ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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剣姫は敵で、人間も敵

 

 

「以上だ。報告は任せて貰っても構わないな?」

 

「うん。40体か・・・・・・確かに多いね。そんなに居たなんて」

 

「ああ。俺もなんとかしたいのだが、難しくてな。もっと俺の故郷がここから近ければよかったのだがな」

 

 

報告をヘスティアにしたのだが、まさかゼノス達がこれだけ多いとは彼女も思いもしなかった。希少種であるゼノスまで居る。それも人サイズではないドラゴンも居る。流石に全員は保護は無理だったため、ウィーネもダンジョンで住ませ、リドたちに保護を任せた。

 

ウラノスの眷属であるフェルズからそれなりに支援をしているようで、ゼノスたちとウラノスの繋がりは本物だと。十五年前からそんな事をしていたなど、俺でも気づかなかった。改めて彼女たちの存在を知らしめられたヘスティアたちは、存在事態に衝撃が走る真実だが、その者たちが地上に出たいと言うのは、どう考えても不可能な願いだが。俺の故郷に移住はできるが、今はその道のりがとても厳しく。仕方なく彼らはそのままモンスターが出ないセーフティ・ルームで過ごすしかなかった

 

 

「それでこれからは・・・・・イケロス・ファミリアを探すんだよね?」

 

「ああ。その方が彼らが安心する。奴らの狙いはゼノスだからな」

 

「ヘルメスとガネーシャも探しているみたいだからね。本当に・・・・ヘルメスはともかく、あのガネーシャがそんな粋な事をするなんてね・・・・・でもヘルメスにイケロスを追って貰っているみたいだけど。見つかんないみたい」

 

「そうか・・・・・・・とにかく。これから俺たちもイケロスを探して、見つけ次第奴ら全員を捕縛してギルドに引き渡す。本来なら殺したいのだが・・・・・・ヘスティア」

 

「もちろん駄目だよ。敵だからって容赦なしに殺しちゃダメだよ」

 

「敵なんだ。斬り捨てて当然。それが人間だろうと。自分や友人の身を守るために廃棄しなくてはならない存在だ。そんなイヴィルス如きに慈悲など不要だ。だが今回は君の命であるなら従おう」

 

「まったく、最近本当に物騒な事を言うようになったね?君は」

 

「事実を言ったまでだヘスティア。敵に暴言を吐こうが、そんな礼儀など要らん。どうせお互い意思疎通が叶わないとして斬り合うのがオチだからな」

 

「モリガンとアポロンはそうだろうね。二人とも君を手にするのに手段なんて選ばないからな」

 

「でもどうしますかジーク様?イケロス・ファミリアの捜索はかなり難しいですよ?」

 

「フェルズ様に先ほど聞いたのですが、イケロス・ファミリアはダンジョンの入り口門を利用せずにダンジョンに入っているようですよ?」

 

「フェルズ殿がマジックアイテムで、ダンジョン入り口を監視しているようですが、一行に眷属らしき人物が通った形跡は無いようです。どうやってイケロス・ファミリアは門を通らずにダンジョンに入っているのでしょうか?」

 

「だろうな。なら隠れ家は一つだけだろう」

 

「それって・・・まさか・・・・」

 

「ジーク?お前が前に言っていた・・・・・・あの『クノッソス』のことか?」

 

 

「ああ。イケロス・ファミリアの団長のディックスと言う男が。その『人工迷宮』の設計者にして建設社の子孫だからだ」

 

「僕もウラノスから聞いたよ。人造迷宮の建設者。一千年前にウラノスの眷属である。『ダイダロス』と言う男が建設した、言わばもう一つのダンジョンだ」

 

 

アレス戦争の時に、俺たちは出動の命令はなかったため、俺はその間にクノッソスのことをベルたちに話した。もちろんそんな話は彼らも信じ難い。『人の手でダンジョンを作る』。そんなことができるはずがないと、人のて手で迷宮を作れるなど。信じられない話だ

 

だがそれができるのが、ウラノスの大昔の眷属。『ダイダロス』

 

一千年前のウラノスの眷属だが、奴はバベルの建設を果たした建設の天才だった。ところが彼はダンジョンを見た時。自分を建設してきた作品よりも美しいと。ダンジョンの方が自分の建設した物よりも遥かに美しいと。彼は自分の愚かしさを知った。のと同時に狂い始めた

 

それはあのダンジョンを超える迷宮を、『自分でも造りたい』と、あの迷宮を超える迷宮を自分の手で建設しようと決したのだ。絶世の天才と呼ばれ、あのダイダロス通りと言う街まで建設したあの男が、芸術家としてのプライドに響いたのか、そんな有り得ない作品を作ろうとした

 

 

だがもちろん。彼はヒューマンであり、百年も満たずで老死し、人造迷宮を制作は止まるかと思いきや、死ぬ前に子孫を残していた。女を無理矢理子を孕ませて、その子供に人口迷宮の製作を続けるように、教育して設計図を渡してなど。その子孫たちが今でも人造迷宮を建設するように、呪いでも掛けられたかのように、それを千年。子孫を残し続けてやってきたが、未だ中層にも辿り着いていない

 

奴らが金を稼ぐのは、そのクノッソスを完成させるための建設費。クノッソスを完成させるまではダイダロスは止まらない

 

 

「ディックス・ペルディクス。二つ名は暴蛮者と言う意味で『ヘイザー』。レベルは5だ。奴さえなんとか見つけ出せれば、イケロス・ファミリアは終わる」

 

「でも、そのクノッソスの入り口なんて、どこだがわかりませんよ?」

 

「それなら問題ないよ!ねえジーク君!」

 

「ああ。俺がそのダイダロスの書記と鍵を持っている」

 

「お前・・・・本当に用意がいいよな」

 

「書記や鍵もタナトスの眷属から盗んだ。タナトス・ファミリアもそのクノッソスをアジトにしているからな」

 

「タナトス・・・・・・まだ子どもの死を利用しているのか」

 

 

鍵と書記はもう既に俺の手元にある。それを机に出した

 

ヘスティアもタナトスのことを知っているようで、最悪な邪神だと、彼女も今回ばかりの話はいい顔をしていない。余程天界で嫌なことがあったか。何かタナトスに変なことをされたかで、あまり良い関係ではないようだ

 

だがタナトスの眷属にもダイダロスの子孫が居る。決してディックスだけではない。バルカと言う男もタナトスの眷属であり、そいつが直接ダイダロスの建設をしているのだが、奴の部下が以前18階層に彷徨いていた。俺はその部下を殺した時に、荷物を漁ったら見つけた。この初期には設計図と言う地図と。鍵もしっかりある

 

これならダイダロスに入れる

 

 

「とにかく、これで奴らの居場所に入れるのだが・・・・・」

 

「このクノッソスのどこに居るのかがわからないのか」

 

「ああ。地図もある鍵もある。だがクノッソス内部はわかっていても、奴らのルームまではわからない。中にだってモンスターは居るはずだ」

 

「このクノッソスの入り口・・・・・いくつもありますよ!?」

 

「ダイダロス通りに二つと、ダンジョン18階層!?こんなにもこのクノッソスの出入口があるんですか!?」

 

「あのダイダロスの子孫たちはダンジョンを超える迷宮を作りたいなら、ダンジョンに入り口を作って、そこからモンスターを投入させるなどをして、簡単に攻略させないようにする算段だったのかもしれない」

 

「ジークの魔力気配でも難しいか?」

 

「俺はまだディックスに会っていない。俺の魔力気配もそこまで広範囲に感知できるわけではない。かなり難題になる。イケロス・ファミリアを見つけるのは」

 

「じゃあジーク君。これはどうかな?」

 

「なんだ?ヘスティア?」

 

 

 

「イケロス自身を見つけるってのはどうだい?」

 

「っ!?主神を捕まえて居場所を聞き出すつもりか!?」

 

「ああ。僕だって眷属を想ってのこと。こんな卑怯な手でも居場所は聞き出せるはずだよ。別に捕らえて少し脅しをするだけだしね。その後を酷いことをするわけじゃないさ」

 

 

ヘスティアは善神としてそんな卑怯なことはしないと思っていたが、まさかウィーネたちを助けるために、イケロス自身を捕まえて居場所を聞き出そうと、善良な人間や神ならそんなことはしない、俺ならともかく、あの優しい神が手段を選ばずにそのような方法を提案する。彼女もウィーネたちのために何かしたいようだと。俺の主神ながら提案を持ち出した

 

だがそんなことは不可能。なぜなら

 

 

「それだとイケロスをまず探さないとならない」

 

「ジーク君。昨日言ったよね?イケロスやヘルメスには会うなって、神は子どもの嘘を見抜くから絶対に会うなって。それはウィーネ君の居場所を悟られるからって?」

 

「確かにそう言ったが・・・・・・・っ!」

 

「ヘスティア様!?まさか!?」

 

 

 

「そう!イケロスを誘い出すために、ワザとダイダロス通りで『武器を持ったモンスター』についての情報を街の人に聞き出すフリをすれば、必ずイケロスは出てくるはずだ!」

 

「君とは思えない・・・・・発想だな。むしろそれは俺の専門の手段なんだが」

 

「ふふん!僕だってジーク君のそういうやり方だけは、僕は賢いと賛成できるもんね!」

 

 

つまりヘスティアの作戦はこうだ

 

イケロスは男神で、子どもの嘘は見抜く。ダンジョンで武器を持ったモンスターの目撃情報を持つ子どもに必ず聞き出すと。目の前に出てくるはずだと。イケロス・ファミリアがよりゼノスたちを見つけやすくするために聞き出して出てくるはずだと、俺が疑って言ったのだが

 

それを利用して逆に捕らえて聞き出そうと

 

ワザと俺たちがゼノスの情報を聞くフリをして。逆にイケロスを捕まえると言う提案をしてきた。本来なら獲物を誘い出すやり方は俺の専門分野だと思っていたが、見ない内に俺の真似をするようになったのか、ヘスティアも手段だけは俺のやり方に賛同するようだ

 

 

「僕とベル君でダイダロス通りに住む人々に聞き出すフリをするから、そしてイケロスが出てきたらジーク君たちが捕らえて、居場所を聞き出せるよ」

 

「まさか君がそんなことを提案するなんて、驚いたよ」

 

「それではこれでイケロス・ファミリアのアジトである人造迷宮に入れるわけですね」

 

「ジーク様。どうしますか?」

 

 

「無論今からその作戦を実行したいのだが・・・・・・その前にギルドに報告をしなくてはな」

 

 

「報告?」

 

「嘘の報告だ、ゼノス達は俺たちが先ほど殺したと嘘の報告をギルドにするんだ。そうすればもうダンジョンでゼノス達を探す冒険者が出てくることがなくなる上に、探す奴もいなくなる」

 

「確かにそれは名案だね」

 

「だから今からギルドに行くから、待っていてくれ」

 

「少しは休んだら?ダンジョンに帰ってきたばっかだって言うのに、ほとんどどころか・・・・最近ジーク君寝てなくない?」

 

「眠れないんだ。別に少し寝なくても問題ない。ウィーネ達が安心できるまでは寝ることができないんだ。心配になってな」

 

「本当にそれだけ?」

 

「・・・・・・・ああ。本当に心配で眠れないだけだ。大丈夫だ。あっちで十分休んだからな。ベル達も今の内に休息を取ってくれ、俺がギルドから帰るまでは時間があるから休めるはずだ」

 

「ジークさん。お一人でそのままギルドへ?」

 

「ああ、このくらい問題ない。ではヘスティア。ギルド本部に行ってくる」

 

 

そうして俺はギルド本部に報告へ行った

 

確かにヘスティアの言う通り。最近俺は全然寝ていない。と言うか眠れない。あのアレスの戦争が終わってから俺の睡眠が最近まったく無く。それだけでなく最近食事も通らない。味が不味いわけではないが、最近体の異変がおかしくなっている。人間としての休息が取れない所か、食事すら通らなくなっている。ヘスティアもシルも俺の体の異変に気付いている

 

いつまでこの体が保つか、俺は今後自分の体を調べる必要があると、頭に入れておく

 

無論そんな異変に気付いているのは、ヘスティア達だけではない

 

 

「ジークさん。確かに最近寝てないね。この前だって深夜なのに書類仕事をしていたよ。みんながもう寝ている時間に」

 

「食事も全然取っていない時がありました。パン一個とスープだけしか口にしない時も。しかも昼食なんて取った所を見たことがありませんよ」

 

「あいつ。何か絶対に隠しているよな」

 

「ええ、ジーク殿が・・・・人間じゃないってどういうことなんでしょうか」

 

「ウィーネ様は確かにそう言っていましたね」

 

「え?ベル君?ウィーネ君がジーク君が人間じゃないって言っていたのかい?」

 

 

「はい。先ほどダンジョンでウィーネが言っていたんですが、『ジークさんがドラゴン』だって。突然言い出したんです」

 

「っ!?」

 

「ジーク様。眼がいつの日か獣のような『竜眼』をしますよね」

 

「ああ。怒る時に何度かその眼に変わるよな」

 

「なんでしょうか、あれ」

 

「あれが半神の眼とでも言うのでしょうか」

 

「神様はどう思いますか?」

 

 

「え?あ・・・・ああ・・・・・僕にもわからないけど。おそらくジーク君のレアスキルの影響だと思うよ。怒る時のジーク君は猛獣のように怒るから、だからその眼に変わるんだと思う。彼が最近寝ないのはきっとウィーネ君たちを心配しているからだと思うよ」

 

「ん〜〜〜・・・・・・どうなんでしょうね。本当に」

 

「とにかくしばらくはベル君も休みなよ。今の内に休んでおかないと。この後は大変になるよ」

 

「はい。わかりました。みんな。しばらくジークさんが帰ってくるまで休もう」

 

 

そうして俺の異変に気付いたのはベル達も同様だった。もうあれだけのことを言えば誰だって怪しいと疑って当然なのだが。それをヘスティアが有耶無耶にして話を流す。いろんなことを言って誤魔化して、ダンジョンで帰ってきたばかりのベル達を自室で休ませるなり、風呂に入らせたりなどをしてベル達を移動させたのだが

 

残ったヘスティアがこう呟く

 

 

「じゃあ・・・・ウンディーネ君とノーム君とサラマンダー君の言う通り・・・・もうジーク君の体は限界に・・・・・・これをまさかジーク君も気付いているんじゃ!?」

 

 

俺の秘密を知っているヘスティアは俺の体が限界だと言うことに本人でもある俺も気付いていることに察しが付いた。これに気付いたとしても止めることはできない。だからこれから俺はどうなるのだろうと。ヘスティアは段々心配になってきていた

 

ウィーネが『俺をドラゴンだと言っていた』ことに関して、彼女はそうではないのかと。ヘスティアは俺の異常に危機を感じていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド本部

 

 

「じゃあジーク君達が無事討伐したのね?」

 

「ああ。昨日お前からその情報を貰いたかった理由はそれだ。全員残らず蹴散らした。かなり強者のモンスターだった。武器を奪うだけのことはあるなと思った。下級ファミリアに頼まなくて正解だぞ。奴らはそれほど強かった」

 

「そうなんだ。もう少しでガネーシャ・ファミリアにギルドは頼む所だったの。ジークのその報告で安心したわ」

 

「やはりギルドから直接依頼すると思っていた」

 

「うん。知ってる?実はロキ・ファミリアも出動する予定だったんだよ?」

 

「ほう・・・・・まさかあいつらがこの程度の事件に関わるつもりだったのか?」

 

「というか・・・・・・・・・ヴァレンシュタイン氏がどうしても参加したいようで、最近よく一人で潜っているんですよ」

 

「アイズか。あいつならモンスターと聞いて、消しに行かないわけがないからな。あいつはモンスターを憎んでいるからな」

 

 

今エイナに報告をしたのだが、俺たちが嘘の報告を今しなければガネーシャ・ファミリアとロキ・ファミリアをギルドから討伐依頼を出す予定だったようだ。嘘をついてよかったと思う。そうでなければリド達が今頃ロキとガネーシャ・ファミリアに討伐されていた所だ。

 

やはり早めに嘘を付いてよかったと思っている。それにしてもアイズが一人でゼノスを討伐したいようで、最近ダンジョンで一人で潜ることが多いと聞いた。

 

やはりあのエダスの村で過ごして以来、より力を欲しくて、あのモンスターを滅ぼすためにも日々ダンジョンで鍛えているようだ

 

 

「とにかくこれを早くロイマンにも報告するんだ。下手をすればガネーシャ・ファミリアやロキ・ファミリアが無駄足でダンジョンに潜ることになるぞ?」

 

「うん、そうだね。討伐ありがとうね。おかげでひとまずは安心よ」

 

「ああ。では頼む」

 

 

そうして俺はエイナに一刻もゼノス達は討伐されたと言う嘘の報告を広めるように頼んでおく。これでひとまずはリド達も冒険者に襲われなくて済むだろう。イケロス・ファミリアに見つかるまではの話だが

 

とにかくイケロス・ファミリアを早く仕留めるために、急いでホームに戻るのだが

 

 

ギルド本部前で、意外な人物に出会す

 

 

「ん?ジーク・・・・・」

 

「っ!アイズか・・・・」

 

 

まさかもう先ほどエイナからアイズのことに関して通達を受けたばかりだと言うのに。そのエイナが目の前に居るとは思いもしなかった。しかも一人で、やはりダンジョンで力を付けていたようだ

 

だが彼女に今会っても俺には話す内容が無いと、話し掛けずに俺はアイズの横を通り切る

 

 

「待ってジーク」

 

「・・・・なんだ?」

 

「話があるんだけど・・・」

 

「話す気はない」

 

「待って!お願いだから話をしたいの!」

 

「『敵』であるお前の話など聞く耳持たない」

 

「え?」

 

「前に言ったはずだぞ。俺とお前は分かり合えない。フィン達はともかく、俺とお前は敵同士だ。相反するお前と俺では話にならない。本来ならこの場で斬り捨てる所だ。人の目の前でもな」

 

「何を言っているの?どうしてジークが私の敵なの?」

 

 

「わからないのか?俺は人間じゃないんだぞ?」

 

「っ!?」

 

 

眼は人間の肉眼のままだが、俺は人間じゃないとハッキリ言った。それは決して半神半人という意味でもない。

 

ウィーネと言う『ドラゴン』と言う意味で言っていると。俺はアイズに今度こそわかりやすい言葉で言い放ち、彼女には俺と分かり合えない本当の意味を知らしめるために

 

 

「ジーク・・・・・薄々そう感じていたけど・・・・なんで・・・あなたが・・・あの竜眼や闇を・・・・したり出せるの?」

 

「だから言っただろう。俺は人間じゃない。それがわかったら俺を殺すのが道理だろう?そうなったら俺も生き残るためにお前を殺すんだ。これが『人間同士の戦い』だ。常に俺はそうしてきた」

 

「ジーク・・・・・信じたくないけど・・・・貴方はモンスターだって言いたいの!?」

 

「だとしたら・・・・・どうする?」

 

 

俺は言った。彼女に俺はモンスターだと。人間の姿をしているが中身がモンスターだったらどうすると俺はアイズに質問する。俺は知っている。アイズはモンスターが憎くて殺せるが、人間は殺せない。人間の悪意を知っても尚。そんなアイズは愚かだと言う。モンスターは人類の悪かもしれないが、俺の場合じゃあ人も神も時には悪だと言う。モンスターはただ本能に生きているからわかりやいが、人間と神は違う。下劣で傲慢で外道な生き物。そんない人間も神も一人残らず殺してきた

 

欲望のままに悪意に囚われ快楽に溺れた人間など。俺はその二つを平気でする者は殺すべきだと。一切人と神を殺すことに躊躇いなどない

 

さあ、どうすると俺はアイズに選択を迫らせる

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジーク!!ジーク!!!助けてえ!!!』

 

 

「っ!?」

 

「え?」

 

 

突然、俺の左腕に付いているオクルスからウィーネの連絡が入った。それもかなり泣き声で助けの声を出していた。まさかなのではないのかと、俺はウィーネに声を掛ける

 

 

「ウィーネ!どうした!!」

 

『ジーク!冒険者に!・・・・『ゴーグルを付けた』冒険者に!フォーやラーニェがやられて!私たちは捕まったの!!』

 

「っ!?ゴーグルを付けた冒険者だと!?」

 

 

『おい!そいつも連れてけ!』

 

『おう!』

 

 

『あ・・いや・・いや・・・ジーク!!ジークウウウウウウウウウ!!!』

 

「ウィーネ!?」

 

「ジーク?どうしたの?」

 

 

ウィーネはオクルス越しで誰かに連れて行かれたらしく、そこで連絡が途絶えた。ウィーネの言葉に『ゴーグルを付けた冒険者に捕まった』と聞いた。間違いなく団長のディックスで間違いないと。俺はウィーネの所在位置を確認する

 

 

「場所は・・・・18階層・・・・しかもリヴィラの街だと!?」

 

『ジーク!!』

 

「っ!リドか!」

 

『大変だ!ウィーネやその他の同胞が!!ジークっちの言うイケロス・ファミリアの冒険者に捕まった!!』

 

『ウィーネやフィアや他の同族も捕まりました!』

 

『18階層に連れてかれたぞ!』

 

 

「く・・・・あの下等生物共が!」

 

「ジーク!?」

 

 

あのイケロス・ファミリアがもう既にゼノス達を襲っていたのだ。そしてよりによって俺の大事な『ウィーネ』を捕まえたと言っていた。それだけを聞いて、もはや俺は『人間とにしての人格を』保てず、俺は怒り奮闘で叫んだ。

 

他の場の人間も居て、目の前にアイズが居ると言うのに

 

それでも俺は怒りを抑えきれず、叩き潰しに行く

 

 

「リド、レイ、グロス、俺も18階層に行く。リヴィラの街を焼き払ってでもイケロスの冒険者共を皆殺しに行く。お前らも18階層に来い!」

 

「え!?」

 

 

『ジークっち!?』

 

『本気ですか!?』

 

『同胞を助けてくれるのは嬉しいが!お前がそんなことをしたら他の人間達が!・・』

 

 

「知ったことか、もうあんな『下等生物』風情など、なんの情も湧かん。俺の家族に手を出すなら、人間だろうと神だろうと全員皆殺しだ!」

 

 

そう言って俺はリド達の止めの言葉も聞かずに、イケロスの愚劣な行動に怒りを覚えて、皆殺しにすると。もはや人間だろうと関係ない。悪意に身を委ねるなら殺すまでだと、人間の悪意に怒りを覚えた

 

もはや俺は人間の憎しみを完全に覚えて、他者の声など聞こえなかった

 

 

「ジーク!何を言って・・」

 

「おい」

 

「っ!?」

 

 

 

『「どけ。殺すぞ?」』

 

「ジ・・・・ジーク?」

 

 

突然アイズが俺の前に立ち塞がるため、邪魔だと俺は威嚇した。その時、微かに俺の声がもう一つ別の声を発する。その声と竜眼をした俺の姿に、アイズは立つことが出来ずに、そのまま地面に膝を着く

 

 

「ウィーネ。今助けに行く!待っていろ!」

 

 

俺はこの後の作戦を実行をせずに、そのままバベルへと向かい。ダンジョンの中へ入って18階層に向かう。無論本気でリヴィラの街を焼き払ってでもイケロスの眷属を殺しに向かおうとした

 

そしてその怒った俺の姿を見て、床に膝を着いて取り残されたアイズは

 

 

「ジーク・・・貴方は・・・誰なの?・・・貴方は人間なの?・・・まさか本当に・・・・・竜?」

 

 

俺の恐ろしい正体を知ったアイズは、その場に動けず、ただ全身が震えて動けなかった。彼女は初めて俺に恐怖を覚えたのだ。いや・・・・・これで『二度目』だ。あの恐怖を、両親を殺したあの『恐怖』を。今度は俺がしたのだ。

 

アイズはそのまま。しばらく立ち上がれなかった。あの恐怖を『二度』も打ちのめされたは。彼女はその場から立ち上がることはできないまま、俺の存在が何者なのか、頭で考え、悩んでいたのだ

 

 

彼女も知ってしまった

 

 

 

俺は人間ではないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18階層

 

俺は急いでそこまで辿り着いた。勢いよく俺はここまで突っ走っていた。俺一人でなら仲間のペースに合わせることなく、18階層など30分で勢いよく辿り着ける。そしてそのままリヴィラに入り。通路側に毒化された冒険者を見つけた。それがイケロスの眷属だとわかり

 

俺はイケロスの団員を追い詰める

 

 

「イケロスの眷属は・・・・・っ!そこか!」

 

 

「ん?なんだ?・・う!?」

「何しやがる!?・・・・って!?雷帝!?」

「なんでテメエがここに居やがる!?」

 

 

「その顔に浴びた毒、ラーニェの毒だな!『匂い』ですぐにわかったぞ!!」

 

 

俺は獣人ではないはずなのに、嗅覚でそのイケロスの眷属の顔に付いている毒がラーニェの毒だと気付く。もはや俺の嗅覚までもが、獣人並みに見分けることができるらしく、すぐにイケロスの眷属を見つけることが出来た。

 

数十人居るが、その中に捕らえたウィーネ達ゼノスの姿はない

 

 

「ウィーネはどこだ!吐け!!どこへやった!」

 

「さあな・・・・知らねえな・・・・・」

 

「吐け!さもなくばここに居る全員皆殺しだ!!」

 

「吐いたとしても・・・・お前じゃあ・・・辿り着けねえよ」

 

 

「そうか・・・・・なら死ねえ!!」

 

 

「「「「「「「ぐわあああああああああああああ!!!」」」」」」

 

 

俺がグラムを取り出して、リヴィラの建物を壊してでも俺はイケロスの団員を斬り殺す。もはや俺は周囲のことなど頭に入れていない。もやはリヴィラを崩壊させてでも、俺はグラムでイケロスの団員を殺し尽くすまでは止まらなかった。そのままリヴィラの街の中で暴れ尽くす

 

そんな騒ぎを俺が起こしていると。建物の中からリヴィラのボスである『ボールス』が出てくる

 

 

「雷帝!!お前なんの真似だ!?」

 

 

「決まっているだろ!イヴィルス狩りだ!イヴィルスを殺しているだけだ!」

 

 

「イヴィルス!?なんでここに居るんだよ!?」

 

 

「いいから早くお前はギルドへ迎え!18階層にイヴィルスが現れたと、通告するんだ!行けええ!!」

 

 

「お、おお!!」

 

 

俺は突然建物の中から出てきたボールスにすぐに18階層のイヴィルスが出たと通告させるためにギルドへ向かう。俺はそのままイケロスの団員を殺し尽くしてリヴィラの街中で暴れす

 

すると

 

 

「ジークっち!」

 

「来たか、奴らを追いかけろ!奴らがイケロス・ファミリアだ!ウィーネの居場所を吐かせて殺して助けに行け!」

 

「ジークさん!でも!」

 

「お前はこんなことをしていいのか!?他の冒険者が敵になるぞ!」

 

 

「知ったことではない。人の眼など気にして居られるか!ウィーネ達の命が最優先だ!愚図愚図してないでさっさと奴らから居場所を聞き出して殺せ!この街を壊しても構わん!お前らに仇なす冒険者も容赦なしに殺せ!やるんだ!」

 

 

「く!?わ、わかった!」

 

「ジークさん、ウィーネのためにそんなに怒ってくださるなんて!?」

 

「ジーク・フリード。やはりお前は只者ではないな。同胞を助け出すぞ!ジーク・フリードが味方してくれる!やるぞ!!」

 

「「「「「おお!!!」」」」」

 

 

「イケロスの団員を殺し尽くせ!!」

 

 

そうして後からやってきたリド達と合流した。そしてリド達に森へと逃げるイケロスの団員が居ると教え、奴らがウィーネを誘拐した密猟者だと。教えて今すぐ襲い掛けてウィーネ達を捕らえた場所を吐かせてから殺せと指示した

 

もちろん他の冒険者が目撃している目の前で指示した。そんなことを知れば俺もモンスター同様に敵であると、認識されるが

 

俺は他の下等生物など『自分に関係を入れていない』者以外は知ったことではないと。人の評価など関係なしに俺はリド達と共にイケロスの眷属達を襲う。俺がモンスターと共に人間を襲う姿を他の冒険者が目撃されてしまう

 

が俺の頭の中には『ウィーネ』のことしか頭になく、

 

それ以外がどうなってもいいと。リヴィラの街を破壊尽くしてまでイケロスの団員を襲いかかる

 

 

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