

 

「ヘファイストスはあの言葉の意味がわからなかった。察しがそこまで良くないようだから問題ないだろ。それにお前が嫉妬せずに済んだだろ?」

 

「それはそうだけどよ!それはそれ!これはこれだろ!」

 

 

「ヴェルフ君は何を言っているんだい?」

 

「さあ?ベル様は何か知っています?」

 

 

「え?ま、まあ・・・・・」

 

 

こればかりは男だけの話。男の恋に女を混ぜるわけにもいかず。ヴェルフの恋愛事情は俺たちだけにしか話せないこと。ベルはヘスティアに事情は説明せずに俺に任せればいいと。詳細は明かさなかった

 

 

すると

 

 

『高あああああああああああああああ!!』

 

 

「ん?なんだ?」

 

「今の声は・・・・ラウルか?」

 

「あ!あそこだよ!って・・・・あそこはゴブニュの店!」

 

 

ヴェルフに問い詰められる途中。突然屋台の方で大きな声が聞こえた。その声の主は俺が知っている人物。ロキ・ファミリアのラウル・ノールドだった。その声の先は今向かう途中であるゴブニュ・ファミリアの出店に居た。そこにはアキも居た

 

せっかくだからと俺たちは立ち寄った。高いと言っていたからどうせゴブニュ自身が売った武器を買おうとして値段が高くして買えなかったのだろうと察しが付いた

 

 

「何をしている?ゴブニュが打った武器を買おうとしたのかラウル?」

 

「な!?ジーク!?」

 

「どうしてここに!?」

 

「闘技場に向かう途中だ。ラウルの声が聞こえて小痴に来ただけだ」

 

 

「やあゴブニュ?君が打った武器かいこれ?」

 

「ん?ヘスティア!それに・・・・・・その首に掛けているのは『ミョルニル』と『レーヴァテイン』!?。となるとお前がフレイの義弟にしてトールの息子ジーク・フリードだな?」

 

「そうだ。初めましてだなゴブニュ」

 

 

ゴブニュ

 

引き締まった体をしたドワーフを思わせる老神。ゴブニュ・ファミリアは鍛冶系ファミリアである。同業のヘファイストス・ファミリアに規模では劣り、上級鍛治師は居ないが、腕前はそこまで負けてはおらず、第一等級武器を制作できる。アイズやティオナなどが利用しているファミリアでもある。実は鍛冶だけでなく建築関連の依頼も請け負っている為、以前俺たちのホームの内装を請け負ってくれた

 

 

「ああ・・・・ミョルニルを首に掛けているとなればお前があのトールの息子で間違いないだろう。ミョルニルはトールかその実の子にしか持てる筈がないからな。まさかトールに息子が出来たとは思わなかったがな・・・」

 

「その言葉からすると・・・・おふくろはあんたにも天界で迷惑をかけたようだな。代わりに謝罪する」

 

「いや・・・・トールには天界の頃は色々無理難題なことを頼まれるが、それでも雷神らしい誇りはある。謝罪を受けるほどではない」

 

「そうか・・・・・・あんたも自分の作品を出店で出しているのか?」

 

「ああ。こう言う時くらいしか外出はあまりできないからな・・・・」

 

 

「「ゴブニュが喋った『っす』!?」」

 

「ん?そんなにこいつが喋ることが意外か?」

 

「ジークは知っているでしょ!?ゴブニュ様は全然喋らないことを!?」

 

「そうなのか?今初めて会ったからこいつの性格のことは知らない」

 

「神様相手にそんなあっさりと・・・」

 

 

「ふむ。中々に面白い子供が入ったなヘスティア?」

 

「ああ。ジーク君はベル君と同じく特別だ。なにせトールの息子にしてフレイの義弟だ。特別じゃないとは言えないよ」

 

 

「ところでラウル?何が高いんだ?」

 

「そうそう!これっすよ!この剣!ゴブニュ様が打ったみたいっすけど。一つ20万ヴァリスもするんっすよ!」

 

「その値段で当然だろ。神の作品だぞ?神が作った物が安いわけないだろ。この値段が普通だ。そうだろうヴェルフ?お前ならわかるはずだ。この剣の凄さを・・」

 

「どれどれ・・・うお!確かにゴブニュ様が製作しただけのことはあるな・・・この剣も槍も装飾品も。みんないい物ばかりだ。刃が物凄え鋭い。これが神の作品か・・・・・・まあ確かに20万ヴァリスもして当然だな」

 

「ウチの鍛治師もこう言っているぞ?」

 

「そんな!!屋台で出す値段じゃないっすよ!」

 

「そうなんだ・・・」

 

「まあ・・・確かに屋台で出す値段ではないな」

 

 

「値引きがして欲しいなら・・・・ミョルニルとレーヴァテインを見せてくれないか?そうすれば一つ5万ヴァリスで手を打とう」

 

 

「え!?いいのかいゴブニュ!?」

 

「構わん。俺は数百年ぶりにトールのミョルニルとフレイのレーヴァテイン が見たいんだ。ジークよ?その者たちが買う物を値引きしたくば。お前がその武器を見せてくれないか?」

 

「俺とこいつらは無関係なんだがな。まあそれで構わないなら見せるまでだ」

 

 

ラウルが買う物を値引きさせたければ、俺の首に掛けてあるレーヴァテインとミョルニルを見せて欲しいと要求され。そんな安いことで値引きしてくれるならと、もうラウルたちは赤の他人ではあるが。別に断る理由もない為。

 

首に掛けてあるチェーンから外し大きくして。屋台の机にミョルニルとレーヴァテイン を置く

 

 

「ふむ・・・やはりいい武器だ。あの二人をこれをどうやって作ったのだろうか・・・」

 

「さあな。そこは俺でも聞かされていない。どっちにしてもあいつらの神の力で創った神器だろう。わかっていると思うが、この二つは・・」

 

「わかっている。俺でも持つことができない神器だ。所有者を選ぶ武器とは・・・・なかなかに鍛治の神でもある俺やヘファイストスをも超える武器をトールとフレイが天界の頃を作ったと時は驚いたぞ・・・・・良い切れ味の剣と絶対に折れることもなければなんでも破壊するハンマー。あいつら二人は本当にいい武器を持っているな・・・」

 

「おふくろはともかく、フレイはあまり下界では使っていなかったがな・・・・」

 

「ふん。あいつらのことだ。お前さんに託したかったのだろう・・・この武器を大切にするのだぞ?」

 

「言われなくてもそのつもりだ。もうしまってもいいな?」

 

「ああ。お前たち・・・約束通りこれを一つ5万ヴァリスで売ろう・・」

 

 

「あ。ありがとうございます!」

 

「ごめんねジーク・・・また迷惑をかけて・・・」

 

「別に構わない。ベルたちも買うか?」

 

「いや、僕はもう・・・ヴェルフがいい物を作ってくれましたから・・・」

 

「ヴェルフ様が居る限り・・・要らないかと・・」

 

「それもそうか・・・・・だがヴェルフ。ゴブニュの作品はどう思う?見て勉強になるか?」

 

「ああ。装飾品もそうだが・・・防具も武器も良い物を作ってやがる。やっぱり神の作品は別物なのが見てわかるぜ・・・」

 

「ウォーゲーム見させてもらった。ヴェルフ・クロッゾだな?クロッゾの魔剣良い威力だった」

 

「あ、ありがとうございますゴブニュ様」

 

「じゃがヘファイストスの言う通り。魔剣はすぐ砕けてしまうそうだな・・・」

 

「はい。その通りです」

 

「そうか・・・ならお前に一つ助言を言っておこう・・」

 

「は、はい!なんでしょうか?」

 

 

 

「今お前さんに足りないのは。『自分の一族の嫌気』だ。それを否定しているから魔剣がすぐに砕けるんだ」

 

「ん!?」

 

「俺が見る限り。その血を受け入れなければ。クロッゾの魔剣は完成しない。またあのウォーゲームのように少し使っただけで砕ける。プライドで自分の血を否定しているからお前の作品は熱意が感じず砕けるんだ。以前お前の作品をヘファイストスの店に行ってまで見た」

 

「え!?俺のですか!?」

 

「ああ。ヘファイストスが面白い子供がウチに入ってきたと言って。気になってお前の作品を見に行ったのだが・・・・どうも熱意が感じられない。お前本人を見る限りでは・・・魂が感じられず。余程自分の血を否定しているのがわかる。それを受け入れない限りクロッゾの魔剣は完成しない。それをなんとか受け入れるのが今後のお前の課題だ」

 

「ヘファイストス様も同じことを言っていました。いつか克服しようと受け入れようと思います。助言感謝します」

 

「うむ・・・・これからも励め。ヘスティアの眷属となった鍛治師よ。熱意を持って鉄と向き合え」

 

 

ゴブニュからヴェルフの今に足りないものを教えた

 

俺も薄々は気づいていた。自分の血を否定するからクロッゾの魔剣にも血が入らず。威力が発揮せず砕ける。クロッゾの魔剣は明らかにその血にたぎる魔力が足りないから中途半端にしかできず砕ける。

 

クロッゾ家が失態を犯しエルフの里を燃やした罪もあるのか。どうも自分の血を否定するばかりで、魔剣を作ることも困難になっている。ヴェルフも俺同様に技術ではなく魂に問題があると理解した

 

 

「ジーク本当にありがとうっす。前は・・・18階層で礼を団長がしたっすけど。今度は自分から何かお礼するっす」

 

「私からもするわ。あなたには・・・・本当に申し訳ないと思っているから・・」

 

 

「だから二年前は忘れろと言っているだろ、そうだな。必要になった時はお前たちを使わせて貰う。それでいいな?」

 

「はいっす!」

 

「ええ!」

 

 

ラウルとアキは今回値引きしてくれた礼として、毒を解毒してくれたお礼の件は勝手にフィンがお礼してくれたが、今度は自分たちでお礼をしたいと自分から言って別れた

 

あまり頼むことは無いとは思うが、念の為ラウルとアキから貸しを作り。いつか何かのために頼もうと、保険としてお礼を貰う

 

 

だがラウルはともかく、アキはまだ二年前の疑いに溝があるのか。まだ悔やんでいるらしい。もう忘れろと言っているのに・・・

 

 

「あ!居た居た!おーいジーク!」

 

「ここに居たのね!」

 

「ジークさーん!」

 

 

「ん?ティオナ?ティオネ?レフィーヤ?着替えたのか?」

 

 

「うん!ジークたちが『大剣闘祭』に向かっているとわかって私たちも一緒に行こうと思って!」

 

「コンテストはもう終わったのか?」

 

「ええ。それでもうあとはロキが大観衆の前で他の神や酒豪の冒険者を集めて一気飲み大会始めて。神フレイヤも呆れて帰ったわ」

 

「私たちもロキの頼みは終わりましたし。着替えて私たちも闘技場に向かうところなんです」

 

 

「そうか・・・・・・・また今年も一気飲み大会しているのかあいつ・・・」

 

「ロキらしいね・・・・」

 

「お前の叔母も大概だな・・・」

 

 

突然ティオナとティオネとレフィーヤがいつもの服に着替えて俺たちのところにやってきた。美女コンテストが終わったようでティオナたちはロキの頼みを全うして着替えて俺たちと一緒に『大剣闘祭』に向かおうとしていたらしい

 

そして美女コンテストが終わった後はまたロキが他の連中を集めて酒の一気飲み大会を始めているらしい。相変わらずの酔っ払いな叔母だと思った

 

 

「向かう先は一緒だしな・・・・構わんなヘスティア?」

 

「うん。ゴブニュ?僕たちはもう行くぞ?」

 

「ああ。それとティオナ。お前?また俺の子供に無茶を頼んでいるな?もっと武器を大切にしろ・・・」

 

「あ。ゴブニュ様・・・・・ごめんなさい・・」

 

「ティオネ?またか?」

 

「ええ。この子またウルガを無茶なことをして壊したのよね・・・」

 

「扱いが絶対になってない証拠だな」

 

「あはははははははは・・・・・今ジークさんが思っていることの通りです」

 

 

「ジーク?ティオナ・ヒリュネの武器ってなんだ?」

 

「アダマンタイトでできた大剣だ。ヴェルフ」

 

「は!?アダマンタイトの武器を何回か壊しているのか!?」

 

「そういうことだ」

 

 

ゴブニュに別れを言うが

 

その前にティオナに会い。彼女に自分の眷属にまたもウルガの修理を頼んでいたらしく。あまり無茶なことをさせるな注意された。どうやら二年前同様に彼女は無茶なことをしてまたウルガを壊して修理を頼んでいるらしい。アダマンタイトは無限にあるわけじゃないのだから、いい加減壊さないように扱いを上手くした方が良いとわからないのだろうか

 

ヴェルフも鍛治師としてアダマンタイトの武器を何度も壊していることに『それは無いだろう』と少し引いている

 

 

「ねえジーク?さっきの私のおしゃれ綺麗だった?」

 

「まあな。おしゃれを知らないお前としては可愛く見えたぞ」

 

「そうなんだ。えへへへへへ」

 

「あんたって本当にジークと言い。ベル・クラネルと言い。誰でも抱きつくわね・・」

 

「ジークさんが困ってますよ・・・」

 

 

 

「ジークさんって本当にモテモテですね?」

 

「うん。もうロキたちと和解もしているみたいだから。ロキの子供たちもジーク君に親しくしているよ」

 

「ジーク様はイケメンですからね・・・」

 

「あいつ知らぬうちにハーレムとかできてそうだな・・・」

 

 

「ん?何か言ったか?」

 

 

「「「「別に!!」」」」

 

「?」

 

 

ヘスティアたちが何か俺とティオナたちのやり取りを見て何か言っていたようだが、よく聞こえなかった。

 

とにかく次の目的地である『大剣闘祭』が開催されている闘技場に向かう。ティオナたちは本来なら美女コンテストに参加せず。そっちに参加するつもりだったが、ロキのせいで参加はできなかったらしい

 

人気も高いから席はもう満席だろう。立って見るくらいもできないほどもう闘技場は入れないかもしれない。それだけ他のイベントよりも一番人気の高いイベントでもある。他のオラリオ以外の国から大使が見物するほど足を自ら運んでくるなど。冒険者にとっては必ず目にしておかねばならないほど絶大なイベントでもある

 

 

 

 

 

 

 

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