今年もよろしくお願いします。一ヶ月に一回は更新します
喋るモンスター
この下界の敵、人類の敵にして、絶対悪と呼ぶ生物
その名も、モンスター
人類において当たり前の敵であり、どうあっても排除しなくてはならない危険生物である。神々が降りる前から、あの魔窟と言うダンジョンと別の環境でも生まれ、大昔から人類はその生物と戦ってきた。我々人々を襲う怪物にして、環境汚染をする化物でもあり、この下界では彼らと闘う者達を冒険者と言う。神の恩恵を用いて己の能力で戦う戦士達。ファミリアを結成して仲間と共に立ち向かう
中には英雄と呼ばれるような、最強のファミリアも。
その名はゼウス・ファミリア
その名はヘラ・ファミリア
この夫婦の主神達が眷属にしている冒険者ファミリアはこの世界で最強だった。その絶対悪である最強のモンスターにも打ち倒すほどに、陸を暴れる王者ベヒーモスを砂漠で倒し、海の覇者にして覇王リヴァイアサンを海洋で倒すなど。様々なモンスターを全て討伐してきた
ところが、そんな彼らもそのモンスターにやられてしまった
それは空を暗黒へと染め。全ての攻撃や魔法すら効かない。完全無敵の防御を駆使した竜
その名は隻眼の黒竜
英雄譚に存在する英雄アルバートが命を犠牲にしてまで片目を落とした事から付けられた名前。レベル9と言う最上級のレベルを用いていた英雄と呼ばれた彼らでも倒せなかった黒竜は、オラリオから去り、北の方へと飛びだった。その後は行方不明であり、今もその『三大クエスト』は果たされてはおらず、下界は英雄を求めて、世界を滅ぼすかもしれない黒竜の討伐を目指している
と言うように、人類の危機である存在は決して我らは許さない
だが
もし彼らが『我々と同じ知能と魂』を持っていたらどうする?
つまりは姿はモンスターだが。我々人間のように言語を話し、悲しければ泣き、敵が来れば武器を取って戦うなど。本能に生きるモンスター達が人間と同じく理性や心を持つ存在が現れたらどうする?
それを異端者と呼び。敵と見做して殺すか、それとも弱者だと思って保護するか、対話をして敵か味方か判断する
そんなことが我々人間にできるだろうか
「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・」
「・・・・・・・・」
そして俺は、その人間社会問題に関わるモンスターが19階層で偶然出会した。体はモンスターに傷を付けられた跡があり、そこから出血をしている。そして何よりそのモンスターに襲われて泣いているのだ。モンスターに涙など、ドロップアイテムではない限りそんな現象はないと言うのに
おそらくまたダンジョンが『転生』させた命である事を俺は推測する。ダンジョンは神が降りる前から存在していた。そんな謎とも言えるダンジョンは神でも理解できずに、この魔窟を調べ上げていたが、こんなケースは初めてだろう
まさか言語を喋る。『竜女』のモンスターなど
普通の冒険者なら殺すだろう
だが俺は
「ほう・・・・珍しいな。ここでも生まれるんだな。『アナザー・モンスター』が」
「・・・・え?」
俺たちの故郷では知性を持つモンスターをアナザーモンスターと呼び、俺はその青い竜女を
保護する
これは俺が皆に正体を知られ、決別や選択を迫られた
絶望に等しく残酷で、切ない真実の物語である
「竜女。これを着ろ。何も着ないのはまずい」
「・・・・・・う・・うん」
そう言って俺は、この竜女に黒いローブを着させる。もう知能があるのか、俺の言われた通りにして、しっかりと答えた。もしも姿を見られたりと騒ぎになると身を隠す
すると
「っ!」
「っ!?」
「あ!?雷帝!?」
「おいおい雷帝が居るぞ」
「ダンジョン探索みたいだな?」
「どうするグラン?」
「ち、おい雷帝。ここで竜女を見なかったか?」
「さあな。見ていないな。お前?・・・・・・・『イケロス・ファミリア』のグランか?」
「っ!?それがなんだよ?」
「いや別に、モンスターを売買する犯罪紛いのファミリアがここで出会すとは思っていなかったものだからな、珍しいと思った。ここに売れるようなモンスターは居ないぞ?」
「そうかよ。行くぞ」
突然、俺の後ろから別のファミリアの冒険者がやってくる。その内の一人だけ、知っている男が居た。間違いなくイケロス・ファミリアの団員と思われる。顔に刺青を入れた副団長のグランであることが分かった
イケロス・ファミリア
犯罪紛いの行為でギルドからペナルティを受けているが一応は闇派閥ではない、主神イケロス自体は闇派閥に直接関与していない。しかし、闇派閥とのつながりもあると噂に聞き、様々な問題を起こし危険視されてるファミリアでもある
そんなファミリアは今金に困っていると、金稼ぎのためにオラリオの外でモンスターを売買商法をしていると、最近密売をしている噂を聞く
ここに居るとなれば、今ローブで身を隠している竜女を狙っているのだと分かった。無論そうはさせないと俺は嘘をついた
こんな危険生物を俺が匿うには理由があるから、こんな真似をしている
奴らが去った後、俺は竜女の手を差し伸べて、その手を引いていくように連れて仲間達の所へ行く
「あ、ジークさん!」
「随分と遠くに居ましたね・・・・・・ん?」
「誰だ?ジーク?それ?」
「ジーク殿?そのお方は誰ですか?」
「ローブで顔や体を隠しているようですけど?」
「お前達には話すにしては驚くことだから、まずは18階層に戻るぞ、行くぞ?」
「う、うん」
「「「「「ん?」」」」」
こいつをここで見せるのはまずいと、まずは18階層のテントに戻ると。俺は彼女の手を引いて全員で移動する。当然警戒して武器を取ろうとするだろうから、俺はそうさせないようにする。
果たして、こいつらでも、これを受け入れるかどうか
試すのだった
「それでジーク様?そのお方は誰なんですか?」
「見た所・・・・・・・・子供みてえだな?」
「でもクンクン・・・・なんだか血の匂いがしますよ?」
「じゃあモンスターに襲われていた子供ですか?」
「でもどうしてその子供が・・・・ここダンジョンの19階層ですよ?」
「ああ。見れば・・・・・驚くだろう」
俺たちは18階層に戻った。配置していたテントの前で俺は隣に竜女を連れて、ベル達は俺の周りに集まる。もはやここまできて隠すわけもなく、俺は竜女のローブに付いたフードを取って
竜女の顔を晒す
「ん!・・・むう?」
「「「「「モンスター!?」」」」」
「ああ。知性を持つモンスターだ」
ベル達はこの竜女の顔を見た瞬間、春姫とベル以外はヴェルフとリリルカは距離を取って武器を持ち、命は春姫の前に立って刀を手に取る。ベルは驚きはしたが、不思議に思ってそのまま武器を取らずに、茫然と立ち尽くしていた
だが武器を持ったヴェルフ達が抗議してくる
「ジーク!?お前なんの真似だよ!?」
「モンスターを連れてくるなんてどうかしてますよ!?」
「どうしてそのモンスターをここへ!?」
「ジーク様・・・・どうしてそのモンスターを」
「ジークさん?この子は?」
「アナザーモンスターと言う。我々同様に知性と言語を話せる。モンスターの別の生物だ」
「「「「「知性と言語を話せるモンスター!?」」」」」
「俺たちの故郷でそう呼ぶ。いいか?竜女?お前はさっきまで何をされた?」
「え・・・えっと・・・・あの化け物に・・・・襲われて・・・・そしたら・・・ああ・・・・あああ」
「本当に喋った!?」
「モンスターが言語を!?」
「おいおい!?なんの冗談だよ!?」
「確かに・・・言語を!?」
「しっかりと喋りました!?・・・」
「俺の名前はジーク・フリードだ。ジーク?わかるか?」
「ジーク・・・ジーク・・・・ジーク!!!。うん!あなたが・・・・助けてくれた!!!」
そうしてしっかりとベル達の前でこの竜女は俺の名前を呼んで喋った。やはり思った以上に知性が強く。教えてもいないいろんな単語を喋った。習慣や学習も人以上にすぐに覚え優れていると。ダンジョンも異端ではあるが、希少種のモンスターを産んだようだ。
竜女は俺の名前を呼んで抱きつく。ある程度の言語を喋れるとなると。元はダンジョンで死んだ女の子の魂で生まれ変わったモンスターの可能性があると俺は推測する。とにかく俺の名前だけでも呼べたと確認が取れたことで、これからの話をベル達にする
「この竜女をホームに連れて保護する」
「本気で言っているんですか!?ジーク様!?」
「こいつはモンスターだぞ!?」
「こいつはさっきそのモンスターに襲われていた。少なくともモンスターとは別の存在であり。こいつがモンスターならとっくに俺を襲って俺に斬られているはずだが?」
「た、確かに・・・」
「しかもなんだがか、テイムしたかのように懐いていますね?」
「まだ幼いだけだ。おそらくは最近生まれたばかりなのだろう。ここへおいてもモンスターに襲われるだけだ。こちらで身を引き取って保護し、これからこいつの仲間を探す」
「正気で言っているんですか!?ジーク様!?」
「モンスターを保護なんてしたら、他のファミリアが黙っておかねえぞ!?」
「ファミリアに文句があるなら、そのファミリアを消せばいい。俺には関係ないからな。そのファミリアがどうなろうと」
「いくらジーク様が心を失っているからと言って・・・モンスターを匿うなんて・・・」
「おい、文句でもあるのか?」
「「「「「っ!?」」」」」
俺はまたも竜眼になって、意見してくるベル達を睨んだ。屁理屈を何度も言うなら、団長の指示が聞けないなら、仲間に威圧をかけて口封じする。仲間に対してする行為ではないが、正直『俺個人』としては気に食わない言葉だったため、俺は威嚇をする
「ジ、ジークさん!?」
「な・・・な・・・なんですかその眼!?」
「お・・おい・・・なんだその睨みは!?」
「ジーク殿が・・・なんだか怖い!?・・・まるで竜に睨まれているようで!?」
「体の震えが止まらない!?・・・ジーク様・・・貴方は一体!?」
「団長の命令だ。黙って言うことを聞け」
「「「「「は、はい・・・・・」」」」」
「ジーク?」
「心配するな。お前は俺がなんとかする。言われた通りにしろ。いいな」
「う、うん」
そうして俺はベル達に無理矢理脅しを入れて言うことを聞かせた
こればかりは仲間であろうと文句を言わせない。こいつが『あいつ』に似ているせいで無気になって俺はベル達を睨んでしまったが、それでも後悔はなく、仲間であろうと俺の決めたことに指図は入れさせないと。俺は彼らを脅してしまった
もちろんベル達全員腰を抜かした。先ほどリリルカもヴェルフも命も武器を持っていたのに、今では手が震え足が震えたりなど。体がまともに動けなかった。俺の威圧だけで今立っている地面にもヒビが入っており、若干俺の体から黒い霧のようなオーラが出ていた
「責任は全て俺が取る。お前達は少し手伝いをしてくれればそれでいい」
「そ、そうですか・・・・その子はしばらく僕らのホームで引き取るんですか?」
「ああ。その前にお前。手を出せ」
「ん?」
「爪が長い。それでは他人を引っ掻くぞ。短くさせて貰うからそのまま動くな」
カギ爪のように長い竜女の爪を短くする。他人を引っ掻くとかなり深く抉られるとまずいと感じて、パンドラボックスから爪切りと爪やすりで短くする。行動を共にするなら、彼女の体に相手を傷つける凶器を削ってベル達に危害を加えないようにする
更に、子守が必要だと思い。ルーン文字を描いて地面に投げてウンディーネを召喚する
「ウンディーネ!召喚!」
『はい。お呼びでしょうか?主様』
「ダンジョンでアナザーモンスターを発見した。しばらく子守を頼みたい」
『っ!?この竜女がですか?』
「ああ。どうやらダンジョンが生み出したらしい。しばらくホームで保護し引き取るから、面倒を見て欲しい」
『その後、私たちの故郷に移住させますか?』
「いや・・・・そうしたいのは山々だが、まだ他にもアナザーモンスターが居るかもしれない」
「「「「「え!?」」」」」
『え!?まだ他にも居ますか?』
「まだ俺の感知に反応していないが、以前ギルドに聞いたことがある。ヴェルフ?覚えているか?以前ギルドに報告書を送った時に、掲示板に『武器を持つモンスター』が発見されたと?」
「あ、確かに!?前にギルドの掲示板にマジで冒険者が持つを武器を所持するモンスターが発見されたって書いてあったな」
「もしかしたら、この竜女だけではなく、まだダンジョンの奥にもアナザーモンスターが居るかもしれない。とにかくひとまずはこいつをホームで保護する。問題が怒れば俺が斬り捨てるから心配するな」
「いや、サラッと邪魔者を排除すると言わないでください」
こうして俺たちはこの竜女を保護した。
無論ここに置いておけば野生のモンスターに殺されるだろう。だからこちらで保護するしかない、まさかダンジョンがこのような異常事態を起こすモンスターを襲うとは思ってもいなかった。オラリオだけだと思っていた。どうやらこんな異端なモンスターも産めるようだ
しかもまだダンジョンの奥にこいつ以外のアナザーモンスターも居るかもしれないと。ウンディーネの提案はしばらく見送りにする。
それに
「・・・・・・・」
「ん?どうかしましたかジーク様?上のクリスタルなんか見て?」
「いや・・・・・なんでもない」
俺は突然上のクリスタルを見た。その理由はどうやら他の者にマジックアイテムで見られている視線に気づき、それが誰が見ているのかも分かった。もしかしたら、このアナザーモンスターのことを知っているかもしれないと。あとで問い詰めることにする
まさか『あいつら』が、これを見ているとはな。やはりダンジョンを管理していることだけはあるようだと思った
「なんだって!?言葉を喋るモンスター!?」
『はい。私たちの故郷ではそれをアナザーモンスターと呼んでいます。オラリオの外でも喋るモンスターは実在するんですよ?おそらくダンジョンが初めてなだけだと思います』
「まさか・・・・・この竜女がねえ」
『でも珍しいですね?竜女のアナザーモンスターとは、故郷に住む『ズメイ様』だけかと思っていましたが、それも竜殺しである主様が敵である竜を保護するとは』
「こいつはズメイとよく似ている。だからなのかどうしても保護してしまう」
『お兄様体質になりましたね。主様』
「遺憾ながらな」
ホームに帰ってヘスティアに報告した。無論驚きの連発である。当然ではあるが、それでもヘスティアはベル達とは違ってすぐに理解して受けいれるのは難しいが、敵対はしてないようだ。
ウンディーネもこの竜女のことについて説明をする。確かにこの竜女は俺の『義妹であるズメイ』に似ている。同じ竜女だからなのか、妹として兄になったように俺は彼女を助けてしまった。
その言葉にベル達は反応した
「ジークさん?貴方の故郷にもこんなモンスターが?」
「ああ。俺の故郷はヒューマンの住まう都市でもあるのだが。パルゥムとドワーフと精霊、そしてこの人のように知性を持ち、言語を話すアナザーモンスターと共に暮らしている。俺の父が難民でもあった者達や住う故郷を無くした者達を匿った結果、多種族の都市を俺たちは気づき上げた。俺からすればこのモンスターは保護対象で、決して殺したりはしない。人を襲うなら話は別だがな」
「人間とモンスターが共に暮らせる都市」
「そんなことを聞いたことがねえぞ」
「リリもです。そんな都市聞いたことも」
『私たちの故郷は北にあるべオル山地よりも遥か遠い北の果てにあるため、地図にも載ってない場所ですし、たどり着くにしても険しい道と危ない場所ばかりで、主みたいに旅に慣れて尚且つ自分の命に保証がある強者でない限り辿り着けない場所です。無論詳細は事情によりそこまでしか説明しません』
「ではこのモンスターはジーク殿の故郷で保護されるのですか?」
「ですが、先ほど、この方以外の他のモンスターが居ると言っていましたが」
「ああ。もしかしたらその可能性は高い。もしその者達が対話して俺たちの話を聞き、この提案に乗ればいいのだが、もしそうではない場合もある。それを調べてから俺の故郷に移住させようと思う。これについてヘスティアは何か問題はあるか?」
「僕はいいかな。僕たちを襲うどころか僕らを見て怯えているみたいだし、全然ウンディーネ君と春姫君から離れようとしないしね。しばらくはここで保護しようか」
「いいのですか?ヘスティア様?」
「いいさ。こうして見ると全然人を襲うような子にも見えないしね。サポーター君は不満かい?」
「ま、まあ・・・・モンスターですしね」
『リリルカさん、確かにモンスターは我々の敵でありますが、こうして喋れるモンスターなら被害はありませんし、喋れたとしてもモンスターなら排除すべきだと言うなら、私やサラマンダーやノームだって、姿はモンスターですよ?私たちを受け入れてこのモンスターを否定するのは矛盾だと思いませんか?』
「それは・・・ウンディーネ様は精霊であって」
『リリルカ様。私たち精霊は人の姿ではなくモンスターの姿をした精霊も中には居ます。我々が人に姿を現さないのは化け物だと。排除されるから姿を見せないのです。ですから主さまのお父様はとても心が広く、争いを起こさない平和を求める者にはそれなりの移住を私たちに提供してくれたのです。例えモンスターの姿をした精霊もですよ?襲わないモンスターなら安心できるのはないですか?』
「うう・・・わかりました。リリもこの提案を引き受けます」
「すまないな。だがリリルカが疑うのは当然だ。こんな奴が他のファミリアで見つけたら即排除だからな。対話なんて野蛮なあの下等生物がこのモンスターにするわけないだろう。口と言うものがありなら喋ることもできないとは愚かな」
「ジーク。お前なんか最近口が悪くなってねえか?」
「事実だ。あんな下等生物共に、俺はなんの情も湧かないからな」
「ジーク君・・・・・・」
こうしてこの竜女を保護することには決まった
無論他のファミリアにも言わないで、俺たちのファミリアで内密にすることになった。だからこの竜女のことはこのホーム内だけにし、絶対に外に出さないように皆に指示した
他のファミリアに見つかったら即排除されるのを阻止するためである。判断もせずにこの弱った者を切り捨てる意味がわからないと、俺は他のファミリアと市民に呆れていた。その呆れた言葉を聞いて、口が悪いと注意するが、事実だからこそ。俺は先ほどの暴言を撤回はしなかった
だが最近、考えることが悪く。先ほども言うことを聞かない仲間を脅すなどをしたりと。最近は俺はやけに人に対して冷たく。人間とは言わずに下等生物だと。醜い生き物だと見下していた
その言葉に薄々と俺の異変に気づいてきたヘスティア。どうやら俺が段々とんでもない心をするようにもなったと、どんどん俺が化け物になっていると分かった
「そ、それで・・・・・・この子の名前は?」
「名前・・・・・ジーク」
『それは主様ですよ?』
「やはり名前はないようだな・・・・・・・じゃあウィーネだ」
「ウィーネ?・・・・ウィーネ!!!」
「ウィーネ君ね。でもどうして?その名前に?」
「ある精霊の名前を略した名前だ」
『もしやウィルジーネですか?主?見た目はそっくりからと?』
「ああ。ちょうどいいと思ってな」
「あの英雄譚の精霊様の」
「かなり気取っていますね?」
「ないよりはマシだ」
こうしてこの竜女をウィーネと俺は名付けた
ウィルジーネと言うある精霊が居るのだが、奴も少女の姿をして、見た目が似ているからと、その名前を省略した名前をつけた。いつまでも竜女と言う種族の名前で呼んでも仕方ないと。俺は名前をつけた
「それでこれからの話をする。保護したのはいいが、その前にいろんな情報収集をする。こいつ以外のアナザーモンスターの情報がないか、他のファミリアや友人でも構わないから聞き出してほしい」
「それでから行動を起こすんですね?」
「ああ。他にもダンジョンでアナザーモンスターが居る可能性が高い。ギルドにもそれらしい情報があるようだしな」
「大きな問題に口を出してしまったもんだな」
「それとヘルメスにもそのファミリアには絶対にこの事を話すな。聞き出す必要もない」
「「「「「っ!?」」」」」」
『どうしてヘルメス・ファミリアにはその情報を聞くなと言うのですか?主?』
「最近ヘルメス・ファミリアがモンスターの密輸を調べているらしく、ウラノスの依頼により、情報をかき集めている」
「どうしてウラノスが!?」
「ヘルメスは理由あってウラノスと手を組んでいるらしい。リリルカとヴェルフなら知っていると思うが、イケロス・ファミリアを知っているか?」
「「イケロス・ファミリア!?」」
「そいつらが最近ダンジョンで捕まえたモンスターを密輸しているのが分かった。もしウィーネのことがヘルメスにも知られたら、情報が回りイケロスにも知られる。そいつらがこいつを狙う前にヘルメスには決して情報を聞かないようにも言わないようにもしろ。馬鹿な性格はしているが、考えることはフィンと同じくらい鋭いからな」
「あのイケロスがそんな事をしているのか、胡散臭い性格しているくせに」
「リリ?ヴェルフ?イケロス・ファミリアって?」
「イヴィルスに近いファミリアです、ダンジョンで捕まえたモンスターをオラリオ外の他国で売却するファミリアです」
「言うならモンスターの密輸をして活動するファミリアだ」
「モンスターを密輸する!?」
「オラリオの外での国でモンスターを買う人が居るんですか?」
「モンスターと出会さない国で見世物にしたり、珍しいからコレクションにする貴族など。人類の敵とも言えるモンスターをそんな人形のように欲しがる人が、他国には居る。実は先ほどこいつに出会った後に、副団長のグランと19階層で出会した」
「っ!?居たんですか!?イケロス・ファミリアが!?」
「今ギルドのペナルティを受けているはずだろ?」
「どうせ無視をしているに違いない。でなければモンスターの密輸など、争いの種をばら撒く程に違法だからな。しかもその時に『竜女を見なかったか?』と言われた」
「っ!?てことはこのウィーネ殿を知っているって事ですか!?」
「おそらくはな。喋るモンスターなんて、しかも竜女と言う希少種だ。狂った奴なら欲しがるはずだ」
「確かにダンジョンでも珍しいですからね。竜女は」
「ではヘルメス・ファリアとイケロス・ファミリアには聞かないようにすればいいですね?主神も含めて」
「ああ。神は嘘を見抜ける。だから逃げてもいいから出会うな。それとロキ・ファミリアにも話すな」
「え?どうしてアイズさん達が?」
「上級ファミリアがそんな事を許すわけがないですからね。特に剣姫は・・・・・モンスターを徹底的に倒す人ですからね」
「ああ。こんなことはタダでさえ自分のファミリアの立場も危うくなる問題だ。それを内密にやり、ロキやヘルメスやイケロスのファミリアに悟られないように聞き込みを頼みたい」
イケロスとヘルメスとロキのファミリアは聞いてはならない
イケロスはウィーネを捕らえるハンターであり、ヘルメスは情報操作、ロキはそのモンスターの排除。どっちにしても頼ることができないファミリアだ。絶対にウィーネを事を知られないようにと全員に頼む
今回は俺の頼みとは言え、個人的な事を頼んで迷惑をかけている自覚はあるが、今まで散々仲間のわがままを聞いて助けてきたのだから
今回は俺のワガママに付き合って貰う事にする