ウォーゲームの前日の夜
全ての準備を揃え、今はウォーゲームの現場で防衛準備を始めている。集結してくれた派閥も集まりつつある。
作戦のプランはなんとか練った。失敗した時の別プランも含めて、リリルカがフィンから知恵を貰って、複数のプランを考えてくれた
もう怠るものはない。あとは闘うのみだ
「と言う感じだ。爺さん。これは俺と姉上の喧嘩だ。邪魔は抜きで頼む」
『うむ、そこまで言うなら支援は出さないようにしよう』
『遂に来ましたか、この時が』
「そういう感じだと。オーディンもヘイムダルもわかっていたんだね?」
『あのフレイヤですからね』
『あの女なら、あり得なくもない』
大きな鏡のマジックアイテムで、鏡に映る爺さんとヘイムダルに連絡をしていた。今日に至るまで姉上の愚行は爺さんとヘイムダルの千里眼で確認済み
俺は二人にとって大切な家族。それをいくらフレイの妹神でも許すわけがなく。軍を送り込もうとしていた。しかし、これは俺と姉上の戦い
邪魔は抜きにするようにと、軍の投入、加勢はなしと、俺たちの戦いを見届けるだけになった
「でも、これで終わりにする。姉上は姉だ。俺は姉上を姉にするために、堕とす」
「うん、フレイヤがどう思おうと、絶対に勝ってみせる」
『ロキはどうしている?』
「ロキ叔母上の派閥は不参加だ。姉上に天界時代の過去で色々借りがあって、姉上に戦争できない」
『確か、あの女神はフレイヤに色々物を借りてましたね。そんな馬鹿な真似をしなければ、今フレイヤに戦争を持ち込めたのに、相変わらずバカな女神です』
『それが『本当』とは限らないが』
「ああ、俺もそう思う」
『ん?オーディン?ジーク?何か言いましたか?」
「ロキは何か策を考えているのかい?」
「いや、そうではないが・・・・」
ロキが不参加と聞いて、理由は天界時代に姉上に借り物を多く借りたせいで、姉上に借りた恩があるため、戦争遊戯に参加できないと聞いたヘイムダルは
ロキのことが大嫌いなこの女神は、ロキが天海時代で姉上に借りた恩を今になって返すよう痛い仕打ちをされて、内心無様とヘイムダルは笑っているだろう
しかし、その通りに動くだろうか、あの叔母上が
俺も爺さんも、ロキ叔母上がそんな簡単に言うことを聞いたり、恩を返すような女神だろうか
俺と爺さんには怪しさを感じる
「ロキ叔母上の力は要らない。俺たちで勝ってみせる」
『勝利を祈っています。ご武運を、ヘスティア。ジーク』
『捻り潰せ。フレイヤを』
「うん、勝ってみせるよ。絶対に」
ロキ叔母上が居なくても勝ってみせる
ロキ達は大きな戦力ではあるが、出せなくても俺たちは勝つ以外の明日はない。勝てるための作戦も準備も完璧にした
あとは戦って決めるだけ
『そしてジーク。その戦争遊戯に勝って。フレイヤの娘、ヘルンと言う娘を嫁にする気か?』
「そうだ。爺さん。俺は嫁を決めた」
「ジーク君。やっぱりあの子を」
『そうですか、ジーク。それならサーナとヒルデに話をして貰えますか?』
「もちろんだ」
爺さんの千里眼で全て遠くから確認しているため、姉上が戦争遊戯で勝ったら俺を貰うように、俺は姉上に勝ったら姉上の眷属であるヘルンを貰うと約束していることを知っている
しかも、そのヘルンを嫁にすると決めているともハッキリ言った
その言葉にヘイムダルが、俺の幼馴染であるヒルデとサーナを呼び出す。二人も俺の婚約者候補だ
俺が二人を選ばずに先に、ヘルンを選んだことに対して問い詰めがある。無論拒否することもなく、俺は二人と話をする
『ジーク』
『今の聞きました。本当なの?』
「ああ、俺はそのヘルンと言う女を妻にしたい。これが俺の答えだ」
『そう、なの・・・・・』
『貴方が決めたことなら・・・私たちは・・』
「だから・・・・・・・」
これだけの話の流れでもうわかるとは思うが、婚約者候補がいると言うのに、別の女を選んでいるとなると、これから言うことは
予想外の、俺の狂った一言
「ヒルデには俺の『第二夫人』。サーナには俺の『第三夫人』になって、俺と結婚して欲しい」
「「・・・・・・・・・え??」」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
『やっぱり・・・・』
『ほう。ジーク。幼馴染のヒルデとサーナを第二第三夫人に選び。そのヘルンを正妻にする気か?』
「その通りだ爺さん。『一族の掟』の一つである。『正室三人』は必ず果たす。サーナがアナザーモンスターでも。俺は彼女を三人目の妻にする」
断るのではなく。二人を第二第三の正室に迎える
我が一族の掟があり、その一つの中に婚姻も含まれている。
それは正室は『必ず三人』選ぶこと
我が一族は戦士の一族。戦場に生き戦場にて死ぬような生き方をしている我が一族は早死にが多い、しかし子孫は必要、子孫を繁栄するために、妻を必ず三人選ぶこと。ヘルンを選んでいるなら第一夫人にする
あと残りはもう決めている。それが二人の幼馴染だ。小さき頃から共に生きてきた二人と結婚する。それが俺が決めた答え
アルテミス、アフロディーテ、ペルセフォネ、エイナ、リヴェリア、リュー、アーニャ、クロエ、ルノア。そして・・・・・フレイヤを選ばずに
俺はヘルン、ヒルデ、サーナを正室に選ぶ
これが俺が決めた婚姻。妻は三人選んだ。だから二人の婚姻を断る気はない受け入れる。だから今ここで伝えた
「前から考えていたんだ。もう俺は二十歳を迎える。それまでに妻を三人選ぶ。一族の掟は果たす。そして・・・・・ヒルデとサーナと一緒に居たいと思った。いつか二人もオラリオに来て欲しいと。今俺はヘルンを妻にするために戦う。ここで妻の一人を作るなら、このまま二人を妻にしたい」
『ジーク・・・・・』
『私たち二人を正室に・・・』
「それに小さい頃から、母とも相談していた。嫁にはヒルデとサーナがいいと、その約束を今に果たしたい。妻になってくれるか?二人とも。俺と結婚してくれ」
『ジーク・・・・はい!私は結婚します!!』
『はい!ジーク。私はモンスターですけど、貴方のことを愛しています!!』
「そういうことで頼む。ヘスティア。この姉上の戦いが終われば、新たな家族が二人もできる」
「ジーク君が、ここまで女性を選ぶ意欲を見せるなんて・・・・じゃあ、尚更フレイヤに負けられないね?」
「ああ、負けるつもりなどない」
小さき頃から、ヒルデとサーナを嫁にしたいと母と相談して約束もしていた。ずっと幼馴染二人と一緒に居たかった
ほとんど俺の我儘で、故郷を離れてオラリオに行ってしまったが、それでもいつか二人をオラリオに連れて来たいと望んだ
今は俺の婚姻に関わる戦いをしている。ならこのタイミングで妻を決める話なら、俺はヘルンだけでなく。二人も嫁にしたい
俺の心を癒し、俺に心の強さを教えてくれた二人も欲しい。恋はヘルンだけじゃない。だからこの戦いが終わったら結婚しようと望む
こういう時、神々は『死亡フラグを建てた』と言うだろうが、俺にとってはこうでもしないと、これからの戦いに勝利しやすい心を持つためのルーティン的なものだ。
愛をここで誓って、恋を示して、これからの未来のために、何がなんでも勝利すると、俺は余計負けられない戦いを、自分で作る
だが、この言葉が
「ジーク。その話本当かしら?」
「幼馴染が居るとは聞いていたが、婚約者候補である私たち二人を差し置いて、勝手に違う女と結婚か?ジーク?」
「アフロディーテ!?アルテミス!?」
「やはり聞いていたか」
『アフロディーテ!?アルテミス!?』
『久しいな、オリュンポスの神よ』
「ええ、久しぶりねヘイムダル。オーディン」
「お前達と出会っても驚きはしないが。その婚姻。私とアフロディーテが待ったを掛けさせて貰う」
突然俺の自室のドアから、アフロディーテとアルテミスが出てくる
今の話を聞いて我慢できずに、どう言うことななのか説明を求められる
二人は怒っている様子。それもそうだな、婚約者候補である二人を差し置いて、別の女性と結婚するなど、普通ならあり得ないだろう。しかも二人に何も言わずに
だからここまでになったら、俺も喋る。二人の婚姻について
「アフロディーテ、アルテミス、もう聞いていると思うが。このウォーゲームで勝ったら、姉上の眷属であるヘルンと言う娘を、貰って嫁にするつもりだ。彼女は俺の最後の初恋の相手、俺は彼女を手にするために戦う。しかし、俺の一族の関係で三人妻を作らないとならない。その残りの二人が、この鏡に映る二人だ」
「じゃあ私とアルテミスの婚約は断ると言うのね?」
「そういうことだ」
「あれだけ焦らして置きながら、結局私たちを選ばないと言うのだな?ジーク」
「ああ、これが俺の答えだ。俺も恋を選ぶ時が来た。それが今だ。俺は幼馴染二人を選び。ここでずっと俺を救ってきたヘルンを選ぶ」
「本気なのね?」
「本気なのだな?」
「ああ、すまない。答えることができず、それでも俺も恋をしている。愛したい、そんな相手が居たんだ」
「「・・・・・・・・・」」
俺が恋しているなんて。言うはずもないかもしれないが、俺も外したくない。この想いを
カオス・ヘルツでも決して抑えさせない。ヘルンも、ヒルデも、サーナも、俺が愛したい女だ。これだけは絶対に誰にも譲らない
俺も二十歳前だが、妻を選びたい。アルテミスとアフロディーテの関係がこの先無くなっても構わない
それでも、俺はヘルンとヒルデとサーナを選ぶ
その答えに、二人は
「まったく、ここまで私たちを振り回しておいて・・・・・・でも」
「わかった。認めよう。ジークがそこまで言うなら、私たちは引き下がろう」
「感謝する。二人とも」
「いいのかい?アフロディーテ?アルテミス?」
「ええ、あのジークが恋している相手が居ると言うなら・・・・」
「私たちが押してあげねばな」
『変わったな、二人とも・・・』
アフロディーテとアルテミスは俺との恋は諦めると、俺のために引き下がることを選ぶ
俺が初めて妻を選ぶと口にした。あまり人に愛を示さない俺が、愛したい人が居ると自らの口を出して言うなどをした驚きに、アフロディーテやアルテミスも流石に認めてくれたようだ
だが
「まあ、正妻は諦めるわ」
「と言うと?」
「側室はできるよね?」
「な!?アフロディーテ!?」
「本気なのか?」
「ええ、正室は諦めるわ。でも側室はアリよね?」
「ヘスティア。爺さん。ヘイムダル。女神が人間の側室になると言う、前代未聞なことをしようとしているのだが?」
「アフロディーテ・・・・君はマジか?」
『アフロディーテは性の女神でもあるからな』
『女神が側室になるなど、普通ではあり得ません。そうまでしてもジークが欲しいですか、アフロディーテ・・・・』
「アフロディーテ!?貴様は正気なのか!?ここはジークの想いに免じて身を引くべきだろう!!」
「ならアルテミスは引けばいいわ。私は側室を頼むけどね」
「な!?ぐう・・・・・ジーク!私も側室に入れてくれ!!」
「やれやれ、側室なんて決めてないと言うのに」
『これだからオリュンポスの神は・・・』
『少し、ヘスティアに似ていますけどね』
「お、おい!?ヘイムダル!?それどう言う意味さ!?」
身を引いてくれるかと思いきや、全然予定にない。側室入りを頼まれる
どれだけ嫁が増えれば気が済むんだと思うほど、三人居れば十分なものを。更に側室としてアフロディーテを迎えるよう頼まれるなど、予想外過ぎて、さすがに俺も反応が困る
しかもアルテミスまで便乗するとは、大体拠点を持っている女神を嫁にしたら、眷属が困るだろうに
「拠点はどうする気だ?アフロディーテは国だろ?俺と婚姻したらまずいのでは?」
「そんなのどうにでもなるわよ。別に私が離れても」
「私も少し拠点を離れるくらい問題ない」
「はあ・・・・・考えさせてくれ。今は戦いに集中したい。この話は一旦保留で」
「ええ、長く時間を考えて貰うわ。もし無理なら子供だけで作って貰うつもりで」
「私もそれで、せめてお前と私の間に生まれる子供を育てさせてくれ」
「わかった」
「正気かいジーク!?」
「ここまで返事をせずに振り回したんだ。多少の要望は答えねばならんだろう」
『子供はせめて寄越せとは、アルテミス。お主は特に処女神であろうに』
「今の私は狩猟の神だ。そんな神ではない」
『物凄く屁理屈です。オリュンポスの神はこんなにも交わりが激しいとは思いませんでしたよ』
『ジーク。本気なの?』
『ジーク。これでわかったでしょ?モテるのは辛いことよ?』
「ああ。今になって恐ろしいものだと思いしらされた」
とりあえず、今は姉上のウォーゲームに集中したいため、この話は一旦保留にする
二人とも、正妻に選ばれなくても、どうしても俺が欲しいのか、側室でも嫁入りを頼んでくるとは、女神である立場を忘れていないだろうか、しかも拠点持ちの主。その拠点を放置して俺と結婚してここに留まるなど、ヘクトルたちとカリスたちがどう思うか
しかも、側室がダメなら子供だけでも残すように言われる。
ヒルデとサーナが女性にモテすぎると、いつか刺されると前に言われたことがあるが、まさしくその通りで、今正直苦労を感じている。カオス・ヘルツは流石に苦労までは消えてないため
アフロディーテとアルテミスの正妻を選んでくれない対価と要望には流石に俺も苦難を感じる
『ジーク。ちょっといい?』
「っ!ゲルズ姉上」
『フレイの妹さんと戦うのよね?』
「ああ、こちらにも望みがあるからな」
『ある程度はオーディンに聞いたけど、なんだか、その女神さん。兄妹だけのことはあるのか、悩みに囚われるフレイにそっくりね。その妹さんは・・・・』
「そう思うのか?ゲルズ姉上」
『ええ、私はその・・・・フレイヤって言う女神さんは全然知らないけど、私の妹でもあるのだから助けてあげて。私は一度も会ってないんだけどね』
「ああ、俺は別に姉上を否定したいんじゃない。俺はただ、初恋を叶えるため、そして姉を作るために喧嘩するんだ。あの姉を救うために」
ゲルズ姉上はフレイヤ姉上を助けて欲しいと言われる。
フレイヤ姉上の話を聞いて、どことなくフレイ兄上のような悩みを抱えているような感じをゲルズ姉上はそう思うらしい
長年の夫の悩みの仕方を見てきたゲルズ姉上からしたら、似ていたのだろう。そんな彼女の話を聞いて、助けて欲しいと、まだ会ってない妹に、助けるようにといつもながらのゲルズ姉上の優しさを見せる
言われなくてもそのつもりだった
これはフレイヤ姉上を傷つける話ではない。恋を終わらせて、自由にさせる物語であり
俺の姉になって貰う物語だ
フレイヤ姉上が俺を欲しいと言われても、俺はそれに応じない。俺だって恋はある。俺はへルン、ヒルデ、サーナを選ぶ
この二日間でなんとか力を入れ、準備も万全、戦力の集いは無事揃った
この戦いの結末はどうなるかは
俺たちの戦い次第である