ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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18階層 三日目の事件

次の日

 

予定通り今日は地上に帰る日。朝飯を済ますと、テントを片ずけて地上に帰る準備をする。フィン達が先に帰った後で俺たちも地上に帰る。そうすれば帰りには多少あいつらがモンスター を片付けてくれると思い。帰るのが楽だと少し後にした

 

 

「ジークさんちょっといいですか?」

 

「どうしたリュー?」

 

「ヘルメス様とアンドロメダを見ませんでしたか?」

 

「居ないのか?あいつらは・・・・・ん?」

 

 

リューがアスフィとヘルメスの姿が見当たらないと言われて感知であいつらの魔力と神意を読み取って場所を感知したが、17階層出口付近の崖当たりに居た。

 

それだけじゃない。レベル2の冒険者達が何十人もその崖の近くに居る。

 

 

どういうことだ?なぜそんなに冒険者が?しかも知らない魔力である限り知らない冒険者で間違いない。ヘルメスが何かしようとしているのだろうか。

 

 

「ジーク様!」

 

「ん?どうしたリリルカ?」

 

「大変です!ヘスティア様が別のファミリアに攫われました!」

 

「ん!どこのファミリアかわかるか?」

 

「この前『豊饒の女主人』でジーク様をバカにしたオグマ・ファミリアのモルドって言う人です!」

 

「あいつらか。どうせ俺への腹いせだろうなぁ」

 

 

この前『豊饒の女主人』で絡まれたオグマ・ファミリアのモルドっと言う冒険者が俺への当て付けだと理解した。まさかあいつらもこの階層に居るとは思ってみも見なかったが、まさか俺の主神と一緒にいると知って攫うとは、どうやら敵として認識していいようだな

 

 

「それでベル様が先にヘスティア様を助けに先に行きました!」

 

「先走ったかベル。ヘスティアの場所は・・・・・・・・・ん!これは!」

 

 

ベルの魔力を辿ってその先に何かあるのか感知したが、その助けた先にはモルドと複数の冒険者しか居ない中央地の一本水晶のある場所だった。ヘスティアはその崖の下に居る森に、冒険者二人に木に縛られているのがわかった

 

一人でベルがそこへ向かうのは変過ぎるとどうもおかしいと疑う。まさかヘスティアを返す代わりに何か変な条件を持ち出されて一人で向かったのではと、仲間にも言わずにベルは一人で行ったのではとすぐに考えが付く

 

 

こうなったら以上はもちろん助ける他無いと思った

 

 

「ジーク!リリルカから聞いたか?」

 

「ヴェルフ?桜花達も?」

 

「話は聞いた。俺たちも手伝う!」

 

「すまない感謝する。ヴェルフ達はベルを追え!ベルを何としても助け出す!中央地の一本水晶に迎え!」

 

「「おう!!」」

「「はい!!」」

 

「リュー!リリルカ!お前達二人はヘスティアの救助頼む!居場所はベルが向かった中央地の一本水晶の崖の下にある森だ!そこに木で縛られている!」

 

「「わかりました!!」」

 

 

俺はヴェルフ達は先にオグマ・ファミリアの冒険者達の元へ行ったベルを助けに急いで武器を持って救援に向かう。そしてリリルカとリューにはそれとは別の場所に居るヘスティアの救助に指示する

 

地上に帰ると言うのに、ここでトラブルとは流石に運が無いと思った

 

だが起こったものは仕方ないと思い。すぐに対応する

 

 

「ジークさんは?」

 

「俺はヘスティアを攫った『発端』を叩き潰す!今は指示通りに動け!」

 

「はい!」

 

 

俺の役割をリューが聞いてきたが、俺はもっとこいつらには頼めない仕事をするため、一人でこいつらとは全く別の方向へと走る

 

 

実はこのトラブルを起こした『犯人』が居ると感づき。すぐに理解してその犯人の元へ行く

 

 

そしてリリルカ達とヴェルフ達とは違う反対の方へ走る

 

 

 

その先は湖付近。ヴェルフ達が崖に向かう先をそれより通り過ぎた方向に走っていた。すると・・・・・・・

 

 

「ジーク?」

 

「あれ?ジークじゃん?」

 

 

「ん?アイズ。ティオナ」

 

 

「ん?ジーク?急いでどうしたんだい?」

 

「フィン・・・・」

 

 

そこで地上に帰ろうとして団体で帰ろうとするフィン達ロキ・ファミリアと遭遇した、その列の一番後ろでアイズとティオナとフィンと出会って俺が急いでいる事情を聞いてくる

 

 

「少しトラブルが起きた。俺たちの主神が別のファミリアに誘拐された」

 

「え!?」

 

「それってヘスティア様!?」

 

「誘拐したファミリアはわかるのかい?」

 

「もうわかっている。今助けに行く所だ。早くしないと先走ったベルがあいつらにやられるかもしれない」

 

「ベルが!?」

 

「アルゴノオト君が!?」

 

「主神を誘拐するとはなんて罰当たりな」

 

「とにかく俺はもう行く」

 

「私たちも!」

 

「手伝うよ!」

 

「これは俺たちヘスティア・ファミリアの問題だ。お前らが関わっていい話じゃない」

 

「でも!」

 

「他のファミリアの問題に口を突っ込めば俺みたいに痛い目を見るぞ。お前達は予定通り帰れ!」

 

 

そうして俺は加勢しようとするアイズとティオナに他のファミリアの問題を介入させないようにと口止めをした。助けられてもお礼できるものがないと助けを拒み。俺たちだけで解決しようとロキ・ファミリアの団体列を飛んで横切る

 

 

 

 

「ねえ?フィン?」

 

「確かに他のファミリアの問題に口を出すのはルール違反だ。だけどねジーク・・・・・・・・・これは僕らが『勝手にする事』だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてリリルカ達ともヴェルフ達とも行動をしなかった俺は。先にこれを起こした犯人を潰しに行くために向かったが。そもそも誰がこんなふざけたことを考えたのだろう。あのオグマ・ファミリアと言うレベル2の冒険者集まりのファミリアが主神を拐って俺の団員であるベルをリンチしようなど、レベル4の俺の力を知っているモルド達がそんなことをするとは思えない

 

そもそもあいつらは一度痛い目を見ている。力の差を見せつけられた臆病者達だ

 

 

そんな危険なことをするとは考えづらかった

 

 

 

 

となれば

 

 

 

『誰かに言われて、もしくは誰かに唆された』としか考えられなかった

 

それは一体誰がやったのか。実はもうわかっている。その犯人は二人で、一人はその命令に従っている。もう一人はそれを命令した人

 

その人物二人は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベル君。責められているね。見ていて苦しそうだ」

 

「ヘルメス様。一応言う通りにしましたが、なぜこんなことを?」

 

「なに。ちょっとベル君には現実味を知って欲しいだけさ。ベル君はジーク君とは違って人間の悪い所を知らなすぎる。ジーク君みたいに現実を知って貰おうと思ってね」

 

 

 

 

 

「ほう。気に食わない神だとは思っていたが、そんな下らないことのために俺たちの主神を下拐ったと言うことはお前は俺たちの『敵』で良いってことだな?」

 

「え!?」

 

「ジーク!?」

 

「何の真似だ。ヘルメス。アスフィ」

 

 

犯人が誰だかは俺はとっくに知っていた。朝飯はしっかりと一緒に食べていた二人が帰る時になってから居なくなるなど不自然にも程があった、そしてヘルメスが悪巧みをする性格を疑っていたからこその行動。そして俺とベルの何かを知りたいがために、このクエストを受けヘスティアならともかくヘルメスまでダンジョンに入るなど

 

俺はこいつの全てを疑っていた

 

 

でなければ中央地の一本水晶より更に高い崖からベルとモルドが戦っている光景を高みの見物をしているとは思えないからだ。俺の魔力感知はそんな広範囲までわかっていた

 

 

「ベルと俺がそんなに気になるかヘルメス?お前が俺とベルにちょっかいを出すとは思っていたが、ここまでするとは流石は『ヘルメス』と言ったとこか」

 

「あはははは!そんな怖い顔をしないでよ!別に俺はベル君にも君にも恨みは無いんだから?」

 

「ほう。恨みは無いか。じゃあ今から俺はお前を殺すが構わないよな?なぜならそんな恨みの無い俺たちに危害を加えたのだからな」

 

「ちょ!?待った!?剣を向けないで!アスフィなんとかして!」

 

「ジーク!ヘルメス様は確かに悪いですが!神を殺すことは・・」

 

「俺が『神殺しの大罪程度で怖じ気付く』と思ったかアスフィ?神なんて俺からすれば『力のないヒューマン』だ。俺は殺そうと思えばいつでも殺せる。早く終わりにしなければ俺の仲間が来るぞ?」

 

「おや?確かにヴェルフ君たちが来たようだね」

 

 

そうして俺たちより先に崖の下で、ベルが通ってきた道からヴェルフ達がやっと到着し。モルド以外の冒険者達がヴェルフ達を倒そうと乱戦する

 

 

「どうする続けるか?これ以上続けるなら・・・アスフィ。俺がお前を倒して。このふざけた茶番をヘルメスを殺してでも終わらせるぞ?」

 

「ジーク。本気ですか?」

 

「お前と同じレベル4の俺ならお前に遅れを取ることはない。むしろ今は対等の場所に居る。もちろんお前が『タラリア』を使おうが『どんなマジックアイテム』を使おうが圧倒する。さあ選べ?俺たちにやられるか。潔くやめるかだ」

 

「ヘルメス様?」

 

「いやあ〜、本当に怖いこと言うね。まるでトールだ。でももう少し見ていたいのだけどね」

 

「そうか続けるか・・・・なら」

 

 

と、仕方なく俺はヘルメスを殺してでも止めようと、アスフィに立ち向かうが・・・

 

 

『おい!あれ剣姫だぞ!?』

 

『なんでロキ・ファミリアが居るんだ!?』

 

 

「「!?」」

 

「ん!あいつら!」

 

 

突然下の方へモルドの仲間だろうと思う冒険者が突然叫び出した。その叫んだ先にはヴェルフ達が苦戦している後ろで

 

幹部であるアイズ・ティオナ・ティオネ・レフィーヤ・ベートがこっちに向かってきて、加勢してきた

 

 

「なんで剣姫達が!?」

 

「どうして!?ロキ・ファミリアが!?」

 

「あいつら・・・・関わるなと言ったのに」

 

 

『居た!あそこにアルゴノオト君が居るよ!』

 

『うん!すぐに助ける!』

 

『団長の指示通り!ベル・クラネルとヘスティア様を助けるわよ!』

 

 

『うお!?剣姫!?』

 

『ロキ・ファミリアが助けに来たぞ!?』

 

 

「フィン・・・・・・・随分勝手なことをしてくれたな?」

 

 

フィンの奴。昨日の団員の仲間を治療してくれたお礼としてアイズ達だけ加勢させたんだなと理解した。しかもあのベートやティオネまで手を貸すようにするとは、フィンも面倒な事をしてくれる

 

礼はするが、返せるものが無いと言うのに

 

 

「もしかしてあれも君が!?」

 

「俺じゃない。あいつらが勝手にしている事だ。どうする?余計状況が悪化したぞ?」

 

「みたいだね。アスフィ?ちょっとあの子達にフォローしてくれない?」

 

「え!?無茶を言わないでください!相手はロキ・ファミリアですよ!?」

 

「頼むよ?ベル君とあのモルド君の戦いに手を出さないように言ってくれればいいからさ?」

 

「もう!!!本当に嫌だ!!この主神!!」

 

 

そうしてアスフィは崖から降りて、俺たちのすぐ下でベルの決闘の邪魔させないようにアイズ達に対応しようと苦労ながら主神の命令に従って下に降りていった

 

二年前もヘルメス・ファミリアを見てきたが。相変わらずヘルメスは眷属の子供の扱いが荒いと思い。アスフィは相変わらず苦労しているんだなと逆に申し訳なくなった

 

 

 

だが

 

 

 

こんな状況になってもベルがモルドと決闘しているのを邪魔させないとなると、こいつも相当知りたがっていると考える

 

 

「おい?アイズ達まで来たのに、本当にこの茶番を続けるかヘルメス?」

 

「まあね。後で殴られるのを覚悟しているさ」

 

「そうか。お前はそこまでして・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつが『ゼウスの孫』がどんな者なのか知りたいんだな?」

 

「!?」

 

 

こいつがゼウスに何か関わりがあると爺さんから聞いていたが、まさかこんな事をしてまでベルの実力を知りたいとは、確かにそれほど半神として強い力はまだ感じられないが、ベル・クラネルに興味を持っているのは明らかに事実だった

 

 

「なんでジーク君はそんなことを知っているんだい?」

 

「あいつの体から『雷神の力』を感じた。それも俺と同じ程の。あいつは以前からここオラリオに来る前はある村で祖父の元で育ったと言っていた。祖父と言えば年寄りの神など限られる。俺の知る雷神は大抵三人まで。俺の母『トール』と俺の故郷に居る『インドラ』。そして・・・・・・ゼウスだ。雷神で年寄りの神など。ゼウス以外は他に居ない。俺だってゼウス・ファミリアのことは調べているからな」

 

「ほう・・・・ジーク君は俺たち神を詳しいね。流石はトールの息子って所かな?しかもあの『インドラ』が君の故郷に居るなんて」

 

「俺の故郷にも主神が何人も居る。お前がゼウスと通じていると知ったのは俺の故郷に居るある主神の知らせからだ」

 

「へえ?それは男神かい?女神かい?」

 

「答える気は無い。人の団員を戦わせて、挙げ句の果てにはヘスティアまで攫う。お前のような知りたいがために汚い事をする神に教えることはない」

 

「あははは。本当に君は神にも容赦ないな。ロキと仲が悪いと言われるのもわかるかも。でも・・・・・・・それほどあの子の全てを知りたいのさ」

 

「ベルの?なぜ?」

 

 

「ゼウスが言っていたんだよ。『あの子は冒険者なんて向いてない程。素質が無い』って。ベル君は誰これ構わず許したりするし、桜花君達のモンスターの押しつけや君の批判も彼は優しく接している。でも優しいだけじゃあ強くなれないと思うんだよね」

 

「・・・・・・・」

 

 

まあ確かに優しさだけじゃあ強くなれないのはその通りだ

 

人には悪意を知り。後悔や痛みを知らなければ強くはなれない。ベルの環境的にはそのような絶望になるような負になるような経験はしてないだろう。女にも団員にも他の人にでも甘そうな奴ではあるのはヘルメスの言う通りだと思っている

 

 

だが

 

 

「そうだな。あいつは確かに子供だ。優しくて女に弱いだけのただの臆病者だ。だが」

 

「ん?」

 

 

 

「そんなあいつは英雄に憧れ。強くなりたいと願い。どんな困難にも諦めずに立ち向かい。例えどんな痛みが出ても受け入れて前を向き立ち上がる。物語の主人公のようになりたいだけの。ただのヒーロー願望者だ」

 

「ヒーロー?」

 

「英雄のもう一つの呼び名だ。あいつは・・・・そこまで弱くないさ。むしろ今でもあいつは諦めずに毎日戦っているからな。強くなるためにいろんな努力をしている。そんな弱な奴じゃない」

 

「でも、今かなり攻められているよ?」

 

「アスフィの『ハデス・ヘッド』で姿を晦ましているんだろう?その程度であいつは負けない」

 

 

 

『でやああ!!』

 

『ぐはあ!!』

 

 

「ほらな?」

 

「うおおお!?モルド君がハデス・ヘッドを被っているのに、音だけで気づいた!?」

 

「あの魔道具に欠点がある。あいつは音を察したんじゃなくて、『気配』を読み取ったんだ。気配までは流石に消せないようだなハデス・ヘッドは」

 

 

さっきまで姿を見せないでいたモルドにベルはリンチを受けていた。だがベルは目を瞑り。気配だけを読み取ってモルドの顔に蹴りを入れて、ハデス・ヘッドを取った。

 

ベルだって学習する奴だ。そこまでやられれば反撃できる。14歳の子供でもそこまで弱くはない。

 

 

『テメエ!本当にあのスキールニルみたいに気に食わねえ!あの嘘つきを仲間にするなんて飛んだアホだぜ』

 

『ジークさんのこと!?』

 

『そうだ!あんなどうしようもねえクズ!嘘を付くしかねえクズを仲間にするなんて普通じゃないぜ!どうせお前もあいつのことを利用して居るんだろ?あんなクズ利用して当然だけどな!!』

 

 

「・・・・・」

 

「ジーク君」

 

「気にしてない。俺は所詮この程度の男さ」

 

 

信じてくれないのは仕方ないこと。それで俺を批判されても俺は否定はしなかった。如何あっても信じてくれないものを言っても仕方がないと黙り込むしか無かった。言い返さないのは罪を認めることになるが、どう言っても信じてくれないものは言い返しても意味ないため

 

こう受け入れるしか無かった

 

 

 

『ふざけるな!!ジークさんはそんな酷い人じゃない!!』

 

「!」

 

『あの人はかつて疑われたロキ・ファミリアの人たちを!毒で回復薬でも直せない毒で苦しんでいた人たちを!なんの義理もなく助けたんだ!それだけじゃない!あの人は料理を別のファミリアに分け与えるなどもしてくれる優しい人なんだ!!嘘を付く人ではない!』

 

「ベル君・・・」

 

『僕はジークさんの全てを信じる!!あなた方が何を言おうと!!』

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

実力としては何も無い奴ではあるが、精神力は強いんだなベルは。俺を根拠もなく信じるなどを普通では無いが、少なくとも俺を信じてくれる唯一の人間だってことだけなのは理解した。英雄に憧れるだけのことはあるが、仲間を本気で疑いもなく、全て信じきるところが他の者には真似できないこと

 

 

確かにヘルメスが気になる気持ちが俺にも伝わってくる

 

 

 

 

 

 

 

そして初めてだ。ここまで俺のことを信じてくれる人が居るなんて、やはりヘスティア・ファミリアに入って良かったと思った

 

 

本当にすごい奴だ

 

 

「見るものは見た。そろそろ終わりにする。あいつらも居るからな」

 

 

これ以上仲間の戦いを見物をするつもりは無くなった。偉そうな立場に立つつもりは無いし、ベルを試すような真似もするつもりはなかったが

 

あいつが本当に歴代に名を残した英雄たちを憧れ。その英雄たちをも超える英雄になると俺は確信し

 

 

そして俺にとって今までに無い最高の仲間だと認識した

 

 

 

そうして俺は二人が決闘する崖に降りる

 

 

 

「そこまでだ!!」

 

 

「ジークさん!?」

 

「スキールニル!?」

 

 

「噛犬。これ以上を続けても自分のためにはならないぞ?ロキ・ファミリアまで来た。もうお前らに勝ち目はない。大人しく戦闘を中止して何処かに去れ。さもなくばここから先は俺も実力行使でお前らを一掃する」

 

「やれるもんならやってみろ!」

 

「まったく・・・・・ふん!!」

 

「がは!?」

 

 

忠告を聞かなかったモルドに、俺は強い蹴りを腹に与え。反対の方へ吹っ飛んでいく。少し考えればやめるべきだと逃げるべきだと考えるのに、プライドにヒビが入ったのか、俺に攻撃を仕掛けたため忠告通り、殺しはしない程度に対応した

 

 

「ぐう!!」

 

「哀れだな、レベル差で俺に勝てるわけが無いだろうに。いい加減やめたらどうだ?如何あってもお前らに勝ち目はない。恥じることはない負けを認めるのは経験の内に入って良いものだぞ?」

 

「偉そうにテメエ!」

 

「はあ・・・・まだやめないか」

 

 

如何あってもモルドは更に俺の忠告が心に傷を負うほど気に入らないのか、まだ俺に立ち向かおうと今度は折れた剣で立ち向かおうとする。こうなったら気絶するまで叩かなければ終わらないと理解した

 

ヴェルフ達やアイズの方もまだ終わってない。オグマ・ファミリアの連中は根性がある癖に往生際の悪さだけは天下一品だと思った

 

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

「やめるんだ」

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「神様!?」

 

「ヘスティアか?助かったか。だが・・・・・・『神を怒らせた』ようだな」

 

 

仕方ないと思い。俺はモルド達を気絶させるほどの威力を出すかしかないと思ったのだが、

 

ここにたどり着くための道からヘスティアとその後ろにリリルカとリューが出てきた。それにより全員一斉にアイズ達をも含めてヘスティアの方へ向いた

 

 

なぜなら彼女が『神意』を使ったからだ

 

 

眼で見るのは初めてだが、さすがは神だけのことはあるのか。度が過ぎるような力や覇気を剥き出しにした。どうやらベルをリンチにしたことや俺への暴言を聞き捨てならないのか、ルールも関係なしに神意を発動した

 

 

「やめるんだ子供達。これ以上戦うな」

 

 

「うう!?うわあ!!」

 

「に、逃げろお!!」

 

 

「お、おいおまえら!?」

 

 

ヘスティアの神意に怯えて、オグマ・ファミリアの冒険者達が一斉に逃げ出した。神の命令に従うようなもので、誰も意味がわからずに恐怖に怯えて逃げ出す。流石に仲間も逃げ出しモルドも一人で立ち向かうことができなくなり、仲間と一緒に逃げ出した

 

オグマ・ファミリアの冒険者が居なくなると、ヘスティアが直ぐに神意を解いて俺たちの方へ走って飛んできた

 

 

「ベル君!ジーク君大丈夫!?」

 

「はい!」

 

「心配ない。俺もベルも無事だ。君は神威まで使う必要があったのか?でもありがとう。おかげで戦いが済んだ」

 

「うん!主神として当然だよ!」

 

「だが次からが神意を使わないで解決してくれ」

 

 

「ジーク・・・・ベルも無事でよかった」

 

「アイズさん!?どうして!?」

 

「ジークから事情を聞いて助けに来たの」

 

「フィンに言われたのか?」

 

「うん。もちろんファミリアに介入するのは確かに良くないけど、『昨日を団員を解毒したお礼として、助けに行って?』と言われたから」

 

「そうか。フィンの奴お礼は別のにして貰おうと思ったのだがな」

 

「あんたならそう考えていたでしょうね。団長にはお見通しよ?」

 

「ジークらしいよね」

 

「たく。俺まで命令されるなんて、しかもジークのために動くなんて面倒くさくてしょうがねえ」

 

「仕方ないですよベートさん。団長の命令ですから」

 

 

 

「とにかく助けたことには変わりない。ベートもティオネも俺のことは嫌いとは言え。助けてありがとう。おかげで穏便とはまでは行かなかったが、戦いが終わった」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「どうした?まさか俺がお前らに感謝を言うとは思っていなかったのか?」

 

「う、うん・・・・」

 

「あいつがまさか・・・・・」

 

「嘘でしょう!?あのジークが!?」

 

「私たちに感謝した!?」

 

「本当に変わったんですね。ジークさん」

 

 

かなり俺の顔を見て驚いていた。確かに二年前の俺なら常識なことはしなかっただろう、威張ってばっかでまともに感謝しないからな

 

でももう俺は二年前の俺とは違う。助けられたなら感謝はする。当然すべきなことにはそれなりの感謝は当然する。ただこの五人には意外すぎて驚いたのかもしれないな

 

 

「無事か!ベル?ジーク?」

 

「大丈夫だ。俺たちは無事だ」

 

「よかったぜ。無事で・・」

 

「ジーク・・・なんとか無事だったんだな」

 

 

「桜花達もありがとう。リューもリリルカもヘスティアの救助に感謝する」

 

「いや、俺たちは当然のことをしたまでだ」

 

「リリもなんとか皆さん無事でよかったです」

 

「しかし・・・・なぜ彼らがヘスティア様を攫ったのでしょう?」

 

「ああ、もちろんあいつらの独断で動いているわけじゃない。だろうアスフィ?」

 

 

「え、ええ・・・・・」

 

 

「まさかペルセウス?テメエか?こんな下らねえ騒動を起こしたのは?」

 

「い、いえ・・・その」

 

 

「やめろベート。彼女を責めても何もならない。彼女は被害者だ。文句ならあの高台に居るヘルメスに言え。あいつが元凶だからな。俺とベルの実力を見たいがためにヘスティアを攫ってあいつらに俺らをリンチするようを頼んだらしい」

 

「「「「「「「へえ・・」」」」」」」」

 

 

「あわわわわわ!!ジーク君!余計なことを!」

 

 

「ヘルメス!本当なのか!!」

 

「ヘルメス様。本当に悪戯好きって言うか、面倒ごとを起こすと言うか。傍迷惑な神様ですね?」

 

「それがあいつだ」

 

 

一件落着を見せおいて、俺は全ての元凶の犯人をネタバラシをした。全員一斉に高台に居るヘルメスを睨んだ。アイズは少しジーと幻滅するような目で見ている。

 

ヘルメスは賢い考えはするものの。後先のことを考えない奴だと思った。俺がこれを引き起こした元凶を黙っているわけもない。ちゃんとヘスティア達に報告するのは眷属として当然のこと。

 

生憎俺はヘルメスの味方をするつもりは毛頭なく。俺は団員であるベルを痛めつけ。俺たちの主神でもあるヘスティアを攫った以上は、ヘスティア・ファミリアの団員として当然のことをした

 

 

「アスフィ?あいつの処理はお前に任せる」

 

「ええ。そうさせて頂きます」

 

「ヘルメスに罰を与えた後で、地上に帰るぞ?アイズ達も一緒にどうだ?」

 

「うん、お願い」

 

「ヘスティア。それで構わないな?」

 

「うん!ヘルメスを殴った後でね?」

 

「ひい!!」

 

 

とにかく一件落着になった。トラブルも出たがなんとか二人を救うことはできた。しばらくこんなトラブルがこの先に出ると俺は予想した。弱小ファミリアが違うファミリアに襲撃されたり騙されたりなどを。そのような悪質な事件を今までオラリオは経歴になる。特に俺なんて者が居るからひやかしの対象にされて。このような嫌がらせがこれから先あるかもしれない

 

こう言う出来事の対策を考えるべきだと思う

 

まあなんにしても二人が無事であり、これで地上に帰ることができる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

バリイイイイイイン!!

 

 

 

「ん!なに!」

 

 

突然上の方から天井に引っ付いていた水晶のクリスタルが砕け。上に繋がる階層への大穴が開いた。そこから

 

『巨人』のようなものが落下した

 

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!と大きく地面が揺れた。地割れもあり。落下したものが立ち上がった。間違いなくモンスターだ

 

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

「ん!あれは!」

 

 

突然上から大きな物体が落下し、落下した衝撃の爆音が18階層に響いた。そしてそこから出てきたのは巨人

 

それは

 

 

 

 

 

一昨日俺たちが倒したはずの『ゴライアス』だった

 

しかも黒い。全身黒く染められた。今まで俺も見たことがない黒色の肌をしたゴライアス。そいつがこの安全ポイントもである18階層に落下し。地面に落とされると立ち上がり

 

 

『グオオオ!』

 

大きく咆哮し、とてつもない突風が吹き出した

 

 

「おい!?あれって!?」

 

「ゴライアスです!?」

 

「しかも全身黒いわよ!?」

 

「あんなの見たことがない!」

 

「でも・・・・ゴライアスで間違いない」

 

 

アイズ達でも知らないゴライアス。やはり新しい亜種ってことだろうな。階層主ゴライアスの

 

 

「嘘・・・・どうして?まだ一ヶ月も経ってないのに」

 

「あれが・・・・ゴライアス!」

 

「なんで・・・この18階層に・・」

 

 

桜花達も初めて見るゴライアスに恐怖を覚えた。だがそれは俺も間違ってないと思っている。一昨日のゴライアスとは何か別な力を感じる体。俺も一昨日のゴライアスとは違うと判断する

 

 

「どうなっているの!?なぜゴライアスがこの階層に降りてくる!?」

 

「クラネルさん。確かに倒したんですよね?」

 

「はい!僕たちは確かに一昨日倒しました!なのになんで!?」

 

「おいおいおいふざけろ!なんでだよ!?」

 

「確かにリリ達は一昨日倒したです!?」

 

「どうしてなんで!?」

 

 

確かに俺たちは一昨日。ゴライアスを確かに倒した。証拠としてドロップアイテムを持っている。なのに期間よりも早く復活した。復活するインターバルを無視してこのタイミングで復活するってことはまさか・・・・・

 

 

「なるほど・・・・・・『ダンジョンは神を抹殺するため』にゴライアスの亜種を生み出したのか」

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

「どういうことですかジークさん!?」

 

「神を抹殺!?どういうことだいジーク君!?」

 

 

「お前らだって聞いたことはあるだろ?ダンジョンに住まうモンスター達が神を恨んでいることを。千年前にこんな洞窟に閉じ込めた神をモンスターやダンジョンは酷く憎んでいると、ここオラリオでこの洞窟をダンジョンと呼び。この街で冒険者を必要になった理由も何かの本で読んだことは無いか?」

 

「それは・・・・ありますけど」

 

「でもジーク様!どうしてゴライアスがこんな短期間で次産するんですか!?普通なら二週間前後で出てくる予定ですよ!?」

 

 

「それはヘスティアが『神意』を使ったからだ」

 

「「「「「え!?」」」」」」

 

「神様が!?」

 

「どうして僕!?」

 

 

「先ほど俺たちのトラブルを止めるためにヘスティアが神意を使ったが、ダンジョンはそれをちゃんと感じ取っているようで、神抹殺のために無理にでゴライアスの復活を無視して18階層に直接出現させたんだ。それもゴライアスの亜種と言う。階層主の亜種をな」

 

「そんな・・・」

 

「ジーク君の言うことは嘘じゃないよ!」

 

「ヘルメス様!」

 

 

俺の話を聞いて、証拠人のためにヘルメスもこっちの方に降りてきた。ヘルメスもこの事態の状況を理解しているようだ

 

 

「確かにダンジョンは俺たち神を酷く恨んでいる。俺たちは『神の力』を天界のルールにより使用できない。だから戦うことができないからダンジョンに神は出入りは禁止されているんだ。ギルドのルールでね。モンスター に殺されるからね。俺だってモンスター に太刀打ちできる術を持ってないからね。でもヘスティアが神意を使ったことでダンジョンはここ18階層に神が居ると感知して、モンスターを投入したようだ。ここが18階層と言う安全地帯でもね」

 

「そんな・・・・それじゃあこれは僕のせいじゃないか」

 

「自分を責めるなヘスティア」

 

「ん!ジーク君・・・・」

 

 

「俺は本当に先ほどは君のおかげで助かったと本気で思っている。君のしたことは間違いじゃない。君がああでもしなかったら俺は本気であいつらを殺してでも止めないと最終手段を迫られていたとこだった。そこへ君が止めてくれた。これはただ・・・・・・ダンジョンではよくある『予想の付かないトラブルが起きた』だけのこと。別に君のせいじゃない」

 

「ジーク君・・・・」

 

「だろベル?」

 

「はい!神様のやったことは正しいです!眷属を想ってこその行動です!間違いじゃあありません!」

 

「ジーク君・・・ベル君・・・」

 

 

「す、すごい」

 

「ジークって本当に変わったのね・・・」

 

 

「ほお・・・・ヘスティアも良い眷属を持ったようだ」

 

 

などとヘルメスは言うが、俺は眷属として当然のことを言ったまで、こんなことは誰のせいにしても意味は無いからな

 

だが

 

 

「だとしても奴を放っておくわけにはいかない。見ろ?」

 

「ん?あ、あれは!?」

 

 

『グオオオオオオ!!!』

 

 

ドガアアアアアン!!!

 

 

黒いゴライアスは俺たちを逃したくないのか、17階層に続く入口の洞窟を壊されて、落盤した。入り口は完全に壊され、何かの魔法で壊す以外方法は無い。だがそんな余裕も無い程。近くにゴライアスが居るためここから出られそうも無い

 

これで地上にも出られなくなった

 

 

「どうやら知恵が回るのか、俺たちを逃さないように出口を塞いだな」

 

「そんな!!」

 

「は!?見てください!地面からモンスター達が!」

 

「ゴライアスだけでなく、他のモンスターを出してまでヘスティアを排除する気だな?」

 

「おいおい数が多すぎるぞ!?」

 

「神を抹殺するためなら手段を選ばないようだな。ダンジョンは」

 

 

退路も無くなった。目の前には今まで格の違うゴライアスと複数のモンスター。こうなった以上の状況で、俺たちの

 

選択は一つのみ

 

 

 

「全員聞いてくれ!『スキールニル』ことジーク・フリードがロキ・ファミリアとヘルメス・ファミリアとタケミカヅチ・ファミリアと無名の冒険者達にヘスティア・ファミリアから頼みがある!」

 

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

 

俺の掛け声にこの場に居る全員が驚き。俺はこうなった最悪の状況の対応には全員で挑むしかないとすぐに判断した。嘘つき冒険者として信頼は全然無いと思うが、この場を乗り越えるためにはこれしかないと頼んだ

 

 

「俺のことは信頼に値しなくていい。でもせめて協力して欲しい。この場を乗り越えるためだと思って、退路は無くなり。これでは地上に帰れなくなった。あの落磐した入り口を壊して帰るしか無いが、あいつらが邪魔でどうしようもできない。だから今だけは全員生き残るためにロキ・ファミリアもタケミカヅチ・ファミリアもヘルメス・ファミリアも。ファミリアの距離関係なくこの場にいる全冒険者の力を貸して欲しい。全員であの亜種のゴライアスを倒す!!」

 

「ジークさん・・・・」

 

「すまないが、報酬も見返りもお前達に返す物は俺たちには何も持っていない。タダで命を賭けるなとは言わないが。ここは全員生き残るためだと思って協力してくれ。頼む。俺たちヘスティア・ファミリアに力を貸してくれ。ヘスティアを失いたくない。俺に力を貸してくれ!」

 

「ジーク・・・・・」

 

 

心が薄れている俺でも、あいつの強力差を魔力を感じているからこそわかる。あいつは恐らくレベル4以上のモンスター。ここは全員の力を持ってでもしないと勝てないと判断した俺は、こうして頭を下げて頼み込む以外他に無かった

 

見返りも報酬も無い。冒険者としては絶対に受けない頼みだと思うし、何より嘘つき冒険者としての俺の言葉など聞かないと思っている

 

 

それでも

 

 

俺を信じてくれたヘスティアを失くしたく無いと。まだ俺の心は抗っていた

 

 

 

 

 

 

「ち!たく。あ〜〜あ!!ジークの癖にらしく無いことしやがって!」

 

「ベート・・・」

 

「テメエが雑魚なのは当然知っている。だがな!俺があんな奴に負けると思うか?」

 

「どうかな。いくらお前でも今回ばかりは強敵だと俺は思っている。だがお前が一緒に戦ってくれると安心するんだがな」

 

「ふん!上等だ!テメエの変わったツラを見て肝が冷えたが。ちょうどいいサンドバッグとして戦ってやるよ!」

 

「礼を言う。ベート」

 

「私もやるよ!ティオネは?」

 

「え?ん〜〜〜。まあ・・仕様がないわね。地上に帰るためにはあいつを倒さないとね?」

 

「礼を言う。ティオネ。ティオナ」

 

「へへへ。当然だよジーク!」

 

「ん!?本当にあんた見ない内に変わったわね!おかげでどう対応したらいいか分からないじゃない!!」

 

「私もやります!!皆さんの役に・・・・ジークさんのためにも戦いたいです!」

 

「頼む。レフィーヤ。いざとなったら俺が必ず守る。勇気を出して前へ出てくれ」

 

「はい!」

 

「ジーク。私も戦うよ。みんなでここを出よう」

 

「頼む。アイズ」

 

 

なんとかアイズ達の協力は得た。信頼とは無縁だが、昔みたいな会話が久しぶりにできるとは思わなかったがな

 

 

「私もやります。こうなった以上は戦う以外の道はありませんからね」

 

「すまないアスフィ」

 

 

アスフィの協力も得た。アスフィもこの状況の判断を理解しているようだ。

 

 

「俺たちもやる!力になれると思えないが、やらせてくれ!」

 

「しっかりと支援します!」

 

「わ、私も!」

 

 

「すまない。桜花達も助かる」

 

 

桜花達もレベル2とは言え。俺の協力を支援してくれた。レベル差は関係なく。数が多い方がいい。それでも戦力としては十分だ

 

 

「私もやります。ジークさん達を助けるために私はここに居るんですから」

 

「すまないリュー」

 

 

「俺もだぜ!」

 

「パーティーを組んだリリ達も当然!」

 

「みんな・・・・・うん!やりましょうジークさん!」

 

「ああ!」

 

 

なんとか全員の協力を得ることはできた。だがそれでも足りない気がする。レベルの高いアイズ達ロキ・ファミリアが五人居ても。それでも不十分だと思う

 

ここは18階層だから。『あいつら』にも頼むしかない

 

 

「アスフィ。リヴィラの街に行って。ボールスの協力を頼んでくれ」

 

「ボールスにですか?」

 

「ああ。あいつはあの街のボスだ。『この階層にゴライアスが出てきた。退路は奴に壊され。このままじゃあリヴィラの街もやられる。どうか力を貸してくれ』と伝えに行ってくれ。もっと数を増やしたい」

 

「わかりました!ふ!」

 

 

そうしてアスフィだけリヴィラの街に向かった。念のためにあの街に居る冒険者の力をも借りたい。得体の知れないゴライアスなのだから数は多めの方がいい

 

 

「よし。それじゃあこれからあいつを倒す。言っておくが今までのゴライアスとは訳が違う。奴の魔力を感知する限り。恐らくレベル6程の実力じゃないと勝てない敵だ。あの動きは恐らく普通のゴライアスとは比べ物にならないほど動きの速さが上回る。何かあった場合は俺が必ず治癒魔法で治すが、油断はするな?」

 

「それでどうします?」

 

「作戦か。作戦は・・・」

 

 

『うわあああああああ!!』

 

 

「ん?」

 

「あれは!?」

 

「さっきのベル様達を襲った冒険者達です!」

 

「襲われているぞ!」

 

 

先ほどのモルドが率いた冒険者達が、ゴライアスの居る近くの森に逃げ込んだらしく。運が悪く地面から突如出てきたモンスターに襲われていた

 

普通の冒険者なら先ほど痛めつけた俺たちに救う価値はないと見捨てるのが、当然なのだが

 

 

「あの・・ジークさん?あの人たち・・」

 

「わかっている」

 

「え?」

 

 

「お前らにとっては癪ではあるとは思うが、俺の指示に従ってくれ。ヘルメスはヘスティアを連れて遠い所に逃げろ!アイズとベートとティオネとティオナでゴライアスを引きつけ!その間に桜花達と俺たちであの下級モンスターを倒しながらあいつらを避難させる!!」

 

「は!?あいつらを!?」

 

「おいジーク!さっきまであんなことをしてきた連中だぞ?あいつらを助ける必要ねえだろ?」

 

「確かになベート。お前の言う通りだ。さっきまであんなことをしてきたあいつらに救う価値は無い」

 

「なら・・・見捨てるべきだろ?」

 

「だが・・・・・・あいつらの死体姿など見たくない」

 

「!」

 

「確かに救う価値もない助ける義理もない。だが・・・・そいつらが無様に死んでその死体を見るような罪悪感を味わいたいのかベート?」

 

「ち!・・・・テメエはそのあめえ考えは二年まえと変わらねえな」

 

「それにお前は戦うだけだ。何もお前が助けろとは言ってない。避難させるのは俺らだ。もちろんこれはあいつらのためじゃない。俺個人のためだ」

 

「そうかよ・・・・」

 

「ジークさん・・・・流石です」

 

「俺はただ死体を見るような気分を味わいたくないだけだベル」

 

 

ベルが俺を正義の味方みたいに言うが、本当に俺は自己満足のためにしようとしているだけ。フレイやおふくろを失くして天界に送還される光景を見た俺にとっては、もう死体など見たくはなかった。

 

 

本気で俺が許せないと思った相手以外は

 

 

「来いグラニ!」

 

『は!お呼びですか?』

 

「グラニ!主神二人を連れてなるべくモンスターが居ないところへ逃げろ!二人を守れ!」

 

『は!さあ、お二人とも私の背中へ!」

 

「ヘスティアは俺に任せてくれ!さっきのお詫びの分として絶対に守るよ!」

 

「みんな!気をつけて!」

 

 

 

グラニを召喚してヘルメスとヘスティアを背中に乗せて。モンスターの居ないところまでなるべく遠くに行かせた

 

 

 

「では今の指示通りに動け!全員死ぬなよ?」

 

 

「「「「おう!」」」」

「「「「「はい!」」」」」

「「うん!」」

 

「よし!行くぞ!!」

 

 

あの漆黒のゴライアスが一体普通のゴライアスどどれ程の差があるかはわからないが、油断できる相手ではない。アイズ達が協力を得なければならない強敵だ。

 

俺の感知が間違いじゃなければ、何か魔法のようなもので対抗しないと勝てないと推測する。

 

でもあいつを倒す方法を考えるのは後にして、まずはモルドたちを救出する方を選んだ

 

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