ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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恋愛は複雑

 

一方、ロキ・ファミリアはと言うと

 

 

「むう・・・これも違うな・・・これも違う・・・・今になって私は・・何を着ればいいのだろうか・・・・」

 

 

明日縁談に着ていく服を、神ヘスティアに俺に伝言を頼んだにも関わらず、何を着ていけばいいのか分からずに、リヴェリアは自室にあるドレスを全て出して確認していた。今までにリヴェリアは縁談やお見合いなど、ハイエルフでありながら一度もしたことがない。あってもパーティーに免れる程度である。今度は自分のお見合いで自分で頼んだ縁談。しかも相手はかつて元団員だった。俺ジーク・フリード。二年前は恋を自分に抱いていた男。その恋はもう絶縁になってしまったが、その縁を取り戻そうと女らしくリヴェリアはお粧しなどをして良いドレスを着て、明日の縁談に励むのだが

 

今になって、婚姻を頼む相手に。どんなドレスを着て見てもらおうか。悩んでいた。リヴェリアとは思えない。乙女心を持っていた。異性の相手にどんなドレスを着れば気に入ってもらえるのか、今までそんな相手がいなかったからそんなことを一度もしたことがないから、こればかり経験してないため、何を着て行ったらいいのか悩んでいた

 

ここは他の者に意見を聞いてこの悩みを解決するのだが、主神であるロキに相談すれば露出の多いドレスにされて論外。フィンに相談しても『君の自信あるドレスならジークも納得してくれるだろう』と、勇気付けるだけで相談にもならない。ガレスに頼んでも結婚してない者に相談しても答えられないと言われるはず、ベートは・・・・恋愛に興味ないから無理。アリシアやレフィーヤには俺と明日縁談することを知ったら公にされるから困る。アイズは・・・・・恋すらわかってないから論外。

 

つまり今。頼れる者が誰一人いないということだ

 

だが

 

 

「あれ?リヴェリア何しているの?」

 

「こんなに服やドレスを出して、何しているの?」

 

 

「ティオナ。ティオネ」

 

 

ここでティオネとティオナが突然部屋に入ってくる。明日のことを考えるばかりで気を周りに回さなかったのか、自室の扉が開けたままにしてしまい。偶然通りかかったティオナとティオネに見つかってしまい。気になって中に入ってきた

 

でも事情を隠さないとならないが、相談のチャンスだと思っていた

 

こう見えてこの二人はファッションには強い。アマゾネスでありながら露出の多い服を普段着るが、それでもオシャレと思う洋服店を何度も街で行き、買い物などをし、その女性として似合うような服をダンジョンに行かない時はよく着ているのだ。もちろんドレスも含めて、以前アイズに神の宴の際にはいいドレスを選んで、ちゃんと着こなせるようにメイクもしたりなどもした。ティオネだってフィンと言う想い人のためにより自分を美しくなるためにメイクを覚え。ティオナは可愛いと思うような服の見分け方が習慣として覚えたからなのか見分け方が上手い

 

せっかく部屋に入ってきたのだから、まずはドアを閉めてからこの二人に相談しようとリヴェリアは考えた。もちろん事情は伏せた形で

 

 

「二人ともちょうどいい所に来てくれた。すまないが、相談にのってくれないか?」

 

「え?相談?」

 

「リヴェリアが?珍しいわね?」

 

「まあ・・・・私も解決できないことは他人に相談するなどをして頼ることもある」

 

「へえ・・・それでなんの相談なの?」

 

 

「実は明日ある男とあるお店で話をしたくてな、それに着ていく似合うドレスを探しているんだ。この中でどれを着たらいいだろうか?」

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「どうした二人とも?黙ったりして?」

 

「あのさ・・・リヴェリア・・」

 

「それってさ・・・・・・・・」

 

 

 

 

「「もしかしてお見合い?」」

 

「な!?なぜわかった!?」

 

 

事情を伏せるつもりが、まさかこの二人に相談事を言っただけで見破られた。

 

あまり二人は頭が賢くないと言うのに、なぜか相談内容を説明しただけで、明日お見合いをすると見破った。なぜお見合いだと思ったのか、理由を聞く

 

 

「だって・・・・・明らかにパーティーに着るようなドレスばかりが置いてあるじゃん」

 

「しかも『明日ある男』って言った。『客人』ならともかく、『ある男』って言ったらお見合いしか考えられないのよね。だってリヴェリア客人の男なんて今まで招いたこと無いし」

 

「しかも話を聞く限りじゃあ二人だけ話たいような感じの予定だよね、しかもそれに似合うドレスって聞いた。完全にオシャレをしたいのがわかる。それを聞いたら私だってお見合いをするんだって、わかるよリヴェリア?」

 

「ぐ・・・そこまで・・わかるとは・・・」

 

「てことは本当なの?」

 

「あ・・・ああ」

 

 

まさかここまで周囲に気付いて、自分の事情を見極めるなど。アマゾネスとは思えないほど、いい判断といい推測を言い当てた

 

もちろんこんなことになった以上は白状するしかないと。公にさせない程度に明かした

 

 

「へえ・・・ついにリヴェリアが結婚か・・・・」

 

「あなたって男には興味ないと思ったけど、お見合いは相手から?それとあなたと同じどこかの国の王族の人?」

 

 

「いや・・・・勇気を出して、私から縁談を頼んだ」

 

 

「「リヴェリアから!?」」

 

 

「あ・・・ああ」

 

「へえ!本当にリヴェリア自らが申し込んだんだ!?」

 

「男なんて興味ないと思ってた。ていうかあなたってもう40代でしょ?よく・・・・・婚姻を申し込んだわね?」

 

「いろいろ事情があってだな。どうしてもこんなことをしなくてはならない事になったんだ。だから私も恥を捨ててこのようなことをしている。事情内容については聞かないでくれ」

 

「はあ・・・・・それで誰と縁談するの?」

 

「それは・・・・・・・誰にも言うなよ?まだ婚姻すると決まっていないからな」

 

「「うん」」

 

 

ティオネとティオナはリヴェリアが縁談をするなど思ってもみなかった

 

当然縁談するのだから、成功すればその人をホームに引き入れる事になる。冒険者であるならコンバージョンは確実だろうと思うが、問題はその相手がわからない。リヴェリア自身から縁談を頼むのだから、余程の相手だと思っている

 

だからこそどんな相手なのか聞かなきゃ分からない。あの男に興味なさそうだと、実の子も居ないのに母親ぶるあのリヴェリアが選ぶ男性など。自分と同じく清楚であるような男としか考えられず、どんな相手なのか想像も付かなかった

 

 

それで今相手の人物をリヴェリアの口から明かす。この都市に住む冒険者か、もしくはその外から来た貴族か王様か。果たして誰なのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジークだ」

 

 

「「え??」」

 

 

「だから・・・・・・ジーク・・・・・ジーク・フリードだ。あの・・・・元団員だった・・・・・ジークだ」

 

 

「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」」

 

 

「おい!?声が大きいぞ!他の者に聞かれたらどうする!?」

 

 

まさかの相手は、ここロキ・ファミリアの元団員

 

 

ジーク・フリードだった

 

 

なぜ元団員で派閥を抜けた男に婚姻を求めるなど、本人でもある俺でも分からないが、その元団員だった俺に、縁談を申し込んだのだ。

 

元団員と縁談をすると聞いたティオネとティオナは

 

 

「本気なのリヴェリア!?あのジークよ!?確かに今じゃあ団長より・・・・・イケメンで、料理や家事も上手いし、おまけにあなたの国の主神でもあった、その・・・・神フレイだっけ?その義弟でその主神の聖剣を継承をしている上に、精霊召喚もできる『精霊召喚師』とか言う素質と資格もあるけど、あいつはこのファミリアをやめた男よ!?そんな男と婚姻をする気なの!?」

 

「リヴェリア!?あのジークと婚姻するって本気なの!?」

 

 

「私もそれくらいは理解している。もちろんこれはロキの許可の上でこんなことをしている」

 

 

「ロキが認めたの!?」

 

「てことは・・・・ジークをこのファミリアにもう一度団員として戻ってもらうためにも。結婚するってこと?」

 

 

「それは上手くいくとは思えない。なぜならあいつはまだヘスティア・ファミリアに入ったばかりだ。コンバージョンなど不可能だろう」

 

 

「え?じゃあどうするの?」

 

「ジークがこっちのファミリアに入るのは恩恵の期間の関係で無理でしょ。てことは・・・まさか!?」

 

 

「これはロキが若干反対しているが、もしもの場合は私がこのファミリアをやめてジークに嫁ぐか、もしくは冒険者そのものをやめてジークに嫁ぐか、その最悪の場合も選んでいる」

 

 

「本気で言っているの!?ファミリアやめてまでジークのお嫁さんになるつもり!?」

 

 

「婚姻が成立したらの話だ。まだ決まっているわけではない。だがもし成立したのなら話は別。私はファミリアをやめてでも嫁ぐ道を選ぶ。もちろん申し訳ないが事情は言えないが、私も少しはこれからの人生どうしたらいいのか、私もそれなりに考えていたんだ」

 

 

「これからの人生?」

 

 

「もうこの歳になると。恋愛はもう無理に等しい年齢だ。そんな私はこれからも冒険者としてやっていけるわけもない。ステイタスも年齢を重ねるごとにランクアップしにくくなる上に、アビリティも上昇しない。いい加減子孫を残す道を、女らしく本当の母親の道を選ぼうと思っている。言うなれば私の今の目標だ」

 

 

「確かにリヴェリアってもうそんな年齢だし、母親になりたい気持ちはあなたの性格的にわからなくはいけど、でもどうしてジークなの?ジークでなくちゃいけない理由でもあるの?」

 

 

「本音を言うと・・・・・・今まで男と出会った中で、初めて惚れた男があいつだからだ」

 

 

「惚れた!?リヴェリアが!?」

 

 

「まあ言うのは恥ずかしいが。私はジークを好きになってしまった。あれから二年で成長したあのジークにな。私は・・・・・惚れてしまったのだ」

 

 

「でも・・・・ジークは・・・二年前で・・・」

 

 

「わかっている。私たちの勝手な疑いで彼との関係を絶ってしまった。おかげで彼は私たちを知人としか扱わない。だがジークはこう言った『もう昔のことは水に流せ』と、つまりは私たちのことを許してくれた。もしくはもう責めても仕方ないと、私たちの十分の謝罪を聞いて知人くらいとして扱ってくれたんだ。少なくとも完全に関係を絶ったわけではないと思っている。それにもし私がジークに合うような条件に合わせて、ファミリアを辞めれば。私はタダのハイエルフ。そこらに居る女に過ぎない。ただのエルフの女として嫁ぐと言えば、彼もロキ・ファミリア関係なく、受け入れてくれるかもしれない。まあ・・・ロキはジークをこのファミリアにもう一度引き入れたいと言う魂胆があるが、それは流石に叶わないと思っている。あいつとてヘスティア・ファミリアにもう一部となって動いているんだ。私からファミリアを辞めない限りはジークの婚姻は不可能だと思っている」

 

 

「いつかあなたは冒険者を引退するってことね。ジークの妻になることで生活を切り詰めないといけないと。役職を捨て、母になるってことね」

 

 

「ああ」

 

 

リヴェリアはいい加減もう年齢も考慮して。引退も考えていた

 

いつまでもナインヘルとして冒険者を続けられるはずがない。確かに彼女の夢は未知の冒険を夢見て、ロキ・ファミリアの副団長とまで上り詰め強くなり、ハイエルフでありながら故郷を出て自分の望む通りのことをしてきた。

 

だがもうその役職にも限界はある。もう弟子も自分の魔法を習得してくれた。あとは勇気さえ出れば問題ないほどに、もう継がせる事は継がせた。

 

となれば、あとはもう残りの人生をどう歩むか。としか残らない。そうなれば道は一つ

 

 

いい加減夫となる男を見つけて、ハイエルフの子孫を残すこと

 

 

ハイエルフはこの下界でも少ない。かつてあるファミリアのハイエルフの冒険者『セルディア』の妹の血を継承している自分は、ハイエルフの使命として、存続の少ない種族として子孫を残さなければならない。ハイエルフの存続を終わらせないためにも、母親の道を選んでいた。ただでさえそのエルフに崇拝されている『セルディア』が、ハイエルフであると言うのに子孫を残さずにあるクエストで戦死した。これによりハイエルフの唯一の血統をしているリヴェリアのみ、子孫を残さなければこれからハイエルフの存続のためにも残す必要があると考えている

 

 

でもそれだけではない

 

 

自分が惚れ。本気で夫にふさわしいと思い、女としての心を持って男に寄り添いたいと思ったのが俺ジーク・フリードであり、今まで出会った男の中で一番に紳士らしい男だと思ったからこそ、自分の『遅すぎた恋』に挑みたいと

 

リヴェリアも、リヴェリアなりに将来を考えていた。

 

二年前のことを水に流してくれるなら、ファミリアを関係から無くせば、夫になれるのではないのかと

 

今一度、俺に求婚を頼もうとしていた

 

 

「もちろん子孫も欲しい。私の血が引く子供を。もちろんそれがジークと言う夫になる者がヒューマンで。生まれる子供がヒューマンか、ハーフエルフでも、他のエルフや故郷の者でも否定させない。その気になれば私はハイエルフの身分を捨てでも、自分の家族を優先する。誰がなんと言おうと、ジークが婚姻を引き受けた時は、彼と夫婦になるためなら何もかも捨てるつもりだ」

 

 

「リヴェリア・・・・・」

 

 

「私だって・・・・男に嫁ぎたいと言う女の欲がある。相手はあのジークだが、それでも私は好きになった。あれから二年で見違えるほどに、ジークに惚れた。都合の良い女かもしれないが、私も・・・・・・遅すぎるかもしれないが、恋に必死なんだ」

 

 

「そうなのね・・・・・わかったわ!あなたがそこまで恋に必死なのを見ていると、私も女として応援したくなるわ。それじゃあ私がメイクを手伝うわ!相手はあのジークってのは、私的には気に食わないけど、あなたの恋を応援するわ」

 

 

「すまないな」

 

 

リヴェリアの想いに応援したくなるのか、ティオネは協力を選んだ

 

自分もフィンに恋をしているから同じ女として同じ恋をする女として、協力したくなり、メイクやドレス選びを手伝うことを決めた

 

だが

 

 

「ほら、ティオナ。あんたもドレス選び・・・・ってティオナ?」

 

「ああ・・・そうなんだ・・・・リヴェリアって・・・ジークと結婚したいんだ・・・」

 

「あ、忘れてた。この子。なんだかんだでジークのことを気に入っていたのね。もう仕方ないでしょ!リヴェリアが勇気を出して先に縁談を頼んだのだから早い者勝ちよ!ほらあんたも協力する!!」

 

「うん・・・いいよ・・・・・ジークがウチのファミリアに来てくれるなら・・・なんだって・・・・・」

 

 

「なんだか・・・・すまないな」

 

 

ティオナはリヴェリアが俺に婚姻を頼むことに関して、先に異性の相手を婚姻を頼もうとしていた事に、ガッカリしたティオナ

 

ティオナもなんだかんだで、違うファミリアだけど。俺のことを気に入っていた。いつからそんな想いを抱いていたのかはわからないが、少なくとも今はそのような感情を抱いている。

 

まあ残念ながら先に縁談を申し込んでいるリヴェリアが先にしているため、この恋は諦めるしかないと、ティオナは落ち込みながらも協力

 

 

リヴェリアは前からティオナが俺にそのような想いを抱いていることは知っているが、申し訳ないと思いつつ、失礼だが協力を要請するリヴェリアだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

 

「はあ・・・・・・」

 

 

リリルカは夜食を済ませた後でもため息が止まらない

 

それは未だにフィンの縁談を引き受けるのか悩んでいた。自分には想い人が居る。でも今そんな相手が別の人間に恋を抱いている事に気づき、自分の恋を諦めようとしていた。それだけでなく、ここ最近はランクアップもできる様子ふもなく、アビリティは上昇しない。サポーターだから仕方ないと覚悟はしていたが、最近はそれでもそのことで悩んで入る

 

理由は新しく新メンバーである春姫がいるからだ

 

春姫もレベル1でサポーターに近い役職を持ってきた。おまけに魔法まで所持している。サポーターにしてはいいサポートである。それに加えて自分は何かの支援でバリスタを使うか、モンスターではなく冒険者にしか通用しない変身魔法。回復薬を持ってくるだけ、サポーターにしては不出来と。最近自分の役立たず差と叶わない恋に悩んでいた

 

そこへ

 

 

「リリルカ。いいか?」

 

「ジーク様・・・」

 

「その様子だと。まだ決めれないようだな」

 

「はい・・・・・」

 

 

俺はリリルカの部屋を訪ねた

 

理由はもちろん、フィンからの婚姻を引き受けるのかの確認。

 

でもそんなことを聞くまでもなく、見ただけでまだ婚姻を引き受けるかどうか悩んでいたのがわかった。まあリリルカからすればフィンからの縁談など。他の女からにしても、叶うはずのない恋そのもの。そんなものは誰でも迷うのだが

 

おそらく俺がリリルカがこの縁談に悩んでいる理由は

 

 

他に異性を想う者が居るからだと思っている

 

 

「一応聞くが、お前が悩んでいる理由は・・・・・・ベルだな?」

 

「え!?ジーク様・・・何を?」

 

「気づかないと思ったか?確かに俺を想う女の気持ちにはあまりに鈍いが。お前やヘスティアがベルに好意に思っていることは、俺でも簡単に気づいたぞ?」

 

「ああ・・・・・そうですか・・・そんなにリリの恋はジーク様からすればわかりやすいんですね?」

 

「だからこそ、お前に言いたい」

 

「え?」

 

 

 

「自分を好きになってもらうまで待っているだけでは、あいつに好きになって貰えないぞ?」

 

「!?」

 

 

リリルカはベルに好意を抱くのはわかる

 

でもベルの年齢は14歳。そんなまだ恋すらもわからない少年に。待っていても無駄だと思っている、だから俺は正直なことを言ってリリルカに今のままでは無理だと言った

 

 

「正直お前のことは、ベルは妹としか扱っていない」

 

「ですよね、そんな気はしていたんです」

 

「と言うと?」

 

 

「リアリス・フレーゼ。ベル様のスキルですけど・・・・知っていますよね?」

 

「ベルのステイタスを確認していたのか、ヘスティアが隠したがっていたけどな」

 

「じゃあベル様があの・・・・・『剣姫に憧れている』と言うことを知っているんですね?」

 

「ああ。そういう精神に繋がるスキルは確かにある・・・・・俺はそれが複数だけどな」

 

 

リアリス・フレーゼ。ベルのスキル

 

能力の意味は相手を想う心に比例してステイタスが成長するスキル。俺とカオス・ヘルツとは真逆なスキル。相手を想い憧れる事でその者に近づく力を得るか、その者を好きになれば好きになる程強くなる。俺と同じチートに近いスキルを持っていた

 

 

そして憧れている対象がアイズ・ヴァレンシュタイン

 

 

そのスキルが発現したのは、俺やリリルカがベルと出会う前、つまりはまだベルが冒険者を初めて数日経った時のこと、7階層で潜っていた時に、十何階層で出てくるはずのミノタウロスに襲われて、その時に偶然にもアイズが助けてくれたとベルから聞いた。そこから憧れているとベル本人の口からハッキリと聞いた

 

そしてリリルカがそれにガッカリしていた。

 

 

つまりはベルはリリルカを恋愛対象として扱っていない

 

 

「もうスキルで好きになって貰えないことは理解しているのだろう?それに気づいているのなら、自分で振り向かせるようにしなければ無駄だ。自分で想いぶつけるしかない」

 

「ですよね・・・・」

 

「もしくは・・・・」

 

「え?」

 

 

 

「このフィンからの婚姻を受けて、ベルに止めさせると言うのはどうだ?」

 

「え!?」

 

 

ベルに好意を抱いて、そのベルがアイズに好意を抱いているのは分かっている。それならこっちを振り向かせるように、自分が別の人間と婚姻をして自分の気を引こうとさせようと、俺は考えた

 

 

「好意に思ってリリルカを引き止めるかは分からないが、せっかくの仲間であるお前をベルが手放すはずがない。俺が明日にわざとベルにお前がこのファミリアに居なくなってしまうと、俺があいつを唆す。そうすればお前を必ず振り向かせることはできる」

 

「ジーク様が・・・・リリが受けるフィン様の婚姻を・・ベル様が止めてくれるように唆す・・」

 

「振り向かせるには十分なはずだ、少しでもお前はベルに自分を意識して貰いんたいんだろう?」

 

「それは・・まあ・・・」

 

「それなら俺があいつをお前に意識を集中させるように唆せばいい。ロキみたいに上手くはいかないとは思うが、あいつのことだ。好意に思わなくても、お前も俺たちの大事な仲間だ。このファミリアから居なくなることを拒むはずだ。それで・・・・どうだ?」

 

「・・・・・少しでも・・・リリにベル様が意識してくれるなら・・・・・お願いします」

 

「了解した。引き受けよう。と言うよりこれは俺だけの気遣いではない」

 

「え?」

 

「ベル以外のヘスティア達の提案でもある。あのフィンからの婚姻とは言え。俺たちファミリアはお前を頼りにしている。お前の人生に邪魔をするようなもので申し訳ないと思うが、それでもあいつらもお前がここに居て貰いたいんだ。例えレベル1でもお前は必要な存在だ」

 

「そうですか・・・・ヘスティア様までもが・・・リリを・・・」

 

「それで引き受けるでいいんだな?」

 

「はい。受けます。断るには断りますが、なぜ自分を選んだかを聞いても構いませんよね?」

 

「もちろんいきなり断れとは言わない。最終的に断れば構わない。お前がそれでいいなら」

 

 

リリルカがフィンの婚姻を受けることは決まった

 

リリルカはベルに少しでも意識して貰い、振り向いてくれればそれでいい。だからこちらもあいつを唆すようで悪いが、リリルカの望みどおり、婚姻をぶち壊すように俺やヘスティア達がベルを唆す。俺もヘスティア達もリリルカを弱かろうが関係なく、必要な仲間だと。婚姻をなんとかしたいと言う仲間の思いである

 

 

「それでジーク様も受けるんですよね?」

 

「ああ、お前としてはリヴェリアが俺に婚姻を頼むのは図々しいと思うか?」

 

「それは・・・思いますね、ジーク様はもうあの二年前の疑い事件を気にしてないんですよね?」

 

「当然、過去は過去だからな」

 

「でも・・・・・リリにはあれが一番関係を断つにしては十分すぎる大きな損害だと思います」

 

「ほう・・・・・」

 

「だって・・・・ファミリアであり・・・家族であった人が・・疑われるって・・・流石にハイエルフでも・・・リリにはもう信頼を失くした以上は関係も絶ったと同然なんですよ。それでそれから二年経って見違えるように別人になって、より凄い人になった。だから好きになって婚姻を頼むなんて、図々しいと言うより・・・・リリにはとんだ手の平返しに感じます」

 

「それは感じると言うより、まさしくその通りだ。事実に間違いない話だ」

 

「では、それで分かっていながらジーク様は受けるのですか?」

 

「俺は二年前はもう関係ないとあいつらに言ったからな。おそらくリヴェリアもそれを関わりに入れないで縁談を頼んでいるに違いない。でも気になる。なぜあいつが今になって俺を求めるのかを」

 

 

そうでなければ俺に頼んでくるはずないだろう

 

今でもあいつはその話になると、なにも答えられない。あれが本当だったなんて信じられずにあの事件が起きた。その話題をすればリヴェリアが間違いなく気まずくなるのは確実だろう。だが俺がそんな過去はもう終わった話だと関係ないと言った。だから本気でその話を関係なく無視をして、俺に縁談を頼んだ以外。今俺にはそれしか考えられない

 

 

「理由は明日にハッキリと聞く。どの道断ることは決めている。もしくはリヴェリアが本当に俺を想うかで一年後に回すなどをして。あいつにもいろんなことを話さなくてはならないからな」

 

「いろんなこと?」

 

「気にしなくていい。とにかく俺とお前ももう明日に備えよう。相手はフィンだからと言って緊張する必要はないぞ?あいつは堅苦しいのが苦手だからな」

 

「いつも通りに話せばいいってことですね?」

 

「そういうことだ」

 

 

とにかくもう俺とリリルカも就寝する

 

こんなことになるとは俺も予想はしていなかったが、まさかあのリヴェリアが本気で俺に婚姻を求めるなど信じられない。俺は19歳であいつは大体40代。自分の年齢の差を気にした事がないのだろうか、もしくはエルフだから寿命が長いからとまだ見た目が若いからいけると思っているのだろうか

 

まあ、なんにしてもどういう経緯かは明日聞けばいいと。もう考えることをやめて明日に備える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方同時刻のロキ・ファミリア

 

 

「「「リヴェリア(様)がジークと縁談!!??」」」

 

「そうだよ!しかもあのリヴェリアがジークに申し込んだんだよ!?」

 

「てことは・・・リヴェリア様は・・・ジークのことを!?」

 

「薄々は気付いてはいました。何かあれから二年の彼の成長に対してリヴェリア様も、なぜか異性で見るような眼をしていたとは思っていましたけど、まさかリヴェリア様がよりによってジークを選ぶなんて!?」

 

「リヴェリア・・・・ずるい・・・・勝手に先を越すなんて・・・」

 

 

ティオナがリヴェリアと俺との婚姻をレフィーヤとアリシアとアイズに話していた

 

リヴェリアからはあまりアイズ以外のこの二人だけには言わないで貰いたいと、リヴェリアに言われているが、そんなことは関係なしにティオナは我慢ができないのか、リヴェリアと同じ同族であるレフィーヤとアリシアに話していた

 

 

「ジークに婚姻をするだなんて・・・リヴェリア様はどういうお考えなんでしょうか・・」

 

「わかりません。ですが・・・リヴェリア様もジークさんにそれらしい想いを抱いていたような・・・・」

 

「うん、ジーク二年前はリヴェリアのことを好意に思っていたってリヴェリアに以前聞いた」

 

「「ジーク(さん)が二年前リヴェリア様のことを!?」」

 

「うん、でも今はジークはリヴェリア様のことを何も想ってないらしいよ」

 

「あの事件のせいでしょうね。原因は私たちでもありますが、リヴェリア様もいくらジークがあの事件を水に流せと言われても、そう簡単に受け入れて縁談まで持ち込むのは・・・・・・・・どうかと言いますか、そんな簡単にジークが受け入れるでしょうか?」

 

「あの事件の後で縁談と言うのは・・・・・難しいと思います。そもそも私たちはジークさんとはもう決別したも同然だと思っていますし」

 

「フィン団長からも、ジークにはあまり関わらない方がいいとは言われていますからね」

 

「ねえ?以前ギルドの通達で聞いたんだけど、イシュタル・ファミリアの団員半分をジークが殺したって本当なの?」

 

「そうみたいですよアイズさん。ジークさんも生き残りの元イシュタルの眷属たちも証言しています。主神の命によりジークさんのヘスティア・ファミリアをダンジョンで奇襲し、ジークさんはその仕返しで歓楽街を崩壊させ、降参しない人は一人残らずジークさんが殺したって証言しています。アマゾネスを半分殺すなんて・・・・・ジークさんいつからそんな怖い人に」

 

「・・・・・・ジーク・・・・・本当に人を殺せるんだ・・・・なんでいつの間にそんな人に・・」

 

 

話は脱線しているが、アイズは俺に対して恐ろしさと失望を覚えた

 

 

アイズは人を守るためにモンスターを斬る

 

俺は敵であるならモンスターだけでなく人も神も斬る

 

 

善と悪をハッキリしていないアイズと、それをハッキリと判別する俺とアイズは相反している。だから軽蔑感もあって当然だ。アイズは俺を理解したい。だが俺は最初からアイズすらもロキ・ファミリアに関係を入れようとはしていないとアイズはわかっていない

 

でもアイズは・・・・・俺を理解をしたい。とは言え理由はわからない

 

二年前は仲間で家族同然だった。だからなのか。誰かに俺を取られるのを拒んでいる。アイズも俺同様に恋愛はわかっていない。でも心に俺とリヴェリアの縁談に不安とを感じ、なぜか俺とのリヴェリアの縁談を邪魔しようとする

 

仲間の恋愛を邪魔するのは心苦しいと思うけど。それでもなぜか譲れないと心が足掻いてしまう。

 

だから

 

 

「じゃあ・・・・どうするの?」

 

「え?」

 

「リヴェリアがジークと縁談するなら・・・・レフィーヤとアリシアはどうするの?」

 

「それは・・・・」

 

「私たちは別に・・・・・」

 

「私は・・・・嫌だな」

 

「ティオナ?」

 

「ティオナさん?」

 

「その・・・・私は・・・ジークのこと好きだし、そういうのは嫌だな」

 

「じゃあ・・・・・邪魔する?」

 

「でもさあ・・・・・リヴェリアもかなり本気だったんだよ」

 

「本気だったんですか!?」

 

「あのリヴェリア様が!?」

 

「うん、あんなリヴェリア見たことないよ。すごく明日の縁談楽しみにしてた。私もジークのこと好きだけど、あんなリヴェリア見ていると応援したくなるんだよね。もしジークがリヴェリアの婚姻を引き受けるって言ったら、リヴェリアのためにも身を引くことって・・・・・・・・・レフィーヤやアリシアやアイズはできる?」

 

「それは・・・・」

 

「私もリヴェリア様のことは尊敬しています。ですけど・・・・」

 

「っ・・・・・・」

 

「しかもリヴェリア。もしジークの婚姻を引き受けた際はこのファミリアを辞めるんだってさ」

 

「え!?」

 

「本当ですか!?」

 

「ってリヴェリアは今日言ってた。それはそうだよね。だってジークはもう私たちのファミリアを辞めているんだもん。仮にジークが婚姻を引き受けることになっても戻るはずないよ。リヴェリアはこのままジークのファミリアに入って夫婦になる。あの二年前で私たちとジークの関係は終わった。いくらあの事件をジークが水に流せとは言われてもさ・・・・・・・・・・後悔は消えないよ。リヴェリアだってそれがわかってて、自分の恋に必死で追いかけてはいるけど。後悔はしているんだと思う。自分たちがどれだけジークに悪いことをしたのか、罪は消えても罪悪感は消えないんだから」

 

「そうですね・・・・私もそうでしたから・・・だから私はあの時レフィーヤやアイズや貴方の言う通りに信じていればなと、今でも後悔は続いています。それに私は・・・・・ジークにしっかり謝っていませんしね」

 

「アリシアさん・・・・」

 

「あの事件が無ければ・・・・ジークは私たちのファミリアのまま、私たちの英雄になってくれたもんね」

 

「はい、おそらくはですけど・・・・・・・正直、私だけが思っているはずではないとは思いますけど・・・・・・・・・・・やり直しがしたいです。ジークと」

 

「「「・・・・・・・・」」」

 

 

二年前のあの日をやり直したい。無かったことにしたい。もしくは信じて関係を続けたかった。ロキやフィン達が今でも後悔しているかどうかなどは聞かないとわからないが

 

少なくともこのアイズとティオナとレフィーヤとアリシアはあの事件を後悔していた

 

被害者であった俺は水に流せと過去は過去だと忘れと言う。でもその罪悪感はこの四人は忘れることはできなかった。おそらくリヴェリアも。アイズとティオナとレフィーヤはともかく、アリシアは特に罪悪感を感じていた。なぜならこの三人は俺を信じていたからいいが、自分は最後の最後まで疑っていたからだ。本当のことを言っているなど信じられなかった。二年前はまだ心もあって口は悪く喧嘩も多いけど、仲間も想いで優しい人ではあった。そんな人。他派閥の神の口車に騙されて仲間を疑ってしまった。でもアイズ達三人も後悔はしている。信じているならなんで助けなかったと、『口だけで終わって』しまった。信じているなら最後まで側に居るとかなど。関係を続けるためにいろんな方法があったはずだった。いろんな方法で彼との関係を継続できた。なのに何もできなかった。だからジークとの関係に継続できなかったことを悔やんでいる

 

正直絶縁に近い関係になったジークに縁談を勇気出して頼んだリヴェリアが羨ましいと思っている。でもアリシアもレフィーヤもティオナの言う話が本当なら、リヴェリアの恋は本気。それを邪魔するのは流石に悪いと思っている

 

でも

 

それでも彼女達は納得できない。仲間の恋を応援したり支援するのが仲間なのだが、自分もそれなりの意地がある。だからどうしても明日のリヴェリアの縁談を邪魔しようと思っている

 

するとティオナがとんでもない考えを提案する

 

 

「そうだ!アフロディーテ様に頼もう!」

 

 

「っ!アフロディーテ様に!?」

 

「アフロディーテ様に頼むんですか!?」

 

「確か・・・・今ヘスティア・ファミリアに居候している女神様ですよね?美と愛の女神だとか・・・・」

 

「あの女神様ならリヴェリアの縁談も邪魔してくれる!だってあの女神様もジークのことが好きだから、縁談を邪魔してくれるはず!」

 

「そう簡単に上手くいくかな?」

 

「でもアフロディーテ様も、今頃ジークさんの縁談されると聞けば、邪魔するはずです」

 

「ジークがリヴェリア様の縁談を引き受けるかはわかりませんよ?」

 

「それでも明日ヘスティア・ファミリアのホームに言ってみよう!」

 

「ついでにフィルヴィスさんやペルセフォネさんも呼びましょう!」

 

 

「なんか・・・・・すごいことになっちゃった」

 

 

リヴェリアと俺の縁談をアフロディーテに邪魔させようと明日頼もうとする

 

まだ俺がリヴェリアの縁談を引き受けるかはわからないと言うのに、それでも明日ヘスティア・ホームに朝伺い。ジークが縁談をしたかどうかを聞き、邪魔して貰うように頼む

 

レフィーヤとアリシアは尊敬のある人の結婚を受け入れられない。ティオナは俺の結婚は受け入れられない

 

 

アイズは・・・・・・・・わからない

 

 

今まで恋愛なんかよりも強さばかりを重視してきた彼女にはわからなかった。でも俺が誰かの女性との結婚が受け入れられない。なぜか理由もハッキリせずに、それでも俺とリヴェリアとの婚姻に納得できず。

 

ただそれだけの理由はハッキリしない意志で彼女はリヴェリアの縁談を邪魔しようとしていた

 

 

 

 

 

 

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