ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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襲撃と目論み

 

あれから三日後

 

 

「はあ!!」

 

「ふう!!」

 

 

「すげえな・・・あいつら二人」

 

「率先してますね・・・」

 

「友人を早く助けたくて、お金稼ぎに集中した結果だな」

 

 

あれから二日ダンジョンに回数は以前よりも多く。目標である春姫と言う娼婦を買える金額を目指して稼ぎに没頭していた。とは言っても目標は300万ヴァリスではあのイシュタルでも渡すとは思えないため

 

目標は800万ヴァリスにして、22階層まで潜ってモンスターを狩まくっていた。18階層でテントを貼って地上に出る事なくダンジョンにキャンプをしてまで稼ぎをしている

 

 

「二人とも、一旦休憩するぞ?」

 

「少しは休みましょう!」

 

 

「「はい!」」

 

 

その春姫を買うためにベルと命が率先して前衛に出ている。

 

友人を助けたいためにいち早く取り戻そうと焦ってはいないが励んでいた。命あ友人を助けたいがため、ベルは同じ趣味を持つ女の子をあのファミリアから抜けさせるため、ベルは春姫の幼馴染ではないが、それでも娼婦と言うお仕事から解放させて自由にさせたいのか。友人として彼女のために努力をしていた

 

だが無茶をして貰っては困るため、こまめに休憩をする

 

 

「いくら俺たちでも稼げる額だとは言え、ここまで潜るなんてな・・・」

 

「下に行けば行く程モンスターの数も力も増すが、その倒したモンスターの魔石は上層のモンスターより値段は高く、換金すれば高く売れる。800万ヴァリス稼ぐにはこれくらいは必要だ」

 

「大丈夫だよヴェルフ。僕と命さんが前衛に出るから」

 

「自分たちが引きつけますのでご心配なく・・・」

 

「いや、お前らだけに任せるわけにはいかねえし・・・」

 

「でも二人とも。全然疲れてないですね。ここまで潜ってまだ元気です」

 

 

「友達を助ける唯一の希望が見えて張り切っているだけだろう。それで大怪我をして貰っても困るがな・・・・・」

 

 

確かに前衛に出てモンスターを蹴散らしに率先するのはいいが。無茶をして貰っては困る。でも良いモチベーションを得て戦っているのは見事だ。仲間を想うと二人は戦意を滾らせるのだと、命とベルにはあると理解した

 

 

「でもまだ800万ヴァリスまでは届かないですね」

 

「そう簡単には稼げない。ロキ・ファミリアでも50階層まで遠征して、やっと2700万ヴァリスくらいだぞ?そう簡単ではない」

 

「50階層でそのくらいしか貰えないんですか!?」

 

「そこまでいってもあまり稼げないんだな?」

 

「意外です」

 

 

「俺も魔石の価値でどのくらいの額になるのかはわからないが、少なくともロキ・ファミリアでもそこまで稼げない。遠征料とかギルドは取るくせに、換金をする金はあまり寄越さないからな」

 

 

不公平な取引だが。今までどのファミリアもギルドとそんなやりくりなどをしてやってきたのだ。文句を言わずに俺たちも何度も挑んで稼ぐ以外他に無いと。俺たちに選択は無かった

 

でもそこまで多額な金額を稼ぐわけでもなく、俺たちでも稼げる金額だけマシだと。ずるい事をせずにモンスターを一匹ずつ強い奴を倒して魔石を回収するのみだった

 

 

「今日で三日間ダンジョンに居ますが。これくらいの魔石の量じゃあ足りないですよね?ジーク様?」

 

「そうだな。まだ100万ヴァリスも届いていないだろうな」

 

「もっと下層まで深く潜るか?」

 

「いや。23階層までだ。そこから先は・・・・・・今のお前らのレベルじゃあ殺されるぞ。それだけ数もそのルームの環境も過酷だからな。まだここで慣れてからだ」

 

 

残念ながらいくらレベル六の俺が居ても、23階層が限界だ。理由はベルはともかくまだレベル2とレベル1のヴェルフ達では限界があると。流石に24階層には行かせるわけには行かなかった

 

それに24階層は『あの滝』がある。まだこいつらには早すぎると。まだここで地道に戦うしかできない

 

遠征では無いのだから、無理な行動は避けるようにしている

 

 

「さて、休憩も終わった所だ。更に奥に進んで23階層のモンスターを全て制圧するぞ?大いに稼ぐにはこれくらいやらないとな」

 

「はい!」

 

「ええ。なんとかやりましょう!」

 

「またデッドリーホーネットでも出てきて欲しいぜ!」

 

「そうですね。自分もあれと戦っていればもっと強くなれそうな気がします」

 

 

「だからと言って無茶はするなよ?」

 

「「「「はい!(おう!)」」」」

 

 

更に奥のルームに進んで23階層に出てくるモンスターを全部制圧しようと狩りを続ける。この三日間ずっとこの調子でモンスターが一定時間出てこなくなるまでルーム全てのモンスターを全て制圧していた

 

稼ぐならこれくらいしないとならない。魔石を多く集めるならこれが一番だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とは言っても

 

 

「バンドリーだからと言って、数が多いな・・・・」

 

「くそ!昨日一昨日はそんな出てこなかったのに!今日だけなんでこんなに多いんだ!?」

 

「固まってください!散り散りになるとやられます!」

 

 

23階層にはバンドリーと言うモンスターの食糧庫がある。そこに必ず腹を空かせたモンスター達が集まり、俺たちはそこで魔石回収のためそのルームに挑んでいるのだが、昨日まではそこまで数は居ないにも関わらず

 

今はライガーファングに囲まれていた。食事に飢えたライガーファングの食事時間を邪魔されたと怒って群れを呼んできたようだ

 

 

「無論引き下がる気はない!命とベルは引き続き先行!ヴェルフは魔剣を使え!リリルカは後ろで援護!俺も魔術を使う!徹底的に全滅させろ!一匹たりとも逃すな!」

 

「「「「はい!(おう!)」」」」

 

 

無論群れでもこちらは引き下がる気はない。全て制圧するのみ。数が多い事に越した事はない。数が多いなら本気を出すまでと。俺も魔術を使って全滅させる

 

全員が本気を出せば勝てない戦いでもないため、このまま戦闘を続けた

 

 

そしてもう何十分もしない内に全てこのルームも制圧した

 

 

「ふう・・・・・終わった」

 

 

「全部完了です!」

 

「もう出てこないようですね・・・」

 

「また魔剣を使っちまったぜ」

 

「こればかりは仕方ないですよ」

 

 

なんとか全滅をさせてライガーファングの魔石を全て回収し終えた。ヴェルフは念のためにまた制作しておいた魔剣二振りを使って砕き果たした。ベルも命も全開に魔法を使った。

 

もう限界だと、18階層に戻るべきだと判断する

 

 

「もうモンスターの気配はしない。午前はここまでだ。全員18階層のキャンプに戻るぞ」

 

「「「「はい!(おう!)」」」」

 

 

そうして俺たちは午前はここまでにして、18階層に戻って昼食を取って一時間休憩してからまたここまで午後も挑むつもりだった

 

だが

 

 

「っ!全員止まれ!」

 

「「「っ!?」」」

 

「どうしました?」

 

 

「客人だ。それも・・・・・招かれざる大勢の客人がな」

 

 

突然俺は『ある者』達の魔力を感知して、このルームに俺たち以外の冒険者が居るとわかって、全員の足を止めさせる。そしてその客人を表に呼び出す

 

 

「久しぶりだな・・・・・・・フリュネ・ジャミール」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

「ゲゲゲ・・・・そうだね・・・・・前よりカッコよくなったじゃないか!ジーク!」

 

「三日ぶりだね・・・・リトル・ルーキー」

 

 

「アイシャさん!?」

 

「イシュタル・ファミリアです!?」

 

 

後ろの方から武器を持ったアマゾネスが複数壁の裏側から現れた。その中心にアマゾネスの体とは思えない。体全体が太った女が居た

 

そいつはフリュネ・ジャミール。イシュタル・ファミリア団長。

 

今までアイズに挑んで殺そうとしたアマゾネスの女。それだけでなく副団長のアイシャまで居た。ベルと面積はあるようだ。それだけでなくイシュタル・ファミリアの団員全員が居た

 

 

「何か用か?フリュネ?今度はアイズではなく俺を狙うのか?」

 

「そうさ!ジーク!あんたは前より良い男になったじゃないか!まあでも・・・・・これはイシュタル様の命令でお前らを襲撃しようとしているのさ!」

 

「なに?」

 

 

「イシュタル様はお前が欲しいそうだ!だからフレイヤ・ファミリアを襲うのやめて標的をあんたに変えて、捕縛する事が決まったのさ!」

 

 

「ジークさんを!?」

 

「今度はイシュタルがかよ!?」

 

「ジーク様どれだけモテるんですか!?」

 

「まさかのまたもジーク殿目当て!?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

イシュタルがフレイヤ・ファミリアの奇襲をやめて、標的を俺に変えたようだ。

 

俺を捕縛しようとここで襲撃しようとしているようだが、イシュタルは俺を欲しがっていると言っているが、絶対に俺が欲しいなんて嘘だと俺はわかっていた

 

俺を魅了させてフレイの居場所を聞き出そうとしている事が、魂胆を理解していた

 

 

「おいアイシャ。イシュタルとそこに居るフリュネに以前俺が言った警告を言わなかったのか?」

 

 

「もちろん言った。だが聞いてくれなかった。お前だけが強いだけの弱小ファミリアに恐れる事ないと、襲撃を選んだ」

 

 

「そうか、なら・・・・・・・・・・警告通りお前らとあの街も含めて滅ぼす!」

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

俺の怒りを剥き出しにした事で、イシュタルの眷属は怖気ついた

 

ただ睨んだだけで圧迫を感じたのだ。俺の体から雷が少し放出した。それだけでイシュタルの眷属はさっきは笑っていたにも関わらず、俺が力を少し出しただけで青ざめ。一歩ずつ下がろうとする

 

イシュタルは俺の忠告を無視した。その忠告を無視した通り。俺はイシュタルを潰す事を決めた

 

 

「全員戦闘大勢!イシュタル・ファミリアを全員潰す!敵になった事が決定した!大派閥でも容赦するな!」

 

「くそ!こんな時に!」

 

「本気を出し終えた後でなんて!」

 

「リリ達が疲れている所を狙おうとしていたんです!」

 

「またファミリア抗争なんて!」

 

 

「ゲゲゲ!確かにレベル6で英雄雷帝だけのことはある!でもあたしらでも切り札があるのさ!」

 

「なに?」

 

「はじめろ!」

 

「はい」

 

 

「!」

 

 

突然フリュネは俺の威圧に驚きはしているが、その俺の力に対抗しようと、すぐ後ろに控えている顔をフードで隠している女がフリュネに魔法のようなものを掛けた。その瞬間フリュネに異様なオーラが纏った

 

そのオーラを纏って、斧を持って俺に迫る

 

 

「はああああ!!」

 

「ふ!」

 

 

俺はその斧をグラムで受け止める。レベル五の一撃など軽いと俺はこの時思っていたのだが

 

 

「っ!この力は・・・・・・俺と同じレベルの強さ!」

 

「わかるかい?これであたしもレベル6だ!」

 

「く!」

 

 

「ジークさん!」

 

「ベル殿来ます!」

 

「な!?く!アイシャさん!」

 

「恨むならここで私たちと出会ったこの運を恨むんだね!私の主神があんたの所の団長を狙った事が運の悪さだよ!」

 

 

そうしてフリュネに続いて、イシュタルの眷属たちや愛車までも対立するように迫ってきた。ベル達もその眷属に対応する。迫りくる敵にベル達も応戦した

 

 

「ふ!く!ここまでとはな・・・・・」

 

「ゲゲゲ!こんな切り札が隠している事は流石の英雄様でも気づかなかったみたいだね!アイズ・ヴァレンシュタインより強いが!今のあたしならあんたにも負けやしない!!」

 

「・・・・・・」

 

 

今状況としてはまずい。ベルはともかく。それ以外のヴェルフ達はレベル2以下だ。レベル3が多い。応戦するにしても無理があるとこの状況の不味さを理解しているし、すぐに指示を出してこの状況を奪回しようとする

 

でも俺は落ち着いている、なぜフリュネがいきなり俺と同じレベル六の力を得たのか分析をしていた。俺は慌てる事なく焦る事なく、なぜそうなったのか必ず分析して行動する

 

あのフードをして顔を隠している女がフリュネに力を与えたのがわかる。でもレベル6同様の力を得るなど考える事は一つだった

 

 

「まさかな。実在していたとはな」

 

「は?何がだい?」

 

 

「レベルブースト。お前が俺と同じ同様の力を得たのはそれが理由だろう?」

 

 

「っ!?なんであんたがそれを!?」

 

「お前は確かにレベル5のはずだ。さっきまで魔力を感知してレベル五なのがわかった。それがあのコートを着た女が魔法を掛けた事により、俺と同じ同様の力を得た。そうなったら考える事は一つ。お前はレベルブーストを掛けられたと、すぐに考えついた」

 

 

さっきまでは確かに力は俺より弱く。レベル五の力量を感じた。なのにも関わらず。今後ろに控えているコートを着た女の魔法により。レベル6の力を得た。そうなったら考える事はレベルブーストだとすぐにわかった

 

レベルブースト

 

一定時間だけレベルをランクアップさせる魔法。レアマジックであり、滅多な魔導師でも使える奴は居ない。俺でもオラリオが資料に残される魔法の辞典を読んだ事がある

 

その中にレベルブーストと言うレアマジックがある

 

貴重な魔法であり、大昔にそのような魔法を使う魔導師は多く居たが、今ではそこまで力を持つ魔導師はリヴェリアだけであり。貴重な魔法を持つ強い魔導師は今の時代ではほとんど居ないため、あまりにこの魔法は知られていない。

 

それがまさかこの時代において使用できる者が居るなど思いもしなかった

 

しかも

 

 

「まさかそれが・・・・・・・・・『春姫』がそんな貴重な魔法を使えるとはな」

 

 

「っ!?」

 

「ゲゲ!?なんでわかるんだい!?」

 

 

「俺に隠し事は無駄だ。そうだろう春姫?」

 

 

「はい・・・・すいません」

 

「え!?春姫さん!?」

 

「仕方ない、お前はイシュタルの眷属だからな、今は敵になって当然だ」

 

 

魔力を感知できる俺はフードで顔を隠していても、一度会った人間の魔力を感知した者を忘れない。だから一度会っている春姫がここに居ることはすぐにわかった

 

彼女ももう隠す必要ないとフードを取る

 

 

「魔法ではなく。妖術だな。ルナールは珍しい種族で不思議な力を得ていると聞いた事がある。異様な力を感じるとは思っていたが、まさかそれがレベルブーストだとは思っていなかった。道理でイシュタルがお前を眷属にして手放さないわけだ」

 

「はい・・・・私が身売りされてここに流された理由はこれです」

 

「ゲゲゲ!いいだろうジーク?欲しくなるだろう?この春姫を?あたしらは春姫を使ってこれからフレイヤ・ファミリアをも潰すつもりだが。それはやめてあんたを手に入れることを選んだのさ!これならあんたでも怯むだろう?」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

今の話を聞いて、今イシュタルが何を企んでいるのか想像ついた

 

まずはイシュタルが春姫を眷属にした理由。彼女は冒険者向きではないほど弱い女。でもレベルブーストと言う貴重な妖術を持っていることで眷属にしている。今フリュネが俺同様にレベル6になったなら、レベルブーストは一定時間で一個上に上がると推測する

 

そして以前ヘルメスはイシュタルにルナールの魂を封じ込める『殺生石』を金で払って届けた。どう考えてもあの殺生石と言うのは春姫が関係する

 

そしてレベルブーストが彼女の力なら、今イシュタルが何をしようとして俺を襲撃しようとしていると考えを推測した

 

その考えている間に

 

 

「ぐわ!」

 

「ベル様!?」

 

 

「っ!ここまでか・・・・」

 

「おや?諦めるのかい?」

 

「いや・・・・・そういうわけではない」

 

 

もうベルがアイシャに追い込まれていた。ここまでは流石に限界だと。考える前にこの状況を変える方が優先だと。ここを脱出する方が先だと考えるのは後回しにした

 

だがここを出る前に

 

 

「春姫。お前に言いたい事がある」

 

「え?」

 

「ベルと命は絶対にお前を取り戻す。それだけは覚えておけ」

 

「ベル様と命ちゃんが・・・・・」

 

「フリュネ。これはイシュタル・ファミリアの宣戦布告として受け取らせて貰う。次会う時は戦争だ」

 

「は!?戦争だと!?」

 

 

それだけを二人に言って、俺は青いルーン文字を描いてその文字を掴むと、右腕の手の中から氷の結晶が噴き出す。

 

 

「うお!?やべえ!?ジークのニブルヘイムだ!!」

 

 

ヴェル負の掛け声により、全員その場に止まる。その結晶を地面に落とすと、そこから吹雪が吹き荒れた。その吹雪が全体に広がり。この階層に広がった吹雪は

 

 

「ゲゲゲ!?なんだこれは!?」

 

「ジーク・フリードの氷結魔法か!?」

 

 

春姫と俺たち団員以外のイシュタル・ファミリアの眷属の足がどんどん凍りつく。身動きをこれで固めた。上級魔術であるニブルヘイムならしばらくは動けないはずだと。

 

今俺たちはここから脱出する

 

 

「ニブルヘイムで動きを止めた!今の内に全員ダンジョンから脱出するぞ!」

 

「おう!みんな行くぞ!」

 

「でも春姫さんが!」

 

「彼女はイシュタルの眷属だ!諦めろ!」

 

「しかし!」

 

「命様もここは逃げることを優先です!」

 

「く!無念!!」

 

 

「全員このまま地上まで走れ!地上に出れば流石のあいつらも襲ってこない!18階層のテントは放棄する!」

 

 

「待ちな雷帝!!」

 

「くそ!この氷なんて硬さだ!?全然抜けないじゃないか!」

 

「ジーク様は・・・取り戻すって・・・・なぜ私を・・・」

 

 

そうして俺たちは18階層に放置してあるテントは放棄して、そのまま地上まで走った。地上まで出れば。地上に居るいろんなファミリアに注目されればいくらあいつらでも襲うことはできないはずだと。そのまま地上に走って出る

 

イシュタル・ファミリアを置いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼から夕方に時間を掛けて。通りかかるモンスターを無視して、なんとか地上に全員無事に脱出した。

 

 

「はあ・・・はあ・・・・めっちゃ疲れた」

 

「まさかイシュタル・ファミリアが襲撃してくるとはな・・・」

 

「ジーク様は本当にいろんな女神にもモテるんですね?」

 

「嬉しくない」

 

 

「春姫殿・・・・」

 

「春姫さん・・・・」

 

「・・・・・・」

 

 

なんとか脱出はしたものの。息切れして疲れている。あのまま真っ直ぐ地上まで走ったのだ体力が切れたのは当然だ。

 

でもその中で息切れをしないで。さっきの状況を悔やんでいるベルと命の姿を見ていた

 

彼女がイシュタルの眷属として自分たちを襲ってくるなど。友人と幼馴染として心を痛く思っている。春姫じゃイシュタルの眷属である以上は敵になることは仕方のない話だった

 

 

でも本当にイシュタルは春姫を眷属として扱っているとは思えない。だから俺は

 

 

「命。まだ体力があるなら頼みがある」

 

「な、なんですか?」

 

「今から俺たちのホームにタケミカヅチを呼んで来い。千草と桜花もだ」

 

「なぜ?」

 

「いいから、理由はあいつらが来たら言うから。今すぐ呼んで来い」

 

「は、はい!」

 

 

そうして命は俺の命令通り、今からヘスティア・ホームにタケミカヅチ・ファミリアを呼んで貰うように命はタケミカヅチ・ホームへ走った

 

あいつらを呼ぶ理由はその集まった時にに言うと、理由は言わずにとりあえず呼ばせた

 

 

「ジークさん?」

 

「タケミカヅチにある話をしたら、その後全員でイシュタル・ファミリアと戦争するぞ」

 

「「え?」」

 

「理由はその後伝える。今はとにかく俺たちもホームに帰るぞ」

 

 

理由は集まった時に言うとして、今から全員ホームに帰る

 

タケミカヅチと話す理由は二つ。ルナールのことについてと殺生石と言う極東のマジックアイテムを聞き出し

 

イシュタル・ファミリアと戦争しなくてはならない事をハッキリさせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方にホームに着いた。

 

急いで帰ってきた俺たちの姿を見て、ホームに帰りを待っていたヘスティアが驚いたが。イシュタルに襲われたと事情を話すと。彼女は驚くも怒っていた

 

まさかダンジョンで奇襲をされるなど思ってもいなかったからだ

 

 

そして命は命令通りこのホームにタケミカヅチ・ファミリアを呼んでここまで連れてきてくれた

 

そして椅子に座らせてお茶を出して話をする

 

 

「すまないな。無理やりではあるが、ここまで来た事を感謝する」

 

「ああ、いきなり命が来てヘスティアのホームまで来てくれと言われたことには驚いたが、俺たちをここに呼んだと言うのは俺たちに何か用でも?」

 

「それがなんだけどねタケ。実は今日のお昼イシュタル・ファミリアに襲撃されたんだ」

 

「っ!?あのイシュタルが・・・なぜ?今までフレイヤを憎んでいたあいつがなぜ・・・・」

 

「ジーク君を手に入れようと襲撃をしたらしいんだよ。フレイヤを潰すのやめてね?」

 

「まったく・・・・・今度はジークに手を出すか・・・・でもまさか今から仕返しにしようと俺たちに手を貸せと?」

 

 

「違う。実はサンジョウノ春姫がイシュタルの眷属に所属している」

 

 

「な!?春姫が!?」

 

「ああ。それでいくつか質問をするから答えてほしいと、ここまで呼んだ」

 

 

タケミカヅチも春姫のことについて知っていると命から聞いた。なら春姫のことについて知っているからと。彼女が身売りしてイシュタルの眷属になった事を説明してから

 

それで春姫と言う。ルナールについて質問をする

 

 

「ルナールは異様な力を持っているのは本当か?」

 

「ああ。妖力と言う力があるんだ。ルナールには」

 

「妖力?俺たちの言う魔力みたいなものか?」

 

「ああ。言うなら極東の魔力みたいなものだ。魔法ではなく妖術と言う奇妙なものを使い。攻撃以外にも他の者や自身を強化させる魔法をルナールはできるんだ」

 

「妖術。確かに俺もその術式を持った巻物を所持しているが、強化させる効果があるとは思わなかった。それで今日春姫に出会し、レベルブーストと言う一定時間ランクアップさせる魔法を繰り出した」

 

「レベルブースト!?春姫がそれをできるようになったのか!?」

 

「ああ。彼女が魔法のようなものを掛けてイシュタルの眷属が一つランクアップした。一定時間だけな」

 

「まさか・・・・・春姫がレベルブーストを」

 

「千草と桜花は知っていたか?」

 

「ううん・・・」

 

「春姫にそんな力があるなんて知らなかった。そもそもレベルブースト自体。今俺たちも知った」

 

 

タケミカヅチに春姫のことについてはよくは知っている。昔に命たちに頼んで家から出して春姫を外で遊んだと、命から聞いて彼女のことを知っていたが

 

まさか彼女がレベルブーストと言う。レアマジックをできるなど思ってもいなかった

 

流石にオラリオに来てからそれきっりの春姫のことはタケミカヅチでも知らなかったようだ。

 

 

「確かにそんな事をできるならイシュタルも彼女を眷属にして当然だな。にしてもレベルブーストか・・・・・」

 

「どうかしたのタケ?」

 

「いや・・・・・もし彼女がレベルブーストができるようになったら、いろいろまずい事が起きると思って・・・・」

 

「まずい?」

 

「いや、あるルナール専用のマジックアイテムがあるんだが、それが極東では禁忌のマジックアイテムでな。春姫に使うのではないのかと思ってな」

 

「禁忌のマジックアイテム!?ジーク君それって・・・・」

 

「ああ。もしかしたらだな」

 

「ん?何がだ?」

 

 

ヘスティアにも殺生石のことを話している。だがヘスティアでもその殺生石については知らなかった。でも何やらタケミカヅチがルナール専用のマジックアイテムがあるとかと言う独り言を呟いた

 

そのルナール専用という言葉に、確かヘルメスから殺生石はルナール専用のマジックアイテムだと言っていた

 

極東の神でもあるタケミカヅチなら知っていると思い。そのことを話す

 

 

「それはまさか・・・・・・殺生石のことか?」

 

 

「っ!?なぜそれを!?」

 

「実は以前ジーク君はヘルメスと歓楽街で会ってね、その時にヘルメスがそのマジックアイテムをイシュタルに依頼あって渡したとジーク君から聞いたんだ」

 

「知っているなら教えて貰えるか?」

 

「ああ。殺生石はルナールの魂を封じ込めてその封じ込まれた者の力を他者に持たせることでその者の力を使うことができる禁忌の石だ」

 

「封じ込まれた人の力をその石を持っただけで使うことができる!?」

 

「まるで魔法強奪だな」

 

 

殺生石

 

極東のマジックアイテム。狐人の魔力、魂を封じ込める石、その石を持つことでルナールの妖術を他者に与えることができる禁忌のマジックアイテム。ルナールにとって危険なアイテムであるため、極東でいくつか法律により使用を禁止しているが。もしそのルナールが犯罪を起こして刑を処する場合。処刑としてその殺生石で魂を封じ込めるなど。

 

極東の禁止アイテムらしい

 

 

「なるほど、確かにヘルメスからもルナールの魂を封印するアイテムだと聞いたが。まさか他者にその封印された者の力をその石を持つだけで使えるのは知らなかった。恐ろしくも思うな」

 

「てことは・・・・・・その春姫と言うルナール君がもしその殺生石に封じ込められたら、その春姫君のレベルブーストでみんな一時的にランクアップするわけだ」

 

「その通りだ。しかもそれは・・・・・砕くことができる」

 

「砕く?」

 

「ああ。ルナールの魂を封じ込めた殺生石は砕いて、その石の欠片を持つだけでも使用できるんだ」

 

 

「ほう。確かに使えそうな武器だ。それで封じ込まれたルナールの魂が入った石を砕いて多くの他者にも持たせるだけでその者の力を使うことはわかったが、その封印されたルナールは石を砕かれると死ぬってことだな?」

 

「ああ。その通りだ」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「正確には死ぬか、赤子のように物心が付かない状態になる」

 

 

殺生石を砕いた場合は、その欠片を持つ者は誰でも妖術を使用できるようになるが、その欠片を集めたとしても生け贄の狐人は廃人か赤子のような状態でしか戻らない。つまりは死ぬに等しい状態だ

 

 

「そんな!春姫さんはそのことを知っていてイシュタルの眷属に!?」

 

「かもな、それに身売りされた自分に自由が無いと、彼女は全部イシュタルの言う通りにして諦めているのだろう。それでその殺生石をルナールに封じ込めるのに何か他に条件となるような儀式方法はあるか?」

 

「ああ。殺生石の原料は鳥羽の石と言うのでできている、月光を浴びることで魔力も帯びる特殊な鉱石だ、だから月光を浴びている状態でその石をルナールの胸に当てれば封印が完了をする。ただし月光を浴びると言っても、満月が出ている時だけだ」

 

「っ!満月だと?」

 

「待ってくださいタケミカヅチ様!満月ってまさか!?」

 

 

「ああ。ちょうど今夜だ。この季節は満月がよく出るからな」

 

 

ルナールを殺生石に封印するのに満月が出ている夜に月光を浴びさせて、そして石を胸に当てさせ封印し、その後多くの者に使わせるために砕け。彼女が死にその力だけがその石に宿る

 

確かに禁忌のマジックアイテムだ。極東でルナール専用の処刑道具として使われるのも納得だ

 

 

そしてイシュタルの思惑も、これで春姫の命の保証も無く今日で終わりだとわかった

 

 

「ベル?命?これでわかっただろう?もう春姫をお金では取り戻せない。イシュタル・ファミリアを潰す以外彼女を救う手段は無い。どうする?」

 

「ファミリア抗争ですか・・・・」

 

「でも・・・・ギルドのルールで・・・」

 

 

「無論、ファミリア抗争なんてしたらペナルティも出る。それでも春姫を救うために犠牲としては軽いだろう?それとも戦うのが怖いか?」

 

 

「いえ・・・・そう言うわけでは・・・」

 

「でも・・そんなことを・・・・・英雄のすることじゃあ・・・」

 

 

ファミリア抗争をするのに、命はともかくベルは恐れている。そんな人殺しをするようなことは英雄のすることでは無いと恐れている。イシュタル・ファミリアと戦争をすることに大きな損害と汚名を背負うことになる

 

覚悟が無い。臆病者の小僧そのものだ

 

 

「弱いとか関係なく、お前は情けないなベル。本当にただの小僧だ。この臆病者」

 

「っ!?」

 

「ジーク君!?いくらなんでも言い過ぎだよ!?」

 

「情けないのは事実だヘスティア。何を躊躇っているのかは知らないが。イシュタル・ファミリアと戦争するくらいで恐れるとは臆病者にも程がある。それでイシュタルの思惑通り春姫が今夜の内に死んでもいいのか?」

 

「それは・・・・もちろんですけど・・・・でも!そんな僕個人の目的でファミリアに迷惑なんて!」

 

「迷惑?むしろ俺は望んでいる。イシュタル・ファミリアは今日の昼に俺たちを襲ってきたんだぞ?それはもはや俺たちの敵になったも当然。今ここに帰れたとしても奴らが春姫のレベルブーストなんて持たれたら今度はこのホームまで攻めてくるんだぞ。もう俺たちが今夜の内に奴らを滅さなければ俺たちに明日はない。なのに立ち向かわないのか?」

 

「ジークさんは・・・・・・イシュタル・ファミリアの眷属を殺してでも春姫さんを取り戻すつもりですか?」

 

「ああ。春姫にはこの前街を出口まで案内してくれた礼がある。その礼を返すとして奴らをイシュタルも含めて全員皆殺しにし。彼女を解放する。俺は恐れない。ただ敵を滅ぼすのみだ」

 

「それは・・・・・英雄のすることでしょうか?」

 

「なに?」

 

「春姫さんは娼婦・・・・・英雄にとって娼婦は破滅の象徴・・・・娼婦を助ければ名誉も無くなるかもしれないんですよ?」

 

「それは誰の教えだ?それとも何かの英雄譚に書かれていたのか?それがどうした?お前はそもそも英雄じゃない。これから英雄になりたいと望むただの小僧だろうが、英雄になった気で居るな」

 

「っ・・・・・」

 

「ジーク君?本気でイシュタルの眷属を殺す気かい?」

 

「当然だヘスティア。今俺は英雄雷帝なんて言われているが、俺はそんな名誉どうでもいい。俺は守るべき者たちのために命を掛けて今まで戦ってきたんだ。この前の事件だってアルテミスのために一度死んだんだぞ?今更名誉など関係なしに自分たちより強い者たちに立ち向かって殺すことに躊躇いなど無い」

 

「戦士の覚悟が強いんだなジーク・・・・」

 

「これが俺だ。タケミカヅチ」

 

 

英雄の名誉など、どうでもいい。勝手に街の連中が言い出したこと。名前はロキから始まりだが、名誉などいつかは無くなるものだ。自分の行動でな。それでどう見られるかで人は価値を勝手に他者に付けられる

 

他者自体にどうでもいい俺には英雄の名誉など要らない

 

俺はただ仲間を守るために自身の命を犠牲にしてきた。大事なのは俺を仲間と呼んでくれる友だけだ。そのためなら神でも殺す

 

恐れなど一つもない

 

 

「ベル。俺は英雄になったからその実感として言わせて貰う。今春姫は苦しんでいるだぞ?誰かに救ってくれと叫ぶことすら望むことのできない諦めをしている。彼女の意志が助けてくれと心を動かすにはお前が春姫の剣にならなければ。彼女は本気で心までも自分を犠牲にすることを選ぶぞ?それでもいいのか?」

 

「僕が・・・・・春姫さんの剣に・・・・」

 

「俺はベヒーモスを倒そうとしたあの日も。アルテミスを助けるために古代のモンスターにも立ち向かったことも。全部お前らやアルテミスを想って自身を犠牲にしてでも殺しをしてでも助けてきた。それで英雄になった」

 

「僕らを想って・・・・」

 

「ベル。英雄と言うのはどんな形でも成し遂げれば英雄になるんだぞ?例えばたった一人の少女のために国を敵に回して勝ったり。大戦と呼ぶ戦争を一人で終わらせるために全員を殺した。人殺しをして世界を救って成し遂げた英雄も居る。そして今。春姫を救うためにはイシュタルも含めてその眷属を殺さなければ彼女は救えない。お前は。いや・・・・・・お前しか春姫の英雄になれないんだぞ?」

 

「僕が・・・・・春姫さんの英雄に?」

 

「そうだ。救えるのはお前だけだ。心配するな。例えヘスティアの許可が出なくても俺は勝手にイシュタルを潰しに行く。俺と言う英雄が手伝う。俺はお前の団長であり友だ。友の願いのためなら名誉もこの命も平然とお前に差し出してやる」

 

「ジークさん・・・・・」

 

「命?お前は戦う覚悟はあるか?」

 

「あります!!大事な幼馴染のためなら。この刀を彼女たちの血で染めます!!!」

 

「命さん・・・・・」

 

 

命は幼馴染のためならイシュタルの眷属を殺す覚悟を決めた

 

一人で立ち向かうのが怖いなら俺も命も手伝ってやると。もはや戦争する覚悟を俺と命は見せた。英雄気取りだとか。そんなことは関係ない

 

一人の女の子を救うのに、英雄も名誉も関係ない

 

 

それが人として心の強さ

 

 

その意志の強さをもっとベルに引き出すために。全員に問う

 

 

「俺と命はイシュタル・ファミリアと戦争する覚悟を決めた。だから聞く。ヴェルフ。リリルカ。お前たちは?」

 

「たく・・・・またファミリア潰しかよ。しかもウォーゲーム関係なく。だが・・・・・友のためなら俺も動くぜ!プライドに欠ける事になるが、魔剣で吹き飛ばしてやる!!」

 

「これだから冒険者と言うのは・・・・・でも!リリもイシュタル・ファミリアが今後リリたちをターゲットにするなら立ち向かうまでです!!」

 

「よく言った。ヘスティア。君は?このまま竈に火をかけて大人しくこのホームに立て籠もって奇襲が止むまで待つか?相手が攻撃しているのに?」

 

 

「まさか!!みんなジーク君に惹かれたのと同時に僕も戦う覚悟があるさ!今日の昼イシュタルの子供たちに襲われたんだろう?だったら僕の大事な眷属に手を出したイシュタルに仕返しするさ!!!」

 

「流石は俺の主神様だ。これでベル以外は戦う覚悟は決まった」

 

 

ヴェルフも命も、ヘスティアでさえも。イシュタルのする事が悪だと決めつけ。そしてその悪を滅ぼそうと。俺たちが弱かろうと関係なく。戦う覚悟を平和主義者であるヘスティア自らも戦意を出したのだ

 

もはや竈に入った火が。娼婦の女神を燃やそうと竈の外へと怒り奮闘に吐き出たのだ

 

ヘスティア・ファミリアはイシュタルと戦争することを望んだ瞬間である

 

 

「ベル。お前は一人じゃない。俺たちが居る。俺たちがお前を英雄にすると導こう。俺たちが春姫の元へ連れて行く。ヘスティア自身でさえ戦意を出した。お前の答えは?」

 

「みんな・・・・・・」

 

「ベル殿」

 

「ベル・・・」

 

「ベル様・・・」

 

「ベル君・・・」

 

 

「ベル。戦え」

 

「ジークさん・・・みんな・・・・・・」

 

 

そうしてベルは椅子から立ち。そしてそのまま俺の目の前に立った。

 

 

「その前に一つお願いします。ジークさん」

 

「なんだ?」

 

「一発僕に殴ってください。目を覚したいんです」

 

「わかった。ふ!!」

 

「ぐわ!!!」

 

 

目を覚したいとベルは俺に殴れと言い。俺はベルの頬に軽く殴った。殴られたベルは地面に這いつくばるが。それでもすぐに立ち上がった。

 

ベルにも春姫を救いたい戦意が出たのだ

 

 

そしてベルは再び立ち上がって告げる

 

 

「ありがとうごさいます。おかげで目が覚めました。ジークさん!みんな!神様も!僕に力を貸してください!!」

 

 

「英雄ではないが、男としてよく言った!」

 

 

これでベルの意志も強く固まったことを戦意を出した。これから春姫を救うための英雄になる。その英雄にさせるために俺たちも手を貸そうと椅子から立って武器を持ってホームを出る

 

だがその前に

 

 

「タケミカヅチ。殺生石の情報を感謝する。もう帰っていいぞ?これから俺たちは開戦だ」

 

「いや、俺たちも手伝おう」

 

「なに?」

 

「春姫は俺の教え子でもあったんだ。極東人を見捨てることなど武神としてできない。桜花達は?」

 

「俺もです!戦をします!」

 

「幼馴染の春姫ちゃんを見捨てない!私も戦う!」

 

「そうか・・・・全員覚悟を決めたってことだな?これをしたらギルドのペナルティが来るが、覚悟の上だな?」

 

 

「「「「「当然!!」」」」」

 

 

タケミカヅチ・ファミリアも極東人であるサンジョウノ・春姫を武神として見捨てないと。桜花も千草も幼馴染を助けると。戦を自ら起こすと。俺たちと共闘をすることを選んだ

 

なら

 

 

「よし!!ヘスティア様の許可が出た!そしてタケミカヅチ・ファミリアをも共闘を誓ってくれた!これからイシュタル・ファミリアに復讐しに行くぞ!今度はこっちから奇襲をかける!あの娼婦の女神に俺たちヘスティア・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアの恐ろしさを思い知らせ!サンジョウノ・春姫を救出する!!奴らと全面戦争だ!!!!」

 

 

「「「「「おう!!!!!」」」」」

 

 

俺の宣言にこの部屋に居る全員が答えた

 

これから歓楽街は戦場と化す。今日でオラリオから歓楽街と言う街が消える。イシュタル・ファミリアを徹底的に叩き潰す事が決まった。あのビッチ女神に俺も壮絶ない怒りを覚えている。あのビッチ女神にフレイはもう居ないが俺の故郷を教えてなるものかと。俺はイシュタルを殺す気満々だった

 

ホームを出る前に戦争を準備のため、多くの武器を全員持ち。俺も全精霊を召喚する。そしてリリルカにこのホームの屋根に隠している『ある大砲』の操作をできる魔道具を渡すなどをして。イシュタル・ファミリアを潰すために全力を掛ける

 

 

弱小ファミリアと甘く見たあいつらを亡き者にしてやると。本当に他のファミリアが起こせない激戦をヘスティア・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアで起こす

 

しかもこのオラリオの中で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

俺たちが戦争準備している同じ時間、あるもう一方のファミリアの話

 

そのファミリアと言うのは

 

 

 

「イシュタルに変な動きがある?」

 

 

「はい。アレンからそう伝言がありました。我らではなく別のファミリアをターゲットにしているようで、なにやら不自然な準備をしています」

 

「また何かするのかしら?アレンに一応そのまま警備するよう伝えて?」

 

「畏まりました」

 

 

それはフレイヤ・ファミリア

 

バベルの最上階を本拠にした最大派閥のファミリアにして都市最強の双方に並ぶ者たち。そんな彼らが最近今まで嫌がらせのようにダンジョンで奇襲をしてくるなどをしてくるイシュタル・ファミリアに変な動きをしていると、

 

そしてイシュタル・ファミリアが俺をターゲットにしていると言う。元団員であるミアからヘルメスからそのような情報があったようで、敬愛する兄の義弟に手を出すなどフレイヤからすれば見逃せないらしく。眷属を使って歓楽街を監視している

 

すると

 

 

『カア!カア!』

 

 

「ん?」

 

「カラス?なぜこの部屋に?」

 

 

突然街を眺めることのできるテラス腰の窓から、一匹のカラスがなにやら小さなバックを背負って出てきた

 

 

「この子は・・・・まさか・・・」

 

 

そのカラスをフレイヤは知っていた。その普通のカラスのように見えるが、これはワタリガラスと言う他のカラスとは違う知能の高い鳥である。そのワタリガラスの名前をもフレイヤは知っていた。背負っているバックパックがなに入っているのも含めて

 

 

『カア!カア!』

 

「やっぱり・・・『フギン』?久しぶりね?あなたどうしてここに?」

 

「フレイヤ様?ご存知のカラスですか?」

 

「ええ。この子の名前はフギン。これはカラスの姿をした精霊よ。かつてお兄様とある私の知っている男神の使い魔でもあった精霊なの。どうしたのフギン?誰からかの手紙かしら?」

 

『カア!カア!』

 

「ジークからの?ジークったらフギンの精霊召喚もできるのね。流石はお兄様の義弟だわ」

 

 

フギン

 

 

本来精霊でもあるが、使い魔でもあるワタリドリの姿をした精霊。主に手紙などを届けたり小さな物を運ぶなどのいわゆる伝書鳩のような獣。オッタルにはわからないが、フレイヤはこのフギンが言語ではない鳴き声をするだけでなにを言っているのか言葉がわかるようだ

 

テラスの窓を開けて彼女の腕にフギンは乗る。そしてすぐに後ろのバッグをフレイヤに向ける。フギンの言う言葉では俺からの手紙だと。フレイヤは片手でバッグを開けて中に小さな手紙を取り出した。それ以外はなにも入ってない

 

 

「ありがとう。確かに受け取ったわ」

 

『カア!』

 

 

そうしてフレイヤはしっかりと手紙を取って、フギンを外へと飛ばす。

 

 

「ジークは一体何を・・・・・・・・・っ!?これは!?」

 

「フレイヤ様?」

 

 

俺からの手紙を受け取り、開けて中を読んで確認した。そしたらその内容が予想以上にフレイヤを驚かせた。

 

と言うより

 

 

「オッタル?」

 

「はい」

 

 

フレイヤは俺から送った手紙を握り潰して、命令を下した

 

 

 

「予定変更。全眷属を出動なさい。イシュタル・ファミリアを潰しに行くわよ。」

 

「よろしいのですか?」

 

「ええ。今からヘスティア・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアを援護しに行くわ。私も自ら出るわ・・・・・・・・分かったわね?」

 

「っ!?か、畏まりました。アレン達に伝えます」

 

「ええ。お願い」

 

 

そうしてオッタルにフレイヤ・ファミリア全眷属の出動要請が掛けられる。目的は今から歓楽街及びイシュタル・ファミリアを壊滅しに行く。

 

オッタルはもちろんその命令にしっかり聞くが、それと同時に恐怖をも感じていた。

 

 

なぜなら

 

 

「ジークありがとう。こんな大事な事を伝えてくれて。おかげで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私も本気で怒ったわ!!!」

 

 

フレイヤが怒っているからだ

 

オッタルでも長年フレイヤの側に居てきたが怒る顔など見た事がない。優しくてどんな些細なことでも優しく接するフレイヤが、受け取った手紙を握り潰して怒る姿を見るなど一回も無い。レベル7のオッタルでも恐れたのだ。確実に神威を感じる。魅了とは別の憤怒を。

 

だがなぜ俺からの手紙を読んで怒っているのか、その理由は

 

 

「イシュタル。まだお兄様に付き纏うつもりね。だったらいいわ。そんなあなたには妹である私自ら制裁を下すわ。そう・・・・この下界から去ると言う制裁をね」

 

 

と、本当はもうこの下界にフレイは居ないが。そのフレイにまたも付き纏うとしたイシュタルに怒りを覚え。兄がこの下界に居なかろうが関係なく。兄に付き纏うとしたあの女神に鉄槌を下すと

 

フレイヤ自らがイシュタルの方へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

と言うイシュタルと全面戦争する前に俺が念のためにフレイヤに伝言を送った話

 

 

 

 

 

 

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