ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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真相を知る神と喋るモンスターの実在

 

「やはりダンジョンで武器を盗むモンスターが多発しているのか。エイナ」

 

「うん、これで13件目。ここ最近でそれが出ているよ」

 

 

俺は一人でギルド本部に来ている。ウィーネはホームに置いてきた。もちろん俺と一緒に行くと聞かなくて、春姫とウィーネとベルに任せた。ヴェルフはヘファイストスの所へ、ヘスティアはミアハの薬浦。命はタケミカヅチの所へ、リリルカはエルフに変身してとある酒場と。皆それぞれの場所で情報収集を始めている

 

そして俺も、ギルド本部にてエイナからそれらしい情報を聞いている

 

 

「それでその発見した階層はどの辺りだ?」

 

「19階層だよ。最近そこばかりが冒険者の武器を盗まれる事件が多発していると報告が来ているわ」

 

「死んだ冒険者から奪ったか、休憩している間に気絶させられて武器を奪われるケースもあり得るしな」

 

「ジーク達は昨日その辺りまで探索していたよね?何か見ていない?」

 

「それは見ていないが、ただ別の報告がある」

 

「何?」

 

 

「最近その付近の階層でイケロス・ファミリアの冒険者が彷徨いている」

 

「どうしてイケロス・ファミリアが!?」

 

 

俺は『ワザと』イケロス・ファミリアのことを報告した。イケロス・ファミリアは今でもギルドからでもいくつかのペナルティがあるため、若干犯罪派閥として扱っているため。ワザと報告して、更にペナルティを加算させようと、奴らの動きを封じようとしていた

 

とは言っても、無視しているくらいだから、無駄だとは思うが。念のために報告する

 

 

「エイナも知っていると思うが、イケロス・ファミリアはモンスターの密輸をして活動している」

 

「でもそれはペナルティで、もう処罰は下っていて・・・」

 

「無視しているに決まっているだろう。だからギルドの換金は頼らずに、ダンジョンで捕獲したモンスターをオラリオの外で売り捌いているのさ」

 

「まだそんなことをしていたなんて」

 

「念のために、それを上の連中にも報告して欲しい。俺たちに取っても厄介な存在だからな」

 

「うん。分かった。ギルド班長や議長にも報告するよ」

 

 

ワザと報告してみたが、やはりギルドからでもイケロス・ファミリアがダンジョンに密かに潜っていることは知らなかったようだ。確かイケロス・ファミリアの団長はあの『ディックス・ペルディクス』。あの奇人ダイダロスの子孫。おそらくクノッソスを使ってダンジョンに入っているのだと推測した

 

 

「聞きたいことはもう全部聞いた。報告も全部出した。悪いがもう俺はこれで失礼する」

 

「うん。あ!ジーク!出口はそっちじゃないよ!」

 

「ウラノスの所へ行く。奴に聞きたいことがある」

 

「え!?ウラノス様の所に!?」

 

「ああ」

 

 

今度はウラノスの所へ行く。『昨日を覗いた件』について、話を聞かせて貰おうとギルド本部の地下のルームに続く廊下へと歩く。覗いていたのはフェルズだと思うが、とにかくあの二人は何か知っているのではないのかと。俺は奥へと行く

 

 

「ジーク!流石にそれはまずいよ!ウラノス様に会いに行くのは!」

 

「何が問題でも?単に話をするだけだ。前にだって何度か俺とヘスティアであのウラノスの所へ行った。エイナ。そこをどけ」

 

「で、でも!流石にウラノス様も・・・英雄だからとジークをウラノス様のところへ行かせるのは・・・・」

 

 

 

『良い。エイナ・チュール。ジーク・フリードを通せ』

 

 

「っ!?ウラノス様!?」

 

 

ウラノスの所に行くことは神ではない限りはあまりギルドには許されていないようだ。だがその前にウラノスが壁に伝わる放送なのか、ウラノスの声が遠くから聞こえた。ウラノスは俺を通していいと。どうやら俺が昨日の事について気づいていると分かっているようで、俺をなんの許可もなく通すことを許した

 

 

「ではエイナ。イケロス・ファミリアの件。報告を頼むぞ」

 

「う、うん」

 

 

そうしてエイナに仕事を任せて別れた。そしてギルド本部の室内の奥に進むと、地下に続く廊下を見つけ、俺はその地下へとどんどん足を踏み入れる

 

そして着いた先に

 

玉座のような椅子に座るウラノスとその前に黒いローブを着たフェルズが居た

 

 

「なにようか?ジーク・フリードよ?」

 

「我々に何か?」

 

 

「フェルズ。お前が俺の前で姿を表すのであれば分かっているのだろう?俺が昨日お前らがマジックアイテムの水晶で、18階層で『喋るモンスター』を保護しているところを目撃していると?」

 

 

「っ!?やはり私の視線に気づいていたようだ。ウラノス」

 

「ふむ、流石はトールの息子と言うことか」

 

 

「俺も錬金術師だ。水晶から見られる視線にも気づくこともできれば、そこに居るフェルズが『不死の秘宝を生み出したことで、その代償として体の肉が腐り落ちて。骨だけの不老不死』になったこともな」

 

 

「な!?そこまで気づくとはな!?流石はあの豊穣の男神フレイの義弟であるわけだな」

 

「俺だって『賢者の石』を簡単に作れる。お前のことなど、全てお見通しだ」

 

「む!?賢者の石まで・・・・詳しく聞いてみたいが、今は違う話をしなくてはならないな」

 

「ああ、お前に『ゼノス』の話をしたい」

 

 

「ゼノス?あのアナザー・モンスター・・・・いや・・喋るモンスターのことか?」

 

 

「ああ。お前の故郷ではそう呼んでいるようだな?」

 

 

どうやらアナザーモンスターのことを知っているようだ。ウラノス達では『ゼノス』と呼んでいるらしい。ウィーネの存在を知っているようで驚いている様子もない。なにやら事情があるようだな。奴らの存在を知っていて今まで隠していたのなら

 

 

「彼女と言う種族は他にもダンジョンに居るのか?いつからダンジョンに現れた?そして何者だ?」

 

 

「いつダンジョンで生まれたかは私も知らない。だが、私とフェルズが見つけたのは、今からちょうど15年前だ」

 

 

「15年前・・・・・・ゼウスとヘラの眷属が黒竜に負けて、主神二人がオラリオに追い出された後にか?」

 

 

「ああ。確かにちょうどその時にフェルズがダンジョンで見つけ、彼らに保護と言う形で支援している」

 

 

「やはり他にも居たか。なぜギルドがそんなことをしている?それにこの事はフェルズ以外のギルド職員は知っているのか?」

 

 

「いや、これを知るのは私とフェルズ。そして・・・・・ヘルメスとガネーシャだ」

 

 

「っ!あの二人もウィーネの存在を知っているのか?ヘルメスはお前と手を組んでいる事だからそうだろうと思っていたが、まさか・・・あのガネーシャまで知っているとは意外だな」

 

 

まさか。ギルド職員が知らないのはそうだろうと思っていた。ただでさえウラノスの唯一の眷属であるフェルズの存在を知らない限りだ。エイナ達職員は知らなくて当然、ヘルメスはウラノスのなにやら手を組んでいることを知っているから、その繋がりでウィーネの存在を知っているのだろと、やはり情報収集を聞かなくても問題ないと思っていた

 

だが

 

まさかあんな至極単純のガネーシャが、ウィーネの存在を知っているとは思いもしなかった。まさか・・・・・となるとあのガネーシャ・ファミリアが主催する『モンスターフィリア』やテイムも含めて。まさかだと思い、話を続ける

 

 

「アナザーモンスター・・・・いや・・・・ゼノスはやはり人間の意志を持つモンスターだな?」

 

 

「ああ。私は彼を保護し。いつか人類とモンスターの共存を目指しているのだ」

 

 

「ほう・・・・・なら、それは俺に任せた方がいいな」

 

 

「なぜだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の故郷はとっくの昔から『モンスターと共存する土地』だからだ」

 

「「っ!?」」

 

 

まさかウラノスがアナザーモンスターの共存を望んでいると言っていた。今ではそれが望めず、なにより受け入れる人間は居ないと今まで諦めていたようだが、今回俺が出会したことで、その夢の実現の架け橋が見つけたと思い、俺にそう話したようだが

 

その件は俺の故郷に移住させれば実現すると。俺の故郷について率直な話を進める

 

 

「俺も喋るモンスターは初めてではない。俺の故郷は大昔から父達の先祖達が喋るモンスターを見つけ。彼らが争いではなく平和を求めた結果、俺たちはゼノスではなく、アナザーモンスターと呼び。俺の故郷では人間と同じ扱いにして、人権や住処を与え、共に働き、共に生き、共に暮らしている」

 

 

「まさか・・・・だがそんな場所は聞いたことがないぞ」

 

「ああ、私も聞いたことがない。そのお前の故郷はどこにある?」

 

 

「悪いが詳細は教えない。俺の故郷は人が欲しがるものばかりある土地で、誰か一人でも知ったらそれを欲しがって俺の故郷へ戦争をしてくると言う過去の経歴があるため、故郷の者ではない部外者が知ったら即殺すことをルールにしている。悪いが教える気はない。だが俺の仲間に頼んで故郷へ移住するための迎えを用意できる」

 

 

「本当か?」

 

「ジーク・フリード。それは本当に可能か?」

 

 

「ただし期間と保護する数による。俺の故郷はとてもここから遠く果てにあり、そこまでに辿り着くまでにとても困難な道がいくつもあり、俺でさえ精霊グリフォンで空を飛んでさえも命を守りながら二ヶ月も長く辿り着いたくらいだ。進むのはとても難しい。中には凶悪なモンスターや一歩踏み違えるだけで死ぬ自然災害もある。その保護者の数の護衛とその自然災害の運行による」

 

 

「お前はそんな遠い場所から来たと言うのか・・・・」

 

「それも険しい道と凶悪なモンスターが生息する土地もあると。確かにゼノス達を守りながら移動するのは難しいだろうな。それも一つの派閥を護衛に付けてもだ」

 

 

本当に俺の故郷は遠い

 

べオル山地だって集団行動するのも難しい険しい山。ドラゴンの住む多湖。嵐が起こる海洋。マイナス五十度のある氷河の海。ウィーネ一人ならともかく、これが数の多さなら、俺でも守りきれないし、爺さんのファミリアでも難しい。

 

まずはその他のゼノスの数を確認する

 

 

「フェルズ。そのゼノスの数は?」

 

 

「40体だ・・・・その中にはサイズの大きいドラゴンも居る」

 

「それだけ多くだと難しいか?」

 

 

「ああ。その数の多さではな。迎えを寄越してもそれまでの護衛は不可能だろう。せいぜい十人程度なら。それにそれまでどうやってダンジョンに出すのかも悩む。しばらくはダンジョンで住まわせるしかない。他のゼノスはどこに居る?」

 

 

「ダンジョン20階層だ」

 

 

「分かった。俺たちがウィーネを連れて先に行くから、その者達に連絡できるなら連絡しておけ、『竜の少女を連れて冒険者が来る』と」

 

 

「ああ。マジックアイテムで連絡できる物がある。それで連絡しよう」

 

 

「あとからヘスティアをここへ連れてくる。ガネーシャやヘルメスの件は彼女が聞く。その他の詳しい内容は彼女に聞かせるから、彼女に詳しく話せ。いいな?」

 

 

「分かった。だが敵として認識させないためにも、フェルズと共にダンジョンへ迎え」

 

 

「そのつもりだ。フェルズ。あとでダンジョンでな」

 

 

「ああ。了解した」

 

 

そうして俺はその他のゼノスを確認するために、俺たちは一度ホームに帰ってからダンジョンへ潜ると決めた。急な話ではあるが、俺は一刻も早く確認する必要があるのではないのかと、猶予がもしかしたら無いと予想する

 

もしもイケロス・ファミリアが奴らを見つけたら大変だからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあウラノスも知っているってことかい!?」

 

「ああ。しっかりと話を聞いた」

 

 

俺は一度ホームに戻って、ウラノスから聞いた情報を全てを俺はヘスティアに報告した。ヴェルフや命に聞いたが、他のファミリアにはそういう目撃情報はなかったようだ。リリルカはヘルメスの眷属であるルルネに偶然酒場で出会したようだが、奴らも喋るモンスターを探しているとのことで、それらしい情報は手に入らなかったが、跡を付けられそうになったからとマジックアイテムで匂いを消して逃げてきたとリリルカの報告があった

 

俺だけが唯一の情報を手に入れたことになる

 

 

「ゼノスと呼んでいるのですか?ウィーネ様を?」

 

「そうだ。どうやら全員20階層の隠れルームに居るらしい。四十体ほどな」

 

「四十体!?そんなに居るんですか!?」

 

「それも十五年前から!?」

 

『やはりまだ居たのですね。他の仲間が』

 

「しかも・・・・ヘルメス様とガネーシャ様が知っていたんですか!?」

 

 

「ああ。モンスター・フィリアもテイムも、これをガネーシャが始めたのはモンスターに対する人々の抵抗を緩和させるためだと。ウラノス自身が依頼したことらしい。だからガネーシャ本人もゼノスのことは知っている。その眷属に知っているかどうかは知らない」

 

 

「まさかあのガネーシャが、そんなことを・・・・」

 

「驚く気持ちはわかる。ダンジョンがなぜあいつらを産むのかもな」

 

「え?今ダンジョンでなにが起こっているのか分かったの?」

 

 

「ああ。それについてはウラノスが教えてくれる。とにかく全員支度しろ。今からダンジョンの20階層へ向かうぞ」

 

 

「え!?今からですか!?」

 

「ああ。ウラノスの眷属が同行する約束もしている。それに急がないと厄介な事になるかもしれない」

 

「イケロス・ファミリアですか?」

 

「ああ。奴らがウィーネ以外の仲間を見つけると、いずれウィーネも狙ってくる可能性が高くなる。他の仲間にも警戒したい。すぐに支度をして行くぞ。ヘスティアもウラノスの所へ」

 

「ジーク?お出かけ?」

 

「ああ。ウィーネ。そのローブを絶対に取らないようにしろ。いいな?」

 

「うん、分かった」

 

 

報告の全てをして。これからヘスティアは詳しく聞くためにウラノスの元へ。そして俺達はダンジョンへと向かい。20階層に他のゼノスが居ると。その仲間とやらを確認しにダンジョンへ向かう

 

無論、外に出る際もローブを取らないようにと俺はウィーネに言い聞かせる。まだウンディーネには同行して貰う。更にサラマンダー達を召喚して護衛をさらに強化して20階層に向かう

 

俺たちは先にダンジョンへ向かい。あとからヘスティアもウラノスへとホームを空けて、ウィーネ以外の仲間を確認しに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バベル内、ダンジョン入り口階段前で俺たちは一度足を止める。そこでフェルズと合流すると指示しており、その合流地点で待っているのだが、一向に姿が表さない

 

 

「ジーク様?そのフェルズって言うウラノス様の眷属様は・・・どちらに?」

 

「もすぐ来るはずだ」

 

 

「ジーク・フリード」

 

 

「来たか」

 

「うお!?いつの間に!?」

 

「どうやってここへ!?」

 

「落ち着け、この黒いローブを着ているのがフェルズだ。少し事情によりあまり姿を出さずに、今もこのローブで透明化して移動しているんだ」

 

 

「はじめまして神ヘスティアの子供達。私はフェルズ。そこに居るパルゥムは一度前に見ていると思うが、ウラノスの唯一の眷属にして魔術師だ。よろしく頼む」

 

 

「この人がウィーネ達、ゼノスを知っている方ですか?ジークさん?」

 

「ああ。レベルは4で、こいつはマジックアイテムでその他のゼノスと連絡を取り合っている。こいつに俺たちが来ることをあっちも連絡してあるから、20階層で待つように指示をされている。とにかく敵じゃないから安心しろ」

 

「でもあの神ウラノスに眷属なんて聞いたことがないぞ」

 

「顔を出さないのはどうしてですか?」

 

 

「それも事情でな。今は隠さないとならない。20階層に着いたら見せるから、それまではこのまま同行させてくれ」

 

 

「はあ・・・・わかりました」

 

『主・・・・この人』

 

「そういうことだウンディーネ。フェルズのことはあっちで説明するから今は詮索するな。とにかく20階層に行くぞ」

 

 

無事フェルズとも合流できた。いきなり出てきてびっくりしたと思うが。彼の事情により姿はまだ見せることはできずに、とにかくこのままフェルズの案内の元でダンジョン20階層へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、当然ダンジョンなのだから、16階層でモンスターにも出会う。

 

 

「ふ!」

 

「は!」

 

 

俺たちは途中で出会ったヘルハウンドやラミアに襲われているが、問題なく斬り捨てて前へと進む。いつもと同じダンジョン攻略で、いつも通りに向かってくるモンスターを蹴散らすのだが

 

 

「っ!ベル!行ったぞ!」

 

「・・・・・ぐ!」

 

「っ!ベル!!は!」

 

 

『ガアアアアアアアアア!?』

 

 

ラミア一匹がベルの方へと向かったが、ベルはそれに対抗できずに、まるでモンスターを斬るのを恐れているのか。武器を構えるだけで反撃はせずに防いでは後ろに吹き飛ばずなどをして。ここ階層に来るまでのモンスターを殺しすら一切しなくなっていた

 

代わりに俺が援護して斬りに行って、ラミアをバラバラにする

 

 

「ベル、しっかりしろ。あれは完全に敵のモンスターだ。ゼノスと一緒にするな。あいつもウィーネを襲うんだぞ。判断の気を緩めるな」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「仕方ありませんよジーク様。ウィーネ様を見ていると、リリも正直倒していいのか迷ってしまうのですから」

 

「ほう、ウィーネのことをあまり好きじゃないと言っていたお前が、やっとウィーネの肩を持つんだな?」

 

「それは・・・リリも・・・ウィーネ様のことがわかってきたので」

 

「それはなによりだ」

 

 

どうやらウィーネの存在を知って、更に関わってしまったことから、どうもモンスターは話せばわかる存在なのではないのかと、ベルとリリルカや春姫も含めてそう思っているらしい。残念ながら俺たちを襲うモンスターは違う。知性が無く完全に本能で俺たちを食すモンスターだ

 

 

『ベルよ。リリルカよ。お前達を襲うモンスターは敵だと思え。あれは我ら精霊でも敵だぞ?』

 

「サラマンダーさん」

 

『サラマンダーさんの言う通りです。判断を見極めるのはとても難しいかもしれませんが、あなた達を襲うのは全員敵だと思ってください。でなければやられますよ?』

 

「ノーム様・・・・」

 

 

「その精霊達の言う通りだ。ゼノス達を受け入れてくれるのは我々にとってありがたいが、それでも今のは敵だ。臆することなく倒すんだ」

 

「ベル。モンスターを倒すことを躊躇うな。ウィーネ達に気を遣う気持ちはわかるがそれでも斬るんだ。わかったな」

 

「は、はい!!」

 

 

いきなりウィーネと言う、争わなくてもいい存在と出会うとその他までそう思ってしまうだろう。だがその他は残念ながら違う。壁から生まれるモンスターは本物の敵であり、切らなければ死ぬと。精霊であるサラマンダーやノームやフェルズでさえ、判断を見極めろと言う

 

別に難しく考える必要はない。単に襲う者を倒せばいいだけだと、簡単な見分け方をサラマンダーとノームが教えた

 

リリルカや春姫はともかく、優しすぎるベルにしては難しい課題だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして18階層を超えて、20階層に着いた

 

とあるルームに着くと、茂みに付いた洞窟に着く。床には花が咲いており、壁には鉱石のような物が埋まっている。だが先は壁で埋まっている

 

 

「ここでいいのか?フェルズ?」

 

「ああ。聞こえないか?歌が?」

 

 

「♫〜〜〜♪」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「ああ。聞こえる。セイレーンの歌声だな」

 

『セイレーンのアナザーモンスターが居るようですね?』

 

「ジーク。あのデカイ鉱石から聞こえるよ?なんか・・・・・私を呼んでいるみたい」

 

「なるほど、これが『扉』か」

 

 

突然奥から歌声が聞こえた。これはセイレーンの歌声、その歌声は目の前にある人が入れる程の大きな鉱石。そこから歌声がするとウィーネが教えてくれた。おそらくモンスターが出てこない『セーフティ・ルーム』に移動しながら生息しているのだと、理解した

 

そして俺はその鉱石をグラムで壊す

 

すると

 

 

「中に入り口が!?」

 

「やはり『セーフティ・ルーム』か、まさか20階層にあるとはな」

 

「セーフティ・ルーム?」

 

「モンスターが出てこないのは18階層だけではない。ある階層の中にはモンスターが出ないルームもある。それをセーフティ・ルームと呼ぶ」

 

「滅多に無いがな。こんな場所は」

 

「そして奥に無数のモンスターの気配がする」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

『ええ。かなり居ますね』

 

『我々の気配でもわかるぞ。リザードマンやハーピィにオークに、ユニコーンまで、多数のモンスターが奥に居ます。主』

 

「入るぞ」

 

 

中に入ると、17階層に並に広い洞窟だった。これならドラゴン何匹か入るルームだ。そこから他種族のモンスターの気配を俺とサラマンダー達精霊が感知した。命も感知できるのだが、気配には気づかず、どうやら相手は自分の気配を消す程の知能を持っているようだ

 

だが中は暗くて前は見えない。フェルズと俺で先導して中に入る。そしてフェルズが大きな声でこのルームに潜むゼノスを呼ぶ

 

 

「リド!グロス!レイ!私だ!フェルズだ!お前達の同胞を保護していた冒険者達を連れて来たぞ!」

 

「リリルカ、『明かり粉』だ」

 

「はい!えい!」

 

 

あまりに周りが暗いため、俺はリリルカの明かりを粉を撒くように指示した。明かり粉を周りに巻けばしばらくはその巻かれた所を明るくしてくれる

 

そしてその粉をばら撒くと

 

 

 

目の前にリザードマンを先導に、いろんな種族のモンスターが『武器を持って』そのリザードマンの後ろに立ち塞がっていた。上層から深層に出てくるモンスターも居る。あの48階層のフォモールまで

 

全員武装をしている。おそらく死んだ冒険者からか逃げて置いて行った者達から盗んだ物だとわかった。そして今俺の目の前に居る二刀流のリザードマンは、エイナが見せた。武装をしたモンスターの絵そのもの。間違いなく今ギルドを騒がせているのはこいつらだと思った

 

 

「リド!連れて来たぞ。彼がジーク・フリードだ。彼女を保護していた」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「リド?」

 

「・・・・・・」

 

 

フェルズがリドと言うリザードマンに声を掛けるが返事がない。まさか敵としてまだ警戒しているのではないかと思い。俺はマントの中でルーン文字を描いた

 

もしかしたらのために、そして

 

 

「グウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

「リド!?何をする!?」

 

「襲って来ますよ!?」

 

「ジーク!!」

 

『主!!』

 

 

突然、リドと言うリザードマンは突然吠えて俺たちを襲い掛かり飛んで来る。それだけでなく、他の周りにも居るモンスターまで襲ってこようとする

 

そのもしかしてが俺の予想通りと言う事で

 

 

「ニブルヘイム。グレイプニル」

 

 

ピキピキ!!ピキ!!

 

ジャラ!!ジャラ!!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

いきなり飛んできたゼノス達を俺はマントで隠し描いてたルーン文字とグレイプニルを地面と空にばら撒いて、俺たち前から全ての地面を凍らせ、歩く者達の足を凍らせる。空を飛んでいるヒッポグリフやハーピィやガーゴルなどは全てグレイプニルの鎖に体全体を巻き付けられて地面に落ちて倒れてしまう

 

こんな事もあろうかとニブルヘイムのルーン文字を描いて待機していた

 

 

「な!?ジークさん!?」

 

「お前いつの間にニブルヘイムの描写を!?」

 

「念のためにな」

 

「リド!!これはどういうことだ!?説明しろ!!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「答えないか、フェルズ。敵としてこいつらを殺させて貰う」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

「俺はウィーネの仲間だと思っていたのだが、先ほどウィーネを狙おうとしていた。敵として判断し、殺させて貰う」

 

「待て!?早まるなジーク・フリード!?話せばわかる!!」

 

「いきなり対話もせずに殺しに来る者など。慈悲など必要なし」

 

 

いきなり襲って来たこいつらなど知ったことかと。俺はグラムを取り出して手始めに目の前に居るリザードマンを手に掛ける。足は凍っていて、両手は鎖で縛られて身動きは取れない。今なら殺せると俺はグラムを上に上げる

 

もはやフェルズの言葉など、俺は耳を貸さずに。ウィーネの仲間だとがっかりした俺はこいつらを殺すことしか判断しなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わあああああ!!!わああああ!!待ってくれ!待ってくれ!!ジークっち!!!」

 

 

 

「!」

 

「「「「「「リザードマンが喋った!?」」」」」

 

『主!待ってください!』

 

『どうやら敵対したわけじゃないようです!』

 

「リド。なぜ私たちを襲う?」

 

 

突然リザードマンは待ったと叫び声を出した。さっきまでは獣の咆哮しかしなかったと言うのに、その他も足が凍ったモンスターは武器を捨てて両手を上げたり。グレイプニルに縛られている者は尻尾でフリフリと揺らして降参の合図をしていた

 

どうやら襲おうとしたのは理由があると。俺はリザードマンに聞く

 

 

「なぜ俺たちを襲おうとした?まさか本当に俺たちがウィーネを庇っているのかどうか、ウィーネをワザと狙って守るか逃げるのか、確かめるためか?」

 

 

「正解!流石は英雄様だぜ!いきなり襲ったりして悪かったな?あそこに居るガーゴイルのグロスって奴がな、どうしてもお前らが俺たちの同胞を本当に保護しているのか、疑っているから確認するべきだとうるさくて、一度踊って確かめようとあいつが言うからやったんだ」

 

「ふん。当然だろう」

 

 

「やはりグロスの仕業か」

 

「だがあのグロスの言う通りだ。お前達からすれば俺たちは相容れぬ存在、本来なら敵対して当然だ。だからその程度の確認は必要で襲ったのも納得した」

 

 

「ああ。最初からお前らを殺す気なんて無いからな。とは言っても英雄様に手も足も出なかったけどな。いや〜〜〜〜流石はフェルズが言っていた雷帝様だぜ!」

 

 

「俺のことは聞いているようだな。魔法と鎖は解こう」

 

 

俺たちを一度襲って来た理由は納得した。どうやら敵対してはおらず。本当に自分たちが味方なのかを確認するためにウィーネを襲い。保護した同胞を守るのか確認するための演技だったらしい

 

会話も普通に人間と変わりない、むしろ人間より礼儀正しい。敵ではないと判断した俺は、ニブルヘイムを少しムスペルヘイムで燃やして溶かす。グレイプニルも蛇のようにうねって移動するように俺の腰に戻ってくる

 

 

「聞こう。お前達がゼノスでいいな?」

 

 

「はい。私たちがゼノスです」

 

 

「っ!」

 

「空からセイレーンが!?」

 

「お前か。先ほど歌を歌っていたのは?」

 

 

「はい。居場所を知らせるために歌いました。私はレイ。よろしくお願いします」

 

 

突然岩の柱の上から普通の色とは違う緑色のセイレーンが出てくる。先ほどあの綺麗な歌声をしていたのは間違いなくこいつだろうとわかった。流石はセイレーンだと思った。どうやらこのセイレーンとリザードマン。少し離れたガーゴイルがこのゼノスのまとめ役だと認識した

 

敵じゃないことがわかったため、俺から自己紹介を始める

 

 

「ジーク・フリードだ。ヘスティア・ファミリア団長にして、皆の言う英雄と呼ばれた雷帝だ。ここに居る竜の少女を保護し、そしてその他の獣のような姿をした精霊を配下にする精霊召喚師だ」

 

 

「うお!?そこに居るのモンスターじゃなくて精霊!?」

 

「この火のトカゲのような者がですか!?」

 

 

「ああ。お前達、自己紹介しろ。ベル達もだ。ウィーネも」

 

「は、はい!」

 

「う、うん!」

 

『火の大精霊サラマンダーだ。トカゲのような姿をしているが、よろしく頼む』

 

『私は人の姿をして居ますが、水の大精霊ウンディーネです』

 

『私も人の姿で、土の大精霊ノームです』


『そこに居るヒッポグリフと姿が少し異なるのですが。空の精霊グリフォンです』

 

『馬の姿をした。林の精霊グラニでございます』

 

「私は・・・その・・・竜の少女・・・ウィーネ!!!」

 

「僕はベル・クラネスで、ヘスティア・ファミリア副団長です!」

 

「ヴェルフ・クロッゾだ・・・よ・・・よろしく」

 

「リリルカ・アーデです」

 

「ヤマト・命です」

 

「サンジョノ・春姫です」

 

「以上が、ウィーネ以外の俺の仲間であるヘスティア・ファミリアだ。よろしく頼む」

 

 

「彼らがお前達の同胞を19階層で保護してくれた」

 

 

「そうか、本当にありがとうな。じゃあ俺っちも自己紹介だ!俺はリド!リザードマンだ!」

 

「先ほどもしたのですが、もう一度、私がレイです。ほら貴方も」

 

「・・・・・・・・・・ガーゴイルのグロスだ」

 

「私はフィア!ハーピィだけどよろしくね!」

 

「アラクネのラーニェ」

 

「フォモールの・・フォー」

 

「・・・・・・・・」

 

「彼は話すことはできませんが、ウォーシャドウのオードです」

 

「コクコク」←(頭で頷いている)

 

「カア!カア!」

 

「レッドキャップのレットです!よろしくお願いします!」

 

「きゅう!きゅう!!」

 

「がう!がう!」

 

「私はラミアのラウラ。よろしくね?冒険者達」

 

 

「ああ・・・・・なんか話してみて・・・普通にいい人たちですね?」

 

「ええ。なんか喋れないモンスターたちも居ますようですけど」

 

「時計の首飾りをしたアルミラージがアルル。リボンをしたヘルハウンドがヘルガ。ヒッポグリフがクリフだそうだ」

 

「言葉がわかるんですか!?ジーク様!?」

 

「ああ。故郷にも喋れないアナザーモンスターが居るからな、故郷で学習して覚えた。鳴き声で大体わかる。普通のモンスターみたいに叫び声はしていない」

 

 

「まあ全員自己紹介するとキリがねえから。とりあえずよろしくな?ジークっち」

 

「ああ。俺たちの友人になるなら、よろしく頼む」

 

 

そうしてリドはある程度のメンバーを自己紹介をした後に、手を出して握手を求めた。普通の人間なら拒むだろう。だが俺はそれに否定することなく、その差し出して来たリドの手を俺は握って、握手をした

 

 

「まったく・・・・いきなり驚かせたりなどをしおって」

 

「悪いなフェルズ。確認のためにどうしてもな」

 

 

「では友好関係を結べたと言うことで、詳しくお前達の話を聞かせて欲しい・・・・・・・・夕食を食いながらで」

 

 

友好関係を結べた俺たちは、今ここで夕食を食べながら話そうと。俺はパンドラボックスから食材を出したりと飲み物を出したりなどを出して。豪勢に行く

 

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