ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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今年はこれで終わりになります

次回のゼノス編は来年からで


主神と眷属の永遠なる愛

 

 

 

10分後

 

 

「ぶはあ!!ウンディーネ感謝する!」

 

『いいえ、どこかの川岸に着いたようですね』

 

「ああ。アイズも泳げないくせに追ってくるとは」

 

「うう・・・ごめん」

 

『彼女泳げないのに追ってきたんですね?』

 

「ああ」

 

 

どこの川岸に出たのかは知らないが、周囲に崖すらも無い。山間に流れる川に流れ着いようだ。ウンディーネが付いてきてくれたおかげで、川の流れを操って川岸まで流してくれた。おかげで三人を上手く助け出せた。

 

アイズは海すら泳げないのに、放っておけなくて追ってきたのだが、彼女が泳げないのを自分で忘れて、結局ウンディーネに助ける羽目になった

 

 

「うう・・・・・っ!ここは?」

 

「ヘスティア!無事か?」

 

「僕は大丈夫・・・・っ!?ベル君!?」

 

「あ!?ベル!!」

 

『主!ベルさんが!』

 

「っ!ベル!!」

 

「うう・・・ああ・・・・」

 

 

ヘスティアがやっと起きた。彼女に身は大丈夫なのだが、その隣であるベルの方が重傷で、背中ら血が流れていた。そのせいで意識を失い欠けている

 

 

「ジーク君!ベル君が僕を庇って川底にある岩場に直撃したんだ!」

 

「説明しなくてもわかっている。大丈夫だ。ハイエリクサーがある。この三本を背中に掛けるんだ!」

 

「うん!」

 

 

ヘスティアは俺からハイエリクサーを受け取ってベルの背中の服を破いて掛ける。そこまで深くは抉られていない。これなら助けられれると。問題なくベルはこれで治療すれば助かる

 

だが

 

 

『主。これからどうします?』

 

「雨も強くなってきたよ?」

 

「ああ。ベルは傷を治してもどこかに休ませないと体が冷える。確かにまずい。どこか休ませる場所があれば。ヘクトルも居るから大丈夫とは言え。まだ奴らも近くに居る」

 

 

魔力を感知する限り、アレス・ファミリアの別部隊が近くに居るのを気配を感知してわかった。今ベルは背中をやられて休ませないと体力が消費する。ウンディーネを守りを頼んで、俺たちが蹴散らすもいいが、だが今の状態ではベルの体力がどこまで保つかわからない。ヘスティアも川に流されたせいで体温も低くなっている。今は雨を振っていて余計体温と体力が減る

 

周囲には傘になるような木も無い

 

どこがないのかと、俺は感知を最大範囲に広げて、どこか隠れる場所を探すのだが

 

 

 

 

「っ!?これは!?」

 

「ジーク君!?」

 

『主?』

 

「ジーク?どうかした?」

 

 

「なんだ?・・・・なぜ・・・・・『あいつの力』感じる?」

 

「え?あいつ?」

 

 

突然俺は、感知範囲を広げてどこか休める所はないのかと気配を察知を広くして探したのだが、俺は『あり得ない力』に察知して、俺はその力に反応した

 

 

「まさか・・いや・・・この力は・・・近くに村があるのか」

 

「ジーク君?どうしたの?」

 

「近くに村がある。この先だ」

 

「え!?本当に!?」

 

『確かですか?』

 

 

「ああ。俺の感知がしっかりと見つけてくれた。そこにしっかり人の気配がする。俺がベルを背負うから付いて来い!」

 

 

その力は『俺の力と同じ』で、まるで自分が今遠くにでも居るかのように感知が反応して、体が勝手に動くのか、もしくはその力に共鳴して吸い寄せられるように、

 

俺がベルを背負って、その力があると思われる村へと走っていく。感知からしてそこまで遠くない

 

 

 

 

 

 

 

そして川岸を出て、道筋に沿って歩いた。

 

すると、建物事態は少ないが、とても小さな村を見つけた。俺もオラリオの周辺を歩いたことはあるが、こんな村は見たこともなければ、存在自体知らなかった。地図には書いてない場所だろう

 

 

「こんな所に村があったなんて」

 

「おそらく山間に囲まれた村で地図には乗らなかったのだろう。とにかくあの大きなログハウスを訪ねるぞ」

 

 

アイズもこんな場所に村があることは知らないが、とにかく詮索するのは後にして、まずは一刻も早くベルを休ませなければならないと。ここ村で一番大きいと思うログハウスのドアを叩いて訪ねる

 

 

「すまない!誰か居ないか!」

 

 

「はい。あ!もしかして冒険者の方ですか!?どうしましたか?」

 

 

「すまないが一晩で構わないから休ませて欲しい。今この少年である俺の仲間が、主神を庇ったことで怪我をしているんだ」

 

 

「大変!わかりました!とにかく中へ!」

 

 

「感謝する!」

 

「ありがとうございます!」

 

「ありがとう!」

 

『お邪魔します!』

 

 

出てきたのは20代と思われる若い女性。俺たちの事情を聞いた女性は、俺たちを中へ入れて貰い。すぐさま空いている部屋のベッドにベルを寝かせ、女性は何か水と包帯を持ってくると一旦部屋を出た。ひとまずこれでベルの容体はなんとかなるだろう

 

 

「これでしばらくはベルをなんとか休めることができる」

 

「よかった・・・」

 

『よかったですね。ヘスティア様』

 

「うん・・・・ごめんねジーク君。僕のせいで」

 

 

「まったくだ。今回ばかりは俺の主神だろうと説教させて貰う。あれほど警戒しろと、外壁の外には出るなと言ったばかりだと言うのに。君が優しいのはわかるが、だとしても状況と判断をしっかりしなくてはダメだ。一歩遅かったら取り返しの付かないことにもなるんだぞ。君はもう少し慎重に行動することを考えるんだ。いいな?」

 

「うん。ごめんなさい」

 

「謝るなら、意識を取り戻したベルに言え。君が今無事なのは彼のおかげなんだ」

 

「うん」

 

 

今回ばかりは、団長として主神に注意した

 

おかげで俺たちはアレス・ファミリアの戦争に参加してしまった。恨みを買われる事態にもこれから起こるかもしれない。あれだけアレスと戦争をしないと決めた主神が、その戦争する羽目になる原因になるなど、どうでいいことをして自分の命を晒すと言う行為は本末転倒である

 

主神であろうと、今回ばかりは神に逆らってでも、今回の件は重く見て貰わねば困ると。今後このようなことが起きないように彼女には一度学んで貰う必要があった

 

でなければ、今みたいなベルが重傷するだけでは済まないからだ

 

 

「ヘスティアは罰として、そのままベルの看病をするんだ。俺は少しここ周辺を確認する。場所の位置を確認しなければオラリオに帰れない」

 

『主。私も行きます』

 

「ジーク。私も」

 

「お前はここに居ろ。万が一のために」

 

「っ!・・・・うん。わかった」

 

「よし、ウンディーネ行くぞ」

 

『はい』

 

 

そして俺とウンディーネでここがどこの場所なのか確認するために外へ出る。こんな場所は知らないため座標位置を確認する。それにあの後残っていたヴェルフ達が心配だと。ヴェルフの魔力を感知して、アレス・ファミリアがどうなったか、あの崖にウンディーネと共に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二時間後

 

 

「ヘスティアはこの先の村でベルを看病をしている」

 

「ベル様は怪我を!?」

 

「大丈夫なんですか!?」

 

「問題ない。俺がハイエリクサーで治した。今は安静に眠っている」

 

「よかったです。それなら」

 

「にしてもこの川に沿って行けばお前らの跡を追えると思ったが、無事に合流できてよかったぜ」

 

「俺には感知がある。問題ないさ。だが・・・・・アレス・ファミリアはどうした?アスフィ」

 

「ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアの援軍が来てくれて、なんとか主神を捕らえて貰いました。それで私たちは帰るわけもいかずに、アレス・ファミリアはブレイバー達が連れて帰って貰い、私たちはこの川岸を歩いていました」

 

「そうか、アレス達は捕まったか」

 

「と言うかアレス様だけを捕らえて、その他は投降しました」

 

「マリウスの良い判断だな」

 

 

俺たちが流され着いた川岸で偶然ヴェルフ達と合流できた。あの後フィン達ロキ・ファミリアとオッタル達フレイヤ・ファミリアの増援でなんとか鎮圧はできたようだ。とは言ってもその増援の到着を確認したマリウスがもうカテまいと降伏したのだが、アレスだけは悪あがきして捕らえられたとフィン達が連れて帰ったとヴェルフとアスフィに聞いた

 

その後俺たちが流された川に沿って跡を追っていたようだが、流され着いた川岸に偶然ヴェルフ達と合流できた。どうやらここに来るまで洞窟を渡ってきたらしく、その洞窟を渡ればオラリオに帰れるとカリスとアクタに聞いた

 

となると、俺たちは大分流されたようだ。ここまで

 

 

それで今はベルが休んでいる村に戻っている

 

 

 

そして戻って、ベルが休んでいるログハウスに着くと

 

 

「あ!ジーク君!みんな!」

 

「ジークさん!みんな!」

 

「ヘスティア・ファミリアの方達と・・・ジークの精霊・・・」

 

 

「ベル。起きたか」

 

「ベル様!?」

 

「お怪我は!?」

 

「大丈夫。もう大分よくなったよ。村長さんの娘さんに包帯を貰ってなんとか」

 

 

戻り着いた時にはベルが意識を回復して目覚めていた。どうやらハイエリクサーの効き目がかなり効いたのか、もう意識を取り戻し、上半身に包帯を巻いてもらってなんとか起き上がるだけの体力は取り戻せたようだ

 

まあ、なんとかここに全員で合流できたのだが

 

 

「ヘスティア様!!今回の件!どう言うことか説明してくれるんですよね!?あなたのせいでリリ達はアレス・ファミリアと戦争することになったんですからね!」

 

 

「うん、本当にごめん!僕が馬鹿なことをしなければベル君だってこんなことにはならなかった。本当にごめん!!!」

 

 

「リリルカ。説教は俺がしたからもういい。それに彼女だって今回自分のミスで重く受け止めている。それだけわかっていればもう今後迷惑をかけまいと自覚をするから。お前が説教する必要はない」

 

「それでしたら・・・・いいのですが」

 

 

今回でヘスティアも神だからと言って無防備に変な行動はしないと約束した。まあ彼女の親切心で始まった事とは言え、彼女がそれほど優しいからこその行動だと言う事は、俺も理解していた

 

でも、だからと言って敵に捕まるのはお話にならないと。今後はあまり目立つ行動を控えて貰うことにした

 

すると

 

 

「おお、ベルさんは目覚めになりましたか?」

 

「あ、カームさん」

 

 

「っ!カーム!?」

 

 

「あ、ジークさん。この人がここの村の村長です」

 

「ジーク?おお!もしかしてあの雷帝のジーク・フリードですか!」

 

「え!?あの大英雄の!?」

 

 

「あ、ああ・・・・・まさかな」

 

 

突然後ろの正面ドアから、先ほど中に入れてくれた女性と杖を持った老人が出てきた。だがベルはこの老人を『カーム』と呼んだ

 

俺はその『カーム』と言う名前を聞いたことがある

 

てことは、この村はもしやアレではないのかと。オラリオ外を旅してきていた俺でも知っている単語が次々に思い浮かぶ。老人は俺を雷帝だと知り、俺から団長として挨拶と感謝する

 

 

「カーム村長。今は雷帝と呼ばれる二つ名を持ったジーク・フリードだ。今回仲間を休ませて貰い。感謝する」

 

「いやいや。困っていることがあれば人助けするのみです。それも神様の頼みであれば、私はカーム。こちらは娘のリナです」

 

「初めまして、自己紹介が遅れました。私はリナと言います。お会いできて光栄です雷帝様!あなたの英雄譚はこちらにも届いていますよ」

 

「そうか。ではカーム村長。俺から質問がある。よろしいだろうか?」

 

「なんですか?」

 

 

 

 

 

「あんたは・・・ひょっとして、『ブリギッド・ファミリア』のカーム・ブレスか?」

 

 

 

「「「「「「え!?」」」」」

 

「な!?なぜその名を!?」

 

「お父さんのファミリアを・・・なぜ雷帝様が!?」

 

「ブリギッドだって!?・・・じゃあこの村長君はブリギッドの眷属!?」

 

「やはり・・・・・ここは『エダスの村』だったか」

 

 

カームと言う名前を聞いて、俺はこの老人がブリキッド・ファミリアの眷属だと。俺の故郷の情報網で聞いたことがある。

 

ブリギッド・ファミリア

 

この村長を務める高齢のヒューマンの男性。カーム・ブレスが唯一一人しか居ない眷属のファミリアだが、親を失った孤児や捨て子を種族を問わず、養子にしているエダスの村を拠点として道中に現れるモンスターを倒しながら活動するファミリアだと、聞いたことがあった

 

まさかそれが今目の前に居るとはな。数十年前に解散したと聞いたのに、実在していたとは

 

 

「聞いたことがあります。小さな村で、野生に出てくるモンスターをたった一人の眷属がファミリアを立ち上げて村を守っていたと言うのを。オラリオの経歴で」

 

「まさかそのファミリアの眷属が今も実在していたとはな・・・・」

 

「私たちユリオス王国でも聞いたことはあるが、なぜアキレウスは知っている?」

 

「俺の故郷もブリギッド・ファミリアの噂を情報網であったからな、だから俺も知っている。だが・・・・・・数十年前に解散したと聞いたが・・・・」

 

 

「はい・・・・私の主神は、旅の道中モンスターに襲われた際に私を助けるため、私を崖へと突き飛ばして彼女はモンスターの爪に掛かって、天界に強制送還されてしまいました」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「なるほど、道理でこの村に、ヘスティア以外の神力が感じないわけだ」

 

「そんな・・・ブリキッドが・・・・」

 

「ん?ヘスティアは知っているのか?」

 

「うん。天界では僕の友人だったんだよ。金髪で赤い瞳の女神。出会う人全てに分け隔てなく接して優しい性格として振る舞っていたんだ。遊んだり喧嘩したりとね。そのブリギッドがまさかね・・・・・・」

 

 

ヘスティアもブリキッドとは友人のようだ

 

その友人が数十年前に眷属を守るために身を庇って強制送還をされたと聞いた瞬間、悲しい顔をして、友人がもう天界に戻されていたことを聞いて驚いていた

 

気になってとは聞いてしまったとは言え、もうそれについては聞くにしては辛くなると、肝心な話へと変える

 

 

「これ以上は聞くのはやめよう。あんたのファミリアのことはわかった。質問してすまない。辛くなるからもう言わなくていい。カーム村長。まだベルの容体が安定してない。まだしばらくは人数も増えてしまったがここで休ませて貰えないだろうか?」

 

「ええ、もちろん構いませんが・・・・あの・・・このトカゲのような者は?」

 

「ああ。あんたは初めて見るんだな?俺の仲間で精霊サラマンダーだ」

 

『どうぞお見知り置きを』

 

「っ!?これがあのサラマンダー!?」

 

「あのサラマンダーウールを作る火の精霊がこんなトカゲの姿をしているだなんて!?・・・・」

 

「外に居るのもそうだが、決してモンスターではなく、精霊だと認識してくれ」

 

「わかりました。まだ部屋もいくつかありますので、皆さんご自由にお使いください」

 

「感謝する。お礼は明日俺たちで何か村で手伝いをしよう。お前達もいいな?」

 

「「「「「はい(おう)」」」」」

 

「ありがとうございます。ではジーク殿。ごゆっくりとお休みくださいませ」

 

「ああ。感謝する。アスフィ達もそれでいいな?」

 

「ええ、構いません」

 

「ここまで来てしまったしな」

 

「戻るにしても難しいな」

 

「・・・・・・・・」

 

「ん?ヘスティアに何か?カーム村長?」

 

「あ!?いえ・・・それではゆっくりと」

 

「女性の皆さんはお風呂でもどうぞ!今沸かした所ですよ!」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

「・・・・・・」

 

 

とにかく、カーム村長と話が着いて、ベルの体が丈夫になった次第まではここで休ませて貰うことにした

 

なにやらヘスティアの方をジーとカーム村長は見ていたが、まさかそのブリオッシュに似ていたのかとジーと見ていた。

 

だが俺も気になる。奴が弱った魔力に不自然なことに

 

 

「とにかく今は休もう。アスフィとグリフォンに空を飛んでアフロディーテとアルテミスに無事の通達をしたいのだが、雨が酷いから明日でいいだろう」

 

 

今は雨が強いため、グリフォンを今からオラリオに戻らせるにも危険があるため、流石に明日にしようと、今日はゆっくり休むことにした。明日は全員で今日泊まらせてくれたお礼として手伝う約束を村長とした

 

のだが

 

俺はその村長であるカーム・ブレスの魔力を感知して、体に異変があることに気づき、俺は早めに忠告した方がいいと、頭に入れておく

 

おそらく本人はわかっていると思うが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

「では作業を始める。ヴェルフと椿とサラマンダーとノームは作業に使う道具の制作と磨きを、フィルヴィスとヘクトルで飾り付けの手伝い。命と春姫とカリスとアクタは祭りに出す料理の手伝い。アスフィとグリフォンは無事だと伝えに一度オラリオに戻っている。アイズとグラニは子供達の相手を、リリルカとウンディーネは畑から野菜の採取を頼む。ヘスティアは引き続きベルの看病を。俺は森に行って木を斬ってこっちに集める。以上!全員作業を開始!」

 

「「「「「「はい!(おう!)(了解した)(ああ)」」」」」」

 

 

俺たちは朝飯を終えた後に、作業を開始していた

 

しばらく明日まで、俺たちはエダスの村の手伝いをした。俺たちの仲間であるベルを助けてくれたお礼として、豊穣を祈る村の祭りをするようだ

 

ではその手伝いをするべきだと、俺は仲間達に指示を出してそれぞれ作業をさせる。周囲に珍しくモンスターの気配はないと、俺は不用意ながらリリ達に武器は持つ必要はないと、警戒する必要なく作業をして問題ないと告げる。無論オラリオ外でもモンスター出現する。のだが、『なぜかここにはモンスターの気配は感じない』。理由は・・・・・俺が感じる限りでは間違いなく、

 

この村にそれぞれにある強力な力が原因。だろうと思う

 

とにかく皆それぞれの手伝いに入る。鍛冶ができるヴェルフ達には道具の手入れと制作、フィルヴィスとヘクトルには今夜の祭りの飾り手伝い、命達はその祭りの料理の手伝い、リリルカ達はその食材調達。アイズはグラニと共に子供達と遊んでいる。精霊など珍しいと子供達がはしゃいでいるため相手が必要だと二人に頼む。その間にアスフィはグリフォンの背に乗ってオラリオに一度戻って報告しに空へ飛んだ。ヘスティアはベルは動けるようになったとは言え、まだ怪我が安定してないため無理をさせないように看病を続ける

 

俺は大きな焚火に必要な木材を調達する

 

 

「まさかあの英雄様が俺たちの村に来るなんてな!」

 

「あんたが来てくれて助かるぜ。おかげで木材もすぐに調達できるよ」

 

「あのベヒーモスを倒した英雄が、今目の前に居るなんてよ!」

 

 

「俺の仲間を匿ってくれたんだ。当然のお礼だ。迷い込んだとは言え。見ず知らずの俺たちを助けてくれたことを感謝する」

 

 

「いや、いいって、そんなことは当たり前なんだから」

 

「この村は数十年前はモンスターの出現ばかりで大変でな。助け合わなきゃ生きていけなかったんだ。当時は」

 

「それを村長殿のファミリアが特に助けてくれてな。村長さんはこの村の出身じゃねえのに、今は・・・解散したんだけど」

 

「仕方ねえさ。村長様を守るためにブリギッド様が庇ったんだ」

 

「ああ、天でも元気にしているかな・・・・ブリギッド様」

 

 

「その話は村長から聞いている。その主神は誰よりもあのカーム村長を想っての行動に違いない。立派だと思うぞ」

 

 

「英雄様に言われると安心するな」

 

「ああ、きっとブリギッド様もあの人を今でも愛しているはずだ」

 

「そうだ。なあ英雄様。あとで悪いんだけど・・・・俺の子供達が英雄様の話を・・・あの『雷帝英雄譚』の出来事をしてくれって聞かないんだ。頼んでもいいか?」

 

 

「お安い御用だ。ただ・・・・この作業が終わったらな」

 

 

「おお!助かります!」

 

 

木を斬っていると、村の者達が昔はとてもモンスターに悩まされていたと話してくれた。でも当時は旅でこの村に訪れたブリキッド・ファミリアに助けてくれたと言った。その時から誰であろうと助け合いをしなければ生きられない貧しさがあったのか、今でも村中で結束をしなければ生きられないと考え、俺たちが外からやってきたならず者でも助けると

 

とても優しく。親切で暖かい者たちが暮らす村だと理解した

 

 

 

 

だが

 

じゃあ今ではどうしているかだ

 

昔はモンスターに悩まされていた。ブリギッド・ファミリアも解散した。では今ではどうしているのか?ここに来た時には冒険者と思われる魔力があの村長以外誰も感じない。誰も神の恩恵を受けていない。村長殿の言う通り親を亡くした子供か、居場所を無くした難民になりかけた者達ばかりの村。

 

そんな戦い者達が居ない村で、モンスターに出てしまうとどうしているのかと。俺は共に作業した村の男性に聞いた

 

そしたらなぜか『付いて来てくれ』と言われ、休憩途中で森を抜けて移動をする

 

 

「英雄様に見て貰いたい物があるんだ」

 

「見て貰いたい物?」

 

 

村の者から俺に見て貰いたい物があると言われ、その方まで俺は村の者と歩く。今歩いているのは村の道中だ。そんな場所までどこへ行くのか

 

すると

 

 

ズキン!!

 

 

「っ!これは・・・」

 

「ん?どうかしましたか英雄様?」

 

「いや・・・なんでもない」

 

 

その時、俺は心臓に痛むような感じがする。なぜか体から電流が流れるような力を感じた。これは間違いなく。俺がこの村に導かれた力の本体。その力が今近くに感じる

 

まるで惹かれるように

 

 

「あった。これですよ!」

 

「っ!?これは!?」

 

 

それは俺が最も繋がりがあり、俺が最も『目にするはずのない物』だった。その力は完全に俺に『共鳴している』。なぜこんな物がここにあるのかなどわからない。村の者が俺に案内して見せてくれたのは俺が驚愕する物であり、俺をここへと導いた本体

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『隻眼の黒竜の鱗』だった

 

 

これが俺をここへ導いた正体。そしてこの鱗が周囲にも置かれている。どうやら銅像のように飾られて拝んでいるようで。その鱗から大きな力を感じる。これがモンスターを引きつけないのだと理解した。この鱗が目の前にあるせいで、俺の体にも『敏感に反応』する

 

 

「まさか・・・黒竜の鱗か。昔オラリオに追いはられた奴が北に去る前にここへ鱗をいくつか落として行ったようだな」

 

「ええ、その通りです。ちょうど十個かな。大きいのも小さいのもありますけど。村の各地に置いているんです。そうすることでモンスターが引き付けないのか。この鱗のおかげでそれ以来モンスターがこの村付近で出現しないんですよ」

 

「鱗でもその黒竜の力を発する。だから奴の能力である恐怖を解き放つおかげで、その帯びた力がこの鱗からも吐き出していることで、異様な気配を察知してモンスターが近づかないんだ」

 

「おお、そうなんですか・・・・・英雄様やけに詳しいですね?黒竜様のことを?」

 

「ん?あ、ああ・・・・・」

 

 

だからモンスターが近づかない。黒竜の鱗で

 

恐怖を解き放つ奴の覇気は、鱗からでもそれを発揮する。モンスターはこの気配に気づき。とてつもない大きな脅威に察するのか、モンスターは恐怖でこの村に近づくことはできない。ファミリアが解散後、今までこの村を守って来たのは間違いなくこの鱗の力のおかげだろう

 

でも村の者からすれば、助けられているとは言えモンスターを祀るなんておかしいとは自覚しているらしい

 

なにせ『世界三大クエスト』と言う。世界が望んで果たすべく最後の依頼であり、世界を滅ぼすかもしれない『ある英雄譚』に出てくる黒竜でもある

 

その世界の敵でもある者を祀るなど。馬鹿げているとは思うが、助けられていることには変わりないと。この村では祀っているようだ

 

 

「俺たちが平和に暮らしているのはこれのおかげなんです。でも黒竜様が討伐されたら、俺たちはどうなるんだろうな」

 

「それは関係ない。剥ぎ落とされたこの鱗は本体の繋がりはなく、この鱗が発している力であり、本体が倒されていても。この鱗から発する『恐怖の気力』は、この鱗が消えない限り永遠に機能する」

 

「そうですか・・・・・やっぱり詳しいですね。随分と」

 

「まあな・・・・」

 

 

本体と鱗は関係ない。奴の力だったとしても、体の一部も奴の力であり、それを使う事も可能である。ドロップアイテムというのはそういうものだ。常にその部位はその本体の力が入っている。だから本体が倒されていても、この鱗の力は消えない。これが武器などに使われない限りは

 

すると

 

 

「っ!アイズ・・・・・・」

 

 

道の先にも奴の鱗が置かれているのだが。その道先を見ていると。子供達と遊んでいるはずのアイズとグラニがその鱗を前に立っていた

 

アイズがその鱗を見て睨んでいる。あんな顔はベルさえも見たことはないだろう。少なくとも俺とフィン達以外は

 

だから言う

 

 

「そんなに睨んでいると。『らしくない』とアルバートとアリアが言うぞ?」

 

「っ!?え?ジーク・・・・」

 

『主・・・・お疲れ様です。休憩ですか?』

 

「ああ。隻眼の黒竜は英雄譚で載せられているが、アルバートは立派な『オラリオの冒険者』だった。そして『風の大精霊シルフ』と呼んでアリア。その間に生まれるお前からすれば。両親の仇として当然だが。そんなに睨んでもなにもならないぞ?」

 

「なんで・・・・親が黒竜に殺されたのは私が二年前に話したから知っているけど、でもなんで私の両親を知っているの?」

 

「フィン達が隠しているようだが、別のところから俺はお前の両親を知っている」

 

『アイズさん。主様の父は、貴方のお父さんのお知り合いなのです』

 

「お父さんと知り合い!?ジークのお父さんが!?」

 

「ああ。だから俺も精霊の間に生まれたお前を知っている」

 

 

アイズの両親は伝説の英雄達

 

にして伝説のファミリア。なぜ俺が知っているのかと言うと、俺の父とアイズの父は知り合いであり、お互いのファミリアに面責があるのだ。だから故郷でその二人に子供を産んでいると言う情報はあり、人間と風の精霊との間に生まれた子供だと。精霊の間にも生まれないはずの子供だと。俺も知っているからだ。そういう意味では俺と同じだ

 

もちろんその両親が、アイズの目の前で食われたことも知っている

 

 

「憎いか?隻眼の黒竜は?片目を斬り落とすためにアルバートが必死でオラリオから追い払った奴を。憎いか?」

 

 

「うん。絶対に私の手で倒す・・・・・」

 

 

「そうか・・・・だそうだグラニ」

 

『そうですか、それはとても・・・・・・残念です』

 

 

「え?今・・・・なんて?」

 

 

「アイズ。これだけは言っておく」

 

 

俺とグラニは、アイズが必ず隻眼の黒竜を倒すと言った途端。理解したのと同時に、決定的な破局になるとわかり。俺は改めてアイズに言う

 

それは

 

 

 

 

 

 

「俺とお前は絶対に『分かり合えない』。俺の秘密を知り、敵になろう者なら、その時は・・・・・・・・・お前を殺す」

 

「え!?なにを言っているの!?ていうか・・・・・その眼!?」

 

 

俺はアイズを睨んだ。『竜の眼』で

 

俺は今左手で隣にある鱗に手を触れて力をよりコントロールできるようになっている。やはり俺と連動できるようになっているようだ。おかげで『奴の力を上手く扱う』ことができる。もはやグラニ達の力でも抑えられないだろう

 

近い内に俺とアイズは争うと理解し、その時俺の敵であるなら斬り捨てると

 

彼女が相手でもなんの容赦なしに追い込むと宣言した

 

 

「お前の願いは叶わない。そしていずれ俺を憎む時が近い内に来ると見込んでいる。その時はオラリオを戦場にしてでも俺はお前らが敵になるなら、お前だけでなくフィン達をも殺す。言うならヘスティア・ファミリアとロキ・ファミリアが殺し合う。以上だ。それだけだ。ではな」

 

「待って!ジーク!?なんであなたがその眼を!?なんであなたが・・・・・その闇を!?」

 

 

そう俺を行き止めようとするが、俺は聞かずに自分の作業に戻る。それ以上のことは言わなかった。黒竜の鱗に触れたことでより俺はあの力をコントロールできるようになった。いずれ殺し合う日は近い。その時ヘスティア達は受け入れるか、ロキ達は敵となるか、俺の秘密を全て知った時どうなるだろうか。俺は少なからず争うと認識している

 

本当に俺とアイズは分かり合えない。ヘスティアのファミリアに入った時から、俺はあまり彼女のことを味方としても友人としても認識していない。言うなら俺はアイズに殺される対象である

 

 

だからもう世界三大クエストは果たされない

 

 

「あいつがこの世界に『居るか』もわからないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業が終わって夕方のこと。俺はアイズにそれから何も言わなかった。今でも何度か彼女にあのことを聞かれる。それでも答えない。グラニにその話をさせないように距離を離させているなどをして一切話さない

 

それに俺はベルの方が心配だと。彼が眠っている部屋に向かう

 

そしてそこに入ると

 

 

「ベル。傷の方は・・・・・ん?カーム村長か」

 

「あ。ジークさん」

 

「おや英雄様。ベルさんならもう安定していますよ」

 

 

「そうか、ならいいのだが」

 

 

ベルが眠っている部屋に入ったのだが、そこでヘスティアが看病しているのかと思ったが。カームがなぜかベルの看病をしていた。ヘスティアは夕食を取りに行ったのか、部屋には居なかった。見る限りさっきまで何か話していたようだ

 

 

「カームと何か楽しい話でもしていたか?ベル?」

 

「あ、いえ・・・・・・どうしても神と居られる時間が尊いことを聞きたくて。カーム村長はそれがあったようで」

 

「ほう・・・・・それは。だが・・・・守れなかったと聞いた。あんたも悲しい別れをしたんだな。神に」

 

「はい・・・・・私はブリギッド様を守れなかった。愛しているのに」

 

 

「その気持ちはよくわかる。俺も同じだ。俺は母である雷神トールを亡くした。俺の愛する母だった」

 

 

「っ!あの英雄譚は本当だったのか!?英雄様が人と女神の間に生まれた奇跡の子供だと」

 

「ああ。それ以外でも俺の兄でもある神も、俺を庇って天に還った。だから俺もあんたの気持ちはわかる。神と人では差がありすぎるが、それでも愛は確かにあったのだ」

 

 

カームの気持ちは俺にはわかる

 

俺もカームも同じだ。神に愛され愛し合った者同士。それが守れなかったと思うと自分が情けなく、自分の命をも否定したくなる程に、この辛さは今のベルもわからないだろう。愛し合った髪を失うと言うのは悲劇にも、絶望にも等しい苦しみだ

 

カームはベルが神と愛を誓うのが怪しいと思う彼を教えている。

 

決して間違いないではないと。神でも人と同じであると。人に恋をし。愛し合い想う。神など人と同じと俺も扱い。カームも扱うと。神は寿命が長くとも人を想うのだと

 

 

「英雄様も神と愛し合った者ですね」

 

「とは言っても俺の場合は母と兄だがな。神は俺にとっては複雑で憎むべく存在でもあるのだが、俺も愛してくれたあの二人は守れないまま終わってしまったが、それでも二人の意志を無駄にしないと今でも俺は生きる」

 

「そうですか・・・・とても強い方ですね。羨ましいです」

 

「あんただってブリキッドのために今でも生きているだろう。彼女がどうしてそこまでしてまでお前を生き残らせたのか、それは常にあんたを愛していたからではないのか?」

 

「っ!」

 

「ベルもそうだ。ヘスティアだって想いがあって昨日の朝のようなことを言ったんだぞ?お前もしっかり答えたらどうだ。ヘスティア達神は永遠ではあるからこそ、寿命の短い俺たちと今を大事に生きている。ブリキッドだってカーム村長の命が短いと分かっていて、それでも愛しく、自分の身を削ってでも守ろうとした。神から受ける愛を無駄にするべきではないと思うぞ?」

 

「神様が・・・・・」

 

「ブリギッド様が・・・・」

 

 

神だって我々人間の愚かさも尊さも理解している。だからこそ今を大事にしているのだ。自分たちは永遠でも、俺たちは永遠ではない。こんな短い大事な時間をヘスティアは大事にしている。

 

だからカームも、今の時間を大事にしなくてはならないのだ。その理由は

 

 

「カーム。あんたの体から脈の動きが遅く感じる。あんた・・・・もう寿命が短いんだな?」

 

「え!?」

 

 

「ええ。英雄様には分かっていましたか、あともう少しで私が老死することに」

 

 

「ああ、弱った魔力を感じる限りではそうだろうと思っていた」

 

 

俺は昨日会った時から思っていた。カーム・ブレスの魔力の弱さを感じて、それが明らかに寿命に繋がっていて、命の鼓動が徐々に弱まっていることに気づき、体の枯れ差を見て、明らかにもう寿命が短いのだと理解した

 

 

「私はもう十分生きました。あのブリギッド様のためにこの残りの命を全て捧げてきました」

 

「リナと言う娘が居ただろう?あれはお前と別女性に生まれた女か?」

 

「いいえ、私は誰とも結婚もせずに、あの子は私の養子として引き取り、次期村長として私の跡を継ぐ予定です」

 

「そうか・・・・」

 

「ジークさん。カーム村長の命はあとどれくらいかわかりますか?」

 

「おそらく・・・・・・もう長くはない。今日か、明日くらいだろう」

 

「そ、そんな・・・・・」

 

「心臓がかなり弱まっている。あんたはもう少しで天に逝くだろう」

 

「ええ。覚悟の上です。もう私は残すべきものは残しました。私が行ってもどうか・・・・・この村が平和であり、娘が幸せに生きていることを信じています」

 

 

「あんたの覚悟はしっかりと受け止めた。でもどうか・・・・今日の祭りまでは生きていてくれ」

 

「はい、そのつもりです」

 

「祭り?」

 

 

「リナから聞いたのだが、今夜豊穣を祀るお祭りをするそうだ。ベルももう動けるだろう。お前もこの祭りに参加するといい」

 

 

カーム・ブレスが長くないのは百も承知だろう。もう人間として長く生きた。もうその寿命を終えてもおかしくはない。だが終わる前に最後くらいは楽しい時間を味わってから天に逝くべきだと。俺はそれまでには生きろと言う

 

豊穣の女神でもあった。作物の女神でもあったブリキッドを祀る。エダスの村の祭りに

 

のだが

 

 

「ジーク君大変だ!!!」

 

「ん?どうしたヘスティア?何かあったのか?」

 

 

カームのホームを出ようとした瞬間、ヘスティアが突然の俺の目の前で現れ、何やら焦っているようで、何かまた緊急な事故でも起こったのかもしれないと、俺はヘスティアから内容を聞いてみる

 

 

「それがその・・・・・」

 

 

「「「ジーク!!無事!!」」」

 

 

「アフロディーテ・・・・アルテミス・・・・ペルセフォネ?なぜお前たちがここに?」

 

 

ヘスティアが内容を言う前に、ホームの玄関からアルテミスとアフロディーテとペルセフォネが大きな扉を開けて、俺の胸に飛び込んで抱きつかれた

 

ヘスティアが言いたい内容を察した。この二人のことだと。てっきりアレス・ファミリアがここに来たのかと思ったが、どうやらそうではなく、遠く離れたオラリオからここまで来たようだ。

 

なぜ彼女たち二人がここに来れたのかは。言わなくてもわかった。玄関の扉が開いたままその先にある外を見ると、疲れ果てたアスフィとグリフォンが居た。二人が無理矢理グリフォンの背中に乗ってここまで来たのだと、すぐに理解した。グリフォンは最低三人までしか背中に乗れないと言うのに、グリフォンを疲れさせるとは、まったく困った者たちだと思った

 

 

「ジーク!心配したぞ!あのまま帰ってこないまま、君がもう帰ってこないと思うと」

 

「アレスに何かされなかった?何かされたのなら私がなんとかするわよ!」

 

「ジーク大丈夫!?怪我はない?」

 

 

「落ち着け、俺たちは無事だとアスフィに伝えたはずだ。そうまでして俺の側から離れられないのか?」

 

 

「「「当たり前よ(だ)!!!」」」

 

 

「そうか・・・わかったから。大きな声を出さないでくれ。ここはこの村の村長のホームだ。ここまで来たのなら少し手伝ってくれないか?今夜はここで祭りをするようだ」

 

 

ここまで来た以上は仕方ないと。無事だとわかっていても、彼女たちは俺の側を離れられないようだ。でもここに来たのなら手伝って貰おうと、彼女たちの力を借りる。もちろん料理の方で、ブリキッドの村であることは後でヘスティアに説明させるとして、もうこの場は流れるように動くのみだと

 

アルテミスやアフロディーテやペルセフォネもここで泊まりとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜

 

大きな焚火の周りで、村中の者たちが酒なり豪華な食事などを用意して集まっていた。俺たちもその集まりに集う。賑やかな声が響く中、俺は帰ってきたアスフィとグリフォンの報告を聞く

 

 

「アフロディーテとアルテミスとペルセフォネをここまで連れて来させてすまなかったな」

 

「ええ、かなり、罵倒されるくらい無事かどうか質問責めにされました。もちろん無事だと伝えましたが、聞いてくれずグリフォンの背中に無理に乗ってきました」

 

『ええ、私でも流石に四人は疲れました』

 

「そうか、今日はゆっくり休め、明日の朝には帰る。ベルも安静したしな」

 

「そうですか・・・・・・それでこれがお祭りですか?」

 

 

「ああ。豊穣を祀るお祭りだそうだ」

 

 

アスフィから報告を聞いたのだが、アフロディーテとアルテミスとペルセフォネを無理に運んできたことに二人は疲れ、祭りで少しは休むことはできると、今はこの目の前の宴を楽しむ。それで今は朝から準備していたお祭りを開催している

 

昨日は雨で中止になりそうだったのだが、今日は朝から晴天なため、祭りが中止にならずには済んだ

 

そして今はそれぞれ祭りを楽しんでいる。ご馳走を食べる者。酒を楽しく飲む者達と、中央を囲んで男女で踊る者達と。村の祭りらしいことをしていた

 

すると

 

 

『主様。よろしいでしょうか?』

 

「うん、どうしたウンディーネ?」

 

『私とどうか踊っては貰えないでしょうか?』

 

「別に構わんが、『豊穣の踊り』として俺から誘うべきなのだろうが、お前と恋人として成立したら俺は真っ先にお前に殺されるからな。お前がそういうつもりではない誘いなら別に断る理由はない」

 

『私はそれでも主様を想います、貴方が小さい頃から、『サーナ』に負けないくらい想っていますよ?』

 

「やれやれ、俺も精霊に恋をされるとはな。それとあまりサーナの事をあまり出さないでくれ。あの『蛇幼馴染』にまた嫉妬を持たれる」

 

『故郷では貴方のことを、忘れきれないくらい貴方の事ばかり、話をするのですよ?』

 

「だろうな。あいつのことだからそうだろうと思った」

 

 

豊穣の祭り

 

この村の仕来りと催しと言うわけではないのだが、この祭りではそう言う踊りをし、結婚してない男性からの誘いは告白と表現し、女性はその誘いを受けると恋人を成立する。そういう意味がなくても踊るのだが、ウンディーネは少しでも俺と過ごしたいと踊ってくれと頼まれ、俺は答える

 

その踊りの途中で、俺はウンディーネに何かに気づいたのか質問をしてくる

 

 

『主。踊りながらでいいでしょうか?』

 

「なんだ?」

 

『あの・・・・アイズ・ヴァレンシュタインと言う女の子なんですが・・・』

 

 

「ああ、あいつはアリアの娘だ」

 


『っ!?やはり・・・・あの子はアリアの子供でしたか、道理で風の力をアリア同様に感じると思っていましたが、やはりアリアは子供を産んでいたのですね』

 

「水の精霊であるお前からすれば。アリアは羨ましいだろう?」

 

『ええ、私もそれが望みです』

 

 

ウンディーネはアイズがアリアの子供だと薄々気づいていた。

 

水の精霊ウンディーネと風の精霊アリアはとても共通点のある精霊である。それは唯一子供が産める精霊である。この二人の四大精霊は他の精霊より特別で子孫を残せる人間同様の体をしている。ウンディーネは水色の髪をした人間の姿、アリアは金髪の髪をした人間と変わらない姿と。どちらも人間の世界を生きれる精霊である。でもアリアは自由に恋ができるのだが、ウンディーネは恋と結婚には条件がある。それは

 

もし相手が浮気をしたら殺さなければならない。水のそばで夫に罵倒されると見ずに帰ってしまう。水に帰ったウンディーネは体を失うなど

 

彼女には条件がある

 

 

俺はウンディーネとは幼い頃から育ててくれた姉でもある。だから俺のことを弟と想っている。徐々に俺が成長したことで、やがて弟ではなく一人の男性として俺に恋をしているのだが、自分の禁忌の条件がある限り自由がないと。アリアのように不便な決まり事があるため自由な恋愛ができない。故郷でも俺に恋をする者や婚約者にして欲しい女性は大半居た。それではいつか浮気に近い形になるのではないかと、精霊の王になった主を殺さないために、ウンディーネは自分の掟に従って、主を殺さないように自分の恋愛を押し殺していた。だからそんなルールも無い自由な恋愛できるアリアが羨ましいと、ウンディーネは思っている

 

 

『ですが、彼女は・・・・・』

 

「ああ。『奴』にやられた。夫も含めファミリアもろともな」

 

『話に聞いていた通りなのですが、やはり彼女はこの地で・・・・・・てことは主様は言うなら・・・・』

 

「ああ。『そういうこと』になる」

 

『そうですか・・・彼女が・・・』

 

「娘を守って本望なはずだ。その夫もな」

 

 

ウンディーネもアリアがどうなったかは知っている

 

俺の故郷に居て噂にしか聞いてないが、少なくとも彼女のファミリアは今も伝説であり、あまり詳しいことはギルドにも書かれていない。『なんで履歴に残ってない』のかは知らないが、彼女達には娘など居ないとか、アルバートには子供が居たとかで、たかが十五年前のことがギルドには履歴に残っておらず、もはや英雄譚として語り継がれている

 

真相は知っているとは言え。アイズはこれから重要な存在であり。ウンディーネも俺がある意味相反する存在だと分かっている

 

神と人の間生まれた俺と精霊と人の間に生まれたアイズ。これからどうなるのか、俺の正体を知ったら殺し合う。恐ろしい結末が待っているのではないのかと思っている

 

だからウンディーネは言う

 

 

『私はそれでも主様の味方ですからね?』

 

「やれやれ、お前は俺が幼い頃から弟と扱ってきたくせに、いつから俺を異性と見るようになったんだ?やはり水の精霊だけのことはあったか。大精霊だと言うのに」

 

 

ウンディーネは俺が幼い頃からフレイと共に俺を育ててくれた俺の姉でもある。面倒見の良い精霊なのだが、いつの日か俺が大人に成長を遂げると俺を異性として見るようになり、俺を弟とは扱わないようになってしまった。なんだかそう言うところだげは、蛇幼馴染のサーナに似ていると思っている

 

 

「ジーク!その精霊さんが終わったら、次は私だからね!」

 

「待てペルセフォネ!次は私だ!女神である私が先だ!」

 

「アルテミス。私も女神よ。だから私が先にさせて貰うわ」

 

「アフロディーテ!またお前は魅了を・・」

 

 

「順番に踊るから。喧嘩はするな」

 

 

「「「はい・・・・・」」」

 

 

ウンディーネと先に踊っているのを見て、ペルセフォネたちも次は自分と踊れと要求される。もちろんその通りにするから喧嘩はするなと。順番づつに俺はウンディーネの後に彼女たちとも踊った。アルテミスと踊るのは数ヶ月ぶりになる。

 

そして、俺はペルセフォネを踊り終えると、俺はグラスを持ってワインを飲んでいる。その間にヘスティアが俺の方へやってきた

 

 

「ジーク君も楽しんでいるんかい?アルテミスやアフロディーテも?」

 

「まあな」

 

「私はアフロディーテが居なければね」

 

「私もアルテミスが居なければね」

 

「おい」

 

「「う!?ごめんなさい!!」

 

「あははははは。相変わらずだね。この二人の喧嘩は・・・」

 

「まったく。ベルの様子は問題ないようだな?」

 

「うん。背中の傷は癒えたよ。それで聞きたいことがあるんだけど。いつまでこの村に?」

 

「明日の朝にはここを出る。ベルの背中も治ったことだしな」

 

「そうか、うん。分かった」

 

「予定としな」

 

「ねえジーク君?」

 

「なんだ?」

 

 

「この祭りは豊穣を祀る祝いだって聞いたけど。僕が出るよりもフレイに出て欲しかったね?」

 

「・・・・・・そうかもな。君は竈の女神だ。フレイは豊穣の男神だからこれには向いていると思うが、これはブリギッドの祭りでもあるんだ。野暮だと思ってあいつは出ないぞ」

 

「だよね・・・・だってフレイだもん」

 

「彼なら・・・・そうだろうな」

 

「優男でイケメンだからね。でもあの子は『これはブリキッドのお祭り』だからと言って、名乗り出ないと思うけどね」

 

「ああ。俺もそう思う」

 

 

これはブリキッドの祭りであることを、フレイは気を遣って出たりはしないだろう。豊穣を祀る祭りとは言え。あいつは気を遣って参加はしない。馬の空気を読むのは上手いからな。フレイがここに居てもそうしていた。まさかわざわざヘスティアがフレイの話題をするなんて、思ってもみなかった。あまりそう言うことは言わないのが彼女だと思ったのだがな

 

 

「なんでフレイの話をしたのかって言うとね。今日だけは君はフレイのことを考えているんじゃないかと思って」

 

「なぜそう思う?」

 

「実はその・・・・・この村の道中に『黒竜の鱗』があったんだよ。その時・・・・・ウンディーネ君がね」

 

「っ!?まさか俺の正体をウンディーネが話したのか!?」

 

「うん。君はゴッドシュテールングで神に嘘を付くことも隠しごともできる。だからウンディーネ君があの鱗を見ている時に教えてくれたんだ」

 

「・・・・・そうか」

 

「ごめんね。やっぱりジーク君には知られたくなかったよね?」

 

「確かに知られたくないが、いつの日か明かされる日が来る。だからウンディーネが俺の正体を明かしたことに恨みはない。いずれ秘密と言うのは明かされるものだ。だから主神に眷属としての秘密を知られるのは仲間意識として当然のことだ」

 

 

ウンディーネが道中で黒竜の鱗を見ているヘスティアに俺の正体を明かしたらしい

 

彼女は本当に俺を心配してのことだと理解しているから明かしたことを恨まない。別に彼女だって俺の身を案じてのこと。ウンディーネが俺の正体を話しても全然構わなかった。大事にされるよりはマシだ。

 

でもだ。

 

ヘスティアに言ったと言うことは・・・・・・もう抑えきれないことだろうか。もはや精霊の力でも俺の力は抑えきれないことだろう

 

 

「でも本当なの?」

 

「ああ。俺の故郷の者が全員見ている。そこに居るツクヨミもな。確かに全員見た」

 

「じゃあジーク・・・・・・君は『そういうこと』なのか?」

 

「どうなのジーク?」

 

「ああ。そういうことだ」

 

 

どこまでウンディーネが話したのか知らない。だがおそらく俺が『やった』所までは話してあるだろう。だからこそ本当かどうかを聞きたい。レアスキルで本当なのかもわからない。だから俺は訳も詳細も言わずにそうだと答えた

 

そこまで知っているなら、『俺がやらかした』部分まで行き届いているはずだと。俺は『本当に人間じゃない』と。ヘスティアやアフロディーテとアルテミスに認識されているはずだと思っていた

 

 

「英雄様!女神様!」

 

「っ!リナ・ブレスか?」

 

「どうかしたのかい?急いだりして?」

 

 

「父が!父さんが!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

「寿命が遂に尽きるか」

 

 

リナ・ブレスが、急いで俺たちの所へやってきた。用件はもうカーム・ブレスが倒れたと通達してきた。もう寿命が短いとは思っていたが、まだお祭りが終わってない最中で倒れたとなるんと。もう長くはないと理解し

 

俺は先に向かい、ヘスティア達はベル達を呼んでから向かうことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてカームの部屋に着いた先には、カーム・ブレスはベッドに横になっている

 

息もとても荒く、体がどんどん窶れている。脈の動きも遅い。もはや彼はもう立ち上がることすらできない。心臓の動きも遅い。もうここで今終わるのだろうと理解した

 

でもまだ意識があり、最後に娘と会話をして終わろうとしている

 

 

「ジーク君!」

 

「来たか、カーム。ヘスティアだ」

 

 

「うう・・・・・女神・・・様・・・」

 

 

「ヘスティア。手を取ってくれ」

 

「うん、カーム君。もう逝くんだね?」

 

「はい・・・・・私はもう十分ですから」

 

 

ヘスティアはカームの手を取った。自分の眷属ではなくても、親友の眷属として最後だけは見届けたいとヘスティアは最後に何か言うべき事があるようで、最後にカームに話をする

 

 

「カーム君。ブリキッドは下界で居る時はどうだったの?僕は天界では喧嘩ばっかで優しい女神でもあったけど。ここではどうだったの?」

 

「とても・・・・優しい人でした・・・・貧しい者・・・親を亡くして泣いている子供にも・・・誰でも優しく良き女神でした・・・・・ここもはじめは村とは言えない・・・・荒れた場所だったのですが・・・・彼女が私に力を貸してくれて・・・ここまで立派になれました」

 

「そうなんだ・・・・あのブリキッドが、君たち下界の子供にそんなことをしていたんだ。想像つかないよ。あの子は」

 

「それでも・・・・私を愛してくれました・・・・女神様・・・・私は天に行っても・・・・彼女に会えるでしょうか?」

 

「会えるよ。あの子は執念深いんだ。絶対に君に会いたがっているよ?」

 

「でも・・・怖いです・・・」

 

「どうして?」

 

 

 

「私は今でも・・・・自分が許せないんです・・・・私があの時・・・ブリギッド様を守れる強い男になれば・・・・・まだ彼女と一緒に入られたんです・・・・そんな彼女を守れなかった自分が・・・・会いに行くなど・・・・・どの面を下げていいか」

 

「お、お父さん!うう!・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

カームは自分を憎んだ

 

その時をしっかりと守れていれば、自分は今でもブリキッドと一緒に入られた。そんな事ができなかった自分を憎み、後悔し、恨み。どう顔を合わせたらいいのか、今死にそうになって最後だと言うのに、そんな惨めな言葉を出す

 

そんなカームに俺は

 

 

 

 

「ふざけた事を言うな。カーム・ブレス」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「ジーク君・・・・」

 

「英雄・・・様?」

 

 

俺は前に出て。ヘスティアの手を一度退けて、俺が代わりに掴む

 

家族でも合った、愛していた神を持つ者同士としても、俺は決してブリキッドがそんなことを思っているはずがないと。俺は断言して前へ出る

 

 

「いいか?よく聞け?カーム・ブレス。俺もお前と同じだ。俺も過去に守れなかった愛していた女神が居た。だが俺も不甲斐ないことに守れずに終わってしまった。それも二人もだ。俺のために戦死した・・・・・・・だがな。俺のその愛してくれた神は俺を守るために自身を犠牲にしてまで守った。それは間違いなく俺を想ってのことだ。お前のブリキッドも同じだ。お前を愛していたからお前を守り天に逝ってしまった。お前のために全て彼女が望んだことだ」

 

「ブリキッド様が・・・・私のために」

 

「そんなお前を老いていようが関係なく。お前を憎んでもいなければ自分を憎んでいるお前の姿など彼女は見たくないに決まっている。お前のために自身を犠牲にしてまで天に逝ったそいつは今でもお前に会いたいはずだ」

 

「私に会いたい・・・・」

 

「だから決して自分を憎むな!お前はここまで彼女のおかげで生き残れたんだ。最後の最後まで天に逝っても愛せ!!お前は誰を愛している!」

 

 

「私は・・・私は!!!ブリキッド様を愛しています!!!」

 

 

「そうだ。この村がここまで立派になれたのも、お前がブリキッドが居なくても前を向き続け、娘や村のために尽くしてくれた。ブリキッド・ファミリア唯一の眷属であり、お前はこの村と彼女だけの英雄だ!!!ここまでよく頑張り、この村のために尽くしたお前の精神の勇敢さと誇りに俺は思う!!!」

 

「ジーク君・・・・」

 

 

俺はカームの手を握り拳を作って、俺の胸に当てる

 

 

最後までカーム・ブレスは老いても彼女を想ったのだ

 

彼女が残したこの村をここまで大きくしたこの者の誇りに俺は勇敢と称え。最後まで彼女の信念を貫いた愛情に俺は彼女の眷属としての働きに誇りを感じて断言した

 

ここまでしか俺はしないと。再度ヘスティアに手を握らせる。その片方でヘスティアは紐で結んでいた髪を下ろして、神の力を少し使う

 

そうして告げる。彼女のようになって

 

 

「ありがとう。ここまで頑張ってくれて・・・」

 

「っ!?ブリキッド様!?」

 

 

カームはヘスティアの姿がブリキッドに見えた。そのままヘスティアは続けて告げる。最後の彼に

 

 

「今もこれからも・・・・・愛している。カーム」

 

 

「あ・・・あああ!!・・・ブリキッド様!・・・私も・・・俺も・・・これからも・・・いえ・・・永遠に・・・・あなたを愛しています!!!」

 

 

それだけを遺言に残して、カーム・ブレスは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を閉じて、眠った。二度と開けることなく

 

 

「ああ!!お父さん!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・心臓が止まった。カーム・ブレスは最後まで彼女を愛して逝った。明朝彼を棺桶に入れて墓に入れる。今日だけは、リナ・ブレス。父の元に居ろ。今日が最後だ」

 

 

そうして村の者たちに見届けながら彼は息を引き取った。

 

村の者たちは泣いたまま彼を見る。眷属でもない彼に会ったばかりのベル達も貰い泣きをして。これが人間の最後であり。最後まで女神を愛して信念を貫いた彼の誠の愛の証である。

 

 

彼の死に行く姿に、俺は切なさも悲しみもない

 

 

心から伝わる愛を最後まで言い放った。ブリキッドの夫と言う名の彼女に寄り添う姿であると、俺は誇りに思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜中。俺は仲間が眠っているのにも関わらず、外で一人で星が輝く夜空を見上げていた。彼も俺と同じだったことに驚くが、最後の最後まで神を愛した男の誠の姿。誇りに思うが、俺もあんな風になれるのかと、感情にまだ残っていた『悩み』があった

 

今でも俺は神が憎いが、おふくろとフレイのことを想って生きている。命を何度も蔑ろにしている俺に、あんな立派な最後ができるのだろうかと思っている

 

すると

 

 

「っ!ウンディーネか?」

 

『はい。私です』

 

「まだ戻ってなかったんだな?サラマンダー達はもう故郷に戻っただろう?」

 

『はい。残っているのは私です。戻る前に主様とお話がしたくて』

 

「そうか、それで・・・・話とは?」

 

 

 

『フレイ様は・・・・最後まで、貴方のことを想っていましたよ』

 

「そんなことか・・・・でなければ俺を庇ったりなどしないだろう」

 

『それもそうですね』

 

「ただ・・・・・・・・・また恋しくは思う。あいつが居ない今の世界でな。俺はあいつの事を思い出して恋しくて、また兄弟で馬鹿をしたかった」

 

『主様・・・・・』

 

「だが、もう居ない者にあれこれ言っても仕方がない。それにあいつが俺に託した願いを叶えるため、ここへ来たんだ。迷いなどあるものか。悩みはするがな」

 

 

カームを見ていると。『あの時の俺』だった。あの辛い日を思い出す。とは言ってもまだ半年しか経っていないが、それでもカオス・ヘルツでも消せない思いがある。だからこそ憎くもあれば、恨むこともある。

 

でも、無い者は無い

 

だからただ真っ直ぐと、逝った者達の意志を継いで、生きていくだけだとなんの迷いも無かった。フレイの気持ちは今でも俺の心に繋がっているからだ

 

 

『あの村長様は、神ブリキッド様に会えるのでしょうか?』

 

「いろんな説がある。そのまま天に行くか、それか魂が真っ白になって今まで生きていた記憶を無くして、別の命になって再びこの下界で生まれ変わるなど。一度死んだ者は様々な生き方がある」

 

『では・・・・会えるかは』

 

「難しいな。だがヘスティアがああ言っていたんだ。大丈夫だろう。ブリキッドもどんな命で生まれ変わっても愛するだろう」

 

『主様も・・・・そうなるのでしょうか』

 

「かもな。別の命で生まれ変わるなら・・・・・俺は人を愛せる男に生まれ変わりたい」

 

『主様・・・』

 

「不便なんだ。いろんな者たちに愛しているなんて言われるが、それが理解できなかったり、されるがまま流されて受け入れることができないと。俺が『どうしたい』のかすら極める事ができない。俺はおふくろやフレイは・・・・家族として愛しているが、誰を妻にすればいいのかなんて、俺の恋心は・・・・カオス・ヘルツに殺された」

 

 

英雄となった時からシルの告白を受けて今日まで

 

俺には誰の愛にも答えることができなかった。アルテミス、アフロディーテ、ペルセフォネ、エイナ、リヴェリア、そしてシルやウンディーネの愛を受け取ることができないまま、俺は一年後に答えるなんて嘘をついて回した。

 

愛するってなんだろうなど、根本的な問題で悩んでしまう。おふくろが生きていたら、親父とどんな気持ちで恋をしていたのか聞けたはずだった。一緒に居たいと言う女性も欲しいと言う欲もない

 

それに・・・・誰かと結婚しなくてはならないのだろうか、確かに俺の流れる『体の血は特別』だ。特別な一族で子孫を必ず残すようには爺さんに言われている。でも、俺には恋愛感情は消えて何も答えられない。まだ子供だからと冒険者をしているからとかで否定してしまう

 

 

俺は・・・・・・・愛なんてわからない

 

 

『わからなくてもいいです』

 

「っ!」

 

『無理に理解しなくてもいいですから、受け止めて欲しいんです。あのシルさんだって貴方の心が無感情になり掛けていることに気づいています。それでも彼女も私も、貴方に恋をする女性全て。貴方に私たちの愛を受け取って欲しいんです』

 

「愛し合いたいって思わないのか?俺にただ扱われているだけで、愛なんてものもない。お前だって俺に愛されたいと思わないのか?愛人として」

 

『思います。女性として私も愛人として愛されて欲しいとは思います。でも貴方はそれを強さを代償にして私たちを守っていると、異性としての愛を捨ててまで守ろうとしているのは、常に私たちを仲間や家族として守っているのだと、貴方は私たちを失うよりも恋を否定してでも私たちを守ろうとして強さを得たのだと。みんなわかっているんです』

 

「俺が答えることができなくても、いいと思うか?」

 

『その時はとても辛いでしょうけど、受け入れてくれると思います。貴方の心は私たちに無くても、私たちの心が貴方の心に届いているのなら、私たちは喜ぶ限りです』

 

「・・・・・・・・」

 

 

愛し合うことがベストなはずだった

 

でも、ウンディーネは俺の心に届いているなら構わないと言った。彼女は水の精霊だからなのか、彼女は結婚や恋愛は条件ばかりで成し遂げた事は一度もない。浮気や不倫などをされて夫を殺してしまった経験を得た彼女からすれば、自分の心に届いているなら構わないと言った。

 

本当にそれでいいのかと思う。だから俺は

 

 

彼女の手を取った

 

 

『あ、主様?』

 

 

「もはや俺はもう自信を犠牲にする事は許されない。でも俺は実行してしまうかもしれない。だから俺はお前の気持ちに応えるためにも、これからも生きてみせる。いつの日か必ず、お前の気持ちに答えてみせる、お前だけでなく、俺を愛してくれる者達も、だから・・・・・・どうか・・・俺が恋を覚える日まで待っていてくれ」

 

 

『っ!?・・・・・・はい。お待ちしております。主様。私はこれで失礼します』

 

 

「ああ」

 

 

俺は彼女の手を両手で握って誓う。祈るように

 

俺は約束した。俺は恋愛を必ず覚え、自分の気持ちに素直になってカオス・ヘルツに抗って見せると、こればかりは俺の感情に覚え、決して無くさないように俺はウンディーネに約束して、ウンディーネは下がる

 

 

すると。今度は

 

 

「ジーク。ここに居たのか?」

 

「あなたが村長さんの家に居ないから、またどこかに行ってしまったのか心配したわ」

 

 

「心配し過ぎだ。俺とて一人になりたい時がある」

 

 

ウンディーネが去った後に、今度はアルテミスとアフロディーテがホームに俺が居ないことに気づいてやってきたようだ。別にどこにも行ったりはしない上に、外出するならヘスティアたちに声を掛けている。俺とて一人になりたい時もあるのだ

 

特に、オラリオの外にしかない森の中でなら

 

 

「オラリオと違ってここは静かだ。こんな静かな時は一人になりたいんだ」

 

 

「トールとフレイのことを考えていたのか?」

 

「貴方が一人になりたい時は、いつもあの二人のことを考えている顔をしているのがわかるわ」

 

 

「そうだな、カーム・ブレスの死を目の前にすると、俺もいずれあのような死を遂げるのだなと思うと。そうした方が早く母と兄に会いに行けるのだと思うと。会おうと思えば会えるのかもしれないなと思っていた」

 

 

「ジーク・・・・」

 

「ジーク。いくらなんでもそんなことをしてまで・・・」

 

 

「わかっている。早死にして母と兄に会いに行こうなど思ってはいない。ただ・・・・・・本当に死ねば会えるのかなど、信じられないからだ」

 

 

「「・・・・・」」

 

 

死んだ人間の魂は天に還る。それはアフロディーテやアルテミスも知っていることなのだが、

 

実は諸説がある。それは死んだ魂はもう一度別の命に生まれ変わる

 

つまりは輪廻転生。前世の記憶を全て消し、また別の命へと生まれ変わると言うこともあるのだ。だから実質カーム・ブレスはもしかしたらブリキッドに天で会えるかはわからないのだ

 

その事実をアフロディーテやアルテミスにも教わったわけではない事実を俺は先に知り、本当にこの世から消えた母と兄に、死ねばもう一度会えるなど、そんな事実に俺はやはり叶わない願いを夢見ているのかもしれないと、死んでもそんな願いは望まない方がいいと考え直したのだ

 

でも俺が母であるトールとフレイのことを考えているのを見切ったアルテミスとアフロディーテは、俺の顔を見ただけでそれがわかったのなら、やはり俺は親離れできない子供なんだと再認識した

 

 

「ジークはトールやフレイのことを愛しているのだな」

 

 

「当然だ。血の繋がった家族で、血が繋がらなくても兄弟なんだ。愛してないはずがない」

 

 

「嫉妬するわ。トールとフレイに。私たちには愛しているとは言ってくれないのに、あの二人には愛しているって言うのに」

 

 

「家族だからな。お前ら恋人にして愛しているは・・・・・まだそんなふうには言えないな。俺には愛はわかっても恋はわからない」

 

 

「素直にアフロディーテに恋はできないと言っていいのだぞ?ジーク?」

 

「それはどう言う意味で言っているのかしら?アルテミス?」

 

「嫌らしい女神などを愛せないと言うことだ。そう言う意味で言っているに決まっているだろう。私のような女らしい女神こそ、ジークの恋人に相応しいと言うものだ」

 

「貞潔な貴方がそんなことを言うとは思えないのだけど。貴方がジークに相応しい女だって?処女神の貴方が恋をしてもいいのかしら?」

 

「私は貞潔の女神はもうやめた、私は狩人の女神だ。私を救ってくれたジークに私は恋をして、今までの自分を変えてこれからを生きるんだ。だから私は彼と結ばれた時は処女神をやめるつもりだ」

 

「ヘルメスから聞いたけど、あのアンタレス事件は本当だったのね。貴方がジークに救われなかったら、ジークに出会うこともなかったのに、本当に貴方は私が欲しいものを持っていくのね?」

 

 

と言う。アフロディーテはアルテミスに嫉妬する。

 

確かアフロディーテが言っていたことなのだが、彼女は天界の頃から自分が欲しかったものを全部アルテミスは持っていたと羨ましい言葉を口にしていた。だから今の彼女も自分が欲しい男を取られそうになっていることに苛立っている。アルテミスがアフロディーテを否定しているのだけでなく、アフロディーテもアルテミスのことが嫌いなようだ

 

だが

 

 

「アンタレスの事件でアルテミスが死にかけたと聞いて、心配していたのはヘスティアだけでなく、お前もそうだろう?アフロディーテ」

 

 

「は?」

 

「な!?ジーク!?」

 

 

「誰もこの事は喋るなと言っていないからな。勝手にお前の秘密を発言させて貰った」

 

 

彼女は美と愛の女神ではあるが、素直じゃないことを発言せずに隠すことがある。別に隠す必要が感じないため、タダ友人を想う気持ちがあると、彼女は少し頑固な意地を張る時があるため、代わりに俺が発言した

 

 

「ヘスティアとへファイストスとヘルメスが言うには『ツンデレ』と呼ぶらしいのだが、お前は本当はアルテミスが大事に思う友人であり、本気で大切な友人だと思っていた。そう言う素直を出さないで関係において敵対的な態度と過度に好意的な態度の二つの性質を持つんだな。お前は」

 

「ち、違うのよ!?私は!?」

 

「アフロディーテが私を友人に想っているだと!?ありえん!そんなのは嘘に決まっているぞジーク!!このふしだらな女神が私のことをそんなふうに想うなど嘘だ!!!」

 

「アフロディーテに友人として認識されたことに、そこまで荒ぶるか、アルテミス」

 

 

アフロディーテは俺に本性を暴かれたことを恥ずかしがり、アルテミスは信じられないと言う。アフロディーテにはどうやら犬猿と言うような関係は多いらしい。へファイストスにアルテミス、女神関係は人間関係並みに複雑もあると言うのを理解した。そう思うとやはり人も神もほぼ同じ存在なんだなと認識する

 

 

「アフロディーテ。アルテミス」

 

 

「なに?」

 

「なんだ?」

 

 

「一年後、またお見合いをしよう。その時にはコンバージョンができる。その時は俺からお前たちに頼もう。どうか・・・・俺がその時に愛を理解できていることを祈って、待っていてくれ」

 

 

「いい返事をすることを期待しているわ」

 

「ああ。私もその時はアフロディーテに負けないくらい良い女になってみせる。君に似合う女に」

 

 

 

こんな事をここで言うものではないかもしれないが、それでも伝えるべきことは伝えようと思い、今この二人に俺の今残る全ての感情を出して伝えた

 

カーム・ブレスの最後を見たからなのか、死んでも生まれ変わっても愛した女神を忘れずに愛し続けると、まるで母を愛していた子供の頃の俺にそっくりだと。愛されている女神に答えるべきだと、今俺が二人を想う言葉を口にした

 

今でも俺は母と兄と。故郷に住む者達も俺にはまだ想いがある。だから消えていないのなら、俺は恋愛にだって答えられずだと。俺の想いは絶対に消させないと

 

 

感情の全てを失っても、その気持ちは覚えたら絶対に失わないと

 

 

俺は心に誓うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

カーム・ブレスの遺体を棺桶に入れて、村中の人々が全員集って彼の葬儀を始めた。俺たの国では遺体を燃やすのだが、この村ではこのまま村の者たちに花を置いて弔い、そのまま棺桶に入れたまま土の中へと埋める

 

そしてカームが亡くなったため、村の長はその娘であるリナ・ブレスがエダスの村の村長となった。今後彼女がこの村の長として父の跡を継ぐことになった

 

そしてカームを墓に入れてお参りし、そして俺達はリナ・ブレスの挨拶をしてからオラリオに戻る

 

 

「三日間世話になった。リナ・ブレス」

 

「いえ、またこの村に来てくださいね。英雄様。女神様」

 

「うん!またねリナ君!」

 

「はい。またいらしてくだない」

 

 

「ああ。それでは俺たちは失礼する」

 

「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」

 

「はい。皆さん気をつけてお帰りください」

 

 

俺たちはリナ・ブレスに別れをして、俺たちはオラリオに戻る。

 

本当に良き村だったと、ベル達は感想を口に出していた。モンスターの被害がない豊かな村だ。こんな羨むような平和な村に出会えるなんて思ってもみなかっただろう。ここに住めば本当に平和に過ごせる。モンスターの居ない暮らしができるのだから当然だろう

 

 

「良い村でしたね?ジークさん」

 

「僕らもあそこに住みたくなる程だね」

 

 

「そうだな。だが帰ったらやることがあるぞ?」

 

 

「え!?何が!?」

 

「忘れたのかベル?アレス・ファミリアだ」

 

「あ!?」

 

「そういえば!?」

 

「今頃フィン達が捕らえて、尋問をしている頃だろう」

 

「ギルドの冒険者も居るだろうしな」

 

「アスフィさん。確か昨日一度オラリオに戻ったんですよね?」

 

「アレス・ファミリアはどうなりましたか?」

 

「全員投降しました。神アレス以外は」

 

「神アレスはひつこいようだな」

 

「軍神だからなのか諦めが悪いようですね」

 

「そういえばタケミカヅチ様も神アレスが諦めが悪いとか言ってましたね」

 

「確かにそれらしい事を」

 

 

「とりあえず、ここからオラリオまではそう遠くない。歩いて一時間半だ。戻ってアレスがまだふざけた事をするなら片付ける。それだけだ」

 

 

まだアレスだけは悪あがきをしているとアスフィが報告にあった。でも今ギルド達が取り押さえているかもしれないと。まだ仕事は帰ってもあるかもしれないと全員に通達する。

 

この後に及んでまだアレスは諦めていないようで、帰ったらその後処理が必要だと。俺は念のために通告する

 

これで俺たちはエダスの村を出て、オラリオに戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、オラリオにて

 

俺たちは門に着いた。そこでエイナが待っていた。そして三日ぶりに会う俺に

 

飛び付いてきた

 

 

「ジーク!!!」

 

 

「っ!いきなり飛びついて来ないでくれるか?危ないにも程がある」

 

「ジーク!無事だったのね。いきなり貴方とヘスティア様達が川に落ちたと聞いた時はびっくりしたわ」

 

 

 

「心配するのは俺じゃなくて、ヘスティアだと思うが?」

 

「よく受け止めたね。ジーク君」

 

「慣れた」

 

「気に入らないな」

 

「まったくだ」

 

「うう・・・エイナさん」

 

 

俺はエイナを受け止める。別に抱き付いて飛んでくることなどもはや慣れている。彼女が迎えに来てくれたようだが、別に怪我もないのだから。何度も心配しないで欲しいと思った。あとアルテミスやアフロディーテやペルセフォネも俺が抱き付かれた程度で睨むのをやめて欲しいのだがな

 

彼女に再会を楽しむ前に、ここへ無事帰って来れた事を喜ぶ前に、俺は根本的な話をする

 

 

「エイナ、アレス・ファミリアはどうなった?」

 

「今朝。やっと兵士全員を捕らえることができたの。それで今広間で全員捕縛させたま待機して貰っているけど、アレス様がどうしても言う事を聞かずで、今も暴れているの」

 

 

「だろうな。今からアレスの所へ案内してくれるか?」

 

 

「え?何をする気なの?今神ロキと神フレイヤと神ヘルメスに尋問されているけど?」

 

「ジーク?まさか?」

 

「ジーク君?もしかして?」

 

 

「決まっている・・・・・・・わからないなら、懲らしめてやる」

 

 

言葉で聞かない者は力でねじ伏せるまでだと。俺は言う事を聞かないアレスを叩き潰しに行こうと、ここまで終戦に到ると言うのに、まだ悪足掻きをするなら本当に容赦はしないと。神の戯言など俺からすれば目障りだと。

 

すぐに俺はアレスの方へ向かう

 

無論ヘスティアの話など全く聞かずに、もうここまで来てまだふざけた事を抜かすなら、言う事を聞かない邪神として認識し、叩き潰しに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして大広間にて

 

 

「離せ!俺は軍神だぞ!これだけで終わりじゃないぞ!」

 

 

「ホンマにしつこいやな!」

 

「貴方。いつになったら諦めてくれるの?」

 

「アレス。君はどうやったらわかってくれるかな?」

 

「もうあんた以外は投降しているわよ?」

 

「アレスは本当に往生際が悪いな」

 

「下界に降りても貴方は変わらないわね。そう言う野心家は」

 

 

「ロキ達が尋問をしているようだな」

 

「でも・・・手こずっているようだね」

 

「全然聞かないようね」

 

「あの様子じゃあ、またいろんな事を言ってワガママを言うのだろう

 

 

ロキ、フレイヤ、ヘルメス、ヘファイストス、デュオニュソス、デメテルと、縄で縛り付けているアレスを尋問しているが、全然言う事を聞かずで暴れている。もう隣で疲れ果てた兵士達が座って待機し、それを見張るロキの眷属達フィン達とフレイヤの眷属オッタル達も居る。副団長のマリウスはため息を出して何を言っても無駄だと。自分たちの主神に呆れていた

 

あれだけの神々を目の前にして、未だに諦めておらず、眷属でさえもう諦めていると言うのに、そんなに自分たちの力を思い知らせたいのか、暴れてワガママな事を言い出す。もうこの状況でも敗北を認めないなら

 

 

「なら・・・・・・・・俺が思い知らせるまで」

 

「あ!?ジーク君!?」

 

 

敗北を認めないなら、本当に敗北者としての神罰を与えると。俺はヘスティアの言葉を無視して

 

 

「ん?ジーク?」

 

「ジーク?帰っていたのね。でも・・・・・何を」

 

 

俺はロキとフレイヤの前に出た。

 

突然俺が出てきたことにロキもフレイヤも驚いたが、そんな二人を無視してアレスの前に出る

 

 

「おい、アレス」

 

 

「っ!ディオメデス!?言っておくがこれで・・・・・ぶ!!?」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

「「「やっぱり!?」」」

 

「「「「「ちょ!?」」」」」

 

 

俺はアレスの首を掴んだ。そして

 

 

 

「くたばれ邪神が!」

 

 

「がああああああああああああ!!??」

 

 

俺はアレスの頬に殴った

 

そのまま後ろに吹っ飛ばされて、建物の壁にぶち当たるのだが、それでも俺は追いかけて、奴の髪を左手で掴んで地面に叩きつける

 

そして、俺は右手を上げる

 

 

「敗北を認めないなら、その身で敗北をしたとわからせてやる!」

 

「ディオメデス!?神を殴るとは・・ぐほ!?」

 

「黙れ。何が軍神だ。たかがその程度のくだらないプライドで戦争を起こすとは。戦の神なら自身の敗北も認めろ。そんなことがわからないなら戦争を起こすな。この邪神が!」

 

「ぐう!?お、おのれ!!!」

 

「お前は軍神じゃない。自分のプライドで敗北した。ただの負け神だ!」

 

「ぐお!?よ、よせ!や、やめろ!!」

 

 

 

「敗北を認めないなら本気で俺はお前を殺す。お前の国も兵士も!本来なら俺がいつでも殺せるんだぞ。戦争の力の差で負けた敗者に当然の神罰を与えてる!」

 

 

そうして何度も殴ったが、神の言葉でも許さない。負け惜しみにも程がある。神の言葉であろうと俺は許さない。神は善良で主導権があると大間違いだ。だから俺はそれをわからせようと、他の神々の前で俺は軍神の頬殴り続けた

 

だから神は嫌いだ

 

自分たちが優れている生物だと。勘違いをしてやりたい放題する。人の気も知らずに。俺は本当にそこが気に食わない。それこそ本物の下等生物。ここまでされて言われて理解せずにまだ足掻こうするこの男神に、俺はイラついた。市民の前だろうと俺は容赦なく殴り続けた

 

ここまでされてまだ降参しないなら、俺は本当にもう猶予は無いと、

 

 

今度は魔剣グラムを出して、上にあげて振り下ろそうと皆の前で神殺しをしようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

「待ってジーク」

 

「そこまでだ」

 

「っ!アフロディーテ。アルテミス」

 

 

「ぬ!?は!?アルテミスに・・・・・ひい!?アフロディーテ!?なんでお前達がここに!?」

 

 

俺がグラムで殺そうとしたが、その前に横からアルテミスとアフロディーテが止めて来た。二人は神威を剥き出しにしてアレスを威圧させる。アレスもアルテミスの存在に気付いた後にアフロディーテにも気付いた途端怯えていた

 

どうやらアレスはアフロディーテが苦手のようだ。彼女達二人が近づくとアレスは逃げようと体を動かそうとするが、縄で縛られ、俺の足で抑えられたりと身動き取れない。だから逃げられないまま二人に追い詰められて尋問される

 

 

「アレス。それ以上ふざけた事をするなら射抜くぞ?」

 

「ねえアレス?天界に居た頃みたいに私に犯されたいの?」

 

 

「あ、あわわわわわ、うわああああああああああああああああああ!?!?わ、わかった!!わかったからやめろ!!降参する!!降参するから!!!」

 

 

「アルテミスはともかく、アフロディーテ。お前まさか・・・・・・」

 

「そうよジーク。私天界でアレスを襲ったのよ」

 

「本当にお前はなんてふしだらな」

 

「まあ、お前が居て助かった。でなければ大勢の前で殺しをしていたからな」

 

 

そうしてアレスが降参すると認め、もうアレスは暴れるのをやめた。流石にアフロディーテに天界以来でまた骨抜きにされるのは嫌がるようで、流石に足掻き続けたらやられると。やっと危機感を覚えたようで、降伏すると決めた

 

 

「ジーク君!ダメだよ!それ以上は!」

 

「許してくれとは言わないぞヘスティア。こうでもしなければこいつは言う事を聞かないんだ。今回はアフロディーテのおかげで助かった。だが」

 

「ぐ!?」

 

 

「いいかアレス。今度俺たちオラリオに攻めてみろ。俺一人でラキア王国を滅ぼしに行くからな。次は無いと思え!」

 

 

それだけを言うために胸ぐらを掴んで離した。本来なら今回でアレス・ファミリアを滅ぼすのが戦争の敗者の末路なのだが、ヘスティア達が居るため。今回は命は取らずに見逃すと告げるが

 

次は無いと、今度攻めて来た時は俺が必ず復讐するためにラキア王国を滅ぼしに行くぞと、脅迫を入れた。

 

そうして、俺はアフロディーテとアルテミスと共にヘスティア達のところへ戻る。

 

 

「ジーク君。いくらなんでも乱暴だよ」

 

「あんな奴にまで優しくするなヘスティア。お前は優し過ぎる。本当に敵にも優しくするとは。敵は滅ぼすのみだ。神であろうとな」

 

「ジークさんが怒っている」

 

「神が大嫌いですからね」

 

「俺の故郷のバカ主神はなにしてんだが」

 

「流石はジーク殿です」

 

「神であろうと斬り捨てるのみですか」

 

「アルテミス様。貴方様の想う方は随分と怖い方ですね?」

 

「これがあの英雄オリオンなのですが?」

 

「過去に神に酷い目に遭ってな。それ以来敵になった神はあんな感じなんだ」

 

「あのアキレウスは、神を相手にここまで怒るとは・・・」

 

「本当にアポロンなり、モリガンなり、神に人生を狂わされて来たのね。ジーク」

 

 

「ヘルメス様。お願いですから英雄雷帝を相手に悪戯しないでくださいね?」

 

「大丈夫。もししたら俺達の命は絶対に無いから」

 

 

「な、中々に恐ろしい事をするんだな。ジークよ」

 

「椿。私何度かジークが怒るところを見たけど、本当に怒ったら怖いわよあの子」

 

 

「ふむ、彼は神を相手にしても容赦なしか。私たちは彼の友人になってよかったな?フィルヴィス」

 

「そうですねデュオニュソス様。私も友人であるジークを怒らせるのは恐ろしく思います」

 

 

「ジーク。また怒っている。二年前私にナンパして来た男神を追い払おうとしてくれたんだけど。その男神がジークにボコボコにされてたのよね」

 

「ペルセフォネ。ジークは神に手を出したのは今回が初めてじゃないのね?」

 

 

仲間やヘスティア達に今アレスを暴力振るった光景を見て、相変わらずとも言う者もいれば、恐ろしく思う者も居た。どんな印象を持たれても俺は構わない。敵は排除するのみ。情けなどをされては自分たちに不意を突かれて怪我をする。

 

そもそもヘスティアを拐った犯人だ。これくらいの神罰はあって当然なのだ

 

 

もちろんこれだけでは終わらず、俺は今度はマリウスの所へ行く

 

 

「おいマリウス。お前の父マルティヌスにも言っておけ。次ふざけた事をしたら、俺が今度こそ滅ぼすとな」

 

「マリウス。ここは聞いておけ、でないとウチの団長であるジーク・フリードこと。お前らの言うディオメデスが主神の言葉を無視してまで滅ぼしに行くぞ?」

 

 

「ああ。もちろんそうする。俺も最初からこの戦争は反対だったんだ。それなのにあの脳筋は」

 

 

「お前まだ苦労しているんだな」

 

 

「お前が羨ましいさヴェルフ。まあでもあの脳筋神も、今回の件で少しは頭を冷えたようである意味助かった」

 

 

マリウスは最初からこの戦争に反対だったらしい。

 

アレスとは違って、物事を冷静に判断するタイプ。レベルは三でダンジョンに潜っていないのにも関わらず、それなりの実力も軍師としての才能もあるようだが、アレスのワガママにいつも振り回されて苦労しているらしく

 

今回でいい経験と思い。いい気味だとも思っていたらしい

 

ヴェルフはそういう性格だとわかっているようだが、アレスに扱き使われている事を知っているようで、ヴェルフはマリウスに同情した

 

 

「と言うか相変わらずだなディオメデス・・・・いや・・・ジーク・フリード。一年前も俺たちを攻めて来て、それでまた半分の兵士もお前に殺されたんだがな」

 

 

「知るか、お前らが攻めて来るのが悪い。大体俺たちの主神を誘拐した時点で、ヘスティア・ファミリアの怒りを買ったも同然。ヘスティアが腑抜けた事をしたのが原因でもあるが、だからと言って俺たちの家族に手を出したんだ。俺達にやられて当然だ」

 

「あの崖に来るまでにジークはお前らの兵士を殺しまくったからな。マジで恐ろしかった」

 

 

「フィン?何人ジークに殺されたの?」

 

「ざっと・・・・・300人かな。アイズ」

 

「私たちが加勢に来たときは死体の道だった」

 

「あれをジークが本当にやったとはな」

 

「信じられないよ。あのジークが」

 

「本当に。もう私たちの知っているあいつは。もう何処にも居ないのが今回でわかったわ」

 

「ああ。あいつはそういう奴になった。覚悟はあるみてえだしな」

 

「ジークさん。本当に人を殺せる程になったんですね」

 

「ジーク・・・・・・」

 

「ホンマに・・・・変わってもうたなジーク」

 

 

「これは・・・・思ってもみなかったわ。ジークがまさか神にも手を出せるなんて」

 

「やはり・・・強者だけのことはあったか」

 

「け、たかが300人を一人で殺したくらいで」

 

 

俺の非道なやり方に、ロキ達の眷属であるフィン達は経験しているからともかく、フレイヤとその眷属であるオッタルは英雄と呼ばれる割には残忍な事をすると言った。アレンは相変わらず三百人を一人で殺しても、俺のことは認めずに否定する

 

それでもどんな印象持たれても良い。どちらが善で悪なのか明白であり、悪にはそれなりの罰を与えるのみだ。悪に悪なやり方で処理するなど、非道でもなければこれが正道である、悪に墜ちる者がいるならそれなりの罰を与えるまで

 

それが神や人であっても、決して敵になる者に容赦などしないのだと

 

今この場に集まる冒険者や神々が俺がどういう男なのか、明白にわかって来たようだ

 

 

でも俺はそんな印象を持たれようが関係なく、さっさと用は済んだと帰る

 

 

 

「帰るぞ。もう用は済んだ。あとはお前らに任せる。そろそろギルド職員が来て、こいつらの処罰を下すだろう。ヘスティア。それでいいな?」

 

「う、うん。まあ今回はアレスが完全に悪いし、仕方ないか、うん。帰ろう。僕らのホームに、あ、その前に・・・・・アレス!次やったら許さないからな!!」

 

 

「ヘスティアが・・・ディオメデスを眷属にしていたとは・・・・」

 

 

「よし!じゃあ帰ろう!みんな!」

 

 

今度こそアレスは諦めて敗北を認めた

 

まあ俺がほぼ鎮圧させたに過ぎないが、とにかくアレスが敗北を認めたのを確認して俺たちはホームへと撤退する。最上級ファミリアの前での俺の神への暴行にドン引きする者も、背筋を凍らせる者も居る。尚且つ市民も居たのだが、それでも俺は目の前に敵が居るのなら、市民の前であろうと関係なく薙ぎ倒す。得に言う事を聞かずに敗北を認めない者には得に

 

 

今回の戦争で、アレス・ファミリアは処罰をギルドから食らった。その処罰は捕虜になった眷属たちのステイタスの放棄と多大な賠償を条件に解放すると言われ、アレスとマリウスはその条件に眷族と共に故郷へ戻ることになった。とは言ってもたった300人しか生き残っていない

 

残りは本当に俺がヘスティアを救出するまでの道中で皆殺しにした。主神を拐う人間に慈悲など必要ないと、俺が残忍に殺したのだ。無論遺体はマリウスが引き取ることに、とは言っても遺体は首だけを跳ねているため、どれが誰かなど分からず、適当に馬車に乗せて持ち帰ることになった

 

 

そしてアレス・ファミリアだけでなく。今回アレス・ファミリアの進行に防衛に当たっていたロキ・ファミリア、フレイヤ・ファミリア、ガネーシャ・ファミリアなど、数多くのファミリアや神々が俺の神への暴力と殺人未遂を目撃し誰もが驚き、俺がただの英雄ではなく、敵が神でも容赦をしない男だと認識し。イシュタル・ファミリアを壊滅しただけのことがあるタダの中間ファミリアではないと

 

英雄として讃えられていたはずが、またも俺の怒りの恐ろしさに怖気つく者や神々が今回で知り、あまりヘスティア・ファミリアに敵対を避けようとしていた事を

 

あとにエイナから知る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜

 

今日でアフロディーテのお見合い宿泊の最後の日であり、今日で期限が切れる日だった。アルテミスもアフロディーテが明日には帰るのであれば、アルテミス達も明日で帰ると。いつまでも自分の村をほったらかしにはできないと。今日でアフロディーテとアルテミス達は最後の夜になる

 

だから最後の夜は皆で庭でアフロディーテとアルテミス・ファミリアのお別れパーティをしようと、庭に机や椅子を出し、豪華な料理や酒を出してなどをして、庭で豪勢にお別れ会をしようと開催する。運が良いのか雨も降っておらず、安心して庭でパーティができる

 

もちろん俺たちだけでなく、友人や今回助けてくれたお礼としてロキ達も呼んで。アフロディーテとアルテミスがここで揃うことなど二度と無いため、他の友人神も呼んで開く

 

 

 

「それでは。アフロディーテ・ファミリアと並びにアルテミス・ファミリアのお別れパーティを始める。全員グラスを持ったな?では・・・・・乾杯!!!」

 

「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」

 

 

 

全員グラスを持って乾杯し、お別れ会を始める。

 

ここにはロキ・ヘファイストス・ヘルメス・デュオニュソス・デメテル・タケミカヅチ・ミアハのファミリアと豊饒の女主人のシル達がここに集っている。ロキが来ることに関してはヘスティアが若干反対していたが、今回の件でアイズ達には助けられたと俺が誘った理由はお礼でもあるのだと。確かに助けられた理由としては最もであると。仕方なくヘスティアはロキも受け入れた

 

アフロディーテとアルテミスに久しく出会うオラリオの神々にも友人が居る為、その友人と楽しくテーブルに囲んで豪華な食事を食いながら会話をしている。その神しか居ないテーブルで俺個人的に問題もある

 

それは

 

 

「まさか『義姉さん』もここに来るとは思ってなかった。オッタルとアレンはどうした?」

 

「後ろに居るわ。オッタルもアレンもパーティを楽しむフリをして、私の護衛だけどね」

 

「まさかフレイヤが来るとはね」

 

「ジーク。フレイヤのことを義姉さんと言っているが、それはお前がフレイ義弟だからか?」

 

「その繋がりで俺もフレイヤの事を義姉さんって呼ばなくてはならない立場だから。こう言っているアルテミス」

 

 

実はこんな場所にフレイヤも来ていた

 

久しく出会うアルテミスとアフロディーテに会いたいと、わざわざホームから出てきたようだ。別に参加しても構わないが、お願いだから騒ぎを起こさないか心配で、俺は神しか居ないテーブルに座っていた。後方にはフィンと会話しているオッタルと、庭の木に一人で背を依掛けてワインのグラスを持って楽しんでいるフリをしているアレンも居る。よりにもよって騒ぎを起こしそうな二人が護衛とは。全くもって心配な限りだ

 

そしてその予想がもう的中する

 

 

「ところで、街で聞いたのだけど。私に大切な義弟とお見合い宿泊したって聞いたけど。本当なの?アフロディーテ?アルテミス?」

 

「そうよ。フレイヤ。何か問題でもあるかしら?」

 

「別に良いだろう。私はジークを愛しているんだ。婚姻を頼んでいるのだが、ジークは未成年だと。まだ婚姻を受け入れてくれないがな」

 

「本当かしら?ジーク?」

 

 

「ああ。本当だ。流石に未成年で結婚はまだ考えられないからな。それに、まだヘスティアの恩恵の期限がまだ切れていないしな」

 

 

「へえ、そうなの。勝手に私の義弟に婚姻を掛けようとするなんて、いけない事をするわね。アフロディーテ。アルテミス」

 

「あら?義姉であるあなたにジークを奪ってはならない権限は無いと思うけど?」

 

「まったくだ。眷属でも無いジークに、何をしようが本人の勝手であり、勝手にジークを義弟だからと彼を勝手に自分の所有物みたいに言わないで貰えるかフレイヤ?」

 

「家族なんだから当然でしょ。いずれジークとも『本物の家族』になるんだから」

 

 

「それはどういう意味なんだ義姉さん。その言葉は俺も気掛かりなんだが?」

 

 

「ジーク。それはどういう事なのか、俺も聞かせて貰おう」

 

「おいジーク。テメエ。フレイヤ様と本物の家族になるとはどういう意味だ?」

 

 

「なぜこのタイミングで俺に聞く。そしてそれを言ってきたのは俺じゃなくて義姉さんだ。俺に問いかけるのはやめろ」

 

 

フレイヤがアフロディーテとアルテミスが俺に婚姻をかけてきた事に、そんなことは勝手にするなと、本当に俺を所有物か本当に眷属みたいに言うのだが、フレイヤこそ勝手に俺を所有物みたいに言わないで貰いたい。しかも本当に家族になると言う言葉に意味深を感じて、問いかけたが

 

その前に遠くに居たはずのオッタルとアレンが、突然俺の真後ろに居て、フレイヤが言った『本当の家族になる』についてなぜか俺に問いかけてくる。言ったのは俺ではなくフレイヤだと言うのに、俺は席を立って、この話を聞かない獣共の対応する。

 

 

「俺ではなく義姉さんに言え。今俺もなんでそんな事を言うのか聞きたい程だ」

 

「いくらお前が義弟でも、あのお方の本当の家族になると言うのは、流石に許されないぞ」

 

「ジーク!テメエ!あのお方の本当の家族になるってことは、あのお方を娶るってことだな!!今度ばかりは許さねえぞ!!!」

 

 

「お前らひょっとしなくても人の話を聞く気ないだろ」

 

 

「大変だねジーク。オッタルとアレンを相手にするなんて」

 

 

「まったくだフィン。人の話を聞かない馬鹿共だから本当に困る」

 

 

本当に人の話をまともに聞かないから困る。こいつらには会話と言う常識なことができないのだろうか、フレイヤのことになるとすぐに無気になるから面倒だ。こいつらは本能のままに動く獣そのものだ

 

すると

 

 

「ジーク。時間があるのなら少しお話ししたいのですが、いいですか?」

 

「アリシアか、わかった。今行く。俺はもう行く。あとは義姉さんに聞け」

 

 

「待てジーク」

 

「話はまだ終わってねえぞ!」

 

 

「俺に聞くな、義姉さんに聞け」

 

 

運が良くアリシアが突然呼んできた。なにやら話があるようでこっちに来てくれと言われた為、そっちを優先して二人を置いていく。もう何を言っても納得も矛盾と屁理屈な事ばかりで話が終わらないと。俺は二人を置いてアリシアが座るテーブルの方へ

 

 

「俺と話をしたいと言うのはわかったが、なんでこの『女エルフしか居ないテーブル』に呼ばれたんだ?」

 

「すまない。ジーク」

 

「リヴェリア。お前アリシアに何か言って、俺に問いただそうとしていると言うことか?」

 

「そうだ。それも・・・・・声に出る程恥ずかしい話だ」

 

「恥ずかしい話?・・・・・・・なるほど。そう言うことか」

 

 

俺がアリシアに案内された席は。リヴェリア、エイナ、リュー、レフィーヤ、フィルヴィス、アリシアの。なぜか女エルフしか座ってないテーブルに座らされた。リヴェリアが突然俺に謝罪をし、これから恥ずかしい話をすると言われた。リヴェリアがそれを言うだけで顔を真っ赤にしている。おそらくあの話をするのだと察しが付いた

 

これから何を問われるのか、わかった

 

 

「ジーク!!!リヴェリア様の頬にキスをしたと言うのは本当ですか!?」

 

 

「本当だ。ついでに言うと、その後リヴェリアにも俺に頬にキスをした」

 

「な!?おいジーク!?」

 

「事実を言ったまでだ。嘘をつく理由も恥ずかしがる理由もない」

 

 

「ほ、本当なんですね!?」

 

「ああ。嘘ではないリュー」

 

「ジークさんが、自らですか!?」

 

「ああ。その後にリヴェリアもした」

 

「リヴェリア様まで!?自ら!?」

 

「全て事実だ。フィルヴィス」

 

「じゃああのドアを凍らせた時に!したのね!」

 

「ああ。その時にリヴェリアにも俺に頬をキスをされたぞ。エイナ」

 

 

俺は嘘を付かずにありのままの事実を話した。リヴェリアの前であっても関係なく、いろいろ暴露をしていると。どんどんリヴェリアは顔を真っ赤になる。俺を好意に思ってあんな事をしたと言うのに、未だになってもそういう事は恥じらうようだ

 

無論、彼女に憧れ、ハイエルフの忠実なエルフ達にとってはその言葉に怒り奮闘だ

 

 

「ジーク?どうしてそんな事をしたのですか?」

 

「婚姻を一年後にもう一度受けるかお見合いを再度回したのだが、あまりにリヴェリが元気なかった為、俺との婚姻に今受け入れなかった事をショックでもしたのか、元気を出させる為にも頬にキスをした。まだ唇にはしていない」

 

「婚姻すると決まったわけでもないのに、そんな事をしてはダメですよ!ジークさん!?」

 

「頬にキスくらい、他国では挨拶でする国もある。そんなことくらいで大袈裟に言わないで貰えるか?」

 

「でもジーク!リヴェリア様にそんな大胆な事をして勘違いでもしたらどうするの!?」

 

「何を勘違いするんだ?エイナ?別に俺がリヴェリアに頬にキスをするくらいはいいだろう。彼女は俺に好意があるようだからな。なら別にしてもいいと思うが?」

 

「だがジーク!順序と言うものがあるだろう!いきなり頬にキスをすると言うのは・・・」

 

「では言うがフィルヴィス、その後にリヴェリアも俺の頬にキスをしたぞ。それについてはもう順序など関係ないと思うが?」

 

「でもジークさん!リヴェリア様だってその・・・・・・・流石に突然そのような大胆な事をされるのは困ると思いますよ?そうですよね?リヴェリア様?」

 

「・・・・・・・」

 

「リヴェリア様!?顔を赤くしてないでなんとか言ってください!?」

 

 

「先ほどから俺とリヴェリアと縁談をした事について文句ばかり言ってくるようだが、お前らには関係ないだろ。こいつと俺が縁談をしようが俺たちの勝手だ。いくらハイエルフに尊敬や忠実があるとは言え、そこまで首を突っ込むのはやめて貰おう。リヴェリアの恋だ。相手が俺でヒューマンだろうと。彼女が決めた事だ。それを部外者があれこれ言う資格はない。そもそもエイナ以外だが『男に恋をした事もない』お前ら四人にそんな事を言われたくない」

 

 

「「「「な!?」」」」

 

「私は・・・うん。例えリヴェリア様でも・・・・困るな」

 

 

エイナはともかく

 

レフィーヤ、アリシア、フィルヴィス、リューに対しては、別に今までにおいて恋をした事もない者にそんな事を言われたくなどなかった。順序とかの前に、自分たちは恋すら経験した事も無いくせに、偉そうな事を言うなど御誤がましい話だ

 

そこまでとやかく言われたくないと、人の縁談に口を出すなと。俺は慎み隠さずに正直に思った事を口にした

 

その事にレフィーヤ達は

 

 

「わ、わ、私だってですね・・その・・あの・・・・・」

 

「私も・・・憧れの人は居ますけど・・・その・・うう」

 

「わ、私はだな・・・・・・・・そのだな・・・・・・」

 

「ジークさん・・私は・・あ・・いや・・それだと・・・シルにも・・・・私は友人と自分の想い!どちらを優先すればいいんだ!?」

 

 

「まったく、人のことばかりあれこれ傲慢な事を言うのはエルフらしいな。リューは何を言っているんだ?」

 

 

男に恋をしたことがないについて、この4人は何も言えずに、無論そんな事をしたことがない男に縁のないこの女共に、これについての反論はなかった。だがリューは何か言いたそうだったのだが、何か悩んだりして何も言わなかった。これに懲りて俺とリヴェリアの縁談については騒ぎにしないようにと、蔑ませて貰った

 

だが、そんな事を話していると

 

 

「ジーク?その話は本当なの?」

 

「どう言うことか聞かせてもらえないかしら?ジーク?」

 

「そのハイエルフに頬にキスをされたと言うのは本当か?」

 

「あら?そうなの?ジーク?」

 

 

「ああ。本当だ。ペルセフォネ、アフロディーテ、アルテミス、義姉さん」

 

「ちょ!?ジーク君!?何正直に言ってんの!?」

 

「事実だからな」

 

 

頬にキスをされたと言う言葉に、ヘスティア達が反応した。当然俺に好意に思うこの者達には反応する話だった。だからその話を聞いて物凄く嫉妬をしている。確かにこっちも縁談しておいてそんな愛想な事を俺はしていなかった

 

と言うか、なぜフレイヤまで嫉妬をしているのか、彼女は本当に俺を眷属として扱っていないだろうか。嘘をついても仕方ないと。ありのままの事を言ったらヘスティが来て、場を修正しに来たのか、俺のところまでやってきた

 

無論ヘスティアだけではない

 

 

「ジークさん。あのリヴェリアさんに頬をキスをしたのは本当ですか!?」

 

「流石はジーク様。イケメンだからこそできる行為です」

 

「よくあのハイエルフにそんなことができるよな、お前」

 

「ジーク殿は本当にモテますね」

 

「ですが、全然反応しないですね?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

いろんな女性にモテるなとと言われるが、感情が無いから特に反応はしないのだが。だからそれに反応をせずに周りを見渡してこう思う。こうしてみると、俺は大勢の仲間や友人に囲まれて。今日に至るまで、俺にはこんな友人や仲間ができたと思うと、なんとなく俺にはフレイが亡くなっても俺は一人じゃないと。

 

苦難の先に、このような平和があるのだと予想はしていなかった

 

なぜ俺は今こんな状況でそんな事を思うのかは知らない。愛の無い俺にそんな事を思える時が来るとは思ってもいなかった。今いろんな人や神にあれこれ言われているが、それでも顔は笑顔にはなれないが、愉快な気分になれて

 

 

俺は恋愛は分からなくても、こう言う『友愛』だけはまだ抱いているのだと。今の気持ちを認識した

 

 

「ジーク!それ本当なの!」

 

「ああ。シル。そうだ。俺は確かにした」

 

「ずるいよジーク!あのリヴェリアさんにそんな事をするなんて!」

 

「そうか、じゃあ・・・・」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュ

 

 

「「「「「「「な!?」」」」」」

 

「へ!?え!?ええええええええええええ!?」

 

 

「これでいいな。シル」

 

 

俺はアフロディーテとアルテミスとペルセフォネの前で、シルの頬にキスをした。いい加減この状況に向き合って、誰もが俺が誰かにキスをした事で文句を言ってくるから、じゃあシルにもすればいいと。シルにもする

 

もちろん、そんな事をしたのだから

 

 

「ちょ!?ジーク!?何をして・・ぶ!?」

 

チュ

 

「え!?ジーク!?ぶ!?」

 

チュ

 

「ジーク!?何をやって!?ぶ!?」

 

チュ

 

 

「んむ・・・・・これでいいな?これが欲しかったんだろう?」

 

 

俺はシルだけではない。その後にペルセフォネ、アフロディーテ、アルテミスにも頬に順にキスをした。恥じらう気持ちなど俺には無い。そして彼女は俺を好意に想い、俺か愛と言う証明が欲しいならこれを授けた

 

人の前であろうと関係ない。感情が中途半端になっている俺だからこそできる。大胆な行動だった。もちろんそれをしても俺は全然気にしない

 

もちろんこんな事をされた。者達は

 

 

「あわわわわ!?ジークからキスをされた!?」

 

「ちょ!?ジーク!?何をしているのさ!?」

 

「ルノア!落ち着いて!」

 

「これが落ち着いてられませんよ!デメテル様!」

 

 

「あらやだあ〜♡。ジークにキスされちゃった♡」

 

「嬉しそうですね。アフロディーテ様」

 

 

「ジークにキスをされてしまった!これが・・・・・これが男性からのベーゼ!」

 

「おめでとうございます。アルテミス様」

 

「とても他の方にはできませんが、しっかりといただきましたね」

 

 

「えへへへへ、ジークからキスされた。えへへへへへ」

 

「シル!羨ま・・・・・・じゃなくて。流石に大胆です!?ジークさん!?」

 

「なんでシルばかり、こんな美味しい事をジークにされるにゃ!?」

 

「シルばかりずるいにゃ!?ウチもして欲しいにゃ!」

 

 

「これでいいのだろう?望みは叶えた。だから喧嘩しないで貰えるか?」

 

 

「いやいや、ジーク君それは流石にやりすぎと言うか、セクハラにもなるよ!?」

 

「ジークさん大胆過ぎです!?」

 

「なんでそんな堂々とできるんですか!?あなた!?」

 

「お前いくら感情無いからって、それはアウトだろ!?」

 

「ジーク様、なんて大胆な・・・あ〜〜〜」

 

「春姫殿!?春姫殿がされたわけでもないのに、なんで恥ずかしがって倒れるんですか!?」

 

 

「別に俺は望んだ事をしただけであって、大胆であっても、本人が望んだ事なのだから許されるだろう」

 

 

「ホンマジーク。すご過ぎやろ!?」

 

「ジークさん。そんな大胆な事を皆さんの前でしないでください!」

 

「むう・・・・リヴェリアにもして、他のみんなにして・・・・ずるい」

 

「じゃあ、あんたもして貰うようにジークに頼めば?」

 

「あいつどんだけモテるんだよ・・・・」

 

「がははははははは!!ジークは英雄だから女神にもモテて、その女神にキスをするとは、中々の男前な事をするな!ワシでも驚いたわい!」

 

「ジークは本当にすごいね。僕じゃあ真似できないよ。そして二人は頬を膨れているけど、嫉妬かい?」

 

「なんのことだフィン。私は別に・・・別に・・・・嫉妬してないぞ」

 

「むう・・・でも、もう他の人にしてはダメ。ジーク」

 

 

 

「望んだ通りにしただけだと言うのに、まったく・・・・でも・・・・・賑やかだな」

 

 

こんな状況になったのは俺のせいなのだが

 

俺は望んだ通りにした事をしただけに過ぎないのだが、残念ながらあまりに恥ずかしい気分になると見るのも恥ずかしいみたいで、今後は頬にキスする事を俺は禁止された。別にそれくらい問題ないと思うが、なぜか他の者達に止められた。そしていつの間にかフレイヤ達が消えていた。おそらく『シル』が出てきたからであろう。なぜか俺の前にシルが出ててくるとフレイヤ達は消えていた

 

 

こうしてアフロディーテとアルテミスのお見合い合宿は今日の夜で賑やかにパーティーを終えて終わった。

 

 

明朝でアフロディーテとアルテミスは眷属と共にオラリオの門で俺たちとお別れをした。一ヶ月も空いていたためそろそろ自分のホームに戻らないと心配だと。彼女たちとお見合いはあっという間に終わったのだ。一年後再お見合いをすると。今度は俺たちがイリオス王国に行くとアフロディーテに約束した。まあその時はアルテミスもアフロディーテの国に行くと、犬猿に相手でもある国に行ってでも俺との婚姻を阻止するようだ。実はその時はペルセフォネも呼んでくれと、アルテミスもペルセフォネもアフロディーテの婚姻を全力で阻止するのだと、俺は今後大きな苦難が一年後に待ち受けているのだと、覚悟を決めた

 

 

アレス・ファミリアはオラリオの攻め込みを今後一切しないと認め、ラキア王国の戦争は無事終戦した。アフロディーテとのお見合い合宿は大変だけれども楽しい日常を送れた。この一ヶ月は人や女神の恋騒動に巻き込まれた

 

とても騒々しい事件だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二日後

 

 

「ジーク。はい。お弁当」

 

「ああ。ありがとう。シル」

 

「言っておくけど、ジークと練習したレシピ通りに作ってあるからね」

 

「そうか、不味くても。君の作った物ならなんでも食べられる」

 

「それは嬉しいけど。あなたには美味しいって言って貰いたいから」

 

「君が日々料理の腕を上る事を願っている」

 

「うん、久しぶりのダンジョン頑張ってね?」

 

「ああ」

 

 

俺はアレス戦争が終わった後、無事事件は解決したため、ダンジョンも自由に出入りすることが可能となったため、休んだ分を稼ぎに俺たちはまたダンジョンへ足を運ぶのだが、ダンジョンに行く前に、シルから弁当を貰いに、彼女の働き先である店に行って弁当を受け取っていた。最近は俺に料理を教えて貰って、俺にうまいと言わせる料理を作ろうと、彼女も日々鍛錬と言うものをしている

 

その弁当受け取って、ダンジョンへ向かう

 

のだが

 

 

「ねえジーク?一つ質問してもいい?」

 

「なんだ?」

 

「多分・・・・聞いちゃいけない質問だと思うけど」

 

「聞いちゃいけない?・・・それはどんな質問だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『体の方』は大丈夫?」

 

「・・・・・・・・・やはり君にはわかるんだな?」

 

「うん、最近・・・貴方の目が『竜眼』になることが多いの。それに・・・・・今もしているよ」

 

「っ!?まさか・・・・・もうここまで」

 

 

シルは『俺の体』の心配をしていた

 

彼女はやはり知っていたのだ。『俺の正体』を。今もその侵食に体が汚染していると。彼女は俺の心に繋がっているから、俺が何を考えているのかわかるようだ。神でも見抜けないと言うのに。それに彼女に言われるまでもう眼がやられているにも気づかなかった。エギルの髪飾りをしているわけじゃないと言うのに

 

 

「ジークは・・・・これからどうなるの?」

 

「分からない。でも・・・・・・・限界はすぐ来る。あの村で『アレ』を触ったから」

 

「ジーク!・・・・私は!・・・・・あなたがどんな姿になっても味方だからね!」

 

「っ!・・・・・・・ありがとう。大丈夫だ。きっとなんとかなるはず」

 

 

そう言って、俺はシルに保証のない安心な言葉だけを置いてダンジョンへ向かう

 

彼女はいつ俺の体に異変が起こるのか。とてもかなり心配していた。もしそうなったら俺は英雄としてはもう扱ってもらえず、もはや危険な生物として扱われるから

 

エダスの村で『アレ』を触ったせいで、

 

 

 

 

 

俺の体が限界を迎えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレス戦争編   END

 

 




次回   来年一月投稿予定


前編『異端の竜少女』


後編『絶望の??』



ゼノス編にて、ジーク・フリードと言う英雄は終わる






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