ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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狐人のお礼は英雄譚語り

 

 

とにかく二人で急ぎ。俺とヘスティアは歓楽街の入り口である外壁に辿り着く。そこには命・千草・リリルカ・ヴェルフの四人が外壁の外に居るを見かける。そこにベルだけが居なかった

 

 

「ヴェルフ。リリルカ」

 

「ジーク!?ヘスティア様!?」

 

「君たちこんなところで何をしているのさ!?」

 

「いや・・・・命様が・・千草様と一緒にここへ・・・・」

 

「これはどう言うことかな?命君?」

 

「いや・・・・その・・・あの・・・・」

 

「ヘスティア様これは・・・・」

 

 

「ヘスティア。二人がここで何をしていたかは後で聞くとして・・・ベルはどうした?」

 

 

「実はさっき人集りに呑まれて、逸れてしまったんです!」

 

「探しに行こうにも・・・ここじゃあ・・・・」

 

 

「なるほど。そういうことか」

 

 

ベルはどうやら中でいつの間にか人の多さに逸れてしまい。ベル一人だけまだ歓楽街の中に居るようだ。ヴェルフが探しに行くとしてもここは広すぎる。探すにも難しい。建物も多くあるわけだから

 

でも、俺ならそれを簡単に見つけられる。だから

 

 

「ヘスティア。ヴェルフたちを連れて先帰るんだ。何をしていたか命と千草を問いかけろ」

 

「ジーク君は?」

 

「俺はベルを探して帰る。俺なら感知アビリティがあるからな。問題ないだろう?」

 

「それはいいけど・・・・・・・ジーク君はその・・・・興味ないよね?」

 

「あると思うか?」

 

「だよね〜。うん、わかってた。じゃあベル君をお願い!もし他の女とあの・・・・・・をしていたら止めるんだ!ベル君の貞操を守るんだ!」

 

「大丈夫だ。ベルに失礼だが、あいつにそんな自信は無い。興味はあると思うが・・・・」

 

 

そうして俺だけベルを探しに歓楽街の中へと行く。

 

ヘスティアがもし女と性交をしていたら止めるようにしろと頼まれた。貞操を守れと言っているが、ヘスティアもそのベルの貞操を狙っていると言うのに、そんなにベルの初めてが欲しいならさっさとプロポーズをして夜にでもすればいいと思った

 

それにベルの性格は真面目で、シャイな性格をしているあいつにそんなことをするはずないと俺はベルと共に居続けてどういう奴なのか。性格を大まかに把握していた

 

それに性交したいなら相手はやはりあいつはアイズとしたいはずだと。憧れで初恋をしている14歳のあいつには問題ない話だった

 

 

 

だがヘスティアがそれほどベルの貞操を守るように言われているのは

 

 

 

ここ歓楽街は南東・第三区画にある大きな街

 

どんな街かと言うと。ここは色町・風俗街である。だから金を払えばここに居る娼婦と成功ができる。とは言ってもほぼアマゾネスばかり、昼は扉も窓も閉まっているからここが色町だとは、ここ生まれの種族でもわからない。それにここに入るのは女に欲望のある冒険者くらいだが、それでも近付き難い場所でもある

 

なぜならここを管理しているあるファミリアが恐ろしいでもあるからだ

 

 

それはイシュタル・ファミリア

 

歓楽街の中心にあるイシュタルファミリアの本拠である。『ベーレト・バビリ』と言う女神の宮殿がある。ここ歓楽街の設立はそのイシュタルがファミリアを結成して立ち上げた街。ここは冒険者だけでなく、ギルド職員や市民まで利用する。大人のまちだ

 

店員はほぼアマゾネスとヒューマンの女ばかりだが、少し男のヒューマンも居る。ここは男だけでなく、女をも利用することもできる。イシュタルの眷属かどうかはわからないが、顔立ちは良く、ヘスティアが言っていた・・・・・イケメンとか言う美男も居るから女もここで男を金で買って性交することもできる

 

俺も二年前にラウルが恥ずかしがりながら俺と一緒に付いて来てくれと頼まれて。ここに一度来たことがある。その二年前同様に性欲を引き出す香りがこの街は出ている。その時もそうだが、俺は女性の裸に全然興味もなく。そんな香りが出ても性欲は感じない。もちろん外に居る露出の少ない衣服を着た女たちが誘っても俺は答えずに通り過ぎる。体を触って来ても手で退かして無視した。二年前はラウルも刺激が強すぎるとこの街の空気が思っていた以上に息苦しく。気持ち悪くなってしまい。ラウルは何もしないまま俺と一緒に帰った

 

そして今は・・・・・

 

 

「ねえ!あれもしかして!?」

 

「嘘!?英雄雷帝!?」

 

「ジーク・フリード様よ!?」

 

「なんで!?もしかしてジーク様も・・・そういうことを!?」

 

「え!?これって英雄とやれるチャンス!?」

 

「英雄色好むって言うものね!」

 

「にしても本当にカッコイイ!!」

 

「ブレイバーはショタでイケメンだけど。雷帝はクールでイケメンだからね。大人の美しさがあるわ!」

 

「ねえ?誘ってく?」

 

「無理よ!私たちじゃあ相手にされないわよ!」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

入り口に居る警備しているアマゾネスにも誘われたが、もちろん中でも娼婦に勧誘される。英雄になったから余計注目が上がっているから。もちろん娼婦は英雄と性交できるならどんな手段を取ってでも俺を誘うが、尽く俺は無視している

 

歓楽街を二度歩くが。二年前には居なかった極東の女とルナールと言う狐人も居た。どうやら前より人員や建物が増えたとわかる。どうやら前より客が増えているのか、イシュタル・ファミリアも大きくなっていると理解する

 

街を歩いていると、極東の建物が周辺にある道を歩くと

 

後ろからある者に声を掛けられる

 

 

「あれ?もしかしてジーク君?」

 

「ん?ヘルメスか?最近よく会うな・・・」

 

「あれ〜〜?もしかしてジーク君も女の子を買うの?」

 

「興味あると思うか?」

 

「だよね!小さい頃からトールの裸を毎日見てたんでしょ?トールの裸を見慣れたらそんなそこらに居るアマゾネスのスタイルじゃあ満足もないよね?」

 

「基本的に性交に興味ない」

 

「うわ!?マジな顔をしているよ!?こりゃあ・・・本当に性欲が無いんだね・・・」

 

 

聞いたことのある声がすると思ったら、何か少し大きな箱を持っているヘルメスと偶然出会った。箱を持った荷物を持っていると言うことは、ヘルメス本来の仕事である荷物届けと言うの名の配達の仕事しているようだ

 

ここに俺が居ると言うなら女に興味があると聞いてくるが、もちろん興味ないと答えたら、母の裸を見慣れた俺にアマゾネスの裸など満足できないはずだと解釈している。まあ母の爆乳のような胸をした裸とアマゾネスの裸じゃあ確かに違いが大きすぎて、アマゾネスの方が地味に見えると思うのは口に出さないようにした

 

 

「じゃあなんでここに?」

 

「ベルがここで逸れた。だから探しに来た」

 

「へえ・・・じゃあ・・・」

 

「ベルは女に興味はあるが、そこまでの度胸は無い」

 

「あ、それ言われると納得するな。ベル君はうぶだからね」

 

「そう言うことだ。お前は・・・・・本来の仕事か?」

 

「まあね、これをイシュタル・ファミリアにね」

 

「あのイシュタルが欲しい物があるとはな。意外だな」

 

 

あの女が欲しい物があったと男遊びしか興味ないあの女神がヘルメスに頼んで届け物を配達するようにさせるとは、自分で取りに行かないとなると。遠くからの物だと思う。ヘルメスに頼むとなればそうとしか思えなかった

 

 

「その中身は・・・・・いや・・・中身の詳細を他の者に明かすわけにはいかないな。それがルールだからな。忘れてくれ」

 

「いや、ジーク君なら構わないかな・・」

 

「ん?なぜだ?お前の仕事にも分別くらいはあると思うが?」

 

「まあね。でも君ならいいかなと思ってね。それに・・・・実はイシュタルには悪い話があって・・・」

 

 

「ああ・・・・・あいつがタナトス・ファミリアと言うイヴィルスと手を組んで何か企んでいることだろう?知っている」

 

 

「っ!?タナトスと組んでいる!?本当なのかい!?」

 

「お前が知らない情報があったとはな。これは知り合い関係なく、自分なりに調べた。以前から奴がタナトスと交流があることを見かけた。もちろん阻止しようにもタイミングが悪くてまだ手は出せなかった。その時はベヒーモスを倒した後だからな」

 

 

以前から奴が何か企んでいることも、不穏な動きをしていることもなんとなくわかっていたため、自分なりに調べていた。以前メレンの港でテルスキュラの国の主神であるカーリー・ファミリアと一時組んでロキ・ファミリアを追い込んだことがある。だが結果的にカーリー・ファミリアもイシュタルと一度同盟組んでもロキ・ファミリアに敗れた

 

その後奴らはカーリー・ファミリアが敗れたから同盟を切って、その後は今この街に潜んでいるタナトス・ファミリアと組んでいる情報を突き止めた。もちろん奴らをダイダロス通りで見かけたこともある。イヴィルスの残党と確実に組んでいることを突き止めている

 

 

「だからジーク君は早くベル君をここから連れて帰りたいわけか」

 

「ここがテロリストの協力者の拠点であるのだからな。俺たちに危害を加えないなら何もしないが、そうでないまま俺たちに危害を加えるなら奴らをも滅ぼすまで」

 

「だよね・・・・・そうだろうと思った。でも俺にそこまで教えてくれるなら協力者としてかな?」

 

「そうだが。要らなかったか?」

 

「いいや、情報提供感謝するよ。それじゃあ俺も教えないとね。協力者として。この箱の中身を・・・」

 

「お前の本職のルールに違反にならないなら教えて貰おう」

 

 

そうして協力者同士で情報交換と言うことで、俺はイシュタルが今もどこかで潜んでいるタナトス・ファミリアと組んでいることの情報を教えた

 

その引き換えにヘルメスも今運ぶイシュタルに渡す荷物の中身を明かす

 

 

「これは・・・・・・殺生石だ」

 

「殺生石・・・・・・聞いたことも詳細も知らないが、名前からして極東のマジックアイテムだな」

 

「ああ。なぜかこれを欲しいと頼んできた。理由はわからないが。これを欲しがると言うと何か企んでいると思うんだよね。ジーク君としてはどう思う?」

 

「その殺生石という能力を聞かないと判断できない。それはなんのアイテムだ?」

 

「詳細は俺も極東の主神じゃないから完璧に知っているわけじゃないから、一つしか知らないけど・・・・・ルナールの魂を封じ込むことができる禁忌のアイテムだ」

 

「狐人の魂を封じ込める。封印アイテムか?」

 

「わからない。でもそれしか知らないんだ」

 

「わかった。もういいぞ。そちらも情報を感謝する。そろそろお前も行け。ここで俺といつまでも長話をしていると周囲の連中に変に思われるぞ?」

 

「そうだね。じゃあ俺はここで・・・・」

 

 

ここでヘルメスと長話していると、イシュタル・ファミリアの眷属に見られたりでもしたら最悪だと。俺は判断し。だから情報を早めに貰って。詳細を少しだけ聞いてヘルメスと別れた

 

それにしても殺生石か

 

俺も聞いたことのない極東のアイテムだ。一体それを使って何をしようとしているのだろうか。まだイシュタルのやることには先読みできない。今は奴らの動きを監視するしか無い。そうでなければ行動できないと。今はイシュタルに何もしないままにするのだった

 

そうして再びベルの所へ行こうとすると

 

 

『おい!見つけたかリトル・ルーキーを!』

 

『見てない!一体どこにいるの!?』

 

 

「リトル・ルーキー?まさかベルなのか・・・・・・あれはイシュタル・ファミリアの眷属のアンティアネイラか」

 

 

再び歩くと。イシュタルの眷属である戦闘娼婦がリトル・ルーキーと言って探し回っている。まさかベルがイシュタルの眷属に理由があって追われているようだ

 

その眷属の中に一人知っている女が居た。イシュタル・ファミリアの眷属のアイシャ・ベルカと言うアマゾネスを見つける。

 

そこへ俺は介入する

 

 

「おい。何をしている?アイシャ・ベルカ」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「ジーク・フリード!?英雄雷帝がなぜここに!?」

 

 

「俺の仲間がここに逸れたから迎えに来た。それでその迎えに来た仲間をお前ら戦闘娼婦共は追っかけ回しているようだが・・・・・どういうことか説明して貰おうか?答えによっては仲間に危害を加えたってことでお前らをここで排除するが?」

 

「嘘!?あの英雄雷帝が歓楽街に来たってマジかよ!?」

 

「どうするアイシャ?相手はあのベヒーモスを倒した相手だよ?これはチャンスじゃない?」

 

「やめときな。殺されたいのかい?」

 

「え?」

 

「手を出さない方がいい。相手はあの英雄でレベル6。この英雄さんは女に興味ないみたいだしね、それに・・・・・・本当にこの英雄私たちを殺す気だ。その眼を確かにしている。手を出したら私らが殺されるぞ?」

 

「確かに・・・・・なんか怖い顔をしている・・・・」

 

「もう私たちはリトル・ルーキーを追っかけたりしない。だから私たちを見逃してくれ」

 

 

「賢明な判断だアイシャ・ベルカ。でないと・・・・・ここで全員俺に殺されることになる」

 

 

無論ベルに手を出すと言うことは、仲間に危害を加えると言う事、そうであればこいつら戦闘娼婦を殺さねばならないと。相手を怖気つくように竜の眼に変わる。無論ここで俺一人でイシュタル・ファミリアを滅ぼしてもいい証拠でもある

 

でもイシュタル・ファミリアの副団長かどうかは知らないが。アイシャ・ベルカは明らかにその戦闘娼婦共の長をしている。だからなのか俺が手を出してはいけない存在だと。全員を下がらせ。もちろんベルを追いかけ回すような真似はしないよう宣言してくる

 

 

「男と性交したいなら別を選べ。あいつはダメだ。俺たちの主神の想い人だからな。そうでなくてもあいつに困らせるようなことがあるなら、お前らには死んで貰う」

 

「いいのかい?そんなことを言って。英雄様がそんな物騒なことを言うと評価が落ちるわよ?」

 

「英雄と呼んだのは市民と他の冒険者と神々だ。俺は仲間を守るためにベヒーモスを一人で倒した。ただそれだけのこと。英雄と言う『世界の使い捨て』にしかならない存在に俺はなる気などなかった」

 

「いい男ではあるけど。中身が冷たいね。あのロキ・ファミリアに裏切られたからなのか?」

 

「関係ない。こうなったのはいろいろ知って経験したからだ。男遊びばかりしているお前にはわからない話だ」

 

「そうかい。じゃあ私らは引き上げるよ。追いかけ回して悪かったね」

 

 

そうしてアイシャたちは俺が相手ではまずいと、部下たちを連れてホームへと帰っていく

 

だが

 

 

「待て」

 

「なんだい?まだなんかあるって言うのかい?」

 

 

「今俺がここで会ったことをイシュタルとフリュネ・ジャミールに言うなら、このことも伝えろ。『もしヘスティア・ファミリアを危害を加えたりしたら、お前らのファミアとお前らの命を街も含めて滅ぼす』と伝えろ」

 

 

「っ!?脅迫かい?あんたら正気か?」

 

「俺たちは弱小ファミリアに過ぎないが、その弱小ファミリアがお前らを滅ぼすと断言を言っているだけだ。これを必ずあの二人に伝えろ。わかったな?」

 

「ああ。わかった。まさかあの英雄がここまで怖い男だと。思わなかったよ」

 

 

俺はアイシャ達戦闘娼婦に主神と団長にこれ以上俺たちのファミリアには手を出すなと脅迫と言う伝言を頼んだ。イシュタル・ファミリアを潰すことなど俺からすれば容易い。一人でも奴らを片付けられると。俺は今ベルを追いかけ回すのをやめさせる

 

でも、まさかイシュタル・ファミリアがベルに手を出すとは思わなかった。まああいつの魅力に惹かれて性交しようと無理にベルの貞操を奪おうとしたようだ。ベルも恐れて逃げていたようだ

 

 

そして・・・・・・

 

 

 

「ここに隠れていたとはな・・」

 

 

ベルが逃げた先は遊郭であり和風の娼館だった。

 

部屋が多くあるこの建物でなら隠れられるかもしれないが、まさかここに居る遊女に捕まって出られないのかもしれないと。やっぱりベルも男だからそういうことに興味があるのではないのかと。俺は今ベルがここに居ると思う部屋まで俺は堂々と入り口から入っていく

 

そしてその部屋の前までたどり着いた。何やら中で賑やかな笑い声が聞こえた。もしかして本当にベルは娼婦と成功しているのではないかと

 

俺は扉を開けた

 

 

「ベル。何をしているんだ?」

 

 

「え!?ジークさん!?」

 

「っ!?どなたですか!?」

 

 

そうして中に入ると、和室の部屋でベルと狐人の命くらいの女と二人でお茶でも飲みながら楽しく会話をしていた。衣服はちゃんと着ているし、成功をしていたわけじゃあないようだ

 

 

「ジークさんがどうしてここに!?」

 

「用が済んだからホームに帰ろうとしたが、お前らが歓楽街に居るのを感知して入り口まで来たが、お前が逸れたってヴェルフ達から聞いて、俺一人で今ここへ迎えに来た」

 

「あ、ありがとうございます。でも今はイシュタル・ファミリアに襲われて・・・」

 

「それなら追い払った」

 

「え?」

 

「追いかけ回されたことは俺も知っている。さっきイシュタルの眷族がお前の二つ名を呼んで探していたのを見掛けて追い払った」

 

「助かりますジークさん!ジークさんが追い払わなかったら、僕朝までこのルナールの春姫さんって人にここで朝まで匿ってもらうつもりだったんです」

 

「なるほど。だからお前は外に出ようとせずに、ここに隠れていたってわけか。てっきり本気でこの女と性交してたのではないのかと。ベルも男だと思って疑っていた」

 

「せ、性交!?いえいいえ!!僕はそんないやらしくて・・・そんな・・え・・・え・・・・エロ・・・・・そんなエロいことなんてできません!!!」

 

「だと思った。もししたいなら・・・・・・アイズとしたいよな?」

 

「あ!?あ。あ。あ。あああああああああああアイズさん!?」

 

 

小言で俺はベルの耳元でアイズと性交したいと言った。

 

それを聞いたベルの反応はさすが14歳のシャイな坊やだと思った。まあベルにそんな度胸は無いことは理解していた。まあ仮にしていたとして、少し早く大人の階段を登ってそしてその後はヘスティアに怒られることになるだけだしな

 

ヘスティアもベルと性交をしたいならさっさとすればいいのにと。ヘスティアの優柔不断に俺は呆れた

 

 

とにかく、この春姫と言うルナールに礼を言う

 

 

「礼を言う春姫。俺の団員を匿ったことを感謝する」

 

「いいえ、私は偶然彼がこの部屋に入ってきたものですから、客だと思って持て成していただけですから感謝を言われるまでではありません。私はサンジョウノ・春姫といいます。何卒お見知り置きを」

 

「ベルと同じ団員にして団長のジーク・フリードだ」

 

「え!?あの英雄雷帝ジーク・フリード!?」

 

「二つ名はそう言われている」

 

「まさかあの!?・・・・・ベヒーモスを一人で倒した英雄に出会えるなど感激です!!あなたの英雄譚読ませていただきました!」

 

「ベル・・・・彼女もお前と同じ英雄譚が好きな女か?」

 

「はい。朝になるまで英雄譚の話をさっきまでしていて盛り上がっていたところなんです」

 

「そうか・・・・・ここにもティオナと同じ英雄譚好きな奴が居るとはな・・・・」

 

 

このサンジョウノ春姫もベルと同じく英雄譚好きの女だとすぐにわかった。俺の名前を聞いて英雄に出会えた反応の興奮が明らかにファンだとわかった。ベルの憧れとは明らかに違う反応をしている。明らかに英雄譚好きのファンだとわかる

 

こんな所でそんな女と出会うとは、思っても見なかったことだ。あまり大声を出されて他の者に俺がここに居るのは困る

 

 

「私英雄様に会えるなんて・・・・今日は奇跡と言いほど、運があってとても嬉しいです」

 

「そうか・・・・・ならあまり大きな声を出さないで貰えるか?他の者に気づかれる」

 

「あ!ごめんなさい!」

 

「だがベルを匿ってくれたことは事実だ。礼がしたい。何かお礼をさせてくれないか?」

 

「そうですね・・・じゃあ・・・・・・雷帝様がその時英雄になったお話を聞かせてくれませんか?」

 

「ああ。それでいいなら・・・構わない・・・・でもその要求じゃあ確かにお前が英雄譚好きと言われてもおかしくないな」

 

 

要望は簡単に過ぎないものだが、まあ彼女の要望としては確かに彼女が欲しがるものだと思った。英雄になった出来事を英雄本人からして貰えるとなれば、彼女である英雄譚好きには嬉しいことだろう

 

だが俺からはありのままのことしか話せないから。本当にその通りに俺は話した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仲間を守るために一人でベヒーモスに挑んで倒した。そして当たり前のようにしたことが人々や神々によって英雄として呼ばれるようになった」

 

「でもやっぱりすごいです!あの三大クエストと言われたあのベヒーモスを一人で倒すなんてすごいです!」

 

「春姫さんもそう思いますよね!やっぱりその時ベヒーモスをお一人で倒したジークさんはすごいですよ!」

 

「俺は成すべきことをしたまでなんだがな・・・・」

 

 

そして長い時間を使ってあの時体験したありのままの事を話す。話すままにベルも楽しく話を聞いてくれた。あの現場にはベルも居たと言うのに。でもそれで楽しめるのはやはり英雄譚好きだからこそである

 

話終わると楽しそうに微笑んでいた

 

 

「これが英雄になって雷帝となった経験した話だ」

 

「僕も居ましたけど。やっぱりあの体験は今でも僕は忘れられません。この眼で英雄誕生の日を見たんですから」

 

「ええ、私も見てみたかったです」

 

「てことは・・・・春姫も冒険者ってことか?」

 

「はい・・・・まだレベル1ですが・・・」

 

「そうか・・・・」

 

 

ここで春姫も冒険者だって事を本人から聞く。レベル1となると。まだ新人になったばかりだと理解した。彼女からはそこまで力は感じない。どこにでも居る新人な冒険者と変わりない。

 

でも・・・・・・・・・何か変な力を彼女の体から感じる。彼女の体から感じない異様な力がする。これがなんなのかはわからないが、少なくとも俺はあのイシュタルのことだからそんな異様な力を持っている彼女を何かしらの理由で眷属にしているとしか思えない

 

あの義姉さんと同じくよく深い女が彼女のような戦闘に使えない彼女を眷属に引き受けるとは思えない。俺はイシュタルがなぜか彼女を引き受けるのか気になる

 

 

「でもジークさんその後は重症だったんですよ?ヘスティア様もミアハ様も体のほとんどが抉られていると死んでもおかしくない重傷を得たんですよ?ジークさんもそれをしてでもベヒーモスを倒すと言って、いつも自分を犠牲にするんですよ。前もそれで死にかけたんですよ。本当に危ない事をする人です」

 

「救いのために自分の命をも犠牲にするのですね・・・・・・・・・なんだかそうなると・・・・・・・・・ある登場人物みたいですね?」

 

「ん?ある登場人物って誰だ春姫?」

 

「えっと・・・・これも英雄譚の人物なんですが・・・」

 

 

春姫は俺が自分の命を犠牲にしてでもベヒーモスを殺す捨て身戦法にある者に似ていると言い出した。それは英雄譚の人物に似ていると言っている

 

気になるからそれは誰だと聞く。そして彼女はこう言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大英雄・シグムンドです」

 

 

「っ!?」

 

「それ知っています!伝説の魔剣士シグムンドですよね!この下界で多くの魔剣を扱う!あの大英雄アルバートのライバルですよね!」

 

「はい!あの大英雄アルバートと大英雄シグムンドが対決する英雄譚を私は今でも何度も見ています!」

 

「巨人族を滅ぼした天下無双の魔剣士!僕もそれは知っています!でも・・・・・最後は巨人族を滅ぼした後は戦死したと・・・悲しい結末ですが・・・」

 

「はい・・・・なんだか・・・その英雄シグムンドとジーク様はとても似ています・・」

 

「ああ。確かに・・・・なんか名前からしても似てますね・・」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

まさかその名前をここオラリオで聞くとは思ってなかった。しかもここオラリオでもあの英雄譚が流れているなど知らなかった。でも原点ではないはず。大まかなことは記されてなくて。原典ではないものだとわかる

 

内容と結末だけは改作にあるようだ。それについては俺が一番知っていると。二人に話す

 

 

「その英雄譚は俺も知っている。それも原典の方をな」

 

 

「え!?原典の方を知っているんですかジークさん!?」

 

「あの原典なんてもう無くなったと言われるくらいですよ?」

 

「俺の故郷ではまだある。それの原典をな、今持ってはいないが頭にしっかりと入っている」

 

「じゃあ話してください!僕でも知らないんです!」

 

「是非とも私にも!」

 

 

「わかったから。落ち着け」

 

 

俺の知る限りの英雄シグムンドの事を全て話す。原典は英雄譚好きのベルや春姫でも知らない。知っているのは俺だけ。まさか俺が・・・・・・・・・・『あの人』の話をしなくてはならないとは思っても見なかった

 

おふくろにもひつこく毎日聞かされた。毎日聞かされればもう十分だと言うのに、毎日聞かされたせいで初めから最後まで全部覚えていた。そしてその英雄譚を全て話す

 

 

 

大英雄シグムンド

 

 

どんな英雄かと言われるなら、世界にいろんな魔剣を扱い。その魔剣だけで一人で多くの敵を無双をした。下界最強の魔剣士

 

彼は冒険者ではないが、ある国の王族にして第一王子であり戦士だった。実は彼には兄弟が十人も居てその長男がシグムンドである。シグムンドは幼い頃から戦士として育ってられ、成人なる前でも王子として国を守る戦士として多くの国々と戦っていた。

 

ところがそんな彼にも負けはあった。ある国に騙されて不意を突かれて重傷を負う。兵士も皆殺され。自分の国までも乗っ取られ、国民は奴隷にされ。両親や兄弟たちまで処刑された。自分と双子の妹だけが生き残って地下に捕られえられていた。もう終わりだと長男であるシグムンドも国を救えないと諦めかけていた

 

そこにある女神がその双子の前に現れた。雷を操る女神。その女神に刃が緑色の宝石となった長剣。魔剣を手にする。元々はその女神がこの下界に降りて初めて自分で製作した剣。『その魔剣でこの国を救ってみな。あんたは第一王子で戦士なんだろ?最後まで家族のために戦いな』と、シグムンドに魔剣を差し上げた。それだけを言って雷の女神は双子を助け。

 

そしてその魔剣を手にした時から

 

 

 

シグムンドは『魔剣士』としてこの国の復讐を果たす

 

 

 

自分たちの国を取り戻すため、シグムンドは妹をその女神に守るように頼み。たった一人で国を取り戻すために戦った。国を乗っ取った簒奪者たちを全部倒した。処刑された家族の復讐を果たして。国の平和を取り戻し。国民を解放し。また豊かな平和をこの国は取り戻した。この国を救った英雄として

 

そしてその後。彼は国王として王位継承を果たした

 

その後も国王として国をより大きくするために、シグムンドはパルゥムやドワーフなど国に受け入れ。共に過ごそうと国の移住権を渡す。それに応じてドワーフやパルゥムもそこに住み。シグムンドを王として称え。戦士となって国はより大きくなる

 

それだけでなく。雷の女神の友人でもある神々も是非ともシグムンドの国に移住させて欲しいと。共にこの国を守る戦士になる誓いを立てて。よりシグムンドの国は戦士の多い国としても有名になる。それだけでなく精霊までも招き入れ。彼らが暮らせるようにと大きな大樹までも国に植えるなど。シグムンドの活躍一つで、国の平和は保たれていた

 

 

そんな平和も永遠ではなく

 

 

その豊かなシグムンドの国を侵略し資源を強奪しようと言う。巨人族が現れた。それだけではなくシグムンドの国の資源を奪うために多くの国々も攻めてきた

 

 

それをシグムンドの戦士団が全て鎮圧した

 

 

襲いかかる敵を全て制圧した。その中で最も活躍しているのがシグムンドだった。魔剣の力なのかは知らないが。ほぼ彼が戦況を支配していた。彼に勝てる者は居なかった

 

 

でもそんなシグムンドに同等の力を持った相対するほどのできる男が一人居た。

 

 

それが英雄アルバート。

 

 

シグムンドと同じ長剣を使ったアルバートと魔剣を使ったシグムンド。ある意味相反する二人が五日間にも及ぶ戦いが長く続いた。それでも決着は付かないまま二人とも体力が尽きて倒れた

 

 

その後も国を出て旅をしているシグムンドを何度もアルバートは見掛けては挑んで戦った。それでも一度でも決着つかないままいつも引き分けで終わる。アルバート本人はまた強くなってシグムンドを倒すといつも彼に言うが

 

 

それは叶わなかった

 

 

シグムンドの国たちが一番に恐れる敵。『氷の巨人族』が侵略しようと国に迫っていた。そして戦争となった。氷河の極海にまで行き。数多くの国々と共に戦った。でも敵は数多くで倒しきれなかった

 

他の国の戦士も死力を尽しているが、それでも氷の巨人族の数が予想以上に無数で倒しきれない

 

 

でも、それをシグムンドは全部やり遂げた。またも彼は無限の軍勢と呼ばれた氷の巨人族をたった一人で無双を果たした

 

 

でも

 

 

彼も命が力尽きた。国を守るために最後まで死力を尽し、氷の巨人族を最後まで滅ぼした。国には帰らないままその場で倒れ死にかけていた

 

そして死ぬ前に

 

 

 

 

『頼む・・・・・この魔剣を・・・魔剣???・・・・・を俺の・・・・息子に・・・・託してくれ・・・』

 

 

と、それだけを妻となった女に自分専用の魔剣を託して。息子に自分の魔剣を継承するように事を頼んで

 

 

 

息を引き取った

 

 

 

これが英雄シグムンドの英雄譚

 

最後まで国のために一人で戦って、叶えたい夢のために自分の命を犠牲にして、ライバルであるアルバートの決着がつかないまま。障害を終えた

 

 

 

「以上だ。これが英雄シグムンドの英雄譚だ」

 

 

「氷の巨人族なんて・・・・聞いたことがありません」

 

「僕もです。『霧の巨人族』は知っていますけど。『氷の巨人族』なんて聞いたことがありません。それに最後は国のために戦死した事は知っていますが、妻と息子が居たなんてことも知りません」

 

 

「改作では家族が居たなんて事は記されてなかったようだな」

 

 

英雄シグムンドの話を全部全て明かしたが、ベルと春姫が知っている改作の方では最後に戦った敵と家族のことについては記されてないようだ。別に記されてもいいと思うが、英雄シグムンドの英雄譚はオラリオで生まれたわけじゃないから、原典なんて本当にあるなんてここでは知らないのだろう。

 

それだけ英雄シグムンドの国も遠い所にあるからだ。原典があったなんて知らないだろう。そもそも改作自体が原典だとそう思えてしまうはずだ

 

 

「似ているか?俺とシグムンドが?」

 

「聞いてみる限りじゃあ私はそう思いますね。今会ったばかりですけど。なんだか戦うことにしか考えてないように見えます」

 

「そうですね・・・・・自分の命を考えずに誰かを救うために自分の犠牲を求めるのは。その英雄シグムンドとやっていることは変わらないと思っています」

 

 

「そうか・・・・・・・・やはり俺は『血統』や『遺伝』だけのことはあるんだな」

 

 

「え?」

 

「いや・・・・なんでもない」

 

 

そこまで言われているとなると。やはり俺はその通りの存在だなと思う。むしろそれしかできない。みんな誰も彼も俺は完璧にこなせると言ってくるが、そんなことはない。限界が俺にもある

 

だからその限界を超えようと、誰も真似できない事をしてきた。それでも救えるのなら構わないと、自信を犠牲にする。幸せを得ても、救った想いを得ても笑えないなら

 

いっそのこと。ただ他人を守るだけの存在でいるだけで十分だと。それ以上をものを手に入れようとはしない

 

きっと・・・・・・・・・・『あの人』もそうだったはず

 

 

「そろそろ帰るぞベル。長話し過ぎてもう朝だぞ?」

 

「え!?本当です!?もう朝です!」

 

「でしたらここからは送ります」

 

「助かる。春姫」

 

 

変に夢中に話し続けたら、朝になってしまった

 

まさか俺が英雄の話を読み聞かせる羽目になるなんて思ってもいなかった。おかげで帰ったらヘスティアに怒られるだろうと想像する。結局俺は英雄譚の話で早く連れて帰るはずが、こんな時間までになってしまった

 

帰りは春姫に道を案内してもらう。そうして貰った方が手っ取り早そうだ

 

 

にしても、ここまで彼女は俺たちを助けてくれるなんて、とてもイシュタルの眷属とは思えなかった。もしかしてイシュタルに無理に入れられたのではないかと推測する

 

それに・・・・・・・なぜか娼婦の感じがしない。本当にこの女は娼婦なのかと疑う

 

とにかく彼女のおかげで近くの入り口まで出ることができた

 

 

「すまないな。ここまで案内して貰って・・・」

 

「いいえ。私は当然のことをしただけですし。お客様をお出迎えしただけですから・・・」

 

「てことは春姫さんは娼婦ということですか?」

 

「はい。私はあの娼館の娼婦です」

 

「そうですか・・・・・」

 

「何にしても礼を言う。ここまでご配慮に感謝する。行くぞベル」

 

「はい・・・・・」

 

 

そうして俺とベルは春姫によってうまくここを出ることができた。彼女と別れて俺たちは歓楽街を出た。実はと言うと、春姫の後ろの通路側にアイシャが居た。なぜ彼女が何もせずに俺たちが歓楽街を出る光景を見届ける理由はわからないが

 

少なくともアイシャと春姫は何か関係があると推測する

 

となると。やはりこれから奴らイシュタル・ファミリアに警戒しなくてはならないと、これから奴らと対立するのではないかと予想する

 

それとベルも春姫が先ほどの娼館の娼婦である事に少し落胆していた。娼婦となると英雄に対しては対立に等しい存在、体で誘惑して相手を虜にするなど、娼婦と言うのは悪い意味で捉える職業でもある。過去に英雄が娼婦の誘惑により、道を危うく誤った道を歩む所だったと、娼婦は英雄にとって危険な存在でもある。そんな職業をしている春姫を、英雄に憧れているベルは、なぜか暗い顔をしてショックを受けていた

 

 

なんにしても、まずはこれからの対応しなくてはならないと、急いで俺たちはホームに帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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