ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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アドバイザーを守る護衛騎士

 

次の日

 

まだアレス・ファミリアはオラリオ周辺に到着することなく、未だ防衛のままロキとフレイヤ・ファミリアの双方が待機状態となっている。その分防衛の強化ができるため、時間に余裕があるとのことで、更に防衛を強くする事をギルドが方針として決めた。

 

 

今ギルドに報告するべく物を、全て通達するために、俺はエイナと談話室で話している

 

 

「そうか、アレス・ファミリアは、未だこの地方に到着していないと」

 

「うん、ギルドの偵察隊がラキアまで行ったんだけど。なんだが以前どこかの国と戦争をしたようで、武器が不足しているとかで、それを充分に揃えてからここに来るそうだよ」

 

「以前ガロッゾ達がヴェルフを連れ戻そうとしたのも、そのためでもあったのかもな」

 

 

以前ヴェルフの親であるガロッゾ達が先にオラリオに来ていたが、他国の戦争で武器を不足分を製作するためにもヴェルフを連れ戻そうとしたのだと推測した。アレスが何をして、戦争を繰り出したのかは知らないが、戦争のし過ぎで充分な武器を揃えていないようだ

 

ならオラリオに攻め込むのもやめたらどうだと、あいつの単細胞の考えに呆れた

 

聞きたい事は聞いたからと、他に報告することもなく用を済ませたから帰るつもりだったのだが

 

少し気になることがあるため、エイナに聞く

 

 

「エイナ。質問がある。いいか?」

 

「何?」

 

 

「今日疲れていないか?ギルド職員の仕事はそこまで忙しい状況なのか?」

 

「っ!?なんでわかるの!?」

 

「最近お前が勝手に俺の監視だと言って、俺たちのホームに居候しているが、昨日から食事がまともに進んでいない所を見た。体調が悪いにしては平気そうに見えても、疲れているのは目で見てわかる。何かあったのか?」

 

「ジークは私の状態を見てわかるんだ。やっぱり冒険者のことだけはあるな。実はね・・・・」

 

 

一週間前からエイナが俺とアフロディーテとペルセフォネとホームで同居している事を聞いて、アドバイザーとして監視をするために彼女も一緒に同居しているのだが、昨日の夕飯からなぜかエイナの元気がなく、食事が全然進んでいないのが見えた。ストレスでもギルドの仕事が忙し過ぎて溜まっているのかと思ったが、今ギルド本部に来ているが忙しいには見えない。何か悩みがあるのかもしれないと思って聞いた

 

 

そして昨日から彼女が元気がない理由は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昨日からストーカーに?」

 

「うん、昨日の夕方からね、誰かに付けられているような感じがするの」

 

「ほう、それは・・・・・お前を目当てに犯罪に走る者がいるか、人らしいな」

 

 

彼女が昨日から元気がないのは、ストーカー被害を受けているからだそうだ

 

確信はないようだが、確かにそれらしい者に後から付けられるようで、迷惑していると仕事や私生活に集中できないと言っていた

 

ギルド職員はほとんど女性の職員ばかり、班長くらいが男性の職員くらいだ。その中でもギルド本部の窓口受付嬢と言う冒険者達の対応やサポートするアドバイザーを引き受ける役職があるのだが、その窓口受付嬢のほとんど美女の集まりであり、冒険者達にとってはギルドの華と言う者だろう

 

デートの一回や付き合いたいと思う男性冒険者は居る。それほど高嶺の花と言う程に、だからこそ彼女にしたい、嫁にしたいからとナンパやお誘いのような声を掛ける奴が居ると見掛けた時はあるが、

 

まさかストーカーをしてまで、エイナを手にしたいなどと。愚かな事をする奴が居るようだ

 

 

「昨日からか?そのストーカーの人数はわかるか?」

 

「一人・・・・・だと思う。本当かどうかはわからないけど。多分・・・・そうだと思う」

 

 

「そうか、班長に頼んで護衛を付けて貰うと言う相談をするべきなのだが、お前は今俺達のホームに居候しているんだ。なら俺が護衛として警護するか?」

 

「え!?」

 

 

エイナがストーカーに付き纏われているのなら班長に相談して護衛をする者をガネーシャ・ファミリアかギルドの冒険者に頼んで警護をさせるのが普通なのだが

 

 

今彼女は職員の寮にも帰らずに、俺たちのホームに俺の監視のために居候している。それなら俺が護衛した方が手っ取り早いと、俺自らが護衛をすると提案に出す

 

 

どうせ今ギルドのルールによりダンジョンに潜る事は、リヴィラの街の冒険者以外は出入り禁止。つまりは俺も今は暇な時間。護衛できる時間はあるからと、護衛を引き受ける

 

 

「いいの?」

 

「お前は俺の監視で俺のホームに居候していようと。ちゃんと俺たちのホームの家事や書類仕事も少し手伝ってくれた。それのお礼としても護衛を引き受ける、それとも俺一人では不満か?」

 

「ううん!!むしろお願いするよ!お願いジーク!!私を守って!!!」

 

「わかった。わかったからあまり大声を出すな。いくら談話室で俺たち二人しか居ないとは言え、外に居る者達に聞かれるぞ?そんな大きな声ではな」

 

「あ!ごめん!」

 

 

護衛は引き受けると決まった

 

なんだか俺が護衛を務めると言う事に関しての反応に、エイナは非常に喜んでいた。まあエイナは以前俺に恋をしていると言っていたのだから、その異性として見ている俺に守られるのだから女性としては幸せな事だろう。ただイマイチ恋の仕方が分かってないようにも見えるが

 

とにかく、そのストーカーのことについて、いろいろエイナに質問して整理する

 

 

「ではまずだ。エイナ。ここ最近でお前に過剰に食事に誘おうとする者が居たりしないか?そういう者がストーカーなのではないのかと、今の段階で俺は推測している。どうだ?」

 

「それは・・・・・・二人くらい居るかな」

 

「誰だ?その二人は?」

 

「ドワーフの『ドルムルさん』とエルフの『ルヴィスさん』・・・・・の二人が最近お昼の食事に誘われたり、贈り物を無理に送られたりすることがあるの」

 

「ドワーフのドルムル。確かレベル三で『マグニ・ファミリア』の冒険者。エルフのルヴィスもレベル三であの『モージ・ファミリア』の冒険者だな」

 

「うん、実はその二人は以前私の担当の方達なの」

 

「なるほど、出会いはそれでとして。そこから何度か食事の誘いをされたりと、贈り物を無理に送られたりとされているわけだな?今のところは?」

 

「うん、でもあの二人は・・・・すごく優しい人で、そんな悪い事をする人たちとは思えないけど」

 

「ドワーフとエルフか、よりにもよって種族争いが一番絶えまない存在がお前にそのような事をしているとはな。でも確かに今の段階では確信は無いが、可能性はあるとは思う」

 

「じゃあその二人を警戒するって事?」

 

「一応な。関係はあると思う。最近そのような事をお前にしているのであればな」

 

 

その二人のどちらかがストーカーと言う可能性を考えている

 

確信はないが、可能性としては十分なため、そういう繋がりでストーカーになる場合も世間ではあると。そういう変質者に出会った事は一度も無いが、それでも俺はその二人を警戒に入れておくべきだと考えた。

 

そこからどう探すべきかはまだ考えていないが、とりあえず今考えている事は一つのみ

 

 

「まずは仕事が終わった後、お互い私服に着替えてデートするぞ」

 

「え!?デート!?なんで!?」

 

「デートをしている所を見れば、必ずそいつは嫉妬して邪魔するはずだ。それでその者がストーカーかどうか確認し、犯人なら牢屋に入れる。まずはそれでいいと思う。それでどうだ?」

 

「で、でででででも!!デートなんてした事ないし!」

 

「お前。俺のことは好きだと以前言った割には、恋愛に関して恥ずかしさで頭がいっぱいになって、なにも分かっていなかったんだな?普通ならそこは喜ぶ所だぞ?」

 

「だって私!いきなり私とそんな事をしてくれるなんて思わないもん!それにジークだって英雄だし!私とデートをしている所を市民に見られたりでもしたら噂になるよ!」

 

「それならもう手遅れだ。以前俺はお前に告白される一日前、アフロディーテとペルセフォネを買い出しに連れ回したせいで、もう俺が女神とデメテル ・ファミリアの団長とお付き合いをしているか、もしくは婚約者候補としてデートをしていると市民の話題になっている。気にするだけ無駄であり、今更別の女とデートしていようが俺は他人がどうこう言おうが全然気にしない。他人が何を言おうが関係ないからな」

 

「なんでジークはそんなに恥ずかしくならないの!?」

 

「お前を守るためにデートをする事の何が恥ずかしい。恥じらいを捨てて恋を優先しなければ、欲しい男もいつか誰かに取られるぞ。俺が誰かに取られるとは思えないが」

 

「ほ、本気なの!?」

 

「お前が嫌ならやめるが?」

 

「うう・・・・・・・ううん!やろう!!私ジークとデートしたい!!!」

 

「分かった。では今日夕方にここへ迎えに行く。それと・・・・・・また大声を出しているぞ?」

 

「あ!?ごめん!!!」

 

 

なんにしても護衛を引き受けることは決まった

 

デートする事に抵抗があるエイナを見て、こいつは自分の想いに素直になれず、恋はしているけど、どうしたらいいか分からないただの不器用だった。今見て思う。こいつは受付嬢で一番人気のある美貌のエルフの女だ。でもしっかり話せばわかる。見た目は美しても中身は不器用で恋がわかっていないただの不器用な女

 

こいつのことはただの友人だと思って、あまりを中身を知ろうとしなかったが、まさかエイナがここまでの不器用だと知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで夕方になると。俺は予めパンドラボックスにグラムを入れて用心した状態で俺は私服でギルド本部前で待ち、エイナが仕事が終わるまで待っている。

 

当然俺が私服でギルド本部に待っていると。当然『誰かを待って、これからデートする』と言う光景に、周囲に他者からすればそう思うだろう。おまけに俺は今では英雄扱い。そんな有名人がギルド本部でオシャレした私服で待っているとなれば、誰かとデートだと思うだろう。若干周囲に居る女性冒険者や話したことがない受付嬢が私服姿の俺に見惚れる者が多いが。それでも俺は気にせずに、ただひたすらエイナが終わるまで待機している

 

すると

 

 

「お待たせジーク!」

 

「ああ、エイナ。時間通りだな。ところで・・・・・・・一度自分の寮に戻って着替えたのか?」

 

「う、うん!!デートなんだから当然だよ!!」

 

 

「「「「「「え!?」」」」」」」

 

 

「そうか、似合っているぞ。その私服」

 

「そ、そう!?なら・・・・・頑張った甲斐があったな・・」

 

「頑張った?つまりこのデートのために服を急で買ったのか?そんな時間あったのか?」

 

「べ、別にそういうわけじゃないよ!!ただ・・・・今日お昼の時間が物凄く空いたものだから」

 

「つまりはお昼の時間に急いで服を選んで買ったわけか」

 

「あ、はい・・・」

 

 

まさか変質者を捕らえるための作戦と言う建前のデートをするだけだと言うのに、わざわざ今時に似合うコーディネートの服をお昼の時間を使い購入して、俺とのデートを本気で楽しむようだと思った

 

しかも俺とデートする事に恥ずかしいと言っていたエイナ自らが、俺とデートをする事を大きな声で発してしまう

 

まあ、楽しんでいれば変質者も出てくるだろう。幸せ過ぎる光景は嫉妬を誘い出す餌そのものだからな

 

そして俺とエイナが鉢合わせしていると、俺とデートをすると言う言葉に反応して、他の受付嬢であるミイシャと言うヒューマンとローズと言う獣人が声を掛けてくる

 

 

「エイナ!?あの英雄様とデートって本当なの!?」

 

「あんた、冒険者とデートをするのはわかるけど、まさかあの雷帝様とデートをするなんて」

 

「ミイシャ!?ローズ!?別にいいでしょ!!私だって女だもん!デートの一つもするもん!」

 

「いいな!こんなイケメンと付き合えるなんて!しかもそれがあの英雄雷帝だなんて!」

 

「本当にね、ねえ雷帝様?本気でチュールと付き合うの?」

 

「ローズ!?それは・・・・・」

 

 

「俺の事情により、今『嫁探し』をしている。それで彼女が俺の妻にふさわしいかどうかを。彼女を婚約者候補にするか確かめるためのデートに誘っている」

 

 

「「え!?」」

 

「「「「「「「嫁探し!?」」」」」」」

 

「え!?ちょ!?ジーク!?それって・・ぶ!?」

 

「黙っていろエイナ。俺はあと一年で成人する。その成人が過ぎたらすぐに結婚を考えている。今はその相手を探すべく。彼女が俺との結婚を希望をしていると聞き、本当に俺の妻にして良いのか、確認のためにデートをするだけのことだ」

 

 

エイナの口を手で抑えて。俺は嘘を付いた

 

エイナに付き纏う変質者の耳に届かせるために、俺はわざと大きな声で発する。そうすればより俺とのデートを邪魔するために出てくるに違いないと。俺はわざと周囲の者や彼女に嘘をついてまで、変質者を誘き出すために嘘をばら撒く

 

 

「そ、そうなんだ。まさかあの雷帝様がチュールを選ぶだなんて・・・」

 

「すごいじゃないエイナ!あの英雄様のジークだよ!」

 

「え、ええ」

 

「あんた、冒険者とは言っても凄い上級冒険者と付き合うのね、チュールあんたが羨ましいわ」

 

「あ、ありがとう。でもまだ決まっているわけじゃないから!」

 

 

「時間が惜しい。エイナ。行くぞ」

 

「あ、うん!それじゃあまた明日!」

 

 

そう言って俺はエイナを連れてさっさとギルド本部に出て、外で外食するなどをしてデートを始める。だがその前に

 

 

「一応言っておくが。さっきのは嘘だ」

 

「だと思った。それもストーカーを誘い出すため?」

 

「十分なはずだ。俺の仲間やアフロディーテやペルセフォネに聞いたら後で俺が言い訳をする。そんなことが本当であるはずがないとわかる人間にはわかるはずだからな」

 

「うん・・・・・ストーカー・・・大人しく出てきてくれるといいね?」

 

「俺が護衛をしているから恐れているかもしれないな。だとしてもあんな大胆にギルド本部で宣言をしたんだ。効果はあるはずだ」

 

 

無論出てくるかなどはわからない

 

俺が護衛していると気づいたら誰もが勝てないと諦めるか。それとも愚劣な方法で手にするのかもしれない。エイナを拐うなどをするなり。なんだってできる。俺はデートを楽しむフリをして相手が出てくる事を警戒してエイナと街を歩く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、夜遅くまでエイナを街に連れ回しているが、一向にそのような者は出てこない。本当にこのままだとデートを楽しむだけで終わってしまう。まあそれで終わるなら全然構わない。今後何も彼女に危害が起きないなら

 

 

「結局遅くまでデートをしているけど、出てこないね?」

 

「これでお前を諦めてくれるなら、それでも構わない」

 

 

別にそれで終わるなら構わないと思っている。やはりもう俺を相手にデートをしているとわかった瞬間、俺に怯えて出てこないかと思っている。何も起きないまま終わるならそれで良しだ

 

今もエイナとは手を繋いでいる。人混みに万が一巻き込まれてもこの手を離すことはない。

 

でもエイナは若干、俺の手を繋いでいる事に恥ずかしがっているようで、顔が赤い。どうやら物凄くデートをする事にも恥じらいを覚えたようだ

 

と、デートをするだけでも恥ずかしそうに小動物のようになったエイナを見ていると

 

 

「っ!」

 

「ジーク?どうしたの?」

 

「いや・・・・エイナ。こっちへ行くぞ」

 

「え、あ、うん!」

 

 

俺は後方に少し魔力のある人物と思われる魔力を感知し、俺はワザと曲り角を三回曲がった。それでもその魔力のある人物が俺たちの跡を追うように付いてくる。どうやらストーカーらしき者が出てきたようだ

 

三回角を曲がった後に、俺はエイナに足を無理に止めさせる

 

 

「ジーク?どうしたの?いきなりこの建物をグルグル曲がるようなことをして?」

 

「エイナ。静かにしろ。どうやら出てきたようだぞ?」

 

「え!?っ!っ!・・・・もしかしてストーカー!?」

 

「おそらくな。今この建物の周りを無駄に歩いたが、それでも背後を付いてくる」

 

「まさか・・・じゃあ本当に」

 

「エイナ。作戦を実行する。行くぞ?」

 

「うん!」

 

 

まさか本当に出てくるとは思いもしなかったが、どうやらそれらしい魔力を背後から付いてくる

 

間違いなくそうだと思うが、確実な証拠が欲しいために、先ほどデートしている最中で建てた作戦を実行するために、まずはその背後に付いてくる者を誘導し、あの場所へ連れて行く

 

俺とエイナは急ぐとバレる為、わざとデートを続行するフリをして普通に歩く

 

しばらく歩いて

 

 

「そろそろだね?」

 

「ああ。やるぞ?」

 

 

そうして俺たちが歩いて辿り着いたのはギルド本部の近くにあるバベル前の大広間

 

そこで俺が罠を掛けているにも関わらず、背後から追う茶色のローブを着た男らしき者を中央に引きつけ、そして俺とエイナは振り向くことなく

 

 

「グレイプニル!!!」

 

 

「っ!?ぐわあああああああ!!なんだこれは!?」

 

 

突然俺はグレイプニルの名を呼ぶと、地面から大量の鎖が出現し、茶色のローブを着た男を縛り付ける。グレイプニルは周囲にある建物の屋根にまで繋がっている。つまりは周囲全体にある障害物全てに繋がっている。もはやこれを解くことは腕力でも無理に千切る事も不可能。完全に追尾者を捕縛した

 

 

「捕まったの!?」

 

「ああ。完璧にな。お前か?先ほどから俺たち二人を追うのは?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「答えないか、まあいい。答えないのなら顔を晒せばいいだけだ」

 

 

そうして俺は茶色のローブの一部であるフードに手を掛けて、後ろに上げる。すると

 

 

「っ!」

 

「あ、あなたは・・・・・・・・・ドルムルさん!?」

 

 

「エ・・・エイナちゃん」

 

 

ローブで顔を隠し、俺たち二人を追っていたのは少し中級の装備をし、ハンマーと魔剣と思われる槌を持ったドワーフのドルムルと言う男だった。間違いなくエイナの言っていた男。彼女に気があって付き纏っていたようだ

 

 

「お前がドルムルでいいのか?なぜ追いかけ回していた?」

 

 

「英雄雷帝!!エイナちゃんとデートをしていると言うのは本当か!?」

 

 

「ああ、だからなんだ?お前には関係ないだろう?」

 

 

「ギルドから話は聞いたぞ!嫁探しだと!?エイナちゃんにまさか・・・・・こ・・・こ・・・・子供を施す気か!?」

 

 

「だから?なんだ?」

 

 

「例え雷帝でも!!あのエイナちゃんに手を出すなら許さんぞ!!!」

 

 

どうやらこのドルムルと言う男は、俺がエイナと付き合っていることを気に食わないのか、追いかけ回して俺を始末するために背後を追いかけてきたようだ

 

そしてドルムルと言う男は。グレイプニルと言う鎖で縛られておきながら背中に背負っている武器に手を掛けた。その手にした武器は黄色い魔剣だ

 

 

「あれは!?」

 

「魔剣か!」

 

 

「相手があの雷帝なら!本気を出すしかねえだ!エイナちゃんに『ふしだらな事をする男』め!!」

 

 

「ふしだらな事をする?どういうことだ?」

 

 

ドルムルと言う男が魔剣を手にして俺に襲い掛かろうとするのは理解できる。だがその男がなぜか俺にエイナに『ふしだらな事をする男』だと言っていた。それはどういうことだろうと思った。まさかこの男は誰かに俺を倒すように唆されたのかもしれない。この男に悪意は無いと推測する

 

でも、俺はそんな事を考えている暇もなく、そのドルムルが手にした魔剣の槌を天に掲げると、その槌の先端から突然俺の前後に落雷が落ちてくる。

 

 

「っ!雷係の魔剣か!」

 

「ジーク!?」

 

「問題ない」

 

 

だが俺はその落雷を目の前にしても避けない。そのまま動かずに俺はその落雷を体で受け止める。

 

 

「くらえ!!」

 

 

 

その落雷を俺は見事に三発受ける。普通なら体が痺れ動けなくなるのだが、俺にはアビリティに『雷』と言うのがある。それはつまり俺の体から放電も出せると言う雷系の魔剣そのものになったと言うこと。雷はもはや俺の体の一部。母の雷神の女神トールの息子にして、その母の血も力も受け継いでいる。だからこの程度の雷も吸収できる

 

俺はその落雷を浴びてダメージを受けることなく、放電を吸収して更に回復をした

 

 

「な!?なんでだ!?」

 

「その程度の落雷では俺は倒せない。それともうそれを使うのはやめろ。その魔剣は『不良品』だぞ?」

 

「ふ、不良品!?」

 

「誰が製作したのかは知らないが、それを使い続けると暴発する。だからもう諦めて、それを捨てろ。その魔剣は俺にダメージを通せない。やるだけ無駄だぞ」

 

「なんだと!?・・・・」

 

「ジーク。大丈夫!?」

 

「問題ない。雷神の息子だ。雷は俺の体の一部。こんな電力なら俺の体で吸収できる」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

 

「どうなっているんだ!?『ウチの神様』が言うには、あの雷帝がエイナちゃんにふしだらな事をすると聞いて、この魔剣が効くと聞いて渡されたんだぞ!!」

 

 

「え!?」

 

「なに?それはどう言う事だ?」

 

 

突然ドルムルが主神に言われて、俺がふしだらな事をしていると聞いて、俺たちを追いかけ回していたことを、自らの言葉で発した

 

間違いない。やはりこの男は主神に唆されて、エイナではなく、俺を始末するためにエイナを追いかけ回し、彼女から俺を突き放すために、昨日から尾行をしていたのだと

 

更に

 

 

「見つけたぞ雷帝!!」

 

 

「っ!後方からエルフ!」

 

「え!?ルヴィスさん!?」

 

「ルヴィス?お前にまたもひつこく食事に誘っていた者か」

 

 

俺とエイナの後ろの方から、突然弓を持ったエルフが出てきた。今エイナがこの男の名前を言った。ルヴィスだと。間違いなくモージ・ファミリアの眷属にして、最近エイナに食事に誘うする者の二人目、なぜここにエイナを気に掛ける男二人がここで揃うのか、ドルムルは今俺を排除する理由は主神に言われたからと理解できたが、なぜこの男まで俺を襲うのか、俺はエルフに効く

 

 

「聞こう。なぜ俺を襲う?俺がエイナに何かしたのか?」

 

 

「そうだとも!貴様最近エイナさんを無理に連れ回したりして、エイナさんをふしだらな事をしていると、主神に聞いたぞ!!」

 

 

「え!?ルヴィスさんも!?」

 

「やはりか、この男もあのドルムルもそういうことか」

 

「ジーク。もしかして?」

 

「ああ。そういう事だ」

 

 

 

 

 

 

「二人とも。『神々の悪戯』に騙されて、俺を排除しようとしているようだ」

 

 

理由はわからないが、どうやらこの男も主神に俺を排除しようと、エイナが俺にたぶらかされていると騙されているようだ

 

なぜ俺を殺したいのかは知らないが、どうやらモージとマグニがなぜか俺に気に入らないような事をされたのか、無論俺にはそんな事をした覚えもなければ、あった事もない男神二人だが、どうやらどこかで俺が二人に気に触るような事を自覚なしにした事なのか、二人に恨みを買われているようだ

 

 

「雷帝!!ここでお前を倒させてもらうぞ!英雄あるまじき行為!許さないぞ!この弓は雷を帯びた矢!この矢で貴様をくり抜く!」

 

 

「なぜこいつまで雷系の武器を?まさかそれも主神に言われてか?」

 

 

「うむ!我が主神が『雷帝は雷に弱い、だからこの矢で射抜けば致命傷だ』と、言っていたんだ!!」

 

 

「本気で言っているのか?」

 

「ルヴィスさんにドルムルさんも、ジークがなぜ『雷帝』って呼ばれているのか、理解してないのかな?」

 

「だろうと思う。まさか雷に有利な俺にそんな物で倒そうとは」

 

 

まさかこの男までも主神に騙されていると思うと、気の毒に思うのが普通なのだが、珍しく今日だけは感情に出た。

 

呆れた。

 

まさか主神に騙されて俺を抹殺しようとするとは、なんとも呆れた同時に哀れだと思う。でも主審が何か俺に気にくわない部分があるようだ。だから眷属を騙してまで俺を殺そうと武器を向けている。なぜ雷系の魔剣やマジックアイテムを使って殺そうとしているのは謎だが。それでももう、倒すしかない聞かないと。魔剣グラムを手に取って

 

飛んでくる矢を全てエイナに当たらないように弾く

 

 

「ふ!」

 

「な!?矢を全て弾いただと!?」

 

「俺はレベル6でお前はレベル3、その程度の矢。全て見切れる!!」

 

「ぐわ!!!」

 

 

俺は全ての矢を弾いた後に、ルビィスと言う男に近づき、俺は奴の腹に拳をめり込む。手加減はしているから気絶まではいかないが、レベル6の一撃の拳ならレベル3でも体を怯むことは簡単にできるからと、手に持っていた弓を床に落として膝を着く

 

 

「ぐううう、お、おのれ」

 

 

「一応お前達に言っておくが、じゃあ昨日お前達二人がエイナを追いかけ回していたのか?」

 

 

「追いかけ回しているたではない!私は貴様が何度もホームに連れ込んでいるのを見たぞ!」

 

「それは今俺に事情があって、なぜか彼女がその事情を聞いて俺のホームに来てまで監視と言うなのはアドバイザーの仕事をしているだけだ」

 

「本当か!?じゃあ昨日からほぼギルド本部でエイナちゃんと一緒に居たが、それはどう説明する!?」

 

「書類仕事をギルドでやっていたんだが、彼女が手伝ってくれたり教えてくれたりとアドバイザーとして俺の担当として仕事を手伝ってくれただけだ。なにもやましい事もなければふしだらな事も俺はしていない。全部誤解であり、お前らが主神に騙されていただけだ」

 

「信じるか!!例え雷帝でも!」

 

「英雄であろうと!エイナちゃんに変にそんな事をしているに違いないだ!!」

 

「お二人とも!ジークの言うことは本当です!信じてください!!」

 

「もういい」

 

「え?ジーク?」

 

 

 

「ここまで言って俺の言葉を信じないなら実力行使でお前ら二人を再起不能にする。エイナに迷惑をかけた分も含め、覚悟はできているんだろうな?」

 

 

「「ひい!!」」

 

 

俺はもはや言葉を聞かない、ドルムルとルヴィスと言う男達に実力行使でなければ止められないと判断した。もはや英雄だとかの立場もどうでもいい。自分の都合に合わないからと他人が悪いと決めつけるのであれば、尚更武力で抑えるまでだと。俺は体で雷を放出し

 

ミョルニルを出す

 

 

「今度は俺がお前らに雷を浴びさせる」

 

「え!?ジーク!?ちょっと待って!」

 

 

「落ちろ!!」

 

 

「「うぎゃああああああああああああああああああああ!!!」」

 

 

そうして俺は容赦なしに、ミョルニルで雷雲を真上に作って、ドルムルとルヴィスに軽い落雷を落とした。それで二人は体に雷を浴びた事で痺れて動けない。そのまま雷で少し焼けて二人とも地面に倒れた

 

 

「これでいいだろう。ヴィスの方にもグレイプニルで縛っておこう」

 

「ジーク。いくらなんでも・・・」

 

「軽い落雷だ。この程度なら問題ないだろう」

 

「お二人が主神に騙されてジークを襲うのはわかったけど。あの主神二人に何かした?ジーク?」

 

「いや、接触もしてなければ、俺はまだ会ったこともない主神二人だ。その二人に恨みを買われるようなことはしていないはずなのだが」

 

 

二人を気絶させ、俺はルヴィスの方にグレイプニルで縛って動きを封じるが

 

なぜこの二人の主神である。モージとマグニが俺を襲うように仕向けたのが気になる。今まで会ったことなどない。関わった事も一度もない。マグニとモージなど名前すらしか聞いたことがない。そんな者たちに何かをされるのとなると不服だ。

 

この二人をギルドの牢へ入れたら、その主神二人の元へ伺おうと考えていた

 

すると

 

 

「っ!そこにいるのは・・・・・・ヘスティア!アフロディーテ!そこに居るのか!」

 

「え?ヘスティア様!?アフロディーテ様!?」

 

 

 

 

「もういいんじゃないかい?」

 

「ああ、十分だ」

「本当にあの『母ちゃんの息子』なんだな?」

 

「信じられないけど、本当よ。ごめんなさいアドニス!どうしてもあなたに確認したいことがあってね!」

 

 

「ヘスティア。アフロディーテ。それに・・・・・まさか」

 

「マグニ様!?モージ様!?」

 

 

「よ!エイナちゃん!」

 

「トール母ちゃんの息子。お前さんには悪いことしちまったな」

 

 

後ろの方にある建物の裏に神の力を感知した俺は。出てこいと呼んだが、出てきたのは俺の主神であるヘスティアとアフロディーテ。あの二人の神の力を近くで感知していたから気付いてはいたが、まさか別の神も居ることにも驚き気づいていた

 

それは男神二人。金髪と茶髪をしたドワーフをした中年男性と思われるような男神二人

 

エイナはその二人をマグニとモージだと言った。てことはこの二人がそうだと理解する。だがなぜヘスティアとアフロディーテが共に居ることが不思議で、尚且つその二人にヘスティアが『もういい』と言っていた。まさか事情があって俺を今まで観察していたと察する。それと金髪の男神が俺を『トール母ちゃんの息子』と言った。これはどういうことだとヘスティアに聞く

 

 

「ヘスティア。これは・・・・君やアフロディーテ達が仕組んだことでいいのか?」

 

「うん。実はどうしてもこの二人がね。ジーク君があのトールの息子がどうか確かめるために」

 

「自分の眷属に嘘をついてまで、あなたがあのトールの息子かどうか、力を奮って確認したいと。この二人が一昨日私達に頼みに来たの」

 

「この二人が・・・・」

 

「ジークが雷神の実の子だと、確認するためにこの騒動を起こしたってことですか?」

 

「そういうことだよ。アドバイザー君」

 

 

「いや〜、ごめんなエイナちゃん。迷惑をかけて」

 

「それでも俺ら確認したかったんだよ。この雷帝ジーク・フリードが、あのトール母ちゃんの実子なのか確かめるために、あの二人にお前を襲うように仕組んだのさ、レベル6なら問題ないと思ってな」

 

 

「そうか、ただおふくろの事を『トール母ちゃん』と言っているが、それはどういう意味だ?」

 

 

「あれ?トール母ちゃんに聞いてねえのか?俺ら天界であのトール母ちゃんに世話になったのさ!」

 

「トール母ちゃんは俺たち二人を息子として扱ってくれた。いわば俺ら二人の『母ちゃん』なのさ!トール母ちゃんに聞いたことないか?『実子じゃないが、息子みたいのが天界に居る』って?」

 

 

「あ、そういえばおふくろが昔それらしい事を言っていたな。確か・・・・『お前は私の実子ではあるけど、三人目の息子になる』って、てことはおふくろの『天界の息子』というのはお前達のことだったか」

 

 

7歳の頃、確かに母から血の繋がりのない息子達が居ると言っていた

 

当時の俺は意味もよくわからなかったが、まさか天界で息子のように扱っていた男神二人がいるなどと知らなかった。つまり今目の前に居るのは俺の兄達に当たるということだ。まさかあのお袋が天界で息子のように想う男神が居るとは知らなかった。

 

もっと詳細を知りたいために、俺は二人に詳しく聞く

 

 

「じゃあ自分の眷属を俺に襲わせたのは、俺がおふくろの実子なのか、その母の力を出させるために俺を襲ったと言うわけか?」

 

 

「ああ、その通りだ。にしてもあのトール母ちゃんがこんなかっこいいイケメンを産んだなんて、女神は子供を産めないのによくできたもんだぜ」

 

「トール母ちゃんの神創武器である『ミョルニル』を持てる時点で息子で間違いねえ。あの雷もトール母ちゃんの稲妻そのもの。マジで産んだんだな。トール母ちゃんは」

 

 

「ああ。母はお前達に息子として扱っていたのか?」

 

 

「そうさ。良い母ちゃんだったぜ。料理は肉料理しかできないけど。俺たちのためにいろんな学習をしてくれたし。いろんな武芸を教えてくれた」

 

「家事もよくしてくれたよな。あの女とは思えねえガサツな性格している癖に、俺たちの事を息子として、俺たちを天界で何度も助けてくれた。本当に良い母親さ。そんな母親がマジで下界のヒューマンを産んだのがあの雷帝だって、以前ヘスティアに聞いた時は驚いたぜ。本当にあのベヒーモスの戦いをウラノスの力で見たが、やっぱり間違いなくお前さんはトール母ちゃんの息子だ」

 

 

「おふくろが天界でお前達にそんな事を・・・・・」

 

「トールはね。結構母親気質でもあるんだよ。ジーク君」

 

「あの子は本当に乱暴な時はあるけど。女として人を思い遣る心があったわ。いろんな男神にも、トールは『雷とモージとマグニの母』として有名だったのよ」

 

「おふくろが天界でそのような名前が」

 

 

母の実子でありながら、俺は母のことを全て知っているわけじゃなかったようだ

 

とは言っても確かに母はあまり天界のことは教えてくれなかった。特に自分の姉妹の話は全然、自分の身内の話はあまり良いものじゃないと教えていいものじゃなかったのだろうか、今になっては聞くことはできないが、言うなら目の前に居るのは俺の兄達、兄弟として仲良くしてもらうために、わざわざエイナまで巻き込んでまで俺を知ろうとしたのがわかる

 

 

「それで?トール母ちゃんは今でも元気か?」

 

「っ!?」

 

「どうせお前さんの故郷でファミリアで元気にしているんだろう?」

 

「・・・・・・」

 

「モージ。マグニ・・・それはね」

 

「実は今・・・トールはね」

 

 

「ああ、元気にしている」

 

 

「「っ!?」」

 

「へえ、そうかい」

 

「やっぱり元気にしているのか!あのトール母ちゃんだ!当然だよな!」

 

「ただ俺を産んだことでファミリアは解散になったんだ。しばらく俺の子育てに専念してたから、今では自分が立ち上げた店で平和に暮らしている」

 

「へえ、そうかい」

 

「いつかトール母ちゃんに会いてえな!」

 

 

「そうだな・・・・・俺も会いたいな」

 

 

「ジーク君・・・・」

 

「アドニス・・・・」

 

 

俺は嘘をついてしまった。兄達に

 

神殺しのスキルがあるから俺の嘘は見抜けない。今この出会いを無下にしないために今母は下界で元気にしていると嘘をついてしまった。血縁がないとは言え兄でもあるマグニとモージに少しでも友好関係居たいがために安心させるために嘘をついてしまった

 

 

「とにかく。これからよろしくな兄弟!」

 

「何かあったら、兄ちゃんである俺らファミリアを頼れよ!」

 

 

「すまないな、モージ。マグニ。これから弟としてよろしく頼む」

 

 

モージとマグニと俺は握手する。

 

これからは兄弟として仲良くしていくのだが、いずれは母の強制送還を伝えなければならない日が来る。その時は覚悟を決めないとならない。ショックを受けるのは当然だと思うが、いつどの日に明かさなければならないのか、それが一番悩む話だ。今は友好関係の出会いには似合わない事をせずに、カオス・ヘルツはこんな時でも発動して気にしないはずだ。だが最愛な母のことも俺は感情に抑えられないようだ

 

 

「主神よ!私たちを騙したのですか!?」

 

「エイナちゃんがあの雷帝に弱みを握られているのは嘘だったのか!?」

 

 

「すまんな、ドルムル。お前さんを騙したことは謝る」

 

「全部俺たちの嘘だ。どうしてもあの雷帝がトール母ちゃんの実子がどうかを確認するために、お前達を使った。騙したことは謝る。あとで謝罪として美味いご馳走と良い酒を用意してやるから。エイナちゃんも。確認したいとは言え、巻き込んで悪かったな?」

 

「あ、いいえ」

 

 

「「そ、そんなああああああああああああ!?」」

 

 

それを聞いたドルムルとルヴィスは崩れ落ちるように膝を着いて倒れる。まさか全て誤解だと聞いて、俺への殺意が消えていく。どうやら俺がエイナに無理難題のセクハラをしているとマグニとモージに嘘を付かれ、俺がエイナを追い回していると疑い、昨日の夕方からエイナを護衛するためにローブなどを着て、身を潜めていたのだと。事情を理解する

 

 

「じゃあ雷帝とエイナちゃんがヘスティア・ファミリアのホームで同居しているのはどう言うことだ!?」

 

「それは今俺はここに居るアフロディーテとお見合いをしているのだが、彼女は俺を夫にしたいと結婚は引き受けられないが、その代わりお互い知り合うための部屋まで同棲をしてる。彼女は愛と美の女神だが、性の女神でもあり、俺に性交を及ぼそうとここ最近誘惑してくるのだが、それをエイナがふしだらと。彼女は俺の担当のアドバイザーとして監視をすると。無理難題に彼女も俺のホームで同居しているだけだ」

 

「なんだと!?では今日のあさにギルド本部で『嫁探し』をしていると言うのは!?」

 

「あれは嘘だ。俺は昨日の夕方からエイナに付き纏うストーカーに悩まされていると聞いて、俺のホームで無理難題に居候しているが、彼女はギルド本部の仕事以外はホームで家事をしてくれる。そのお礼も兼ねて友人として助けるために、お前達を誘き出すためのただの嘘だ」

 

「「う、う、嘘だろう・・・・」」

 

「残念ながら、これが事実だ」

 

 

ドルムルとルヴィスは俺の事情をボロボロにでも聞いてきたため

 

俺はありのままの事実を話した。それを聞いてこの二人はガッカリし、今までのことが全て無駄になってしまった事を聞いて、更に落胆した。このまま事件は無事解決して、お互いただの誤解で何も被害がなかったと、丸く収まるはずだったのだが

 

 

「「ぐぬわああああああああああああああああ!!!こうなったら!!」」

 

「ん?」

 

「え?」

 

 

「エイナちゃん!!オラはエイナちゃんが好きだ!!オラのお嫁さんになってくれ!」

 

「私もあなたの事を愛しています!どうか私の伴侶になってください!!」

 

 

「え、えええええええええええええええええええええええええええ!?」

 

「・・・・・・・」

 

「うえ!?」

 

「あらあら」

 

「おいおい、ドルムル」

 

「マジか、ルヴィス」

 

 

二人はこのまま想いを無駄にしたくないと、やけくそではあるが

 

エイナに直接、いきなりの告白をした

 

流石のエイナも突然の告白に困惑する。それは当然だろう。ここまで来てそんな事を言われてしまっては、どんな女でも慌てて困るだろう。おそらく告白なんて一度もされた事のなさそうな今のエイナには一番困る事だろう

 

 

「そそそそそそそ、そんな!?」

 

 

「オメエ!エイナちゃんがオメエなんかに嫁になるわけねえだろう!お前は森にでも篭れ!」

 

「貴様こそ故郷に帰れ!お前のような野蛮なドワーフにエイナさんの子をなせるわけもない!」

 

「オメエ!?何ふざけた事を言っているんだ!?エイナちゃんになんてふしだらな事を!?」

 

「馬鹿者!?貴様は何下劣な事を言っているんだ!?」

 

 

「あわわわわわ!?どうしたら・・・・」

 

 

「これはすごい事になったね?」

 

「強引な告白ね」

 

「ドルムル・・・そりゃあ大胆過ぎだぜ」

 

「ていうか、いくらなんでも無理難題すぎると思うが・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

これ見逃しのやけくそなのは明白

 

ならそれに返事をするしかないと、もはや選択を迫られている状態である。無論それはエイナにしなくては意味がないと。慌てている所を申し訳ないが、俺はすぐに決断するようにエイナに言う

 

 

「エイナ。お前が決めろ」

 

「え!?わ、私が!?」

 

「これはお前の問題だ。言っておくが俺たちに助けを求めても、こればかりは俺たちは助けない。お前の決断の問題だ。当然だろう?」

 

「で、でも・・・・」

 

 

「わかった。言い方を変える。『自分の気持ちに正直』に言え」

 

「っ!?」

 

 

「突然告白されて慌てるのはわかる。だが、それとこれとは別だ。自分の気持ちをこの二人に伝えるんだ。今お前はどうしたいか、そしてお前に別に好きな相手がいるのか、自分の気持ちを言えば良い。それだけだ」

 

「自分の気持ち・・・・・」

 

「俺から言う言葉はこれだけだ、さあ、決めるんだ」

 

「・・・・・・」

 

 

こればかりは俺は助けたりはしない

 

彼女の問題だ。彼女の本心の言葉を言えば良い。ただそれだけのこと。別に自分の想いを言うのは恥じらうことではない。ただそれはエイナが自分の気持ちに正直になれず、恋愛経験がまだ無い初心の女だけのこと。これからどうするかは自分で決めることだ

 

そして彼女の答えは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は今ここに居る・・・・・・・・ジーク・フリードが好きです!!!だからお断りします!!二人とも!」

 

 

「「え!?」」

 

「「わお!?」」

 

「「マジか!?」」

 

「・・・・・・」

 

 

「私は今彼に恋をしています!!彼は今成人してないからとまだ恋愛事には考えらないと言っていますけど、それでもやっぱり私は彼が好きなんです!結婚したい程に、彼の子供を産みたい程に!!彼の気持ちが私に向けるまで諦めたくないんです!だから断りします!!!」

 

 

「「な、なあああああああああああああああああああああああああああああ!?」」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

エイナは大事な事になるとすぐにムキになるから大声で言う癖があるが、今のは自分の気持ちに正直に言うようにしたのだから、大声で叫ぶくらい正直な証拠だ。にしても俺を諦めたくないか、そんな女は今でもたくさん居るが、どうせ言っても聞いてくれないのが女だ。だから俺はあえて返事はしない。

 

彼女の正直で本心な言葉だ。自分の気持ちに嘘をつかずに言うだけ、それができただけよしとするべきだろう

 

だがそのエイナに正直な言葉を聞いて、二人は

 

 

「ああ・・・・・・・ああ」

 

「うう・・・・・うう・・・」

 

 

「お、おいドルムル?どこ行くんだ?」

 

「ル、ルヴィス?お父さんたちと一緒にこれから飲みに行こうと思ったんだけど・・」

 

「モージ、マグニ、しばらく一人にさせよう。いくらエイナの正直の言葉とは言え、本気だったんだ。今は一人にさせるべきだ」

 

 

失恋をしたのだから、何を言っても聞くことはない

 

ショックで引き受けることは難しい。いやむしろ無理で当然だ。好きになった相手にフラれれるのは中々に男としては引き受けるには無理に等しい話だからな。だけど、彼女が嘘を付いているわけでもないため、もはやもう何も返事できずに、二人はホームに帰ったのか、それぞれの道へと立ち去っていく

 

 

「わかっていると思うが、返事はできない」

 

「うん、でも私は・・・・・諦めないから」

 

「そうか・・・・」

 

 

事件はこれで解決した

 

最後は彼女の言葉でしっかりと終わらせた。恥ずかしがり屋のエルフにしてはよく頑張ったと思う。あのエイナがしっかりと俺に好きだと言う。真っ直ぐな恋は認める。でも引き受けるかは別だ。俺にはまだ本当に考えらない。レアスキルが原因なのか、それとも『俺の心は決まっている』のか、なんにしても、彼女の意志で切り抜けたのだからと、俺はこれ以上は何も言わない

 

 

「なんだか・・・・まずい事しちまったな?」

 

「あいつらを騙したとは言え、あとで慰めに行かねえとな」

 

「まあ、これは仕方ないね」

 

「流石の私でも、失恋は本人の心次第だしね」

 

 

「あの二人が再び立ち上がる事を祈る」

 

「うん、これからあの二人にも友人として接するように、私から対応するよ」

 

 

とにかく事件は解決した

 

無事に、それで済んだのだから俺は問題ないと思う。人に好かれやすいと俺はよく言われるが、そんなに良いものではない。毎日毎日彼女たちの言い訳が必要になる。その対応がとても大変だ。結婚を望まない男が好かれても意味はないと理解はしてくれない。だから俺としては自分に恋をしてくる女を、俺は毒だと。悪い言い方をする

 

果たしてカオス・ヘルツでも抗える。恋はあるのだろうか

 

 

俺は今回の事件でそう思う。

 

 

ああ、やはり最近は『恋の騒動』が多すぎる

 

次はどんな人の恋で振り回されるのか

 

 

 

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