ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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希望の月光

 

 

 

 

 

『一方その頃』

 

 

「あれ?コップにヒビが・・・」

 

「ああ、それ。前に買ったばかりのだよねエイナ?」

 

「うん。お気に入りだったのに・・・」

 

 

オラリオでも夜を迎えていた。こっちのようにパニックにはなっていなかった。今でも平和で。エイナとミイシャが普通に職員としての仕事の書類をしている。あと少しで終わる所で突然エイナが最近買ったばかりのマグカップにヒビが入った。マグカップは仕方なく中にある飲み物を全部飲んで。カップは捨てた

 

そこでミイシャが話題を振り出す

 

 

「ねえエイナ?英雄ジークはどうしたの?最近見ないね?」

 

「ああ。ジークなら今ヘルメス・ファミリアの依頼でオラリオの外に居るの」

 

「そうなんだ。ジークは英雄になったんだから忙しいか・・・今でも外で誰かを救ってたりして・・」

 

「まさか・・・・でもジークならありえそう・・・」

 

「エイナも寂しいよね?ジークが英雄になってからいろんな女性にモテるようになったんだもん。エイナとしては心配でしょう?」

 

「ふえ!?別に私はジークのことを!そんなには・・・・」

 

「いいの?だってジークって最近エルフの女性たちに大人気なんだよ?あのエルフが崇拝する神フレイの義弟だからってのもあるけど。今じゃああのブレイバーにも勝るイケメンで。結婚したい人ランキングで第一位になって好評なんだよ?」

 

「ジークが結婚したい人ランキング一位!?そんなのダメ!!!」

 

「うわああ!?いきなり声を出さないでよ!?」

 

「ああ。ごめん・・・」

 

「エイナって本当にあの雷帝のことが好きなんだね?でも急いだ方がいいよ?噂で聞いたことがあるんだけど・・・・あのジークに恋人らしき相手が居るって言う噂があるんだよ?」

 

「ええ!?本当!?」

 

「うんうん。街の人が何度かそれらしき人を見たことがあるんだって、確証はないけど・・・・手を繋いでいたり。明らかに恋人のような雰囲気を出しているって聞いたよ?」

 

「ミイシャ!それは誰なの!?」

 

「ちょっと!?私の首を掴まないでエイナ!苦しい!!」

 

「ああ!またごめん!」

 

「まったく・・・・私も見たこと無いけど・・・・なんでも街娘らしいよ?冒険者ではない普通の十代の女の子って街の人は言っているよ?確信は無いけどね。本当かどうかもわからないし・・・」

 

「街娘・・・・・・冒険者じゃない・・・それも十代の・・・てことはまだ私にもチャンスはあるかも!」

 

「エイナってそんなにあの英雄ジークが好きなんだね?そういえば英雄ジークもエイナと同じ19歳だしね・・・」

 

 

エイナとミイシャで俺の恋人が居る噂の話をし出す。そのせいでエイナがいつもの落ち着きが完全に吹き飛ぶような勢いで首を絞めてくる。ミイシャは今後あまり俺の話題はあまり持ってこないようにした。でなければいつか締め殺されるのではないのかと思ったからだ

 

でもそんなに俺が好きなら、さっさと告白すればいいとミイシャは友人としてエイナを心配した。でも肝心の俺がここには居ないからと、どうにもできなかった

 

そのことであることに気づく

 

 

「あれ?そういえば今オラリオの外に出るのは禁止はなはずだよね?」

 

「うん。でもジークたちが出た後で禁止になったから。ジークたちヘスティア・ファミリアは含まれないんだよ」

 

「そうなんだ。でもどうしてなんだろうね?」

 

「理由は班長にしかわからないけど。とにかくジークに会いたいな・・・」

 

「今更後悔しても遅いよ・・・・」

 

 

今オラリオから出ることはギルド本部の指示により禁止になっていた。理由はわからないままだが、ギルドの主神ウラノスの命により。今オラリオから出ることは禁止となっていた。

 

理由はどうであれ。そんなことはエイナは今はどうでもよく。想い人である俺のことしか考えられなかった。全然見なくなった想い人を今になって恋しがるのはハーフエルフであろうと女性としてどうにも落ち着かなかった

 

ところが

 

 

『おい!あれ見ろよ!』

 

『なんで月が二つも!?』

 

『しかも何か月の間に変な弓みたいのができつつあるぞ!?』

 

 

「なんだろう?」

 

「どうかしたのかな?」

 

 

突然外から街の人や冒険者の声が大きく聞こえた。月がどうとかで騒ぎを起こしている。気になってエイナとミイシャは外に出る。空に何かできているようだ

 

そして外に出て見ると。おかしい現象が起こっていた

 

 

「なにあれ・・・・月が二つ!?」

 

「でもあの左にある月!?矢みたいのが中心にできているよ!?まるで弓みたいに!?」

 

 

エイナとミイシャが見た空はおかしいことになっていた。彼女たちが見た光景の空

 

それは三日月が二つあり。その三日月の中心に光でできた矢のような形ができつつある。まるで弓矢のような形になっていた

 

流石に二人でもこんな現象はおかしいと。また何か嫌な予感がすると。安全ではないと確信する

 

 

すると

 

 

「助けてくれええええ!!」

 

 

「っ!どうしました!?」

 

「どうしてそんなボロボロに!?」

 

 

「はあ・・・はあ・・・援軍だ!援軍を早く呼んでくれ!冒険者を!第一級冒険者を呼んでくれ!!」

 

「落ち着いてください!何があったんですか!?」

 

「ダンジョン中のモンスターが暴走してやがる!早くなんとかしねえとモンスター共が地上に出てきちまう!!早くロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアでもいいから呼んでくれ!!」

 

 

ダンジョンに行っていたモルドたちが必死にここまで走ってやってきた。そして改めて状況を説明した。ダンジョンが空に浮かぶ月の矢に恐れて、ここに居てはまずいとモンスターたちが急いで地上に出ようと暴れているらしい

 

モンスターが下界に出るなど最悪展開だ。だからきっとこうなることもわかって。ウラノスはオラリオの冒険者を外に出させないようにしていたのだ

 

そしてその理由を『ある者たち』が理解した

 

 

 

 

「だろうと思ったよ」

 

 

 

「っ!?」

 

「ブレイバー!?剣姫!?ロキ・ファミリア!?」

 

「やっぱりこのためにギルドは私たちをここから出さなかったんだ」

 

 

フィンたちは理解していた。

 

メレンに向かうはずの彼らがここに居るのは、こういう事なのではないのかと。親指の震えが止まらないフィンにはわかっていた事だった。ロキ・ファミリアが呼ばれる前に集まっていた

 

 

「やっぱり・・・・あれは『アルカナム』。誰か神々の・・・」

 

「アルカナム!?」

 

「アイズ。やっぱりわかるのかい?」

 

「うん。あれ・・・真っ先にこっちを撃とうとしているよ?」

 

「そうか・・・・・だとしても僕らのやることは一つだ。エイナ・チュール!いろんなファミリアをダンジョンにすぐに召集するように呼びかけてくれ!オラリオに残るファミリアの総力でダンジョンに出るモンスターを食い止める!」

 

「はい!」

 

 

「ジーク。君が居てくれれば解決してくれたと思うけど・・・君が居ない留守は僕らに任せてくれ」

 

 

あれがアルカナムだとアイズは察知し。あの月の矢がこっちに放たれようとしていたが。自分たちではもうどうしようもならないと。今は目の前にある自分たちができることをするためにダンジョンに行き。地上に出ようとするモンスターを食い止めることだった

 

こんな時。俺が居ればとフィンは思っているが、俺は別のファミリアであることを理解しているため、そしてここに居ないことも知り。留守の間は自分たちでやると。俺の力を借りようとはしなかった

 

 

むしろまた何処かでこれを解決しようとしているのではないかと。俺の行動を推測するフィンだった

 

 

エイナとミイシャが急いでいろんなファミリアに召集を掛けるが、それでも相手は無数の相手。どこまで持ち堪えるかわからないが、なんとしてでも死守として立ち向かうしかフィンたちには考えがなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「間に合わないか・・・・ヘルメス」

 

 

外壁の上に今でも立っているガネーシャも。詳細を知っているが故にふざける事なく。今の事態がとてもマズいと理解し。仮面越しではあるが険しい顔となっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

またも一ヶ月ぶりに、下界の危機となっていたのだと。オラリオも気づいた瞬間である

 

 

そしてそれを見る。ある女神二人も

 

 

「なんやあれ!」

 

「アルカナムでしょうね・・・・それもアルテミスの。それもアルテミスの矢まで展開しているわ・・・・天界最強の矢がこんな所で出てくるなんてね・・・」

 

「そんなもんはわかるわ!あれがアルテミスなのは!あのアルカナムを発動してタダで済むはず無い!天界に強制送還されるはずやろ!」

 

「操られているか・・・・・あるいは囚われているかね・・・」

 

 

ロキはバベルの最上階であるフレイヤの部屋に行って。空に浮かぶ月の矢を見てなぜあんなものを展開しているのか、そしてそれを発動しているアルテミスは今何がどうなっているのか。フレイヤと話していた

 

そして空に浮かぶアルカナムに、地面から地震が起きていた。それがなんの原因か二人はわかっていた

 

 

「っ!ダンジョンが震えとる・・・・」

 

「それはそうでしょうね・・・・あんなものが空に浮かんではね・・・」

 

「ウラノスのジジイめ。こんなことになることをわかっとって。ウチらをオラリオから出さへんかったな!・・・く!」

 

「何をする気?もう無駄よ。あそこまでなったら・・・オラリオに居る神全員を集めても、あの力を神威で止められることはできないわ」

 

「知るか!例えそうでもケジメをつけるんはウチらの仕事やろ!あんなデカイ力を止めるのはウチらしかおらへんやろ!」

 

「それはどうかしら?」

 

「え?」

 

「必ず・・・・・・・・『私の弟』がやってくれるわ。今ここに居ないってことはね・・・」

 

「っ!?まさか・・・・・ジークがアルテミスの所におるんと言うのか!?」

 

「確信は無いけど。私はなんだかそんな気はするの・・・・・・だってあの子は『お兄様と同じように優しい子』だから・・・」

 

「ジーク・・・・」

 

 

ロキがオラリオ中に居る神たち全員を集めて神威で月の矢を塞ごうとロキはフレイヤの部屋を出て集めようとするが、フレイヤが必要ないと言い出し

 

ここに居ない俺が全て解決してくれると。確信も無いのに予想で俺がこの大事件を解決してくれると言い出す

 

だが、空に浮かぶ月の矢はなんとかしてくれるだろうと俺に期待はしているが、今下に居るダンジョンのモンスターはなんとかしないとならないと、フレイヤはオッタルを呼んだ

 

 

「オッタル。そこに居る?」

 

「はい。フレイヤ様」

 

「私の眷属を総出でダンジョンに行き、モンスターを蹴散らしないなさい。一匹たりとも地上に出しちゃダメよ」

 

「はっ。アレンたちも出動させます。ですがあの空の月はどうしますか?」

 

「あれはいいわ。必ず私の弟が解決してくれるから・・・・私たちにはどうにもできないわ。任せるしかないの」

 

「わかりました」

 

「フレイヤ・・・」

 

「ロキ・・・・今はあの子が解決してくれることを祈りましょう」

 

「ジーク・・・・・・頼むで・・・・もしそこにおるんなら・・」

 

 

フレイヤはオッタルたち眷属を総出で出動させ、モンスターを一匹たりともも出してはならないと。他のファミリアと共闘する命令を下す

 

月の矢に関してはどうにもならない。今ここに居ない俺に託そうと。フレイヤとロキは俺に解決するよう祈っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンジョン5階層

 

 

そこにミノタウロス。フォモール。ゴブリン。ブラッド・サウルス。スパルトイなど。階層それぞれに出てくるモンスターがもう上層まで登ってきていた

 

 

それを喰い止める多くのファミリア

 

 

ロキ・ファミリア。ヘファイストス・ファミリア。ガネーシャ・ファミリア。ディアンケヒト・ファミリアなどが、オラリオのファミリア総力を上げて召集し。この階層から上は行かせないと。全員歯を食いしばりながら戦う。

 

だが。あのロキ・ファミリアが居ても

 

 

「ぬん!!」

 

 

『『『『『『ガア!!!』』』』』』

 

 

「ダメ!キリがないよ!」

 

「このままじゃあ!」

 

「くそ!ウジャウジャと群れやがって!」

 

 

「フィン!節操たちもどこまでも持たんぞ!」

 

「この無数では・・・」

 

 

「く・・・・・ここまでとは・・・」

 

 

数が多すぎる。ファミリアを多く召集しても無限ではない。それに対してモンスターの方は無限に等しい。喰い止めるにも苦しい。いくらヘファイストス・ファミリアやガネーシャ・ファミリアが来てくれても体力にも限界がある

 

この危機をどう乗り越えようか、フィンは考えている

 

だが。そんな考える時間のないまま。敵はまだ新たに来る。しかも

 

 

「な!?ワイヴァーン!?」

 

「ヴァルガングドラゴンまで!?」

 

「まずいよフィン!!」

 

「団長!」

 

 

「く!?」

 

 

よりにもよって57階層あたりのモンスターまで出てきた。まさかそんな深層のモンスターまでここまで登ってくるなど。フィンでも予想してなかった。このままじゃあ守り切れない。最終手段として死守までしなくてはならないかもしれないと考える。本当にここまでとなると死力を尽くさないとならないとフィンは次の手段を考える

 

だが

 

 

「ふ!」

「はあ!」

 

 

『『グガアアアアアアアァァァァァァァァァ』』

 

 

「っ!」

 

「猛者!?」

 

「女神の戦車!?」

 

 

突然後ろの方から二人の冒険者がワイヴァーンとヴァルガングドラゴンを両断と串刺しにした。倒したのはフレイヤ・ファミリアの団長と副団長のオッタルとアレンだった。

 

どうやら加勢しに来てくれたとフィンは察する

 

 

「参ったな・・・・とんでもない援軍が来てくれた」

 

 

「フィン。フレイヤ様の命で我らも出ることになった。これより我らも共闘してやる」

 

「ふん!この程度で苦戦するとは・・・・クソチビ弱くなったな」

 

「高貴なお方。私たちも加勢します」

「支援します・・・・・」

 

「ヘディン・・・ヘグニ・・・・」

 

「さて相手は無数のモンスター。用意はいいか?」

「「「ああ。楽勝だ」」」

 

「おお!お主ら小僧共も来たか!」

 

「ほお。切り札が来たとこか?」

 

「今は頼もしい・・・・」

 

 

オッタルとアレンだけでない。ヘグニやヘディン。ブリンガル兄弟まで。フレイヤ・ファミリアの総出で加勢して来た。フレイヤの命令でしか動かない彼らが来るなど。究極の加勢だった

 

 

「よし!押し返せええええええ!!!」

 

 

「「「「「「おおおおおおおお!!!」」」」」」」

 

 

これだけの戦力が居れば十分だと。もう考えるのやめてフィンも前衛に出て。全員突撃して深層に押し戻す

 

ダンジョンはなんとかなりそうな状況だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って。エルソスの遺跡

 

ベルたちが落ちた海藻はまだ上層。そこにて。今まで隠していたことをヘルメスが真実を告げようとベルたちに説明する

 

 

「それ・・・・本当なんですか?」

 

「ああ。この依頼の本来の目的をジーク君はわかっていた。それでも実行しようと彼はどちらが大事なのかわかっているのか、なんの中署も無く迷うことなく。アルテミスをあの矢で殺そうと覚悟していたよ」

 

「ヘルメス様・・・・・それってつまり・・・・あの矢に選ばれたジークは神殺しの大罪をさせて・・・・彼一人にこの世界の命運を託すというのですか!?」

 

「そんなのあんまりですよ!ヘルメス様!そんなことをジーク様だけにそんな・・・」

 

 

「これしか無いんだ!」

 

 

「「っ!?」」

 

「リリちゃんやアスフィの気持ちもわかるよ。でも・・・・ジーク君も辛いけど我慢しているんだよ。アルテミスだってそれを受け入れている。それでも・・・二人はこの下界を守るために仕方のない選択をしているんだ。悲しいけど。これが現実だ。これしか救えないんだ」

 

「そんな・・・・」

 

「どうあっても・・・・救う道は無いんですか?ヘルメス様?」

 

「他に方法が・・・・」

 

「残念だけどね。これが俺たちにできることなんだ」

 

 

「そんな・・・・ヘルメス様!それじゃあジークさんに悲しみを作っているだけじゃないですか!?こんなの悲劇ですよ!」

 

「違うよ・・・・リューちゃん。これは悲劇じゃない」

 

「え?」

 

 

「これは・・・・・・・・・・ジーク君が月女神を救うお話なんだ」

 

「「「「・・・・・」」」」

 

「ヘルメス様・・・」

 

 

ベルにとっては否定したい事実だったかもしれない。でも俺がそういう性格だとベルも薄々気付いている。元ロキ・ファミリアとしての経験者だからなのか。残酷なことも知っている。オラリの外で戦争もしている。夢見ることなく現実をしっかり見ていると。自分たちよりも大人な考えをしている

 

今回のことももう自分たちにできることはないと。自分たちができることをするしか無いと全力を尽くしている

 

でも・・・・

 

 

「グリフォンさん。ジークさんたちが落ちたと思う深層へ案内してください」

 

『ベル様?』

 

「ベル様?何を?」

 

「ジークさんの所に行こう。それで・・・・・・・アルテミス様を救いに行きましょう。僕らはジークさんの仲間なんですから・・・」

 

「うん。ベル君もわかってくれたかな?」

 

「ええ。わかります。無力で仕方のない選択をすると言うのも・・・・・・ですけど・・・・ヘルメス様」

 

「ん?」

 

 

「なんだかあの人見ていてわかるんですよ・・・・・・・あの人は絶対にこんな現実を覆すんだって・・・・さっきは言葉では不可能だって言ってましたけど・・・・あの人の心はこんな事は絶対に否定するって・・・・・仲間としてわかるんです」

 

「ベル君・・・・」

 

「さっきは散々否定していていましたけど・・・・・それでも・・・なんかあの人は時間がある内は絶対に諦めない・・・・そんな感じがするんです・・・・あの人途中で心変わりするかのように自分に無茶をしてでも果たしますから・・・・・なんでそんなことを思うのかわからないですけど・・・・・今なんだかそう感じがするんです」

 

「ベル様・・・・」

 

「だからとにかく僕らもジークさんの所へ行こう!こんな所で僕らが言い争っても意味はない!全部ジークさんに託されているんですから!僕らの団長を信じてジークさんの所に行こう!たとえ辛い事がジークさんに合っても!それを一人で抱えさせちゃダメだ!僕らも背負わないと!」

 

「ベル様・・・・はい!」

 

「そうだな!あいつはさっきあんなことを言ったけど・・・・なんだか俺もそんなことを言われるとそんな気がするぜ!」

 

「はい!自分たちの団長はいつも無茶ばっかしますものね!」

 

「クラネルさん・・・みんな・・・」

 

「あなた達・・・・・」

 

「そうか・・・・・君たちはそれでもジーク君の事を信じているのか・・・」

 

 

「はい!行きましょう!お願いしますグリフォンさん!」

 

『わかりました!主の気配はこの下から来ます・・・・こちらです!』

 

 

ベルはどうしてそんな気がするのか正直自分でもわからない。もちろん確信と言うのもない。でも同じファミリアの仲間として感じるからなのか。とにかくわかる。ベルにしかわからない確信

 

本人にはわかってはいないが、同じ半神としての繋がりがあるのか。俺の性格を見破り。絶対に最後の最後まで諦めないはずだと。決めつけるようだが。説明も根拠も無い

 

だが。そんな感じがしてならない。例えそれが外れたとしても一人だけにそんな重い罪は持たせないと。ベル達も急いで俺の所へと下へ走った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその俺は

 

 

「無理だ・・・・・俺にはできない」

 

 

「どうして・・・・今になって・・・ジーク君」

 

「なぜだオリオン!やるとさっき言ったではないか!」

 

 

「それでもできない・・・・・・彼女達のやったことが無駄になる・・」

 

「彼女達?私の眷属がどうかしたのか?」

 

 

戸惑っていた。これはやってはならないと。アルテミスを殺してはならないと。俺は今になって心に抗った。実行してはならない。これをしたら彼女達の死んだ意味が無くなる。

 

死んだ人間達のしたことなど、普通ならどうでもいいと思うのだが、彼女のために何かしたのだと思うと。俺も・・・・・今になって迷ってしまう

 

『やはり間違いだ』と心が抗いアルテミスを殺してはならないと諦めない。頭では『これは仕方ない』とアルテミスを殺すしかないと諦める

 

頭と心が目的がバラバラになっていて。俺は今・・・・決められない。

 

とにかく撃てない理由が今目の前に倒れている眷属にあると説明する

 

 

「お前の眷属である彼女達は・・・・・・・武器を手に取っていない」

 

「っ!?」

 

「そう言われると確かに!?みんな・・鞘から武器を取っていない!?」

 

 

ヘスティアも見て気付いた。この者達、アルテミスの眷属達は武器を鞘から抜いていなかった。彼女がモンスターに取り込まれたのに気づき。彼女達はアルテミスをも一緒に殺すことはできず。手が出せなかったと。

 

これを解決する者に託そうと。ここで死を覚悟したのだとわかる。この階層のルームを見る限り逃げ場など無い。せめてアルテミスの分身魔法を掛けて。代わりに自分たちの主神を救える者に頼むしかなかったのだと。主神を殺すくらいなら死んだ方がマシだと。アルテミスの事を想って自分の命を犠牲する方を選んだと推測する

 

 

「お前達は・・・・そうまでしてまで・・・」

 

 

そこまで犠牲をして。彼女達がアルテミスを大事にしているのだと理解した。そうでなければ一度しか無い命を犠牲するなど人でならあり得ない。それだけ絆が深かったのだろう。

 

彼女達の想いは強いのだと、俺は旗の隣で倒れているヒューマンの手を握って感じようとする。

 

すると

 

 

『お願い・・・』

 

「っ!?」

 

 

「ジーク君?」

 

「どうしたオリオン?」

 

 

突然女性の声が聞こえた。おそらくその声は間違いなく。今手を握っているこのヒューマンの女だとわかる。なぜ死人の声が聞こえるなど。普通はあり得ない。でも脳裏に聞こえる。ヘスティアやアルテミスには聞こえない俺でしか聞こえない声

 

なぜそんなこの死人の声が聞こえるのか。理由は頭に思いつく限りでは間違いなく。俺が殺した『あの女の死体』を食べたからだ。奴は死の能力を持った女。その女の体を食べたことで、俺は死んだ人間の声を聞くことができるのではないのかと。俺も人並外れた力を手にしているからのだと推測する

 

それでもしこの女性の声がこの死んだ者なら。目を閉じてもっと聞こえるように集中する。

 

そして脳裏で会話もできるのではないのかと。やってみる

 

 

『お願い・・・ジーク・フリード・・・アルテミス様を助けて・・・』

 

『俺にできるのか?』

 

『あなたが・・・・・アルテミス様の英雄・・・・オリオン・・・・アルテミス様の希望・・・・私の予知アビリティで予言した英雄・・・・・どうか・・・・アルテミス様をお救いください・・・・・英雄雷帝・・・』

 

 

「・・・・・・」

 

 

それだけを聞いて、目を開いて手を離す。この女が言うには予知アビリティで予言した。この事件を解決できるのは俺だけ。俺と言う『オリオン』。今の俺に何ができるかはわからない。

 

けど託されてしまった。アルテミスの眷属に。だが今の声で俺の頭も・・・・彼女を救う道を選ぶ

 

できるかはわからない

 

だが可能性はある。やってみる価値はある

 

 

と、俺は可能性に賭けた

 

 

 

 

「ヘスティア。目的変更。俺はこれからアルテミスを救う手段を実行する」

 

 

 

 

「え!?ジーク君!?」

 

「俺のあるレアスキルが原因でなのかハッキリはしないが、今この女に頼まれた。もう死んでいるのにこの女の声が聞こえた。『アルテミス様を救って欲しい』とな」

 

「え!?・・・・聞こえたのか!?彼女の!?ランテの!?」

 

「ああ。なんでだろうな。説明できないが。俺はやっぱりお前を助ける道を選ぶ」

 

「無理だ!オリオン!わかるだろう!?私は・・・もう・・・・」

 

 

「お前はいつまでふざけた事を言うつもりだ!!!」

 

「「っ!?」」

 

 

俺はアルテミスがまだ諦めている事に、弱音を吐いている事に俺は怒鳴りつけて黙らせる。確かに俺もさっきは諦めていた。でももしも救える道があるならその道を選ぶと、今はまだ諦めないと。時間がある内は試すと、俺は現実に足掻いた

 

彼女もその現実がわかっているから諦めるように自分を殺す。でも・・・・・

 

やっぱりできない

 

彼女が女神だからなのか。思い出してしまう

 

 

おふくろを助けられなかった事。俺の無力でフレイが犠牲になった事。

 

 

あの二人のことを思い出すとやっぱり耐えきれない。心は無いはず。無いはずなんだ。なのに・・・・・どうして母や兄の最後を見た俺の後悔が。こんなのやっぱり間違いだと。諦めるなと心が叫んでいた。

 

例え俺の全てを犠牲にしても助けろと。心が叫んでいる。その想いをアルテミスをぶつける

 

 

「アルテミス!俺はお前を助ける!お前は俺たちを信じてないのか!お前はいつもそうだ!なんでも決めつけるな!可能性がある時はそれに賭けろ!お前は俺たちに助けられたいと救って欲しいと思わないのか!!」

 

「だが・・・・・私は!」

 

「置いていくのか!親友を!ヘスティアを置いて天に帰るのか!お前はヘスティアの親友じゃないのか!!彼女達がお前のために犠牲になったのを無駄にする気か!!」

 

「オリオン・・・・」

 

「ヘスティアももっと説得しろ!お前は耐え切れるのか?親友が黙って死ぬ姿を!俺は無理だ!彼女を殺すことはできない!そんなの自分で後悔を作っているのと変わりないぞ!」

 

「でもジーク君・・・・ああなったら・・・もうどうにも・・」

 

「俺に可能性はある。俺なら彼女が救えるかもしれない」

 

「え!?本当に!?」

 

「忘れたのか?滅多に使う機会は無いが『神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)』と言うレアスキル」

 

「あ!?神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)!?神の力を得た者をその力を引き裂いてその『神の力』を破壊する事ができる!!」

 

「やったことは無いが。試す価値はある。アンタレスからアルテミスを分離できるかもしれない」

 

 

俺が神を憎んだことで会得したレアスキル。神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)

 

神の力を破壊&無効化。もしくは神の力を得た者をその力を引き裂くことで『神の力』を破壊する事ができる。送還も無効にする。神を殺すことのできる神殺しのスキル

 

もしかしたら俺ならできるかもしれない。試したことは無い。でもやるしかない。そうすれば彼女を救える。可能性は確かに俺にあった。諦める必要はない。それでダメだったら諦めるしか無いのだが

 

その可能性をより高くするために、絶対的な勝利を得るためにもう一つのレアスキルである『フレイ・リーベ』を発動させれば。救えるかもしれない

 

そのためには・・・・・・

 

 

「アルテミス。信じてくれ。俺ならできるかもしれない。だが・・・・・心が薄れている俺には気力が無い。だからお前の力を貸してくれ・・・・そして俺を信じてくれ・・・・俺に全てを委ねてくれ」

 

「オリオン・・・・」

 

 

「俺は・・・・・・・お前を失いたくない。お前のことは想ってないが、失いたくはない。どうか俺に・・・・・・・恋をしているなら・・・愛しているなら・・・・俺にお前を救う愛を俺にくれ・・・」

 

 

そうして彼女を抱きしめる。

 

もう俺は心が疼いている。欲しい。お前の愛が。そうすればなんでもできる気がするんだ。お前と共にならなんでも勝てる。彼女の愛を貰った俺ならなんでも勝てる気がすると

 

確証も証拠も無いが、それでも俺は彼女に願う。お前を救う勇気を。お前を想う心を

 

お前の愛で・・・・俺を動かしてくれ

 

 

「オリオン・・・・私は・・・救われていいのか?」

 

「ああ。親友も・・・今ここに居ないベル達も・・・ここに倒れたお前の眷属も・・・・絶対にそう望んでいる・・・・だから・・・・愛してくれ」

 

「オリオン・・・私は・・・・・・私は・・・・・」

 

 

アルテミスとしてはもう全てが後悔。恋を憧れていた彼女はどうにも愛し方も恋の仕方もわからない女。眷属にも散々言われていた。恋は素晴らしいものだったと

 

尊いものでもある。心ででしかわからないこと。救われていいなどと。英雄に救われる。そしてその英雄に恋する。今の自分に望んでいいのなら

 

 

この一万年分の恋をしていいのなら。俺が許してくれるのなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オリオン・・・・・ジーク・・・・私を助けて!!!」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

その言葉を待っていた。もうこれで俺の勝利は確定した。試しもせずに可能性は大きくできた。この勝利と恋は約束された。だから俺の体から桜色の光が発光し。放出した。

 

 

「え!?」

 

「なに!?なんだ!?オリオンの体から・・・光が!?」

 

「これって・・・あの時の!?」

 

 

「ありがとうアルテミス。今の俺ならなんでもできる。だから・・・・・・・・この矢の力を貰う」

 

「え?」

 

 

「ぬん!!」

 

「「っ!?」」

 

 

体から光が放出し、そのアルテミスを救う希望の光を流して。俺は自分の胸に『オリオン』を刺した。

 

 

「ジーク君!?なんで!?」

 

「オリオン!?なにを!?」

 

 

「この矢の力を・・・・今!!俺も得る時!!・・・・お前だけの!!!!・・・・・英雄となる!!!」

 

 

俺の心臓に矢で刺すと、矢に刻まれたピエログリフがルーン文字へと変わっていく。ゴット・シェアシュテールングは神の力を得るようにもなった。俺が得るとピエログリフはルーン文字へと改変され。俺の心臓を刺さなければこの矢にルーンは送れないと、『マナ』を送るためにこの矢を自分の胸に痛みながらも刺した

 

今脳裏にこのような呟きが出る

 

 

(ピエログリフをルーン文字変換完了。オリオンの矢の力を会得確認。ルーンアーマメント新たに生成完了。アビリティ数値限界突破。魔剣解放。オリオンの矢を変換・オリオンの弓に形成)

 

 

と、アルテミスの愛を貰った俺は。もはや勝てるものなど居ない。もしも居るのならこの手で砕き射抜くのみ。勇気も可能性も充電完了だ

 

 

「アルテミス。俺は今からお前だけの『狩人』になる」

 

「オリオン・・・・」

 

 

これを発動せずには居られない。今こそ愛を放てと心が叫ぶ。アルテミスのために今は俺を捨てる。

 

俺は射抜く者として・・・・・・・英雄オリオンになる

 

 

 

「ルーンアーマメント発動!!月光狩人(ムーンライト・オリオン)!!!」

 

 

矢を胸から抜き。そして天に掲げた。

 

掲げると俺の体からルーン文字が浮き出され、空から水色の柱のような光が降りてきた。その柱の光が俺の体を包む。その柱の光が空のどこから出てきたのかは知らないが、ルーン魔術武装を発動させて柱の光が俺の体や装備を変えていく

 

それだけでなくその水色の柱の光を浴びると。俺の体に流れたピンク色の光が周囲に広がる

 

 

「こ、これは!?」

 

「ジーク君だけの魔術!?しかも・・・・・これって!?」

 

 

アルテミスも、ヘスティアも、この光がなんなのかなどわからない。でもこの光は俺の力ではない。術式そのものは俺ではあるけど。この光は俺のじゃない。フレイ・リーベの光でもない

 

 

これは・・・・・・・月から流れる柱・・・・・・・月光だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その月光の柱は上層にもベルも見ていた

 

 

「これは!?」

 

「なんだ!?」

 

「この光なんです!?」

 

「一体どこから・・・・どこへ!?」

 

「なぜ空から!?」

 

「これは・・・・どういうことだ」

 

「どうしたんですヘルメス様?」

 

 

その月光の柱は上層に居るベル達も見ていた。その月光は空から降り。下へと続いていた。一体なにが起こっているのか、ベル達でもわからない

 

でもヘルメスが何かに気づいた

 

 

「わからないけど・・・・・・アルテミスの神威だ!?これはアルテミスの光だ!」

 

「一体どうして・・・・こんなものが・・・・まさか送還!?」

 

「いや、分身魔法のアルテミスは送還されない。それにこれは送還の光じゃない!」

 

「ではこれは・・・・・一体・・・なにが」

 

 

「ジークさんですよ!」

 

『主です!間違いありません!この光は主のレアスキルです!』

 

 

「ジーク君の!?どういうことだ・・・ジーク君がなぜアルテミスの神威を・・なぜ・・・・」

 

 

ヘルメスも意味がわからない

 

これは俺の仕業ならなぜアルテミスの神威を彼が使うのか、でもこの月光はベルとグリフォンは俺のレアスキルの光だとわかる。なぜこんな光が空から降るのかはわからないが、

 

 

「っ!」

 

「あれは!」

 

 

ベルはヘルメスはその月光の柱と同時に遠くから何かに気づいて見た

 

 

「っ!?アンタレス!?」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

『ギイ!!?ギイ!!?ギイ!!?』

 

 

「なんか急いでますよ!」

 

「何か焦っています!」

 

「この柱の下に向かっているぞ!!」

 

「アンタレスがジークの所に向かっているのかもしれません!」

 

 

「皆さん!ジークさんの所へ急ぎましょう!!」

 

 

ヘルメス達が遠目で見たのはアンタレスが急いで下の階層に下っている姿だった。焦っているかのように下にどんどん急いで足を動かしているのがベル達に見えた。この光が自分にとってまずい事態だと。急いで止めようとしている姿に見えた

 

アンタレスが急いでいる姿を見て、自分たちも急いで下に降りた

 

目指すのは俺の居る場所へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその月から放たれる水色の月光の柱は

 

 

オラリオも見ていた

 

 

「っ!?なんや!?あの月から流れる光!?」

 

「これって・・・・・アルテミスの神威!?」

 

 

それに初めに気づいたのはバベルの最上階に居るロキとフレイヤだった。外から見る光景はまたもありえないとしか言えない現象

 

月の矢とは別に、本物の月から水色の月光の柱が一本だけ地面に降りている。

 

そんなまたもありえない光景にロキもフレイヤも驚いた。もちろんなにがどうなっているかなどわからない。でもこれだけはわかる。ここからでも感じる光。そしてその光から流れる力。それは間違いなくアルテミスの神威

 

でも彼女にこんな力は無い。この光の色も違う

 

なのにアルテミスの神威を感じる。なにがどうなっているのかフレイヤでもわからない

 

 

「一体なにが・・・・・・・どうなっているの・・・でもこの光は・・・まさか・・・」

 

 

「ジークや!ジークが・・・・アルテミスを救っとるんや!」

 

 

ロキにはわかる。この光は俺の光だと。確証は無いけど。彼女にしかわからない光。血の繋がった家族にしかわからないもの。俺がどこかでアルテミスのために戦っているのだと

 

ロキにはわかるのだった

 

 

そしてその月光の柱は地面にも光が流れていく。

 

 

「な!?光が!?」

 

「こっちにも流れてくる!?」

 

 

月光の柱が地面に続いているからなのか、東の方から光がオラリオの方まで流れていく。一つ一つ束になった小さな水色の光が波のように流れてくる。その流れてきた光に突風のようなものは感じないが、暖かく。その光に当てられると月の矢に対しての不安が無くなっていく

 

 

「これは・・・・・なに!?」

 

「この光って・・・・前にジーク君が出したもの!?」

 

 

エイナもミイシャも地上に居てその流れてくる光を浴びた。暖かい。けどこれはなんなのかはわからない。でも毒では無い。体が暖かくなる謎の光

 

その光はエイナも覚えている。以前俺の体から放出させた光

 

 

「これは・・・・・ジーク・フリードなのか・・・」

 

 

外壁に居るガネーシャも浴びてわかる。アルテミスの神威だと。そんなものを起こせるのは依頼を受けている俺たちの仕業なのだと

 

でもわからない。この光がなんなのか。心も体も暖かくなるこの光は不安を無くす。そしてこの光から俺のものだと。俺が救う光だと。街の人もわかる

 

 

「なんだ・・・これは」

 

「これって・・・・あの英雄雷帝の・・・」

 

「この光はなんだ・・・・すごい暖かい」

 

 

この光に街の人もどんどんあの月の矢の恐ろしさが無くなり安心する。そしてその光には彼女も反応していた

 

 

「なんにゃ!?この光!?」

 

「とても暖かいけどこれなんなの!?」

 

「どこから流れてきたにゃ!?」

 

 

「ジーク・・・・」

 

 

「え?」

 

「シル?今・・・・なんて?」

 

 

「ジークよ・・・・・・ジークがまたどこかで戦っているのよ!」

 

 

シルにもこの光がなんなのかわかる。そしてこれが俺が流すレアスキルの光だと。またも世界のために命を張っているのだと。またどこかでこの空に浮かぶ月の矢を止めようと戦っているのだと

 

クロエでもアーニャでもルノアでもわからない。彼女にしかわからない光。

 

 

そんな俺が流した謎の光は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルドの地下までも

 

 

「これは・・・・」

 

「なんだ・・・・一体なにが・・・」

 

 

ギルド本部の地下である、ウラノスの間

 

そこでは主神ウラノスと唯一眷属のフェルズと言う魔術師が居る。その地下にも俺の光が流れていた。もちろんこの光がなんのかはわからない

 

 

「一体誰が・・・・・」

 

「ジーク・フリードだ・・・」

 

「なに!?またあの青年か!?あの矢がジーク・フリードに選ばれたと言うのか・・・」

 

 

「アルテミス。お前はあのトールの息子に救われるのだな」

 

 

この光がウラノスには俺が流しているものだと。アルテミスの神威も感じてウラノスはわかっていた。一ヶ月前と言い。俺と言う存在を本当に改めて恐ろしい男だと。ウラノスはあのトールの息子とは思えない力を持っていると

 

これではゼウスとヘラの眷属を超えていると思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンジョンにも

 

 

 

『『『『グウ!?』』』』

 

 

「ん?なんだ?」

 

「モンスターの動きが止まった・・・・どうなっているの?」

 

「団長!」

 

 

「なんだ?何かに反応しているのか?」

 

 

突然モンスターが動きを止め。顔だけを上に上げてキョロキョロと何かを探すかのように、何かモンスターにしかわからない気配感じ取ったようだ

 

その動きにフィン達も反撃もせずにその光景をただ見ていた

 

 

すると

 

 

ビューーーーン!!!

 

 

「え!?」

 

 

「うわ!?」

 

「なんだ!?」

 

「なに!?この光は!?」

 

 

突然外からの入り口から水色の光の波が流れ込む。外だけでなくダンジョンにも流れ込んだ。その光をフィン達だけでなく。モンスター達も浴びる。その光に突風のようなものも無く吹き飛ばされることも無い。だがとても美しく輝かしい光

 

その光が流れると。この部屋全体に波のようにゆっくりと下に流れ、小さな光が雪のように落ちる

 

すると

 

 

『『『『『グゥ・・・・・ガアアァァァァァァァ』』』』』』

 

 

「団長!!モンスター達が!?」

 

「暴走が止まった!?」

 

 

「モンスター達が・・・・深層に帰っていく・・・」

 

 

さっきまで暴れていたモンスター達が、突然力が抜けたかのように暴走をやめ。後ろを振り返って深層に帰っていく。全員。一匹残らず

 

この光を浴びて大人しくなったのか、全員深層に帰っていく

 

 

「なんだ・・・・なにが起こっている」

 

「この光のおかげなのか・・・でも・・・これはなんだ・・・」

 

 

「これって・・・・まさか!」

 

「アイズ!?」

 

「どこ行くの!?」

 

 

オッタルもフィンもこの光がなんなのかはわからない。これがなんの光なのか、どうしてこれがモンスター達の暴走止めて帰らせたのか、理解できない

 

でもアイズはわかっていた。これが誰が発生させた光なのか。それをちゃんと見たいがために、彼女はダンジョンを急いで仲間をその場に置いて一人で出る

 

 

そして彼女が見た地上の光景は

 

 

 

「これは・・・・やっぱりジーク!」

 

 

アイズは急いで地上に出て見た。空の光景

 

それは本物の月から一本の柱が地上に降りていた。その流れいる柱の下にはきっと俺が居るのだと。以前見たことがある浴びたことのある彼女ならわかる

 

希望の光

 

 

 

 

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