ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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姉弟喧嘩と言う、ウォーゲーム

 

 

オルガの都市遺跡  東陣地

 

いろんな派閥が集う。ロキ・ガネーシャ・ディアンケヒト・ヘルメス・ファミリア以外の派閥がこの地に集う

 

俺たちヘスティア・ファミリアと、へファイストス・アフロディーテの派閥以外はほぼ下級か中級の冒険者ばかりだ。姉上に立ち向かう派閥は、俺たち含め51柱。守りに徹すれば負ける。ここは数を利用して攻める他ないだろう

 

数としてはこちらが上、防衛手段もこちらが多く用意してある。派閥が一つじゃない分、分担してできる防衛手段が増えるため、いくつかの部隊を編成することもできる

 

戦力は間違いなくあちらが上。レベル7が一人、レベル6が三人、レベル5が四人、それ以外がほとんどレベル4か3ばかり居る。数も相当だが、ヒーラー部隊である『アンドフリームニル』も居る

 

俺が『フォールクヴァング』でオッタル以外を相手にしてきたが、正直苦戦は免れない程強さはある。俺はもうオッタルとしか戦えないため、加勢はできない

 

つまりは俺とオッタル以外の仲間は、主神の防衛、もしくは眷属の殲滅のみの戦いになる。俺とオッタルは一騎打ちをするため、何が何でも加勢できない。そのため主神を守れるかどうかはベル達に委ねられている

 

 

と言うように、派閥連合を組んでいるとはいえ、簡単に倒せる相手ではない。それを主神を守りながらだからな

 

 

だが、それでも準備をしてきた。少なくともこちらも簡単に倒されないようにはしている。どうなるかはこれから次第だ

 

 

今頃、フレイヤ姉上も思考を凝らしているだろう

 

これを簡単に片付けられると思っているなら浅はかだが、フレイ兄上の妹だ。そんな学習しないことはしないはず。ヘディンもどこまで思惑通りになるか、考えていることあるだろう。

 

 

この戦いはそんな面白味のあるようなゲームではない

 

 

なにせ、愛を賭けた戦いだからな

 

 

「ジーク様。全員揃いました」

 

「打ち合わせをしよう。ジーク君」

 

 

「ああ、今行く」

 

 

陣地の防衛準備は完了し、派閥連合に参加する冒険者と神々は集った

 

ウォーゲーム開始前までには全員揃うだけの時間は設けているが、こんなにも早く全員が揃うとは思わなかった。それだけ姉上のしたことが許せないのか、皆やる気はあるようだ

 

 

 

全員をヘスティア・ファミリアの拠点テントに集めて、打ち合わせを俺とヘスティアとリリルカで始める

 

 

「全員集ったな?今回の戦いに我々と共に戦ってくれることを感謝する。相手はあの我が義理の姉の派閥、フレイヤ・ファミリアだ。だが恐れることはない。こっちは多数派閥で挑む。数は我らの方が上だ。お互い仲間だと思い主神を守りつつ、奴等を蹴散らせ!!」

 

「主神は僕と同じこの花を胸に付けておくんだ。この花をやられないようなんとしても守るんだ。最悪自分の身は自分で守るよう抵抗も許可されている。でも神威は無し!それ以外の方法で子供達から自衛するんだ!信じよう!僕たちの子供が勝つことを!!」

 

「全員!このオクルスを持ってください!この宝石に声を掛ければリリの耳に入ります。敵の位置をリリに教えてください。リリが指揮を取ります。リリも怖いですけど、リリ達の英雄をあんな女神に渡すわけにはいきません、あの神フレイヤをボコボコにしましょう!リリ達には大英雄ヘラクレスが付いている!恐れることはありません!!リリ達に力を貸せ!冒険者!!軍師であるリリが勝たせてやる!!!」

 

 

 

あのフレイヤ・ファミリアに戦いを挑むなど、姉上がオラリオの人々を魅了すると言うあんな真似をしなければ、今頃皆の怒りを買わずぶここに集まることもなく、敵になることはなかっただろう

 

しかし、今はそうも言ってられないほど、皆は上級派閥であろうと許さない。それこそ下級冒険者の意地である

 

そしてリリルカも、姉上を相手にしても恐れない。ここには皆も居て、一人で戦うわけではないと、仲間と共に戦って勝つと、俺と言う英雄が居ると言って、勇気付け、必ず勝利を導いてみせると、軍師として皆の指揮の向上をあげる

 

 

そして

 

 

「俺はオッタルと一騎打ちをする。それ以外は皆お前達で倒して欲しい。そして俺とオッタルの一騎打ちが終わるまで、ヘスティアとフレイヤに手を出すことはできないよう、ガネーシャ・ファミリアにルールを追加した」

 

「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」

 

「ジーク様か猛者のどちらかが勝つまでは手を出せないってことですか!?」

 

「ああ、一昨日本人と交渉した。オッタルと交渉して、ヘスティアとフレイヤ姉上は、団長である俺とオッタルのどちらかが倒れないと、主神は手を出せない条件になっている。俺とオッタルの対決が終わるまでこのウォーゲームは終わらないってことだ」

 

「ジークさんとあの猛者の一騎打ちで、この戦いの運命が変わるってことですか?」

 

「そういうことだ」

 

 

ヘスティアとフレイヤ姉上の敗退は条件がある。ただ胸に付いている花を取ればいいってものではない

 

 

俺とオッタルはウォーゲームが始まったら、それ以外の眷属とは戦わずに、俺はオッタルだけと一騎打ちをする

 

 

その戦いで、俺かオッタルのどちらかが負ければ、ヘスティアとフレイヤ姉上に手を出せる。俺とオッタルの戦いが終わるまでは、手を出してはいけない

 

 

この戦いの結末は、俺とオッタルの戦いの勝敗で決まる

 

 

「でも、あの猛者以外の眷属がジーク様を狙うんじゃないんですか?」

 

「いや、そうはならない。なぜならオッタルがもしも邪魔をするなら仲間であろうと斬るつもりだからな」

 

「な!?仲間を斬るのか!?ジークと一騎打ちしたいがために・・・」

 

「あいつらに協調性はないからな」

 

「じゃあ本当に、ジークは一人であの猛者と対決するんだな?」

 

「他に太刀打ちできる者はいない。そしてあいつは俺と戦いたいと望む。だから俺が挑むのみ」

 

 

オッタル以外のアレン達が俺に手を出すことはない。なぜならオッタルが邪魔をしよう者なら、仲間でも斬ると、それでも俺の一騎打ちを望んでいる。邪魔する者は彼に仕留められる

 

となると、もう挑むことができるのは俺のみ

 

元々そうするつもりで計画していること、俺もそのつもりで今日まで準備をしてきた

 

 

 

そのために、『ベートとガレス』には悪いことをしてしまったのだがな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ロキ・ファミリアのホームでは

 

 

「もうすぐ始まるよ!!」

 

「いよいよね」

 

「うん」

 

「ジークさん、フィルヴィスさんも、どうか勝ってください」

 

 

幹部達であるアイズ達が揃うリビングにて、神の鏡で俺たちの戦地の戦況を見ている。

 

ティオナとティオネもこの戦いを見逃せないのか、ワクワクしながら見ている。レフィーヤは友人であるフィルヴィスの心配をしているのか、勝利することを祈っている

 

 

「フィン、お前はこの戦いをどう見る?」

 

「勝つための策をリリルカ・アーデには提供した。僕たちが参加できない分の協力をジーク達に託した。それでもどこまでやれるのか僕でもこの戦いの行く末はわからない」

 

 

リヴェリアはフィンにこの戦いは俺たちが勝てるのか勝算はあるのかの質問に対し

 

 

流石にわからないと返答する

 

 

戦力は間違いなくフレイヤ・ファミリアの方が上、しかし数はこちらにある。それなりに戦える者もいる

 

結論、やってみないとわからない

 

フィンでも想像できない。どれだけ皆が動けるかどうかにもよる、その敵の陣地と配置に対応できるかにもよる。俺の言う通り対等な戦いにはなりそうだと、フィンは思っているが、だからこそどうなるかは、どんな策を教えたとしても、戦う前で勝敗を判断はできない。

 

 

それに

 

 

「ジークはあのオッタルと一騎打ちをするんだ、だから余計見逃せないし、どうなるかなんてわからない」

 

「その猛者に勝つために、まさかジークが修行相手にガレスとベートを使うとはな、しかもこの二人を・・・・・」

 

 

 

「くそ、あいつ。たった数ヶ月であれ程強くなったのか、おかげで俺らはボロボロだ」

 

「ボロボロではない。『重症』じゃ。ジークの奴、あそこまで力を強めていたとは、本気でワシとベートを、殺すつもりで挑みおって。おかげでワシとベートは死にかけた。もうしばらくはダンジョンに入れそうにないわい」

 

 

フィンとリヴェリアは気になりつつある。俺とオッタルの一騎打ちがどうなるのか、少なくとも激戦は間違いない。そして俺の強さも異常だと、今、隣に居る『重傷者二名』を見てそう思う

 

一昨日、ベートとガレスを修行相手に使い

 

 

 

 

二人を半死人に追い込むまで、強さを高めるために全力を注ぎ込んで、ほぼ全身に包帯だらけで撒かれて重症になっているベートとガレスが居た

 

 

 

 

オッタルをこれから相手にするのに、それと同じくらいの強さを修行相手にして強くなる必要がある。だから躊躇いなく全力を叩ける二人を選んだ

 

その結果、二人に全身ほぼ骨折や血だらけのような、全治一ヶ月くらいかかるような重症に追い込んだ。流石のやられようにここしばらくベートもガレスもダンジョンに行けない。むしろ歩くことしら痛みを感じる程痛めつけられて、今の俺の強さが異常だと判断している

 

 

「ベート、大丈夫?」

 

「大丈夫じゃねえ。あの野郎。どこまで化け物地味てやがる。俺とジジイを本気で殺す気でかかりやがって、正直俺は何も歯が立たなかった」

 

「フィンの言う通り、挑むべきではなかった。レベル7になったワシですらここまで追い込まれるとは、骨を何本も持ってきおって、さすがは大英雄ヘラクレスと言ったところか・・・・じゃが」

 

「ああ、今のあいつなら勝てる。俺とジジイをここまで追い込んだ。あの猪野郎に負けることはねえ」

 

「しかも、神ヘスティアと神フレイヤの花を奪うのに、二人の戦いが終わるまでは取れない条件のルールになっているらしい」

 

「つまりこのウォーゲームは、ジークかあの猛者のどちらかが勝つまでは終わらないってことか?」

 

「ああ、だから僕は見逃せない。僕も見たかったんだ。ジークが勝つのか、オッタルが勝つのか」

 

「私も見たい。あの人が勝つのか、ジークが勝つのか」

 

「私はジークが勝つって賭けるけどね!」

 

「わ、私もです!」

 

 

正直、お互いの主神のライフである花を取る条件として、俺とオッタルのどちらかが倒れないと、お互いの主神の花は取れない。つまり俺とオッタルの一騎打ちが終わるまではこのゲームは終わらない

 

実質、レベル7同士の戦いの行く末が見れる

 

ずっとオラリオの最強を誇っていたオッタルが勝つか、知らない地で大英雄達や伝説の冒険者達が勝てなかった黒竜ファフニールを討ち滅ぼし、その力を手にして新たな大英雄となった俺が勝つのか

 

 

 

この頂天の頂きを賭けた戦いを

 

 

フィンとしては気になる。どちらかが勝つのか

 

 

 

二人をずっと見てきたフィンからすれば気になる。ずっと自分と競っていたオッタルが勝つのか、それともかつての元友である俺が勝つのか

 

この戦いの結末をフィンは見届ける

 

 

「今頃、オッタル達はどう動こうとしているのかな?」

 

 

オッタル達はどうなっているだろうかと、フィンは予想する。無論不満の言葉を出すアレンも居るから、口論はするだろうけど

 

オッタルが何がなんでも俺とやるだろうと、他を黙らせるだろうとフィンは想像する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、フレイヤ・ファミリア。西陣地

 

 

 

「どういうことだオッタル!テメエがあの野郎と一騎打ちが終わらないとあの野郎の女神に手を出せねえだと、テメエなんの真似だ!!」

 

「そのままの意味だ。アレン。俺はジークと一騎打ちをする。それが終わるまではフレイヤ様にも、あの神ヘスティアにも手を出せない。そういう条件になっている」

 

 

勝手なウォーゲームのルールを追加されて、怒り気味になるアレン。俺とオッタルが一騎打ちが終わるまでは終わらないと言う勝手なルールを追加されたことに、不満を見せるアレン

 

そんな個人的なことでルールを追加して、主神に手を出せない条件を出されて、アレンだけではないが、他の仲間も不満だ。それではゲームが素早く終われないと、主神を狙おうとする仲間が居たらしく、俺とオッタルが決めたルールに不満を持ってアレン達は大激怒だった

 

しかし

 

 

「あら、別にいいじゃない」

 

 

「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」

 

「しかし!これではあの野郎の主神を狙えません」

 

「確かにね。これでジークが倒れるまではヘスティアは狙えないわ。でも、オッタルが一騎打ちをしてくれるおかげで、ジークはオッタルに集中して、他には手を出せない」

 

「っ!それはあの野郎を全部オッタルに任せるってことですか?」

 

「そうよ。アレン、まだジークを憎む理由はわかるけど、それでも貴方にはもうジークに勝てないわ。無論他もね。ジークとフォールングヴァングの続きをここでしたい子が居るのかしら?」

 

「「「「「「「「うぐ!?」」」」」」」

 

「絶対に嫌だ」

「僕らがまた踏み台にされる」

「しかも僕らの顔面を踏んでくるからな」

「もうジークと戦いたくない」

 

「僕も嫌です・・・・・あのお方は見た目の割に容赦ない」

 

「私も遠慮します。と言うより私は勝ち目がありません。私はジーク様と相性が悪いので、私の魔法は全てジーク様の回復に過ぎません」

 

「ち!!」

 

 

「と言うわけで、お願いね。オッタル。絶対に勝ってジークを手に入れるわよ」

 

「は!」

 

 

俺に勝てるのはオッタルだけ

 

姉上の所に居てから庭でたくさんの殺し合いをした。オッタル以外の眷属と、しかし俺に勝てた者は誰もいなかった。ヘイズの回復で何度も立ち上がったとしても、それでも俺に勝てる者はいなかった

 

 

だからこそ、まだ俺にあまり挑んだことのない。オッタルが挑むべきだと、姉上も今の俺の力を把握している

 

 

彼以外、今の俺に張り合える者はいない。幸い俺もオッタル以外のアレン達を攻撃するつもりはない。俺も挑むのはオッタルのみ。元々このルールも俺が提案したものだ。当然発案者である俺が他を狙うはずがない。襲ってきたら話は別だが

 

俺が挑む相手はオッタルのみ

 

自分にしか俺に挑めないことを良い事に、オッタルは姉上にあるお願いをする

 

 

「フレイヤ様、一つお願いがあります。もしもジークに勝ったらそのお願いを聞いていただけますか?」

 

「お願い?貴様が願いをするとは、どう言うことだ。オッタル?」

 

「俺が願いを聞いてはいけないのか?ヘディン?」

 

「いいわ、何かしら?」

 

 

オッタルが人に頼むなど、人に頼み事をしないだろうオッタルが、姉上に頼むことなど見たことがないのか、ヘディンはオッタルに不審な行動をしてなんの真似かと問われる

 

確かにオッタルが懇願するなど信じられないが、それを姉上に頼むのは最もだ。彼は姉上の言うことばかりを聞いているのに、願いを頼むなど誰も見たことがない

 

 

そしてこれから頼むことも、皆の予想外にして、姉上の驚愕なこと

 

 

 

 

 

「ジークに勝ったら、私を貴方様の愛人にしてください」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「な!?」

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

なんと、オッタルが姉上に自分を愛人にしてもらうよう懇願する

 

それに驚きは皆するが、ヘディンが特に驚いている。どんなことを予想できて物動じない彼が、唯一オッタルの予想外の願いに驚かずには居られなかった

 

姉上は驚きはしていない。だからなぜそれを問うのか聞かれる

 

 

「どうして私の愛人に?」

 

「もちろん、私がフレイヤ様を愛しているからです」

 

「っ!?なんの冗談だ?テメエ?」

 

「冗談でこんなことを言っているわけではない。アレン、俺は常にこのお方のために生きてきた。そのフレイヤ様がジークを夫にしたいのなら、俺はフレイヤ様のためにその指示に従うまで、だが、それでも俺はフレイヤ様を愛している。せめて愛人でも構いませんので、俺を愛して欲しい」

 

「なるほど、私はジークを夫にするのは認め、せめて愛人としてオッタルを愛して欲しいのね?」

 

「はい、お願いいたします。ジークに勝った暁には・・・・・」

 

 

「いいわ・・・・・ジークに勝ったらね?」

 

 

「ありがとうございます。必ずフレイヤ様のためにジークに勝って、奴を貴方様の夫にさせます。・・・ジーク。俺は本気で挑むぞ。お前と言う女神の絶愛に勝ってみせる」

 

 

オッタルの願いを、姉上は聞き入れた

 

オッタルは正直に姉上を愛していると、皆の前で言った。しかし、夫は俺であるとそれは諦めて、せめて愛人として愛して欲しいと懇願した

 

もしも俺に勝ったら、その願いを叶えると、姉上はオッタルを愛人として迎えることを約束する

 

簡単ではないが、必ずフレイヤ姉上の願いを叶えると必ず果たすと誓う。今度ばかりのオッタルは本気だ。オッタルとて愛したい気持ちがある。それを手にするために、本気で挑むと

 

今までの戦いよりも、おったるは戦意が上がる

 

 

すると

 

 

「これくらい、俺はするぞ、ヘディン」

 

「っ!・・・・・・・・」

 

 

なぜかオッタルはヘディンにそれだけを言って下がる

 

なぜそんなことをオッタルがヘディンに言うのか、理由はヘディン本人は気づいているだろうが、それをオッタルに気づかれるなど、本人はある意味屈辱だと思った

 

もちろん。姉上にそんなことを頼むことすらも、それは本人だけではないと思うが

 

 

「フレイヤ様、花が届きました。こちらを胸に」

 

「これは・・・・・・」

 

「どうかしましたか?」

 

「いいえ、ただ皮肉だなと思っただけよ」

 

 

ガネーシャ・ファミリアから主神のライフである花が届いた。フレイヤ姉上の花は『紫丁香花』

 

その花の花言葉は『初恋』。だから皮肉だと思った。煽られているような感じもして、この花を受け取ることに少し不満な気持ちになる

 

しかし、この初恋を手に入れるために、姉上は今まで以上に本気を出す

 

 

「みんな、私のために勝って。今度ばかりは私も本気を出して取り掛かる。私は家族が欲しい。私のオーズを、私の夫。それを手にするために、私のために戦って、私のエインヘリヤル達!!」

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「

「「「「「「「「「は!!!」」」」」」」」

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

「ヘディン。頼んだわね」

 

「は、貴方様の忠義を今ここで全てを捧げます。手足の如く、私の声に従え!!眷族ども!!!」

 

 

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「全てはフレイヤ様のために!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

姉上の言葉に、全眷属が声を上げて答える

 

どんなことであろうと構わない。オラリオを魅了で脅かしても。全ファミリアを敵に回しても力で捻じ伏せると、姉上達の眷属エインヘリヤルは恐れない

 

 

全てはフレイヤ姉上のために

 

 

が、その前に

 

 

「ヘイズ。ウォーゲームが始まる前に聞きたいのだけど、ヘルンはどうしている?」

 

「まだ目覚めません。まだマインドダウンが続くのか、あれから二日経っても目覚めません」

 

「そうなの。なんでもないわ。ちょっと気になったから」

 

「いいえ」

 

 

ここいないヘルンが気になり、まだ目覚めないのかと看病をしていたヘイズに聞く

 

マインドダウンがまだ続くのか、彼女は目覚めない。禁忌の魔法は使うだけでも増大な魔力とマインドが必要だ。へルンはレベル2でもそれなりに魔力量がある。しかし、今回は何度も使っていたからなのか、流石のマインドダウンに彼女はこのウォーゲーム中は目覚めることはないだろうと、予期する

 

なぜそんなことを聞くのか、答えは一つだ

 

 

 

「あの子が出てきたら、ジークの味方をするから、今は目覚めないで助けるわ」

 

 

 

今だけはへルンに出てこない欲しいと、今は目覚めない事に姉上は安堵した

 

なぜなら彼女は今までも俺のために裏切りを働いた。それも何度も、今は邪魔されては困ると、今ここに居なくてよかったと姉上は思っている

 

もし、ここに居たらまた裏切っていただろう

 

 

 

なぜなら姉上も、へルンが俺を愛していることくらい知っていたから

 

 

 

 

 

 

 

 

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