アーニャの魔法の被害者はまだ続く
『ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
「ぐう!?これはアーニャ・フローメルの!?」
「来たか、酒場の店員。増援が上手く辿り着いたか、だがまさかアンチ・ステイタスを私にも掛けられるとはな、念の為にエリクサーを持って正解だった」
「それが貴方だけとは思わないことです」
「やはり持っていたか。ヒーラーなら当然だな」
フィルヴィスとヘイズにも被害を受ける
フィルヴィスはヘイズに他の団員に回復させないために、ヘイズを一人で追い込んでいるが、その途中でアーニャの歌声を聞いてしまい、ステイタスを半減される
念の為にエリクサーをフィルヴィスは持っているが、それはヘイズも同じで、簡単にアーニャの魔法を解除された。ヒーラーならもしものための回復アイテムくらい持っている
アーニャのステイタスの半減は無駄だった
だが
「ヒーラーであるお前が、私を倒す手段は持っているのか?」
「残念ですが、それはありません。ですが!私は何度でも回復と再生ができる!貴方が何度撃たれても、私は倒れない!」
正直、フィルヴィスの戦闘状況は良くならない、じり貧となっている
ヘイズは回復専門のヒーラー。レベル5のフィルヴィスを倒す手段はない。しかし、ヘイズの回復力は異常であり、フィルヴィスが何度やっても再生ばかりして全然倒せない
お互い倒すこともできない戦況に悩まされている
フィルヴィスはヘイズの再生力と回復力は見極めた。だから無闇に魔法を使って無駄に魔力とマインドを減らすわけにいかずで、持っている短剣と杖で、斬って殴ったりする。ここはレベル5のステイタスでなんとかヘイズにやられせずに居る
問題は、どう倒せばいいかだ
予想以上だった。ヘイズの回復力と再生力は、今は一騎打ちだから良いものの。これがヘイズが率いていた仲間が居たら負けていたかもしれない。今はヘイズ一人。倒す手段さえあれば倒せる
とにかく、フィルヴィスがヘイズを抑えるしかない
ヘイズは他の仲間を回復させる。それも複数に、それをさせないためにここで落とすしかない。フィルヴィスにヘイズを倒す手段はあるだろうか
勝利するために、手段を考えていると、ヘイズがある話をしてくる
「所詮貴方に私を倒すことはできませんよ」
「それはお前の回復があるからか?」
「違う!私には常にフレイヤ様の忠誠があるからだ!」
「何を言うかと思えば、この後に及んで主神の忠義で私に勝とうとするのか?」
「ふん、主神に見捨てられた貴様には理解できないことです」
「それはデュオニュソス様のことか?」
「そうだ!あのテロリストの眷属が!主神に見捨てられた貴方に!黄金を授けられた私に勝つことなどできない!」
「・・・・・・・・・」
今までなら、フィルヴィスは怒っているだろう
デュオニュソスは確かにイヴィルスの親玉でテロリストの邪神だった。それは嘘ではない。確かにフィルヴィスは邪神の眷属だ
だが
フィルヴィスは
「そうだな、お前の言う通りだ」
「っ!?認めるのですね。貴方が元邪神の眷属であったことを?」
「ああ、認める上に受け入れているとも、私はデュオニュソス様の眷属だった。それは嘘ではない」
「あの邪神に道具にされた貴方が、堂々人前に現れることがよくできるものですね。その神経は一体どこから来るのですか?」
「それはそうだろう。なぜなら私はデュオニュソス様に愛されているのだからな!!」
「っ!?」
邪神に愛されている。狂っていると言ってもいいだろう
かつてオラリオを破壊しようと企んだ狂神。そんな者に愛されているなど、異常と思うのがヘイズや一般人における考えだろう
だが、それでもいい。フィルヴィスにしか理解できない愛があるのだから
「異常だと思ってくれても構わない。私は主神に愛されていた。それを直接私に言ってくれた。嬉しかった。例えオラリオの敵でも私は歓喜した」
「本当に狂っていますね。異常としか言いようがない。テロリストの親玉に愛されるなど、そんなの無意味だ!」
「本当にそうか?」
「なに?」
「確かにお前の言う通りだ。ヘイズ・ベルベット。デュオニュソス様は狂気な神だった。人の死に様が見たいがために、自分の眷属を犠牲にするような。誰も味方をしない神だった」
「なら、なぜそこまで喜ぶ?」
「誰も味方してくれない私を愛してくれた。しかもデュオニュソス様が直接私に言い。私だけは犠牲にせずに私の側に居てくれた。私は一人だったんだ!」
「っ!?」
「私には味方が居なかった。友と言えるような仲間が居なかった。そして挙句の果てには怪物にもなった。それでも、それでも私を愛し、共に居てくれるのは、デュオニュソス様や、ヘスティア様、ベル、ヴェルフ、リリルカ、命、春姫、シルフ様、ウンディーネ様、ノーム様、サラマンダー様、グラニ様、グリフォン様、そして・・・・・・我が友!レフィーヤにジークだ!!!」
フィルヴィスは変わったんだ
もう一人ではない。主神や友、ここには今までには得られない大切なモノが、かつて失ったモノが再び手に入り、そして欲しかった主神の愛を、例え今ここに居らず、それがかつてオラリオを破壊しようとした元凶でも、皆がフィルヴィスを愛した
その愛に応えるように、ちゃんと今度は皆のことを友と呼ぶ
もう一人じゃない。もう一人にはなれない。だから今は負けない
「お前は主神から黄金を授けられたなら、私は友情と愛だ!!主神二人の愛と!ジーク達と友情がある!お前に負ける気などない!!黄金などと言う、繋がりがあるかもわからないようなもので主神の言いなりになる貴様とは違う!!」
ヘイズのようなフレイヤ姉上に黄金を貰っているだけでは、主神の忠義だけで生きているヘイズには、フィルヴィスは決して負けないと言う
フィルヴィスには主神二人、デュオニュソスとヘスティア。女として愛してくれるデュオニュソスの愛と、自分の子供として愛してくれるヘスティアの嘘のない愛。そして俺たちの仲間としての友情
その声に、皆がオクルスで声が届く
『よく言ってくれた!フィルヴィス君!流石僕の子供だ!!!』
『はい!そうです!フィルヴィスさんは僕たちの仲間です!』
『頼むぜ!俺たちのエルフ!』
『フィルヴィス様!勝ってください!フィルヴィス様なら勝てるって信じています!』
『自分達は常に居ます!』
『フィルヴィス様は!私たちの友です!』
『さあ!勝とう!フィルヴィスちゃん!』
『それでこそ、ヘスティア・ファミリアの団員です!』
『貴方なら勝てると信じます!』
『よくぞ言った!フィルヴィスよ!』
『我らは常に貴方の側に!』
『フィルヴィスさんは!私たちの仲間です!』
「聞いたか?ヘイズ・ベルベット。これが私にくれたものだ。私はデュオニュソス様に愛された女にして。ヘスティア・ファミリア所属。マイナデスこと、フィルヴィス・シャリアだ!!!覚えておけ!!!」
「っ!?」
今ベル達の声がオクルスから届く
皆がフィルヴィスの絆を示す。俺は戦っている最中で声は無いが、それでも言わなくてもいい絆が確かにある。フィルヴィスはもう一人では無い。例え穢れていると言われても、それでも仲間として愛すと、決してフィルヴィスを見捨てたりなどしない
フィルヴィスはもうヘスティア・ファミリアの一員として、もう自分を貶したりなどしない
ここに居ないレフィーヤにも
「フィルヴィスさん・・・・・」
今オラリオでレフィーヤはひたすらフィルヴィスの勝利を遠くから願っている。レフィーヤが遠くで勝てると信じているはずだと、フィルヴィスも想っている
だから
「負けるわけにはいかない!!貴様をここで倒す!!!」
「っ!?なんですか・・・そのオーラは!?」
フィルヴィスが本気を出して、今からヘイズを撃ち倒す
ここで魔法で止めを刺そうと展開する。そのための魔力オーラを体から発生する。無論再生されることは承知だが、それでも
切り札を見せる
「見せてやろう。デュオニュソス様が最後に私にくれた愛を、その愛で私の仲間のために戦う!『降り注げ、破邪の祝祭』!!」
「超短文詠唱!?」
フィルヴィスが放つのは『三つ目の魔法』
デュオニュソスが最後にくれた愛の誓いが、フィルヴィスに最後の魔法を創ってくれた。それはこれから生きていくための光にして。ヘスティア・ファミリアで魔法剣士として皆を守っていくための力を
今ここで、ヘイズに放つ
その名は
「『ディオ・ニューシア』!!!」
ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!
「空に魔法陣!?」
ヘイズの真上に、魔法陣が展開した
そこから黄色い閃光がヘイズに降り注ぐ。フィルヴィスは閃光魔法を三つ目の魔法として習得した。デュオニュソスがくれた。嘘ではない愛の形
その魔法がヘイズに降り注いで、全身を天から注ぐ光線に焼き尽くされる
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!?」
「これがヘスティア・ファミリアを守る。私にくれたデュオニュソス様の愛だ」
逃げることのできない天からの光がヘイズを襲った。正直精霊魔法に匹敵する魔法だ。デュオニュソスは、あんな神でも、フィルヴィスに思う気持ちは嘘ではない
それがこの魔法に繋がった
ヘイズは倒れてその地に這いつくばる。いくらなんでも今の魔法でも流石に立ちあがろうとする
「この魔法でも・・・・・私は・・・・立ち上がり・・・・・・」
バリン!!!
「っ!?魔法が発動しない!?・・・・なぜ!?」
「ジークが私に与えてくれたこの杖のおかげだ。今のお前はもう魔法は使えない。そして」
ザシュ!!!
「ぐわあ!?」
「私に敵を貫ける武器をジークが渡してくれた。それがこの短剣と杖だ」
フィルヴィスは今まで使っていた武器は全部レフィーヤにあげた。友に捧げるプレゼントとして
だから俺がフィルヴィスに新たな武器を渡した
この杖を使った魔法を受けた者は誰でも魔法を使うことが数日不可能になる杖、『ガンバンデイン』
どんな盾でも貫通できる。短剣と言うにはレイピアに近い形の剣、『ミスティルテイン』
この二つを俺はフィルヴィスに渡した
武器が無ければ戦えないだから彼女に必要な物を俺が渡した。仲間のために必要な武器が無ければまともに戦えないから、金を使って新しい物を用意するよりも、俺が用意した物の方が使い易いだろうと、フィルヴィスに渡し、上手く彼女はこれを使いこなした
実はこれは俺がフレイ兄上のファミリア所属時代に兄上と二人で作った武器である。俺の予備武器としてパンドラボックスの奥にしまってあった物だが、俺が使うよりもフィルヴィスの方が扱いが上手いだろうと思い、彼女に渡した
これで彼女は皆を守れる。過去のように失うことはない
「これで、私は勝ちだ。ヘイズ・ベルベット」
「フィルヴィス・・・・シャリア・・・マイナ・・・デス・・・」
『マイナデスが!ヴァナ・マルデルを撃破したああああああああああああ!!!』
勝者:フィルヴィス・シャリア
ガンバンデインの能力で魔法は数日使えず、そのため回復も再生も使えず、腹にミスティルテインを貫かれてしまい。回復魔法を使えず、そのまま魔法の直撃も受けたこともあり、気を失い戦闘続行不可能となって、ヘイズはその場に倒れた
フレイヤ姉上に黄金を賜りし魔女でも、デュオニュソスの偽りのない愛を貰ったフィルヴィスにヘイズは敗れた
フィルヴィスは見事、ヘイズに勝った
「これでヒーラーは全滅。これで仲間の回復は無理だろう。リリルカ。ヒーラーを全滅させた。このまま私は他の所に行って援護へ向かおうと思う」
『わかりました!ではベル様の援護をお願いします!ベル様は一人でヒルドスレイヴと戦っています!』
「あのヒルドスレイヴか、わかった!今行く!」
フィルヴィスはまだ戦える体力を余っているため、他の加勢へと向かう
ベルが一人でヒルドスレイブに勝負を挑んでいると言うことで、一人であのフレイヤ・ファミリアの軍師を一人で戦うなど、無茶だろうと思い、フィルヴィスが助けに向かう
仲間意識が強くなったのか、彼女は仲間を助けようと違う戦地へ向かう。これでヒーラーは全滅した。幹部をこの勢いで倒していこうと、別の戦地へ、ヘスティア・ファミリアの魔法騎士は駆け走る