ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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狐巫女の小さな英雄編
創設神の知らせ


満月がまだ輝く季節。その時期になると少し夜も昼のように明るく。まだ夜に外出してもいいほど、出歩いても悪くない

 

と思うのだからなのか

 

 

最近命がよく外へ外出するのだ

 

 

『お先に眠らせていただきます』と部屋に戻って就寝すると一言言うのだが、俺の感知では明らかにどこかホームを出て移動しているのを命の魔力が感知して外に居ることを突きとめていた。そこには命ただ一人だけでなく、タケミカヅチ・ファミリア同僚である元は命もそこのファミリアだった同僚の千草と共に居るのを感知している

 

最近よく二人で夜に外出しているようだ

 

当然毎日そんなことをしていれば、人の気配に少し鈍いベル達でも気付く。もうそろそろ夜に二人がどこへ行くのか。今から俺たちは追いかけるのだった

 

追いかけるのだが

 

 

「じゃあ頼むぞ。すまないが俺とヘスティアはギルドに行かなきゃならないから」

 

「僕とジーク君も追いかけたいけど。ちょっと二人で別の仕事があるから・・・」

 

 

「はい。任せてください」

 

「ジークとヘスティア様はギルド本部にか?」

 

「なぜこの夜に?」

 

 

「エイナに言われて。どうしても俺たちに話をしたい相手が今ギルド本部に居るからと、行かないとならない」

 

「ごめんね。どうしても話しをしなきゃならない相手だから。帰ったら話すから。ベル君達もそっち頼むね?」

 

 

「はい!じゃあ命さんを追いかけよう!」

 

 

ベルとリリルカとヴェルフ三人で命を後を付いていく。本来なら俺もヘスティアも追いに行くのだが。実は今日の朝にギルド本部の前を通りかかると、エイナが本部の前に立っていて呼ばれた。俺に用があって本部の前で待っていたようだ

 

それでわざわざ本部の前で待って俺を呼んだ理由は。ある者が呼んでいると言われた。それもヘスティアと共に来るよう言われる

 

その者と話をするために俺たちは今から向かわないとならなかった。もちろんヘスティアにその者のことを知らせ。確かにこれは行かなくてはまずいとヘスティアもギルド本部へと足を運ぶのだった

 

 

「俺たちも行こう」

 

「うん。そうだね」

 

 

そうして俺もヘスティアも今からギルド本部へとホームを出て向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺たちに話したいと言う。そのある者とは

 

 

「お前の言う通り。ここに来たぞ・・・・・・ウラノス」

 

「まさか君が僕とジーク君を呼ぶとはね・・・」

 

 

「ああ。是非とも話をせねばならん。用でな」

 

 

俺とヘスティアが話をしなくてはならない相手と言うのは。ギルドの主神ウラノスだった。

 

まさかこんな夜にエイナに伝言を頼んで呼び出すとは。随分と創設神は扱いが雑だなと思う。だが呼ばれることに関してはなんとなくわかっていた。呼ばれて話をしたい理由は俺もヘスティアも考えられた

 

 

「本題の話をする前にもう一人呼ぼうか・・・・」

 

「もう一人?」

 

「おい。そこに居るんだろフェルズ。早く出てこい」

 

 

「やはり君には私の気配は丸分かりか」

 

「ほう・・・・・フェルズの気配に気づくとは・・・あのトールの息子とは思えんな」

 

 

「ジーク君?誰だい?」

 

「フェルズ。俺と同じ魔術師で、言うならウラノスの眷属」

 

「ああ・・・・ウラノスの眷属か」

 

 

後ろで体を透明化させて密かに話を聞こうとしているのは俺にはわかっている。別に隠れる必要もないと。俺とヘスティアの前に表へ出させる。

 

フェルズの存在は密かになっているため、表に出るわけにはいかないようで。いつも体を透明化させて隠れている。でも俺たちは別に他人のことについては本人の了承しない限りは喋る気もないため表に出させる

 

それに、なんとなくだがこれから長い関係を持つのではないかと思って、尚更自己紹介ついでにとここで関係を作ろうと俺はフェルズをちゃん対面して会話をする

 

 

「それじゃあ改めて本題の話に入るぞ?お前ら二人が俺に聞きたいのはアルテミスの事件のことだな?」

 

「ああ。やはりお前ならわかるか。ジーク・フリード」

 

「お前らもあのアルテミスの事件については知っていたからな。詳細も含めて」

 

「ウラノス。ジーク君がアルテミスを救ったことに関して。詳しく聞くつもりかい?それはステイタスにあるレアスキルが関係しているから詳細は明かせないよ?」

 

「大まかでいい。私は気になるのだ。あのモンスターに喰われたアルテミスを本来は助けられずはずがない。それをお前は見事。あのモンスターの体からアルテミスを引き離して助けた。空に浮かんだアルテミスの『月の矢』をも破壊した。神としては気になることだ」

 

 

聞きたい話はやはりアルテミスの事件のことだった。

 

助けることが不可能と言われたアルテミスをモンスターの体から救出できるなど。神々からすれば恐ろしくあり得ないことだ。だからどうやって助けたのか。聞いてみたいとウラノスは言ってくる

 

だがそれはステイタスの詳細はルール違反に入ることだ。だからヘスティアも冒険者ではないファミリアでもないギルドの主神とはいえ。そう簡単に詳細は明かせなかった

 

でも大まかと言っているから、簡単なことでなら俺が言う

 

 

「お前ら神々の力を無効もしくは破壊のレアスキルを持っているから彼女を助けることができただけだ」

 

「っ!?我らの力を・・・無効・・・破壊・・・」

 

「ちょ!?ジーク君!?」

 

「簡単なことを言っただけだヘスティア。もちろんこれを言えばお前ら神々が好き勝手はできないと知らしめることができるからな」

 

「本当かジーク・フリード?君は神々の力を破壊できるのか?」

 

「俺はそのレアスキルを使ってアルテミスを助けた。アンタレスから神の力を剥奪しただけだ。もちろん俺にこんなことを言わせたのだから俺は容赦なしに神にも手を出すことを覚えておくんだな。ウラノス」

 

「なるほど・・・・神をも殺し。神をも救う半神と言うわけか。お前はあのトール以上だな・・・・」

 

 

アルカナムを破壊無効し。神をも殺すレアスキルを持った俺に恐れをウラノスは思い知らされた。まさかそれでアルテミスを救うなど想像もつかないだろう。

 

フェルズだって俺のような神の恩恵を得ていると言うのに神に反逆をするレアスキルを持った冒険者が居たなど。このオラリオの歴史史上初めてのことだ。

 

長年生きている彼ら二人にとっては大きなほど驚く話だった。いつか神に害を与える下界の生き物が出てくるのではないかと二人は思っていたようだが、ついにその者が今目の前にいる。それが俺だった

 

 

「まあアルテミスを救えたのも驚いたが、まさか古代のモンスターをも倒すとは見事だ」

 

「まさか封印していたモンスターが復活するとは思っていなかったが、どうせ誰かが弄ったんだろうがな」

 

「ジーク君。本当にあのハデスが弄ったと思う?」

 

「確証はないと思うが・・・あの傷跡を見てな」

 

 

「っ!?あのハデスが封印をしていたモンスターを解き放ったと言うのか?」

 

 

「俺はハデスを知っている。戦ったこともな。だからあいつが封印を解くことのできる技術と力を持っている。だから俺は想定として考えている」

 

「あのハデスの持つ神器であるバイデントが封印を解く力なんて無かったと思うけんどな・・・・」

 

「またオラリオの外に居る神の仕業だと言うのか?」

 

「おそらくはな。最近そればかりだがな・・・・お前はハデスのことを何か知らないのか?ウラノス」

 

「いいや。奴が下界に降りてきているのは私も知っているが、今どこで何をしているのかは知らない」

 

 

ハデスがアンタレスの封印を解いたのだと。俺は疑っている。

 

もちろん仮定として考えているが、そのことはヘスティアにも言ってある。でもヘスティアは一番に知っている男神だと、ハデスのやることやその能力も含めて。彼女が一番嫌いと思うハデスのことは彼女が一番知っていた

 

だから彼女はハデスがそんなことをするとはとても思えないと信じられなかった。仮になぜそのようなことをして、なんのためになるのか、理由が考えられなかった

 

 

「だとしても・・・あいつは敵だ。ウラノスもハデスの考えることはわかるだろう?」

 

「まあ・・・・・奴ならそれなりにな」

 

「俺は奴を消そうと思ったのだがな・・・邪魔された」

 

「本当に恐ろしい男だな。神を殺そうとは・・・」

 

「敵が神だろうが関係ない。敵なら容赦なしに殺す。敵に情けなど必要ない」

 

「ジーク・フリードは英雄になっても厳しいな・・・・」

 

「それがジーク君だから・・・」

 

 

ウラノスにも俺は容赦のない言葉を出す。神だろうが関係ない。的であるなら斬り殺すまで。神だからと生かしてそれで痛い目をくらってはどうにもならん。邪魔な奴は誰だろうと消し。自分たちの命を守るなら神にだって消えて貰うつもりだった

 

 

「話はこれで終わりか?終わりならさっさと帰らせて貰えないか?」

 

「今僕の他の子供たちが別の仕事であることをしているんだ。早くそっちに行きたいんだけど、まだあるウラノス?」

 

「ある。実は一つ伝えたいことがあってな」

 

「なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレスが軍勢を率いてこっちに向かっているとの情報があった」

 

 

 

「っ!?アレスが!?本当にここを攻め込むと言うの!?」

 

「アレスがここに・・・・・・・フェルズ。確かな情報か?」

 

「ああ。三週間前にラキア王国から多くの軍勢を率いてこちらに向かっている所を見かけたと情報を掴んだ」

 

「またここに攻め込むか。あの脳無しが・・・」

 

 

ウラノスが俺とヘスティアに伝えたいのはあのラキア王国の主神であるアレスが軍勢を率いてこちらに来ると言う情報を俺たちに言ってきた

 

アレスとは俺も一度戦ってはいるが、まさかまたオラリオに懲りずに侵攻を続けようと戦争をまたも起こそうとしているようだ。相変わらず自分の力を使って戦争を起こすところは一年前と全然変わってないようだと、俺は思った

 

 

「でもなぜそれを俺たちに言う?まさかお前は俺たちヘスティア・ファミリアにアレスの軍勢を喰い止めろと、戦争に参加しろと言うのか?」

 

「戦争をしろとは言わないが、アレスを捕まえて欲しいだけだ。いい加減奴に大きな罰を与えてオラリオの進軍を止めねばならない。だから英雄となったお前の力を借りたい。もちろんその他にも参加して貰い。ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアと共に協力して軍勢を抑えつつ、アレスを捕縛するようにお前たちにミッションを頼みたい」

 

「アレスが本当にここに・・・・・でもウラノス!僕らは・・・」

 

 

「受けても構わない。だが出るのは俺だけだ。その他の参加は許さない」

 

 

「ジーク君!?」

 

「アレスに少し釘を打っておかなければならないことに関しては俺もウラノスの言う事に賛成だ。だが殺しをあいつらにさせるのは重すぎる。そういう役は俺だけでいい。それにヴェルフの出身国でもある。君でもヴェルフに自分の故郷の兵を潰せなんて言えるわけないだろう?ヘスティア」

 

「そうだけど・・・・でもいくら戦争経験者でも・・・・君一人なんて・・・」

 

「俺は一度奴らを半分殺した。今更二度一人で挑むことなど問題ない。俺は当時より力も増しているんだ。あの程度。ただ数が多いだけだ」

 

「ジーク・フリード。君は一度アレス・ファミリアと戦ったことがあるのか?」

 

「ある。だから俺一人でいい。もし俺が参加したらロキ・ファミリアもフレイヤ・ファミリアも防衛に回せ。全部俺一人で片付けて、アレスとその王子も来るはずだからそいつも捕縛する」

 

「ジーク君・・・・やっぱり兵士は殺すのかい?」

 

「当然だ。これは戦争なんだ。人を殺して当然だ。だが降伏するなら殺しはしない。降伏すればだがな・・・」

 

「一人でまた・・・・そんなことを・・・」

 

「俺にはこの程度無茶に入らない。フェルズ。奴らはいつ頃こちらに辿り着く?」

 

「あって・・・・・二ヶ月後だろうな・・・」

 

「ラキア王国からここは遠いから・・・大体それくらいだろうな。だがまだ考えさせて貰う。俺は別に構わないが、最終決定権は主神にある。彼女が決めたら参加する。今はまだ時間があるから彼女に考える猶予を渡せ。いきなりこんなことを言われては誰だって戸惑うからな」

 

「わかった。そこはヘスティアに任せる。私から伝えることは以上だ。この一ヶ月には決めといてくれ」

 

「ああ。ヘスティア。行くぞ」

 

「う、うん。またねウラノス」

 

「うむ。もし参加させたくないと言うなら他を当たるから心配しなくていい」

 

 

そうして俺とヘスティアはウラノスの間から出ていく

 

まさかまたもアレスがここに来るなど驚く話ではあるが、ここへ攻めてくるのであれば敵として見做し。排除するまでだと。アレスに二度戦うことに躊躇いは無かった。

 

だがヘスティアとしては参加させたくない気持ちでいっぱいだった。俺一人で参加させることにも不服で。更には自分の眷属を兵士みたいに戦場へ向かわせて戦わせるなど。ベル同様に優しすぎる彼女からすれば無理に等しいことだった

 

ならさっきすぐに断ればいいのだが、彼女も俺が負けないとわかっている。これは俺たちの成すべきこと。やるべき事だと。冒険者の義務としても通っていると否定すら難しい

 

でも自分の眷属が血で汚れる姿など見たくないのか。いくら強いと言っても彼女は出すこともできず。悩んでいた

 

 

 

そしてギルド本部に出て。夜の街を歩きながらヘスティアに話しかける

 

 

「無理なら断ればよかったんじゃないのか?俺の意志は関係ない。君がダメだと言うなら従ったぞ?」

 

「うん。でも・・・・・君は英雄だから。これは冒険者の仕事だから仕方ないと思って」

 

「そういうのもファミリアの決定権は主神にあるんだ。ギルドは関係ない。君が全部決めればいい。ギルドも主神が決めたことなら文句は言わないさ。言ったとしても俺がなんとかするからいい」

 

「うん、帰ってゆっくり考えるよ」

 

「ああ・・・・・」

 

 

今ヘスティアには答えられないことだった。自分の眷属をオラリオを守るためとは言え。戦場へ出すことに躊躇いがある。でもここ最近彼女はダンジョンで行く際も前よりかなり心配している

 

まあその原因は俺にあるのだが

 

俺が以前アルテミスの事件で死んでさえしなければ、彼女は心配せずに済んだ。でも彼女はそれを知った途端。ダンジョンに行く際物凄く俺を心配するようにる。何度も自分を犠牲にしてまで仲間を守る行動をすることを承知しているからだ

 

だから余計心配で、俺をアレス・ファミリアを止めるためとは言え、戦争するのであれば俺が死ぬのではないのかとウラノスのミッションでも引き受け難い。俺が人を殺すことも見たくないだろうしな

 

今のヘスティアには罪悪感を実感した以上は答えは出なかった。ロキでさえもそうだった。同僚や先輩たちがダンジョンで死ぬとその度にロキでさえも泣いていた。主神にとっては苦痛の決断である。眷属を信じて戦場に向かわせるか。それとも眷属を失うのが怖くて行かせられないか。もしくは自分の眷属が人を殺す姿を見たくないか

 

全てはヘスティア次第である

 

 

「っ!」

 

「ん?どうかしたのジーク君?また何か感じた?」

 

「まあな・・・・・これはまずいな・・・・」

 

「え?何が?」

 

 

帰り道の途中で、俺はある魔力を感知した。ヘスティアも俺に感知アビリティを持っていることはわかっているから、すぐに俺が歩きを止めて違う方向を見ると、ヘスティアも何か感知したのだと俺の行動を覚えた

 

それで俺が誰の魔力を感知したと言うのは、ベルたちなのだが・・・・その感知した『場所』がまずいところだった

 

特にヘスティアにとっては非常にまずいことだからと、はっきり言う

 

 

 

 

 

「ベルたちは今・・・・・・・・『歓楽街』に居る」

 

「な、な、な、なんだってえええええええええええええええ!?」

 

 

その場所はヘスティアにとって行かせたくない場所だった。特にベルに関しては、俺もそこへは行くべきではないと思っている。そこには『厄介なファミリア』が居るからだ。

 

すぐに俺とヘスティアはそこへ向かう。絶対に厄介事を持ち込んでいると思うから、ヘスティアもさっきまで悩んでいたのに、ベルが歓楽街に言っていたと聞いた瞬間、悩みが一瞬にして吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

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