「ふう!」
「はあ!」
「ふ!」
「ぜえ!」
激戦を繰り広げて、四人はぶつかり合っている。春姫を恥に寄せてグリフォンとグラニに守らせて、四人はお互いの武器で戦い続ける
「はははは!これだから男と遊ぶのはやめられない!春姫のレベルブーストで私より強くなった気分はどうだ!他のファミリアが欲しがるだろう!」
「だからなんですか!アイシャさん達をここで倒しても他のファミリアがまた春姫さんを狙うとでも言いたいんですか!それでも僕らは諦めない!」
「それでこそだベル・クラネル!それで何度でも春姫を救って見せろ!」
「はい!何度でも何度でも!自分たちは誰かのために何度でも諦めずに果たします!それがジーク殿と言う英雄から学んだ事です!」
「ふ!言うじゃねえか!こいつは面白いぜ!レベル低い小娘の癖に!私たちにここまでやるなんて見事だ!伊達に英雄しか居ないだけの弱いファミリアじゃないわけだ!これじゃあ私らもイシュタル様も侮って当然だな!あんたらを侮っていた事を謝罪する!戦わなきゃわからない実感だ!」
アイシャもサミラも今まで俺たちを侮った事を謝罪しながらも感謝したのだ。レベル低い癖にここまで互角とも言える戦いをして楽しんでいるのだ。彼女たちもバーベラと言う戦闘員だけの血が、アマゾネスの血がある
戦いに楽しみがある。この殺し合いはまさしく至高。大剣とナイフはぶつかり。刀と拳がぶつかる。野蛮に等しいこの戦いに火蓋が吹いたのだ。
その火蓋に四人は混ざるように吹く。もはや春姫を救う最終決戦
だが
「くう!」
「ははは!避けるのは上手いが、私よりレベル低いことには変わりない!私の一撃を少しでも食らえば一溜まりもない!」
「ぐ!?そんなの承知の上です!」
命だって自分がレベル低い事を承知している。でも諦めない。救うと決めたからにはその誓い通りに挑むまで、絶対に春姫を救うまでは折れない。何度でも立ち上がるまで
でも限界があるのは事実だった。
確かに戦力では相手の方が上だろう。敵わないの本当だ。相手はレベル3でアマゾネスは普通のヒューマンより耐久力が強い上に素早さがある。クノイチである女忍者の素質のある命でも勝てないと言うのはある
「ぐう!ぐは!!」
「っ!命さん!く!?」
「余所見をしている場合じゃないよベル・クラネル!あんたの相手はこの私だ!」
「く!」
「オラア!これでもう終わりか!」
「ぬ!」
ついに命はサミラに刀を弾かれてしまう。衣服の中に刀以外の武器は無い。もう後は格闘で挑むしか無いが、レベル3のサミラでは格闘に挑むにして勝てない
だから
「くらえ!」
「ぐは!!」
「命さん!?」
「お前のお仲間は先にダウンだな!」
サミラに命は腹を殴られてしまった。だが
ボン!!!
「は?・・・・・消えた!?」
「丸太になった!?」
「命さん。まさか!」
サミラに殴られて、命は後ろの方へ転がって吹っ飛んだが、突然煙になって消え。そしてその煙の中から丸太が出てきた。確かに殴った感触はあった
なのに何故か丸太になって姿が消えたのだ
実はベルも知っているが、命には俺から『ある極東の術』を教えたのだ。それは『忍術』と言う極東専用の魔法を俺は教えていたのだ。
それは『変わり身の術』
俺は一応極東の魔法が書かれた巻物をツクヨミから貰っていたのだ。それを命に俺は教えたのだ。クノイチの才能があるからこそ俺は彼女に教えた。おかげで
隙は作れた
「ふ!」
「な!?」
突然命が背後からサミラを襲った。だが特に武器も持っておらず、これと言って大した物は手にしていない。持っているのは何か書かれた紙だ
その紙をサミラの背中に勢い良く貼った。
それだけでサミラから大分距離を離れて転がった
「ぬ!」
「は?なんだよ・・・・・面白い手品したかと思ったら、その程度かよ!何もしないで私の背中に触っただけかよ!」
「いいえ、これでいいんです!」
「あ?何を言ってやがる?」
サミラは突然背後に命が現れたのには驚いたが。それでも背中をただ触れただけしか感触が無く、大したことはされてないと腑抜けだと命のした事を侮る
だが
「っ!?サミラ!あんたの背中に変な紙が付いているぞ!」
「あ?紙?」
背中になにやら変な紙が着いている。その紙は先ほど命が付けた物である事を理解する。
その紙には・・・・・・『爆撃』と書いてある
「おい!なんだこれは!?」
「これが自分があなたを倒す『マジックアイテム』です!」
「命さん!やっぱり!く!」
「っ!まさか!」
ベルは爆撃と書かれた紙がなんなのか知っているのか、今居る場所から更にサミラから距離を離れる。その妙な動きをアイシャが先読みして理解した
それがなんのマジックアイテムなのか
「サミラ!早くその紙を外せ!」
「あ?なんでだ?」
「それは・・・・・・・爆弾だ!!」
「っ!?」
「もう手遅れです!!・・・・『爆破』!!」
命は両手を合わせて『爆破』と叫ぶ。その瞬間その紙がどんどん赤く燃える。そしてその燃えた炎から
大きな爆破を起こした
「ぐあああああああああああああああああああああ!!!」
「サミラ!!く!」
この庭園を吹き飛ばすような爆撃を引き起こした。幸いサミラは生きているが、全身黒焦げで爆破により庭園から吹っ飛び地面へと落下していく。命は俺とリリルカで作った爆弾マジックアイテム『爆撃札』を俺が渡しておいたのだ
もしも自分の力だけでは勝てなかった保険として、マジックアイテムを渡しておいたのだ
おかげでレベル3のサミラを空中庭園から追い出すことができた
「はあ・・はあ・・・・・やりました!」
「命ちゃん!」
『お疲れ様です!命さま!』
命はもう体力が限界でその場で倒れ込んだ。すぐにグラニが命を春姫の方へを端に寄せる
これで残るはアイシャだけになった。命はサミラに体を多く殴られれたためもう限界で後はベルに頼むのだった
「驚いたよ。あのサミラを倒すなんて、本当にあんた達を侮ってはならないと身に染みたよ」
「でもここまで来て降参して春姫さんを引き渡す気は無いですよね?アイシャさん?」
「当たり前さ!ここまで来てあんたとやり合わないわけないだろう!」
「そうですよね。ですから僕も本気です!!!」
ベルはヘスティア・ナイフを懐に閉まって。今度は俺が床に置いてきた大剣を使う。アイシャが大剣を使っていると、俺は今日の昼に見ていた。それではナイフしか使わないベルには不利があると。予めヴェルフに頼んで製作をし用意しておいたのだ
ベルはナイフだけでなく、大剣もよく使うのだ。そして春姫のレベルブースト。これなら勝てると、ベルも命にうまく勝ってみせる
だが
「は!春姫さんのレベルブーストが・・・」
段々とベルに纏っていた春姫のウチデノコヅチに限界が迫っていた。あと数分で切れるはず、もしその時が来たら同じレベルで戦わないとならないと覚悟する
例え春姫のレベルブーストでも勝とうと
ベルは諦めず挑む
「うおおおおお!!!」
「ふう!あの英雄雷帝に憧れた坊やと戦う時が来るなんて思わなかったよ!春姫を救うと言ったな!本当に何度でも救う気か!」
「何度も何度も僕たちは救う!僕はあの人になりたい!あの人みたいに強くなって英雄になりたい!あの人が夢にまでに現実にしたこの夢を!思っていた事の全部を貫いて!救いたいものを救うと自分の気持ちをぶつけて戦う!」
「ははは!いいじゃないか!英雄雷帝に憧れた坊主が良い意気込みをしている!なら証明して見せろ!」
「うおおおおお!!」
「っ!ここまでとはねえ・・・」
アイシャにベルは頬を斬って血を流した。もう剣劇だけでは今のベルを倒すことはできないと、アイシャは最終手段を選ぶ
「来れ蛮勇の覇者!」
「っ!並行詠唱!?」
「猛々しき戦士よ!たくましき豪傑よ!欲深き非道の英傑よ!女帝の帝帯が欲しくば証明せよ!我が身を満たし我が身を貫き、我が身を殺し証明せよ! 飢える我が刃ヒッポリュテ!!!」
「魔法でも・・・・・絶対に負けない!!」
「ベル殿!」
「ベル様!」
『『ベル様!!』』
「ぬう!!」
アイシャの魔法を受け止めるために、ベルは英雄願望のスキルを使う。鐘を鳴らす。この一撃を防ぐ力を。今は小さな狐巫女を守りたいだけの英雄願望者
英雄雷帝に近づこうと、一人の少女すら救えない臆病者ではないと、一歩も引かない。
守るべき者のために盾となれと、例え千の矢に射抜かれても
この少女だけは守れと、ベルの意志が鳴る
カーン!カーン!!カーン!!
「これは・・・・鐘?」
「ベル殿!スキルを!」
鐘が鳴り響いた。この歓楽街に、彼女を救う希望の鐘が広まる。その鐘が今彼女を縛る鎖を断ち切る合図だと。もう彼女は自由になっても構わないと。大剣を握る手から白い光が発光する
全てを砕いて壊してでも
ベルの心は常に一つ。英雄だとか、男だとかじゃない。英雄になりたいために、一人の少女を救いたいだけの
ただの英雄の真似事だ
「ヘル・カイオス!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
地を這う衝撃波がベルを襲い。手から発光している白い光が大剣全体にも広がり。その衝撃波をこの光った大剣で防ぐ。この衝撃波が消える頃にはレベルブーストも時間切れになって解除すると、ベルも感覚でわかっていた
でもこの衝撃波を完全に消えるまでは耐えるのみだった。
レベルブーストを所持していても魔法を消すというのは並の冒険者でも難しいことなのだ。それを受け止めるベルは脅威にも等しい力を持っているってことだ。その力を未だ全開は出ていないが、魔法はなんとか受け止めて防ぐことはできる
だが防いだことで
「っ!」
「春姫さんのレベルブーストが!」
「時間切れに!?」
ベルに纏っていたオーラが消えた。もうレベルブーストは消え。元のレベル3に戻ってしまう。そうなればアイシャと互角となった
「ぐ!」
「く!」
魔法を消すことができた。でもお互い魔法をぶつかり合ったことで衝撃により大剣が壊れた。
だけど
「ぬう!」
「っ!なに!?」
ベルは大剣の塚をすぐに捨てて、右手に火の魔法を溜めていた。武器が無くても新しい戦略を考える。『相手が武器を無くしたらすぐに追撃する』と言う俺の教えた言葉をしっかりと学んでいた
「くう!」
「ぐ!!まだまだ!!」
「っ!」
アイシャがすぐにベルの顔を蹴ろうと足を繰り出した。だがギリギリな所でベルは躱す。その躱した隙を狙ってベルは右手の炎に纏う拳を
アイシャの腹に殴った
「うおおおおおおおおおおおおおおお!ファイア・ボルト!!!」
「ぐは!!!」
アイシャの腹に殴ったその衝撃にベルの火の魔法が炸裂する。その炸裂した火炎が大きく爆発し、アイシャは空へと吹っ飛び、庭園の地面へと倒れた
「がは!」
「これで・・・・・・・終わりです」
最後の敵であるアイシャも倒れた。もうここにイシュタルの眷属は居ない。
春姫を助けることができたのだ。
「春姫さん!これであなたは自由の身です!」
「うう!・・・・はい!ありがとうございます!命ちゃんも!」
「いいえ!自分たちは当たり前のことをしたまでです!」
春姫に近寄ってベルは彼女の首に巻かれていた首輪を破壊する。これでもう彼女を縛る鎖は無くなった。彼女はもう自由の身であり
本当に物語のように悪党を倒して、お姫様を救ったのだ
あとは・・・・
『あとは主人達が女神イシュタルを倒すだけです』
『そうすればヘスティア・ファミリアは勝利します』
「てことは?」
「はい、あとはジークさん達が女神イシュタル様をどうにかするのみです」
まだ春姫を救出することがだけであって、根本的な解決にはなってない。アイシャとサミラと団長のフリュネも倒した。他の眷属は降参をして、歓楽街を出ている。
となると残るはイシュタルのみ
でももう俺がイシュタルを捕らえ。ヘスティア達と共にイシュタルの神室でイシュタルの審判をする