ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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竜殺しの備え

 

 

俺は一人でホームを出て、自分がやるべき準備を始める。その前に話したい人物に話をしておきたいと、俺はある二人に尋ねる

 

そのある二人とは

 

 

「モージ兄上、マグニ兄上、この度のご協力、感謝致します」

 

 

「いいってことよ。ウチのドルムルが前回の遠征で助けてくれたしな」

 

「君は俺たちの大切な弟だ。見捨てることなんてできない。こっちもルヴィス。それ以外の俺の眷属を前回の遠征の時に助けてくれたんだ。これくらいはさせてくれ」

 

 

「感謝します。相手はあの姉上だと言うのに、ドルムルとルヴィスの要望でもあるとはいえ、これで戦力は大いに越したことはありません」

 

 

「「まあ、相手があのフレイヤなのは、確かに俺たちのファミリアも焦るけどな・・・・」」

 

 

それは俺の義理の兄達。母トールの義理の息子達。

 

 

マグニ兄上とモージ兄上

 

 

今回兄上達は俺の味方になってくれる。母の実子である弟である俺を『アース神』として助けてくれるのと、前回の遠征で兄上達の眷属のルヴィスやドルムルやその仲間を助けた借りを、今ここで返すと力を貸してくれる

 

しかし、相手はあの姉上だ。流石のモージ兄上とマグニ兄上は、中間派閥が上級派閥に喧嘩を売るなんて、正直恐怖は確かにある。このままではファミリアが姉上の手で終わるかもしれないと、マグニ兄上とモージ兄上の姉上のことをよくわかっているようだ

 

 

「ドルムルとルヴィス達は姉上の幹部とは戦わせない陣地で戦って貰うから、眷属の心配は問題ありません」

 

「てことは、やはりフレイヤの幹部はジーク達が?」

 

「はい。そうです」

 

「とは言っても、確かヒーラーの部隊も中々の強さだろう?やはりルヴィス達には警戒して挑ませることを言っておくべきだな」

 

「その通りです。マグニ兄上。残念ながら幹部以外の団員の強さも異常です。相手はあの姉上だ。油断も隙もないってことだけは、眷属に言っといてください」

 

「そうだな」

 

「あのフレイヤの子供だからな・・・・」

 

 

幹部とは戦わない作戦も配置もしないとはいえ、それ以外も普通とは思えないスキル持ちも居た。少なくとも、姉上の眷属は化け物揃い。本気でやらないとやられると。油断はするなと、マグニ兄上とモージ兄上の眷属である、ドルムルとルヴィスに伝えるよう頼んでおく

 

 

「ウォーゲームの話は以上になりますが、今度は俺の『謝罪』を聞いてください」

 

「謝罪?」

 

「何をだい?」

 

 

ウォーゲームの詳細。ドルムル達とルヴィス達のどう戦いをさせるかは伝えた

 

それだけが俺の話じゃない。ここからが俺からの本題の話でもある。謝罪なんだが、謝るのが遅いかもしれないが、それでも一言を言っておきたい。もうヘスティアが前に喋ったと思うが

 

 

 

「マグニ兄上、モージ兄上も、本当は母トールがヘルの手によって強制送還されたことを騙し黙っていたことを、申し訳ありませんでした」

 

 

「ああ・・・・そのことか・・・別にいいって。そんなことは・・・・」

 

「それにお前が悪いわけじゃない。悪いのは、トール母ちゃんに手を出した、あのヘルだからな」

 

「仇もちゃんと取ったわけだしな。それくらい気にしねえよ」

 

 

「すまない、兄上達・・・・・」

 

 

俺は前に初めて二人に会った時、母は元気しているかと聞かれた質問に対して、俺は二人に嘘をついてしまった

 

 

ラキア王国が攻めてきた時に、初めて兄上達に会って知って、俺には兄弟が居たのだと知りもしなかった。その兄弟の出会いで俺は嘘をついた。家族で出会えたことへの喜び、もしくは兄達に気を遣ったのか、俺は神に嘘をつけるレアスキルもあることで、嘘をついた

 

その謝罪を今更行う

 

でも、そんなことはあまり気にしておらず、むしろ仇はもう取ったとして、そのことに許しは出ていた

 

 

「にしても。俺たちは神なのに、嘘をつけるとはな・・・・・」

 

「俺のレアスキルです、神の力を無効化できるんです。恩恵を授けることはできるんですけど、それ以外の神の力は受け付けないんです」

 

「なるほど、それで俺たちに嘘をつけるのか」

 

「はい、ですから俺は姉上の魅了が効かないんです」

 

「尚更、お前を欲しいんだろうな。自分の魅了に怠ける子供に興味はないからな、フレイヤは・・・」

 

「それでジークを手にするために、こんなことをしたのか・・・・」

 

「兄上達にも、わかるほど、姉上は強欲でございます」

 

 

兄達に一部俺のレアスキルを説明すると、今回ウォーゲームを挑んできた理由がすごくわかると、兄上達は困惑するも納得はしてしまう

 

姉上の魅了は強力であることは神々においては誰も知っている。その虜になった者を二人は何度も見ているのだろう。そんな魅了に囚われない者が、欲しいのではないのかと

 

だから、今回俺が魅了に囚われない者だからと、戦争遊戯で欲しいと挑んできたと

 

兄上達は姉上のすることを納得する

 

 

「だけど心配するな、俺たちはお前の味方だ」

 

「トール母ちゃんの子供、その兄である俺たちは見捨てる気はねえ。あのフレイヤに勝とうぜ!」

 

 

「ありがとうございます。我が兄上達よ」

 

 

だとしても、マグニ兄上とモージ兄上は俺の味方になってくれる

 

弟を見捨てるほど、二人はトールの義理の子供として、弟である俺を守るために戦うと、兄弟である俺を見捨てることなどしなかった

 

これくらい姉上も気持ちがわかる姉になって貰いたかったな、そんなこと俺には言われたくないだろうが、それでも兄達は相手があのフレイヤでも恐れることなく挑むことを選んでくれた

 

少しでも俺も戦力を増やそうとして、兄達を頼ったが、やはり頼んで正解だった

 

ペルセフォネに頼むだけでなく、俺も少し仲間になってくれる者を探して、兄達を頼んでよかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを済まして、別のところへ向かう

 

場所は、喫茶店『ウィーシェ』

 

その小さな店である者が居ると気配でわかり、話をしておかないとならないことがあるため、コーヒーを一杯頼んで、その者がその店を出る前に話をしたいと。俺は無理にその者が座っている席に、相席する

 

その人物は

 

 

「先ほどロイマンとここで話をしただろう?ウォーゲームを不参加にしろと、そしてその代わり60階層で手にした『アイテム』と、情報をタダでギルドに提供すると。報酬をやるから参加するなと言われたんだろう?・・・フィン」

 

「ああ、君は何も話さなくてもわかるんだね?ジーク・・・」

 

「そうするだろうなと、姉上が手を回すだろうと、予想と想像をしただけだ。確信はないぞ?」

 

 

それはフィンだった

 

神会でロキ・ファミリアが不参加になったことは知っているが、フィンが絶対に抗議するはずだと、ギルド長であるロイマンに話をするはずだと予想する

 

先ほど、ここでロイマンと思われる気配を感知して、俺が今会うまではここでロイマンと話をしていたのだと、想像する。

 

そして、ロイマンは絶対に姉上に手を回されているはず、このウォーゲームが勝てば、必ずフレイヤ・ファミリアがダンジョン60階層移行もクリアすると、ダンジョンの脅威に対応すると約束するはずだ。そのためにロキ・ファミリアの参加を阻止しろと、対価を用意して不参加にさせるよう指示されたはずだ

 

ロイマンも流石にダンジョン脅威は無視できない。少なくとも前にデュオニュソスが言っていた『ダンジョンは限界を迎えている』なんて言葉を残されたら、流石に対応しなくてはならない。今回でどちらかロキ・ファミリアかフレイヤ・ファミリアが行うしかない。しかし、その両方がウォーゲームで潰し合うのはまずい。負ければ解散をさせられる。それはまずいからと、どちらかこれからの脅威に対策させたいと、ロキ・ファミリアを残した

 

対価を用意されて、流石のフィンも受け入れるしかない。不満は大いにあっても

 

 

「それでお前達は不参加か?」

 

「ああ、残念だけどね。もちろん他も納得しないだろうけど・・・・」

 

「普通はそうだな。だが、お前は気づいているだろう?」

 

「ああ、手を回したね・・・・ヘディン」

 

 

「私の名を呼ぶな、パルゥム」

 

 

俺たちとは違う席で、わざわざフィン達が不参加になったかどうかを確認にするためにここに居る。ロイマンに手を回した人物が、この店まで来ていた。その人物は

 

 

ヘディン・セルランド

 

 

俺とフィンが座る。フィンの後ろ奥の角で座っている。ヘディンならこう言うことをしてきてもおかしくはない。姉上が提案したわけではないようだ。少しでも敵を少なくしようとした。ヘディンの策で間違いない

 

それでロキ・ファミリアの不参加をギルドにも要求したのは、ヘディンのようだな

 

 

「お前がわざわざ敵の数を少なくする策を練るとはな、どんな敵でも策を練って戦おうとするお前が」

 

 

「こうでもしなければこちらも戦えないのです。ロキ・ファミリアにはリヴェリア様が居る。ヘグニも、それ以外のエルフも、私も、あのお方と戦うことを避けたいので」

 

 

「姉上のために戦うのに、リヴェリアとは戦えんとは、矛盾だな」

 

 

「エルフで生まれた我らの信仰です。信仰が二人居てはダメなのですか?ジーク様は?」

 

 

「ダメとは言っていないが、ただ矛盾だと思ったから口に出しただけだ。それに姉上に対してお前は信仰じゃない。もっと特別に思って貰いたいだろ?だから俺に協力した」

 

 

「・・・・・・・・・その通りです」

 

 

「だろうな」

 

「なんだい?彼、君に協力しているのかい?」

 

「ヘディンも俺の婚姻に反対しているんだ。理由は・・・・聞かなくてもわかる」

 

 

ロキ・ファミリアを参加させたくない。理由はリヴェリアが居るからだ。ヘディンやヘグニ、それ以外のエルフがリヴェリアに攻撃できるはずもないため、姉上のために戦うと言っておきながら。エルフの王族には勝てないとは、なんとも姉上のためにならん理由だ

 

それにヘディンは姉上に信仰をしているわけじゃない。ヘディンはもっと姉上の想いがある。それこそ、もっと自分を見て貰いたいような、個人的な関係になりたい程に

 

だからヘディンは敵である俺に協力する。俺も姉上の婚姻に拒否していることを良いことに

 

 

「ジーク様、次の指示をください」

 

 

「無い。あとは全力で俺の仲間に挑んで来い」

 

 

「は?」

 

 

「もう協力はこれで終わり、お前にして貰うことはない。あとは姉上の眷属らしく、俺の仲間と勝負しろ。お前はベルを十分強くした。これで俺の目論見通りになる」

 

 

「本当に無いのですか?私が途中、ジーク様達の味方になると言うのは・・・」

 

 

「必要ない。裏切りは愛の示しにもならんぞ。それは不信を齎す毒だ。姉上は俺が救う。指示があるとしたら黙って俺のすることを見届け、そしてお前はベルに全力で挑め」

 

 

「あの愚兎を?」

 

 

「そうだ。もうあいつはレベル関係なしに、お前に勝てる強さを身に付けた。感謝する。ベルを強くしてくれて・・・・」

 

 

「っ!?まさか私にあの愚兎に修行を頼んだのは・・・」

 

 

「信じられないならベルに挑め。例えあいつは何度倒れようと、お前が倒れるまで死ぬことはない」

 

 

もう俺からヘディンに頼むことはない。協力関係はこれで終わり

 

もう十分ベルを強くしてくれた。これでヘディンを倒せるくらいの力は得た。戦いはレベルで決まると言ってもいいだろう。この世界なら、しかし、戦いがレベルで決まるわけではないと、世界に知らしめるためには、

 

 

 

 

ベル・クラネルは『そんな常識のある男ではない』

 

 

だからそのために強くした。必要なピースは揃えた。俺の言うことが嘘なら挑んでみろと、ベルの今の強さを確認しろと、確かめさせる

 

 

「行け。次に会う時は敵同士だ」

 

 

「・・・・・・・・・失礼します」

 

 

それだけを言って、ヘディンは金をテーブルに置いてこの店を出る。

 

ヘディンの望みも俺が叶えてやる。だから今は姉上の眷属らしく戦えと、ヘディンに命令することはない、あえて命令するならベルに挑めと。お前が強くした男は師であるお前をも倒せる強さを手にしたと。俺は告げる

 

その言葉が本当かどうか、これから確かめるために、何も言わずにこの店を出る

 

 

「彼、珍しく悩みがあるんだね」

 

「主神が心配なんだ。あいつでもこうはなる。フィン、お前たちは不参加になったわけだが、どうする?」

 

「確かに。僕たちは不参加が決まった。後にみんなにも言い伝える。でも・・・・少し『策を分ける』ことはできるよね?」

 

「なんだ。俺が頼む前に、そうするつもりだったのか?」

 

「まあね。不参加は決まっても、相手の動きを多少教える陣地を教えても、ルールに触れてないから大丈夫だからね。リリルカ・アーデは?」

 

「ホームに居る。それとティオナとティオネも借りたい。不参加である代わりに、今ベルの修行を時間がある限りで良いから相手を頼みたい」

 

「わかった。任せてくれ」

 

 

フィン達は不参加になった

 

だが少し手を貸しても問題ない。策を教えたり、俺の仲間の鍛錬の相手になるなど、ウォーゲームに参加すること以外ならなんでもし放題。これなら何をしても許される

 

フィンはリリルカに、ヘディンに勝てる作戦の策を、奴らに何度も戦ってきたフィン達の指示を教え提供する

 

ティオナとティオネにはベルの鍛錬の相手をする

 

できることは、ロキ・ファミリアにはある。それを実行する

 

それと

 

 

「まだ話はある。ガレスとベートはどこに居る?」

 

「ホームに居るよ。?なんで?」

 

「頼みたいことがある。どうせ不参加だ。構わんな?少し俺に付き合って貰っても構わんだろ?」

 

「まあ、暇になったからね。でも、それでもガレスはともかく、ベートはかなり不機嫌になっているよ。それでも頼めるのかい?」

 

「頼めるさ。むしろその不機嫌と腹いせを、利用しているだけさ」

 

「利用って・・・・・・ああ、まさか」

 

「ああ、後でわかるさ」

 

 

フィンに、ガレスとベートを借りたいと言っておく、それだけをフィンは聞くと、納得したかのように察した

 

今あの二人に必要なことをして貰う。ウォーゲームの不参加で不満が溜まっているのなら好都合。俺はそれを考慮して利用している

 

ガレスも鬱憤だろう。利用できるに違いない。二人の不満を利用する頼み事を俺は二人に頼みに行く

 

 

そして、最後にフィンに『この一言』を伝えて、コーヒーを全部飲んでこの店を出る

 

 

「フィン、不参加は決定したとはいえ、ウォーゲーム中に『アイズとレフィーヤ』を見張っておけ。でないと、とんでもないことをするかもしれないぞ?」

 

「アイズとレフィーヤ?・・・・・・ああ、なるほどね」

 

「わかるなら、これ以上言う気はない。では・・・・俺たちの勝利を祈ってくれ」

 

「ああ、君たちが勝つと、僕たちは信じる」

 

 

それだけを伝え、俺はテーブルの金を置いて店を出る。最後にアイズとレフィーヤを見張るよう言われた言葉に、これもフィンは理解する

 

ルールを破るなんて真似をあの二人がするとは思えない、ましてや『叔母上の眷属』だったとしても、しても困るのはフィン達でもあるのだからな、フィンはそれを了承して店に残される

 

 

フィンに伝えたいことは言った、そしてまたある場所へ向かい、また話をしなくてはならない人物に話をする

 

その場所と人物とは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけだ。ロキ・ガネーシャ・ディアンケヒト・ヘルメス・ファミリアが力を貸さなくても戦力は集まりつつある。少なくとも都市に居るほとんどの派閥が敵だと思え、『オッタル』」

 

 

「そうか、我々と対等な戦いになるってことだな?ジーク?」

 

 

「そういうことだ」

 

「あんたら、何も私の酒場で話をしなくてもいいだろ?」

 

「他に当たるところがないんだ。金は払っている。金を払って飯も取って酒も買っているなら問題ないだろう。門前払いされる筋合いはないぞ」

 

 

「遠慮なく頂かせて貰う」

 

 

「あんたら二人が居るから、客が来ないんだよ。客はあんたら二人がここに居ることにビビっているんだからな」

 

 

ミアの酒場に居る。その話している相手は、これからの敵にして、姉上の一番強い眷属にして団長

 

 

 

オッタルと話をしている

 

 

 

なぜこれからの敵と話をするのか、俺にとって聞きたい話や話すことがある。だからわざわざこの場所に移した。これからの敵と食事を取って、これからの戦いに正々堂々勝負するための儀式と交渉として、昼食をオッタル分用意している。これが俺のくだらん騎士道だ

 

今から話すのはこれからの戦いについてだ。俺とオッタルが一騎打ちできるような体制が取れるように

 

ミアはさっさと帰れと言われる。レベル7が二人居て、そしてこれから戦う敵同士だと言うのに、そんな今からぶつかるかもしれない相手と食事をしている光景を他の客が見たら、恐ろしくて誰もこの酒場に寄ってこない

 

 

「これはただ俺が敵とこれから正々堂々戦うための、ただの交渉と儀式みたいなものだ。だから酒と飯を用意する」

 

 

「交渉と言うのは?」

 

 

「俺とあんただけでやりたいだろう?」

 

 

「もちろんだ」

 

 

「だが、お前もわかっていると思うが、一騎打ちにするにも邪魔が居る。これだけ言えばわかるな?」

 

 

「アレンか・・・・」

 

 

「ウォーゲームが始まる前のミーティングで、俺も皆にあんたと一騎打ちをするから、俺に加勢するなと指示をするつもりだ。したければ俺がやられた後にしろとな」

 

 

「なるほど、なら俺はこうするとしよう、俺とジークの一騎打ちの邪魔をしようなら、先に俺が邪魔する者を蹴散らすと」

 

 

「あんた、仲間でも斬る気か?」

 

 

「邪魔をするならな、聞くような奴ではないからな、特にアレンは・・・・」

 

 

「本当にあんた達は協調性がないな。やっぱり姉上の派閥に入るべきではないと実感する。まあ、アレンが人の話を聞かないのは事実だから、その対応で間違ってないのだがな。あんたの苦労がよくわかる」

 

 

「こうでもしないと、わからんだろうからな」

 

 

「それと、今回は主神も参加する。主神に手を出したらどちらかも戦闘不能になる。だから俺の主神であるヘスティアと姉上は。俺とあんたの一騎打ちが終わるまでは手を出さないようにも、他に言っておくんだ」

 

 

「了解した」

 

 

俺とオッタルで提案し合う。一騎打ちをするのにどうすればいいのか、当然邪魔する者は現れる。こっちは俺を助けるために加勢する仲間。オッタルの方は俺を危険視して早めに俺を倒そうとするオッタルの仲間。仲間が一騎打ちの邪魔するのも想定しなくてもそうなる

 

 

だから、そうさせないために。俺の方は俺とオッタルが一騎打ちの最中は加勢はしないこと。

 

オッタルの方は、俺に手を出すなら先に潰すと、俺に手を出す前に仲間を斬るようだ

 

 

そして。俺とオッタルの主神である、ヘスティアと姉上は、俺とオッタルの一騎打ちが終わるまでは手を出さないこと。これは他に言い聞かせるしかないが、なんとかして言い聞かせる

 

 

とのように、ウォーゲームは俺とオッタルの一騎討ちが終わるまでは終わることはない。俺が勝つか、オッタルが勝つかで、ウォーゲームの勝敗が決まる

 

しかしだ

 

 

「俺に勝つのは良いとしても、姉上の願いは俺と結婚すること。それはあんたが望んでない結果だ。その望んでない結果を姉上のために捧げることになるんだぞ?それでも姉上のために戦う気か?」

 

 

「フレイヤ様はお前を家族として認めている。フレイヤ様が家族として迎えることに俺は反対できない。とはいえ、俺もお前の結婚は許したくない。それは・・・・俺だけではないにしてもだ」

 

 

「確かにな・・・・・・」

 

 

「だから俺は『側室』、もしくは『愛人』として愛して欲しいと、あのお方に懇願する」

 

 

「俺に勝ったらの、暁にはか?」

 

 

「そうだ。俺の望みはフレイヤ様と結婚することだ。俺はあのお方のためだけに今まで生きてきた。無論強さを得ることも含めて、ゼウスとヘラの眷属にも、強くなるために挑んできた。敗北は続いても、ここまで強くなった。そして今度は・・・・・・」

 

 

「ゼウスとヘラの眷属も勝てず、大英雄ですら倒せず、黒竜ファフニールを打ち倒し、その二代目を継ぐ、黒竜ファーブニルとなって怪物の力を手にして、大英雄ヘラクレスと呼ばれて、姉上の義理の弟である、俺にも勝つと?」

 

 

「ああ、何度でも言うが、俺はお前をゼウスとヘラの眷属を超えて、過去の大英雄よりも、黒竜殺しと呼ばれることも、全てお前が強者である証。挑んで、俺がフレイヤ様の一番であると証明する。あのお方がお前にしか救えないにしても・・・・・」

 

 

「それが・・・・・・あんたの答えなら、どんな形であろうと、俺は勝負を受ける」

 

 

「俺は必ずお前に勝つ。フレイヤ様の寵愛。いや・・・・・絶愛、オーズであるお前を・・」

 

 

オッタルが俺に勝負を挑むのは、何も俺より強いことを証明するだけではない。

 

 

姉上と結婚をするためだ

 

 

そんなの、姉上の男の眷属なら誰でも望めるのなら望むだろうが、オッタルはそれを前面に、それを本気で望む。彼女のためにここまで強くなった。もちろんその対価には愛が欲しいと、戦うことにしか興味ない男は。その愛して貰いたい愛を得るために戦う

 

俺が姉上の寵愛を得ている。その寵愛・・・・もとい絶愛を手にするために

 

 

「明後日の決戦の前に。最後の話をする。ヘルンの容体は?」

 

 

「問題はなく無事だ。しかし、なぜか目覚めない。ヘイズにも診てもらったが、それでも魔法の使い過ぎでマインドダウンしたのか。真相は不明だ」

 

 

「そうか・・・・・無事ならいい。体が俺が治したのだから問題はないはずだが、それでも聞いてみたかった」

 

 

「やはりお前は、ヘルンを求めるんだな?」

 

 

「ああ、俺にとって彼女が・・・シルなんだ」

 

 

「そうか、だからフレイヤ様は不機嫌だったのか・・・・」

 

 

「姉上が今も不機嫌か?」

 

 

「むしろ焦りもある。あのお方は本当にお前を夫に迎えようとしている。なのに、お前はヘルンを求めている。まさか自分の従者に取られることに、フレイヤ様は焦りを見せている。フレイヤ様はへルンの魔法で心も繋がっている。だからへルンがお前をどれだけ愛していたか、わかるからだ」

 

 

「そうか、姉上はへルンの心がわかるから、俺がどれだけへルンに惹かれているのかも理解しているからか」

 

 

「そしてヘルンもお前を求めていた。あいつを今まで俺は見ていたが、それでもあの女は、お前のために動いていた。あのお方の従者でありながら・・・・」

 

 

「そうだろうな、この前の俺たちの遠征の帰り道を作ったのも、へルンがお前達に頼み込んだからだろう?」

 

 

「ああ、突然へルンからジークを今危機だから助けて欲しいと言われ、フレイヤ様にも頼み、許可も取れて俺たちは向かうことになった。それでも言い始めたのはへルン。間違いなく、へルンはいつもあのお方よりも、お前を考えていたに違いない」

 

 

「そうだろうな、なのに、俺は・・・・・・」

 

 

へルンがホームで無事かどうかを確認する。オッタルの口から問題ないと口にして安心する

 

姉上は焦りと不機嫌なら。今回のウォーゲームで勝たなければ、本当に俺を奪うことができないと、もう道筋に限られている上に後戻りはできない、しかも俺の心はもうへルンしか見ていない。

 

へルンに取られている状況で、何がなんでも俺を取るためにこうするしかないと、このゲームで勝てるのかの焦りと、自分の眷属に一番欲しい者を取られる不機嫌に、今の姉上は不安を出している様子を想像する

 

 

そしてオッタルから言われる。いつでもへルンが俺を心配していると

 

 

前の遠征でも、俺たちに関係がほとんどないオッタル達が助けに来るなどあり得ない。しかも他人の遠征に、それを助けたオッタル達はへルンの頼みと姉上の許可と命令で動いたこと。全てはへルンのおかげでなんとかなった話だ

 

 

今まで、彼女のおかげで俺や俺の仲間が助かった。

 

 

なのに俺は・・・・・・彼女の想いを答えてあげられなかった

 

 

今でも自分が許せない。へルンが俺を欲しがった気持ちは前面にあった。俺もそれに応じたかったのに、俺はそんな気持ちにもなれなかった。全部の原因がカオス・ヘルツにあるにしても。それを全てそれのせいにはしたくない

 

 

俺自身が悪いのだと、自分を責めたい

 

 

そこに

 

 

 

「でも、あんたもウォーゲームでへルンを取るんだろ?だったら自分の憎しみは置いていきな」

 

「っ!ミア・・・・・・そうだな、そのつもりだ」

 

「なんにしても、あんたも負ける気はないんだろ?どうせあの女神に勝ったら、へルンは手に入る。この猪とやるににしても。勝つしか先はないよ」

 

「ああ、俺も後戻りはしない。結果を求めるために全力だ。手にしたばっかの黒竜の力も使う。あんたを斬る。オッタル。そしてフレイヤ姉上を姉にし、俺はへルンを娶る」

 

 

「お前との戦い。楽しみにしている」

 

 

一度は自分の憎しみに囚われそうになったが、ミアが黙って望みを叶えるために怒りを捨てろと、今は望みのために戦いに集中しろと言われる

 

今は自分を憎むくらいなら、欲しい女のことだけを考えて戦場に迎えと、今は目の前の戦いに勝って、言いたいことを言えばいいと、この酒場に働く女店員の母を務めてきたミアが、俺にも喝を入れて、戦場へと送ろうとする

 

 

ミアの言う通りだった

 

 

自分を恨んでいる暇はない。俺も欲しい女を手にするために目の前のことに集中する

 

 

「では、次は戦場で会おう、オッタル」

 

 

「ああ、全力で挑ませて貰う」

 

 

これで俺はテーブルに金を置いてミアの酒場を出る

 

迷っていることは正直あるけど、それはへルンを手にしてから本人にたくさんのことを言えばいい、直接聞かなきゃわからないことだってある

 

俺にはまだ、伝えていないことがいっぱいある。それを伝えるためにも。絶対にこのウォーゲームに勝つ

 

証明するのは、それからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に向かった場所は

 

 

「そうですか、シルさんの正体が、あのフレイヤ様だったとは」

 

「ああ、そんな女神が、俺を手に入れるためだけに戦争遊戯を引きこ起した」

 

「では、ジークさんと結婚して、ここにはもう・・・・」

 

「おそらくはな」

 

 

俺が向かった先は、マリアの孤児院だ

 

ここでシルが個人的に付き合いのある子供達の居る孤児院だ。シルが何度か家事の手伝いなど、寄付金なども持ってきてくれたりもしてくれる

 

その正体が、ただの娘ではなく、正体は女神フレイヤ

 

なぜ今までそんなことをしてくれるのか知らないだろうが、まあそれでも言えることは

 

 

「俺たちがウォーゲームに負ければ、もう会えないと思った方がいい」

 

「そうですか・・・・」

 

「もう会えないの?」

 

「シルお姉ちゃんともう会えないのか!?ジーク兄ちゃん!」

 

「もっと遊びたいのに」

 

「そうだな。ライたちならそう言うと思っていた。だから取り戻す」

 

「そのウォーゲームに勝つしかないってことですね」

 

「ああ、俺は別に姉上を倒して、ここを出ていかせたりはしない。姉上をシルに戻すには勝つしかない」

 

 

ライ達はシルの正体が姉上と聞き、そしてウォーゲームに勝って俺と結婚すると、もうここに来ないのかもしれない。俺と結婚したら主神を続けることになるからな

 

姉上にもう主神は似合わない。シルと言う娘を演じた方が楽しいはずだ

 

 

「ジーク兄ちゃんは、シルお姉ちゃんと結婚したくないの?」

 

「ああ、俺は・・・・・別に居る」

 

「え!?嘘!?誰?」

 

「私たちの知っている人ですか?」

 

「そうだな、姿はシルと同じだが、何度か会っている」

 

「あらあら、ジークさんにも好きな人が居るのね?」

 

「ああ、だから負けたくない。フレイヤ姉上は必ずシルにして、またここへ来て貰うようにする。そのために勝たねば」

 

 

マリア達にはある程度説明して、ウォーゲームに勝つと言った

 

ライ達にそんなにも姉上と結婚したくないと質問された際、即答でそうだと答え、別に居ると言った。俺にも譲れないものがあるからな。どの道ライ達がまたシルに会いたいなら、姉上の戦争遊戯に勝つ他ない。また娘に戻って貰うために

 

 

ライ達のためにも。余計負けられない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にギルド本部、

 

エイナとペルセフォネが必要な情報、そして人員が揃ったと報告を受け、俺はギルド本部に集まった。いつも通りエイナの談話室で情報と人員を確認する

 

 

「すごいな、ペルセフォネ。君がここまで集めるとはな」

 

「私は街の顔役でもあるから。いろんなファミリアとの繋がりもあるから、私が頼めばこれくらい楽勝よ」

 

「45の派閥も招集するなんて、すごいな。しかもあのソーマ・ファミリアも協力するとはな」

 

「あ、そこはリリルカさんが頼みまして・・」

 

「っ!そうか、まさかあのソーマもリリルカに縁があるのかもしれないな」

 

「ジーク。これで戦力は十分だね?」

 

「ああ、相手はあの姉上の派閥だ。残念ながら数でも揃えないと勝てない」

 

「ジーク、これを!」

 

「すまないな、本当に情報を横流ししてくれて。どれどれ・・・・・・・・やはりか・・・・・」

 

「うん、ギルドは・・・・・『フレイヤ・ファミリアを支援する』って」

 

「そんな!?」

 

「仕方がない、あれだけ第一級冒険者が多いならな、これからのダンジョン攻略には必要だからな」

 

「まさかあのギルド長さん?」

 

「そうなの、ギルド長がどうしてもフレイヤ・ファミリアに味方しているのよ。他の職員は魅了されて利用されて怒っているのに、部下の話なんか全然聞いてくれないわ」

 

「これからの戦いになりふり構ってられないと言うのと、おそらくだが姉上が手を回している可能性がある」

 

「本当にあの女神様はジークを手にするために、手段なんか考えないのね?」

 

「それが姉上だからな」

 

「今エルフたちの間でも、少し問題が起きて」

 

「なぜ?」

 

「今回のことで神フレイヤの横暴なことをしたで、かなりの冒険者が神フレイヤを敵視している。けど神フレイヤはフレイ様の妹。フレイ様の兄妹であるフレイヤ様は、エルフ達からしたらどっちに付くべきか悩んでいる状態なの」

 

「エルフ達にとって悩む話ですね。神フレイの妹に味方をするか、はたまた皆を魅了して皆を騙した神フレイヤを恨むか、神フレイヤが神フレイの妹であるが故に、敵になるか味方になるか悩んでいるんですね」

 

「その通りです。コレー氏」

 

「確かに、何せロイマンが姉上に付いているんだ、仕方があるまい。まあ、リヴェリアは敵になっているがな」

 

「ジークとの婚姻もあるからね。リヴェリア様は・・・・・例えフレイ様の妹相手でも、ジークを取られるのは反対があるみたい」

 

 

 

エルフの内輪揉め。そんなところだろう

 

 

兄上の妹の味方になるか、それともオラリオに住む者たちを魅了して騙したことを許さずに敵になるか、エルフ達においては悩むこと

 

敵においては難しい相手、オラリオを魅了しても、これでもエルフの信仰神であるフレイの妹でもある。敵になるか味方になるか、エルフの界隈においてどっちに付くか問題になっている

 

ロイマンは今後のダンジョン攻略のために姉上の味方になっているが、ハイエルフであるリヴェリアは違う。兄上の妹であろうと、今回の仕打ちか見過ごすことはなく、あと俺が無理に婚姻をさせられるなど。自分の婚姻もあるため、リヴェリアが姉上の味方になることはなかった

 

ロキ・ファミリアの一員でもある。敵対派閥の主神であり、例えそれが兄上の妹であろうと敵であると判断している

 

 

「でも、ジーク。これフェルズ様から」

 

「っ!オクルスか?こんなに」

 

「うん、ウィーネちゃんも『頑張って』って言っていたよ」

 

「そうか、ウィーネが応援しているんだ。余計負けられないな」

 

 

ペルセフォネがいろんなファミリアに声を掛けてくれたおかげで、派閥連合に参加してくれる派閥が多く協力してくれた。ペルセフォネはデメテル・ファミリア団長で、いろんな派閥に食材を提供したりと、いろんな派閥に繋がりが多い、彼女に頼めば困ったときに食材を貰う恩を受けているため、彼女のお願いならほとんどの派閥が協力してくれた

 

姉上の派閥は強い、それに勝つには数も居る、その数に見合った派閥の多さは得た。ペルセフォネのおかげだ

 

 

そしてエイナは、本当にギルドの情報を横流しにしてくれた。

 

しかし良い情報ではない。フレイヤ・ファミリアをギルドは味方しているため支援を回している。これからのダンジョン攻略に、フレイヤ・ファミリアは必要だ。そのためちゃんとギルドのミッションに協力できるように、多少ギルドはフレイヤ・ファミリアを味方になる。もしくは姉上が手を回している可能性もある。ロイマンに姉上が色仕掛けでもしている可能性もある

 

 

だがエイナがフェルズからいくつかアイテムを預かっているようで、俺に渡してくれた。連絡ができるアイテムであるオクルスを複数、フェルズと会ったらしく、更にゼノスとも会話したらしく、ウィーネと会話したらしく、地上の状況を知っているのか、フレイヤ・ファミリアとウォーゲームをやることを知っているようで、是非とも勝ってほしいと応援の言葉を貰う

 

 

「ジーク。勝ってよね。私はアミッドさんと共にウォーゲームに負けた人達の治療を手伝うけど、勝てるって応援しているから」

 

「私も、負けないでジーク。私はギルド本部を離れないけど、ジークが勝つって信じているから」

 

 

「ああ、負けるつもりはない」

 

 

ペルセフォネとエイナのおかげで戦力と戦いに必要なアイテムを貰った、二人が助けてくれるおかげでなんとか勝つための準備は着々と進んでいる

 

二人が俺に恋をしているのもあるが、それを答えることができないのは、俺の二人への裏切りになる。いつか謝罪もしないといけないなと、俺は二人の恋を踏み躙っているのではないかと、罪悪感は・・・・・今回あった

 

でも負けるわけにはいかないのは変わらない。二人がこうして応援しているわけだしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、最後に向かった先は

 

 

ロキ・ファミリアのホーム

 

 

「っ!ジーク!?」

 

「どうしてここに!?」

 

 

「ガレスとベートに用がある。二人はホームに居るだろう?出してくれるか?」

 

 

ガレスとベートに用があるため。久しくこの前のホームに伺う。ロキ・ファミリアのホームに訪れるのも久しぶりだ。アポロンのウォーゲーム後以来だからな、久しく変わらない場所に懐かしみを感じる

 

とにかく、二人に用があるため、二人をホームから出してもらうよう、ホームの警備二人に頼む

 

しかし

 

 

「ジーク。悪いが今は取り込み中なんだ。後にしてくれないか?」

 

「何かあったのか?」

 

「それが・・・・・・」

 

 

今は二人を出せない程、取り込み中らしく、多忙なのか今は呼び出せないと言われる。その理由を聞こうした瞬間

 

中から、大きな声が聞こえる

 

 

 

『どういうことだ!ロイマン!!私たちを不参加にするとは、それがギルドのやり方か!!』

 

 

 

「今の声は・・・リヴェリアか」

 

「ああ、今リヴェリア様が、ギルド長を呼び出して、フレイヤ・ファミリアのウォーゲームに不参加にされたことを抗議しているんだ」

 

「お前?あのリヴェリア様の婚約者候補なんだろ?ウォーゲームでお前の婚姻が賭けられていると知って、なのに不参加にされたことにめちゃくちゃ怒っているんだ。お前が取られるかもしれないと焦って、リヴェリア様が初めてギルドに抗議しているんだ」

 

「なるほどな・・・・・」

 

 

ホーム内から、門前までリヴェリアの声が響く

 

しかも相手はあのギルド長ロイマンだ。今の声を聞いただけでわかったが、ウォーゲームの不参加を抗議されているようだ。まさかあのリヴェリアがロイマンをホームに呼び出し来させて、不参加に文句を付けるとはな

 

叔母上と、先程ロイマンと話していたフィンから聞いたのだろう。ウォーゲームの勝敗で俺の婚姻が賭けられていると言うのに、不参加にさせられて、リヴェリアも俺を本気で婿にしようとしているのに、それに賭けられた戦いに参加できずに、黙ってその戦いを見ていろなど、リヴェリアも本気で俺を愛しているが故に我慢ができず、ギルドに文句なんて一度もしなかったリヴェリアが、俺のことになると何も言わないなんてできずに、初めてギルドに文句を言ったのだ

 

 

「やれやれ、リヴェリアもこんなことをするんだな、俺のことになると、勝手に入らせて貰う。中で今起きていることは俺に任せろ」

 

「お、おい!?」

 

「ジーク!?」

 

 

警備している二人に頼むのはもうやめ。今中で起きている問題は俺が出れば解決できると言い、警備二人の言葉を聞かずに、俺は勝手にホームの中に入る

 

リヴェリアの気配からして。幹部が集まるリビングで間違いない。俺は元ロキ・ファミリアでもあるため。ホーム内の間取りは全て知っているため、二年経っただけでは中もそんな変わってないため、皆、どこに居るのか気配も含めてわかった

 

そしてリビングの扉前で、中でリヴェリアとガレスとロイマンが話しているのを、覗いている三人が居た

 

 

「覗き見とは感心しないな」

 

「っ!ジーク!?」

 

「ジークさん!?」

 

「テメエ!?なんでここに居やがる!?」

 

「用があるためここへ来た。何か揉め事をしているからとすまないが勝手に入らせて貰った。ホームの中は二年前も変わらないから、どこに誰がいるのかすぐにわかるからな。リヴェリアが揉め事を起こすとはな」

 

「はい。フレイヤ・ファミリアのウォーゲームに参加できないことを、リヴェリア様がギルド長に抗議しているんです」

 

「テメエの婚姻がウォーゲームに賭けられているってロキから聞いて。そして参加できないって言われたら、あのババアが怒って、あのエルフに抗議してやがる」

 

「だろうな、あのリヴェリアがこんなことをするとはな」

 

 

リビングのドア越しで覗いている五人、アイズ、レフィーヤ、ベートだ

 

リヴェリアがギルド長ロイマンに抗議する所が珍しいからなのか、もしくはこの五人も不参加になって姉上の派閥に恨みを晴らせないことが不満で、この話がどうなるのか気になるからと、人の会話を覗き見しているようだ

 

だが、それを俺がなんとかする

 

 

「退いてくれ。俺はリヴェリアにも用がある」

 

「あ!?」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

 

俺はアイズ達を退けて、無理矢理リヴェリアが居る幹部が集まるリビングに入る

 

そして

 

 

ガチャ!!!

 

 

「ん?ジーク!?」

 

「お主!?なぜここに!?」

 

 

「ジーク・フリード!?」

 

 

「用があるため勝手に入らせて貰った。話が長そうだな?ロイマン。そこまでしてリヴェリア達を止めたいか?」

 

 

俺は無理矢理入ると。リヴェリアもガレスも驚き、その先で座っているロイマンも驚く。勝手に入ったからもあるだろうが、重要な俺自らがここに来るなど思いもしなかったのだろう

 

まさか、リヴェリアが起こす抗議をなんとかするなど、思いもしないだろう

 

 

「リヴェリア。話は門前の警備している二人から聞いた。すまないが今回のウォーゲーム。俺たちだけでやらせて欲しい」

 

「ジーク。正気か!?」

 

「ジーク。お前達だけでは勝てる相手では・・・・・」

 

「リヴェリア舐めないでくれ。俺たちだって戦える。それにロキもフィンもその不参加を受け入れ。今俺たちが勝てるためにいろんな手伝いをして貰っている。お前達の力を借りなくても勝てる」

 

「ジーク!テメエ俺らに参加するなって言うのか!?」

 

「そうだ。お前達が流石に参加すると、こちらが有利になってしまう。俺のことが賭けられているとはいえ、対等な戦いがしたい。俺たちだけでやらせてくれ」

 

「ジーク。しかし・・・・・・」

 

「言っておくが俺も負ける気はない。負けないために今も俺の仲間は俺のために準備をしている。俺だって勝ちたいんだ。負けたりなどしないさ」

 

 

絶対に勝つから参加しないでくれと頼む

 

主神であるロキ、団長であるフィンはこの不参加を受け入れた。もう決まったことにウダウダ言っても仕方がない。それにリヴェリア達の力を借りなくても勝てる

 

弱い派閥しか居ないからと言って、上級派閥の姉上のファミリアに勝てないとは限らない。勝てるための作戦、準備、戦力は進んでいる

 

リヴェリア達が参加する必要はないと俺が説得する

 

 

「それに、お前達の新たな目標。ダンジョン60階層の『タリアの氷園』の攻略。それに関係するアイテムや情報を手にする。不参加にする代わりにダンジョンから提供される対価、これはお前達には必要な物だ」

 

「わかっている。しかし、だな・・・」

 

「じゃあこれならどうだ?もしも俺たちが負けたら、その次の一週間後にロキ・ファミリアが戦争遊戯をフレイヤ・ファミリアに申し込む権利をギルドから得ること」

 

 

「な!?ジーク・フリード!?それは横暴だぞ!?」

 

 

「戦争遊戯を行う理由は、こんな俺の婚姻に関してでもできるんだ。私利私欲でできるものなら、それならリヴェリア達の恨みを晴らす、フレイヤ・ファミリアに戦争遊戯を起こすことだって可能なはずだ。無論あっちが拒否することもあるだろうが、それはギルドから強制を言い渡せばいい。何せあんた達も姉上に魅了をされていたんだからな、それくらいギルドの罰としてを言い渡せるはずだ。俺たちが負けたらの話だが、それで俺を姉上の手から取り戻せばいい。そしてお前達が勝ったら俺は姉上とは結婚せずに、ロキ・ファミリアに再所属し、リヴェリアと結婚する。リヴェリア。これでどうだ?」

 

 

「「「っ!?」」」

 

「もしお前さん達が負けたら、ワシらがフレイヤ・ファミリアに挑戦権を得るってことじゃな?」

 

「そして、もし私たちがフレイヤ・ファミリアに勝ったら、お前が私の夫になり、お前はもう一度私たちのファミリアに属してくれると言うことだな?」

 

「そうだ。まあ、俺たちが姉上の派閥に負けたらの話だが」

 

 

リヴェリアを納得させるにはこれしかない

 

リヴェリア達はあえて不参加、もしも俺たちが今回のゲームで負けたら、その次の一週間後にロキ・ファミリアとのウォーゲームを行う。無論ギルドによって拒否権なく強制。そしてもしもリヴェリア達が姉上の派閥に勝ったら、俺は今度はロキ・ファミリアに再所属。そしてリヴェリアの夫になると約束する

 

 

不参加で抗議するんだったら、条件を付ければいい

 

 

俺たちが負けたら、ロキ・ファミリアが報復する。そしてもしも姉上の派閥に勝ったら、俺はロキ・ファミリアに再所属し、リヴェリアの夫になる。これがリヴェリアを一旦不参加にさせる方法。条件を付ければ納得するはず

 

いくらロイマンでも、リヴェリアのこの条件を呑まないはずがない

 

 

「ロイマン。こうでもしないと。この話は終わらないだけでなく。他のエルフ達に恨まれるだけでは済まなくなるぞ?お前とてエルフだ。ハイエルフであるエルフの王族に楯突くなど。そんなことはしないだろう?それとも姉上の派閥が怖いか?」

 

 

「ぐ・・・・・・わかった。リヴェリア様。その条件を呑みます。もしもジーク・フリードの派閥連合が負けたら、リヴェリア様の派閥が戦争遊戯をフレイヤ・ファミリアに強制的に挑戦権を得ることとします」

 

 

「そうか・・・・・わかった。その条件を呑むなら、私たちの不参加を受け入れよう」

 

 

「わかりました。それではこの話はこれでよろしいですな?」

 

 

「ああ、ジーク達が負けたらその条件を忘れるな」

 

 

「肝に銘じて置きます。必ずリヴェリア様の要望を叶えます」

 

 

そう言って、ロイマンはリビングを出て、ロキ・ファミリアホームを出ていく。

 

ロイマンとてエルフ、ギルドの豚とか言われて、他のエルフが同族扱いは一切しないが、それでもリヴェリアの命令と条件を聞けないのは、エルフの忠義にも関わるため、流石のロイマンも聞かないわけにもいかないため、結構無茶でもあるが、この条件を呑むことで、リヴェリアも不参加を認めた

 

俺が姉上に奪われたら、今度はリヴェリアが横取りする。しかもロキ・ファミリアの再所属。これは団長であるフィン、主神であるロキとヘスティアがまだ聞いてない。俺の勝手な口約束ではあるが。それでも俺を強制的に手に入るならと、リヴェリアもこれで納得し、不参加を応じた

 

この終わらない話の結末を付けるには、条件を付けるしかない

 

なんとか。ウォーゲームは俺たちでできるようになった

 

 

「ロキ叔母上とフィンには言っておいてくれ。ヘスティアにも俺が言っておく。結構勝手な条件ではあるが、姉上もそんな感じで戦争遊戯を起こしているんだ。可能なはずだ」

 

「ああ、ジーク。負けたら私たちが挑み、私たちがフレイヤ・ファミリアに勝ったら私と結婚して貰う」

 

「ああ、それでいい」

 

「なんと。大それたことをするの?」

 

「仕方がないだろう。リヴェリアにも恋があると言うことだ。負けるつもりはないけどな」

 

「テメエらが負けたら、俺たちがあいつらに挑んで、勝ったら俺たちの派閥にお前が再所属するとか、要らねえよ。あいつらに負けるテメエなら」

 

「リヴェリアが決めたことだ。必要としているのはリヴェリアだ。お前が決めることじゃない。お前は単純に恨みを晴らしたいだけだろう?リヴェリアが欲しいと決めた条件だ。そうなるとも限らないしな」

 

「わ、私は賛成です!できるなら・・・・フィルヴィスさんも一緒で・・・・」

 

「それは本人に聞かないとわからない」

 

「もしそうなったら、お・・・・シルフも?」

 

「ああ、そうだろうな」

 

「そうなんだ。ジークも入るし・・・私も賛成かな」

 

 

「お主ら、もうジーク達の敗北を決め付けておらんか?」

 

「失礼極まりないが、それだけ俺が欲しいんだろうな」

 

 

一応この話は条件を呑むことで、なんとか何も起こらずに済んだが

 

 

 

多分だが、この条件は『揉み消される』だろうと思う

 

 

 

姉上はただでさえ、魅了を使ってオラリオを脅かした。つまりはもし俺たちが負けて俺が姉上のものになり、その後ギルドから強制的にロキ・ファミリアとウォーゲームに挑まれるにしても、せっかく手にした俺を手放すとは思えない

 

 

だからロイマンやそれ以外の職員をまた姉上が魅了をして、そんな条件など忘れたと言って、揉み消されるだろう

 

 

このウォーゲームに全てを賭けていると言うのに。また俺が誰かの手によって奪われるなど。姉上は耐えきれないはず。そんなことをしてもおかしくはない。例えその条件を団長であるフィンと主神ロキが認めたとしても

 

 

何がなんでも俺たちが勝つ以外の道はない。

 

 

負けるつもりはないが

 

 

「アイズ。お前はわかっていると思うが」

 

「うん、ごめん。私は出れそうにない」

 

「それでいい。オッタルはお前の試練に付き合った。その契約を従うべきだ」

 

「お・・・・・シルフのために戦いたかったのに」

 

「仕方がないだろう。派閥は別だしな」

 

「フィルヴィスさんも戦うんですよね?」

 

「当然だな、とにかく二人は大人しくすることだ。こちらに身内が二人居るとしてもな」

 

「「は、はい」」

 

 

アイズにあらかじめに参加できないことを俺からも言っておく、そこまでアイズの力は必要とはしていないからな、アイズが居なくても戦える

 

 

なんて思っているが、絶対に『契約を破る』だろうなと思う

 

 

少なくとも、シルフがやられそうになったら、そうもいかなくなるだろうからな、レフィーヤも、まあ言うことは言えた

 

あとは我慢できるかどうかだ

 

 

「さて、これでお前達の不参加は決まった。俺がここへ来たのはこれが目的ではない」

 

「そういえば、ここへ来たのはなぜだ?」

 

「ベートとガレスを貸して欲しい」

 

「は?なんで俺が?」

 

「なぜワシが?」

 

「ウォーゲームは不参加になった。フレイヤ・ファミリアに恨みを晴らせなくなった。だったらその恨みを俺にぶつけるってのはどうだ?」

 

「っ!テメエ、まさか・・・・・」

 

「ジーク、お主、ワシとベートを・・・・」

 

「俺の相手をして欲しいんだ。最近鍛錬はしてなくてな、ミアの酒場で働くばかりだったからな、ここから南の方で良い暴れる場所を知っている。そこではやりたい放題だ」

 

 

ガレスとベートに鍛錬の相手をして欲しいこと

 

フレイヤ・ファミリアのウォーゲームに参加できず、オッタル達に恨みを晴らすことができなくなった。だからそれを俺にぶつけろと、手加減無しの真剣勝負をして欲しいと頼む。しかも騒ぎにも被害にも遭わない絶好な場所を知っている

 

当然俺だって鍛錬は必要、しかも俺の全力を受け止めることができる相手を、それが可能な相手はガレスとベートだ

 

ベートはいつでも俺との勝負を望んでいる。なら俺との鍛錬でも受けてくれるはず。しかも撃たれ強いから俺の本気でも受け止めてくれる

 

ガレスはレベル7になった。レベル同士の戦いも必要。パワー的にもガレスとオッタルは似ている。

 

二人とも俺の鍛錬の相手としては申し分のない相手。もしもフレイヤ・ファミリアに恨みを晴らせないのなら、俺に晴らせと。

 

鍛錬だからと言って手加減は不要。全力で俺に挑ませてくれと、二人を借りる

 

そして、この言葉に二人は

 

 

「ファフニールの力は使うんだよな?」

 

「無論だ」

 

「いいぜ、俺は黒竜の力を手にしたお前とやりたかったんだ。俺は相手になるぜ。ジジイはどうする?」

 

「恨みを晴らすのにジークにするのは心苦しいが、ワシはお主とまだ戦ったことがない、そしてもう挑めなくなった黒竜ファフニールの力を受けてみたいと言うのもある。ワシも相手になろう」

 

「感謝する。手加減は要らない。リヴェリア。二人を借りる。フィンには言ってあるから大丈夫だ」

 

「わかった。それと言いたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「負けないでくれ。私はお前をあの女神に取られたくない」

 

「ああ、だからそのために二人を借りる。夕方までには返す」

 

 

そうして、俺はベートとガレスを連れて、鍛錬場所へ向かう

 

最後にリヴェリアに言われる。決して負けないでくれと言われる。リヴェリアの婚姻もかかっている。そのため決して負けずに姉上の婚姻を破断しろと、敗北しないよう言われる。ロイマンとの条件があると言うのに

 

不安になるのも仕方がないが。それでも負けて誰かのものにされることにリヴェリアが恐怖を抱いている

 

 

俺がもし姉上に勝ったらヘルンを貰うことを知らずに

 

 

ある意味俺はリヴェリアの意志も無視しているんだなと、自分は異常だと思う。それでも負ける気などない

 

絶対に勝つために

 

 

俺はベートとガレスに鍛錬と言う激突をする

 

 

 

 

 

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