俺とサラマンダー達は故郷でリド達と言う喋るモンスターと言うアナザーモンスターと共に暮らしているため、初めてではないからと俺とサラマンダー達が普通に馴れ合っているのだが、やはりベル達からすればこんな喋るモンスターが居るなど信じられずに、今も現実が受け入れられずに呆然したりと。少し遠慮するように体を固まっていた
「では我ジーク・フリードが言わせて貰おう!我々ヘスティア・ファミリアと!喋るモンスターと言うウィーネの仲間であるゼノス達と友好関係を結べた今日を祝って!乾杯!!!」
「「「「「乾杯!!!」」」」
『『『『『乾杯!!!』』』』』
「「「「「か・・・・・乾杯」」」」」
そうして俺が率先して音頭を掛けるようにして、友情関係を結べた祝いとしての祝杯をする。リド達ゼノスやサラマンダー達精霊は普通に祝杯をしているのだが、やはり周りが喋れるとは言えモンスターなのか、ぎこちない返事で祝杯する
グラスを当てても。どう反応すればいいのか、わからないのか、ヴェルフ達はその場の雰囲気に合わせていた
「どうした?こいつらもサラマンダー達のように振る舞えばいい。緊張する必要はないぞ?」
「え、ええ・・・・まあ・・・・」
「いや・・・ジーク・・・お前は故郷にもこいつらが居るから、慣れてるから言うのかもしれねえけどな」
「リリ達からすれば。信じられない光景なんですよ」
「ああ・・・・・・やっぱり俺っち存在が信じられないか?リリッち」
「リリッち!?」
「すまないリド。だがお互い様だと理解して欲しい」
「お互い様?」
「お前達もここ最近冒険者に襲われるだろう?レイ?」
「ま、まあ・・・・・そ・・そうですね」
「冒険者はモンスターが敵、ゼノスはモンスターも敵で冒険者も敵、我々冒険者はモンスターが敵だ。そんな奴らが当たり前に敵だったんだ。本能のままに動くモンスターをな。だから喋るモンスターが居るなど信じられない。だがゼノス達も同じ立場だ。モンスターだモンスターだと喋って対話を求めているのに獣だと斬り殺しに来る。そんなことがあれば我々人間を信用することは難しい。我々も姿はモンスターだが喋れるとは言え信用できるかはわからない。過去に酷いことをされて来た存在が信用できるか、その確認のためにお前達は一度襲ってきた?そうだろう?そこに居るグロスとやら?」
「そうだな、ジーク・フリード。貴様は他の人間達より物分かりがいいな?」
「謙遜として受け取らせて貰う。だから・・・・・・ベル達はどうやったら彼らを信用する?」
「え?そ、それは・・・・・・」
「グロス?お前は俺たちが信用ならないと言った。ではお前はどうやったら我々を味方として受け入れてくれる?」
「・・・・・・そ・・・・それは」
「それがこの・・・・・『人種差別』と言う争いの原因だ」
「「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」
人種差別
俺がフレイ・ファミリアに所属してからその問題を解決してきた。最大の問題にして最大の敵。人種的偏見によってある固定の人種を差別すること。人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、文化的その他あらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び、基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの
この問題を俺がオラリオの外にある他国で何度も解決し、何度も救ってきた。中には完全に解決できずに殺しをしてわからせた国もある
俺は今回の件は。その下界の社会問題だと言った
「人々はモンスターと長年戦い続けた。本能に生きるモンスターにとって俺たちは食いものでしかない。だから自分の命を守るために今まで散々敵として斬ってきた。それがやがてゼノスと言う異端なる怪物でも、受け入れ難いのが我々人であり、例え人が持つ心を持っていても。姿がモンスターであるなら斬るのみと、姿が自分たちと異なりモンスターの姿をしているなら否定する」
「それは・・・・確かにそうですね。ジーク様の言う通りだと、リリも思います」
「だがゼノス達は対話を求め、自分たちは姿はモンスターであっても心を持っていて話すことができると。今俺たちのように話を聞いてくれる心の広い者であるなら、こんなふうに争いを起こさずに一緒に食事はできるが、そうではなく闘争心を持つ冒険者は絶対に認めるわけにはいかないと。危険生物として襲ってくる。だからその経験をしているそこのグロスと言うガーゴイルは我々を信用しない。そうだろう?グロス」
「そうだな・・・・・その小僧の言う通りだ。今までにおいて冒険者に何度も襲われた。声を掛けてやめてくれとも聞いてくれずに、モンスターだからと襲ってきた。だから襲ってきた冒険者から武器を奪ったりと、自己防衛をしている」
「と言うように、お互い種族の嫌気が過去にあり、その経験を学習した上で警戒している」
「そうだな。今のジーク・フリードの言う事は、私も一理あると思っている。でなければ私もウラノスも、他のギルド職員にこの事を話す事も無いからな。この出来上がってしまった現実を知っているからこそ」
「だから聞こう。ベル達はどうやったらゼノス達を敵では無いと認識できる?ゼノス達は俺たち人間をどうやったら信用できる?少なくとも俺たちをお前達全員が受け入れているわけではないだろう?ならどうやったらお前達は俺たち人間・・・いや・・・・・どうやったらヘスティア・ファミリアを信用する?グロス。疑っているのなら信用できないゼノス代表としてお前が答えろ」
「そ、それは・・・・・」
「えっと・・・それは・・・・」
「いや・・・でもな・・・・・」
「確かにジーク様の言う事は理解できますと、むしろのその通りだとリリも思いますが」
「でも・・・・確かに精霊と同じような者たち」
「否定すれば・・・サラマンダー様達をも否定することになります。ですが・・・・」
ベル達は当然信じられない、今の現実が受け入れられない。今まで敵として認識していた存在が、我々と同じ言葉を交わして友好関係を持ちたいと言うなら、どうすると、どうやったら争わずに友人になれるのかと俺はハッキリとした質問をした
正直俺はアナザーモンスターと言う存在と暮らしてきた俺にとっては、ダンジョンでも喋るモンスターと友人になれてとても良いものだとは思っている
でもそれができずに、そんな存在がこの下界に居たと、未だ見たことの無いベル達にとっては受け入れがたい存在。例え喋れたとしても
グロスもそうだ。今まで化け物扱いされて危険視されてきた彼らにとっては俺たちは敵対するべき存在。命を狙われてきた彼らにとっては人間は敵でしかない。でもリド達は受け入れている。その他の同胞が受け入れているのにそれでも信用できないならどう信用すると
俺は争いを無くして、友好関係をここでも結べるのか、彼らに問いかける
そしてその答えを『少年』は発言した
「僕はこのゼノス達を信じられますよ」
「「「「「っ!?」」」」」
『『『『『っ!?』』』』』
「ベル。お前は受け入れられるんだな?」
「はい。ジークさん。リドさん達はどっちかと言うとサラマンダーさんみたいな者ですから、話を聞く限り優しそうですし、本能に生きるモンスターとは違うと思います。こんなのサラマンダーさんと過ごしてきた僕にとっては喋るモンスターくらい、受け入れることができます。あのグロスさんも、単にジークさんみたいに『敵に容赦がない。疑いをしてでも同胞を想う』モンスターだと。僕はなんだかジークさんとグロスさんは似ていると思います」
「ほう・・・・・まさかお前が俺をそんなふうに見ているとはな」
「す、すいません!?ジークさん!?」
「いや構わない。今のは事実だ。確かに俺も敵に慈悲はないからな。だからグロスの考えも共感できる。でも俺はそれでも友人になれるか対話を試みた問いかけだ」
「小僧共・・・・」
「まあ確かに、サラマンダーやノームと過ごしてきた俺たちにとっては、変わりないかな」
「そうですね。リリもはじめは疑ってましたけど。ウィーネ様と過ごす内にあなた達のことがわかってきた気がします」
「精霊と住んできた私たちにとっては、喋るモンスターなどあまり大差がありませんね」
「はい。私も喋るモンスターに会えて嬉しいです。まるで英雄譚のような。夢を見ている気分です」
『ベルさん』
『ヴェルフよ・・・』
「ベル・・・みんな・・・」
「だそうだ。俺たちはやっとお前達を受け入れるそうだ。それで・・・・・グロス?そこに集まるお前らは?この言葉だけでは受け入れ難いか?」
「・・・・・・・・」
「おいグロス。ベルっち達までここまで言ってんだぞ?もうそろそろ受け入れてもいんじゃないのか?」
「グロス。私も同意見です。もうそろそろ受け入れても良いと思いますよ」
「貴方は少し頭が硬いんですよ。本当に!」
「グロス?どうなんだ?」
「むう・・・・・・そうだな・・・・・ここに居て俺たちを襲う様子もなく、俺たちの出される食べ物や飲み物に手を付けた。友人として迎え入れよう」
「そうか、感謝する」
「礼を言われる程でもない」
なんとかベル達も受け入れ、人間を未だに疑うグロス達もやっと俺たちを受け入れられたようで、やっと完璧に友好関係を完璧に結ばれた
だから友人として俺は警告をしたい
「では友好関係をしっかりと結べたとして友人として警告したい。決して『俺たち以外の人間を信用するな』。俺たちが連れてくる人間はともかく、そうではないダンジョンで出会した人間は容赦なく敵だと思え」
「っ!?ジークっちどういうことだよ!?」
「それはフェルズとリリルカが説明する。二人とも」
「ああ」
「はい。皆さん聞いてください。私たち冒険者は神に支えてファミリアと言う集団でホームなどやダンジョン攻略を共にしているのですが、そのファミリアの中には貴方達を捕らえて、売り物にしようとする悪い人間が居ます」
「なに!?」
「本当なんですか!?フェルズ!?」
「ああ。その名もイケロス・ファミリア。モンスターを売って金を集めるイヴィルスのファミリアだ」
「この前もこのウィーネを見つけた後に、その集団が19階層で偶然出会し、その集団の一人が『竜女を見なかった?』と。明らかにお前らを探していた」
「なんだよ!?そんな奴が地上に居るのかよ!?」
「地上の人間にはな。そういう悪い奴が居るんだ。それを俺たちはいつも敵にして倒してきた」
「だから皆さんも決して僕ら以外の人間は信用しないでください」
「流石の俺らもそいつらの味方はできねえ。増してやテロリストのファミリアなんてな」
「ヴェルフ殿の言う通りです。そう言う敵は・・・・同じ人間を殺すのは心が痛いですが、必ず倒すようにしてください。当然のように襲ってきますよ?」
「まさか・・・・人間同士で争うとはな」
「やはりフェルズの言う通り、今の段階で地上に出るのは良くないのですね」
ここに来たのは友好関係を結ぶだけでなく、その友人達にお前達が狙われていると警告しにもここへ来たのだ。地上ではゼノス達をひつこく追ってくる者が居ると、決して俺たち以外の、増してや俺たちが連れてきたわけでもない冒険者を信用するなと警告する
一応俺たちが跡を追っているのだが、奴らは未だに居場所がわからないと、今はまだ見つかって排除していないと、未だ警戒を解くなと警告する
「お前達はここセーフティ・ルームだけをいつまでも立て篭るのはオススメしない。奴らは昨日19階層でウィーネを探していた。となるともはやここら辺付近は奴らが捜索しているも同然だ」
「あまりここに留まるべきじゃないのはリリも賛成です」
「そうか、一応なんかあったの時のために、フェルズとこれで連絡していたんだけどな」
「小さな水晶?ジーク様が以前リリ達と使ったのと同じですね?」
「これはオクルスと言うマジックアイテムで、どこへでも私の声を通じて連絡できる」
「あ、ジークさんと同じマジックアイテムだ」
「なんと!?ジーク・フリードも連絡用のマジックアイテムを持っているのか!?」
「ああ。俺も渡しておこう。リド。グロス。レイもだ。受け取れ」
「おう」
「あ、ああ」
「わかりました。でも私の手はこれで・・・・あ!」
「首飾りにすればいい。これでいいな?」
「はい。ありがとうございます」
そうしてリドとフェルズはオクルスと言う小さな水晶でもしもの時は連絡しているようで、それ腹俺も友人として助けを行使するべきだと。リドだけでなく、リーダーと思われる。グロスやレイにも渡す。レイは手が翼で掴めないため、俺はパンドラボックスから紐を取り出して紐に水晶を通してレイの首に結ぶ。これなら落とさずに済む
俺も錬金術師で水晶を使って、マジックアイテムを作れる。アビリティにも神秘がある。だからフェルズも滅多に作れないマジックアイテムを俺が作れることに驚いていた
「フェルズ。そろそろお前の正体を出せ。ベル達が他の冒険者と違ってゼノス達を受け入れている。だからお前の正体も問題ないぞ」
「ああ、そうだな。彼らより驚くだろうがな」
「「「「「うえ!?」」」」」
フェルズは俺たちがしっかりとゼノス達を受け入れたことを確認を取れたため、だからもう自分の正体を明かしても問題ないと。ローブのフードを脱ぐ。フェルズの正体はゼノス達も驚く姿、『これでもヒューマン』なんだがな
なぜなら
「骨!?スパルトイ!?」
「違う。それで人間だ。奴は賢者だ。不死の秘宝を作った代償に体の肉が腐り果て、骨だけになって死ねない体になったんだ」
「賢者!?あのかの魔法大国で賢者の石を、永遠の命の生成にただ一人で成功させたと言う。その賢者ですか!?ジーク様!?」
「ああ。その賢者だ」
「だが賢者の石はウラノスの眷属になる前に、私もまだ体があった時にとある神の眷属になったのだが、ルールを破って壊れてしまった」
「極東でも聞いたことがあります」
「確か・・・何百年も生きれるとか」
「ああ。フェルズはもう800年生きているようだ」
フェルズは今はウラノスの眷属で体の肉が無い人間の骨だけと成り果てた魔術師である。無論正体を知っているのはウラノスのみ、他のギルド職員は奴の正体は知らず、それがウラノスの唯一の眷属だとも知らない。フェルズは本名ではなく理由があって隠している。まあこんなスパルトレイの姿を同じギルドの人間でも怖がるのが明白だからな
だから正体を隠しつつ、ゼノス達の連絡役をしている
「じゃあ。あんたがウラノス様しか知らないなら、こいつらの事もあんたかウラノス様だけしか知らないって、ジークが言っていたけど、そうなのか?」
「ああ。そうだヴェルフ・クロッゾ。私とウラノスが彼らを支援している。危機のある通報や食材の提供など。様々な支援をしている」
「でも、どうしてフェルズ様は彼らのために支援しているのですか?彼らが支援が必要とは思えません。支援して貰いたい程、何かを求めているのですか?」
「地上に出たいんだそうだ。つまりはこんな洞窟ではなく、地上で暮らしたい。だろ?」
「「「「「っ!?」」」」」
「ああ。無理だとは思っているんだけど。地上に出たいんだ」
「それが私たちの願いです」
「・・・・・」
地上に出たい。つまりは人間の暮らすあの青空の下で暮らしたい
でもベル達はわかっている。人間が暮らす地上で暮らせば、化け物だと大騒ぎになって消されると、こんなダンジョンの中で暮らすのはとても辛いと共感はできるが、なぜ地上に出たいのか、リドが理由を言う
「夢を見るんだ。赤い光が赤く空の果てにあって岩場の影に隠れるんだ」
「それって・・・夕焼け!?」
「地上に出たことがあるのか?」
「いや、一度も無え。だけど・・・・・『前に生きていた時は』地上に居たのかもしれねえってな」
「前に生きていたって・・・・」
「ゼノス達は前世に地上かどこかで生きていたモンスター。人間に殺され生まれ変わった。モンスターの輪廻転生だ」
「「「「「モンスターの輪廻転生!?」」」」」
「やはりジークはそこまで調べ済みか」
「ウィーネもそうだからな。前はダンジョンで冒険者を襲って殺された夢を夜に見るらしい。おそらくウィーネの前世はダンジョンに出現する竜女のモンスターだ。俺も長年地上で彼らと共に暮らしているから、モンスターの輪廻転生は調べ済みだ」
モンスターの輪廻転生。それがゼノス達
リドはおそらく地上に出てくるリザードマン。レイもおそらく森か海に住んでいたセイレーン。そしてウィーネはダンジョン。人は死んだら天に逝くのだが、ならモンスターは死んだら魂はどう生まれ変わるのだろうか。それが彼らだ。地上でも人の意志を持ったモンスターは生まれ、ここダンジョンでも一度死んだモンスター達はこうやって人と同じ意志を持って生まれ変わる。それがゼノスだとわかった
仕組みとしては俺の故郷に住むアナザーモンスターと同じだ
「ここには喋れない奴も喋れる奴も居る。ウィーネはあっという間に言葉を覚えた。それも教えていない言葉まで、それは前世で学び覚えたのだろう。前世に出会した冒険者が喋る言葉を」
「承継。前世に生きていた地上の憧れが今も続いて、夢に出るのではないのかと、私やウラノスはそう確信している」
『リリルカさん。人は死んだら天に還るのですが、モンスターは殺された魂はどうなると思いますか?』
「それは・・・・・確かに未だに考えた事がなかったです」
「リド達はその前世に生きていたと思う。地上の環境に戻りたいのだと。考えは『自分たちが住んでいた居場所に帰りたい』と言う。人間と同じ帰る場所に彼らは帰りたいだけだ」
「俺っちはもう一度あの夕焼けを見たい」
「私は空の世界で羽ばたいて見たい。それとこの手は誰も抱きしめられない翼の代わりに、私を愛してくれる人に抱きしめられたい」
「それが我々の願いだ」
「わかっているんだ。俺っちだって・・・こんなことを望んでも叶わないってな」
「・・・・・」
「・・・・・」
リド達はそれが叶わないとわかっている。ゼノスとして生まれ変わった彼らは、今までにおいて幾度も冒険者に襲われた。喋れるにも関わらず、それをどうにかして叶えたいのだが、フェルズに頼んでも、世界を敵に回すほどの大きな問題であり、闘争心と欲望心のある冒険者の街であるオラリオの地上に出れば、真っ先に殺されると人間の本性をわかっているからだ
「ジーク様はダンジョンがモンスターを輪廻転生させると思いますか?」
「異変として気づいたのか春姫?そうだな。俺は可能性としてはあり得ると思っている。ダンジョンは大昔から存在した魔窟だ。しかも神達でさえ謎として未だ全部を知ってはいない。モンスターは何度倒しても時間が経てばまた壁やら天井やら地面やらに生まれる。食べ物だって生まれるんだ。だからダンジョンだって人の意志を持つモンスターを生んでも不思議ではないと思っている」
「確かにそう言われるとそうだよな」
「確かに時間が経てばモンスターが出ますね」
「だとしたら・・・・・ダンジョンってなんだろうね?」
「ダンジョンは大昔から地上に進出した魔窟で、そこからモンスターが地上に出たりと、数千年前の神話の時代からあったそうですよね。それで人々と戦争をして勝てずで、ついに神様達が降りて、私たち人間に恩恵を施してくれたことで力を発揮してモンスターをダンジョンに抑え込んだ。そこから幾度も冒険者がダンジョンに潜って解明し用としているのですが、未だにわからないことだらけですからね。謎の魔窟ですね」
「・・・・・・・・」
「ジーク・フリードはどう思う?」
「ダンジョンのことか?フェルズ?」
「ああ。君はベル・クラネル達よりも考えが鋭い。君はダンジョンをどう思っている?」
「・・・・・・・」
フェルズは俺がダンジョンのことをどう思っているの問いかけてくる
謎の魔窟だとは思っているが、でも俺の考えや理論は最もとんでもないことで、話すにしてはこのフェルズには言いたいくない。それは本当に俺が『なにもかも疑う』ような理論だからだ。もしこれが真実であっても、『世の中知らなくてもいいこともある』ように、これ以上深く知られたらまずいのではないのかと。俺は『フェルズだけには』言いたくないため、だから俺はダンジョンに対してこう言う
「さあな。ダンジョンがなんなのかなど。ただでさえあの魔窟が何階層まであるかもわからない未知な場所について、あれこれ言うことはできない。ただ・・・・・もう二度と陸の王者ベヒーモスや海の覇王リヴァイアサンや隻眼の黒竜のような。イレギュラーなモンスターを生み出さないことを祈る」
「確かにそうだな。それは私も御免だ」
「まだよくもわからないんだ。どう思うかと言われても、謎の魔窟としか言いようがない」
なんて言ったが、本当は絶対に『ウラノスが絡んでいる』と思っている
俺はなぜあの魔窟が何度もモンスターが生まれるのかはわからないが、明らかにウラノスがアルカナムで何か封じているのではないのかと思っている。となればまさかとは思うが、ダンジョンは『アレ』ではないのかと。だからウラノスはあの部屋から出ずに力をダンジョンに注いでいるのかと
神を疑っていることを思っている
「それでは大体の説明をした所で、ジーク・フリード。そろそろ君の本題の提案を聞きたいのだが、君の故郷はリド達のような喋るモンスターも居て、共に暮らし。リド達をそこへ移住させることは可能か?」
「俺っちもそれが聞きたかった!なあ?そんな俺っちが暮らせる地上の楽園があるって本当か?」
「あるのですか!?私たちが暮らせる!?場所が!?」
「本当なのか?ジーク・フリード?」
「ああ。それは本当だ。その証拠に、サラマンダー、ウンディーネ、ノーム 」
『はい。主の言うことは本当だ。お前達のようなラミアもアラクネも存在している』
『共に暮らして、共に故郷を大きくしようと働いています。私たち精霊も共に暮らしているのですから、当然です』
『皆さんを連れて住ませることも可能です』
「「「「「「おお!!」」」」」
『ですが・・・・・』
「「「「「「え?」」」」」
『故郷はここからとても遠く、それまでの道が険しく。一番の難関として嵐や霧が今強くて、とてもじゃないですけど、この数を一気に移動するにしても命の保証がないですので、申し訳ありませんが、まだしばらくはお待ちください』
「「「「「「そ、そんな〜〜〜!?」」」」」」
「やはり嵐シーズンに入っていたか」
『はい。べオル山地も霧が強く、とてもじゃないのですが、移動は難しいです』
「それじゃあしばらくはダンジョンに居るしかないな」
ノームは一度故郷に帰って俺の故郷の自然天候状況を確認したのだが、嵐のシーズンが来たようで、故郷周辺の海洋と山は嵐が酷く。移動するには無理があると、残念ながらまだダンジョンに居るしかないと。リド達は諦めるのだった
「一応聞くが、リド。ゼノス達は今ここに居るので全員か?」
「いや、あと一人居るんだが。武者修行で深層に行っちまってな。ここ最近新人になったばかりなのに俺たちよりも強くてな。黒いミノタウロスなんだけど」
「黒いミノタウロス・・・・・」
「ベル様。それって・・・・」
「確か俺とヴェルフがまだヘスティア・ファミリアに入ってない時期に、お前とリリルカ二人でダンジョンで出会して、ベルはその黒いミノタウロスを倒してレベル2になったと言う、その黒いミノタウロスか?」
「はい・・・・まさか・・・・そうなのかな?」
「なんだ?ベルっちは『アステリオス』の前世で会ったのか?」
「多分・・・・そうだと思う」
ベルは俺たちが出会う前にレベル2になったのだが、その際レベルを上げたきっかけは、突然色違いのモンスター。黒いミノタウロスらしい。しかも大剣と言う武器を持っていて、彼はその大剣を持った黒いミノタウロスを相手に、体力が尽きるも無事倒したらしい。それでレベル2になったと
もしかしたらその黒いミノタウロスの生まれ変わりではないのかとベルは思っている
「武者修行って言ったけど、まさか相手はあのモンスターとか?」
「ああ。俺っちゼノスだってモンスターは敵なんだ。その証拠にこの魔石を・・・あーん!」
「食べた!?」
「俺っちも体の仕組みはモンスターだから、だから魔石を食べて強化種として力を付けて生きていかないとならない。だから俺っちの気を遣わずに、モンスターは倒してくれ。でないとジークっち達が死んじまう」
「リドの言うとおりだ。だからゼノスとモンスターは別だと言ったろ?彼らもモンスターは敵なんだ。臆することなくモンスターは殺すべきだ」
「そうだったんだ」
「にしてもジークっちは本当に俺っちゼノスのことも詳しいな」
「俺たちの故郷は喋るモンスターを『アナザーモンスター』と呼び、彼らが喋れると知った途端。まずは対話をしてから敵かどうかを判断すると言う行動を常にしている。そして彼らが平和を望んでいるとわかったら、俺たちの故郷で働いてくれるなら移住権も渡そうと。俺たちの故郷をより大きくするために共に暮らし、働いている。時には敵が出てくると武器を持って俺たちの故郷の戦士にもなる」
「すげえ場所なんだな・・・・」
「だから家畜をする者、畑を生やす者、戦士になる者、医者や調理師や衣服を作る洋裁師まで、それぞれの種族がそれぞれの役職をして俺たちと共に生きている」
「モンスターが働く!?商業ファミリアみたいに!?」
「ああ。モンスターが医者をやって人間を治すと言うこともあるんだぞ。回復魔法は流石に使えないが、それ以外の治療方法で人間を治すんだ」
『主様の幼馴染である。ラミアの『サーナ』様はその医者を本職にしているんですよ?』
「へえ・・・・・ジークには私と同じ種族の幼馴染が居るんだ」
「そういうふうに、彼らも学べば俺たちと同じような仕事もできる」
アナザーモンスターやゼノスにも知能があるのだから学習能力がある。だからそれなりに学習をさせれば、すぐにその学習した仕事もモンスターでも覚えられる。世は彼らも俺たちと同じ人間の心を持っていると言うこと。だから体はモンスターでも。心は人と変わりないため。我々同様の暮らしは可能であり、食べ物も我々と同じ物を食べる。だから対して俺からすれば彼らも俺達と大して変わりはないと言うわけだ
俺の幼馴染もラミアでありながら、医者として働いている
「だからお前ら習性や体の仕組みも理解している。例えば、レイ。お前こっちに来い」
「え?は、はい」
「翼のホコリが酷い。そのままだと痛むぞ。だからこうして櫛で梳かすんだ」
「あ・・・・ああ!・・・これ・・・凄く気持ちいいです!」
「え?そんなに良いですか?レイ?」
「ええ!これは物凄く・・・・翼が軽くなりますし!痒みも無くなってとても良いですよ!フィア」
「ウチの故郷にもハーピィが居るからな、その翼の手入れをこうしてやる」
「私にもやってください!ジーク!」
「ああ。レイが終わったらな」
「つまりモンスターの体の仕組みまで、ジーク様の故郷は共に暮らすことでわかってきたんですね?」
「ああ。そういうことだ」
共に暮らすことで、彼らの体の状態と体調が分かるようになった。まあこれに関しては本来医者の仕事なのだが、フレイ・ファミリアの眷属の時は幼馴染のサーナと共に戦士の戦いや狩りが無い時は基本的に医者の手伝いをしていたため、ハーピィやミノタウロスなど、様々なモンスターの体の仕組みを理解するようになった
だから
「ラウラ。お前も少し肌にクリームを塗らせてもらうぞ。それじゃあ乾燥する」
「え?あ、ちょ!?・・・・・お、おお!?なんか肌がツヤツヤする!?」
「リド。体が硬いだろ?リザードマンはワニみたいにすぐ体が硬くなるからな。マッサージするから動くな」
「お、おい!?ジークっち!?なにを・・ぶ!?・・・・・・・・お・・・おお!なんか凄く背中が軽くなったぞ!?ジークっちが背中を押してくれたおかげで!?」
「まあ、こんな具合に、モンスターの体の仕組みがわかるようになった」
アナザーモンスターでラミアの幼馴染が居て、共に医者の仕事をフレイ・ファミリアの眷属の時はよく働いていて、彼らの状態異常もわかるようになった。だからこそ俺はより理解できるし、彼らを最初から受け入れられる
でもだ
「でも、お前達はしばらくここに居て貰う。ウィーネ。お前もだ」
「え!?なんで!?」
「地上ではお前は敵だ。俺たちでなくても、お前にとって人間は敵なんだ」
「ジークっちの言う通りだぜ。ウィーネ。俺たちはモンスターなんだ。地上に出れば人間に殺されちまう」
「ジークさんの言う通りですよ、あなたも私たちと一緒にいましょ?」
「嫌だよ!!ジークと離れたくないよ!?」
「俺は地上に出て、ギルドに『嘘の報告』をする」
「嘘の報告?ジーク様・・・・まさか」
「そうだリリルカ。今は地上でモンスターが武器を盗むと言う知らせをし、騒ぎでとんでもない状況になっている。それを俺たちが撃退したと嘘の報告をするんだ」
「確かに、そうすれば今ダンジョンに居るリドさん達が移動できやすくなりますもんね」
「それは助かります。私たちもいつまでもここに留まるわけにはいきませんので」
「だからウィーネ。俺も地上に出て人間の仕事をしなくてはならない。また必ずお前達に会いにダンジョンに潜るから、良い子でリド達と待っているんだ」
「だったらジークもここに居れば良いじゃない!!」
「ウィーネ。俺はな。本来ならお前達と・・・・・」
俺と離れたくないことを言い訳に、ウィーネは俺がここに居れば良いと。ワガママを言って言うことを聞いてくれず、泣いて俺に抱きついて離れてくれない。俺は人間でここに居ることは不可能だと。この子にはまだ早いと思うが、現実味のある事を言うのだが
ウィーネが『とんでもない事を口にした』
「ジークだって『人間じゃない』もん!!ジークだってモンスター!!!・・・・・だからここに居れば良い!!!」
「「「「「え!?」」」」」
「「「「「「は?」」」」」」
『『『『『っ!?』』』』』
「・・・・・・・・」
ウィーネは突然。俺を人間じゃないと言った。彼女は竜女だからなのか、自分と同じで人間ではないと。ウィーネはハッキリとこの場に居る人間やゼノス達に完全に聞こえる声で言った。その言葉にベル達やフェルズやゼノス達でもわからない。わかっているのは俺の精霊であるサラマンダー達だけ、なぜそんな事を言うのかウィーネは訳を続ける
「ジークは私と同じ匂いがする!気配も!威嚇も!その眼も!全部全部全部!!!私と同じ種族で!同胞だもん!!!」
「・・・・・・・」
「ウィーネ?何を言っているのです?」
「ジークさんが同じ種族?」
「それはジーク・フリードが『ドラゴン』だとでも言いたいのか?」
「そうだよ!ジークはドラゴンだもん!!!」
「・・・・・・・・」
やはり俺の体は『限界になっている』のだと、全部理解した。だからウィーネは気付くのだろう。やはりエダスの村でアレを触ったせいで、もはや人間としての人体ではなくなっているのだと、見た目はまだ人間だが、中身は違うと。彼女は竜としての察知と嗅覚をもう覚えたようで、俺が人間ではないとハッキリ言った
無論嘘ではなく、ただこれを知っているのはサラマンダー達とヘスティア。それのみしか知らない。公にされるわけにはいかないと、俺はそれを認めてでもウィーネに優しくして決意して貰う
「例え人間ではなかったとしても、俺は地上でお前達がまた冒険者に襲われないように、地上で働かないとダメなんだ。そうでなくても、俺はここに居てはダメなんだ。俺も人間も神も場合によっては敵であり。下等生物共が小さな命や弱者な命を卑劣な下賎な外道な連中が奪いに来る。それを消したり食い止めねばならない。モンスターは普通に斬ればいいが、人間と神は違う。奴らは全員善良ではない。悪意に満ちる生き物でもあるんだ。お前達を助けなくてはならないんだ」
「ジーク・・・・・」
「これを付けてくれ」
「これは?」
「連絡ができ、所在位置もわかる小さな水晶と、このペンダントは俺のお守りだ」
「綺麗・・・・・」
「これを身につけている限り、お前の居場所もわかる。何かあったらこれに話しかけるんだ。いつでも俺はお前を守りに駆け付けよう」
「私を守りに・・・・」
「だから言う事を聞けるな?俺の約束だ」
「・・・・・・・・うん。わかった。約束する」
「ああ。必ずまた会いに行く。その内俺の故郷の者と連絡し、故郷の移住の準備が出来次第。ここを出す事を約束する。それまでダンジョンで待っていてくれ」
俺は言い聞かせるためとはいえ、そんな無茶苦茶な約束をする。ほぼ不可能と言ってもいい誓いを。叶わない約束をしてなんになると言うのだろう。故郷の移住は何とかできても、ダンジョンで暮らす彼女たちを何かあったら守りに行くなど。そんな事を『二度も失った』俺には絶対に叶うはずのない約束だった。いくら言い聞かせるとはいえ、現実を味わった俺には。とても
だがそうまでして安心させたかった。あの時別れをした『義妹』に似ている。同じ竜女。俺がオラリオに行く事を反対した俺の家族。彼女に似ていて、俺は勝手な真似をして、守れず誓いを建てて
俺は仲間を巻き込むことになった
それで俺たちはウィーネたちを置いて、ダンジョンを出るのだった。もうウィーネはリドたちと共に生きねばならないと。もう流石にウンディーネたちの護衛は不要なため。彼らには故郷に帰らせた。その際ウンディーネたちに爺さんに聞いてアナザーモンスターがオラリオに出現したと言い。移住するための道筋状況を聞いて貰うように頼んだ。もちろんウィーネが俺のことを『人間じゃない』と言うことに関して、耳にしたベル達やフェルズやゼノス達も。有耶無耶にしたり、絶対に何も聞くなと圧力を掛けて何も言わせないようにして、一切問いかせないようにした
そして夜明け前にダンジョンを出て、バベルの前でヘスティアが待っていた。どうやらウラノスと話は突いたようで、詳しい話を全部聞いたような険しい顔をしていた。俺たちと同じ話をしていたのだと。細かい話は言わずに報告する
「おかえり、みんな」
「ああ。そちらもウラノスと話はし終わったようだな」
「うん、ウィーネ君は?」
「当然ダンジョンに、彼女の仲間に任せた」
「そうだよね。うん。今の状況はまずいしね」
「ああ。ヘスティア。言わなくてもわかると思うが・・・・・ダンジョンの今の現状は把握しているな?」
「うん、とても信じられないけどね。ジーク君はどう思う?モンスターの輪廻転生について」
「どうも思わない。俺もダンジョンならやれると思っていたからな。ただでさえ食材や鉱石だって生み出せるんだ。そんな事をしてもおかしくはないと思っている」
「ジークさんは、ダンジョンはそのケースも予想済みなようで」
「そうか・・・・・」
「だが・・・・・」
「ん?」
「ダンジョンは『神が関わっている』とだけは察しが付いている」
「・・・・・・・そうなんだ」
「それより、これからの話をする。ホームに戻るぞ」
ヘスティアもウラノスと詳しい話を聞いてダンジョンが今何が起こっているのか不思議に思うことはあるが、俺が神が関わっていると聞いたら、何も答えてはくれなかった。てことは・・・・・・・そういうことなんだと思った。俺もダンジョンのことはまだわからないが、ただそれだけを知っていると聞いたヘスティアは険しい顔をして答え難いと、ヘスティアもこの下界で降りたばかりとは言え、わかっているようだ
だがそんな話はまた今度にして、これからの話をホームにするのだった