ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

188 / 201
無限の怪物 沼の王

 

 

ベルテーン近くの門前には、多数の騎士達が防衛陣を取っていた。沼の王の分身体は数多くベルテーンの防御壁を壊そうと必死に攻めている

 

ベルテーンの騎士達が大きな盾を構えてなんとか分身体を押し込もうとする

 

 

「ここを死守するぞ!」

 

「「「「「おう!」」」」」」

 

 

なんとか今居る騎士達で分身体を盾で押し返そうとする。どこまで耐えられるかは知らないが、命に変えても守ろうと必死に盾を構える

 

しかし

 

 

『グウウ!!』

 

 

「隊長!大型です!!」

 

「く!?ここまでなのか!?」

 

 

攻めてくる軍勢の奥から、一体だけ大型の分身体が現れる。まるで巨人のような体をした大型。流石に大型の攻めは流石に防ぐことはできないと

 

ここで万事休すかと思っていると

 

 

 

「テンペスト!!」

 

 

 

ザシュ!!!

 

 

『ガアアアア!?』

 

 

「なんだ!?」

 

「大丈夫ですか?助けに来ました」

 

「助けに・・・・・増援か!?」

 

 

騎士達の後方からアイズが現れ、大型を簡単に魔法で切り裂いていく

 

ここで増援が辿り着いたと、防衛の隊長が気づいた。その後にアイズ以外の増援が辿り着く

 

 

「隊長!無事か!?」

 

「ウスカリ殿!?はい!なんとか死守しています!まだ侵入している分身は居ません!」

 

「よし!ここからは我々も加わる!ここから反撃だ!」

 

「はい!」

 

「くそ!?本当に数が多すぎる!?数百攻めてくるなど、今までに無いぞ!?」

 

「へえ、あんたは眼が見えないのによくわかるんだね?」

 

「俺は眼が見えない代わりに、耳をよくしないと戦えない・・・・もんでな!!」

 

「数は予想通りですね、魔法を無闇に打っても、今は無駄そうですね」

 

「確実に一匹ずつ倒すしかありません!」

 

「皆さん!ここからは巻き返しです!」

 

「白兵戦よ!みんな!頑張って!」

 

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」

 

 

増援が辿り着き、全勢力をかけて分身体の軍隊を一掃する

 

敵の数は無限に等しい。そのため無闇に魔法を使ってはマインドダウンが激しいため、長く続く戦いには魔法を一気に使ってはこちらが不利。敵の数も無限で再生するなら尚更である

 

そのため、ここからは白兵戦である。不利な戦いではあるが、仕方がない。この戦いはなるべく力尽きないように体力を温存しながらの戦うことだ

 

 

「ぬん!これで70だ!」

 

 

『『『『『グウ!!』』』』』』

 

 

「まだ来るぞ!」

 

「斬ってもキリがない!」

 

「それでも耐えるんだ!!」

 

「ジークが封印するまで耐え抜くんだ!」

 

「大丈夫!!私が攻める!」

 

「剣姫!独り占めするな!手前も行くぞ!!」

 

「すげえ・・・・これがあの剣姫とキュクロプスの力か!」

 

「こちらも負けてられないな、ヴェーラ・ファミリア!我らもオラリオの冒険者に負けない力を示せ!!!」

 

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」

 

 

 

時間を掛けて戦っているが、やはりどんどん敵を薙ぎ払っても、敵は消えない。むしろ倒してもどんどん増える。一体どれだけの怪物の死体がこの地にあるのか、余程多くあるのだと理解するしかないだろう

 

確かにダンジョンだ。これを止めるのは俺しか居ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで肝心の俺とベルは

 

 

「グリフォン。あそこだ!」

 

「確かに!発見です!」

 

「あれが・・・・生命の泉!?」

 

 

俺とベルはグリフォンの背中に乗って空を飛んでいる。地上で歩くと沼の王の分身が居て先に進み辛い。空を飛べば分身体は届かない。だから空を飛んで移動した

 

しかも生命の泉も空から簡単に確認できた。タルヴィ達の言う通り確かに、かなり汚されている。そこから怪物の気配と魔石の魔力もしている

 

どうやらここで間違いない。

 

 

「やるぞ。ベル」

 

「はい!」

 

「グリフォン!投下!」

 

「はい!落とします!」

 

 

俺の指示でグリフォンはひっくり返して、俺とベルを落とす。落とした先はもちろん泉の真上、地に立つ前に俺は先攻する

 

 

「グラム!!魔剣解放!雷よ!!!」

 

 

ドカアアアアアアアアアアン!!!

 

 

『グガアアアアアアアアア!?』

 

 

「あれが・・・・沼の王!?」

 

「形としてはまるでタコだな。触手も出してきた」

 

 

俺は泉に降りる前に、空中でグラムを引き抜き。魔剣の能力を開花させて、落雷を落とした。

 

泉の中に落雷を落とすと、沼の王が泉の中から姿を現す。俺の雷は地面の底まで流した。だから痺れて出てくる他なかっただろう。だから運良く魔石が中で入っている本体の姿で出てきた。姿としてはタコの姿。八本の触手まで泥でできた怪物

 

こいつを俺とベルは討伐する

 

 

「さて、やるか」

 

「ジークさん、泥でできているってことは・・・」

 

「ああ、引き込まれたら終わると思った方がいい。こんな敵でも全力で行く」

 

ブウ!!

 

「っ!?ジークさんがファーブニルに!?」

 

「皮膚だけだ。ファーブニルの力を使わないと、アイズ達が辛くなるからな。だがルーンアーマメントを使う必要はない」

 

 

沼の王に挑む前に、俺はファーブニルの皮膚と黒髪に変える

 

ファーブニルの姿に少しならないと。沼の王にレアカースを掛けるには姿を表してでも戦うしかない。しかもここまで強大な敵なら手加減なんてしない

 

初めから本気で挑む

 

 

「アイズ達に時間を取らせないよう、始めから全開で行け!ベル!」

 

「はい!行きます!」

 

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』

 

 

アイズ達に時間を取らせないように、本体を速攻で討伐する。ここで出し惜しみする必要はない。ここで全開で行き。沼の王を追い詰めて、分身達と戦っているアイズ達を軽くする

 

俺とベルの先攻に、沼の王も答えるように、触手を伸ばして攻撃してくる

 

 

「ふ!」

 

ザシュ!ザシュ!ザシュ!!

 

 

『グウウウウ!?』

 

ボコボコボコボコ!!

 

 

「やはり駄目か、封じないと」

 

「ジークさんが斬った触手が、生えるように再生した!?」

 

「これがこの泉の効果か」

 

 

襲い掛かる沼の王の触手攻撃を俺は四本を切り裂いた。しかし、そこから泥でできているのか知らないが、切り口からまた触手が生える。

 

確かに再生してキリがない。ウスカリたちの言う通り、これは苦労する

 

 

だが

 

 

俺にはその力すらも、封印する

 

 

「ふ!!」

 

 

『ガアア!?』

 

 

「速攻で追い詰める。ファーブニル・フルーフ!!」

 

 

ビリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

 

『グウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!?』

 

 

「ジークさんの魔剣が、沼の王に黒い雷を流した!?」

 

 

ズズズズズ!!

 

 

「ルーン文字が出てきた。これで封印完了。その証拠に」

 

ザシュ

 

 

『ガアア!?』

 

 

「奴の頭が治っていない」

 

「本当だ!?穴が空いたままだ!?これで倒せる!!」

 

 

俺は奴の頭に、グラムを投げて刺した。そのグラムにファーブニルの呪いを流し。沼の王の体が黒い雷を浴びる。それと同時に奴の体と、それに繋がる泉の川から黒いルーン文字が浮かび上がる。

 

呪いは見事にかかり、もう沼の王は生命の泉の力を使えない。ファーブニルの呪いは怪物でも持っている能力を封印する、流石は三大クエストの最後の怪物の力だ

 

 

「ファイア・ボルト!!」

 

ボオ!!

 

 

『グウウウ!?』

 

 

「上手くいったな、これでアイズたちも全て片付け終えるだろう」

 

 

これで沼の王の再生は封印され、もう奴は再生できない。泉とのリンクが外れたから、もうこの地脈は奴のものではなくなった。これでもう分体も増やせないだろう。できることがあるとしたら、今この泉に集まる沼を引き寄せるくらいだけ、もうこの森周辺の泥を操ることはできない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その証拠に

 

 

『グウウウウウウウウウウ!?』

 

 

「っ!?なんだ!?」

 

「分身体から出てくる沼に、黒い雷が流れて変な文字が!?」

 

 

分身の軍隊を倒しているアイズ達に、異変が起こる。

 

突然分身が出てくる沼地から黒い雷と変な文字が出てくる。その瞬間、分身を倒しても新しい分身体が出てくることはなく。沼地が分身を作れなくなった

 

 

「好機です!皆さん!主がやってくれました!これでもう分身は出てきません!ここからは全力で行ってください!」

 

「やってくれたのか!?あのジーク・フリードが!?」

 

「すごい、本当に沼の王の再生を止めるとは」

 

「とにかく好機です!このまま攻め込みましょう!」

 

「全員分身を一掃だ!!」

 

「「「「「「「おう!」」」」」」」

 

 

分身はもう出すことはできない。今度はこっちが攻め込む番、もう分身を出せなくなったのなら、もう数は有数のみ。攻め込むには今がチャンス

 

もう体力温存する必要もない。魔法はもう使える。使ってでも分身の軍勢を追い込む

 

 

「ぬん!確かに数が減ってきている!?」

 

「沼からも分身が来ない!?」

 

「その沼をも滅します!!」

 

「先行します!!」

 

「一気に畳み掛けるぞ!!剣姫に続け!!」

 

 

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

俺の呪いは確かに効いていた。その証拠にもう沼から分身も出てこない。今の内に分身体を蹴散らすチャンス。触手が出ている沼をも蹴散らせばもう分身を生み出せない

 

更に

 

 

 

シュ!!!シュ!!!シュ!!!

 

 

「っ!?なんだ!?」

 

「矢が飛んできた!?」

 

「後ろからだ!?」

 

「っ!?この音は!?」

 

 

突然後方の方から多数の矢が飛んできた。

 

なぜそんな物が飛んでくるのか。リダリが耳が敏感で音を耳で拾うだけで判別ができる、眼が見えない代わりに得たアビリティ。そのリダリがなぜ矢が飛んできたのか。いや、誰が放ったのかわかった

 

それは

 

 

「ごめん!みんな!やっぱり私も戦いたい!!」

 

「ごめんなさい!春姫も!やっぱり皆さんの力になりたいんです!!」

 

「タルヴィさんと春姫様がどうしても戦いたいと申すもので・・・・」

 

 

「姫様!?」

 

「お嬢!?馬鹿な真似をしやがって!?」

 

「春姫!?あれだけジーク・フリードに待っているよう言われたのに、あの小娘は・・・」

 

 

「俺たちも居るぞ!!」

 

「姫様の頼みだ!戦わないわけにはいかねえ!」

 

「沼の王を今度こそ倒せるんでしょう?」

 

「英雄ヘラクレスが居るなら楽勝だ!!」

 

 

「ベルテーンの民たち!?」

 

「女だけじゃなくて、子供も居ます!?」

 

 

グラニの背に乗るタルヴィと春姫だった。

 

しかもベルテーンの民達全員を引き連れて、やはり俺の命令が聞けず、何かできないかとどうしても自分達でも戦う方法を考え。考えた結果。ベルテーンの民と共に戦うことを選んだ。

 

数からして女も子供もいると言うことは、おそらく主神以外の全員が来ているのだろう。彼らは弓や槍を持っている。子供までも、これがベルテーンの者の意地なのだろう

 

 

「っ!?あれは主の呪い!?沼の王が弱体しています!!斬るなら!今です!タルヴィさん!春姫さん!」

 

「よし!みんな!英雄ヘラクレスがやってくれたみたい!今日で沼の王を討伐しよう!!」

 

「皆様!!タルヴィ様を助けてください!!」

 

 

「「「「「おお!!姫様のために!!」」」」

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

「すごい、これがベルテーンの力!」

 

「ウスカリ殿!」

 

「ああ、こちらも負けずに行くぞ!!全員突撃!!ヴェーラ・ファミリアの力を沼の王に思い知らせ!!!」

 

「「「「「「「おお!!!」」」」」」

 

 

「手前達も負けてられぬな!剣姫!!」

 

「うん!!みんな!あと少し!頑張って!!」

 

「「「「「おお!!」」」」」

 

 

『『『『『『『ギイ!?』』』』』』』

 

 

完全に形成逆転

 

数で押している沼の王の分身達が、俺に呪いをかけられたことで、もう無限に増やすことはできない。それどころかもう再生もできない。そのため今数百の分身しか居ない。

 

あとは魔法でもなんでも一気に蹴散らせる。分身だけでなく、沼も壊す

 

 

「ルミノス・ウインド!!」

 

「ヘル・カイオス!!」

 

「狙い撃ちます!!」

 

「叩き斬る!!」

 

「テンペスト!!」

 

 

『『『『『『『ギイ!!?』』』』』』

 

 

「やるなオラリオの冒険者。私も本気出すぞ!リダリ!!」

 

「ああ、このうぜえ敵を・・・・・確殺だ!!」

 

 

アイズ達が魔法を使って分身達を倒すのを、リダリとウスカリは見て。自分達も負けてられないと。ヴェーラ・ファミリアの団長も魔法を使い。リダリは技と言う『秘剣』を使い、剣を鞘に収め構える

 

 

「『剣となれ、忠義の心鋼』!ウスコ・ノーリ!!」

 

「ここで屠る!!」

 

 

ザシュ!!!!!

 

 

『『『『『ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!?』』』』』

 

 

「行けます!!」

 

「このまま攻めて!!」

 

「皆さん!チャンスです!!」

 

 

「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

レベルの高い冒険者達が魔法を炸裂し。分身達がどんどん消えていく。完全に流れは来ている。触手もどんどん消えて、そこから出てくる沼も魔法で吹き飛ばされて消えていく

 

これで国はなんとか守れそうだ。このまま分身と触手が出てくる沼をどんどん蹴散らす

 

 

「なんとかなったね?ウンディーネ?」

 

「ええ、あとは・・・・・・ベルさんと主様です」

 

 

分身と触手はなんとかこれで倒すことはできる。もう無限の数ではない。順調に敵を蹴散らして生命の泉である源泉まで進んでいく

 

あと残るは

 

 

 

 

 

俺とベルが倒す、沼の王本体である

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。