ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

2 / 201
二年ぶりのダンジョン

翌日

 

久しぶりに防具を装備することになるが、竜の鎧を身につけるのは二年ぶりになる。狩りの時は私服でも戦えた。だがここはダンジョンで何が起こるかわからないため。常に全力で状態で挑む

 

 

「高そうな防具ですね?」

 

「自作で作った。素材があれば俺だって作れる」

 

 

錬金術を使っているのだから鍛治泣かせになるが。素材があればそれらしい防具を簡単にできる。ただし魔力はかなり持っていかれる

 

回復薬はそこまで魔力は吸わないが。ダンジョンで防具や武器を作る場合はかなりの魔力を温存する必要がある

 

急な強敵の出現で武器が破損するってことは珍しくない。そこを俺がカバーするようにしている。レベル2とレベル1が二人。それを中層で挑むならそれくらいしないと数で押されて死ぬ可能性が高い。中層はそう言うところだと今でも忘れない

 

 

「じゃあ今日も頑張ってきてね。ベル君」

 

「はい!神様!」

 

「ジーク君も。レベル4だから三人の支援をよろしく頼むよ」

 

「ああ。三人の実力を確かめて次からどこまで進むか検討する必要がある。今日はその試しだ」

 

「うん。それとギルド本部行ってくれる?」

 

「わかっている。冒険者登録だろ?必ず行く前にやっていく」

 

「うん。じゃあいってらっしゃい!」

 

「はい!」

 

「ああ」

 

 

そうして俺はヘスティアの指示をしっかりと聞いて。ギルド本部に向かう。もう俺は期待されている。レベル4なのだから当然なのだが。もしもの時が俺が守って欲しいと頼みを受けられた

 

あの二人に関してはそうするべきだと思うが・・・・・・・やはりベルのことに関しては守る必要が無いと体がそう感じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてギルド本部に着く

 

ベルまで付いて来たが、別に俺だけ用があるのだから。ベルだけ先にヴェルフたちと合流させようと声を掛ける

 

 

「ベル?お前は先にヴェルフたちと合流していいぞ?」

 

「いえ!僕もギルド本部で聞きたいことがありまして・・」

 

「聞きたいこと?」

 

「はい。どうしても聞きたいことが・・・」

 

「そうか・・・・」

 

 

ベルはアドバイザーに何か聞きたいことがあるようでギルド本部に付いて来たらしい。だが・・・・アドバイザーはミイシャか。それともエイナなのか。その二人がベルのアドバイザーなのではないかと感じる

 

そうしてギルド本部の中に入ると

 

 

「うお!?おいあれ!?」

「嘘つき冒険者だ!?」

「なんであいつがここに!?」

 

 

ギルド本部の中に居た冒険者たちがすぐに俺を見かけたら『嘘つき冒険者』と言ってきた。やはり俺の顔は冒険者全体に知れ渡っていることは明白だった

 

 

「ジークさん・・・」

 

「気にするな。さっさと登録するぞ」

 

 

奴らを無視して受付場に行く。ここでまた何かを起こせば二年前と同じ繰り返しとなる。ヘスティアの顔に泥を塗ることはできない

 

 

「ジーク!?」

 

「二年ぶりだなエイナ」

 

「あれ?エイナさんとはお知り合いだったんですか?」

 

「二年前担当してくれたアドバイザーだからだ」

 

「どうしてジークがここに!?」

 

「俺がヘスティア・ファミリアに入団したからだ。それ以外無いだろう。ベルと一緒ならわかるだろう?」

 

「それはそうだけど・・・」

 

「簡単に言うなら・・・理由があってまた冒険者をやることになった。それでここに来て女神ヘスティアに勧誘されたから入団した。冒険者登録を頼めるか?」

 

「え、ええ」

 

 

そうして俺は登録書を貰い。その覧にしっかりと記入する。記入欄は三年前と同じで変わらないようで。あの時と同じように書く。それと・・・・・レベル4と記入する

 

 

「これでいいか?」

 

「う、うん・・えっと・・・・・・え!?レベル4!?」

 

「あれから二年で俺の故郷のファミリアに入って修行していた。それでレベル4になった」

 

「ロキ・ファミリアに入ってから一年経ってもランクアップしなかったのに!?」

 

「まあな。悪いが積もる話はダンジョンに帰ったからにして貰えないか?噴水前で別のファミリアが待っているんだ。俺の冒険者登録はこれでいいか?」

 

「う、うん。冒険者登録は完了だよ」

 

「そうか、ベル?お前も用があるんだろ?俺はもう済んだからいいぞ」

 

「あ、はい。エイナさん?今度は僕からですけどいいですか?」

 

「ええ。何かしら?」

 

「これで僕たちはパーティ四人になりましたから。中層に言ってもいいですか?」

 

「そうね。ジーク君が二年経って戻ってきてレベル4は驚いたけど。レベル4のジーク君が居れば安心ね。ジーク君。ベル君たちのことをよろしくね」

 

「ああ。問題ない」

 

「ダンジョンに帰ってきたらあなたがあれから何をしていたか・・・・・・話してくれないかな?」

 

「ああ。帰ったらな。もう言うことは無いな?」

 

「うん。ベル君たちのことをお願いね」

 

「ああ」

 

 

そうして登録を済ませて俺たちはギルド本部を出て噴水前で待っているヴェルフたちと合流する。そしてダンジョンに入っていく。

 

あれから二年経っても相変わらずここも変わらない。今になっては懐かしいと思うことはできないが。あれから二年経ってどれほどやれるのか。昔と比べてしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11階層

 

着いた途端にオークの群れに追われていた。天然武器を装備もしているが。ベルは素早くナイフで切りに行っている。ヴェルフは少し鈍いが威力はある。リリルカは左腕にバリスタを隠し持っているようですぐに援護していた

 

一人一人弱いが。チームワークはある。とても別のファミリアとは思えない。

 

 

 

そして俺は・・・・

 

 

 

レベル4だからなのか。剣も使わずにオークを殴り飛ばしていた

 

 

「ふ!は!はあ!!」

 

 

二年前はかなり手こずっていたのだが。相手にならないほど圧倒できる。むしろ殴られているが、木の棍棒が砕けるか逆にオーク自身が手を痛めるかで全然痛みが感じない

 

 

「ふう!!」

 

 

魔法を使わずに圧倒できそうだ。まあレベル4ならこんなものだろうと。ある程度オークやゴブリンを倒し済ませて

 

昼に入ろうとしていた

 

 

「すごいですねジークさん!」

 

「オークの攻撃に全然ビクともしてなかったな?」

 

「レベル4じゃあ。やっぱり手応え無いんじゃないですか?」

 

「確かにその通りだが。大事なのは集団行動だ。俺一人がレベル4だからと言って。お前らに合うような敵で戦わないとお前らが死ぬ。それに俺もチームフォローもできるようにしたい。今までは一人で戦っていたんだ。ロキ・ファミリアの時でもな?チームワークの練習としてはちょうどいい」

 

 

団体行動が俺には苦手だった。ヘスティア・ファミリアの団員になったからにはそれをうまくやらないとならない。レベル4だからと言って俺一人が突っ走るわけにはいかない。団員も強くなれる階層の進み方をしないとこいつらが無理をして死ぬ。

 

それでは意味がない。一人では何もできない。ダンジョンでは常に助け合って生きなければ意味がない。ダンジョンは一人でクリアできるような簡単なものじゃない。

 

これから俺はこのメンバーでやっていくのだからちゃんとフォローできるようにもしておきたかった

 

 

「ヴェルフ。ベル。マジックポーションだ。飲め」

 

「ああ、すまねえ!」

 

「あれ?ジークさんいつの間に薬舗で買ってきたんですか?」

 

「違う。それは俺が作った。錬金術が使えるからな」

 

「錬金術!?え?それって素材を集めてそれを物に変えたり作る術式ですよね?」

 

「そうだ。俺はこれで武器や防具や回復薬も作れる」

 

「すげえ!?あの錬金術を使えるのかよ!?」

 

「本当に有能な人材を入団してくれましたねベル様?」

 

「うん!今日ジークさんが入ってくれたけど。なんだか戦いが楽になってきたよ!」

 

「そうか。ならこのまま15階層まで挑むのはどうだ?」

 

「え?15階層にですか!?」

 

「ああ、限界に挑戦しなければ強くなれないぞ。いつまでも弱い奴をパーティーで相手にしたところで強くはなれない。もしもの時は俺が居る。そうだな・・・・ヘルハウンドやミノタウロスには勝たないといつまでも強くなれない」

 

「レベル1二人でレベル2のベルとレベル4のジークとでか・・・」

 

「怖いか?」

 

「いえ!ヴェルフ!リリ!このまま15階層まで行こう!」

 

「本気ですかベル様!」

 

「うん!ジークさんの言う通りこのままじゃあ強くなれない。限界に挑戦しよう!」

 

「OK!俺はやるぜ?リリ助はどうする?」

 

「リリはサポーターですから異論はありません。ベル様たちに従います」

 

「ありがとうリリ。行きましょうジークさん!」

 

「そうか・・・・・なら。リリルカ。これを使え」

 

「これは?・・・・ガラスビンに変な紫色の液体が入っていますけど?」

 

「それはある精霊の毒だ」

 

「毒!?」

 

 

リリルカに渡したのは俺に仕える火の精霊『サラマンダー』の毒。それを武器に使って欲しいと俺はリリルカに渡す

 

 

「それをバリスタの矢に付けて。あの木にでも放て」

 

「あ、はい。では・・・・・・えい!」

 

 

リリルカは俺の言われた通り、矢の先端をビンを開けてサラマンダーの毒を付ける。そしてそのまま装備し。木に矢を当てる

 

 

すると、溶けるように木が灰になる

 

 

「木が灰に!?」

 

「この毒は消化液と同じ触ると溶ける危険な毒だ。お前はバリスタが使えるならそれを矢に付けて放て。そうすればこの二人の負担が減り。お前でもモンスターが倒せるぞ」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「すげえなジークは・・・・なあジーク?今度はなんでもいいから素材があったら武器か防具作って見せてくれないか?」

 

「そういえばお前は鍛治スキル持ちだったな?素材が手に入ったらな・・・・・ん?」

 

 

リリルカの装備をもっと強くさせたり。ヴェルフで防具や武器の話をしていると。後ろでこの階層で第三級冒険者では遭遇したら厄介なモンスター『インファント・ドラゴン』が珍しく三体出てきた

 

 

「インファント・ドラゴン!?」

 

「おいおい三体も出てきたぞ!こんなタイミングでなんてふざけろ!」

 

 

「下がれ。これは俺がやる」

 

 

「ジークさん!?」

 

「俺も実力をお前らに見せないとな。リジル」

 

 

俺はパンドラ・ボックスからリジルを取り出してインファント・ドラゴンを三体相手にする。

 

ベルたちには無茶だと見えるが・・・・・

 

俺の場合は一瞬で奴らを片付けられる

 

 

「はあ!!!」

 

ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 

「「「な!?」」」

 

 

俺のスキルの中に『ドラゴンスレイヤー』と言うスキルがあるため。ドラゴン相手にアビリティが限界が突破するため。インファント・ドラゴンでも一瞬で倒すことができるため、一振りで素早く三体の首が斬れた

 

そうして残るのは魔石のみ

 

 

「す、すげえ・・・」

 

「さすがはレベル4です」

 

「ジークさん『竜の巣』で戦っただけのことはありますね」

 

「竜は俺の得意分野の相手だ。これくらい造作も無い。これが俺の実力だ。覚えておいてくれ」

 

 

「ベル?本当にすごい奴が入ったな?」

 

「う、うん」

 

「なんでこんな人をロキ・ファミリアは信用しなかったんでしょうね?」

 

 

その後は四人で本当に15階層まで挑んだ。久しぶりにヘルハウンドの多さとアルミラージに囲まれて少し手応えはあると励んだ。ミノタウロスにも挑んだが。ベルは一人でミノタウロスを倒した経験があるようで三体相手でも一人で倒せた。リリルカは俺の サラマンダーの毒で戸惑いながらも倒せた

 

だが流石にヴェルフは大剣の威力があってもミノタウロスの獰猛差に押されるのか。やはりレベル1でも勝てない領域があるようで苦戦した。

 

だから俺が石斧を持った手を斬り落として。俺が体を抑えたままヴェルフに斬らせた

 

 

しばらくそこで戦闘をして日帰りした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてダンジョンを出てギルド本部の中でエイナを連れてソファーで今後の事を話をしていた。それと報告

 

 

「どうだったジーク君?この三人と?」

 

「はっきりと言ってこのまま18階層を苦戦しながら行ける実力だ。それほど三人は素質がある。ベルはナイフを使った素早さ。ヴェルフは剣の腕はからきしだが。鍛治の実力は本物だ。リリルカも眼がいいのか。サポーターではなく弓兵にしてもいい眼力と判断力がある。とても別のファミリアとは思えないな」

 

「だってみんな?」

 

「いやあ・・・そんな!」

 

「リリはジーク様が授けた毒があるからであって・・・」

 

「俺も!ベルみたいにミノタウロスを倒せるようにはなりたいぜ!今日はジークが抑えてくれなかったらミノタウロスにやられていたぜ?」

 

「これから強くなればいい。悪くない人材だ。是非俺たちヘスティア・ファミリアに入って欲しい程だ」

 

「嬉しいけど・・・俺は・・」

 

「わかっている。ヘファイストス・ファミリアは自分の打った剣や防具を売るんだろう。鍛治師なのだから当然だ」

 

 

「珍しいね。ジーク君がそんな事を言うなんて?ていうか性格が変わったね?」

 

「俺もファミリアのことを思ってのことだエイナ。俺を拾ってくれたヘスティアに感謝しているんだ。これくらいはしないとな。それと性格は色々あれば変わるものだ」

 

「それは・・・・・二年前のこと?」

 

「それ以外にもある」

 

「そう・・・・」

 

 

エイナも俺のことを信じてくれた唯一の救いの人でもある。19歳で同い年だからなのか、どうも俺たちは腐れ縁かのような親しみがある。友人として俺のことを心配していたんだ。悪気がないとは言え申し訳ない

 

 

「ところでどうして私を呼んだの?」

 

「ああ・・・・・・この四人で今度18階層まで挑もうと思う」

 

「え!?ベル君たちと!?」

 

「僕たちとですか!?」

 

「ああ。正直言って無茶や苦戦は当然出るが18階層まで挑むことはできる。17階層に居る階層主『ゴライアス』に関してはアレかもしれないが。俺が居る。もしものことは俺が全力で倒す。今日15階層で俺の助けをほとんど使わなくても戦えたぐらいだ。限界に挑戦する分にはいいんじゃないか?」

 

「やりたいです!僕やります!」

 

「俺もだ!挑んでみたい!」

 

「危険としか言いようがありませんが。ジーク様が居るならリリも文句は無いです」

 

「そうか・・・・構わないな?」

 

「わかったわ・・・・でもそれならアレを装備した方がいいわ」

 

「わかっている『サラマンダーウール』だろう。ヘルハウンドの火炎が第三級ファミリアで必ず死亡するってことがある。サラマンダーウールなら火炎を防げる。俺が用意しよう。それでいいかベル?」

 

「はい!18階層まで挑みましょう!」

 

「よし。明日は無理だとして・・・・・いつぐらいがいい?」

 

「え?なんで明日はダメなんですか?」

 

「ヘスティアが言っていたんだが・・・明日は・・」

 

「ああ。『神会』の日よね。明日ってベル君の二つ名が決まるのよね?」

 

「ああ」

 

「そうなんですか!やっと僕に二つ名が!!」

 

「おお!?やっとベルに二つ名か!」

 

「楽しみですねベル様!」

 

「うん!かっこいいのがいいな!!」

 

「あとジーク君もね」

 

「ん?俺は登録したばかりだぞ?」

 

「それがねえ・・・・」

 

「ん?なるほど・・・」

 

 

エイナが俺の二つ名が用意されているとの発言に俺は疑問を抱く

 

今日登録したばかりの冒険者。野外でレベル4になっただけあるかと思うが。まさかもう明日で二つ名が用意されるなど考えられなかった。

 

でもエイナが理由を言わなくてもわかるような眼差しを俺ではなく。周囲の周りに目線を送っていたことに俺も気づき。どうやら俺のことが一斉に広まったようだ。嘘つき冒険者の名はある意味伊達じゃないようだ

 

 

だが

 

 

「どうせそれと似た二つ名を付けられるのがオチだ。俺が気にしても仕方ないことだ。興味もないしな。それに・・・意外と嘘つき冒険者って呼ばれるのもいいと思っている」

 

「ジーク君そんなこと言わないで・・・・ヘスティア様がきっといいの用意してくれるはずよ」

 

「どうでもいいがな」

 

 

期待もしていなければ興味もなかった。俺の名前はジーク・フリード。これが俺の名前。神が勝手に決めた二つ名など。実の両親でも無い奴にそんなものをつけられても嬉しくないからだ

 

 

「それじゃあ明日は神会だからゆっくり休め?明後日の朝に18階層まで挑むぞ?それで構わないな?」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

「おう!」

 

「じゃあ今日は解散だ。ベル。すまないが今日も一人で帰ってくれないか?俺はまだエイナと話がある」

 

「わかりました!」

 

 

ここで三人を解散させて。また昨日みたいにベルには先に帰ってもらうように頼んだ。エイナには色々二年前の後のことを話して欲しいと朝言われたからだ

 

 

「今日ヘスティア様に会ったんですけど・・・・・・フレイ様の幼馴染って本当なの?」

 

「ああ。そういえばあいつにあまり俺のことを言わないでくれと頼むのを忘れていたな」

 

「ねえ・・・・本当に大丈夫?」

 

「何がだ?」

 

「その・・・・・ロキ・ファミリアにも信じて貰えなくて。その次はお母さんやいろんな人まで亡くして・・・・辛くないの?」

 

 

「辛くないと言えば嘘になる。だがいつか子供は親から離れて一人で旅たって生きていかないとならない。いつまでも親に甘えて生きていくつもりはない。ロキたちも同じだ。俺は所詮そんな男だからと愛想が尽かされただけのことだ。俺は信じられる仲間のために戦うだけだ」

 

 

「・・・・そこまで強がる必要はあるかな」

 

「強がるなんてものじゃない。初めて痛みを知って成長しただけのことだ。おかげで俺は強くなれた。辛い想いをしたがそれも経験の内だ」

 

「そう・・・・・でも私に何ができるかはわからないけど・・・私はジーク君の味方だから・・・私を頼って欲しいの?」

 

「ありがとう。そうだな・・・・頼りにしている」

 

「うん・・・・・本当に!」

 

「!」

 

「無事でよかった!!」

 

「ああ・・・・心配かけて悪かったな?」

 

 

彼女にも励まされてしまい。抱きつかれてしまった。

 

涙まで流して。俺にはまだ信じてくれる人がこんなにも居たとは思っていなかった。申し訳ないことをしたと言うか。何か詫びをしないとなとエイナに何かしてやりたいと思った

 

二年前だったら全て恨んでいただろうな

 

 

「それに・・・・なんか前よりカッコよくなったね?なんかクールだし」

 

「気のせいだろ?」

 

 

それだけを話して俺もホームに帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームに帰り夕飯の支度をし始める。ロキ・ファミリアに居た頃は俺も料理の担当をしていた。作れないものは大抵無い。もしかしなくても俺がヘスティア・ファミリアの料理担当にされている。料理は基本的に好きだから文句は無い

 

 

「できたぞ」

 

「うわああ!美味しそうです!」

 

「ジーク君料理できるんだね!料理もできてイケメンだなんて本当に僕らにいい人材が来たよ!」

 

「いいから食べるぞ」

 

「「うん!いただきます!」」

 

 

正直イケメンとかはどうでもいいから調理した料理の味を聞きたかった。もしかしたら二人に味が合わないなんてことがあったらまずいからだ

 

この二人の味の好みも調理人として必ず確認する。でないと次からどう作ったらいいかわからないからだ

 

それで・・・味の方は

 

 

「うう・・・・うまい!!」

 

「美味いですよジークさん!このローストビーフとても美味しいです!」

 

「それは良かった。もしも味が合わないと思ったら言ってくれ。二人に合う料理にして見せる」

 

「いいよそんなの!・・・・だってこれ全部美味しいもん!」

 

「コーンスープもうまい!このサラダに掛かっているドレッシングも!今まで食べたことがありません!」

 

「そうか・・・・喜んでくれるなら何よりだ」

 

「ロキの所でもこんな料理を作っていたのかい?」

 

「ああ。知らぬ内に料理担当にされていた」

 

「そうだろうね!これだけ美味いのを作れるんだから当然だよね!なのにこんな子を信じないなんてロキも哀れだな・・・」

 

 

まあロキ・ファミリアの時は物凄く大変だったのは今でも忘れない

 

特に大変だったのはデザートの『プリン』あれはベートでも好きなようで。よく俺が多く作ったものを冷倉庫に入れたのだが、その作った日にみんな一斉に食べていくことがあり、なかなかに大変だった。

 

あのフィンやリヴェリアまで食べるのだから大変だった

 

 

とにかくヘスティアとベルの舌にあって良かった

 

 

 

楽しく食事をしている所で俺はヘスティアに明日のことを話す

 

 

「ヘスティア?食事をしながらでいいから聞いてもらえるか?」

 

「なんだい?」

 

「明日俺たちは休みにするが。君は明日『神会』だろう?」

 

「うん。そうだよ。ベル君と予定になかった君の二つ名が決まる日だよ?」

 

「そうか・・・・それについて聞きたいことがあるんだが」

 

「大丈夫!嘘つき冒険者みたいな酷い名前にしないようちゃんと僕が抗議するよ!」

 

「そこじゃない。むしろそこはどうでもいい」

 

「え?じゃあなんだい?」

 

 

これは物凄く重要なこと。これを他の神に言ってもらいたくないからだ

 

それは・・・・・

 

 

 

「ヘスティア。まさかとは思うが。俺が『トールの息子』とか『フレイの幼馴染』だってことを・・・・・他の神に言うんじゃあないだろうな?」

 

 

「ああ・・・・・ダメかい?」

 

「やめてくれ。特別扱いにはならないと思うが。それでもそう言う扱いが嫌いだ。それに・・・・・・そんなことしたら余計に『ロキ』と『フレイヤ』が俺に関わって来る」

 

「ああ・・・・・そうかもね」

 

 

悍ましいと言う感じにはなる

 

感情が無いのに、なぜかその二人の接触を嫌う。ロキは仲の悪さ。フレイヤは・・・・・・・なんとなく苦手だ。見たことはあって会ったことはないが。なんとなく苦手と言うか・・・・・・一目見ただけで何かシルと同じような感じをして何かが敵わない感じをしてしまう

 

 

「そんなに嫌かい?フレイヤはともかく・・・・ロキとは?」

 

「ハッキリと言ってあいつとは犬猿の仲だ。相反するほど分かり合えないほどに」

 

「でも・・・・・なあ・・・・」

 

「実は昨日ロキに帰りに会った」

 

「え!?会ったのかい!?」

 

「ああ。そうしたら相変わらず俺を嫌うような目付きをしていた。やはりあれだけ経っても俺とあいつはそんなもんだ」

 

「あのロキが・・・・・・子供喧嘩なんて聞いたことないよ」

 

「どうしてそこまで仲が悪いんです?」

 

「あいつはイタズラ好きで、不真面目。酒臭い上にだらしが無い。何を考えてもイタズラな事しか考えない。あんな邪神は俺には合わない。頭が賢いのにな」

 

「ああ、ロキだからね・・・・・なんかジーク君って見て思ったんだけど、あのトールにそっくりだね?確かに男らしい性格ではあるけど、頼り甲斐があるし、頑固だけど正義感あるし。自分のことよりも他人を優先するし。トールの血も引いているからロキとは神経質的に合わないのかもね」

 

「ああ。おふくろも言っていた。『姉妹ではあるけど、あいつとは真逆な存在だった』ってな」

 

「天界で何度も喧嘩していたからねあの二人。僕もロキとは仲は悪かったけど。あの二人ほどじゃあ無かったな・・・・・・・まあ。できる限り言わないようにするよ?」

 

「ああ。できたらでいい。もしもの時は・・・・・言って構わない」

 

 

ヘスティアもあの二人が天界で一緒だった所をよく知っているようで、俺の言葉をかなり理解しているようで自分もロキの性格を把握してくれて俺の頼みをなるべく了承してくれた

 

フレイヤに関してはフレイとの昔話をして終わると思う。

 

 

だがロキではそうでないと思っている。あいつのことだ。なぜ秘密にしていたとか?質問攻めに合うのがオチだ。フィンたちにも俺の素姓のことを聞かれたくも無い。もう俺はロキ・ファミリアをやめたのだから無関係で欲しかった

 

 

それだけを言ってあとはヘスティアにはなにも言わなかった

 

その日はそれだけを言って終えた

 

 

 

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