ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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竜殺しの危険なレアスキル

 

 

三日後

 

 

「これでわかっただろうロイマン。イシュタルがイヴィルスだった事が」

 

「うむ・・・だが・・・」

 

「まだ俺たちにペナルティを持ち込むか?こっちはイヴィルス狩りをしただけだ。お前はルールだからと俺たちに罰を持ち込むのか?俺はこの街のためにも平和を作ったのだが?それでも・・・・・俺たちに持ち込むか?」

 

「ぐう!」

 

 

俺はギルド本部にてイシュタルの本業の裏工作を、班長であるロイマンに全て公開した。イヴィルスはこの世にあってはならないテロ組織だ。それを殲滅しただけだと言うのに、ロイマンはルールだからと。俺たちにファミリア抗争をしたペナルティを持ち込む

 

だが道理でやった事だと。むしろ褒めるべきだと、感謝される側だと俺は言葉攻めをする

 

 

「お前が気に食わないのは、どうせお前の楽しみである娼婦の店が消えたからだろう?」

 

「っ!?なぜそれを!?」

 

「調べたからに決まっているだろう。それしかお前が歓楽街を利用していたなんて知るはずもない。むしろお前の相手をした娼婦達に簡単に聞いた」

 

「ぐう!?・・・なぜ私のことを易々と・・・・」

 

「お前が醜いことをしてくると、嫌味のように言っていた。本当にエルフの欠片もない醜い豚だな?品性が劣ると言うのはまさしくこの事を言うんだろうな?言い広めてもいいよな?」

 

「わかった!!ならペナルティは無しでいい!だから誰にも言うな!」

 

「最初からそうすればいいものを。じゃあな。報告は以上だ」

 

「本当にあのフレイ様の義弟とは思えない。冷たい男め」

 

「俺はフレイみたいに全員に優しくするわけではない」

 

 

そう言って俺は脅しなどを用意してロイマンに無理矢理ペナルティを回避した。ロイマンが歓楽街を利用しているのは知っていた。と言うか前にロイマンを相手にしている娼婦と話をした事を昨日偶然廃墟となった歓楽街で聞いた

 

一応廃墟になった歓楽街がどこまで壊れたのか一人で確認していたのだ。そしたらそのような愚痴を言う娼婦を見掛けて話を聞いたのだ

 

あの娼婦にはいい情報を貰ったと。良い脅しができたとおかげでロイマンを黙らせる事ができた

 

今度ケーキでも作って送ろうと考えて、班長室を出た

 

 

「あ、ジーク。もう終わったの?」

 

「エイナか、ああ。全部片付いた」

 

「ねえ?・・・・本当にイシュタル・ファミリアを壊滅させたの?もう凄くその話が冒険者でも街でも持ち切りなんだけど」

 

「事実だ。俺は敵ならなんであろうと排除する。少しでも隙を見せれば俺たちは殺されてた。現に昼に奴らに襲撃されたんだからな」

 

「うん、聞いたよ。ジークを奇襲するなんて・・・あのファミリアは本当になんでもやりたい放題するのね」

 

「珍しくはない。あんなファミリアなど。もしかして俺が人殺しをしたことに軽蔑を感じたか?」

 

「そう言うわけじゃないけど・・・でも本当にそういうことをしたんだね?」

 

「ああ。やっぱり軽蔑しているな」

 

「違う!別に軽蔑してなんか・・・」

 

「しているだろ。自分の友人が人殺しをしていたなんて事を受け入れるなんて難しい話だからな、そんな顔をしていれば誰でもわかるぞエイナ」

 

「うん・・・・ごめん」

 

「気にしなくて良い。友人が減るのは慣れているからな」

 

「でも私はジークの友達よ!それは絶対よ!」

 

「わかった。まあ友達だからこそ心配しているこそ。俺を想って言っていることも理解している。だからと言って大きな声を上げるのはどうかと思うがな」

 

「え?・・・・っ!?」

 

 

エイナの大きな声がこの本部内を響かせた。おかげで他の職員に注目を浴びた。そんな子どもらしい事をしてしまったことにエイナは恥らせて顔を両手で隠した

 

友人を思うからこそ、人殺しなど得にならないと、友人として心配だっただけのこと。軽蔑する事がそこまで悪いとは言わない。一度はそういう事をしてもう無理な事はして欲しくないと。俺を想っているって事はわかっている

 

 

でも現実はそれを許さない。命の危機は幾つでも時にはある。だからエイナには悪いが聞けない願いだった。少しでも気を敵に見せれば失うという事

 

エイナにはわからない現実だと。すまないがこればかりはどうしようもない

 

 

「桜花。待たせたな?」

 

「ああ。全然大丈夫だ。それでどうだった?」

 

「ペナルティは無しだ。俺たちは無罪放免となった」

 

「本当にお前はすごいな」

 

「脅しはしたがな」

 

「脅し!?」

 

「気にするな。とにかく俺もお前達も無罪だ。ペナルティは無しだ」

 

 

桜花もタケミカヅチ・ファミリアの団長として一応ファミリア抗争のペナルティを要求に応じようと俺と共にギルド本部で裁判をしに来たのだが、俺一人で十分だと。途中まで俺が一人でやると桜花を退場をさせた。そしてその後桜花には聞きかれたくない脅しでロイマンを黙らせた

 

 

「これでイシュタルを襲ったペナルティは無し。もうこの件は終わりだ。帰っていいぞ桜花」

 

「あ、ああ。あれ?お前はまたどこかに?」

 

「ああ。ちょっと俺のことをイシュタルに話した元凶に会いに行く」

 

「え?神イシュタルにお前のことを話した元凶?」

 

「ああ」

 

 

実は俺はわかっていた。なんで急にダンジョンにフリュネ達が襲ってきたのか、なんでイシュタルが俺のことについてどこから詳しく聞いたのか、それを話した元凶の所へ行く

 

桜花にそれだけを告げて、別れた

 

誰かがイシュタルに俺のことについて話したから、始まった事件。そうとしか考えられず、俺はそこへ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その元凶は

 

 

「お前が余計なことを言ったせいで、俺たちはイシュタル・ファミリアと全面戦争になったぞ・・・・・・・・ヘルメス」

 

「あはははは・・・・ごめん。俺も自分のファミリアを脅迫されたんだ。話すしかなかったんだよ」

 

「たく・・・・・まあおかげで命の要望は叶えたがな」

 

「でもなんで俺がイシュタルに情報を教えたとわかったの?」

 

「お前はフレイヤに頼んでいたんだろう?イシュタルから俺を守るようにと。全部義姉さんから教えてもらった。お前が殺生石をイシュタルに渡しに行ったあの日に、ついでに俺についての情報を教えたすぐに考えついた」

 

「あはは・・・本当にすごいねジーク君。まるで名探偵だ」

 

 

それはヘルメスだった

 

おそらく俺がベルを歓楽街で探している途中でこいつと出会したあの日。ヘルメスがイシュタルに殺生石を渡すついでに俺がフレイの居場所を知っている情報も教えたのがすぐにわかった。

 

それで今酒場でそれについて軽い尋問をしている

 

 

「でも問題が一つ減っただけマシだろうな」

 

「本当にジーク君って敵なら街まで焼くんだね?戦争経験者なのは知っているけど、ここまでとはね」

 

「半分だ。生き残りは半分。ホーム内に転がっている死体は俺がやったが、街に倒れている娼婦は知らん。どうせ義姉さんとエルフ達が殺したのだろう。とにかく歓楽街に住う子供を半分殺した」

 

「その中に団長のフリュネ・ジャミールの遺体が見つからないとギルドから伝達があったんだけど、知らない?」

 

「遺体も残さないで俺が消した。跡形も無くな」

 

「本当に容赦ないんだね」

 

「あいつは一番貪欲に生きるアマゾネスだ。あのまま生きたままにさせればいつか仕返しに来る。確実に殺さないとダメな奴だった」

 

「まあ・・・彼女何度もロキ・ファミリアのあの剣姫を決闘を挑んでいると聞くしね。確かに野放しにしたら面倒なのは事実だね」

 

「さっきギルドの伝達と言っていたが、俺たちとタケミカヅチ・ファミリアがイシュタル・ファミリアと抗争したことで、俺たちが悪い評価でも街でしているのか?」

 

「街の人々は君が英雄だからとやられて当然だと思っているらしいよ。他のファミリアや冒険者の方では・・・・・・・・タケミカヅチ・ファミリアはともかく、君の所属であるヘスティア・ファミリアが危険分子だと思っているらしいよ?」

 

「ほう・・・・・相手が完全に悪いと言うのに、不服だな」

 

 

ヘルメスが言うには、イシュタル・ファミリアを壊滅させて三日で

 

タケミカヅチ・ファミリアよりも俺たちヘスティア・ファミリアが恐ろしいと、他の冒険者では恐れているらしい。いくら英雄になった俺でもモンスターを滅ぼしても他者のファミリアをも滅ぼすなど。思いもしなかったようだ

 

もうこの都市で更にヘスティア・ファミリアに評価がまたも・・・・・上がるのでは無く、恐ろしく思っている

 

たかが英雄一人だけが第一冒険者だけのそれが以外はどこにでも居るニ級冒険者が少数しか居ないファミリア。それがあの第二級の冒険者眷属が二百人も以上が居て、更に第一冒険者が一人居るような大派閥でもるファミリアを滅ぼすなど

 

考えられないからだ

 

しかも主神であるイシュタルにも手を出して送還させた

 

街も燃やして、人も半分殺した。こんな恐ろしいことをイヴィルス以上の戦果を起こしたのだ。

 

更にタケミカヅチ・ファミリアとあの都市最強の冒険者が居るフレイヤ・ファミリアまでも協力した。他のファミリアとパイプを持っていることが明白

 

もはやヘスティア・ファミリアを弱小ファミリアとして扱えないと、敵なら本当に容赦なしに滅ぼすと。

 

街の人々はともかく。他のファミリアではヘスティア・ファミリア見縊ってはならないと恐ろしく思っているようだ。

 

 

「人の評価など、どうでもいいが、俺たちの敵になったらどうなるか・・・・思い知らせるにはちょうどいい」

 

「本当に恐ろしいことを言うね」

 

「こっちは平和に過ごしているんだ。その平和を脅かす愚か者どもがいくつも居るんだ。脅しとしては十分だ」

 

「まあ今回ばかりは確かにイシュタルが悪いね。ギルドの方もあまり君たちに責める事はできないようだしね」

 

「こっちに何もしなければ俺たちだって何もしない。俺たちに手を出して侮った報いだ」

 

 

何度責められようと。ヘスティア達はともかく、俺は認める気はない。敵が居たから殲滅した。倒さなければこっちがやられる。俺はそんな敵をの話にする気はない

 

敵は常に殲滅する。仲間を守るためなら他者を滅ぼすと

 

俺が冷たいと言われようが関係なく、今後誰であろうと敵であるなら滅ぼすと。ヘルメスにも脅しとして思い知らせた

 

それを見たヘルメスは・・・・・・『あ、俺とんでもない人と手組んだな』と、驚愕をしていた

 

 

特にヘルメスにこれ以上問うこともなく、俺はそれだけを聞いて、俺は酒場を去った。聞きたいことだけ聞いて俺はそれ以上なことを聞かなかった

 

イシュタルから盗んだ情報をヘルメスに渡しても良かったんだが、今はまだ使うには早いと。先のことを考えてまだ教えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで・・・・・今度はお前が何か用か?・・・・・・アレン?」

 

「テメエに聞きたい事がある。俺の質問に答えろ」

 

「相変わらず感じ悪い奴だ。喋り方がベートと同じ。品性が劣るな」

 

 

まだやるべき事をするためにある店に向かう途中で、後ろの方でアレンに跡を着けられていることに俺は気付いていた。だから道中人が居ない建物の裏の方に移動して。俺はアレンを無理矢理表に出した

 

物凄く機嫌の悪そうな顔をしている。質問があると俺の所へ一人で来たようだが、聞かなくてもわかると思うが、念のために俺は聞く

 

 

「あのお方を唆すとはどういう了見だ?」

 

「そう言うだろうと思った。俺はフレイの義弟として義姉であるフレイヤにも知らせただけだ。そしたら義姉さんが自ら戦場に赴いた。それだけの話だ」

 

「あのお方を義姉さんって呼ぶんじゃねえ!!テメエがあの人の家族になるなど虫唾が走る」

 

「お前には関係ないだろう。俺の家族構成に文句を言うな」

 

 

どうせオッタルと同じように、主神を想うが故の文句だと思った。

 

主神の気持ち関係なく、寵愛などを欲しがるが故に、自分の傲慢な解釈をした。すぐにアレンならそう解釈すると、猫らしい考えをすると思った。本能のままに動く。そう言う所は妹であるアーニャと同じだと思った。こいつは妹をクズと呼ぶが、そんな単細胞は兄も同じ

 

家族でもない、たかが眷属なだけの男に、俺の家族構成にケチを付けられたくなかった

 

 

「それでなんだ?何が言いたい?」

 

「二度と!あのお方を誑かす事はするんじゃねえ!でないとお前を殺すぞ!」

 

「義姉さんはイシュタルを天に帰して満足していた。少なくとも俺は義姉さんが望むものを与えただけに過ぎない。唆した覚えはない」

 

「だとしてもあのお方を義姉さんと呼ぶんじゃねえ!気安くあのお方を姉として扱うな!あのお方に近づくな!」

 

「家族だから仕方ないだろう。俺はともかく、義姉さんから今後近づく事が多くある。それでもお前は近づくなと言うのか?義姉さんが望んでいたことをお前が拒否する権限があるとでも?」

 

「ぐ!・・・・」

 

「本当に考えが悪いな。見苦しいともあるが、フレイヤの気持ちを考えないで俺の方に文句を言うとは・・・・・本当にクズ猫だな。正直目も当てられない」

 

 

アレンの見苦しい議論に巻き込まれたものだと。こいつの言い分が下らな過ぎて呆れた。大方嫉妬をしたのだろう。眷属よりも家族の方が主神との絆がデカイと感じて、見苦しも嫉妬をしたと

 

アレンに似合わないとは思えない感情を抱いたようだ。

 

 

「仮に俺を殺した所で、俺に危害を加えたら逆に義姉さんが怒るぞ?義姉さんは前より俺を欲しがっているからな・・・・何か傷でも付けたら今度はお前が義姉さんに消されるぞ?」

 

「テ、テメエ!!」

 

「だから俺に文句を言うな。そこまで俺と義姉さんが近づくのを良く思わないのなら。義姉さんに文句を言えばいいだろう?俺だって別に下心があって近づいているわけじゃない」

 

「ふざけるな!あのお方にそんな事が言えるか!!!」

 

「本当にお前らは・・・・主神想いなのは良くわかるが、だからと言って文句の一つも言わないで忠実に従うとは、お前らが上下関係が激しい上に。義姉さんのやることについて注意もしてないんだろうな」

 

「黙れ!お前にはわかんねえんだよ!あのお方の愛しさを!」

 

「ならさっさと求婚をするなり、告白するなりすればいいだろう」

 

「は!?テメエ本気で言っているのか!?」

 

「珍しくもないだろ?眷属が主神に求婚を申し込むなど。何をそんなに焦る事がある?」

 

「あるだろ!!!俺はフレイヤ様に確かに寵愛を貰いたいが!求婚を貰いたいとは思ってねえ!!」

 

「じゃあ誰かに義姉さんが取られてもいいのか?確か伴侶を探していると前に義姉さんから聞いたが、もしその伴侶を見つけて結婚したりなどをしてお前が認めるのか?」

 

「認めるわけねえだろう!!!あのお方はいつまでも俺たちの主神様だ!!!俺は認めねえからな!!」

 

「もう何を言っても言葉遊びにしかならないから。もう行くぞ」

 

「おい待て!まだ話は終わってねえぞ!」

 

 

俺はアレンのアホな話を無理矢理終わらせてさっさとある店へと向かう。ああ言えばこう言うと、キリがないと俺はさっさとアレンの元を去る

 

そこまで俺とフレイヤが近づくのが嫌ならフレイヤ自身に文句を言えばいいと、眷属から注意を出せばいいのに、偉大さがあるのか、忠義に傷を入れるのが嫌に思うようでなかなかそんな事が言えないようだ

 

まあ俺とフレイヤが俺に近づくのを拒むのは。俺が二年前に自分が敗北した男にフレイヤが好意を抱かれるのが不服だからだ

 

個人的に俺が好かない。だから文句を俺に言いに来たのだろう

 

 

なんとも見苦しい奴だと呆れた。あまりひつこく追ってくるようだから、これ以上追ってくるのは面倒だと、『これ以上近づくならフレイヤに言いつけるぞ?』と脅しをして、アレンは俺を憎むもその場に立ち止まった。

 

こんな野蛮な猫はさっさと飼い主に任せた方がいいと。飼い主にチクると脅しをして話を終わらせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレンをその場に置いて、俺が向かった店は

 

 

「ヘルメスが変な事をさせたようで、悪かったなミア」

 

「にしては派手にやったね。ジーク」

 

「仕方ないだろう。あれはテロ組織だ。殲滅しなければこっちが痛い目を見る。敵は殲滅あるのみだ」

 

 

フレイヤに伝達はともかく。ヘルメスがミアに無理に伝達をさせたのは知っている。だからミア達にも礼を言いに来た

 

ヘルメスに無理に頼まれたとは言え。やってくれたことには変わりないため、ちゃんと感謝を言いにここまで来た

 

 

「にしても、あんたも災難だったね。あのイシュタルに目を付けられるなんて」

 

「まったくだ。おかげで奴らと全面戦争することになった。でも奴は下界を去った。ひとまずは一件落着ということだ」

 

「ああ・・・・・・でもファミリアの問題としては解決したかもしれないが、あんたの問題はまだここにあると思うけどね?」

 

「なに?」

 

 

イシュタルが去って、ひとまずは俺たちのファミリアは平和をまた謳歌できると、奴が居なくなったことに対してスッキリしたと。ゆっくり休めると思っていたのだが

 

その直後になぜかミアが俺だけまだ問題があると。ここにまだ俺が解決しなくてはならない問題があると言ってきた

 

なぜここに問題があるのか、疑問だからとミアに訊こうとしたが

 

 

「ねえジーク?」

 

「ん?シルか。どうかしたのか?」

 

「ヘルメス様から聞いたんだけど。前に歓楽街に行ったって本当かな?」

 

「ああ、事実だ。事情があってそこに行ったんだ。どうしてもな」

 

「事情?そうだよね。ジークだって男の子だもんね?」

 

 

「ん?ミア。まさかお前が言っている問題と言うのはこれか?」

 

「ご察しの通りだよ」

 

 

ミアが言う問題と言うのは、シルがなぜか俺が歓楽街に行ったことについて怒っているということだ

 

彼女が俺に恋をしているという事は知っている。まさか他の女性と俺は性交することに想い人としては気に食わない話だ。だから俺が浮気みたいな事をして怒っている

 

でも事実を言う

 

 

「君は誤解している。俺はあの日歓楽街で逸れたベルを探しに行っただけだ。娼婦と遊んでいたわけではない」

 

「本当に?」

 

「本当だ」

 

「本当かな?本当にそんなエッチな事はしてないって言い切れるの?」

 

「・・・・・・」

 

 

どんな言葉を重ねても。やっぱり彼女は証明できるものがない限りは引き下がらない。こういう強引な性格は本当に義姉さんそっくりだ。

 

どんな言い訳をしても彼女の怒りは収まらないと理解できた。そして彼女は俺が他の女性と性交するの拒んでいる

 

 

なら俺も残った気持ちを出して、男の欲を吐き出す

 

 

 

 

「なら今日の夜。君が俺としてくれないか?」

 

「え?」

 

「ほう・・・・・」

 

 

シルがそこまで俺と他の女性とそういうことをしてはならないと言うのなら、俺も自分の欲望にしがみ付くように、シルを求めるまで

 

そうすればシルも納得するだろうと。俺は席を立って彼女に迫る。シルも俺がそんなストレートな事を言った事で顔を赤くしている。恥じらいをしているのがすぐにわかった

 

ミアは俺が強引なことを言ったことに、面白いと止めたりしない

 

でも俺は強引に彼女に近づく

 

 

「俺だって男だ。確かにそういうことには興味は無いが。だが相手が君なら俺はしたい。君がしてくれるなら話は別だ」

 

「ジ、ジーク!?本気で言っているの!?・・・」

 

「ああ。君がしてくれるなら俺も君を求める」

 

「でもまだ私たちはその・・・子供だし」

 

「君はもう18歳だ。そろそろそういう事を体でしたくはないか?もうそれくらいの歳なら誰でもするぞ?」

 

「で、でも私も初めてだし!」

 

「初めてか。それは良かった。君の初めては是非俺が貰おうと思っていたんだ。心配しなくても俺も初めてだ。だから優しくするし、俺の初めても君が貰って欲しい」

 

「まだ心の準備が!」

 

「今じゃないさ。今日の夜に。それとも俺とするのが嫌か?」

 

「うう・・・わ・・・私は・・・」

 

 

「ジーク。あまり私の娘を誑かさないでくれるかい?」

 

「俺は本気だ。ミア。悪いが俺もシルも、もうそういう年頃なんだ。珍しくもない事をするだけだ」

 

 

そうして俺はシルを後ろの壁にまで追い込み、手を壁に当てて彼女の逃げ場を無くす。いわゆる『壁ドン』とか言う。女神が男にされたい行動の一つをした。大抵これをされる女性は気が弱くなるとか、そんな事を二年前にロキに聞いて実行した。

 

実行したらシルも顔を赤くして何も言い返さない。ヘスティアの時もそうだったが、やはり女性は男から強引された方が立場が逆転するようだ

 

ミアはそれを見て、シルを誑かすなと娘を守っている。

 

俺は本気で言っているんだがな。これが俺にカオス・ヘルツによって残された正直な感情だ。

 

そんな強引な事をされたシルは

 

 

「ジーク・・・あなたが・・そこまで言うなら・・・・今夜私と!」

 

「っ!」

 

 

本当にシルもその気になってくれたようで、今夜誰も居ないところで性交をしようと受け入れてくれた。まさか本当にうまく行くとは思ってもおらず、俺も少し驚愕していた

 

やはり彼女も女だからなのか、異性とそういう事をしてみたいと理解する。珍しくないからな。今時体だけの関係をする友人を持つ未成年が居るなど、思春期になるとこうでもしたくなる

 

シルが素直になったことで、俺もこれで遠慮なく求めていいと。彼女の許可が降りたから本当にしていいかもう一度問いただす

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

「いけませんジークさん!!」

 

「え!?リュー!?」

 

 

「っ!」

 

 

「そういうのはまだ・・・早いと思います!」

 

「そうにゃ!いくらんでも早すぎるにゃ!」

 

「もう少し節度ってものがあるにゃ!ジーク!」

 

「いくらなんでも。ジーク!それはセクハラよ!」

 

 

「そうか?」

 

 

突然横から俺の手を退かしてリューがシルの前に立った。その勢いでアーニャやクロエとルノアと。他の店員仲間に邪魔される

 

 

「ジークさん。確かにあなたもそういう年頃ですから、そういう事をしたいのは山々ですが、それは恋人になった相手にするべきでは?」

 

「そうにゃ!ましてやシルなんかに!ジークの・・・・・・・・・初めてを捧げちゃダメにゃ!」

 

「ジーク!悪い事は言わないからやめるべきにゃ!シルだってまだそんな事をできるかどうかわからないにゃ!」

 

「ジーク!ここはあえてやめよう?今後のことを考えて。ね?」

 

 

「そうか・・・・言われてみればそうだな。シル。すまない。強引にしすぎたようだ。謝罪する」

 

「え!?ジーク!別に私は今夜でも・・う!?」

 

 

「そうです!いけませんよシル!そういうことをしては!」

 

「そうにゃ!そういうのは・・・・もっと先にゃ!」

 

「シルは少しは考えるにゃ!相手は英雄にゃ!勝手に触っていいものではないにゃ!」

 

「シルには悪いけど。『いろんな都合』により、そういうのは断念よ!さあ早く洗い物を残っているんだからこっちに来て!!」

 

 

「ああ!ちょっとルノア!?ジークーーーーーーーー!!!」

 

 

「・・・・・・・・すまなかった」

 

 

何がどういうことなのかはわからないが、やはりそういうのは恋人同士でやるべきだとはリュー達に学んだ。彼女はシルの親友でもあるため、そういうのは彼女のためにも思って、そういうのは節度を弁えてからだと

 

俺もシルの気持ちを考えずに自分の気持ちを押し付けるなど。確かに彼女に申し訳ないと思って、俺もよく考え直して、そういう事は控えることにした

 

でもして見たかったと後悔は少しする。でもシルが嫌がっているようには見えないのだが、何か言おうとしたのにリューが口止めをした。でも気のせいだと思ってそれ俺はシルを追いかけずにそれ以上のことは何も言わず。シルを仕事に戻らせた

 

 

「あんたって・・・鈍感なんだね?」

 

「鈍感?感知はできるし。周囲の気配に気は配れるぞ?」

 

「そういう意味じゃないよ」

 

「?」

 

 

ミアが俺に鈍感だと言った。俺は周囲の気配を感知できる。鈍感って言うほどではないはずなのだが、ミアはそういう意味ではないようだ。

 

一体どう言う意味でそんなことを言っているのか。どう周りを見渡しても理解できなかった

 

シルは今でも洗い場で何か騒いでいるが、リュー達と楽しく会話しているなと察する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊饒の女主人を後にして、俺は真っ先に自分のホームへと帰る。わかってはいたが、ここまで俺たちがイシュタル・ファミリア襲うことでこうも話題に上がるほどの評判を受けるのはもはや覚悟の上だった

 

しかもオラリオ内で戦争するなど。俺たちくらいだろう。最も他のファミリアが信じ難いのはたかがレベル六一人しか居ない、あとは少数だけのレベル二の冒険者だけで。あのイシュタル・ファミリアを襲ったと言うこと

 

明らかにレベル差が激しいと言うのに。それで勝ったと言う事実。

 

 

もはや俺たちはレベル差関係なく、相手を確実に敵を殲滅すると、他のファミリアや冒険者達にもできないことをして、他の派閥に恐れられてしまった

 

まあ、今後イシュタルのような馬鹿なことをする奴が居たとして排除されるだけだと、いい脅しだと俺は思っていた

 

だから別にそんな扱いをしても構わないと。対して俺は気にしていなかった。ベル達は気にしていると思うが、これが春姫を助けた代価というのものだと考えるしかない

 

 

「ん?」

 

 

ホームの前まで辿り着いたはいいが、その門の前でヘスティアとベル達とアイシャ達バーベラが居た。まさか仕返しに来たのではないのかと、俺はグラムを持ち出した

 

 

「ヘスティア。今帰ったぞ」

 

「あ!ジーク君お帰り!でも・・・・なんで武器を持っているの?」

 

「ここに敵が居るからだ」

 

「敵?ああ!違うジーク君!アイシャ君達は敵じゃないよ!」

 

「本当か?以前敵となったこいつらを、今でも信用できないんだが?」

 

 

「いきなり出てきたと思えば、まだあんたは私らのことを敵だと認識するんだね?」

 

「以前敵となったお前らを簡単に信用など。俺にはできるか」

 

 

ヘスティアに帰ったと通達する。そして俺が武器を持っていることをヘスティアが尋ねると。アイシャ達敵がここに居るからと、目の前に敵が居るからと当たり前の対応をしていた。なぜここにアイシャ達が居るのか尋ねる。

 

ヘスティアが言うには敵ではないと言っている。でも俺は一度敵となったアイシャ達を敵じゃないと信用するなどできなかった

 

 

「ジーク様。どうかアイシャさん達を信じてください。別に私たちを奇襲してきたわけじゃないんです」

 

「そうか、だが春姫。俺はこいつらに恨まれるようなことをしているから、どうも敵ではないと認識できない」

 

「え?」

 

 

「ジーク・フリード。それってあたしらの部下をあんたが殺したことか?」

 

 

「その通りだ。俺はお前らに恨まれる対象だ。だからお前らは俺に復讐するのではないのかと。今も敵として今も認識している」

 

「それってジークさん。以前の事件でジークさんがイシュタルの眷属を殺したことについてでですか?」

 

「そうだ。ベル」

 

 

以前俺はイシュタル・ファミリアの全面戦争をして、俺はアイシャの仲間を半分殺した。バーベラでも仕返しはするはずだと、俺はアイシャ達を敵として疑い。確かなことが無い限り。俺はアイシャ達を敵視として解くことは無かった

 

 

「ジーク・フリード。私らは本当にあんたに復讐なんてしないさ。だからそんなに殺気立てないでくれよ?」

 

「なぜだ。俺はお前の仲間を殺したんだぞ?憎くないのか?」

 

「まあ、確かに私の仲間を殺したことについてはやりすぎだと、文句を言いたいが、あんたは初めに警告をしたろ?『自分に挑む者は必ず殺す。そうでない降参する者は見逃す』と、あんたは戦う前に私の仲間にそう言ったんだろう?」

 

「ああ、それは確かに言った」

 

「なら私らに文句は無い。あんたは確かに降参する者は見逃してくれた。そのおかげで今ここにレナたちも居る。あんたは警告通りのことをしたんだ。あんたには非は無いと思っているよ」

 

「俺がお前の仲間を殺したことは、仕方ないと仕返しせずに認めると?」

 

「ああ。あんたの警告を聞かなかったあいつらが悪い。言うなら自己責任さ。だから私ら戦闘娼婦はあんたに何も言うことはないし。仕返しなんてしない。だから敵として認識しないでくれるかい」

 

「わかった。まあ見たところ武器も持ってないようだしな。戦意の無い人間を斬っても意味はないしな」

 

 

俺はアイシャの言う事に納得をして、グラムをバックの中に入れた。まあ本当に奇襲すならもう襲っているはずだと、俺も早とちりした

 

でもなぜ以前敵であったアイシャ達がここに来たのか、それは聞く。

 

 

「なら、ここへは何しに来た」

 

「春姫のランクアップについて話がある」

 

「春姫のランクアップがどうした?」

 

「ジーク。春姫をダンジョンに連れて行き、もしもランクアップする場合があるようなら、それはまだ保留にしてくれないか?」

 

「妖術師としてまずは身の振り方を覚えて貰いたいからか?確かに春姫は戦闘向きではないし、武器を使った戦いには弱いと見える。まだランクアップさせるには本人の身が持たないと言うわけだな?」

 

「察しの通りだよ。やっぱりあんたなら春姫の事をわかっていると思ったよ」

 

 

アイシャがここにやってきたのは。春姫のランクアップをできるだけもう少し成長してからさせるようにと言う。春姫の身を案じての助言だった

 

確かに俺が見る限りでも異様な力はあっても。力としてはまだまだ小さい。それに武器を扱うことの筋力もあまり無い。戦闘向きではないのは明白

 

 

そんな春姫をもっと戦える状態にしてから、ランクアップするべきだと言ってきた

 

 

「そうだな。春姫はもう少し戦えるようになってからランクアップさせた方がいいと思う。春姫はこれについて意見はあるか?ダンジョンに行くのが怖いか?」

 

「いいえ、それに皆さんの力になりたいんです。アイシャさんの助言通りにします」

 

「だそうだ。わかった。そういうことにしよう」

 

「ああ、春姫を頼むよ」

 

「アイシャ。だが一つ聞かせろ。なぜお前はそこまで春姫を守る?理由があるはずだ。答えろ」

 

「なに。私もお人好しなのさ」

 

「お人好し?」

 

「簡単に言うなら・・・・・・・呑気な妹の面倒を見ていたら、いつの間にかこいつが心配で堪らないのさ」

 

 

「なるほど、お前姉御肌だったんだな?」

 

「部下が多いとね。こんな性格になっちまうのさ」

 

 

アイシャがフリュネとは違うアマゾネスだとわかっていたが、春姫を妹として守っていたとは知らなかった。確かにイシュタル・ファミリアは団員も多い。それで新人や娼婦の面倒をアイシャが担当をしていたのだろう

 

でもそんなことばっかりやっていると、姉として生きてしまうのか。か弱い元団員を心配せずにいられない為、ついつい助けてしまうのだろう

 

しかもこいつは以前フリュネと空中庭園で戦った時、レナ達だけは逃した。こいつは話せば理解できるアマゾネスだと理解した

 

だからそこで俺はアイシャに頼むと同時に提案を持ち掛けた

 

 

「アイシャ。お前はこれからどうする?」

 

「さあね。いつも通りあの半壊した歓楽街で戦闘娼婦として過ごすつもりだけど?」

 

「ならお前に一つ頼みたいことがある」

 

「なんだい?」

 

 

「お前だけでもいいからヘルメス・ファミリアに入って欲しい。春姫のために」

 

「春姫のためにヘルメス・ファミリアに?」

 

「ああ」

 

「ジークさん?どうして春姫さんのために、アイシャさんをヘルメス・ファミリアに入れるんですか?」

 

 

俺がアイシャに提案を頼んだのは、是非とも春姫のためにヘルメス・ファミリアに入って欲しいことだった

 

なぜアイシャだけでもいいから、ヘルメス・ファミリアに入って欲しいと。春姫を守るために頼んだ

 

そしてその理由を話す

 

 

「ベルも忘れたのか?アイシャのあの言葉を」

 

「アイシャさんのあの言葉?」

 

「以前お前は春姫が仮に俺たちが救えたとして、他のファミリアがレベルブーストを欲しがってまた春姫を狙うかもしれない。そしてまた誰かが殺生石を持ってきて儀式をするかもしれない」

 

「っ!?それじゃあ・・・」

 

「春姫様は殺生石があればいつでも封印されてしまうってわけですね」

 

「だからジーク殿はアイシャ殿にヘルメス・ファミリアに入って。殺生石の流通を監視して欲しいといわけですね」

 

「そういえば、イシュタル・ファミリアが殺生石を持っていたのはヘルメス様が配達で頼んでいたからだな?ジーク」

 

「ああ」

 

「なるほど、情報通のヘルメス・ファミリアなら殺生石の出所もハッキリ見えて、尚且つその流通を阻止して、春姫を他者から守るためか」

 

「その通りだ。一応ヘルメスにも頼んでいるが、できればもう一人協力者が欲しい。今でも春姫を心配かけているのであればな」

 

「ジーク・フリードって凄い考えが鋭いねえ。どうするのアイシャ?ヘルメス・ファミリアに入るの?」

 

 

もちろんヘルメスにも殺生石の流通を監視して阻止するように頼んではいるが、いくらあいつでも仕事はいっぱいある。忙しいだろうと一人で任せるには重すぎると思って、もう一人春姫を守る協力者を要請を掛けた

 

いくら俺とて、殺生石がどこから流通しこの都市に来るなど。わからない

 

だから情報網が強いヘルメス・ファミリアなら絶対にわかるはずだと。アイシャにも頼んでいる。春姫を今でも妹として想うなら是非とも引き受けて欲しかった

 

 

「わかったよ。その協力に受けてやるよ」

 

「感謝する」

 

「アイシャさん・・・」

 

「世話の焼ける妹を、姉である私が心配してやっていることさ。気にしなくていい」

 

「ありがとうございます」

 

「お礼は何がいい?タダでなんて御免だろう?」

 

「そうだね・・・・・・あんたを一晩貸して欲しいって言ったらどう?」

 

 

「「「「「「え!?」」」」」」

 

 

「お前がそれでいいならな」

 

 

当然俺だってタダで入れとは言わない。もちろん代価は用意するつもりだった。別に一晩俺を借りて、性交なりなんなりすればいいと、これくらいの対価なら構わないと。ヘスティア達が驚くが、俺の体をアイシャに好きにさせる

 

のだが

 

 

「って私は英雄であるあんたを抱いてみたかったんだが、そのお礼は私ではなく。このレナのお願いを聞いてくれるかい?」

 

「ん?レナ・タリーのか?」

 

「ああ、レナ!ジークに何か聞きたいのだろう?」

 

「うん!ちょっといい?」

 

「なんだ?」

 

 

ヘルメス・ファミリアにアイシャに入って貰う対価として、アイシャからではなく、レナ・タリーと言うアマゾネスの少女の頼みを聞いてくれとアイシャに言われる

 

なぜこの少女の願いを俺が叶えてあげなければならないのか。皆目検討も付かないが、とにかく内容を聞く

 

 

「ジーク・フリード!あなた元はロキ・ファミリアなんだよね?ベート・ローガを知っているんだよね?」

 

「ああ。それが?」

 

「教えてくれない?ロキ・ファミリアのホームを!私彼に会いたいの!」

 

「お前。まさかどこかであいつに一撃を貰って惚れたな?」

 

「うん!!私ベート・ローが大好き!そのまま子作りもしたいんだ!」

 

 

「これはかなり深くまで行っているな。やはりアマゾネスの惚れ込みは危険だ」

 

「あのジークさん?どういう意味です?」

 

「ベル。アマゾネスは自分より強いオスを好む。もしアマゾネスに男が勝ったら、その負けたアマゾネスはその男を伴侶にしようと求婚してくる。それがアマゾネスの本能だ。どこかでベートがこのレナを倒したせいで、こうもゾッコンだ」

 

「そ、そうなんですね・・・」

 

「ジーク君。もしかしてこのアイシャ君の部下達を挑んだ者だけ殺したのはまさか・・・」

 

「もちろんそれも踏まえて。俺は殺した」

 

「ジーク様って本当によく考えていますね」

 

 

アマゾネス達に惚れ込まれるのも嫌だった

 

惚れ込んだら絶対に求婚してくるはず。英雄になったから余計である。敵も確実に殺し。更には惚れ込まれるのも面倒だから殺した

 

ヘスティアはそれに気づいたようで、俺も白状した。俺も無駄な殺しをするつもりはない。何をするにも考えは必要だ。だから殺した

 

そしてレナの要望に俺は安いからと答える。まあベートを売ることになるが、あいつのことはどうでもいいと。普通にベートの居場所を話す

 

 

「ここから北地区に城の建物。そこにロキ・ファミリア本拠『黄昏の館』がある。ベートはそのロキ・ファミリアの団員だ。そこに行けば会える」

 

「わかった!ありがとう!」

 

「これでいいのか?」

 

「ああ。十分さ。それじゃあ私らはそろそろ行くよ」

 

「待て」

 

「なんだい?」

 

「もしもヘルメスが団員入団を拒否した場合こう言え。『もしアイシャを団員にしなかったら、俺がお前を殺す』と、俺の伝言を言え」

 

「ジーク君!またそんな脅しを!」

 

「春姫を守るためだヘスティア。わかったな?アイシャ」

 

「あいよ。まさか神すら脅しをするなんて、あんたは恐ろしい英雄だよ」

 

「仲間を守るためなら神すら容赦しない」

 

「わかったよ。じゃあね。春姫。そっちでがんばるんだよ?」

 

「はい!」

 

 

そうしてアイシャは仲間を連れてやるべき事へと去る。春姫が心配でこんなところまで来るとは。あの戦いはイシュタルに無理難題の命令をされていたと理解した。最初から俺たちに助けを求めればあんな事せずに済んだのに

 

アイシャはあまり人を頼らずに、誰が春姫を救うのか試したのかもしれないと、俺はあえて春姫を救える人を探さずに、俺たちがイシュタル・ファミリアを本当に潰すのか試したのではないのか思っていた

 

 

「ジーク君。あまりそういう酷いことをしないで貰えるかな?」

 

「納得できないのはわかる。ヘスティア。だが、仲間を守るためには非常手段を使わなければ守れきれない時もある。それが今だ。それにアイシャだって納得して引き受けているんだ。問題ないだろう」

 

「そうじゃなくて!!そのやり方だよ!」

 

「やり方か、では他にどんなやる方があるんだヘスティア?頭を下げてお願いしますって頼めばいいのか?それをまだこの下界に居たイシュタルでもできるんだろうな?」

 

「それは・・・・・・でももう十分じゃないか。いくらなんでもやりすぎだよ」

 

「考えが甘い」

 

「え?」

 

「ヘスティア。君には悪いが。俺はそんな情けを掛けた瞬間大事なものを失った。今の言葉。やりすぎだと言えるなら、今の言葉を『ハデス』にも言えるんだろうな?」

 

「それは・・・・・」

 

「君だって、言葉で通用しない相手が居るとわかっていると言うに、そんな奴にまで優しくする必要はない。君は優し過ぎる。いつか痛い目を見ることになるぞ?」

 

「・・・・・・・」

 

「否定してくれて構わない。だがこれも仲間のためだと思って、俺の限界のやり方だと思って見逃してくれ」

 

 

そうしてアイシャ達の対応と態度の悪さに俺はヘスティアに注意される。だが俺は一度敵になった者に優しくする必要ないと、俺は敵ではないと判断するまでは、俺は容赦のない言葉を吐き続けるのみ、

 

敵に情けを掛けて、仲間が死んでしまったと言う経験があるため。俺は敵に対して情けは掛けずに容赦もしない。俺は言動においても敵であるならそれなりの対応をするまでだと、俺は躊躇いなどもしなかった

 

それが神であるなら、俺は一切の遠慮なども敬う事もない。下手をすれば排除するかもしれないと。俺は禁忌でも恐れない

 

その態度の悪さに、ヘスティアは流石に悪いと注意を受ける。それでも俺は当然の対応だと、一切謝罪もせず、仲間を守るのためだと思って見逃せと。俺はヘスティアにやるべきことはやったと報告して。俺は自分に戻った

 

 

「ジークさん。元々厳しい性格をしているのは理解していましたが」

 

「あそこまで厳しい人だと、思いませんでした」

 

「あいつ、ロキ・ファミリアの時でもあんな感じだったのか?」

 

「いくらなんでもあんな言い方・・・・」

 

「ジーク様って英雄なんですよね?あんな冷たい人なんですか?」

 

「そんなはずはないんですが・・・・」

 

 

「・・・・・・ジーク君には悪いけど。みんなに話そうと思う」

 

「え?何がですか?」

 

 

いくら俺の冷たい態度を。ベル達ももう流石に軽蔑をした。もう十分なくらいだったはず、特に神を嫌っている。そのことにいい加減ベル達も理由があるはずだと思い。そこまで言うのなら

 

事情を知っているヘスティアがそろそろ、そのような事を話す。一応俺が言うなと言ったのに彼女はもうベル達が言わなければ納得できないと、そろそろ俺のレアスキルを教える

 

 

「ジーク君の秘密を教えるよ」

 

「ジークさんの秘密?」

 

 

ある二つのレアスキル。それは誰にも、ギルドにも、他の神々にも知られてはならないもの。なぜ俺が神を憎んでヘルを体で所持しているのか、そしてなぜこうも人に対しての感情が無いのか。

 

それには理由があると、ヘスティアはベル達を連れてホーム内であるリビングで話をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス・ヘルツ?」

 

「ゴット・シェアシュテールング?」

 

 

「ジーク君の唯一のレアスキル。それがジーク君を強くし。ジーク君が神を憎み、人に対して情を感じなくなったのが原因」

 

「僕はカオス・ヘルツと言うレアスキルは聞きましたけど。ゴット・シェアシュテールングは聞いたことありません。なんなですか?」

 

 

二つのレアスキルをベル達を明かした。もちろんそれがなんなのか名前としてはわからない。でもレアスキルと言うからには、余程の力だとわかる。

 

 

「その内容が書かれた。これがジーク君のステイタスの一部だ」

 

 

そしてその内容の書かれた紙をヴェルフ達に見せた

 

忘我混沌(カオス・ヘルツ)

怒りの感情が強くなることで絶大な魔力と力を得る。相手が強くてもレベル差が関係なく圧倒することが可能。更に感情を無くすことで異常なアビリティを成長をさせる

 

神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)

神の力を破壊&無効化。もしくは神の力を得た者をその力を引き裂くことで『神の力』を得た者から破壊する事ができる。送還も無効にする。そして神を完全に殺し。神を冥界へ落とす。冥界に落とされた神は冥界からは出られない

 

 

「なんだよこれ!?感情を無くすことで異常なアビリティを成長をさせる!?それってまさか!?強くなることに感情を失うってことかよ!?」

 

「アルカナムを破壊&無効!?」

 

「なんですかこれは!?」

 

「みんなどれもこれもなんてデタラメなレアスキルなんですか!?」

 

 

「これがジークさんのレアスキル」

 

「うん、これがジーク君のレアスキルだよ」

 

 

ベル達は俺のレアスキルを見て驚いた。まさかここまですごいものなのかと同時に、信じられないものだと思っていた。

 

強くなることで感情を失う

 

神の力を破壊&無効

 

もはや何もかも異常な力ばかり、俺がどこまでも強いなことはわかってはいたが、まさかレアスキルで強くなっていたなど知らなかった。だからあんなに異常な力を発揮できるのでは無いのかとベル達は理解した

 

そして

 

 

「じゃあジークがあんな冷たい性格なのは、このカオス・ヘルツのせいなんですか?」

 

「うん。強くなることにどんどん感情が失う」

 

「それって!?」

 

 

「うん。ジーク君はいつか喋ることも無くなる人形みたいに成り果てるってこと」

 

 

「そんな!?」

 

「僕は知っていたけど、一体どの高いレベルで感情が失うのか、僕でもわからないけど。このまま強くなると感情そのものが無くなっていくってことですよね?」

 

「うん。ジーク君の予想ではレベル9になると完全に無くなるって言っていたよ」

 

「あいつ。それがわかって冒険者やっているのか」

 

「もう自分のことすら感情を感じないんでしょうね」

 

「だからアルテミス様を救う際も平然と自分の命を引き換えにしてたんですね」

 

 

「ジーク君はもう。自分の命にも敵にも情は無く。相手を憎むか怒りで全てを殺すか、と言う冷たい性格しかしてないんだろうね」

 

 

まずはカオス・ヘルツの恐ろしさで話し合っていた。恐ろしいと言えるようなレアスキル。いろんな感情を失う度に強くなる。俺がいつも言う言葉。『犠牲なくして勝利は得られない』と言う言葉を、強くなるために感情など不要。

 

何かを成し遂げるためなら、どんなものだって犠牲にする。

 

 

「そしてゴット・シェアシュテールング。神の力を無効&破壊」

 

「恩恵とかも無効されるのですか?」

 

「そんなことしたらステイタスも得られないし。エクセリアも得られないよ。でもそれで僕ら神々を滅ぼすことができる」

 

「なんでジーク殿はそんなレアスキルを?」

 

「神を滅ぼすレアスキルなんて聞いたことがありません」

 

「いったい何をしたらそんなレアスキルを得るのでしょうか・・・」

 

 

「それは・・・・・ジーク君にはこれだけは言わないようにしろって言われたけど言うよ」

 

 

ヘスティアには俺から絶対に言うなと言われていることがある。実はヘルメスにも言わない方がいいとヘスティアに言っていたのだが、ベル達のためにもヘスティアはベルに言ってしまう

 

 

「ジーク君は。僕たちから出会う前から神を一人殺したんだ」

 

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「ジーク君の母であるトールが、その妹であるヘルに送還されて。その母を送還した死の女神ヘルを、ジーク君が14歳の頃に恨んで殺したみたいなんだ」

 

「僕と同じ歳で女神を殺した!?」

 

 

あり得ない事実だった。

 

小さき頃に女神を殺している。つまりもう幼い時に女神を殺して禁忌を犯している。イシュタルをも殺そうとして、神を殺すべきだと考えるようになったのはまさしくこの頃から、母を追い込まれた時から、俺は神が大嫌いになった

 

母も同じだと言うのに、それでも神が憎い。その矛盾に俺はなんでもかんでも睨み、敵になった神々をかたっぱしから滅ぼそうとする。

 

 

「ジーク君がこのゴット・シェアシュテールングって言う神々を殺すレアスキルを得たのは、おそらく過去にアポロンに嵌められて、そしてロキに疑われた事で神々を完全に信用できなくなって、恨んでそのレアスキルを得たんだと思う」

 

「14歳の頃にお母さんを送還されて。その妹の死の女神ヘル様を殺して。その次にはアポロン様に嵌めれて、ロキ様に疑われる。確かに今までのことを振り返って、人生を神々にめちゃくちゃにされてしまっては、そういう神々に対抗するレアスキルを習得してもおかしくありませんね」

 

「ヘルって・・・・・・確かこの前ジークさんの体から出た。あの黒髪の幽霊な人」

 

「うん。ヘルは死の女神だから、能力で自由に体を霊体化させて、相手の魂に憑依する事ができるんだ」

 

「だからジーク様は、あの女神や他の神も含めて、神そのものを嫌っているんですね」

 

「うん。友人になってくれる神はともかく、敵になった神は、ジーク君は殺すと思うから・・・・」

 

「ジークさんは今までにおいて、辛い事ばかりを体験した事で、こんなレアスキルを得たんですね」

 

「神々に人生を狂わせるか、確かに恨みたくはなるよな。それも家族である母親を手に掛けられれば」

 

「自分たちよりも皮肉な過去を背負っていたんですね」

 

「ジーク様は英雄になる前は・・・・・私よりも辛い人生を歩んでいたなんて、知らなかったです」

 

 

誰もが、そしてベル達は、なぜそこまで俺が強いのか、意志や力に対しても疑う事のない強さを所持していた。でもそれがなんの苦労も無く。ひたすら修行をして努力していて強くなったのかと思ったが、

 

そうではなく。辛いことを経験して得た。怒りに身を任せて発揮した。怒りの憎しみの強さだった

 

強くなれた代わりに、それに伴う代償と言う経験をしていたのだ。これを味わえば精神なんて普通は耐えきれない。普通のヒューマンでは抑えきれない憎しみだった。幸せなことなんて何一つ無いとも言えるような絶望の人生

 

唯一幸せだったと言う時があるとしたら。母が居た時だけだろう。そんな苦労した人生を歩んで俺が強くなったのなら納得してはいるけど、ベル達はそんな傷ついてきた俺になにかしてあげたいと考えていた

 

仲間が辛い想いをしている時は必ずベル達は慰めるようなことを仲間としてしたい。そう考えている

 

だが

 

 

 

「何を俺を抜きに話していると思ったら、俺のレアスキルのことを話していたのか」

 

 

 

「あ、ジーク君・・・・ごめん・・勝手に話しちゃって」

 

「前にも言ったが、俺はもしもの時は話していいと言った。だから別に気にしてなどいない」

 

 

そこへ俺がリビングに入ってきた。

 

書類仕事を全部片付けたため、お茶にでもしようかとここで少し休憩をしようと思ったのだが、そこへヘスティア達が俺が居ない間に俺のレアスキルだけが書かれたステイタスの紙を持って話していたところを見掛けた。それで俺のレアスキルと過去のことについて話していたとすぐにわかった

 

本人も居ることだろうと。ベル達は俺にその事について聞いたきた

 

 

「ジークさん。神様から今あなたの過去について聞いたんですが・・・・・僕と同じ歳に女神を殺したって本当なんですか?」

 

「事実だ。でなきゃお前達だって、以前俺がアルテミスのために死んだ後に、俺の体からあんな亡霊が出てくるとは思えないだろう?」

 

「それは・・・・そうですが・・・・」

 

「ここに居る全員だって、過去に誰かを亡くしているとか、辛いことがあったりはしないのか?ヴェルフ。お前だってそうだろう?魔剣嫌いになった事とか」

 

「ま、まあな・・・」

 

「誰にでもそんな過去がある。そしてそんな辛い想いや体験をしてレアスキルを得た。スキルというのはそういうものだ」

 

 

家族を失う体験やそれ以外で痛い想いをするなど、誰にでもある。ベルでも、リリルカでも、ヴェルフでも、命でも、春姫でも、そしてヘスティアでも

 

誰にも辛い過去はある。だから別に慰めて欲しいとか、今になって優しい言葉を掛けられても癒しはしないと。当たり前だと、過去に体験したことをただ受け入れるのみだった。過去は変わらないのだと。否定することは無かった

 

 

「今更俺が過去の痛みで強くなった事を知ったくらいでお前らが悔やむ必要はない。俺はこれで強くなれたなら代償だと思って受け入れるのみだ」

 

「でも辛くないですか?そんな事をしてなんのためになるんですか?」

 

「過去に痛い想いを知って強くなれた事で今他人を守ることができる。今守るべき者達が守れればそれでいいだろう。今が良ければ、過去の痛みだって乗り越えられる。過去を引きずっても何もならない」

 

「そうですけど・・・でも・・・」

 

 

「ふう・・・・・そこまでお前らは俺のことを気にするんだな。なら・・・癒しが欲しいと言うなら言おう」

 

 

そこまで俺の辛い過去について何か慰めになるようなことをしてくれるなら嬉しいものだと。叶いわしないが、俺の今の心で癒しになるようなことをしたいと望むならと、俺は欲を言う

 

絶対に叶わないもの。それは

 

 

 

 

「おふくろに会いたい」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「ジーク君・・・」

 

「ヘスティアもわかっていると思うが、下界から天界へと強制送還された神々は」

 

「うん、二度とここには戻ってこられない」

 

「俺はお前らには大人だなとかよく言われるが、俺は成人してないとか関係なく、お前らより遥か子供だ。今でも母親が恋しい。子供のワガママに過ぎないことだが、今の俺の心に癒しになるような事が欲しいなら俺はそれを望む」

 

「そうか・・・・・ジーク君はトールに会いたいんだね」

 

「ああ。これはいくらなんでも幼稚だなと言われるだろうか」

 

「そんな事ないよ!トールだって天界でジーク君に会いたいはずだよ。なにせ神々である僕らは普通なら子供なんて産めないのに、それを産んでいるなら母親として君に会いたがっているはずだよ」

 

「そうだろうといいな。俺だっていつかは母と別れる覚悟はしていた。子供はいつか母の元を去って大人になって旅に出る。そんな人生において当たり前だと思うようなことを、俺は子供のワガママで無視していた。昔みたいにおふくろに抱かれて寝たい」

 

 

母に会いたかった

 

元々冒険者を始めたのも母の言うことを聞いてやってきた。そんな姿を見せられなく事なく、妹にやられて天に帰る前に俺に言うなど。俺からすれば勝手すぎる遺言だ。

 

でも見せたかった

 

ここまで成長して世界に英雄と呼ばれるようになった今の姿の俺を。見て貰いたかった。こんな幼稚で子供のワガママそのものの望みに。俺はずっとその癒しが欲しかった

 

そうすれば、俺のこの壊れ欠けた心を癒す事ができると思っていたからだ

 

 

「俺はそこまで大人に見えるか?だとするなら見栄を貼っているだけだ」

 

「そうなんだ・・・・」

 

「見栄を貼っているはともかく。今のお気持ちは私もわかります。ジーク様」

 

「ん?春姫。お前は俺の気持ちはわかると?」

 

「はい。あなたはもう十分辛いことを体験し、他人や神々に酷いことをされて、誰にも頼れることのない。一人でずっと居た時があります。今のジーク様は孤独で苦しんでいるのではないのかと私は思います」

 

「孤独か・・・・・・・・確かにそれに等しいな、考えたことすら全然無いが、お前はイシュタル・ファミリアに所属していたからそういう孤立があったからな」

 

「誰にも縋ることなく一人でなんでもこなすのはとても辛いです。だから私はジーク様の気持ちがわかるんです」

 

「そういう時はお前はいつも堪えていたのか?」

 

「アイシャさんに頼ってばっかでしたね。甘えたりはできませんけど」

 

「そうだろうな、俺も同じだ。頼れる相手は居ても、甘えていい相手は居ない。そういうのは好きな女に頼めないからな」

 

 

春姫も俺も同じだ。孤独で苦しんでいた。

 

頼れる仲間や家族も居なかった。居たとしても失う。そんな縋ることもできない。それにそんなことをしても癒しになるとは限らない。別に慰めなど必要ない。

 

 

「別に気を使わなくていいぞ。今ここにいい仲間達が居る。お前達が居れば俺は別に傷ついても構わない。常に強者というのはそういうものだ」

 

「ジークさん・・・・」

 

「僕たちが居れば十分か・・・・・いつもいつも、君は僕らを安心させる言葉をいつも言うね」

 

「俺は団長として仲間に気を使うのは当然だ。俺は成すべきことをするまでだ。仲間のためならなんでもする。それが俺のやり方だ。どうあっても変わらないぞヘスティア」

 

「そうか、僕らも君のために何かしたかったけど、君がそこまで言うならいいか」

 

 

「まあお前らがどうしても俺に何かしたいと思うのなら、もっと強くなって成長しろ。それしかない。お前らはまだ弱いからな」

 

 

「「「「「う・・・努力します」」」」」

 

「そうだね。ベル君達も頑張れ」

 

「君もなヘスティア。それと俺のレアスキルは絶対に他の者達に言うな。以上だ」

 

 

何か俺にしたい。仲間としての意気込みだと思うが。俺の心を癒すくらいならもっと強くなれと、他人を心配かける前に自分のことを考えろと言う。それでから他人のことを心配しろと、俺はまずそれに似合った強さを持ってから俺を想えと。まずは俺の成果を超える戦力を出して結果を出してから他人を想えと厳しいことを言う

 

でも本音はカオス・ヘルツで心を薄れている状態では癒しのある言葉など効かない。だから俺に愛情は必要ないと。厳しいことを言って誤魔化した

 

 

 

こうして春姫を救って。俺たちは団員を新しく迎えた。イシュタルを落として俺たちヘスティア・ファミリアの評判は上がるどころか逆に恐れられてしまったが。俺たちの平和を壊されないよりはマシだと、俺個人としては十分だった

 

ベル達はどうなのかは知らないが、少なくとも無関係ではない。タケミカヅチ・ファミリアとも変な扱いを受けていると思うが、この事件においてまた大きな評判を受けることになった

 

戦えば戦うほど。俺たちは世間や都市に大きな話題となる。

 

またも俺たちヘスティア・ファミリアはどんどん世間を騒がせる。最大ではなく特別な派閥だと。オラリオに知らしめることになった

 

 

そして次の戦いもすぐすこに来ている。アレス・ファミリアと戦争。ヘスティアの返事がまだだが、もうすぐに新しい戦いが来ているのは事実。ヘスティア・ファミリアはいつまでも戦いに振り回されるファミリア

 

あと二ヶ月で、アレスがここまで辿り着く。それに参加するかはヘスティアが決めること。新たなに春姫を加わって参加するのか、もはやヘスティア次第だった

 

 

この一件で参加するとは思えないが、少なくとも俺たちはまた新たな問題に巻き込まれるはずだと。俺達は次に備えるのみだった

 

進んだ先は引き返すことなどできない。だから進むのみだった

 

でもベルは大きく成長した。これは大きな一歩だと思う出来事だと思った

 

 

ベルを成長させるには、今回の事件は俺としても良い成果だと思っている。彼がここまで頑張らなかったら、今頃春姫は救えていない

 

 

言うなら、今回は狐巫女の小さな英雄を大きく意志を強くする。試練にして良い経験だと思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二十分後

 

 

俺たちはそのままリビングで春姫にファミリア活動を説明していると

 

 

『カア!カア!』

 

 

「ん?」

 

「え?カラス?・・・・・バックパックを背負っているってことはジーク君の精霊のフギン君かい?」

 

「いや、違うヘスティア。こいつは『ムニン』だ」

 

 

突如窓から小さなバックパックを背負ったカラスが軽く窓を叩いてきた。ヘスティアも情報を伝達する精霊フギンを俺は召喚できることは知っているが、今窓の外に居るワタリガラスはフギンではなく、その弟のムニンだった

 

ムニンは俺の故郷に居る『爺さん』に仕えている。ということは爺さんから何か伝達があるのだと、窓を開けてムニンを中に入れる

 

 

「またジークさんの精霊ですか?」

 

「いや、俺の故郷に居る者だ。ムニンと言う精霊だ。ムニン。爺さからか?」

 

『カア!』

 

「言葉がわかるんですか?」

 

「ああ。俺とある者達にしかわからない。わかった。手紙はしっかりと受け取った。ムニン。遠い所ありがとう。バックの中にキャベツを入れるから故郷に帰ったら爺さんに出して貰って食べていいぞ」

 

『カア!』

 

「気をつけて故郷に戻れ」

 

 

そうして俺はムニンを窓から外へと空に投げて飛んで行く。アレスがこっちに向かってきていると言う状況で、なぜ爺さんからこんなタイミングで手紙を寄越すとは、余程知らせなくてはならない情報ではないかと、俺は手紙の封を開けて確認する

 

 

「ジークさんも祖父みたいな方が居るんですか?」

 

「いや、血は繋がってない俺に戦い方を教えてくれた者だ。その者から情報を送ってきたようだ」

 

「なんの情報なんでしょうね?」

 

「今確認する。さて、爺さんから何か・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ジークさん?」

 

「どうしました?固まったりして?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

爺さんから送ってきた情報は

 

 

俺からすればとんでもない情報ではなく、伝達だった

 

 

これは今まで以上に俺にとっては大きな事件になると。さすがにこれは速やかに対応したいが、協力者が必要な案件だと。

 

今から俺はヴェルフにある頼みをする

 

 

「ヴェルフ。今すぐここにヘファイストスを呼んでこい」

 

「は?なんで?」

 

「いいから、これはあいつに協力して貰わなければならない『事態』だ」

 

「え?事態!?」

 

「いいから呼んでこい。今すぐにだ!」

 

「お、おう!!」

 

 

これは本気でヘファイストスの力が必要だと、俺はヴェルフに元ファミリアの主神であるヘファイストスをここに呼ぶように頼む

 

 

「ジーク君?まさか・・・・アレス?」

 

「いや、違う・・・・・アレス より厄介な奴がここに来る」

 

「え?アレスより厄介?」

 

「ヘファイストスがここに来たら説明する。君でも厄介だと思うほど、また事件になる覚悟だけはしてくれ」

 

「え?僕でも厄介だと思う?」

 

 

俺のその謎の言葉にヘスティアは疑問を抱くが、その謎もヘファイストスが来れば解けると、すぐにその謎は解明される

 

爺さんがとんでもない情報をこのタイミングで来るなど。多忙ではないが最悪だと思った

 

 

 

 

 

 

 

二十分後

 

ヴェルフは言われた通りヘファイストスをここヘスティア・ファミリアのホームに連れてきてくれた。

 

 

「いきなり呼んでどうしたの?あなた達があのイシュタルを落としたのは驚いたけど。今度は私に何か用?まさか・・・・・私に何か恨みでもあるの?」

 

「いや、そうではない・・・・・ヘスティアの借金を半分早めに払うから俺に協力して欲しい。もちろんヘスティアも。それとベル達も」

 

「え?僕も?」

 

「僕たちもですか?」

 

「協力?なんであなたが私や団員やヘスティアに?何かあったの?」

 

「さっきカラスの姿をした精霊が来たんだけど。ジーク君の故郷から手紙を送ってきたんだ」

 

「ジークの故郷から伝書鳩みたいなカラスが、何かあなたに厄介だと思う伝達が来たの?」

 

 

「ああ。ハッキリ言うなら・・・・・・・お前やヘスティアでも厄介な女神がここに来る。そして俺にある用があると。今情報を故郷に居る者から受け取った」

 

 

「厄介な女神?しかもその女神はあなたに用?」

 

「僕たちの知り合い?」

 

 

「ああ。絶対にな。その女神と言うのは・・・・・・・・・・・」

 

 

爺さんが送りつけたこの手紙の内容は、ある者が一ヶ月後にここにある女神が訪ねてくるとの情報だった。その女神は確実にヘスティアやヘファイストスが絶対に知っている相手

 

俺もその女神に知り合いが居ると言っていた。それがヘファイストスだと

 

その女神本人がヘファイストスと知り合いだと言うのなら、是非ともそのヘファイストスに協力して貰おうと、この大きな事態に共に対応して貰おうと。借金を一億ヴァリス返済するから。協力を頼んだ

 

それで、俺に用があると、ここに尋ねてくる女神と言うのは

 

 

 

 

 

 

 

 

「アフロディーテだ」

 

 

「「え?」」

 

 

「誰ですか?」

 

「聞いたことないですね」

 

「知らない女神だ」

 

「自分も聞いたことありません」

 

「どんな女神なんでしょうか・・・」

 

 

アフロディーテ

 

フレイヤとイシュタルと同じ美の女神。またも美の女神が俺に一ヶ月後に尋ねてくると。爺さんから伝達があった

 

そしてその名前を言ったら、ベル達はわからないが。今目の前でソファーに座る。ヘスティアとヘファイストスが固まっていた

 

そして

 

 

「あの子がここに来るうううううううううううううう!?」

「なんでアフロディーテがああああああああああああ!?」

 

「うわ!?どうしたんですか!?神様!?」

 

「ヘファイストス様もどうしたんですか!?」

 

 

突然の主神二人の叫びにベルとヴェルフが驚いた。それは俺だって叫びたいほどの事態だ。なんであの女神が九年経ってここに来るなど考えらない。天界の誼みで過ごしたことのあるヘスティアとヘファイストスにはあいつがここに来るなど信じられなかった

 

 

「嘘でしょう!?ここに本当にあの子がここに来るの!?」

 

「ジーク君それ本当!?」

 

 

「ああ。本当だ」

 

 

「あの子。ジークに何か用でもあるの!?と言うかジークは知っているの!?」

 

「ジーク君昔にトールの誘いで会っているんだって。その時の面責で今になってここにジーク君に用があってここに来るみたい」

 

「あの子がねえ・・・・」

 

「ジークさん。アフロディーテってどんな女神なんですか?」

 

 

「フレイヤとイシュタルと同じ美の女神だ。でも性の女神でもある。簡単に言うならフレイヤとイシュタル同様に相手を魅了させる。愛の女神」

 

「はあ・・・・」

 

「また美の女神か・・・・」

 

 

「あの子が本当にここに来るなんて、それでジーク。どうしてあなたは私に協力を頼みたいの?確かに私はまあ・・・腐れ縁というか。対応はできるけど。まさかアフロディーテにまた変な事をされようとしているの?」

 

「まあな・・・・・・」

 

 

言葉で聞くような女神ではない

 

それはヘファイストスも知っている事、彼女は今口にしたが腐れ縁のようだ。対応はそれなりにできると言っている。アフロディーテの考えが把握できるヘファイストスは今回俺に用があるということはまた何かされるのではないのかとわかっているようだ

 

それでなぜアフロディーテが今更俺に用があるなど伝達が来るのか、その内容がとても厄介だと明かす

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺にお見合いを申し込むつもりだ。しかももうこっちに向かっている」

 

 

「「は!?」」

 

「「「「「なんだってえええええええええええええええええええええ!?」」」」」

 

 

「はあ・・・・・」

 

 

お見合い。アフロディーテと

 

マジかよ。と思った

 

 

次もまた美の女神。戦いにはならないが俺としてはかつて無いほどの大きな事件だ。まだ俺をアドニスと扱うのか、一ヶ月後にお見合いの申請が今爺さんから来たのだ

 

次もまた美の女神に振り回され、巻き込まれる話である




狐巫女の小さな英雄編 END













次の次章だけは更新は未定させて頂きます

今ベートの話を漫画で読んで調べ中なんでです。予定ではベートの例のアレの話を入れたいのでしばらくお待ちください。先にアレスの話を今半分描き終わっている状態です

予定としては

ベート編の話

一番話が長いアレスの話

の順で更新する予定です


小説を読まずにやっているのでご了承ください

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