ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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霧の国ベルテーンへ

 

 

タルヴィたちは先に帰らせて、今回依頼に参加する者をミアの酒場に集めた。

 

集まったのは俺、ベル、春姫、千草、ヘスティア、タケミカヅチ、アイシャ、リュー、椿、ウンディーネ、シルフ。そして・・・・・・・・・・・・・・アイズ?

 

 

「さて、参加する者は集まったな。と言いたいが・・・・・・アイズ?なぜお前がここに?」

 

「お・・・・・シルフが行くなら、私も行く。私もその他国のモンスターだって倒せる」

 

「と言う感じで、アイズも着いて行きたいって聞かなくて」

 

「まあいい。レベル6がもう一人加わるのは有利になるかならな、力を借りる。だがロキとフィンには言っておけよ?」

 

 

呼んでもいないロキ・ファミリアのエース、アイズが来ていた

 

母親であるシルフがどこかでまた戦いをしようものなら、娘として母を守りたいと志願してアイズはやってきた

 

まあ、レベル6が一人加勢してくれるなら戦況は有利になる。今はアイズの力を喜んで使わせてもらう。だとしたら防衛はなんとか守れそうだと、これで守備もなんとかなった

 

 

「では依頼内容を伝える。明日の昼、オラリオを出てベルテーンと言う他国に向かう。そこの近くに生息する今回の敵、沼の王の討伐である。沼系の怪物で。ある泉とリンクし、何度も再生する怪物となってベルテーンの者達は倒せないらしい。そこは俺のファーブニルの力を使い封印する。奴は再生できなくなる」

 

「確かに、ファフニールのレアカースなら止められるわね」

 

「シルフなら実感しているから、沼の王の再生はなんとかできると理解できるだろう」

 

「敵はそいつだけか?」

 

「いや、ここからがお前達の仕事だ。奴はその泉の力を奪ったのか、その地と一体になり、自分の体から分身を生み出せるらしい。その分身体をベルテーンと言う国に近づかせないこと」

 

「国の防衛ってわけね」

 

「自分の体から分身を生み出すって・・・・・」

 

「数は?」

 

「依頼者が言うには、数百は数分で出てくるらしい」

 

 

「「「数百!?」」」

 

 

「難敵ですね。主」

 

「ああ、そして依頼者の目的はその泉をその怪物から取り戻すこと、だからなるべくその環境とその地に被害を与えない魔法を使用すること、わかりやすく言うなら」

 

「白兵戦で挑め、ってことだなジーク?」

 

「その通りだ。椿」

 

「つまりは時間との勝負だ。ジークが早く本体にレアカースを掛けて再生を止めないと、戦いに終わりがなくなる」

 

「そういうことでいいんだよね?」

 

「ああ」

 

 

今回の依頼の戦いは攻防戦

 

分身から国を守る防衛隊と、本体を倒す攻撃隊。この二つの戦いだ。俺が要となっている。俺が早く本体にレアカースを掛けないと戦いは苦しくなる。そこは俺が素早く済ませるから問題ない

 

問題はその分身体だ。数分で数百出るなど、完全に軍勢を相手にするようなもの、言うなら戦争規模の戦いだ。防衛がどこまで続くかにもよる上に、その数を倒し切れるかも怪しい数だったらまずい。しかもリダリとウスカリ二人がレベル4。分身体でもかなりの強さなはず。苦戦は免れない。今回の戦いもレベルが高い

 

だが

 

 

「アイズ。お前一人で、レベル4に匹敵する敵をどれだけの数を倒せると思う?」

 

「700は行けると思う。また回復薬があれば、それからも戦える」

 

「700!?」

 

「流石は剣姫だね」

 

「上出来だ。まあ、とにかくだ。レベル4に匹敵するような敵を『千を相手』にすると思って国を守ってほしい。もちろんヴェーラ・ファミリア全眷属も戦場に出る。なるべく俺も本体のレアカースにも急いで掛ける」

 

「千か・・・・・」

 

「主な依頼はこんな感じだ。敵は沼系の怪物の分身体。その数は千は居ると思え。レベル4に匹敵する強さだ。白兵戦でなるべく泉の環境に影響を与えない魔法を使うこと。油断せずにお互いの背中を守りつつベルテーンと言う国を守れ。俺がレアカースを急いで掛ける。それまで耐えてくれ。依頼内容は以上だ。できるか?アイシャ?リュー?椿?アイズ?」

 

「私は春姫に頼まれているしね。姉気分として、引き下がる気はないさね!」

 

「私も戦います。同胞に頼まれて断ることなんてしません」

 

「手前もだ。手前は白兵戦が大得意だ。千を相手にする敵など、腕が鳴る」

 

「私はお・・・・・・シルフが行くなら、私も戦う。シルフの助けにもなるし」

 

「あらあら。頼りにしているわね。アイズ」

 

「うん、任せて」

 

「主。呼ばれた時から皆さん。覚悟は決まっていますよ」

 

「そうか、よし、では明日の昼、オラリオの門前で集まれ。ベルテーンの者たちの依頼を受諾する」

 

 

こうして、タルヴィを救う。沼の王を討伐依頼を受け入れる

 

メンバーは、俺、ベル、春姫、ヘスティア、グラニ、グリフォン、ウンディーネ、シルフ、千草、タケミカヅチ、リュー、アイシャ、椿、そしてアイズのメンバーで決まった

 

沼の王の討伐をこの人数で挑む。無論敵は強敵。再生をする怪物などキリがない戦いをする。だからダンジョンで挑むのと同じで、階層主を相手にすると思った方がいい。ウスカリ達がレベル4で匹敵するならアンフィス・バエナと同じ強さだと思っていいだろう

 

今回の戦いも油断できない怪物の討伐依頼だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、昼

 

サラマンダーに他国の者達に依頼を受け、オラリオをしばらく出ていると、もしもヴェルフ達が帰ってきたら伝えるよう、留守番するサラマンダーに伝言を頼んでおく

 

そしてオラリオの門前で集まり、皆装備をして集まっていた。ベルテーンは遠いと思うため、グラニとグリフォンの馬車も用意していた。俺たちが集まった後でタルヴィ達も集まり、タルヴィ達もここまで来たと思う馬車を用意していて、ベルテーンに向かうにしても、馬車がないとやはり不便な場所らしい

 

俺はベルテーンの大体の場所はわかっているが、それでも一回も行ったことはないため、どんな感じかは俺もわかっていない。道案内は任せても良さそうだ

 

 

「タルヴィ。その他も来たか」

 

「ごめん、遅れた?」

 

「いいえ、予定通りです」

 

「戦力は集めておいた、他派閥が多いが、皆お前達に負けない者たちだ。レベル6が一人と、レベル5が一人、ウスカリとリダリと同じレベル4が二人。新たに加入して貰った。それと俺の精霊達も一緒だ」

 

「第一級冒険者を二名も!?」

 

「すげえなオラリオは、本当に」

 

「一人は個人的に協力してくれた。その他は俺の精霊だ。簡単な自己紹介」

 

「アマゾネスのアイシャ・ベルカだ。あんたと同じレベル4だ」

 

「鍛治師の椿・コルブランドだ。手前はレベル5だ。よろしく頼む」

 

「アイズ・ヴァレンシュタインです。よろしくお願いします。あ、レベルは6です」

 

「皆、強者揃いだ。沼の王はこのメンバーで倒す」

 

「これは有難い。ジーク殿が加わるだけでも嬉しいですけど、それに加えてレベル6とレベル5も居るとは」

 

「しかも精霊も居るのかよ」

 

「まさか、これがウンディーネ様とシルフ様とは、初めましてウンディーネ様とシルフ様、ウスカリと申します」

 

「始めましてウスカリさん。今回は主の命で力になります」

 

「よろしくね、ウスカリさん」

 

「はい!まさか英雄ジークが精霊召喚師だと、聞いてはいたが、本当に精霊を配下にしているとは」

 

「これで沼の王の討伐は目前だね!」

 

「だからと言って油断は禁物だ。どんな敵でも真剣に、本気で挑まねば」

 

「お嬢。ジーク・フリードの言う通りだ。レベルが高くても沼の王を油断するものじゃないぜ」

 

「心強いってことだよ。ごめん、リダリ。私生き残れるんだと思うと、思い上がっちゃって」

 

「っ!・・・・そうか」

 

「犠牲になることばかり考えていた巫女が、やっと自分の人生を自由に生きれると思って安心しているんだ。無理もない」

 

「ジークさん。なんとしてでも、沼の王を倒しましょう」

 

「タルヴィさんを救うために」

 

「ああ、仲間の頼みを受け、再生する沼の怪物を絶対に仕留める」

 

 

戦闘員の強さを紹介して、かなり安心しているタルヴィ

 

ベルテーンの使命だけに生きてきた彼女が、やっと巫女の使命に解放されて自由に生きれるのなら、嬉しいものだ。少し舞い上がっても無理はない。これから国のために死ぬ。それが国のためなら仕方がないかもしれないと受け入れた。でも、そんなことをしなくても怪物は倒せる。

 

別の方法で怪物を倒すことができるなど、もう命を犠牲せずに生きられるなら、多少の思い上がりは仕方がない。

 

でも。油断はしないのは当然だ。

 

 

「討伐作戦は、まずは現地に行き、現状を把握してから立てる」

 

「その方がいいですね。ヴェーラ様にもこの事を話さないといけませんしね」

 

「ああ、俺もヴェーラと話をしたい」

 

「僕たち主神同士で話したいことは山程あるしね」

 

 

討伐作戦は、まずは現地であるベルテーンに着いてからだ。

 

現状を把握しないと作戦を上手く建てられない。まずは現場に着いて現状を確認してからだ。それとヴェーラと言う女神に今回の依頼のことを話すこと、巫女の最後の思い出としてオラリオを過ごしていたはずが、沼の王を討伐できる者を見つけて依頼して受諾し、沼の王を倒すためにベルテーンまで来てくれるなど、予想外でしかないからな。

 

ヘスティアもタケミカヅチも、ヴェーラと言う女神と話がしたいのか、主神に話をしてから作戦を行いたいと思っている

 

とにかく

 

 

「よし、準備できたな?ウスカリ、一応その国の出身として、先導をして国案内を頼む」

 

「はい、任せてください」

 

「それでは、ベルテーンへと向かう、皆!行くぞ!!」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

 

ベルテーンへと出発する

 

霧の国へ行き、沼の王と言う他国の敵を討伐するために、オラリオから旅立つ。ベルテーンを救うため、タルヴィと言うベルテーンの姫を救うために、俺たちは聖夜の季節にでも戦いに身を投じる

 

果たして再生すると言う不死身の怪物を倒せるかどうか

 

 

無論、俺たち次第である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラリオからベルテーンまではかなりの距離がある遠さだった。だから数日程辿り着くのに時間がかかった。霧の国と呼ばれる他国だ。そんな簡単に辿り着く場所ではない

 

数日経ち、今森林付近に辿り着いた。その森に入るともう少しでベルテーンに着くと、ウスカリが通達する。

 

だがその道の途中で

 

 

「霧が凄い森ですね」

 

「ええ、ここの気象現象は激しいもので、ですから、隠れるにしてはちょうどいいんです。我らの国は」

 

「そうだな、泉を隠すにもちょうどいい。しかし、これが沼の王に汚された泉水か。その川を見ろ」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「川が!?」

 

「紫色に!?」

 

「あれが沼の王に汚染された色か、しかも近くで怪物と思われる気配が複数感じる。これが沼の王の被害か」

 

 

ベルテーン近くの森の道を通っている最中。すぐ隣に川があったのだが、その川が水の色をしていない。

 

 

紫色の泥で汚れていた川をしていた

 

 

ウスカリとリダリの言う通り、被害は甚大だ。この汚れた川の水を濾過して飲めと言われたら、生きるためとはいえ躊躇う者は居るだろう。確かに、生きるためとはいえ、怪物のせいで汚れた水を飲まなきゃいけないのは生き恥だ。むしろよく濾過できたものだ。ここまで酷く汚された水を綺麗にして飲むのは。かなり技術と知恵が要る。おそらくだが、それに関しても犠牲者が多く出た上で、飲めるような所まで濾過したのだと察する

 

 

「こんなに酷く汚れているなんて・・・」

 

「予想以上の被害だ。確かに早く討伐した方が良さそうだな」

 

「しかし、霧が隠れて気づかなかったが、この森一帯だけで、さっきまで通った道はそこまで川は汚れていなかった」

 

「この森に入って以降、川が酷く汚れていた」

 

「被害は広がっていないのか?」

 

「私たちがなんとか広げないようにして、日頃沼の王の分身体と戦ってはいます。一応これ程汚れていない川もいくつかあるんですけど、そこも少しだけ奴の体液が・・・・」

 

「つまり、その生命の泉から流れる泉水の川のほとんどは奴にやられたってことか」

 

「はい。その通りです」

 

 

この森に流れる川の全ては、沼の王に汚染されて紫色の泥が流れている状態らしい。

 

この森に流れる川は生命の泉から流れている。そして沼の王に乗っ取られて以降は、その泉から流れる川のほとんどが奴の体とも言える泥で汚染されている

 

いくつか少しマシな川もあるようだが、そこでも奴の体液が流れている模様。汚染された川を広げないために、分身体を日々倒しているとのこと。そこまでできるだけ彼らは日々沼の王と戦い続けてきたのだろう。だからウスカリとリダリがレベル4の強さを得てきた

 

今回の敵も難敵のようだ

 

 

その証拠に

 

 

 

ボコボコボコボコボコボコ!!!

 

 

『ウウ!!』

 

 

「っ!?分身体です!」

 

「あれがか、全員戦闘体制!!」

 

「これが沼の王の分身体!?」

 

「まるで、泥でできた人形!?」

 

「応戦だ!」

 

 

その汚れた川の奥底の沼から、泥でできた人形のような姿をしか沼の王の分身がこっちに迫ってくる、襲撃と見なして、応戦に入る

 

しかし

 

 

「皆の者!ジーク殿も!ある程度で構いません!ある程度蹴散らしたら、ベルテーンに急ぎましょう!」

 

「っ!キリが無くなるわけか?」

 

「そうです!ここ一帯は沼の王の地脈です!何度斬っても、分身はほぼ無限に出てきます!」

 

「やはり、奴を泉から引き剥がさなくては・・」

 

 

『グウ!?』

 

『グウウウウウウウウ!!』

 

 

「っ!?本当にどんどん増える!?」

 

「これじゃあキリがない!?」

 

 

今応戦しているが、敵はそこまで強くはないが、数があまりにも激しく、倒しても倒してもどんどん川の沼から出てくる

 

ウスカリの言う通り、ここで応戦し続けても体力も奪われて無駄だ。だが

 

 

『グウウウウウウウウウウウウ!!』

 

 

「大型が来ます!?」

 

「まあ、敵は容赦なしで当然だな」

 

 

敵は当然先に行かせる訳もなく、分身体の中から、小型よりももっと体格の大きい大型が現れる。

 

ここで俺たちを逃さないと、更に大きな敵を用意してきたようだ。

 

 

しかし

 

 

「ニブルヘイム!!」

 

 

ピキキキキキキキキキキキキキキキキキ!!!

 

 

「っ!?ジークさんのニブルヘイム!?」

 

「沼の王の分身が全員凍り付けに!?樹木や川まで凍っている!?なんて魔法だ・・・・」

 

「これが英雄の力か、やっぱり英雄さんに依頼して正解だったな?旦那?」

 

「ここで戦ってもじり貧になる。先を急ぐぞ。ベルテーンに急いで向かう。ウスカリ」

 

「はい!皆さんこっちです!付いて来てください!!」

 

 

ここで戦っても敵に追い込まれるだけ、再生する怪物であろうと、氷漬けにしてしまえば動きは封じれる。だから俺はベルたちの前にニブルヘイムを放って分身体全てを凍らせる。森の樹木を巻き込む事になるが、川も凍らせた。これで新たに分身体は出てこないだろう

 

それよりも一刻も早くベルテーンに向かう。ここで戦っても意味はない。まずは戦力を集めて体制を整えるのと、ヴェーラと言う女神にある質問をして作戦を実行するため

 

 

ここでの戦闘は控えて、彼らの国に急ぐ

 

 

 

 

 

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