通達を済ませて。ヘルメスは地上に降りて。グリフォンを精霊樹に戻して。俺と共にヘルメスもウラノスの間へ
そして途中ギルド本部の前で治療を手伝っているエイナを事情を言って連れて。ギルド本部の中に入り。途中ロイマンにウラノスの部屋の前で止まられたが、緊急事態だと言って廊下の奥に蹴り飛ばし。さっさと部屋の中に入る
すると
ロキやフレイヤやガネーシャやヘファイストスなど。オラリオ中の神々がウラノスの玉座の前で待機していた
「ジーク。あの黒い竜巻を生んだモンスターを突き止めたんやな?」
「ああ。説明するから待っていろ。ウラノス。俺のことは知っているな?」
「ああ。ヘルメスも戻っていたか。それと千年ぶりだなヘスティア?」
「ああ、まさか君がギルドの主神をしていたことはこの前ジーク君から聞いた時は驚いたよ。今日は神じゃない僕らも連れてきているけど許してね」
「構わん。ペルセウスとブレイバーと私の職員。この者たちを連れてきたと言うことは今後について必要なことがあると言うことであろう?トールの息子よ」
「そうだ。フィンもアスフィもよく聞け。エイナ?街に放送を流せるようにはしたな?」
「う、うん!放送魔道具は流せる準備はできたわ。あとはこのマイクで喋れば街に放送は流れるわ」
「そうか。だがまだそれは今ここに居る神々に通達してからだ。まずは集まってくれたことを感謝する。俺はトールの息子である俺ジーク・フリードから今回の事件である黒い竜巻発端を説明する」
神々が集まった所で、軽い挨拶をして今回の事件について説明を行う。俺たちが神々に偉そうにしているのは神々からすれば不服かもしれないが、そうもいかないと神々は緊急事態を最優先するために俺の話を聞いてくれた。エイナに頼んで街に放送する魔道具の準備はできた。だが街に通達する前にまずはアスフィが偵察した報告を伝える。
「アスフィ。まずはお前の偵察を神々に報告しろ」
「わかりました。私が黒い竜巻が迫ってきた東の方へとりあえず飛んで偵察に行きました。それでその遠方から・・・・・その黒い竜巻を生んでいると思われる『黒雲』のようなものを見つけました」
「黒雲だと?」
「ああ、そうさ。ジーク君の部下である精霊グリフォンと俺の眷属であるアスフィに偵察を頼んだんだけど。その遠方の東から・・・デダインの村から南の方で黒い竜巻を多数生んでいる黒雲を見つけたらしい」
「黒い竜巻きを生んでいる黒雲やて!?」
「てことは・・・・あの黒い竜巻はオラリオだけでなく、オラリオ以外でも出現しているってことか?ヘルメス。ジーク」
「ああ。そうだよタケミカヅチ。それも・・・・世界中に広がるように複数黒い竜巻が生み出されている」
「このままだとオラリオだけではない、もはや下界の危機だ。今回侵入したあの獣が複数生み出されて世界中に散らば利、デダインの村の付近までや帰る途中で見掛けた街や村がその獣や黒い竜巻によって壊滅した所もある・・・・・・このままじゃあ・・・・オラリオどころか下界の終わりになる。その黒雲を生んでいるモンスターを倒さない限りはな」
今現在最悪な状況になっていることを伝えた神々の表情は深刻となり。もはや本当に一刻の猶予も無いまま。世界中壊されそうになっていると誰も俺たちの告げた状況に文句も言えないままただ黙って聞くことしか神々はできなかった
そしてこの報告よりも更に俺は追い込む知らせをする
それが今ここに集まった最悪な情報だ
「エイナ。マイクを貸せ。黒雲を生んでいるモンスターを通達する」
「う、うん。はい」
「ああ」
そうしてエイナが用意してくれれた放送魔道具を、俺は早速街に通達するように、これだけは他の冒険者や市民にも伝えなくてはならないほど、深刻な情報でもあり信じがたいことでもあるため、信用の無さのある情報だが
大事なこと知らせる
「緊急通達する。オラリオに襲った今回の事件の発端とそれを引き起こしたモンスターが判明したため、ヘスティア・ファミリア団長であるトールの息子ジーク・フリードが通達する。オラリオから遠い東に巨大なモンスターを精霊グリフォンが発見した
それは黒い毒の風を巻き起こし。全ての地上を灰にした。かつてゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが倒したと言われる地上最強の『陸の王者』」
「な!?ジーク君!?まさかそれは!?」
「ジーク!?それはホンマかいな!?」
「まさか・・・・・・あの魔物が・・居るとでも言うの!?」
「それって・・・・」
ヘルメスもロキもあのフレイヤでさえも。そして最後に反応したヘスティアでも信じたくもない陸のモンスター
その名は
「ベヒーモスが復活した」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
「べ・・・・ベヒーモスが・・・」
「復活した!?・・・」
「そんな!ゼウスとヘラのファミリアが倒した・・・・三大冒険者依頼の一つである・・・ベヒーモスがどうして!?」
その言葉も聞いて。神々も今度こそ驚くことを隠すこのできない表情をし。街全体にその最悪な知らせを聞いて、誰もが恐怖に震えると思うほどに、聞いているだけで汗を垂らす神も多く居るほどに
俺のこの事件の発端をこの部屋に居る神々だけでなく。放送魔道具で街に通達した今頃外はざわめき始めているはずだと。俺は理解して。話を続ける
「驚いている所悪いが話を続ける。ベヒーモスが復活したと言っても『亜種』だ。決してオリジナルではない。だから力もそこまで無い。だがそれと少し弱まった力を感じると、俺の部下である精霊グリフォンからの報告があった。俺の言葉よりも・・・・精霊の方が説得力あるだろ?ベヒーモスが復活したと言うのは・・・・・これは推測になるが、当時ベヒーモスを倒したゼウスとヘラのファミリアは倒した後、『ドロップアイテム』を全部回収してはいなかったと言う記録がある。そのドロップアイテムを何者かがあの見つけて盗み。オラリオの外に生息するモンスターに食わせて、そのモンスターがベヒーモスになった可能性が高い。ドロップアイテムを他のモンスターが食した場合。そのドロップアイテムのモンスターに体が変わると言う現象もある。どこの野外のファミリアがしたかはまだ明白ではないが、少なくともベヒーモスが復活したのは事実だ。今黒い竜巻きを複数産んで世界中に攻撃している状態だ。そしてその本体であるベヒーモスはここオラリオに向かっている」
「「「!?」」」
「最悪な状況にして、ベヒーモスが復活した最悪な事実。今俺たちは三大世界依頼の一つであるベヒーモス亜種に狙われている状態だ。俺からの通達は以上」
それだけを言って、俺は無理に放送魔道具を一度切り。俺は再び他の神々とウラノスの方に向き。俺はある確認を取る
「と言う訳だウラノス。これはもはや世界の危機だ」
「うむ。確かにかつてない状況だ。あのベヒーモスが復活とはな。一体どのファミリアと・・・・・どの神がそんなことをしたのだろうな」
「今はそれを引き起こしたファミリアに制裁を与えるのは後だ。ウラノス。俺から傲慢ながらトールの息子。フレイの義弟。ただそれだけでお前に一つ頼みたい」
「なんだ?」
「ベヒーモスを倒すために。俺に指揮権を寄越すようと全ファミリアを出動させるようにと・・・・・・『強制任務』をかけろ」
「「「「「「「!?」」」」」」」」
「トールの息子・・・・・いや・・・ジーク・フリード。お前たちで復活したベヒーモスを倒すと言うのか?」
「その他に選択肢があるとでも思うか?モンスターに言葉は通用しない。今日の昼の事件は明らかにベヒーモスからの宣戦布告として考えていい。なら俺たちはそれに立ち向かい。下界を壊すベヒーモスを倒し。俺たちの平和を取り戻す。それ以外俺たちが生きられる唯一の道はない。さあどうする?」
「ジーク・フリードよ。勝機の確信はあるのか?」
「いや、当然無い。だが・・・・・・・立ち向かわなければ世界も人類も死ぬだけだ。死にたい奴が今ここに居るならそうすればいい。だが俺は・・・今地上に大切な友人が居る。その友人を守るためならこの命を犠牲にしてでも俺はベヒーモスを倒すことを専念する。ただそれだけだ」
「ジーク・・・・」
「あなたは・・・・そんな度胸を」
「変わったねジーク・・・・神を相手に交渉することも・・・ベヒーモスを相手にすることも・・・・・・君は本当に強くなった」
「それでどうする?強制任務を発令するか?それとも放っておくか?選択しろ。無論無くても俺は勝手に奴を一人でも片付けるつもりだが?」
「・・・・・・ふん」
「ん?」
「トールの息子よ。お前は実に面白い子供だな」
「おわ!?あのジジイが笑いおった!?」
「初めて見たな。あのウラノスが笑うなんて・・・・そんなにジーク君が気に入ったのかい?」
「私も初めて見たかも・・・あのウラノスが笑うなんて・・・・」
ロキやヘルメスやヘファイストス。他の神々も。俺がウラノスにここまで堂々と命令するかのように偉そうな態度で要求したことに、ウラノスが初めて顔に感情が出たのか。彼とは思えない笑い出した光景を。他の神々が驚いていた
「ふう・・・・・・確かにトールの息子だけのことはある。その傲慢な態度。神の反発。そしてどんな状況下においても戦う意志を決して曲げずに出す精神も。まるでトールそのものだ。懐かしいな・・・・・・千年前を・・・あのトールがミョルニルでモンスターを叩き潰していたあの混沌の時代の頃を・・・・・・」
「ではいいんだな?」
「無論よかろう。トールの息子よ。お前に全てを託す」
そうしてウラノスはたかがトールの息子であるだけの、ただの人間に。俺に全てを委ねようと、椅子から立ち上がった
「エイナ・チュールよ。マイクを貸せ」
「は、はい!」
そうしてエイナからマイクを受け取り。放送魔道具を起動させて、街に緊急放送を流す
「オラリオに存在する全ファミリアに告げる。私の名は創設神ウラノス。今通達した通りジーク・フリードの言った通達は誠だ。そのベヒーモスはこちらに向かっているとのこと。全ての者は作業を中断し、これよりギルド指揮下に入れ。ギルドは『強制任務』を発令する」
と、ウラノスは俺の要求を引き受け。全ファミリアであるオラリオの総戦力を出動させると宣言した
「作戦内容はベヒーモス亜種の討伐。世界に向けて拡散する竜巻き及び、それを海続ける黒雲とそれを発生させているベヒーモスの排除。私の神意として命ずる『再びこの時が来た。冒険者よ。今一度世界を救え。彼の大神、ゼウスとヘラが成し遂げたように。我々はこれより、栄えある過去に挑み、新たな未来を掴む』」
と、全ファミリアにウラノスの宣言を街中に知らせた。そして・・・・・
「これより私の権限は一時捨て。その権限をトールの息子であるジーク・フリードに指揮権やオラリオの権限を全て委ねる。全ファミリアや主神はヘスティア・ファミリア団長ジーク・フリードの指示に行動せよ。雷の女神トールの息子がお前たちをベヒーモスを倒す勝機を導いてくれる。強制任務の権限を全てジーク・フリードであるスキールニルに全て託す。以上だ」
「本当にジーク君が・・・・全てのファミリアを」
「ジーク君に委ねちゃうか・・・ウラノスは本当にジーク君が気に入ったようだね・・・」
ウラノスは一時的に全ての権限を俺に委ねてくれた。俺の意思が強かったのか、俺が戦争経験者でこの状況に対応できると見込んだのか。トールの息子である半神だからのか、俺に主神を命令する権限まで与えてくれた
「勝機は無いと言ったはずだが?導くなど勝手に嘘をついてくれたなウラノス?」
「私は・・・・見る限りではお前が導いてくれると思っている。それにこうでも言わなければ納得などしない。それにそのつもりなのだろう?」
「まったく勝手なことを言ってくれるが・・・・・・俺に全てを託してくれたことは感謝する。全力を尽くすまでだ」
勝手な言葉をウラノスに押し付けられてしまったが、俺はウラノスの言葉を受け取り。俺はさっそくここに居るフレイヤと・・・・初めて会うイシュタルに命令する
「だが、全ファミリアと言っても。これから俺たちはオラリオの外に出るため、オラリオを防衛が無くなる。そのためにフレイヤ?」
「何かしら?」
「お前の眷属である団長のオッタルと副団長のアレンはベヒーモスの討伐に参加し、それ以外の団員であるヘディンとヘグニやガリバー兄弟はオラリオの防衛に当たるように指示して欲しい。
「っ!?ええ、いいわ。弟の頼みを受け入れるのは姉としての義務だものね」
「調子乗ってがらに・・・」
「何か言ったかしらロキ?」
「別に!」
こんな時だけ弟面するのは俺としても卑怯な手ではあるが、一刻の猶予もないため。オラリオの防衛も残しておく。フレイヤを煽て姉としての立場を作り。彼女に命令では無く、弟としての立場になって。フレイヤを姉としての精神を燻らせた
これで俺はフレイヤの弟として認定されるが。もうそんなことは考えずにフレイヤにも頼むためには仕方なかった
そして次にイシュタル
「初めましてだなイシュタル」
「ええ。まさかあのトールの息子が私たち神に命令できるなんて、随分と偉くなったものだな?」
「従う従わないかはお前の自由にすればいい。何もしなければお前らもベヒーモスに滅ぼされるだけだ。だがお前の眷属はベヒーモスの討伐には参加はさせない。お前らもオラリオの防衛に当たれ。それくらいはできるだろう?それとも・・・・・・
美の神は
「っ!?いいだろう。私はフレイヤとは違って体も心も美しいのだ。お前の命令を聞いておこう」
「うわ〜〜。ジーク君すごすぎ」
「す、すごいねジーク君。あのイシュタルにプライドを傷つけて従わせるなんて、本当にジーク君ってある意味罰当たりで恐ろしいヒューマンだ」
俺はイシュタルが前々からフレイヤに美しさだけは負けないとプライドを強く持っていた。だからそのプライドを擽り。優しさも美しさの一つだぞと脅かした。脅かすのはロキが上手いと思っていたが、俺も腐ってもロキの姉妹の血筋であることを自覚した
そのプライドの高いイシュタルを俺が従わせていることに、ヘスティアは驚き、ヘルメスは俺の恐ろしさを他の人間とは別と思い。本当に神すらも容赦ないヒューマンだと、俺のやることに予想ができなかった
「よし。これでオラリオの防衛は問題ない。あとは・・・」
またもマイクで放送をする。今度は主神だけでなく。冒険者にもこれから何をすべきかを指示する。今イシュタル・ファミリア以外の全ファミリアの団長を呼びかけてこれからの作戦を経てるために、全ファミリアの団長を放送で呼ぶ出す
「全ファミリアにジーク・フリードから通達する。ウラノスからギルドの権力を受け取ったため、お前たちに命令する。イシュタル・ファミリア以外の全ファミリアの団長は『豊饒の女主人の酒場』で集まれ。これからベヒーモス討伐作戦を建てるための会議をそこで行う。直ちに緊急でそこに集まれ。主神への許可はもう降りている。速やかに迅速に行動せよ」
「ジーク。どうして『豊饒の女主人』に?」
「店主であるミアに話がしたいからだ。あいつやオッタル。そしてお前とフィンとガレスとリヴェリアは十五年前にベヒーモスを倒そうとしたゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの戦いを見ているはずだろ?十五年前のあの現場に居たあいつにもベヒーモスの特性や能力を聞くためだ」
「なるほどね・・・対策としては十分だ。とは言っても僕らも当時は戦っていたわけじゃないからそこまで詳しいことは言えないけどね。それにあの店主の許可もとらないのでそんなことを言って大丈夫なの?」
「あいつなら俺がどうしてあいつの店に集まるのか察するから問題ないだろう。今は現場に居たミアの経験も聞きたい。あまりに情報が無いよりはマシだ。とにかく今からそこに集まるぞ。フィン。アスフィ」
「わかった」
「ええ」
「エイナ。ここまで付き合ってくれてありがとう。もう放送魔道具を片付けていいぞ」
「ええ。ジーク君・・・・・なんとか倒せる方法はあるんだよね?」
「いや。無い。だがかつてゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアは果たせた。そいつらにできて俺たちにできない筈がない。だからなんとしてでも討伐方法を探してでも。俺たちはベヒーモスを倒しに行く。これ以外の選択は無い」
「そ、そうよね・・・・」
「お前は俺たちの勝利を祈ってくれ。もしくはお前も市街の復旧作業に移ってくれ。それ以外に今お前にできることはそれくらいしかない。頼むぞ?」
「う、うん!」
そうして俺たちはウラノスの間を出る。エイナにはもう頼んだことを済ませてもらい。エイナは自身がやりたいことへと俺たちとは別の場所へ。俺とフィンとアスフィとヘスティアとヘルメスは先ほど俺が出した指定先である『豊饒の女主人』に向かう
「悪いなミア。勝手にここを作戦会議にさせてしまったことを。十五年前お前はオッタルと共にベヒーモスを見ている。あのベヒーモスを目撃したお前のの話も聞きたいためにここにさせてもらった」
「だろうと思ったよ。これが客なら喜んだんだけどね・・・・・久しいねオッタル」
「ああ。お前も元気そうだなミア」
「まあここに来たからには俺から今ここに居るイシュタル・ファミリア以外の前ファミリアの団長の分の紅茶を払おう」
「いいよ。緊急事態みたいだしね。今日は金はいいよ」
「なんとか集まりましたね・・・」
「うん。おかげでなんとかなりそうだよ」
「まさかあのジークが、ウラノスから権力を奪って全員を呼び出すとはな・・・私は驚いたぞ」
「ああ。俺たちもそれを聞いた時はな・・・」
「ジークならやりかねないと思うけどね」
「本当にジークはなんてことを・・・」
「もうこりゃあオラリオはスキールニルの思うがままだな」
なんとか俺の指示通り。イシュタル以外の全ファミリアの団長をこの店に集めることができた。フィンやアスフィ以外にオッタルやシャクティやフィルヴィスや桜花や。ヒーラーであるナァーザやアミッドなど。そしてリヴィラの街のボスでもあるボールスも集まってくれた
こんな日はもう二度と来ないと思うが、それでも全ファミリアで話さないとならないほどの最悪な状況にして緊急事態だ
オラリオの危機。いや・・・・・もはや下界の危機に俺に従うのは嫌気もあるだろうが、それでもそれに聞いてでも今回の事態がマズいと理解しているとわかっているからこそ集まって解決しなければならないとプライドを無視して集まってくれた
「まずは全ファミリアの団長に伝えたい。ここに集まってくれたことに感謝する。ここに集まったのはわかっているとは思うが、ベヒーモスの討伐作戦会議だ。ベヒーモスが復活したことに関しては信じられないかもしれない。だがもう俺に仕えてくれた精霊がその黒雲の中に入ってまで確認してくれた。ベヒーモスがこの世に復活したのは残念ながら事実だ」
「オリジナルではなく、亜種だと先ほどお前の放送で言ったが、確かか?」
「そうだシャクティ。オリジナルなら南区壊滅だけで済む筈がない。俺もゼウス・ファミリアが残した資料の記録を見たことがあるが、本当なら『竜巻一つで都市で一気に吹き飛ぶ』力をオリジナルは持っているらしいからな。それが被害が南区で済んでいるならオリジナルな筈がない」
「ジークの言う通りだよ。僕やオッタルやそこに居る店主も、都市の防衛のために十五年前ベヒーモスの討伐の現場に居たけど。あの恐ろしい竜巻がこの程度で済むなら亜種だと考えていい筈だ」
「それに先ほどグランド・デイが始まった当時に、俺が防御魔法なものを展開し、あの黒い竜巻を止められた。レベル5の防御魔法で防げるならオリジナルではないと。力が半減しているとすぐにわかる」
「やっぱりあの防御魔法はお前だったか、ジーク」
「そうだオッタル。俺はいち早くあいつがここに攻撃を仕掛けに来ると感知したからこそ、街全体に防御魔法を張った」
「あの魔法はジークでしたか!?驚きましたよ。突然空に防御魔法を張ることができるとは・・・・・あなたはそこまで魔法力を持っているのですか」
「防御魔法を範囲を広げるなど。誰でもできる初歩的なことだ。あれくらい造作も無い。だがあの黒い竜巻を防ぐのには苦労した。レベル5の防御魔法で防げるなら力は弱いも同然。亜種として扱っていい筈だぞ。アスフィ」
「だが・・・・ここまで迫ってきているんだよな?ジーク?」
「そうだ桜花。亜種だろうと今回はオラリオだけでは無い。下界全てにおいての大事だ。それも・・・・・・・・先ほど襲ってきた黒い竜巻よりも、更にデカイ『大型竜巻』が東と西にこちらに迫っているとグリフォンから目撃情報があった」
「「「「「!?」」」」」」
そう言ってわかりやすくしよと。オラリオ外の周辺地図を出し。大型竜巻二つがどこにあるのか。地図を出して正確な場所を言い当てる。
「ベヒーモス本体は『デダインの村』から南付近あたりで『黒雲』と言う黒い雲に包まれた状態でまだそこで動きもせずに止まっている状態だ。それでその黒雲から生み出された『大型竜巻』をデダインの村の北の辺り、つまりオラリオから東の方に一つに発生している。今デダインの村はそのベヒーモスと大型竜巻に挟まれている状態だ。そしてオラリオ西の方にも大型竜巻が一つ。これはかなりオラリオから近くまで来ている。明日にでも対応しなければその付近にある村は壊滅するだろう」
「ジーク。そのデダインの村は・・・まさか!?」
「そうだフィルヴィス。そこは防衛する野外冒険者も居ない『エルフの村』だ。お前の同族たちが危機になっている状態だ」
「く・・・・またしても同胞の村がやられかけていると言うことか」
「明日にでも討伐作戦を開始しなければ被害はより甚大になる。だが初めに言っておくがベヒーモスを倒す手段は今のところ無い。ミア。オッタル。フィン。十五年前お前たちはオリジナルベヒーモスを見ている。何か奴の能力や情報になるものを知っているか?」
「知っているとするなら・・・・『毒の風』と言うものを噴き出し。それにより体が徐々に腐って灰になって消えると言う能力を持っているわね」
「「「「「「!?」」」」」」」
「毒の風に直撃すると体が灰になる。厄介だな」
ミアが言うにはベヒーモスは黒い竜巻を引き起こすだけでなく、毒の風のようなもので体を灰へと消却する能力を持っているようだ。それを聞いた瞬間オッタルとフィン以外が青ざめた
「その時ゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアはどういう対象をしたか見ていたか?」
「いや、昔の私らも今日侵入してきたあのベヒーモスの子供を相手にしてオラリオを守るのが精一杯で見てないよ」
「我々も同時はそこまで強くはなかった」
「ああ。だから僕らはその黒雲の中にすら入っていなかった。だから見ていないんだ」
「そうか・・・・・・」
どうやらオッタルとミアとフィンはそこまで黒雲の中に入ってまでベヒーモスとゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの戦闘は見てないようだ。もちろん薬草なので対応すればいいと思うが、だとしてもその毒に対応する薬草があっても
それを止めない限り、その毒の風をなんとかしない限り。倒すことは不可能
対策は常に一つ
「俺だけが突破口か・・・・・・アイズと共にかだな・・・・」
「ジーク?」
「いや、なんでもない。そこは後で俺がなんとかする」
「できるのかい?」
「できるできないは関係ない。やらなければ死ぬだけだ。勝算も必勝法も無い以上はやるしかないんだ。当時ゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアも時間を掛けて必勝法を戦いながら探してでもベヒーモスを倒した。こちらもその戦い方を真似してでも奴を倒すのみ」
「本当に変わったね。君は」
「もう退路も無い。敵は俺たちのところまで迫っている。黒い竜巻は世界中に散らばり近隣諸国はオラリオの動向を見守っている状態。俺たちがやる以外の道はないからと俺のようなたかが雷神の息子が威勢を張っているだけだ」
俺があれから二年経って、戦争をして。多くを殺して生きていたからこそ学べたものがあるからと言って性格が変わったわけじゃない
冷静でもなければ、落ち着いているわけでもない
感情を失いかけている俺にはそんな強大な敵が出てきたら容赦なしに殺す。それ以外の考えをしてないため、褒められることでもなければ、傲慢な考えをしているわけでもなかった
ただ全て事実の上と、生き残るための最終手段として全ファミリアと結託しなくてはならないと思っているだけだった
「フィン。作戦概要としてはその大型竜巻を部隊二つに分かれて叩き潰す。その竜巻を潰した後でデダインの村に集まり。そこを拠点としてそこから南に居る。ベヒーモスを倒す。今の進路二本のルートに何かダメだと思う意見はあるか?」
「僕もそういう風に考えていたよ。ジーク。確かに君があのウラノスからオラリオの権力を奪っただけの功績はあると思ったよ」
「こうでもしなきゃ誰もやらないから仕方なくこうしているだけだ。そして指揮権は俺だけでなく、フィン。お前も指揮権を与える。東にある大型竜巻を倒す部隊の指揮をお前に任せたい。俺以外に指揮力を持っているのはこの中でお前が一番だからな」
「ふふふ。まさか君から僕の実力を評価してくれるのは嬉しい限りだ。出会った黒い竜巻は全部残さず倒すでいいんだね?」
「そうだ。小さくてもそれがやがて大型竜巻に大きくなる可能性が高い。黒い竜巻であるなら発見次第即排除だ。当然その周囲に飛んでいるベヒーモスの子供も排除だ」
「わかった。それで僕は東にある大型竜巻を排除するための部隊を指揮するのはいいけど。そんな僕が指揮する部隊はどんなファミリアを編制してくれるんだい?」
「バランス良く部隊を分けるぞ。まずフィンが指揮する『A部隊』はロキ・ファミリア全員とディオニュソス・ファミリアとディアンケヒト・ファミリアとゴブニュ・ファミリアとヘルメス・ファミリアと俺とヴェルフと命以外のヘスティア・ファミリアの部隊だ
そして俺が指揮する『B部隊』はフレイヤ・ファミリアとヘファイストス・ファミリアとガネーシャ・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアとミアハ・ファミリアとオグマ・ファミリアとソーマ・ファミリアと今言われなかった残りのファミリアと俺とヴェルフと命の部隊だ。俺の部隊は西のオラリオに迫っている大型竜巻を村や街の救助を後にして大型竜巻を最優先に倒す」
「イシュタル・ファミリアは都市の守備でいいんだね?」
「ああ。オッタル。少しいいか?」
「なんだ?」
「フレイヤに相談してお前らを使っていいと許可をもらった、ベヒーモス討伐作戦にはお前とアレンを参加させてもらう。それ以外のヘグニやヘディンやガリバー兄弟はオラリオの守備に回った。それとフレイヤから伝言がある」
「フレイヤ様から?」
「『ジークの言うことを聞きなさい。私のためだと思って』だそうだ」
「そうか、フレイヤ様がお前の指揮に従えと言うならお前の言葉に従おう。だがジーク。お前もフレイヤ様の義理とは言え弟だ。フレイヤ様のために働いてもらうぞ」
「言われなくてもそのつもりだ。あんな欲張りな姉ではあるが。俺も義姉を亡くしたくはない。フレイヤがあの黒い竜巻に襲われでもしたら困るの俺だけでなくお前らもだぞ。ただお前らはあいつを守るためと思って戦え。勝手な行動は許さない。フレイヤのために俺に従え」
「いいだろう・・・アレンにもそう聞かせておく」
「す・・・すごい・・・」
「あの猛者を従わせるなんて・・・・ジークは本当に怖いもの知らずだ」
「本当にジークは・・・・もの凄い変わった」
「あはははははははは!!まさかあのジークがオッタルを従わせるなんて!フレイヤに見せてやりたいよ!」
あのフレイヤにしか言葉を聞かないオッタルが、レベル5如きの俺が・・・たかかがフレイヤの兄のフレイの義理の弟だからと言って俺に従うなど、フィンやミアでも意外な光景を見て驚いた
こんな光景は二度とないだろう。こいつが俺の言葉で行動するなど。二度と見られない姿だ
だが作戦概要である進行ルートと部隊編成は決まった。後は・・・
「それと主神の同行も頼みたい。ヘスティア。ヘルメス。ヘファイストスとゴブニュとミアハとディアンケヒトを同行させたい。そうすれば装備の調整と回復薬の調合とステイタスの更新ができる。今から頼みに行ってくれないか?」
「うん!わかった!」
「了解。指揮権を持ったジークのご命令なら」
主神の同行もし、必要な装備調整や回復薬の調合と更新も万が一必要になると思い。主神の動向も加える。主神を連れていくなど危険極まりない話だが、そこは俺たちがしっかり守るとフォローするしかない
「ジーク。あの娘たちも連れて行きな」
「ん?リューたちのことか?いいのか?」
「ああ、もちろんあいつらから私が言っておくからさ。もちろんあんたのB部隊の方に入れるからさ」
「そうだな。多いことに越したことはない」
ミアからリューたちをもベヒーモス討伐に参加させるようにすると、ミアに言われた。確かに多く力を貸してくれる者が居るならありがたいと。ベヒーモスの討伐に参加させる
だがアーニャは・・・・・・いや、俺がアレンを黙らせればいいだけだなと、アーニャとアレンが一緒になった時の対応も考え、アーニャも参加させる
「質問ある奴が居たり、俺の指示に文句のある奴は今言ってくれ。ちなみに文句がある奴が居るなら、俺はそいつにこの権力を全部そいつに渡す。つまりはこれから出る大きな被害の責任を背負う覚悟もあって文句を言っているのだと認識してもらうぞ?」
「「「「「っ!?」」」」」
「これくらいの負担は当然だろ。俺がオラリオの権力を得たと言うことはその被害やこれから戦死する犠牲者の責任も、オラリオの全ての責任を取らなきゃいけないんだ。言っておくがこれは冒険でもなければ討伐作戦じゃない。言うなれば・・・・・・世界を賭けたベヒーモスとの戦争だ。それをベヒーモスを始め。奴は宣戦布告したかのように今日南区を襲った。そしてウラノスは俺に全てを託した。俺の知識や指示力で皆を動かしベヒーモスを倒せるのではないかと見込んだからだ。オラリオの権力を得ると言うことを軽々しく考えるな。俺もその責任を背負う覚悟があってウラノスから権力を一時貰ったんだ。簡単に考えないことだな」
「確かに・・・・でなきゃウラノスもオラリオの権力を渡したりはしないだろうね。相当デカい負担を得てしまうのだと僕も思っているよ」
「それで・・・・・文句や質問のある奴は居るのか?」
「一ついいか?」
「なんだ桜花?」
「俺たちタケミカヅチ・ファミリアは・・・・必ず勝てる勝算がある所までダンジョンを潜ってきた。今回はその・・・・・・・ベヒーモスを倒す方法は無く。その『毒の風』とやらに対抗する手段は無い。つまり・・・・・・俺たちは明日からなんの勝算も無くベヒーモスを相手に『負け戦』をすると言うことか?」
「その言い方は決めつけと言って悪い言い方だが。その通りだ」
「「「「「!?」」」」」
「さっきも言ったが戦いながら見つけるしか無い。十五年前にベヒーモスを見たフィンやミアやあのオッタルでさえも倒す方法は見ておらず、ゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアの残した記録や資料においても・・・・その方法は書かれていなかった。おそらく復活する恐れは無いと思ったからだろう。つまりは・・・・・おま俺たちは本当に明日から自力で討伐方法を探し。その情報を共有して奴に叩き込み。それで失敗したら一時撤退し、デダインの村で作戦を建て直し挑むしかない」
と、最悪な状況である現実を俺は団長全員に言い放った。オッタルやフィンも了承をしているが、厳しい状況であるのは苦しいと息を殺しているのが見える。言うなら俺たちは完全に無防備ない状態、毒の風に対抗する手段も無ければ、奴を確実に殺せる保証もなく。何百と言う犠牲者が見えると言うのは目に見えている
戦う気力を無くすのも当然
「それでも挑むしかない。俺たちに残された一つのみ。戦うだけだ。他に質問をある奴は?」
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」
「無いならいい。会議はこれで以上だ。この地図を渡す。その進行ルートをお前たちの部下に説明しろ。作戦概要は以上だ。明日から出発しオラリオの門の前で朝集合してもらう。解散しろ」
と、誰も答えることなく。勝算もないと言う最悪な状況を聞いて戦意を無くしたまま豊饒の女主人を出ていく。仕方ないことだが。本当に事実だった。勝算もないままこれから立ち向かうしかなかった
そして部屋に残ったフィンとミアが俺に声を賭けた
「ジーク・・・」
「なんだ?」
「少し小言で聞いたんだけど。毒の風を突破できるのは・・君かアイズかって言っていたけど・・・もしかして突破口があったりするの?」
「もしかしたらの話だ。確信は無い。だが俺には・・・毒が効かない。もしかしたら効かない可能性が高い」
「なんとかできる保証はもしかしたらあるかもしれないってことだね?」
「ああ。だがやってみなければわからない。その毒の抗体によるかもしれない」
「てことは本当に奴本体に出会わないと勝算はあるかわからないってことだね」
「ああ。こればかりは・・・・・ベヒーモスに会わなければわからないことだ。だから現時点で勝算が無いと言った。確信も無いことを俺は言う気はない。質問は以上か?無いならお前もさっさとホームに帰ってあいつらに作戦概要を伝えろ」
「ジーク。もしそれが無かったらどうする気だい?」
「どうするもこうするも無いミア。その時は・・・・」
「まさか自分を犠牲にしてでも倒すとか言うんじゃないだろうね?」
「そのつもりだ。俺のような小さな命。どうでもいいものだ」
フィンの勝算の確信を聞いたミアが、もしもその勝算が無い場合はどうするのかと聞かれた。無論その時は俺の全てを犠牲にしてでも倒すと最終手段を取る気だった
だがあいにくミアはその俺の考えをわかっていたらしく。俺のやることに呆れた顔をしている。そんなやり方をしようとするなど誰が喜ぶものかとミアは文句ガチだった。例えそうだとしても感情が薄れている俺は自分の命など考えているわけもなく、俺のような小さな命はこの扱いの価値で十分だと。最終手段をも考慮した
だが
「そうかい・・・・じゃあ今入り口の前に居るシルにも同じことを言えるんだろうね?」
「っ!シル・・・・」
「あ、ジーク。今会議は終わったところかな?」
「ああ。すまない。勝手にここを作戦会議に使ってしまって。それと君も無事でよかった」
「うん。私はルノアと中央街に居たから被害がそこまで届かなかったの」
「そうか、とにかく無事でよかった」
シルはルノアと一緒にバベルの周囲付近に居たのか、ベヒーモスの子供に襲われずに済んだらしい。今は市民の負傷者を治療してきて帰ってきたようだ。
顔や声を聞く限り、今のミアの会話を聞いてはいなかったようだが、犠牲という言葉をシル前で出すのはどうにも不安になってしまい。彼女にだけは先ほどの会話を言うことができなかった
ミアの思惑通り。彼女だけにはそんなことは言えなかった
「放送聞いたけど・・・・・強制任務だってね?」
「ああ、ここだけの被害だけじゃない。オラリオ以外でも被害が今でも広がっている。明日から迅速に対応しなければこの下界は終わりだ」
「そう・・・・・ジークはまた戦いに行くのね?」
「冒険者なんだ・・・・・当然だろう?」
「生きて・・・・・・帰ってくるんだよね?」
「そうなるといいがな・・・・」
確信も無いことに俺はハッキリとしたことは言わなかった。それは嘘を付くのと変わりない。そんなことに彼女を傷つけたくない。彼女の前だと素っ気無いことを言うのは今回が初めてだった
それほど事の重大さを感じる今回の事件について。重みを感じるのか。生存率も極めて低いと今回の相手は強大だと。生きて帰れる保証が無いと何も言えなかった
「ジーク・・・」
「ん?」
「その・・・リューに聞いたんだけど・・・・スキルのせいで感情を失いかけているんだってね?」
「っ!?君の眼からしてもそう見えるのか?」
「うん・・・・・若干何処か失いかけていると言うか・・・・・あなたの心が徐々に真っ白になっているのが見えるの」
「真っ白か・・・・感情を失うと君のその眼ではそう言う風に見えるんだな」
正直俺のカオス・ヘルツだけはシルに知られたくなかった。今ここに居ないリューにこれだけは余計なことを言わないでくれと少し憎んでしまった。親友であるシルには隠し事ができないと話してしまったのだと想像つく。そして彼女の眼もあるから見抜かれる。仕方のないことだと認めるしかなかった
フレイヤの眼でも見れない俺の心を。彼女は見えるのだから本当に恐ろしい
だが彼女の気を使割れるのが嫌で、心配されるのが嫌で、感情を失いかけていると言えど
彼女が負になるような関わりは全て俺は感情で抗っていた
「自分を犠牲にしてまで・・・・・倒すのはやめて。私はそんなの望んでないから」
「だとしても・・・・俺は・・・・・生き残るためにはそれしか・・・」
「私は怖くないよ。死ぬ時があなたと一緒なら・・・」
「シル・・・・・」
「生きる意味があなたに無くても・・・・・私はジークが生きて欲しい意味があるの・・・・・あなたは小さい命じゃない。あなたの命はあなただけの物じゃない。私やベルさんやヘスティア様の物でもあることを理解して。あなたは・・・・・一人じゃないから」
「一人じゃない・・・・・・・・か」
ああ。本当にフレイヤみたいに愛が強い女の子だ。形もあれだけど。強引で勝手で。本当に一方的な愛をぶつけてくる。本当に相手の心を無視して、自分の想いを全部俺の心に無理に埋めようとするように
だが
どうしてこうも暖かく心地良いのだろうか
感情を薄れている俺に彼女の言葉が俺の心を少しどころか、大きく揺らぐように俺の心は動いた。
だから彼女は卑怯だ。彼女は悪い女だ。彼女は本当に人の事を考えない。彼女は俺に押し付けるばかりだ。彼女は俺の全てを奪う。彼女は俺の酷い女だ。彼女は傲慢だ。彼女は世界一神よりも強欲な女だ
だから
俺はシルだけは何がなんでも彼女の言葉を聞き入れる。主神よりも
「わかった。必ず帰ってくる。だがボロボロになって勝ってみせる道は変わらない」
「うん。それでも生きて帰ってくれるならなんでもいいよ」
これで俺は犠牲をすることができなくなった。彼女のお願いを俺は叶えるためにも勝算をなんとしてでも探し出し。傷だらけになってでも生きて帰る事を前提とした戦いを俺は望むしかなかった
俺は彼女の気持ちを十分理解しているはずなのに、それに答えないのは俺が本当にただ彼女の為に尽くすことしか考えられないのだと。彼女の愛に答えることができなかった
いや
まだ恋愛自体わかってないからだと思った
その後ヘスティアホームで夕飯を済ました後で団員たちに一気に説明する
とは言っても俺がオラリオの権力を得た事にも主神全員に指示を言い渡す事のできる権利を得たこともベル達は驚いている。誰かがやらなければ意味がないと驚くほどでもないと言うが、ベル達は並みの人間には不可能なことだ。普通でない事を言われた
まあ神に偉そうな態度で指示を言うのは確かに並の人間ができることでもないのは俺も認めた
だがそれ以上に今回は大事だと。俺が進んで取り組むしかなかった
そして作戦概要を通達する
「と言うわけだ」
「僕とリリがアイズさんたちロキ・ファミリアの部隊に行くんですね・・」
「第一冒険者の居るファミリアと上手く分けましたね。ジーク様」
「それほど相手は階層主以上だ。ヴェルフと命は俺の部隊に配属して貰う」
「おう。わかったぜ。またヘファイトス・ファミリアに戻ったように頑張るぜ」
「承知いたしました。桜花殿達と上手く連携します」
「ああ。それとヴェルフ。わかっていると思うが・・・」
「わかっている。クロッゾの魔剣もちゃんと持っていくようにだろ?言われなくてもそのつもりだ。今回はマジであのベヒーモスだからな」
「でも・・・・本当にあの『三大冒険者依頼』の一つのベヒーモスなんですか?」
「疑うのは当然だな。もう倒されたモンスターがダンジョンでも無いところで復活するはずがない。放送でも言ったが、何処かの野外のファミリアが密かにベヒーモスのドロップアイテムをオラリオの外のモンスターに食わせ。そのモンスターがベヒーモスとなったんだ」
「そんなことが可能なんですか!?」
「可能だリリルカ。ドロップアイテムと言うのは決して武器の素材として使うだけでなく。別のモンスター に食わせてそいつをベヒーモスに体を変えることができるんだ。ドロップアイテムでもそのモンスターの一部だ。弱いモンスターだろうとそのドロップアイテムの強さで体は支配され、そのドロップアイテムのモンスターに徐々に成長するんだ。ベヒーモスのドロップアイテムは全部回収されてないことは知っているか?」
「ええ。リヴァイアサンのドロップアイテムは全部回収されたのは知っていますが、ベヒーモスのは・・・・場所が砂漠だとかで、その砂に中にドロップアイテムがいくつか奥深くまで埋まってしまったとかで、色々説になっています」
「何処かで野外のファミリアがそれを見つけ。オラリオに恨みを持つ奴が居るのか。弱いモンスターに食わせてベヒーモスにして襲撃させたんだろうな・・・」
「知りませんでした。ドロップアイテムにそんな使い方があるだなんて・・・」
「ちょっと待って下さいジーク殿!てことはこの事件は!?」
「そうだ命。これは明らかに誰かがベヒーモスを復活させて俺たちを襲うように仕向けた。野外ファミリアの攻撃だ」
「「「「!?」」」」
「僕たち主神も誰がこんな事をしているのか知らないけど、少なくとも何処かオラリオの外に居る神がこんな事をしているのだと。ロキもフレイヤも疑っていたよ」
「それをした野外ファミリアの正体はまだ不明だ。だが明らかにオラリオに恨みがあってこんな事をしているとしか思えない。世界も巻き添えにしてな・・・」
「まさかとは思いますけど、ジークさん・・・・・・・・アポロン様じゃないですよね?」
「まったく別だ。レベル2しか居ないアポロン・ファミリアにドロップアイテムのこんな使い方を知っているはずがない。本来この使い方を知っているのはフィンかオッタルくらいの第一冒険者だけだ。それにアポロンは執念深くてもそんな恐ろしい事をあいつは怯えてできはしない」
「確かに、それはジーク君の言う通りだね」
命もリリルカもこんな事をしでかした野外のファミリアが誰なのか知りたいところだろう。少なくともアポロン・ファミリアの筈がない。それにあいつらが何処かでベヒーモスのドロップアイテムを拾っているとも考えづらい
ベヒーモスを復活させた野外ファミリアを探るのは戦っている最中に回した
「ヘスティア。お前とヘルメスとディアンケヒトとゴブニュはフィンが指示するベルとリリルカと一緒に『A部隊』に行ってもらう。B部隊にはミアハとヘファイストスに付いてもらう。お前達主神はグリフォンとグラニが馬車を引いてくるよう頼んでいるから、移動の時はそれに乗って欲しい」
「わかった。明日朝ヘルメス達にも言っておくよ」
「ああ。なんでヘルメスが来るのかだけは俺も理解が堪え難いがな」
どうせヘルメスのことだ。俺たち冒険者がベヒーモスを倒す所を間近で見たいのか。自分の眼で見て俺たちの冒険者の勇姿の姿を見たいのか。もしくは俺とベルの活躍が見たいのか。ヘルメスが現場に付いていく理由を想定した
「さてベルとヘスティアとリリルカは別になるが、わかっている通りダンジョンでモンスターに挑むような簡単なことじゃない。相手あのゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが倒したはずのベヒーモスだ。俺たちもあの二つのファミリアのようにオラリオに出て戦う。言っておくがこれは冒険じゃない。戦争だ。オラリオの冒険者とベヒーモスとの世界を賭けた戦争だ。無論死者も出る上に予期しないトラブルも出てくるだろう。だがこれだけは言っておく」
今ここに集まるのは最後じゃないと。団長らしく俺は団員に戦意を持たせる言葉を出して、再びここに戻ると宣言する
「必ず勝って、全員ここに帰るぞ」
「はい!」
「うん!」
「やりましょう!」
「俺たちで必ず!」
「世界を救いましょう!」
「よし、もう明日に備える。全員就寝してくれ」
それだけを伝えて。俺はベル達に就寝するように明日に備える
ここでヘスティア・ファミリアは終わりにしないと、必ず戻ってくると。俺たちは誓った。必ず生きて帰ると。全員一人欠ける事なく、例え相手がどれだけ強大な敵だろうと全員で帰ると
ベヒーモスを相手にしなければいけないこの悲劇を
俺たちで終わらせると、勝機は全く無くても生き残ることだけはしようと、最善になってしまうが、全力全開を出し切ってでもやり遂げると
ベル達は意思を固めて就寝した
俺は
覚悟していると言うよりも、これが『運命』だと、もうこうなるのではないのかとわかっていたのか
俺の生きる道に戦いしか無いと
受け入れる事しか出来なかった
次の日。朝早くからオラリオ外壁の門の前でイシュタル・ファミリア以外の全冒険者が集まっていた。主神も呼ばれた者のみしっかりと来ていた。全員しっかりと欠けている事なく来ていると確認が取れた
当然中には望まむ者も居なければ、ベヒーモスを恐れる者も居る。戦うことを望まなければ死ぬとわかっているからだ。だから逃げることもできない
主神や誰かの為ならと望む者も居るだろう。これから戦場に向かい戦わなければならないとダンジョンと変わりないはずだが、生存率がとても低く。生きて帰れないミッションだ
相手の強大さを感じればすぐもわかる。陸の王者をゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアももう存在しない。俺たちでやるしかないと全員門の前に集まる。
そして俺とフィンでこれからの事を通達する
「全員聞け!今回討伐作戦を指揮をするジーク・フリードとフィン・ディムナだ!団長から通達は聞いていると思うが、部隊を二つに分けて俺とフィンの指示に従って戦ってもらう。地図を確認しろ!ルート進路の説明をフィンから説明する」
「地図を見てわかる通り、東と西に大型竜巻が確認されている。部隊二つに分かれて大型竜巻を排除し、それに向かう途中で出くわす黒い竜巻をも全て排除する。もちろん途中昨日侵入したベヒーモスの子供も襲ってくる。全員引き締めて行くように」
「その大型竜巻を排除した後は、ベヒーモスが生息している砂漠の近くにあるデダインの村に合流し、そこで臨時キャンプを開き、そこで調整や少し休息をし、そこでベヒーモスを討伐作戦を建ててからベヒーモスに挑む予定だ」
と、作戦概要を冒険者たちに簡単に説明した。もちろん昨日の会議の後に団長から聞いていると思うが、念のために説明した
それと多分これだけは団長達から説明していると思うが、念のために俺が厳しい現実を言い渡す
「それとこれだけは言っておくぞ。俺は嘘つき呼ばわりされ苦しいほど味わっているから正直に言うが、ベヒーモスを倒す方法は何も無い。戦いながら奴を倒す方法を探すしかない。団長から聞いていると思うが・・・・」
「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」」
「今この時点で何も言わないと言うことはわかっているようだな。だから死を覚悟したほうが賢明だと思った方が良い。もちろん死を前提に戦うわけじゃないと思うが、それくらいは覚悟して貰う」
厳しい状況を念の為最初に言い。俺は今回酷い強制任務だと戦力を余計なくす事を言った。現状を状況を言わなければ直前となってからでは対応が遅くなると、俺は容赦無く戦意を無くす言葉を出した
その言葉に誰も言い返すものは誰も居ない。わかっているのか。もしくはゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアのように勝てないのではないかと諦め尽くしている。それだけ三大冒険者依頼はそう簡単に果たせるものじゃないと
誰もがわかっていることだからだ
今日で最後になるかもしれないと、覚悟しているのも居るだろう。それは俺も覚悟していた。いや・・・・・・戦う時は必ずこうするつもりで俺はこんな道ばかりを選んだことで心が枯れたのだ
こんなことは誰もが理解していることだ
だが
今回は俺は望むことができないほど。俺は彼女の願いを叶える為に、冒険者達に戦意を作る
「これだけは言っておくぞ。俺たちがやらなければ下界は終わるだけだ。他の近隣諸国もステイタスを極めた俺たちに倒して貰おうと願っている国が多くだ。俺たちに世界を賭けられているも同然だ。つまりは・・・・・・・今討伐に挑む者全てがこれから『英雄』になると言うことだぞ」
「「「「「っ!?」」」」」
「例えそこで死んだとしてもお前たちは『ベヒーモスに最後まで立ち向かった勇敢な冒険者』だと称えられる。つまりは英雄だ。今下界を滅ぼそうとするベヒーモスを倒そうと挑んだ英雄だ。例え屍になるしか無いとしてもお前たちの勇士の名は世界に刻まれる。これは俺たちにおいても・・・・・新たな歴史に名を残すチャンスでもある」
「ジーク・・・・」
「それに俺たちが戦えば、オラリオの人々もデダインの村のエルフであるお前たちの同胞も、この下界に生きる者全て。奴に灰にされることも無くなる。お前たちは今回街の被害を受けてどう思った?今回だけでもう犠牲者は多く出た。死者も出た。こんな誰もが楽しみにしていたグランド・デイの日に、罪のない俺たちにベヒーモスは襲った。あんな光景を見て辛いとも苦しいともお前たちは思わないのか!」
「「「「「・・・・・」」」」」
その言葉を吐いた俺に誰もが真剣に顔を向け。覚悟を決めた戦意を一気に感じた。もう誰も恐れることなく、弱小ファミリアだろうと都市大派閥だろうと。誰もが俺の意志に向き合った
「人々が死ぬ光景など、建物が破壊された後もお前たちはもう見たくないはずだ!お前たちはあの黒きベヒーモスを!俺たちの都市や家族や仲間や人々を破壊したモンスターを許せないか!」
「「「「「「許せない!!」」」」」
「お前たちはあの黒い獣に怒っているか!」
「「「「「「怒っている!!」」」」」
「お前たちはその怒りを奴にぶつける覚悟はあるか!!!」
「「「「「「「「「ある!!!」」」」」」」」
「よし!その戦意を今オラリオの市民にも世界にもあのクソ獣にも思い知らせるぞ!お前たちに今足りないのは戦意だ!退路も無い。倒す方法も無い!だが・・・・・戦わなければ全てを失う!今はファミリアの距離も関係なく!全ファミリアの力を合わせて奴をこの世からなんとしてでも殺し!世界を守るぞ!」
俺の言葉に誰もが答えた。喪失感を感じた彼らが怒りを剥き出しにして、あの強大で恐ろしい三大冒険者以来の一つであるベヒーモスをこれから挑む恐れを完全に無くし。俺の言葉に答えて戦意を持った
「今日だけはお前たちは冒険者では無い!!今からベヒーモスを倒す勇敢な『戦士』だ!!立ち上がれオラリオの戦士たちよ!今こそ!ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの歴史を塗り替え!俺たちが英雄となり!この時代に新たな歴史を刻むぞ!あの黒い巨獣に俺たちの恐ろしさを思い知らせ!!!」
「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」
と、シルの言葉に従うだけしか無い俺がこんな多くの者達を巻き込むなど、余計な事を言ってしまったものだと思った。しかもこんなセリフ
『冒険者ではなく勇敢な戦士』だと
俺が『親父』と同じ言葉を口にして戦士の王のように叫ぶなど。俺も親父の血筋だからなのか、俺とは思えない似合っていない言葉を吐くなど。本当に俺はシルの頼みを聞いて派手な事を言うようになったものだと
カオス・ヘルツで心が薄れていと言うのに。彼女に毒されているなと。自分ではないと疑った
「良い演説だよ。ジーク」
「俺らしくないがな。こんな事を言うだなんて」
フィンに褒められるが、嬉しくない
権力を得た者としての発言出なければこんな事を言える筈がないと、俺は仲間に戦意を上げるのも指揮権を得た者として大将の務めだと、当然のこととして嘘をついた
俺とて自分の言葉じゃないと疑っていると、自分の意志の本心とは思えない言葉を口にしたのだから、ただ彼女の言葉を思い出して発言した言葉だ
俺の本心ではないと聞いたら、俺は嘘つきだとまた言われるだろうからと、喜ばずに嘘をついた
「ジークさん凄い演説でした!」
「本当に英雄みたいでしたよ!」
「お前すげえ事言えるよな・・・」
「誰もできない事ですよ・・・・・今のは・・」
「凄いよジーク君!団長としていい言葉だ!」
「他の連中の戦意を上げるにはああ言うしかなかった。あんな事を言うだなんて俺の言葉とは思えないほどにな」
団員達であるベル達にも褒められるが、団員に褒められても嬉しくない。他の連中は相手の強大さに圧巻し怯え。こうでも言わなければやる気にならない。こいつらが至極単純で助かったと思っている
そうでなければ幻滅を受けるだけだ
こいつらが英雄という言葉に反応すると思って口にしたが、単純な奴らだから本当にこんな言葉に反応するとは流石の俺でも思っていなかった
なんにしても戦意ができたならなんでもいいと、俺は先ほどの言葉を忘れるようにした
「ベル。リリルカ。ヘスティア。俺とヴェルフと命と別れるが、フィンの指示をしっかり聞け、死ぬなよ」
「はい!」
「ええ!」
「うん!ジーク君たちも無事でね!」
「ああ。俺たちの心配はするな。俺たちに関してはベヒーモスから大分離れて戦っている。むしろそれに近いお前達の方が俺は心配だが、お互い気を引き締めるように。グリフォン。ヘスティア達を頼む。それでからの指示はヘスティアに聞くように」
『はい。お任せを主』
俺たちの心配をするより、フィン達の方がその生息するベヒーモスの地方の東に向かうのだから、そちらの方が危険が大きいとそちらの方に用心しろと指示をし、グリフォンが引く俺の自作で用意した馬車にヘスティアは乗り。その後にベルとリリルカも跡を追うように別れた
「行くぞ二人とも。俺たちも隊を集める」
「おう!」
「はい!」
本来なら俺もそっちに行くべきだが、強者として弱者に気を回さないで暴れまわるオッタルとアレンを勝手な事をさせないように俺が行かなくてはならない為、東の方ではなく西の方へ大将として回らないとならない
あのバカ二人がもう少し賢い考えを持てば俺は必要なかったのだがな。あの二人は特に人の言う事を聞かない女神にしか聞かない無能共だ。おまけに弱者に目もくれない連中だ
確かに足手纏いだが。使えない連中ではないとそのフォローも入れないと俺がそっちに回らないとならない。
とにかくもうB部隊を集める
「B部隊は集まれ!俺がB部隊の隊長としてお前達を支持する。お前達を動かすからその通りに動け、勝手な事をして死んでも知らないからそのつもりでいろ」
「け。俺がなんでジークの言う事を聞かなきゃならないんだ」
「それと初めに言っておくが、オッタルとアレンは勝手に少しでも動いてみろ。フレイヤに必ず報告してこの討伐の後お前らに説教して貰うよう頼んだからな?」
「な!?テメエ!?またあのお方に無理難題な事を唆しやがって!ジーク!テメエあのお方の兄君の義弟だからと言って調子に乗んなよ!」
「お前が俺の言う事を聞けばいいだけだ。それにお前ら二人を従わせるようにして任せているのは姉が俺のために全てを託してくれたからだ。俺とてフレイヤのために動いている。弟の恥が姉の恥でもある。俺の指示がフレイヤの言う事も聞けないと言う事と同じと言うことだ。お前こそあの姉の眷族でありながらそんな下らない真似をするのか?それでもフレイヤ・ファミリアの副団長か?」
「テメエ・・・」
「やめろアレン。ジークはあのお方のために動いているのは本当だ。でなければ堂々とオラリオの権力をギルドの主神ウラノスから奪い。レベルが上である俺たちを従わせるようにとあのお方の心を動かされた熱意。フレイヤ様の弟として権威を見せたのだ。ジークの指示はフレイヤ様の指示。黙って聞け」
「お前はいいのかオッタル?あいつの言いなりで?」
「俺はジークが俺よりも賢い考えをする事を見込んで従っている。何よりあのお方のためにここまでのことを一人で率先してやっている。その時点でジークは弱者ではない。堂々と見せる戦意を俺は強者だと思っている。あのお方もそれを見込んで全部託している。なら俺はその託されたジークに託す。そしてあのお方の眷属として、あのお方の義弟であるなら俺はジークをフレイヤ様のように従うのみだ」
「ち・・・・わかった。あのお方に託された以上は期待に応えなきゃ承知しねえからな。ジーク」
「言われなくてもそのつもりだ」
「す、すげえ・・・・」
「あの猛者と女神の戦車を従わせるとは・・・・ジークは恐ろしいな」
「それが俺たちの団長だ。大男。椿」
「ええ。それがジーク殿です」
フレイヤの言う通りにすると、俺の指示に従うとオッタルとアレンの確認は取れた。そんな光景をB部隊のファミリア団員は驚いている。誰も見たことがないないだろう。レベル7のファミリアの団長と副団長がレベル5の俺に従うなど滅多に見られない光景だ
「ヘファイストスとミアハはこの馬車に乗れ。頼むぞグラニ」
『はい。お任せください主。ヘファイストス様。ミアハ様。どうぞ』
「まさか精霊の馬車に乗るなんてね・・・」
「滅多に無いことだな」
そうして主神二人はグラニが引く馬車に乗る。この馬車も錬金術の自作。ただの馬車ではあるが。滅多に壊れることのない鉄でできた馬車。モンスターに襲われても壊れないよう強度だけはある。念のための保証は必要だからと作った
「フィン。そちらは頼むぞ」
「うん。お互いの部隊生き残ろう」
「ああ。デダインの村で落ち合おう」
A部隊も準備ができたようで。目標に向かって出発していようとしていた。その前にフィンに別れを告げてから。こちらも準備が出来たためこちらも西へと歩く
「準備は整った!これよりB部隊は西にある大型竜巻を排除しに進軍ずるぞ!B部隊出撃!全軍西へ進軍せよ!」
「「「「「「「「うおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」
A部隊を分かれて俺たちも西へ向かった。感知をする限りまだオラリオの周辺には敵が居ないわかる
だがそれより西の方で多数の昨日襲いかかったベヒーモスの子供が数体広がっているのがわかる。この先は奇襲に気を引きめて進み。オラリオを出る
向かう先は大型竜巻を片付けて、デダインの村に合流すること
戦場へと向かい