ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

71 / 201
リヴィラの街 壊滅

 

 

 

一方ベル達はと言うと

 

 

「ジークさん。遅いですね?」

 

「まだアドバイザー君の報告で長引いているのかな?」

 

「それほど長くはない報告内容と思いますが」

 

「まさか一人でダンジョンに行って、ゼノス達の様子を一度見に行ったりしてな?」

 

「まさか・・・・・」

 

「流石にそれは・・・・・」

 

 

ベル達は未だに俺が戻ってくるまでホームで待っている。あれから俺がホームに出てから三時間も経っているのに、それでも俺はそれから一向にホームに帰ってこない。これからイケロスのアジトに向かう作戦をすると言うのにだ

 

ヴェルフが冗談ながら、ウィーネの様子を一度見に行ってから戻ってくるのではないかと。おかしな事を言うのだが

 

 

 

『緊急警報!!!緊急警報!!!』

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

突然ギルドの放送が流れた。このタイミングでだ。放送者の声はエイナだった。そのエイナの放送にオラリオの都市全域に広がる。

 

 

「何かあったのか?」

 

「なんでこのタイミングで・・・」

 

 

『オラリオに所属する全ファミリアはギルドの指示下に入ってください!!ギルドはミッションを発令します!!!』

 

 

「「「「「「ミッション!?」」」」」

 

 

ギルドはミッションを発令すると、全ファミリアはギルドの指示元に動けと緊急警報が鳴り響いた。そのミッション内容は

 

 

 

『18階層リヴィラに『イヴィルス』が出現!!現在ヘスティア・ファミリア団長ジーク・フリードこと雷帝が一人で交戦中との事!』

 

 

 

「ジークさんがイヴィルスと交戦中!?」

 

「なんでジーク君が18階層に居るの!?」

 

「やっぱり!あいつウィーネが心配で一人でダンジョンに入ったな!?」

 

「しかもイヴィルスって・・・事は!?」

 

「今18階層にイケロス・ファミリアが居るって事ですか!?」

 

「どうして18階層にイケロス・ファミリアが!?やはりクノッソスはダンジョンにも繋がっているって事ですか!?」

 

 

ヴェルフの冗談がまさかの的中してしまい。今現在俺が一人で18階層でイヴィルスと戦っているとギルドから通達がやってきた。イヴィルスと言われればヘスティア達の考える事は一つ。イケロス・ファミリアである。それが18階層に現れたようで、ヴェルフの思っていた通り、俺がウィーネが心配で一人でダンジョンに入って行き、その途中でリヴィラでイケロス・ファミリアを見つけて殺しているのだと、ヘスティア達は俺の行動に察しが付いた

 

そして、肝心のギルドの指示は

 

 

『これより冒険者は総力を上げて、18階層に居る雷帝の増援に・・・・・・え?・・・・・は!?ジークに全て任せる!?』

 

 

「「「「え!?」」」」

 

「全てジークさんに任せる!?」

 

「どういう事だよ!?」

 

 

『わかりました・・・・改めてギルドから通達します!市民及び冒険者はダンジョンの侵入を禁止します!!各ファミリアはホームで待機してください!!!全て雷帝にイヴィルスの退治をさせるとの事!雷帝がイヴィルスを鎮圧するまではダンジョンの侵入を禁止します!』

 

 

「「「「「「は!?」」」」」

 

 

突然ギルドから横暴な指示がやってきた。18階層で俺がイヴィルスを片付けるまではダンジョンの侵入を一切禁止にし。各ファミリアはホームで待機。俺の増援は無しで、俺が一人でイヴィルスを倒させると、ギルドからのとんでもない通報を受けた

 

 

「なんでジークさんを一人に!?」

 

「ジークがイケロス・ファミリアを倒し終えるまで待ってて言うのかよ!?」

 

「それじゃあジーク様に汚れ仕事を全て押し付けることになるじゃないですか!?」

 

「こんなのギルドの指示じゃないですよ!?」

 

「完全に責任の押し付けです!?」

 

「ウラノスは何を考えているんだ!?」

 

 

全て俺にイヴィルスの退治を任せ。それ以外の支援も増援も無しと、ギルドながらありえない指示が回ってきた。もちろん放送者であるエイナもおそらく納得はしていないだろうと思うが、それでもギルドはそうすると各ファミリアは待機をされた

 

全て俺に任せる。仲間としてのヘスティア達はこの指示に不満いっぱいだ

 

すると

 

 

「ベル・クラネル!神ヘスティア!開けてくれ!私だ!」

 

 

「っ!?この声は!?」

 

「まさか・・・フェルズ様!?」

 

 

突然正門の方からウラノスの眷属である。フェルズの声が聞こえた。その声を聞いてベル達は正門を開けると、

 

そこにはフェルズが居た

 

 

「フェルズさん!?どうしてここに!?」

 

「とにかく中へ入れさせてくれ!事情を説明する!」

 

「はい!」

 

 

フェルズは他の者には姿を見られるわけにもいかないため、すぐにフェルズを中へ入れる。事情があるらしく、一人でここヘスティア・ホームに来たようだ。その事情を説明するために

 

 

「フェルズ君!一体どういうことなんだ!?なんでジーク君一人を18階層でイケロス・ファミリアを倒すまで待機させるんだ!?」

 

 

「神ヘスティア。まずいことになった。実はジーク・フリードが、一人でイケロス・ファミリアを倒しているんじゃない。『リド達を連れて』、ゼノス達と18階層でイケロス・ファミリアと戦っているんだ!」

 

 

「「は!?」」

 

「なんでゼノス達が!?」

 

「リド様達がジークさんと一緒に戦っているって事は・・」

 

「まさか!?」

 

 

「ああ。ウィーネやフィア辺りがイケロス・ファミリアに捕まった。ジーク・フリードはその助けの声を聞いて急いでダンジョンに入って、18階層でイケロス・ファミリアを見つけて排除しようと躍起になって襲っている」

 

 

「ウィーネが!?」

 

「ウィーネ様が!?」

 

「フィア殿が!?」

 

「くそ!?先を越されたか!?」

 

「イケロス・ファミリアはもうゼノス達を見つけていたんですね!?」

 

「それで状況は!?」

 

 

「ジーク・フリードはまだリヴィラに残っている冒険者の目もあると言うのに。ウィーネのことしか考えていないのか、血眼になって他の冒険者が居ようと関係なしにイケロス・ファミリアをリド達と一緒になって襲っている。もう少しでイケロス・ファミリアも全員退治される頃だろう。リヴィラはそのせいで完全に崩壊している」

 

 

「ジークさんが!?リヴィラに残っている冒険者の人たちのことを考えずにリドさん達と一緒に行動しているんですか!?」

 

「ジーク様!?本当にウィーネ様のために他者なんて関係ないおつもりですか!?」

 

「おいおい!?まずいだろ!?ジークがモンスターと手を組んで人間達を襲ったなんて、リヴィラに残る冒険者達が騒ぐぞ!?」

 

「そうなったらジーク様が指名手配されます!?」

 

「それどころか、ヘスティア・ファミリアの評価が落ちますよ!?」

 

 

フェルズの通達からには、今現在俺はリド達と共にイケロス・ファミリアを倒している。理由はウィーネ達を奴らに誘拐されて取り返そうとしているからだ。だがまだリヴィラには他の冒険者も居る。その残った冒険者に見られていても関係なく、俺はリド達と共にイケロス・ファミリアを倒し暴れていると、フェルズか通達を受ける

 

 

「これ以上ジーク・フリードがリド達と共に戦っていた所を目撃されないように、ウラノスがこのような指示を送った。『全て英雄に任せればいいと、犯罪派閥は英雄に任せれば安心だ』と言う市民の安全を最優先とした指示だ。もちろんまだリヴィラに残った冒険者はあとで私が記憶を改善させるマジックアイテムで記憶を一部消すつもりだ。ジーク・フリードが一人で戦ったとあとで記憶操作をするつもりだ」

 

「そうですか、それはよかった」

 

「それならジーク殿の評判も落ちないで済みます」

 

「私もマジックアイテムで彼に声を掛けたのだが、まったく聞いてくれず、怒ってウィーネを探すことに必死で、途中で連絡が途切れた」

 

「ジーク様・・・まさかカオス・ヘルツを」

 

「あいつ・・・すげえウィーネのことを心配していたからな」

 

「はい。ウィーネ様を誘拐されて怒らずには居られなかったのでしょう」

 

「じゃあ今のジーク君はリヴィラでウィーネ君達を取り戻そうとしているのかい?」

 

「ああ。ひとまずこれでダンジョンは出入り禁止にしたから、問題ないだろう。だが肝心の捕まったウィーネ達が18階層に居ないと、先ほどリド達に報告があった」

 

「え!?ウィーネ君達が居ない!?」

 

「まさか!?・・・・・」

 

「もうクノッソスにウィーネ殿達は連れて行かれたのでは!?」

 

「クノッソス?なんのことだ?」

 

 

「こうしては居られない!!僕たちはジーク君より先にクノッソスに行こう!ウィーネ君もきっとそこに居るに違いない!ダンジョンにウィーネ君達が居ないならそこに居るはずだ!」

 

 

もう俺を待つ必要はないと、先にイケロス・ファミリアのアジトであるクノッソスに行けばいいと。ダンジョンが出入り禁止なら先にそちらへ向かうとヘスティアは決意した。俺がリド達ともう行動に出ているなら、残された自分たちは別のルートでイケロス・ファミリアのアジトであるクノッソスに行けばいいと考えた

 

イケロス・ファミリアのアジトがクノッソスで、ダンジョンにも繋がっているなら拐われたウィーネ達はそこに運びだされているはずだと考え、なら別の入り口から入って助ければいいと、ヘスティアは俺が置いて行った物、机に置いてある書記と鍵を持ってこっちも行動に出る

 

 

「フェルズ君!今から僕たちもイケロス・ファミリアのアジトへ行くためにイケロスを捕まえに行く!」

 

「神イケロスを!?だがどうやってだ!?今ヘルメス・ファミリアにも探させているが、未だに見つかっていないと聞くぞ!?」

 

「それは・・・・・」

 

「待ってくださいヘスティア様!それについて心当たりがあります!」

 

「リリ?」

 

 

「実は以前・・・・リリにそのイケロス・ファミリアに手を貸せと頼んでくる。リリの『元団員』が居まして」

 

「サポーター君。それって・・・・・」

 

 

ヘスティアは今から自分たちも俺とは別で行動すると。イケロスを探しに行くと言ったが、肝心のイケロスはまだ見つからない。イケロスを見つけるようにヘルメス・ファミリアに頼んでいたが、それでも見つからない。ならどうするかと

 

だがリリルカがイケロスの居場所を知っているのではないのかと思う。元団員と言う人間が知っているのではないのかと、リリルカの提案でその者の所へ行ってから、イケロスを捕らえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ロキ・ファミリアは

 

 

「は!?なんでジークに全て任せるんだ!?」

 

「イヴィルスなら私たちも出動させるはずだよね!?」

 

「なんで私たちが待機なのよ!?」

 

 

ロキ・ファミリアもギルドの強引な指示にイラついていた。なぜ18階層にイヴィルスが現れたにも関わらず出動要請が出ないと、ベートをはじめとするほとんどのロキの眷属達が、ギルドの傲慢な指示に不満を持っていた

 

 

「ジークただ一人に任せるのは、市民の安全を保つためだろうな。ジークは英雄だから犯罪派閥を一人で倒しているとなれば市民も安心するだろうと思う。神ウラノスの考えだろうな」

 

「だとしても・・・・無理難題にジークに任せるのは、変とは思わんか?」

 

「まあね。いくら英雄だからと言って彼だけに任せるのは、僕もおかしいとは思う。なんだか・・・・・・・隠蔽しているように思うんだよね」

 

「そうやろうな・・・しかもイヴィルスと言っても残党なのかそれすら発表しないとなると・・・今回の事件・・・・絶対に続くで、オラリオを巻き込んでな」

 

 

ロキやフィンも落ち着いてはいるが、こんな無茶苦茶な指示をするギルドに対して流石に怪しいと疑う。おまけにイヴィルスが18階層に出たとは言うけど、そのイヴィルスがなんのファミリアなのかも残党なのかも判明していない。ただイヴィルスが出たと言うことしか通達していない

 

なぜ俺一人に任せて、その他はダンジョンの出入りを禁止するのか意味がわからなかった。そのイヴィルスとはなんだろうかと考えていると

 

 

「ただいま・・・・」

 

「ああ、アイズおかえり。通達聞いた?」

 

 

「うん、ジークが・・・・・一人で18階層で『イケロス・ファミリア』と戦っているんだよね?」

 

 

「「「「「「え!?イケロス・ファミリア!?」」」」」」

 

「うん。ジーク。18階層に行く前に会ったんだ。なんかジーク怒ってた。誰かが・・・・誘拐されたとかで、助けに行ったよ」

 

「なんであいつがイケロス・ファミリアと18階層で戦っているんだよ!?」

 

「てことはまさか・・・・・ヘイザー!?」

 

「ジーク。ヘイザーに仲間でも誘拐されたのか?だがあのイケロス・ファミリアが人を誘拐するなんて思えないが・・・・」

 

「なんでみんな、ジークがイケロス・ファミリアと戦っていることに驚いているの?」

 

「あ、そっか、アイズは知らないんだっけ」

 

「この前のクノッソス攻略で、イケロス・ファミリアもイヴィルスの残党に関わっているってベートが言っとたろ?」

 

「ベートの部隊に、ヘイザーが現れたんだ」

 

「あ、そういえば!?」

 

 

アイズがダンジョンから帰ってきた。そこで俺と帰る前に会ったことをフィン達に伝える。そこでアイズ以外のロキも含めたフィン達がそれを聞いて驚いている。俺が今イヴィルスと戦っているとは聞いたが、まさかそれがイケロス・ファミリアだとは知らず、今アイズからの通達に驚いたフィン達

 

実はリーネ達が死んだあのクノッソス攻略の時に、ベートの部隊にイケロス・ファミリアの団長であるヘイザーのディックス・ペルディクスに襲われた。その際奴がイヴィルスだと言う事を知り、奴らがクノッソスを利用していると知った

 

アイズの報告を聞いて、それが俺の今18階層の相手だと言うことにフィン達は驚く事は止まらなかった。しかも誘拐されて怒っている。おそらく仲間を誘拐されて怒っているのだろうと思うが

 

 

「ゴーグルを付けた冒険者に・・・・・誘拐されたって言ってた」

 

「間違いねえ!!あの時のカース使いだ!!」

 

「アルゴノォト君達の誰かがイケロス・ファミリアの団長に拐われたってこと!?」

 

「なんでギルドはそれでもジークを一人にさせるのよ!?」

 

「普通は助けを要請しますよ!?いくらジークさんでもヘスティア・ファミリアの問題でもジークさんに一人で任せるなんておかしいですよ!?」

 

「アイズ。18階層に行く前にジークに会って、誰が誘拐されたか聞いた?」

 

 

「えっと・・・・・・確かウィーネとか言ってたよ?」

 

 

「「「「ウィーネ?」」」」

 

「そんな名前の子がヘスティア・ファミリアに居たか?」

 

「ヘスティア・ファミリアに人員が増えた報告は受けていないぞ?」

 

「うん、僕も知らない。誰だその子は?ジークの知り合いかい?」

 

「ドチビのファミリアに人員が増えたなんて聞いてないで?」

 

 

「そうなの?・・・・あと・・・リド・・・レイ・・・グロスとか言う人と・・・左腕に付いた小さな水晶に声を掛けていたけど」

 

 

「それも聞いたことないの」

 

「リド、レイ、グロス。どれも聞いたことのない名前だ。その名前もヘスティア・ファミリアのメンバーの名前には無い」

 

「小さな水晶に声を掛ける?マジックアイテムみたいな物で誰かと声で連絡していたのか?」

 

「誰にしても、ジークはそのウィーネとか言う人を助けようとイケロス・ファミリアと今18階層で戦っているようだね」

 

「でも・・・・・変やな」

 

「え?何がロキ?」

 

 

「イケロス・ファミリアが人を誘拐した経歴は聞いたことが無いんや」

 

 

「ああ、僕も聞いたことがない。イケロス・ファミリアがイヴィルスだとは知っているけど、彼らがイヴィルスと呼ばれるようになった活動内容は、モンスターの密輸だからだ」

 

「イケロス・ファミリアはダンジョンで捕まえたモンスターをオラリオの外でモンスターを密売しているんだ。モンスターと縁の無い国では物好きの人間が欲しがるケースが居るからね、そういう活動をしているから、あまり危険な行為によりイヴィルスとしてギルドは決め付けているんだ」

 

「だから変だのう。あのモンスターに密輸するイケロス・ファミリアがジークの友人を拐うなど、それにジークはレベル6だ。ディックス・ペルディクスはレベル5。どう考えてもイケロス・ファミリアがジークのファミリアを敵にするとは思えん」

 

「まったくや、いくらイヴィルスとて、ジークを相手にして生きておるんとは思えへん。イケロスも何を考えておるんや、ジークの友人に手を出してジークが怒るに決まっとるやろ、ジークだってクノッソスの鍵を持っとると言うのに、なんでやろうな」

 

「じゃあ・・・・ジークはまさか」

 

「ん?どうしたんやアイズたん?」

 

 

 

「ジークは・・・・・まさかモンスターを助けに行ったのかな・・・・なんて」

 

 

 

「ジークがモンスターを助けに行く?そんなこと有り得ないよアイズ!」

 

「なんであんた、ジークのことをそんなふうに思うの?なんかあった?」

 

「だって・・・・・・ジークが・・・・自分は人間じゃないって」

 

「「「「「「ジークが人間じゃない!?」」」」」」

 

「うん・・・・・」

 

 

アイズは今俺がイケロス・ファミリアと戦っているのは、誘拐されたのが仲間でも友人でもなく、モンスターを助けに行ったのではないのかと。イケロス・ファミリアがモンスターを密輸をしているなら、人間を誘拐する事はないと。流石にギルドも敵をしたりはしないと言った

 

なら俺は今モンスターを助けているのではないのかと、最近俺がおかしいと疑い。人間じゃないことをするからと、モンスターを助けたりなどをしているのではないのかとアイズは疑っている

 

 

「最近のジーク、何かおかしいの。人間達を『下等生物』だとか呼んですごく憎むし、あと言葉がベートさんよりも酷い。『下等生物風情が』とか凄い人間に恨みを持つ言い方を最近するし、その・・・・・」

 

「どうかしたのかい?アイズ?」

 

 

「フィン達はともかく・・・・・・・私は敵だって言うんだ」

 

 

「アイズたんが敵?どういうことや?」

 

「わからない。ジークは私とは絶対に分かり合えないって、絶対にいずれ殺し合うとか私だけを敵視しているの」

 

「あのジークが俺らはともかく、アイズだけは敵だと?」

 

「どういうこと?」

 

「ジークさんは特にアイズさんに恨みを持つような事はしてないですし、アイズさんもジークさんに恨まれるようなことをしてないですよね?」

 

「う、うん」

 

「ジークはアイズが敵?どういうことじゃ。リヴェリア、何か知らんか?最近ジークとよく食事に誘っているだろう?」

 

「いや、私もそんな話は初耳だ。ジークからそんな話はしたこともない。ジークはなぜアイズを敵視しているんだ?」

 

 

「ん〜〜〜・・・・・・なら確かめに行くってのはどうや?フィン?」

 

「ああ。18階層でジークが戦っているのがイケロス・ファミリアだとわかった。なら僕らも確かめに行こう。こっちにもジークに渡された物があるからね」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「フィン!?お主!?」

 

「使うのか!?ジークから貰った鍵と書記を!?」

 

「ああ。ジークが書いたこの書記が本当なら18階層にクノッソスの扉があって繋がっているはずだ。今ダンジョンの出入り口は侵入禁止なら、クノッソスから入ってしまえばギルドからペナルティを受けないで済む。ジークを18階層で一人にさせるギルドの指示の理由が気になる。それなら僕らも現場に別ルートで向かう」

 

「うん。私もなんでジークが私を否定するのか、ジークが何者なのか確認したい」

 

 

「よし!!全員準備しろ!!今からダイダロス通りに行くぞ!!!」

 

 

ダンジョンで入り口は塞がれている。それなら別ルートで18階層に行けばいいと、フィン達は俺から以前に貰った鍵と地図が書かれた書記を今使おうと、フィンは全員に指示をして行動する

 

書記があるから安全なルートをすぐに見つけ出せるため、今回はロキも一緒にクノッソスの中へと入る

 

ギルドはなぜ俺だけを18階層でイケロス・ファミリアを退治を任せるのか、それが何か他の者には見られたくないのか、隠蔽していると疑っている。そしてなぜジークは自分を人間じゃないと言い放ち、なぜアイズだけが敵なのか、

 

なにもかも俺の謎でフィン達は疑問を抱き続ける。それならギルドのルールに反しない範囲でクノッソスへ潜って行き、直接俺の謎に確かめるしかないと

 

現場へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方俺は

 

 

「ウィーネはどこだ!答えろこの下等生物!」

 

 

「雷帝・・・・こんなことを・・・・して・・・ただで済むと・・・思っているのか?」

 

 

「どうでもいい!他者なんて気にしてられるか!」

 

「ジークっち・・・・本当に他の人間を殺しやがった」

 

「ここまでする必要があったのですか?」

 

「ジーク・フリード!少しは落ち着け!もうその人間は瀕死状態だ!」

 

「話せ!ウィーネはどこだ!」

 

「聞く耳持ってねえ!?」

 

 

俺はリヴィラをほぼ壊滅させてでも、イケロス・ファミリアの全員殺した。今この場に他の冒険者も居るが、俺とモンスターが手を組んで人間を殺すと言う光景に、怯え、誰も口出ししないまま恐れて逃げる者やそのまま立ち尽くす者も居る。それでも人の眼でも気にせずに俺はこの階層に居るイケロス・ファミリアの冒険者を殺した。道中ではイケロスの眷族の死体がたくさん転がっている

 

残っているのは俺の目の前に居る者のみ

 

俺はその者にウィーネの居場所を吐かせる。リド達が俺を落ち着けと言っても俺は納れない。それほど人が憎く、ウィーネを助け出すことにしか考えられないからだ。人がどういう目で見られようが、俺はどうでもよかった

 

 

「・・・・・東の端に・・・・扉が・・・・」

 

 

「東の端の扉・・・・・・っ!クノッソスの扉か!?そうか・・・・ご苦労だったな!」

 

 

「ぐわあああああああああああああ!!」

 

 

「おいジーク!」

 

「いくらなんでもやり過ぎですよ!」

 

「同胞を助けてくれるのは嬉しいが、お前が他の人間に眼を付けられるぞ!」

 

 

「黙れ!俺に文句を言うな!お前らは自分の同胞とこの下等生物共どっちが大事だ!!」

 

 

「それは・・・」

 

「ですが・・・いくらでも・・・こんな残酷に」

 

「同胞は確かに大事だが、だがやり過ぎだ!ここまでする必要はないだろ!」

 

 

「こんな卑劣な下等生物など、生きる価値は無い!!こいつらこそ人類の悪だ!!」

 

 

「ジークっち!本当にどうしちまったんだよ!?」

 

「ウィーネが大事なのはわかります!ですが怒りを抑えてください!」

 

「少しは落ち着け!そんなに怒り続けてもどうしようもならんぞ!」

 

 

「ウィーネが拐われたんだぞ!これを怒らずに居られるか!!」

 

 

もはや俺は人間に憎しみを抱いてしまい。もはや人間を下等生物だと言い放つ。そんな怒り狂った俺の姿に、流石のゼノス達であるリドですら、恐れを感じていた。ここまで言ってなお聞かず、本当に人間が悪だと認識し、敵になった人間を本気で悪だと認識して殺す

 

人間など愚かだからだ。人間は俺から大事なものを奪う捕食者だ。だから逆に奪ってやると。俺の家族に手を出した人間を許さないと。報いを受けさせるためにカオス・ヘルツの怒りが抑えきれない。リドだって仲間をやられて怒るはずのなのに、なぜか彼らは人間の肩を持つ。それすらも俺は憎く思ってしまう

 

すると

 

 

「おい雷帝!」

 

「ジーク・フリード!なにをしているのですか!?」

 

「ジークさん・・・なにを・・・」

 

 

「っ!アイシャ・・・アスフィ・・・リューか」

 

「冒険者か!?」

 

「まさかイケロス・ファミリアですか!?」

 

 

突然後ろからアイシャとアスフィとリューが出てくる

 

ヘルメスのことだから、どうせここを派遣したのだと。すぐにわかった。だがそんな事はどうでもいい。今目的地の居場所がわかったからとリド達を向かわせる指示をする

 

 

「リド!全員を連れて東の端へ行け!岩で隠れているがそこに扉がある!」

 

「だけどジークっち!」

 

「行け!!行くんだ!!お前らの同胞がその先に居るんだ!早く行け!!」

 

「く!・・・・行くぞ!みんな!」

 

 

俺は無理にリド達を東へと向かわせる。

 

リュー達は周りを見て、被害の甚大さが物凄く。道中に死体が転がり、怯えている者も居る。俺の体には今死体になっている者達の返り血を浴びている光景を見る

 

俺はここに残ってリュー達の相手をする。一刻も早くウィーネの所に行くと、もはやリュー達でも容赦はしないと。俺は剣を三人に向けて警告する

 

 

「アスフィ!これ以上の邪魔をするなら俺はお前らも殺す!だから邪魔をするな!立ち去れ!」

 

「これは全員貴方がやった事ですか!?」

 

「そうだ。だからなんだ?俺に文句でもあるのか?敵を殺しただけだ。イヴィルスは排除すべき存在だ。それ以外の被害など。仕方のない犠牲に過ぎないだろ」

 

「本気で言っているのかい!?あんたは自分がなにをしたのかわかっているのかい?」

 

「どうでもいい!!!そんな下等生物共!生きる価値の無い生物に気を遣うなど、時間の無駄と一緒だ!!!」

 

「か、下等生物!?・・・・貴方いつから・・・そんな下品な言葉を・・」

 

 

「下品?お前ら『人間共』にそんなことを言われたくない!!!弱者を貪る下等な種族が!!ふざけたことを言うならお前らでも殺すぞ!アスフィ!アイシャ!リュー!!」

 

「「「っ!?」」」

 

 

俺は三人に圧力を掛けた

 

それだけで三人には嫌な気配を感じてしまい。レベル4の三人が俺が触れてはならないと、体でわかり、あの闘争心を持つアイシャですら、足が震えてその場から動けない。三人は俺に恐怖を抱いたのだ

 

俺の目は完全に『竜眼』となった。その眼で見られた生き物は全員震え上がって動けない。大抵俺に睨まれた生き物はこうなる

 

だがその中で、リューは

 

 

「ジークさん!聞いてください!シルの頼みもあって貴方が心配でアンドロメダに頼みを言ってここに来ました!」

 

「っ!?」

 

「シルが、最近貴方がどんどんおかしくなっていると聞きました。貴方が『人間』じゃないことも私は知っていました。そしてあの喋るモンスターである『ゼノス』達を味方にするはずだと。全部わかっていました」

 

「シルは・・・知っていたのか?俺が人間じゃないことも・・・・俺がゼノスと手を組むことも彼女はわかっていたのか?」

 

「昨日知ったばかりです。シルは本当に・・・・ジークさんのことをなんでもわかっていますから」

 

「彼女は俺の魂が繋がっているとでも言いたいのか・・・・なぜ彼女が・・・そんなことまで」

 

「リオン!?どういうことです!?」

 

「あの喋る化け物は主神から聞いたけど、ジーク・フリードが人間じゃないってどういうことだい!?」

 

 

アスフィやアイシャはゼノス達の存在を知っても俺が人間じゃないって事は知らないが

 

まさかシルが俺が昨日までなにをしていたかも、彼女は俺の正体をそこまで知っていることに驚いた。おそらく『彼女の力で俺の心と繋がっている』からなのではあるが、まさか彼女がそこまで俺の全てを知っていることに驚き、俺は少しだけ怒りを抑えた

 

 

「帰りましょ。ジークさん。シルが待っています」

 

「・・・・・・・断る」

 

「ジークさん!」

 

 

「今帰ったら・・・・・・俺は家族を見捨てることになる!!」

 

 

「ジークさん・・・」

 

 

今ここで見捨てれば俺はウィーネの約束を破ることになる

 

そんな事はできない。俺は守ると誓った。今感情が残された想いで必死になっている。笑うことすら叶わないが。それでもまだ心は家族を失いたくない想いでいっぱいだ

 

だから俺はシルの頼みでも・・・・戻れない

 

 

「リュー。俺を追いかけるな。俺の正体がわかるなら・・・・関わるな。お前もタダでは済まなくなるぞ」

 

「ジークさん。でも・・・・」

 

「わかれ!俺は人類の敵なんだ!俺だって人間が憎いし、人間を殺したくて堪らない!怒りだけが今の俺の魂に残っている。だから近づくな。例えシルの頼みでも、俺の邪魔をするなら殺す!どうか俺にお前を殺させるな」

 

「ジークさん!私は!」

 

「リュー。お前の言う正義は・・・・・俺は救えない。俺は誰も救えないんだ。俺も人を殺すことしか、人を憎むことしかもうできないんだ。お前も俺と同じ苦しみを味わうことになるぞ」

 

「ジークさん!!!」

 

 

「すまない。ニブルヘイム」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

俺はここまで言って聞かないリューの対して、俺は地面に水色のルーン文字を投げて、地面を凍らせた。その地面に着いている三人は足だけが凍り、そのまま三人は身動きが取れなくなった。

 

レベル6の氷魔術はレベル4ではこの氷は砕けない。少し弱めてあるから、少し経てば溶ける

 

 

「しばらくここでジッとして貰う。リュー。やはり俺はお前らとは分かり合えないな」

 

「ジークさん!待ってください!!」

 

「俺はもう行く。俺がここを去った後はここの処理でもするんだな」

 

「待って!待ってください!!ジークさん!ジークさん!ジークウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」

 

 

そうして俺はリュー達を置いて、東へと走る。俺はリューに優しさに少しは救われても、彼女の正義は救えない。彼女は俺の正体がわかっているなら、なぜ俺を見捨てない。俺が人類の敵だとわかるはずなのに、なぜ俺の味方を取る

 

俺が味方にさせないように、ここで足を凍らせて止める

 

 

三人を置いて、東へ

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。