ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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英雄オリオン

 

 

 

 

 

 

 

 

その光は世界にまたも広がった

 

月の矢と言う恐ろしい空を誰もが不安だった。その矢と月女神を囚われいているサソリを砕き射抜こうと、一人の狩人は月女神の愛を貰って戦う

 

月から流れるこの柱の月光が。俺の体を変える

 

 

青い髪ではなく。薄くなり水色の髪になって。ロングヘアになる。後ろの髪は女性のように滑らかで美しく。なにも縛る事なくサラサラな髪が靡かせていた

 

服装も変わる。黒い鎧だった装備が。青い長いブーツ。黒のズボン。茶色のロングコート。ロングコートの下には青いワイシャツとその上に青い4つのベルトで巻かれたベスト。首には獅子の毛皮をした少し細いマフラー。そして獅子の毛皮でできた長い手袋

 

服装も姿も全て変わっていた

 

 

そしてオリオンと呼ばれた矢も、いつの間にか柱の月光を浴びて『青い弓』となっていた。弓には刃も付いていた。胴のあたりに金属でできた切れ味の良い斧の形をした刃も付いている

 

その柱の光が無くなると。俺はその姿になったまま矢ではなく。弓を掲げていた

 

 

「ジーク君・・・・」

 

「オリオン・・・」

 

 

「悪いが、今の俺はジーク・フリードじゃないヘスティア。俺は・・・・アルテミスの愛を貰い。狩人となった男。オリオンだ」

 

 

俺はジークじゃない。オリオンだ。

 

ヘスティアには悪いが一時的とは言え、今はオリオンとしてアルテミスの眷属となり、アルテミスの想い人として戦う

 

もう俺に彼女を助ける道を一切変えずにそれを果たそうとした

 

 

すると

 

 

ドカン!!!!

 

 

『ギイ!!!』

 

 

 

 

「っ!」

 

 

「は!降りてきた!」

 

「アンタレス!!」

 

 

アンタレスが俺の力に恐れを感じたのか、天井を壊してここまで無理にでも降りてきたようだ。だがもう遅い。もう俺には勝てない。俺は今最強となった。負けることのないこの愛を砕ける者がいるのなら砕いて見せろと。俺は背中を見せた状態で顔だけ向いて睨む

 

 

ギロリ!!

 

 

『ギイ!?』

 

 

「怖いか俺が?まあ仕方ないか・・・・こんな姿ではな・・・・」

 

 

自分の姿に俺は驚かない。俺はむしろ彼女の想い人にふさわしい正装なのだ。この姿を見たものは絶対に勝てないと恐ろしくなる。そう。なぜなら今の俺は彼女を助ける最強の英雄なのだから

 

怯えている間に、アルテミスの体が消えかかっている

 

 

「っ!」

 

「アルテミス!」

 

 

「もう時間だろうな。分身魔法でもいつまでも分身が保つわけじゃないからな。それにお前の力を少し俺が持っていったから消えて当然だ」

 

 

アルテミスの体はもう限界となっていた。体が光になって消えかかっている。でも全然問題ない。この程度はわかっている。それに俺もいつまでもこのままにする気はない。

 

だから彼女に言う

 

 

「アルテミス。俺が必ずお前を助ける。だから・・・・・待っていてくれ」

 

「オリオン・・・・・待っている」

 

「ああ。その時は精一杯抱きしめさせてもらう」

 

「アルテミス・・・・」

 

「お願い助けて・・・・オリ・・・オン」

 

 

そうして彼女は消えた。光になって

 

でも彼女は死んではいない。今も目の前で待っている。だから彼女を本当の救済する。彼女を救出させて彼女の愛を貰うんだ。まだこれは想いに過ぎない

 

この愛を理解したい。そのためにも俺は振り返り。サソリを砕きに行く

 

 

「ヘスティア。君の親友を助けに行く・・・・許可を貰えるか?」

 

「うん!!ジーク君・・・いや・・・・オリオン君!!アルテミスを!」

 

 

そうしてヘスティアの許可も貰った。いや。必要ないのかもしれないな。なぜなら彼女を救える手段を女神でもあるヘスティア自身も気づかずに諦めていたくらいだ

 

奇跡なことにその可能性が確かにある。あるのならそれに大きく賭ける。この奇跡を。ルーンアーマメント自体なんなのかはわからないが、それでもこの究極の希望に全てを射抜く。俺と言う可能性を信じて。そしてアルテミスを救出するために

 

 

主神として命令を下す

 

 

 

 

 

「僕の親友を!君を想う女神を!救って!!!」

 

 

「了解!ヘスティア様!!!」

 

 

 

 

 

 

そして俺は命令を下され。俺は走る。誰も追いつくことのない海の波のような動き。誰も捕まえることのできない速度。その速度にアンタレス反撃する

 

 

「行くぞアンタレス!最強の狩人に挑む覚悟はあるか!」

 

『ガアアアアアア!!!』

 

 

アンタレスは尻尾から炎のブレスを吐いてきた。だがそのブレスも

 

 

「ふん!!」

 

 

弓を盾にして弾く。アンタレスの攻撃を完全にかすり傷を負うことなく。防いでいた。そして走りながら

 

 

「来い!グラム!」

 

 

パンドラボックスから魔剣グラムを呼び出した。右手に吸い寄せられ掴み。グラムも電を十分に充電しているため全力をすぐに出せる

 

 

「は!」

 

『ガアアアアアアアアアアア!?』

 

 

「アンタレスの脚が斬れた!?」

 

 

奴のハサミを避けて、俺は右足前を斬り落とした。神の力を得ているアンタレスは自己再生をするのだが、神殺しのスキルを持っている俺に神の能力は通用せず。俺の攻撃だけは再生できない

 

真っ二つに両断された脚は灰となった。そのまま続けて奴を逃さないように脚を全部切り落とそうとするが

 

 

『ギイ!!』

 

「っ!ふ!・・・・・そう簡単にはいかないか・・・」

 

『ギイ!・・ギイ!!!』

 

 

「恐れるか俺を・・・そうだろうな・・・今お前の目の前に居るのは・・・・月女神の愛を貰った狩人だ。俺に敵う者など居ない!お前は俺には絶対に勝てない!!!」

 

 

『ギイイイイイイイイイ!!!』

 

 

だが尻尾で刺してくる。俺は一度飛んで下がる。そこまで簡単にいかない。アンタレスだって俺の威力に驚いている、だから警戒し、動いて反撃して崩されないようにしているのだとわかる。近づかせないようにしているようだ

 

だが、モンスターだからこそ考えが甘い

 

 

なぜなら武器は『長剣』だけじゃない。確かにここには刃が付いている武器が左手に今持っている『弓』。これに弓に繋がっている光の紐を引っ張る

 

その引っ張った部分から光の矢が具現化する。その光の矢を5つ放つ

 

 

「この矢は必ず射抜く!!避ける事も防ぐ事もできない!!」

 

 

『ギイ!?』

 

 

その光の矢は本当に俺の言う通り、アンタレスの体の彼方此方に射抜かれる。近づかないようにさせていたようだが、俺は狩人。冒険者でない。お前を狩る狩人。俺が遠距離でも逃さない武器を持っていることにアンタレスはどうやら油断していたようだ

 

俺が弓で距離を保っているのに気づいて、尾からブレスを吐く

 

 

「ふ!」

 

 

だがもうアンタレスの動きのパターンは読めた。だからもう簡単に避けられる。でも苦戦しているのは事実。威力があっても一人では奴を殺すのに時間がかかる。空に浮かぶ矢も限界になっていると言うのに

 

できれば奴の気を引ける者がいれば

 

 

と考えていると

 

 

『主!!』

 

「っ!グリフォン。降りてきたのか?」

 

 

「ジークさん!!」

 

「ベル。あいつらもここに辿り着いたのか」

 

「ジーク!・・・ってうお!?なんだその格好は!?」

 

「いつそんな装備を!?」

 

「いつからそんな高級な弓を持っているんですか!?」

 

「あなた・・・・・この階層に降りてから何があったんですか!?」

 

「さっきと・・・・随分とお姿が・・・・髪もとても長いですし・・・」

 

「なぜ君が・・・・・・アルテミスの神威を?」

 

 

「ちょうどここに辿り着いたか」

 

 

運が良い事にベルたちもこの階層に辿り着いたようだ。説明したいのは山々だが。今はそんな暇も無く。簡単な説明の目的を通達し、これから目的の変更を言う

 

 

「目の前に居るアンタレスが居るから説明はできないが、これからの目的だけは伝える。奴の動きを封じろ。俺が必ずあの腹に埋め込まれたアルテミスを助ける。アルテミスを殺さず助ける方法が俺にはある。だから俺に力を貸してくれ!!」

 

 

「は!?あるのかい!?彼女はもうモンスターに取り込まれたんだぞ!?」

 

「ああ。ヘルメスはヘスティアの所まで下がれ!理由を言う暇はない!とにかく援護してくれ!」

 

 

「わかりました!リオン!」

 

「はい!ジークさんの姿に驚きましたが・・・今はジークさんにアルテミス様に助ける方法があると言うんですね!」

 

「だったらジーク殿を援護するまでです!」

 

「だったらやるしかねえな!リリスケ!これを!」

 

「え!?クロッゾの魔剣!?リリに!?」

 

「一発だけだ!外すなよ!」

 

「はい!」

 

 

「ジークさん!アルテミス様を助ける手段をやっぱり見つけたんですね!」

 

「俺のレアスキルでな。だから俺はアルテミスは救うために。手伝ってくれ。奴の動きを止めるために反撃をするんだ」

 

「はい!」

 

 

「ヘスティア!本当にジーク君にアルテミスを救う手段があるのか!?」

 

「ある。でもやった事はないみたい。それでも・・・・・・ジーク君を信じてその可能性に賭ける!」

 

 

どうして俺が髪も長くなって装備も変わった。何がどうなっているかヴェルフたちは状況がわからないが、今アルテミスを救う手段を俺が所持しているなら、俺の援護をして、アンタレスの動きを封じる攻撃を蓮撃すると、救出方法の詳細は知らないが。言う通りに動く

 

ベルはまだ俺がアルテミスを救う手段を諦めずに果たそうとしているのを。ベルはわかっていたようだ。どこまでも希望を諦めない子供だ。だが誰もがそう望むだろうな

 

ヘルメスもヘスティアにその救出方法を聞くが、ヘスティア自身もあのレアスキルの詳細を完全にまでは知らない。それをまだ使った事もない。だがそれで助ける手段は限りなくゼロではない。だからその方法に賭けようと

 

彼女は両手を合わせて祈る。

 

 

俺が必ずアルテミスを救うことを

 

 

 

「なんだって構わない!奴に攻撃をし続けて動きを封じろ!奴が俺に攻撃できなければなんだっていい!」

 

 

「なら!」

 

「遠慮なくいきます!」

 

 

「ファイア・ボルト!!」

 

「フツノミタマ!!」

 

 

『ギイイイイイイイイイイ!?』

 

 

俺の指示通り。本当に容赦なくベルと命は魔法を繰り出した。ハサミに炎を出して攻撃させないよう焼かし。命が重力魔法でアンタレスに重力を賭けた

 

その間を狙って俺はまた矢を放つ。その矢は今度は右腕に刺さり、右のハサミが矢によって切断した

 

 

『ギイイイイイイ!!』

 

 

「よし、右は切断した・・・・・っ!」

 

 

『ギイイイイイ!!』

 

 

「アンタレスが!?徐々に動いています!?」

 

「重力に逆らってやがる!?命の重力魔法があるのに!?」

 

「さっきからジークさんの方を狙っていません!?」

 

 

「どうやらアンタレスは無理にでも。俺を殺そうとしているようだな・・・・俺が危険だとわかるか・・・」

 

 

命がフツノミタマで重力の重さで動けないはず、だが重力に無理にでも逆らってでも体を動かし。俺を早めに殺そうとしているらしい。さっきからベルやアスフィたちの攻撃を無視している。

 

俺が同じアルテミスの力を得ているから、空に浮かぶ月の矢を破壊されるのがわかると、アスフィ達を無視して俺を殺そうとしているようだ

 

だが

 

 

俺を殺すのは無理だ

 

 

「ふ!」

 

「ジーク殿!?」

 

 

フツノミタマがまだ展開しているのに俺はその範囲の中へ飛び込んだ、今度はアルテミスの弓とグラムをその場で捨て、俺は拳で殴りつける。

 

 

「ふ!」

 

『ギイイイ!?』

 

 

「うお!?なんだこの威力は!?」

 

「ジークさんが殴っただけでアンタレスの甲羅が壊れた!?」

 

「ジーク様・・・・・・本当になぜあんな威力を!?」

 

「ジークさん・・・・いつからあんな力を・・・・」

 

 

奴の体の下の甲羅を俺はストレートで殴った。それだけで砕けた。それもこのルームに地震を起こす威力で。ドカンと。どう考えても殴って出せるような音ではない。足に少し力を入れただけで地面がヒビが入っている。俺が殴っただけでその突風を巻き起こし、壁や地面と天井が崩れかけるほどの威力を俺は出すことができる

 

もちろん命のフツノミタマの重力に沈むことなく。普通に立っている

 

 

「どうだ?・・・・お前が神の力を得たからと言って、俺に勝てるとでも思ったか?今の俺に敵う者など居ない。今の俺は・・・・アルテミスのおかげで最強だ」

 

 

『ギイイイ!!!』

 

 

「モンスターらしいな。だがその上半身は鬱陶しいな」

 

 

サソリとは思えない体はしていた。下半身はサソリの体だがその尻尾に上半身のようなものが生えている。まるで竜の体をしている。サソリのモンスターではあるが体全体がサソリそのものではない。カニとサソリが合体したような体だ

 

俺の威力を味わっても、まだ俺を殺そうと諦めないようだ。モンスターらしいではある

 

でもその上半身が鬱陶しいと、手を後ろに回してグラムとアルテミスの弓を手に引き寄せ掴む

 

今度は上半身を切り崩しに行く

 

 

「命!もういい!魔法を解け!今度は上半身を斬りに行く!グリフォン!」

 

『はい!お乗りください!』

 

「ふ!」

 

 

俺は地面から飛んで、宙に飛んでいるグリフォンの背中に乗る。上半身を今度は崩す。足は簡単にいつでも崩せる。矢で射抜くのもいいが、上半身に付いている腕が邪魔で上半身の体本体に傷つけらない

 

命に重力魔法を解いて貰い。今度は上を崩す

 

 

「グリフォン!あの上半身の方へ近づけ!一気に崩す!」

 

『了解です!』

 

「アスフィ!リュー!援護を頼む!」

 

「わかりました!」

 

「お任せを!」

 

 

今度は空から攻撃を掛ける。上半身からブレスを吐かれるのが面倒だと。斬り崩す。弓にも刃がついている。両方でアンタレスの体がどんどん徐々に傷だらけにして、甲羅が砕いて上半身をバラバラにする

 

 

「遠慮なく斬り崩す!!はあ!は!ぜやあああ!!」

 

 

『ギイ!?ギイ!?ガアアア!!?』

 

 

「本当に・・・・ジークは・・・私たちと別れてから・・何が・・・」

 

「アンドロメダ。詮索したがる気持ちはわかりますが・・・今は目の前に居る敵に集中を!」

 

「なら遠慮なく。マジックアイテムを全部使い果たすまで!」

 

「私も魔法で繰り出すまで!」

 

 

上半身の体をグリフォンに移動任せて近づき斬り崩す。アンタレスはブレスを吐きながら俺に反撃するが、グリフォンは一度相手しているため、パターンが読めるのか全部避けられている。避けた隙を狙って俺は斬る。甲羅には大きく切り傷ができる。あの硬い甲羅に傷を入れるなど。

 

ありえないとアスフィは俺のする事に驚くが、とにかく援護をしようとマジックアイテムを使い切るまで追い込もうとする。リューも魔法で崩しに行く

 

 

「なんで・・・・ジーク君の攻撃は・・・自己再生しないんだ・・」

 

「今のジーク君にできない事なんてないよヘルメス。今のジーク君はアルテミスのため・・・・・・・最強になったんだ」

 

「ヘスティア・・・・」

 

 

俺は神殺しのできるレアスキルを持っている。神の力を得たところでそれを無効にできる俺の攻撃は再生できない

 

それに、ヘスティアの言う通りだ

 

俺はもう迷う事もなければ、俺のやるべき事も決まっていた。アルテミスのために全てを射抜く。容赦はしない。このデタラメな威力を出せるのも彼女のおかげだ。今の俺は彼女を救いたい

 

彼女を救うために滅ぼす。俺には絶対に勝てない。俺を殺せるのなら殺してみろ。今の俺に敵う者など居ない。俺はアルテミスに愛された男

 

 

オリオンだから

 

 

だから射抜く。お前のその頭を。と、俺は光の紐を引っ張って光の矢で射抜いた

 

 

『ガアアアアア!!?』

 

 

「は!!」

 

「ルミノス・ウインド!!!」

 

 

『グガアアアア!!!』

 

 

俺の矢と同時に、その後アスフィやリューが追撃した。バーストオイルとルミノスウインド。爆破と風の弾丸が上半身に直撃する

 

上半身は十分に崩れた。もう上はいい。下も上も十分に足や腕を切り崩せた。

 

これで腹に埋れている宝石に中に閉じ込められたアルテミスを助けられると。俺はグリフォンの背中から降りて、奴の前に降りる。奴はもう俺のダメージで

 

だが

 

 

『ガアアアアア!!』

 

 

「まだ足掻くか・・・・しぶとい奴だ」

 

 

足や腕を切られていると言うのに、どうやらそれでも足掻くようだ。無理に動いて俺を殺すことを諦めないようだ。

 

だが時間を掛けさせるつもりはない。空に浮かぶ月の矢がそろそろ矢が完成し掛けている。そろそろ排除しないと放たれてしまう

 

そろそろ終わりにする

 

 

「ヴェルフ。リリルカ。頼めるな?」

 

 

「おう!」

 

「はい!」

 

 

まだ援護をして貰わなければ突破できない。狙撃するにも距離が離れるだけでも威力はそこまで強くない。ムーンライト・オリオンは確かに威力も力も大きく強いだろう。だがそれでも足りない。奴が俺に勝てる力はもうほとんど無いとしても。それが体でわかるのなら

 

次でアンタレスは俺を確実に殺そうとまたアルテミスの矢を使うと俺は予測する

 

もちろん空にある月の矢だってもう少しで完成する。時間は無い。なら・・・・・・

 

 

決着は次で決めるしか無いと。俺は今度は光の紐にグラムを通し、魔剣を矢にして俺は必殺技を叩き込むと雷や魔力を回す

 

 

でもまだアンタレスが邪魔をする。だからヴェルフとリリルカに任せて。足を踏み出して走る

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

『ギイイイ!!』

 

 

今度は真正面からグラムをアルテミスの弓に通し、引いて放とうとする。だがそれと同時にアンタレスも小さくではあるが、目の前で水色の光が集まる。その光が徐々に弓矢となった。アルテミスの矢を展開したのだ。それを俺に解き放とうした

 

 

だが

 

 

「させるかああ!千火あああああああああああ!!」

 

「この!雷火あああああああああああああああ!!」

 

 

『ギイ!?キイイイイイイイイイイイイイ!!!』

 

 

俺の後ろからヴェルフとリリルカも同時に飛んでいた。ヴェルフが放つ炎の大剣『魔剣・千火』と、リリルカがボウガンで放った雷の短剣『魔剣・雷火』を同時に放った。

 

振り下ろされた大剣から合縁が吹き出す。そしてその横で光速で射抜く矢のような一線から膨大な雷が放出した。こんな時にこそ一発しか使えない一撃をヴェルフもリリルカも今この時に使うべきだと判断したのか、この一撃に全てを賭けて放った

 

その一撃がアンタレスの顔に直撃する。体はほぼボロボロ。神の力を無効する力が二人に無くても、怯むことはできる。だからアンタレスは反撃しようにも他の邪魔で鈍るのか、目の前で展開しているアルテミスの矢がぐらつく

 

だが

 

 

『ギイイイ!!』

 

 

「嘘だろ!?」

 

「まだ動いています!?」

 

「そんな!?ヴェルフ殿の魔剣でも!?」

 

「あれだけ喰らっていたのに!?」

 

「まだ足掻くつもりですか!?」

 

『相変わらずしぶといモンスターです!』

 

 

「ダメだ!!このままじゃあジーク君が!!」

 

「ジーク君!!」

 

 

ぐらついているが、それでも俺から解き放つことをやめないようだ。アルテミスの矢は消えることはなかった。あともう少しだと言うのに届かない。これだけ邪魔をしてもアンタレスは諦めないようだ

 

また邪魔しようにも一発しか撃てない魔剣はもう砕けてしまった。アスフィももうマジックアイテムも使い果たした。リューも命も魔法を放とうにももう限界。近くにしても俺の矢の巻き添いを喰らう。もう気を逸らす手段が無い

 

このままでは俺は射抜かれてしまうとこの場を見た誰もが思った

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

「頼むぞ・・・・・」

 

 

その中でも俺は怯むことなく。真正面を突っ切る。目の前に自分より大きいアルテミスの矢が展開されているのに危険を顧みず。俺はグラムを放とうとしている。このままじゃあ今放つ矢を目の前にある矢を弾かれてしまう

 

それでも俺には手段はまだあった。むしろ頼んでいた。今グリフォンはアンタレスをひつこいモンスターだと言った。だがそれよりひつこい奴が俺には居る。現実を突き付けても夢を見ることやめずに英雄になろうとする・・・・・俺に憧れた少年がな

 

 

「ベル・・・」

 

 

「ファイアアアアアアアボルトオオオオオ!!!」

 

 

『ガアアアアアアアアアアアアアアア!!?』

 

 

「ベル!?」

 

「いつの間に!?」

 

 

天からアンタレスの頭の上に乗って、ベルは炎を解き放って横に避けた。いつの間にそんなところに居たのかとヴェルフ達が思った。でも最初からではない。もちろん途中で思いついてそこに移動していた。自分がどう動いていいかどう動くべきか、ベルなりに考えていたようだ

 

本当にここまで粘るなど。やっぱりあいつはすごいなと思う。苦しい現実を突き付けられても諦めずにそれを変えようとする根性。本当にアンタレスよりもひつこい英雄に憧れる少年が居たものだ・・・・

 

だが

 

 

「ありがとう・・・・・これで彼女を助けられる!!」

 

『ガアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

ベルが解き放った炎のおかげでアンタレスは自己再生できても痛みで苦しみ、アルテミスの矢は保つことができないまま光になって消えた。そしてその消えた直後にそのまま通過し。奴の腹まで近く

 

距離も遠く離れていては威力も弱い。だから今度はゼロ距離で放つ。そうすれば威力も増す。こんなチャンスを見逃すことなく放つのみ

 

 

「ルーンブレイク・・・発動・・・」

 

 

右手から魔剣に雷を流す左腕から弓に光を流す。力を溜めて全てを解き放つ。この時を待っていた。囚われたお姫様・・・・・なんて言葉ではなく月女神を救うために、狩人として放つのみ

 

 

弓は月のように輝き。魔剣は全てを貫く、雷は轟く。全てを射抜く。この可能性に賭けてみよう。俺でも諦めていた。確かに何も想っていない。彼女のことなど一切。だけど・・・・・愛されているから救える手段があるのなら俺は救おう

 

 

いや・・・・やってみせる。

 

 

アンタレス。お前はやってはらなない罪をした。あの後ろに倒れるアルテミスの眷属の仇とアルテミスの分も含めて

 

お前には絶滅して貰う。

 

俺は腹の近くにグラムを突きつけて・・・・・静かに放つ

 

 

 

「フォルモーント・シュラーク

 

 

 

ガン!!!!!!

 

 

 

『ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?』

 

 

解き放ったグラムは矢となってアルテミスを隠している腹の甲羅を突き刺し砕いた。砕かれたのは腹の甲羅だけではない。奴の体全体にルーン文字の魔法陣が広がり、その魔法陣が広がると同時に体全体の甲羅も砕けた。その衝撃により体がバラバラになった。ハサミも足も全部全て衝撃に切断され。もうサソリの体として見る影も無い。大きな魔法石が体から抉り出されて見えた屍となっていた

 

もうアンタレスは死ぬ寸前。その前に

 

 

腹の甲羅が壊れた中から、宝石の中に囚われたアルテミスを救出する

 

 

「ふ!」

 

 

そのまま腹に近づいたまま、右手の拳で宝石を殴って破壊する。そしてアルテミスが無防備ながら体を晒して、足にアンタレスの体が埋めつけられていた。やっとここまで来た。これで救ってあげられると。俺は彼女に近く

 

 

「アルテミス・・・・待たせたな」

 

 

見る限りではアルテミスは完全にアンタレスと体が一体化しているのがわかる。神を喰うとこんな姿になるのだと初めて見る。確かにこれではもう取り出すことはできない。ヘルメスもそれがわかって彼女ごと殺すしかないと、アンタレスが神の力を得たから自己再生すると。理解して俺に矢を託したのだろう

 

 

だが

 

 

俺ならなんとかできると。俺は彼女を・・・・・・・・両手で抱く

 

 

そして

 

 

 

神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)・・・発動」

 

 

 

『ギイ!?ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?』

 

 

 

「なんだ!?」

 

「ジーク様の体から雷が!?」

 

「アンタレスの体ごと・・・・放電しています!」

 

 

神殺しのレアスキルを発動させると、俺の体から黒い雷が放電し、アルテミスとアンタレスも体に流れた。痺れてアンタレスが痛みで嘆き叫んだ。その光景をベル達が見ていた。何がどうなっているかわからない。もちろん何をしているのかも

 

アルテミスを抱いて放電をしているようにしか見えない

 

でも

 

 

ズルズル!!ズルズル!!

 

 

「見てください!アルテミス様の下半身が!?」

 

「アンタレスの体から抜けていく!?」

 

 

アルテミスの下半身がアンタレスの腹の肉から徐々に抜け出していく。明らかにアルテミスがアンタレスの体から抜け出していく。俺の神殺しのレアスキルは成功した。まさか本当にうまくいくとは思わなかったとヘスティアも今思っているだろう

 

でも俺は絶対に果たすと約束されていた

 

彼女は俺に救われると。予言したかのように未来が約束していたように

 

この物語は狩人が月女神を救うと。お話が決まっていたと。俺は必ず救えると確信していた

 

 

「ふ!」

 

 

『ギイイイイイイヤアアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

「ぬん!」

 

「アルテミス!!」

 

「無事なのか!?」

 

 

「大丈夫だ。息はしている」

 

 

俺はそのまま彼女を強く抱いて、足でアンタレスの腹の肉を蹴り。アルテミスの体から引き離した。そしてアルテミスの頭を右手で抑えて抱いたまま。後ろに飛んでヘスティアが居る安全地帯まで下がる

 

そしてアルテミスを救い出せたことで、ベル達やすぐにヘスティアもヘルメスもアルテミスの所に集まり。無事かどうかを確認する。だがそんなことをする必要なく。俺が確認して息があると確かに脈もあった

 

 

「アルテミス・・・・アルテミス!!」

 

 

「っ・・・・・・っ!・・っ!?私は・・・・・」

 

「アルテミス!!」

 

「大丈夫か?アルテミス?」

 

「オリオン・・・・まさか・・・君が本当に・・・」

 

「言っただろう・・・・俺が必ず助けるから待っていろと・・・・俺が叶えたぞ」

 

「オリオン・・・・ありがとう!オリオン!!」

 

 

アルテミスはヘスティアの声にしっかりと聞こえ、彼女は目を開けて目覚めた。彼女は無事にアンタレスから救出できたのだ。それも体に傷なく。元の体のまま彼女は救い出せたのだ。彼女は喜びのあまり泣きながら俺に抱きついた。俺も優しく彼女の背中を手を回す。不可能と言われた神がモンスターに喰われた事態を俺が見事救い出し果たせたのだ

 

その光景にヘルメス達は

 

 

「すごい・・・・・こんなの奇跡だ・・・・・モンスターに喰われた神を救い出すなんて・・・・ジーク君・・君って子は本当に・・・・」

 

 

「すごいですジーク。あなたは・・・・本当に英雄以上なことをしています」

 

「流石はジーク殿です!」

 

「アルテミス様を本当に救えました!」

 

「ああ!流石は俺たちの団長だぜ!」

 

「ジークさん・・・あなたは・・・本当にすごい人です!」

 

『主!見事です!私やフレイ様でも倒せなかった怪物を倒し、あまつさえアルテミス様を救うなんて・・・・もはやあなた様にできないことはありません!」

 

 

「はい!流石は・・・・・・僕らの英雄です!!!」

 

 

モンスターに喰われた神はそのモンスターと体が一体化され、普通は一緒に殺さないと助からない。それを俺はあり得ないことに本当に救出させたのだ。奇跡としか言いようだない。これはもはや英雄以上の救済だ。方法なんて何もないと言うのに、俺のレアスキルだけで助けるなど

 

それを果たした俺をヘルメスは壮大な評価をすると同時に、俺と言う存在が更に気になるようになる

 

アスフィもその光景に驚くが、ベル達は割りかし必ず俺が果たすと、不可能を可能にするとこの事態をも解決するとわかっていたようだ。団員にしかわからない絆で結ばれた友情なのだろう

 

だから俺が必ず果たすと。俺が他の人とは違うことをすると。理解していた。必ずこうなると

 

 

そしてアルテミスをいつまでも裸にできないため、俺はパンドラボックスから体を巻けるほどの布を取り出してアルテミスの体を隠す。神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)で俺が触れているから神の力を使ったとしても天界に送還は無効され、アルテミスが送還されることはないが。まさか本当に効くとは思ってはいなかった。どうやら破壊や無効するだけではないようだ。神を殺すだけでなく神を救うこともできるようだ

 

 

アルテミスを無事救出させた。これでこの依頼は完了だと思っていた

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

「っ!なに!」

 

 

「どうしたのジーク君?」

 

 

俺はある力に反応した。その力は空から来ていた。アルテミスを救えたというのにあれが消えていなかったことに驚いた。もちろんそれに反応したのは今あれが解き放たれようとしていた

 

消えてないと言うのは

 

 

 

 

 

 

 

 

「月の矢が・・・・・・まだ空にある!」

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

「なんで!?アルテミスの矢が!?」

 

「どうしてだ!?アンタレス からアルテミスが分離したんだぞ!?なんでまだ空にアルテミスの矢が!?」

 

 

「アンタレスの仕業だ・・・・・・自分の力を最後まで振り絞って・・・・せめてアレだけは撃つつもりだ」

 

 

「なんだって!?」

 

「まずいぞ!?あの矢は間違いなくオラリオに向けられている!このままじゃあ本当にオラリオだけでなく下界も吹き飛ぶぞ!?」

 

 

「くそ!」

 

「ここまで来て!」

 

「まだこんな問題が!」

 

「そんな!どうしたら!」

 

 

今空が見える天井の穴を見上げたが。空に浮かぶ月の矢はまだ消えていなかった。アンタレスはもう自分が死ぬことは覚悟しているようだが、最後の力を振り絞ってせめて空に浮かぶ月の矢だけは放とうと悪足掻きをしていたようだ

 

もちろんもうあと数分で放たれてしまう。でもあんな空に遠く浮かんだ月の矢をどうにもできない。空が飛ぶことのできるアスフィでもどうにもできない。おまけにアイテムも尽きた。魔法も限界に近い。そんな状態で空に浮かぶ月の矢まではなにもできない

 

 

ここまで来て、アルテミスを救う奇跡を起こしたのにも関わらず、もう手段もなくなった状態でこんな事態になるなど。最悪な状態だった

 

もう本当に手段も無いと。ベルでさえも諦めかけていた

 

 

 

だが

 

 

 

 

「ジーク君?」

 

 

「まだ手段がある。俺のレアスキルは本来このような事態に使うものだ。もう一度ルーンブレイクを使ってあの月の矢を破壊する。俺のレアスキルなら完全に破壊できる」

 

「そうか!そうだジーク君がまだ居る!ジーク君があの月の矢を破壊すればいいんだ!」

 

「そんなことできるのか!?」

 

 

「ああ。俺ならやれる」

 

 

そう、本来俺のレアスキル神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)は神の力を破壊するのが使い方。この事態も俺なら乗り越えられると、俺は光の紐を引っ張って光の矢を具現化し。上に向けて放とうとする

 

 

「オリオン !急いでくれ!もう少しで放たれてしまう!」

 

「ああ。さあ・・・・・・これでこの依頼は完了だ」

 

 

そうして光の矢を引いて。空に放つ。月の矢が地上に撃たれる前に。これで今度こそこの依頼も達成だと。もう心配することなど無い

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュ!!!!!!!

 

 

 

「え?」

 

「え?」

 

「な!?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

『主!!!』

 

「っ!?ジークさん!!?」

 

 

力を溜めて射抜こうとした瞬間、突然俺の胸から紫色の爪のようなものが刺さっていた。それも心臓を確かに貫いている。後ろから何か刺さったのだと後ろを向いた

 

その後ろを向くと・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐは!!・・・・・ぬん・・・・貴様・・・・」

 

 

 

『ギイ・・・ギイ・・・・』

 

 

死にかけたアンタレスだった。体はバラバラでもう反撃する隙も手段もなかったと思ったが、尻尾だけはいくつか欠けていてもボロボロになっても体としっかりと繋がっていた。その状態で邪魔だけはさせないと、俺の背中を刺したようだ

 

アルテミスを助けたことで安心してしまったから。油断してボロボロになったアンタレスが反撃するはずないと判断を誤り油断してしまった

 

まずいと、俺の体は完全に重傷を響き渡す。それでも痛みに我慢して俺は弓を下ろさず、この痛みで一瞬力を弱らせてしまい。また再度矢に魔力を回して放つ

 

でも

 

 

『ギイ・・・』

 

「く!!・・・・・・はあ・・・はあ」

 

 

アンタレスもまだ足掻こうと尻尾に力を入れて矢を撃たせないとさらに爪を奥へと俺の体を刺す。そこでこのままでは放つにしては無理だと。大きな声で頼む

 

 

「ベル!!!・・・アンタレスを・・・・アンタレスを・・・倒せえええええええ!!」

 

 

「ぐう!よくもおおおおおおお!!」

 

「テメエエエエエエエエエ!!」

 

「ジークさんをよくも!!」

 

 

ベルにボロボロになったアンタレスを殺すように頼んで、俺はそのまま弓を上に向けたまま動かず力を溜める。ベルだけでなくヴェルフやリューまでもアンタレスを睨んで息の根を止めようと襲いかかる

 

 

「オラああ!!」

 

「この!この!この!!!」

 

「くそ!くそ!くそ!よくも!よくも!よくも!・・・・ファイア・ボルト!!!!」

 

 

『ギイイイ!?・・・ギイイイィィィィィィィ』

 

 

ヴェルフが大剣で奥まで刺し、リューが眼玉に木刀で刺し、そしてベルがその後にナイフで何度も斬りつけ。最後に魔法石に炎魔法で焼かし

 

今度こそアンタレスは灰になって、大きな砕けた魔石だけを残していった

 

 

 

「はあ・・・・はあ・・・はあ・・・ぬん!!!」

 

 

俺の胸に刺さったアンタレスの尻尾も灰となって突き刺された胸から大穴が空いて、血がその穴からも口からも出ているが

 

それでもやめずに、俺は放つ。

 

心臓も刺されていてはもう俺は助からないが、せめてアレだけは落とそうと最後を振り絞る。

 

 

「我が名はオリオン。今こそこの矢で我を想う月女神の災厄を撃ち抜け、神創たる全ての力を持って我が全てを月女神に捧げる」

 

「やめてくれ・・・オリオン・・・その体では・・・」

 

「我が命に価値無し。だが我が命で月女神が救えるのなら、歓喜を持ってこの命を矢となって撃ち払う。我は彼女の伴侶としてこの因果を砕く。魔の災害を滅ぼせ。彼女の悲しみを、彼女の痛み。彼女の負の全てを壊せ」

 

「頼む・・・・やめてくれ・・・オリオン・・・ジーク・・・そんな事をしたら死んでしまう・・・」

 

「神なる矢、月女神の矢、月光の矢。複数の名で語られるこの矢は、真名・英雄オリオンの矢。獲物を完全に駆け抜ける。絶対無二の一撃。今こそ我が約束の命と言う糧として・・・・・ぐう・・・・・はあ・・・・はああ・・・・・アルテミスのために朽ちろ!!!」

 

 

「やめてくれ!!ジークウウウウウウウウ!!!!!」

 

 

アルテミスだけは救わねばと。最後の力をこの矢に込める。彼女が貰った愛もここで尽きてしまうが、それでもいい。俺の命など所詮価値はなかったんだ。そんな価値をアルテミスに使って終わるなら本望だと

 

俺の命を犠牲にすることを選んだ

 

 

彼女がくれたこの愛も。彼女と過ごせたこの思い出の旅も。彼女とあの湖の上で踊ったダンスも。彼女と過ごせた楽しいことの全てをこの矢に込めて

 

この矢に水色の光が集まり終わるのを確認して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放った

 

 

 

「ルーンブレイク二連撃目!!!フォルモーント・シュラーアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!!!」

 

 

ビュン!!!

 

 

と俺が彼女と過ごしてきたこと学んだことも全てを込めた矢が空に飛んだ。飛んだ矢はまっすぐと天に跳び。向かう先は月の矢へと。しっかり届いた

 

この矢が外れることも、防ぐこともできない。そしてレアスキルの力も入っている。だからあの矢は確実にアルカナムを破壊する。その矢が月の矢に直撃すると

 

 

 

ドカン!!!!!!!

 

 

「「「「「うわああああああ!!!!」」」」」

 

 

全員衝撃に備えてその天から青い光の爆発が発生する。その大きな衝撃と突風が世界に広まり、誰も彼もが吹き飛ばされそうになる。世界に衝撃を与えてしまったのだ

 

俺はそのまま解き放ったまま固まったまま動かないで立っている。その衝撃に吹き飛ばされることなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその衝撃はオラリオにも届いていた

 

 

「くう!」

 

 

「なんにゃ!」

 

「なにがどうなっているの!?」

 

「変な光があの月に当たったにゃ!」

 

 

シルたちにもどうなっているかなどわからない。でも月の矢に下から小さな矢が当たり、その衝撃で光の爆破を空から起こった。その衝撃の突風がオラリオにも巻き起こした。そして

 

 

「ん?」

 

「止んだにゃ・・・・」

 

 

しばらくすると衝撃も無くなり。空には月の矢も無くなり。そして空から小さな青い光の雪が降ってきた

 

 

「「「「「「うおおおおおおおお!!!!」」」」」

 

 

「やった!!月の矢が無くなった!」

 

「下界が救われたぞ!」

 

「すげえ!あの英雄様がまたやったんだろう!すげえ!」

 

「流石は俺たちの英雄様だ!」

 

 

「「「「「「雷帝!雷帝!雷帝!」」」」」」

 

 

街の人々は月の矢が無くなったことで喜び。歓声を上げた。またも俺が世界を救ったとなぜかのこの光を浴びてわかるのか。現場にいる訳でもないのにこの光が感覚だけで俺だと認識するようで。また俺が世界を救ったと街の人々が騒いでいた

 

 

「すごい・・・・なんて子なの」

 

「うう!!流石はジークや!!!」

 

 

バベルの最上階に居るフレイヤもロキも歓声を上げた。ベヒーモスの事件と言い。本当に俺がなんでも解決して救うなど。フレイヤでも想像していなかった。でも今はなんだっていい。救われたには変わりはないから

 

そしてロキは喜びのあまり下の階に降りて、宴を開こうとする

 

 

そして地上でギルド本部でも

 

 

「エイナ!・・・・雷帝ジークがまたやったよ!」

 

「うん!!ジーク!本当にすごいよ!」

 

 

ミイシャもエイナも喜んでいた。まさか本当にまたも俺が救ったことに、世界の危機をまた解決したなんて信じられないかもしてないけど。またも俺が果たしたのだと。この光を浴びてなぜかそう感じたのだった

 

 

そしてバベル前でも

 

 

「ジーク・・・・・すごい」

 

「ジークさんが・・・・・また世界を救った!」

 

「ティオネ!ティオネ!やっぱりジークはすごいよ!」

 

「本当に・・・・あいつはどれだけ強いのよ」

 

「くそ・・・・・また俺はあいつに救われたっていうのか・・・」

 

 

「リヴェリア・・・どうやらワシらはまた・・・」

 

「ああ。私たちはまたもジークに救われたようだ」

 

 

「オッタル。君たちには借りができたね・・・」

 

「俺は女神の言う通りに動いただけだ。お前たちのためじゃない。それに・・・・・モンスターもあの空も解決したのはジークだ。俺たちではない」

 

「くそ・・・・あいつ・・・・ここまで強いのかよ・・・」

 

 

ダンジョンでモンスターを食い止めていたフィンたちやオッタルたちも地上に出て、この光の雪が降る空を見上げた。彼らもこの光が俺が放出しているものだとなぜか心から認識するのだった

 

そしてまたも世界を救われた。そしてダンジョンに暴走するモンスターも沈ませ深層に帰らせたのも俺のおかげだと。オッタルたちは自身のおかげではないと謙遜する。

 

でもまた俺が世界を救ったことに対して、ベートとアレンが不満そうにしていた

 

フィンも理解できる。

 

 

「ジーク・・・・君は本当にすごいな・・・・」

 

 

もう英雄以上なことをしている。俺のやること。そして強さも含めて世界救世主としか言いようがない功績だった

 

 

 

 

 

 

そしてギルド本部地下・ウラノスの間

 

 

「ウラノス・・・・またあの青年がやったぞ」

 

「ああ。トールの息子・・・お前はやはり歴代最強の英雄だ。しかもありえんことに・・・」

 

「どうした?」

 

「アルテミスまでモンスターと分離させて助けた。本当に奇跡を起こす子供だ」

 

「バカな!?まさか・・・・モンスターに喰われた女神を救うなど・・・」

 

「ああ・・・・・・トール・・・・お前の息子は本当に・・・・恐ろしいほどだ」

 

 

ウラノスもフェルズも今回のことに関して、重く受け止めなくてはならないようだ。不可能と言われた女神までも救うなど。ウラノスは半神と言う俺を恐ろしく思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして戻って豊饒の女主人

 

 

「やったにゃ!」

 

「ジーク!すごいにゃ!」

 

「ジークあんた・・・本当にすごいわよ!」

 

 

世界を救った俺を豊饒の女主人の店員である。アーニャやクロエやルノアも歓喜を起こす。また俺が世界を救うなどまたも信じられない事件だ。でも彼女たちにおいては嬉しいことなため、大いに喜んでいた

 

だが

 

 

「そんな・・・・そんな・・・・そんな!!!」

 

「ん?」

 

「シル?」

 

「どうしたにゃ?」

 

 

 

 

「ジーク・・・ジークが!!!」

 

 

彼女だけは泣いていた。喜びの涙ではない。悲しみの涙だ。

 

シルにしかわからないこと。シルには遠くに居てもわかるのだ。なぜ今俺がなにがどうなっているのか、彼女にはわかる。そして彼女は悲しく手を口に抑えていた。世界を救ったのは良い。でも今俺は・・・・・・・・

 

 

女神のために自分の命を犠牲にしていたことを。彼女は遠く居てもわかっていた

 

 

 

 

 




英雄オリオンは月女神のため、救うために全てを放った。

悲しい結末だったとしても、悲劇はオリオンが全て受け止めた

でも、こんな事をして


彼女は救えても・・・・・・・彼はどうなるか
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