「ぐわあ!!!」
「のわああ!!!」
「マグニ!モージ!」
「お前らは行け!ここは俺とモージが引き受ける!」
「さあ、来い!!俺とマグニのトール母ちゃん直伝のハンマー捌きを味合わせてやる!!」
「主神を守れ!」
「各自別れて、フレイヤ・ファミリアを殲滅!!」
「「「「「「「おう!」」」」」」」
「おお!来たか!」
「こっちもなんとか抑えている!そこまで保たない!助けてくれ!」
数分程度で派閥連合の陣地を侵入させられ、幹部以外のフレイヤ・ファミリアの眷属が一人でも多く。主神の花を奪っていく。脱落する派閥が遂に出始める、
「くそ!?ここまでか!」
「きゃあ!?」
「ぐう!?限界か!?」
「くそ!?ウチの主神がやられたぞモルド!?」
「先に主神を狙うなんて!?」
「俺たち、もう終わりかよ!?」
オグマ・セルケト・ソーマの派閥がやられる。
モルド達が助けに入った時には手遅れ。主神の花は裂かれた。そのため助けに来たモルド達はオグマがやられたことで退場になってしまう
「皆さん!急いでください!」
「主神を避難させます!こちらの岩の後ろに!」
「助かる!ヘラクレスの精霊!」
「みんな!急いで!ここで隠れられるわ!」
『主神の皆さん。ノーム様の作った岩の裏に隠れてください!ウンディーネ様が水で敵を吹き飛ばしてくれます!今の内に避難を!』
フレイヤ・ファミリアの下級冒険者が、優先的に主神を狙い始めたため、まだ退場していない冒険者達がフレイヤ・ファミリアの眷属を少しずつ倒していく。それと同時に、主神もどんどん花を奪われていく
ノームが地面から岩を盛り上げ、その裏に主神達を避難させる。ウンディーネがその周辺を守るように水を出して守るが
主神の花が奪われていくことで、脱落冒険者が増えたため、主神を守りに来た派閥連合の冒険者が減ってしまい。だんだん守りが少なくなっていく
このままではまずいと、今の事態に危機感を覚えるリリルカ
「く!まさか主神を優先的に狙うだなんて、完全に予想外でした。このままだと、どんどん戦える冒険者が退場してしまう。急いでください!シルフさま!もう増援である貴方達にしか頼めません!!」
『わかったわ!もう少し待ってて!もう少しで前線に出れる!』
「お願いします。正直後衛ばかり考えてられない。どうにか間に合ってください」
後衛は完全に主神の守りに入っていて、前衛は幹部たちに制圧されること。やることが多すぎて、何を指示をしたらいいのか、リリルカは混乱しそうになる。
苦戦は免れないことは理解していた。でも実際に目の前にすると、どうしたらいいか、常に考えを回さないとならない。ヘディンは戦況の考慮をしながら戦っていることに、やはりレベル六の軍師は恐ろしいと思うリリルカ
このまま、主神を減らされ、前衛の主力部隊もどんどんやられることになった
その証に
「はあ・・・・はあ・・・・はあ・・・ここまでとは・・・・」
「これで終わりだ。キュプロクス!」
椿が限界を迎えていた。
もう春姫のレベルブーストも切れてしまった。一時レベル6の状態で倒そうと思ったが、ヘグニの剣の腕が良いのか、もしくはカースウエポンの威力があるのか、流石の椿もヘグニを倒すことができない
呪剣をへし折ることはできず、ただただ斬られるのみだった
そして
「手前も・・・・少し力を付ける・・・・べきだったか・・・・・」
バタリと椿は倒れた。
予想以上にヘグニの呪剣にかなり体を切り刻まれ。奥深くまで斬られてしまい。もう体力も限界で、自分の制作した武器をダンジョンでひたすら振り続けた椿でも。流石に力尽きる
「キュプロクス!?」
「まずいぞ!へファイストス・ファミリアの団長が倒れては・・・」
「くそ!これがダインスレイヴか!?」
「ダフネちゃん!」
「・・・・・・・やっぱりこうなるのね」
椿が倒れた以上。ダフネが指揮を取って、なんとしてでもヘグニを倒そうとする
数はそれなりにある。しかし、相手はダインスレイヴ。千人を一人で斬り倒すような男だ。そんな男はあの椿でさえ倒した。
正直まずい状況にはなった。ダフネが引き継ぎで隊長をするが、椿が倒れたことに関しては痛い気持ちがある。ここにはボールスや桜花と千草も居るが、それでもやはりヘグニを倒す戦力がこちらにはない。椿がそれが唯一の頼み綱だった。でも彼女でも勝てない。あの呪剣をなんとかしなくては
だからダフネは
最悪な手段を『予定通り』執り行う
「みんな!こうなったら覚悟して『斬られて』!!」
「「「「「っ!?」」」」
「マジなのか!?」
「それしかないの!あの呪剣をなんとかすれば、あとは増援が倒してくれるはず、ここで少しでもあのダインスレイヴの体力を奪うしかない!あのジーク・フリードの言うことが確かなら」
実はダフネと椿に、もしもヘグニが相手だった場合、どう対策するかを話してある
それは呪剣のデメリットを負荷させること
魔剣は使用回数限界で砕けたりするのだが、カースウエポンも使用する回数によってデメリットが生じる。砕けたりはしないが、カースウエポンは使用者に何かしらの状態不能を引き起こす
ヘグニをただ力だけでは勝てない。呪剣の威力が強すぎて倒せない。本人に負荷を与えるようなデメリットを負わせるしかない。今ここでレベルでも勝てない者達が自分も含めて多すぎる。それでできることがあるとしたらはそれくらいしかない
勝利に近づくなら、今は犠牲を払ってでもカースウエポンのデメリットを生じる。これしかない
もしも椿が倒れたらの、俺の提案である。念のためにダフネにも喋っておいた。ヘグニの『ヴィクティム・アビス』の負荷を
「みんな、お願い」
「ふう・・・・わかった。斬られるのは慣れている!」
「痛いのは・・・・我慢できる!」
「ああ、くそ!ここで負けたら承知しねえぞ!」
「私がなるべく回復魔法で傷を治します!皆さん、なんとか耐えてください!!」
「「「「「「「おお!!」」」」」」
「何を企んでいるのかは知らんが、貴様らが何をしようと・・・・・・俺の呪剣に血を吸われるだけ、貴様らは所詮屍になるだけのただの肉壁だ!!」
少しでもヘグニに勝つために、呪剣の使用回数を狙うしかない。
呪剣に斬られるなんて無謀かもしれないが、少しでもヘグニに負荷を負わせるしかない。代償を取らせる以外の勝負方法なんて、ダフネ達にはもう限られていた
次に、アイシャ達は
「はあ!」
「どお!」
「ぬん!」
「うお!」
「ぐう!?このチビ共、悔しいけど、連携が上手すぎる!?」
「隙がないにも程があります!?」
「やはり、四人を上手く別れさせるしかありません」
「それ以外、勝てる方法はないですね。連携させないように、この兄弟を別々で倒すしかありません」
ブリンガルの勝負にかなり苦戦している。
予想以上にアルフリッグ達の連携が強すぎて、同じ人数で挑んでも全然太刀打ちできない。隙が見えない連携攻撃、残念ながらこのガリバー兄弟の連携はお互い兄弟を守れるほど、タイミングの良い蓮華きとカバーをしてくる
これではいつまで経っても倒せない。どうにかして倒す方法は一つだけ
それはこの四人の距離を離して、別々に倒すこと
連携が持ち味のブリンガルを倒すにはそれしかない。春姫のレベルブーストはまだ消えてないにしても、連携が上手すぎて攻撃を通すことのできない同レベルでも勝てない。
「これ以上何をしても、無駄だぞ!」
ヒュン!!!
「っ!?魔剣!?」
アルフリッグはこのまま先行して叩き潰そうとしたが、突然魔剣が横から飛んで来た
飛んでくる勢いを見て、誰かが弓で魔剣を矢にして飛ばしたと確信する
飛ばしたのは
「ナァーザ殿!」
「魔剣はまだあるから!その魔剣で戦って!」
「辱い!このまま攻撃を繰り返します!」
ミアハ・ファミリアのナァーザ・エリスイスだ
彼女はモンスターと戦えない恐怖症を持っているが、ウォーゲームなら話は別。これで彼女も戦える。敵が同じ下界の子供なら
しかし、現状戦況はまだ有利になったわけではない。人数が増えてもまだ足りない。
ブリンガルに倒すだけの力と手段が見つからない。どうにか突破口があればいいと思うが、それこそ
今この場で皆が望む。増援
シルフの部隊である
そのもう一つの戦力部隊が来ればなんとか戦況は取り戻せる。そこにはヘディン達に対抗できる主戦力が居る。その到着を待つしかない
それが間に合うかどうか
「ぐわあ!!」
「はあ・・・・はあ・・・・はあ・・・・」
「まだ立ち上がるか!この雑兵共!」
どんどんダフネ達の仲間達がやられる。あのボールスまでやられ、他の仲間も負傷を負う。ヘファイストスの眷属全員がやられてしまう。
どんどんヘグニに数を減らされて、ダフネの部隊は壊滅状態に近づいていた。ヘグニは決して止まらず、目の前の敵を全部倒し切るまで、ただひたすら剣を振い続ける
それで倒れる仲間はどんどん増え
遂に、桜花、千草、カサンドラしか、ダフネの部隊は残らなくなった
「お前を倒すまで・・・・戦うだけだ!『虎喰』!!!」
「その程度の技、通じるものか!!」
「ぐはああ!?・・ああああああ!!」
「桜花!?」
桜花が無理してヘグニに技を掛けて攻撃する
しかし、ヘグニに簡単に避けられてしまい。逆に斬られてしまい、桜花は倒れてしまう。
「桜花!くう!」
「遅い!!」
「がは!?」
「弓の腕は認める。だが、俺の方が早い」
桜花がやられたことで、仇を取ろうと千草はヘグニに向けて矢を放つ
と同時にヘグニは一瞬にして千草の後ろを通り過ぎ、一瞬で千草の胸を斬り裂いた
アレンのように足はそこまで早くないが、それでも千草が動きに追いつけない速さは出せる。千草はなんの反応もできずに、千草もその場に倒れる
これで、ダフネとカサンドラのみになった
「ダフネちゃん!」
「最後は私が盾になる。カサンドラも、マインドダウン寸前まで私に回復を頼むわね」
「わ、わかった」
もうダフネが出るしかないと言うことで、自分自らがヘグニの前に立つ。カサンドラはヒーラーであるため、盾になってくれなんて頼めない。だから自分が出るしかないと、剣を持って構える
「今度は貴様か・・・」
「ええ、ウチらは弱い人が多いから、こうでもしないと勝てないのよね?」
「俺に斬られるだけで、勝てるとでも思っているのか?貴様らのやることなど、所詮は無謀だ!」
「無謀だと思うなら、やってみなさいよ!」
今度はダフネがヘグニに挑む
もちろん勝てないことくらいわかっている。それでも戦うしかない。勝てないことを承知でやろうとも、自分たちの目論見が通れば勝てる。それを実現するために、今はヘグニに挑むしかない
一方、神々達は
「ぐわああ!?」
「マグニ!?ぐああ!!」
「よし!マグニとモージの花をなんとか奪ったぞ!」
「ヘラクレスの精霊達が守りに徹しています!どうします!」
「残された神だけで構わん!本命である神ヘスティアを探せ!条件を満たさないと花を奪うことはできなくても捕縛することはできる!探せ神ヘスティアを!」
「すまねえ。ジーク」
「不甲斐ない。兄達で申し訳ない」
どんどん神々が少なくなっていく、ヴァンが的確に狙えそうな神を見極めて、狙える神をただ選んで神の花を奪っていく
それで最も狙う神は、ヘスティア
ヘスティアは俺とオッタルの決着が着くまでは花を取ることはできない。だがそれが終わるまで捕獲することはできる。俺とオッタルの決着が終わったらそのまま花を奪って、俺の退場を狙っているヴァン
しかし、そのヘスティアが見つからない。どこに居るのかわからない。おそらくもっと奥に居るのだろうが、まだ他にも冒険者が居るため、そこまで奥までは攻め込めない。とにかく今は潰せる主神を減らし続ける
そんな光景をヘスティア達が遠くから見ていた
「ヘスティア様。敵が近くに来ています。ここを離れます!」
「俺とヘファイストスが囮になる!」
「貴方達二人は逃げて!」
「そんなことできないよ!」
「へファイストス!?あなたが怒ったら怖いのは知っているけどそれは無茶よ!?」
「バカ!私は別にそこまで怖くないわよ!この性欲女神!それにあんた達二人はジークとあのヘクトルの主神でしょ!!あの子たち二人の力がまだ必要なんだから、ヘクトルまで脱落したらこちらに勝機はないわ!それにジークとあの猛者の決着が着くまでは取られないにしても、捕らえることはできるんだから。だからヘスティアが捕まったら終わりなのよ!」
「そうだ。だから俺たちが囮になるからお前達は逃げろ。俺とヘファイストスならなんとかなる。グリフォン!ヘスティアとアフロディーテを連れて行け!」
「はい!申し訳ありませんがお願いします!」
「ちょ!?グリフォン君!?」
「本気!?」
「仕方がないんですよ!まだシルフの増援も来ていません!ここで二人がやられて捕まったらこの勝負には勝てません!!行きますよ!」
ヘスティアとアフロディーテを逃すために、止むを得ずタケミカヅチとへファイストスが代わりに囮になろうとしている
ヘスティアとアフロディーテは他の派閥には居ない高レベルの冒険者が居る。俺とヘクトルだ。ヘスティアは俺とオッタルとの戦いが終わるまでは花を奪うことはできないが捕らえることはできる。終わった後でヘスティアの花を奪われることがないように、彼女も逃す
アフロディーテもそうだ。レベル五は一人でも多く取っておきたい。先ほど椿がやられた連絡をリリルカから通達があった。前線にはまだベルとフィルヴィスも居るが、高レベルはなるべく残しておきたいため、ヘクトルも残すために、アフロディーテもやられないよう、彼女もグリフォンの背に乗せて逃げる
そして、残ったタケミカヅチとへファイストスは
「見つけたぞ!タケミカヅチとへファイ・・・ぐはあ!?」
「ええ!私はここよ!来るならかかって来なさい!」
「だが、俺たちはそう簡単にはやられんぞ!」
「ええい!全員でかかれ!!」
「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」
へファイストスとタケミカヅチが最後の抵抗でフレイヤ・ファミリアの眷属を薙ぎ倒す
タケミカヅチは武術で眷属を投げる。へファイストスは護身用の金槌で眷属を殴る。ただ囮になるじゃあ意味がない。少しでもグリフォン達が逃げられるよう、やられることは承知でせめてものの抵抗する
主神達がどんどん倒れていく。このままでは派閥連合の勝機がない。もう派閥の半分もやられる
後衛も前衛もやられる陣営になりつつあることに、リリルカは更に焦る
「どうすれば・・・・どうすれば・・勝機が・・・・・」
正直増援を待つだけでも苦しい状況になったことに、もうかなりの苦難をやられるリリルカ。もうこのままどうしたらいいかなんてわからない。ウンディーネもノームも守りに出ているが、あまりの数と主神まで巻き込むような魔法しか持ってないため、一人一人眷属を倒す以外、後衛の防衛はできない
そんなことを考えていると
『リリルカ・アーデ!!デリング・ラートリー・ファミリアが落ちた!!』
「く!?ここまでなんて!?」
『リリルカさん!すいません!へファイストス様とタケミカヅチ様の花が奪われました!!』
「っ!もう・・・・何か対策を考えないと!ウンディーネ様!サンドロ様!状況報告!」
『こっちは数人の主神様を水と岩で守っています!』
『こっちは幹部以外の眷属を制圧中!こっちも数が減らされて、敵の数より少なくなって対応が難しくなっている!!』
「わかってはいましたが・・・・どうすれば・・」
先ほど、主神の花が奪われ脱落する報告をリリルカの方で何度も聞くが、その中でも有力な派閥であるタケミカヅチとへファイストスが倒れる報告を受ける
後衛でどんどん主神がやられ、前衛ではフレイヤ・ファミリアの幹部達に前衛部隊がほとんどやられている
予想以上に戦況が敗北に近い程、フレイヤ・ファミリアに大いに負かされている。
このままだと本当に敗北してしまう。俺が居ないだけでここまでやられるなど想像もつかなかった。俺が居なくても戦えることを示したかったリリルカ。でも、予想以上にやられて完全に万事休すとなっている
どうにかして。打開策を考えたいが、ここまでやられると、次にどうすればいいか忘れない
「主神がやられて、戦える冒険者もどんどん退場されて戦力が少なくなっている、前衛部隊もほとんどやられて。残っている冒険者はヘディン様達を抑えるのが精一杯で、主神の防衛は回れない。これではもう・・・・増援を待つしか」
現状の結果、51の派閥が、20派閥になると言う。派閥の数が半分に減らされた
初めは数でなんとか圧倒できた。しかし、まさかヘディンが主神を集中的に狙う指揮を取られたことで、予想できなかった攻撃を受けて、数でも手段でもどうにかできる戦況じゃあ無くなった
流石にどうしたらいいか、もう増援を待つしかない、でもそこまで待つにしても、耐え切れるかどうか
すると
『リリ!僕たちはなんとか耐えて見せる!だからそのまま自分の信じた指示をして!』
「ベル様!?」
突然オクルスに、ベルの声が響く
今の戦況でなんとか耐えて見せるから、そのまま自分の信じた指示をして欲しいと、増援が来るまでの指示を恐れずにして欲しいと、今戦っている者達だけでなんとかできることを、それを今考えて欲しいと、ベルはリリルカに頼む
『僕たちがなんとか勝てるって信じて!』
『リリルカ・アーデ!私はそもそもこの猫人を倒すつもりで戦っている!私のことは構わず、他の者達に指示をしろ!軍師が戦場から目を背けたりなどするな!!』
『私たちが勝つことを祈っているのだろう!リリルカ・アーデ!こういう時こそ、ヘスティア・ファミリアは苦難を前にしても頑張って来たのだろう!私を救ったように!今回は私たちが勝てると信じろ!私もやっと!ヘスティア・ファミリアをわかって来たんだからな!!』
『チビスケ!何を弱気になっているんだい!?一度軍師を引き受けたんだから、最後までしっかり務めな!』
『リリ殿!!自分達はなんとか勝って見せます!ですから自分達が勝つことを信じて、勝てると思う指揮を取ってください!』
『リリルカさん。このまま軍師の務めを果たしてください。自分から進んだ戦いを、自分から諦めてしまってはダメです!』
『軍師は自分の命を兵に預かる者です。それと同時に兵が勝つことを信じる者でもあるんです!!』
『リリルカ・アーデ!前も言ったでしょう!軍師は常に戦況を見極める!どんなことであっても!眼を背けちゃダメ!!戦いなさい!軍師も戦っているのよ!!』
「皆さん・・・・・・・ふう・・・そうですね。どうにかして勝たないと!!」
前衛部隊から声が掛けられる。ここで諦めるべきではないと。一度戦うと決めた以上は戦う以外はない。軍師の戦いは常に戦場の戦況を見放してはならない
そして戦場に戦う兵士たちの実力を見極めて、勝ちやすくするための指示をすること。そしてこれがリリルカに一番必要なこと
戦場に居る仲間が勝てると信じること
所詮ただの綺麗事だ。しかし、その綺麗事を力と根性と努力に変えて苦難を今まで乗り越えてきた。今日もそれを使って戦わないとならない。仲間が勝てるような指揮を現実にしないとならない
せめて、何か勝てるような自信を付ける展開があれば、皆の戦意を上げることができる。何か勝機を確信するような戦況になれば
そのためには
「では皆さん!第一級冒険者の一人を確実に倒してください!!!」
『『『『『『『っ!?』』』』』』』
「それしかありません。ここで第一級冒険者の一人でも倒せば、戦況は変わる。もしも倒せそうにないなら、増援が来るまでなんとか耐えてください!」
フレイヤ・ファミリアの幹部の一人を倒すこと
これしかない
相手に動揺を出すような戦況を掴めば、有利に戦況を奪取することができる。ヘディンがそんなことを許すとは思えない、そうさせないだろう。しかし、フレイヤ・ファミリアの第一級冒険者はオッタル以外で八人のみ。ヒーラーであるヘイズも居るが、その一人でも倒せば、弱者でも強者に勝てると言う奇跡としか思えない下剋上を見せて、皆の戦意を更に上げることができる
第一級冒険者を下級冒険者が倒す。そんな奇跡なことが起きれば、少しでも勝機が見えると、この戦いが有利になる。リリルカの考えはこれくらいだった
その勝機を見せれば
の話だが
「はあ・・・・・はあ・・・はあ」
「それで・・・・どうやって俺に勝てるって言うんだ?貴様一人で?」
「一人じゃないわ。こっちにはカサンドラが居る。ヒーラーが居るから何度でも戦えるのよ。そんなあんたはいつまでも私を倒しきれないのね?第一級冒険者の癖に・・・」
「く!・・・・減らず口を!!」
「ぐう!?」
「ソウルライト!!」
「ありがとうカサンドラ!続けて!できる限りだけでいいから!」
「うん!回復薬はまだあるから!しばらくはまだ保てる!」
ダフネとカサンドラはヘグニをなんとか倒そうと何度も勝負を挑む
無論レベルブーストを掛けられて居ても倒せそうにない。しかしヘグニもなんだかんだで倒せていない。過去に人殺しの記録がある実力のヘグニがダフネを倒し切れない。カサンドラを狙おうとしているが、その度にダフネが庇って全然カサンドラを狙えない
カサンドラは大事なヒーラー。そう簡単に倒させない。しかし、カサンドラも無限に回復できるわけじゃない。だから何度も斬られても戦える
しかしだ
「なんだ?先ほどからその『異形な姿』は?」
「ああ、これ?『ラウルス・リース』って言う耐久のスキルで、あんたのカースウエポンに少し対抗できるスキルだよ。肌荒れするからあんまり使わないんだけどね」
「でも!ダフネちゃん!そのスキルを使うと!私の回復もあんまり効かないよ!」
「わかっているわよ!そんなことくらい!でもこうでもしないと、勝てないんだから!」
ダフネのスキル、ラウルス・リース
魔力・体力消費した時か、瀕死した時に発動する耐久の超高補正のスキル。発動箇所は任意で決めることもできるが、相手を斬らせるために全身の身を犠牲にするため体の全てを耐久化する。ただし効果がかかった体の部分は、体皮が変異するデメリットを生じる。それと回復しにくくもなる
だからダフネの体は木のような枝の皮になっている。言うなら木の人形のような姿だ
それでも勝てないことには変わりはない
「ぐはあ!!」
「ええい!鬱陶しい!この雑兵が!!『永遠に滅ぼせ、魔の剣威をもって』!!」
「詠唱!?まずい!ダフネちゃん避けて!!」
「っ!?」
流石にダフネに付き合い切れないのか、ヘグニは魔法を繰り出した。さっさと終わらせようとダフネを吹き飛ばそうと止めを刺す。ヘグニの魔法は超短文詠唱の爆炎魔法
「バーン・ダイン!!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
「くう!?きゃあああああ!!!」
「ダフネちゃん!?」
ダフネの足元に爆炎を巻き起こし、ダフネはもう耐久スキルでもなんともならず、爆炎をモロに直撃し、後方であるカサンドラの方まで吹き飛び。カサンドラが助けようと彼女を地面に着くまえに抱きしめる
「ダフネちゃん!しっかり!」
「はあ・・・大丈・・・夫・・・まだ・・・戦える」
「無理だよ!もう限界だよ!その体じゃあ!」
ダフネはまだ無理して戦おうとした。ヘグニに魔法を打たれて、もう流石に力尽きて何もできない。なのにそれでもまだ戦おうと剣を無理に拾って戦おうとする
だが
「降伏するなら、貴様らを斬らん。黙って貴様らの敗北を認めるがいい!」
「わ・・・・・わ・・・・私は・・・・・」
「カサンドラ!降伏しないで!私はまだ戦える!」
「で・・・でも・・・・私は・・・・・」
「まだ足掻くか、こんな無謀な戦いのために、無駄に足掻くか!」
「カサンドラ!そうやってまた諦めるつもり?今回も仲間のために、あのジーク・フリードのために戦うって・・・決めたのに、そうやってまた諦めるの?」
「私は・・・・・・・」
ヘグニがこれ以上戦うことをしないのなら、無益に斬らないと約束する。降伏をすれば
しかし、降伏なんてしない。ここまで無理に敗北してくれた仲間のためにも申し訳ない上に、ここで諦めたらなんのために今まで戦ってきたのかわからなくなる。カサンドラは親友のために死なせたくない一心で降伏をしようとしている。
それをダフネが止めている
いつも悪いことを言って諦めるような悪い気持ちになってはダメだと。いい加減根性を見せて諦めるなと。戦うことを止めるなと言う
仲間のために。友人である俺のためにも、今は戦うことを選択しろと。負ける戦でも戦うことを諦めるなと言う。ダフネの言う通りにしないと殺される
その答えにカサンドラは
「嫌です・・・・・・戦います!!私は!!」
「そうよ。それでいいの・・・・・・」
「そうか、それが貴様の答えか」
親友の言葉を信じてカサンドラは諦めなかった
運命なんか関係ない。今は親友の言葉を信じた運命を貫くと。カサンドラも覚悟を決める。負けてもいい。今は親友の頼みを全力で答えるのが、カサンドラの信じた道
だが、それでも
「ダフネちゃんを斬るなら、私から斬ってください!!」
「カサンドラ・・・・・」
「その覚悟は認めよう!だが、降伏しないのなら、斬り裂くまでだ!!」
「っ!!」
覚悟を決めて、カサンドラはヘグニに斬られようとする
親友の言葉を信じた道に自信の命も賭ける。今度ばかりは運命だとかなど関係ない。自分の選んだ道を信じた先の運命を貫く。数少ないカサンドラの勇気である。
ヘグニは、そんな希望のある言葉を、綺麗事で終わらせようと斬り裂く
しかし、そのカサンドラの勇気が
ガキン!!!!!
「っ!なに!?」
「っ?・・・・・・・っ!?」
突然、金属がぶつかり合う音が響き。優しい風が噴き出す。カサンドラの前に立ちヘグニの剣を受け止める者が現れた
その名は
「よくぞ耐えましたね。あとは任せてください」
「リューさん!?」
「アストレア・ファミリアの・・・疾風。増援がやっと来てくれた・・・・」
現れたのは。リュー・リオン
正義の風がカサンドラを守る。最後の増援戦力者がやっと前線に到着。ヘグニを倒そうと、彼女は再び彼の前に出る
「あの時の同胞か!?」
「ヘグニ・ラグナール。今度こそ貴様を斬る。私たちはもうお前達に負けない」
ここからが反撃である
リューがここに居るなら、他の増援も前線に辿り着いている。敵に反撃する機会あり。これぞ派閥連合のエースにして、正義の追い風ここに吹き荒れる
派閥連合の最後の部隊、シルフが率いる部隊が戦地に到着する