一ヶ月後には後編に早めに入ろうと思いまして、今回だけ、早めの投稿させていただきます
一方ダイダロス通り
そこでは今、ロキ・ファミリアが警備に当たっているのと同時に、幹部だけでクノッソスの入り口と思われる扉の前へと集まっていた。前回とは別の入り口で、今度は地下水の入り口ではなく、ダイダロス通りの市民街に並べられた少し古びたログハウスへと足を運んだ。
「まさか・・・・地上にもクノッソスの扉があったとはな」
「しかも・・・こんな市民街にあるとはなね」
「一応ラウル達に警備を任せて正解だったの」
フィン達幹部とロキとレフィーヤでダイダロス通りに市民街にある別の入り口があるとは思いもせず、ラウル達に念のために警備を任せて、この十人満たない部隊で18階層に続くクノッソスを道変わりに行く。今回はそのクノッソスの途中でモンスターも居ないため、ロキも一緒に行こうと思うのだが、18階層まで行くつもりだが、神がダンジョンに入るのは禁止のはずだが、神威さえ使わなければモンスターにはバレないと。前回とヘスティアとヘルメスみたいなことをしようとした
今回ばかりはロキでも自分の眼で見なくてはならないと。今回の不穏な事件がおかしいと疑い。真相を確かめるとフィン達にもワガママを言って共に行くことになった
のだが
ガタン!!!
「「「「「っ!?」」」」」
「扉が!?開いた!?」
「フィン?お主か?」
「いや・・・僕はまだ使っていないぞ?」
「なんで勝手に開いたんや?」
突然そのダイダロスの扉が開いた。まだフィンは鍵を使っていないのに、なぜか勝手に開いた。なぜ勝手に開いたのか、まさかクノッソスにイヴィルスの残党が先に攻撃するために扉を開けたのかと、フィンとロキは思ったが
リヴェリアとベートが、その扉の奥から物音に気づいた
「っ!?おいなんか奥から物音がするぞ!?」
「こっちに何か向かって来るぞ!」
「「「「「「っ!」」」」」」
突然リヴェリアとベートは扉の奥から物音に気付いて、中に入らずにその扉の奥を耳を済ませてみる。するとだんだんとその物音がこっちの方へどんどん大きくなる。何か建物にぶつかる音だ
「ん?なんだあれ?」
「あれは・・・」
今度は扉の奥をティオナとアイズが気づき、眼を細めにして覗いた。そこまで暗くなく、奥から出てくるものが見えた
そしてその扉の奥から出てきたのは
「やめろウィーネ!!!」
「アア!!アア!!アア!!!」
「ジーク!?」
「ジーク!?どうしてモンスターにしがみ付いて!?」
「ていうかこっちに来るわよ!?」
「全員退避!!!」
扉の奥から俺がウィーネの首にしがみ付いた状態で出てきた。彼女は俺がしがみ付いても暴走を止まらずに、そのまま地上へと進出してしまう
フィン達はその暴走の突っ込みに巻き込まれないように、横へと移動して避ける。俺とウィーネはそのまま目の前にあるレンガの壁に突っ込んで壁は崩壊し、屋根が崩れて建物の中で埋まる
「ジークさん!・・・・ってアイズさん!?」
「ジーク君!・・・・ってロキ!?」
「嘘!?ロキ・ファミリアです!?」
「ベル!?」
「ドチビ!?」
「どうしてヘスティア・ファミリアがクノッソスから出てきたんだ!?」
「おお、おお、ロキと出会すなんて・・運が悪いな・・・ヘスティア」
「君は黙ってろ!イケロス!」
「グフ!」
「なんでイケロスも居るんや!?」
なんともタイミングが悪い。地上に出た矢先にロキ・ファミリアと出会す。まさかこんな所でロキ達と出会うなど。運の悪いに限る。またも運の悪い光景にイケロスがまたも煽ってくるため、ヘスティアは仕方なく頭を殴って黙らせる
更に
「ベルっち!ジークっちは・・・・・って・・・あ」
「ベルさん!ウィーネとジークさんは・・・・・あ」
「小僧!青年とウィーネは・・・・・・・・・・あ」
「神ヘスティア!ベル・クラネル!ジーク・フリードは・・・・・あ」
「ちょ!?リドさん!?」
「君たちなんでここまで来てるのさ!?」
「なんでゼノス達までここまで来ているんですか!?」
「お前ら自分がモンスターだって自覚ねえだろ!?」
「レイ殿!?なぜここに!?」
「グロス様もフェルズ様もどうしてこちらへ!?」
「「「「「モ、モンスターが喋った!?」」」」」
「な、なんの冗談じゃ!?」
「モンスターが喋っている!?・・・まさか巨人族以外にも喋るモンスターがここにも居たのか!?」
「これは・・・・どういうことだ・・・」
「ドチビ!?なんやそのモンスターは!?喋っとるで!?」
「説明すれば長いんだよ!今は黙っててくれロキ!ゼノス君達もなんでここに来たのさ!?」
「決まっているだろ!ジークっちを助けに来たんだ!」
「あなた達だけに任せるわけにはいかないと思って・・・」
「覚悟を決めてウィーネやあの青年を助けに来たのだが・・・・・まさかもう目の前に青年たち以外の人間に正面で出会すとは」
「うむ、もはやあれだ・・・・・・・・・オワタ、だな」
「フェルズ様!?こんな状況でそんなギャグを言うのはやめてください!?」
余計混乱な状況になってしまった。まさかベルの後ろからゼノス達まで現れるなど思いもしなかっただろう。当然一番に驚いているのはロキ達だが。まさかこんな状況で一番に分かり合えないロキ・ファミリアと出会すなど痛い話だろう。しかもロキ達も喋るモンスターに出会すなど、今でも現実を否定したくなるほどだ
とにかく、状況を整理しつつも、アイズは武器を取った
「ベル!下がって!!モンスターは斬る!」
「待ってください!アイズさん!リドさん達は敵じゃあありません!」
「そこのアイズっち!悪いが俺っちもベルっちも今急がなきゃならねえんだ!頼むからどいてくれ!」
「アイズっち!?・・・リザードマンに変な名前で呼ばれた!?」
「すごい!本当に喋っている!ティオネ何がどうなっているんだろう!?」
「私にも知らないわよ!?なんなの!?リザードマンにセイレーンにガーゴイルにオークやラミアまで!?なんでみんな喋れるのよ!?」
「申し訳ありません地上のお方!同胞を連れ戻したら、すぐにでもこの扉から帰りますので、今は見逃してください!」
「しかもこのセイレーン!とても礼儀正しいですよ!?」
「おいおいフィン!?こいつらどうすんだ!?倒すのか?それとも生捕か?」
「落ち着けベート。喋るモンスターなど、ワシも信じられんが、話せるならまずは対話からじゃ」
「ああ。どうやら敵ではないようだ。姿はモンスターだが。初めてだ。まさかエルグリシ以外に喋るモンスターに出会すとは」
「なんだかすまん。勝手に出てきたとは言え、勝手に混乱をさせる状況にしてしまって」
「お前ら絶対自分がモンスターだってこと忘れてただろ!?」
「絶対にそうですね」
「グロス様もそのような、天然があったのですね」
「リリルカ・アーデ。できれば説明して欲しいのだけど、全くどうしたものか」
「フィン様!今そんなことをしている場合じゃないんです!リリ達も急がなくてはならないことが!」
「うむ、これはあれだな・・・・・・・まさしくカオスだな!!」
「だからフェルズ様はこんな状況でギャグを言わないでください!?」
「ドチビ!そのモンスターの説明をせえ!」
「そんな暇は無いんだよ!今はジーク君が抑えているウィーネ君を止めないと!」
ロキ・ファミリアは説明を要求するも、今はそんな時間はないと、あとでゼノスのことを説明すると、今だけは後回しにしろとヘスティアが言う。今は市民が周囲に居ないだけマシかと思うが。これ以上ゼノス達の姿を市民に見せるわけにはいかないと、一刻も早くウィーネの正気を戻すのが先だが
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「やめろウィーネ!!」
「「「「「「「っ!?ウィーネ!?」」」」」」
「「「「「「「ジーク!?」」」」」」」
「アアアアアアアアアアアアアア!!!」
「待て!ウィーネ!そっちは行くな!ぐ!」
崩れた建物からウィーネが出てきた。俺は未だにウィーネの首にしがみ付いている。そのまま東の方へとウィーネは苦しみながら、建物壁にぶつかってでも移動する。それでも俺は手を離さずにウィーネにしがみ付いたまま東通路へと移動する
「ジークさん!!」
「みんな!追いかけるよ!」
「「「「おう!」」」」
「悪い地上の人間!俺っちあいつを追いかけるから!そんじゃあな!」
「ウィーネを追いかけるぞ!!」
急いで、ベル達もウィーネにしがみ付いた俺を追いかけて東へと走った。市民の目に入ってしまうが、もはやこの際は仕方ないと。全員で俺を総出で追いかける
ロキ達を置いて
「えっと・・・・・どうする?」
「団長?どうしますか?ヘスティア・ファミリアはともかく、あのモンスターが地上に出たら市民に大騒ぎするんじゃ・・・」
「でもあのセイレーンが、同胞を連れてすぐに帰るって言っていましたけど」
「私は追う!」
「あ、アイズ!?」
「どうすんだ!?フィン!」
「もちろん!僕らも追いかけるぞ!」
フィン達もこのままにするわけにはいかず、ベル達に続いてフィン達も追いかける。今の俺がモンスターにしがみ付く光景はもうほとんどの市民が見た。しかもヘスティア・ファミリアがモンスターと共に行動するところまで市民に見られた
もうほとんどの市民に見られた以上、もはや状況は取集できないが、被害を最小限にするためにもフィン達は動いた
しかし
「後を追いかけれては困る。こうなれば・・・・・・・出て来い!」
フェルズはロキ・ファミリアに追われては困るため、フィンたちが追えないように、指を動かすとフィンたちの前に地面に魔法陣が出現し、そこから
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「な、なんだ!?」
「魔法陣から何か出てくるぞ!」
『『『ゴオオオオオオオ!!』』』
「あれ!?ゴーレム!?」
「しかも三体!?」
フィンたちの前に出てきたのは、三体の『人工ゴーレム』。フェルズが予め金を費やして作った自信作。こんなこともあろうと思い、彼はこれを召喚した。
「フェルズ君!あれは?」
「私が用意した『アダマンタイト・ゴーレム』だ!あのロキ・ファミリアでは簡単に壊されてしまうが、時間を稼ぐにはちょうどいい!」
ゴーレムは全体アダマンタイトでできた鎧。ロキ・ファミリアの強さでは壊されるが、今自分達を追いかけることなく、足止めとしては丁度いいはずだと、今までの努力を溝に捨ててしまうが、今は友人を救うためにはやむを得ないと、フェルズは仕方なく奥の手を使う
その三体のゴーレムを前にしたフィン達は
「ああもう!こっちもジークを追いたいのに!」
「別れて倒せ!こちらも時間が惜しい!」
「そこをどいて!!!」
フェルズの思惑通り、フィン達はゴーレムを相手に倒す他なく、やむを得ずその場で戦闘を行うことに、その間にヘスティア達は、ウィーネにしがみ付いた俺を移動した道へ追いかけて、一刻も早くウィーネを止めようとする。ロキ達がゴーレムを倒して先に辿り着く前に
一方俺は、ウィーネの首をしがみ付いてはいるが、どうにも暴走は止まらず、そのままウィーネは俺にしがみ付かれたまま、どこへ行くかもわからない道をひたすら走っていた
「アアア!!アア!!アア!!」
「く!こうなったら魔術でカースを解くしかない!」
今ウィー絵が俺の言葉を聞かないのは、ディックスにカースで呪われて暴走し、対象となる人を区別なく全て敵として認識し、本能のままに暴走させるカース魔法。そうなったらもはや死ぬか気絶させるしか止める方法がないのだが、今俺にはそのカースをも解く魔術を持っているその魔術を使う
のだが
「居たぞ!雷帝がしがみ付いている!モンスターだ!」
「全員で掛けろ!」
「「おお!!」」
「っ!よせ!俺がやるから手を出すな!」
前方の見知らぬ冒険者達が現れた。どこからか地上にモンスターの出現を聞いたのか、モンスター排除のためにここまで駆けつけてきたようだ。彼らはゼノスの存在など決して認めなたいため、当たり前でも喋ろうが敵として認識するため、市民の安全のためにも排除する
だがそんなことは俺がさせない
「どけ!!ムスペルスヘイム!」
「「「「え!?うわあああ!?」」」」
「何しやがる雷帝!?う、うわあ!?」
俺は決してウィーネに危害を加えさせないと、軽くムスペルスヘイムで火炎弾を前方に居る冒険者の少し前に放った。その俺の魔術に驚いて冒険者達は横に避けて、前方の通路が空いたため、その真ん中を通る。
「居たぞ!」
「あそこだ!」
「雷帝がしがみ付いているぞ!」
「まずい!このままじゃあウィーネが他の冒険者に追い詰められて殺される!」
さっきの冒険者をなんとかどかしても、次々と他の冒険者に知らせたりと、どこを逃げても追いかけるため、もうウィーネの暴走を他の冒険者が居ない所で止めるしかなかった。とは言っても冒険者に見られない場所など、ここにあるかどうかと周囲を見渡す
すると
「っ!ダイダロス通りの古い闘技場か!あそこなら!」
俺は斜め右にガネーシャ・ファミリアが使っているコロシアムと同じ建物を闘技場を見つける。そこに冒険者の気配も魔力もしないと感知し、俺はそこにウィーネをその闘技場内に入れるしかないと、少しウィーネに手荒な真似をする
「ウィーネ。少し痛いし苦しいが我慢しろ。ふん!」
「グア!?グアア!?」
俺は無理やりウィーネの首を絞めるように引っ張り、俺は自分の足を地面に付けて、自らの力でウィーネの首を掴んだ手を今度は片腕だけ上半身へと持ち返る。俺はトールの子だ。雷神トールは怪力の腕力を持つ女神でもあった。だからその血を引いている俺は母並みの、それもガレスに負けない剛力を持っている。つまりは
ウィーネだって軽く、空へと投げることもできる。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「グガアアアアアアアアアアアアアア!!!」
俺はウィーネを闘技場へと上に投げた。上に投げらたウィーネは闘技場内部へと空から投げられ、闘技場フィールドの中心へと落下した。その闘技場内へと俺もジャンプをして上から闘技場内に入っていく、だが着地する前に
「ミーミスブルン!」
「アアアアア!!・・・・アア・・・・アア・・・アア」
着地する前に、空中でルーン文字を描き、左手から空中で水を掛けるようにミーミスブルンをウィーネに掛けた。それによりウィーネは本来の姿になっても少しだけ意識を取り戻していた。俺は重症になりつつも、彼女に近く
「ウィーネ・・・・」
「ジ・・・ジーク・・・ジーク」
「これで・・・・戻れるぞ」
やっと彼女の暴走が止まった。これで普通に近づくこともできる。時間はかなりかかってしまったが、それでも俺は約束を果たすために、
彼女の額に宝玉を嵌めた
「アア・・・・・・ああ!」
「っ!はあ・・・はあ・・・すまない待たせたな」
「ジーク・・・ジーク!!!」
「っ!助けに来たぞ。約束通りな」
彼女に羽と尻尾は灰となり、いつもと同じ人型となって、元のサイズに戻る。そして彼女は今度こそ意識を完全に取り戻し、そのまま俺の方へと飛び込み、俺は飛んできたウィーネを抱きしめる
「本当に来てくれた!・・・私を守ってくれた!」
「ああ。『兄ちゃん』は・・・いつでもお前の味方だ」
「うん!・・・・私はジークを信じてた!」
「ああ。俺が絶対にお前を守る・・・・必ず」
彼女はなんとか助けられた。イケロス・ファミリアは逃してしまったが、彼女だけでも救えたからいいと。今は彼女を救えたことに安心をするべきだ。彼女は俺を強く抱きしめ、俺は彼女を逆に優しく抱きしめる
やはり彼女は・・・・・・似ている。俺の義妹の『ズメイ』に、俺はいつからシスコンになったのだろうと、今になって自覚をした
そんな安らかな時間を過ごしていると
「ジークさん!」
「ジークっち!」
「ジーク君!」
「ウィーネ!」
「ウィーネ様!」
「ベル。ヘスティア。リド達も」
「ベル!ヘスティア様!春姫!レイ!」
後ろからベル達とリド達もここへやってきた。どうやら俺がウィーネを先ほど空に投げ飛ばしたのを遠くで見たのか、ここ古い闘技場に居るのだとわかったようだ。ベル達もウィーネが元に戻ったことを驚いたが、それよりも無事だったことを喜ぶ
「ウィーネ様!!よかった!」
「ウィーネ!」
「春姫!レイ!私は大丈夫だよ!ジークが助けてくれたもん!」
「よかった!!よかった!!本当によかった!」
「青年。お前達を初めは疑った。だが今回の一件でお前達のことがよくわかった。だから改めて本当に言わせて貰いたい。ありがとう・・・ジーク」
「私からも言わせて貰う。長年彼らと関わってきた人間は多くは居た。だがここまでしてくれる人間は誰も居なかった。だから君たちに会えてよかった」
「俺は・・・・守りたい家族を守っただけだ・・・・・そうだろう?お前達?」
「はい!」
「僕らって本物のバカなんだよね!」
「それでも!」
「ああ!」
「はい!」
「おいおい、いいのかよ」
「っ!」
「「「「「っ!」」」」」
「雷帝。これがお前の正義なのか?偽善にしか見えないな。そんな化け物を助けるなんて」
「その通りだイケロス。だが・・・・・これが俺たち、ヘスティア・ファミリアだ。救ったことは間違いではない。少なくとも彼らは弱者だ。弱者を守るのが我々の仕事だ。例えモンスターでもな」
これが俺たちだ。モンスターを救うのが罪か?悪か?そうじゃない。彼らはモンスターだけど、俺達の友人であり家族だ。だからその家族を守ったに過ぎないと。例え大きな敵が目の前に居ても、世界の人間がこれは間違いだと決めつけても、俺たちが偽善者でも
救ったことは・・・・・間違いではないのだ
これが俺たち。ヘスティア・ファミリアである
だが。安心するのはまだ早い
「喜ぶのは後だ!リド!フェルズ!ウィーネを連れてあの扉に行き、ダンジョンに戻れ!もう他の冒険者の注目の的だ!急いでゼノス達をダンジョンに戻すぞ!」
「え!?ジーク!?また私たちダンジョンに戻るの!?」
「仕方ないだろ。ここまで暴れたら誰でも注目を浴びる。急いで戻るんだ。総出でお前達を消しに来るぞ!」
「そんな・・・ん?・・ジーク・・その腹の血は何?」
「気にするな。お前を守るために代償を賭けただけだ、気にしなくていい」
まだ安全とは言えないのだ。ここは地上だ。つまりは冒険者の暮らす街だ。俺もウィーネを守るために他の冒険者に攻撃した。今頃、他の冒険者が総出でこっちの向かってきている
それに
「フィン達の魔力反応がする。あのクノッソスの扉の前でクノッソスに入ろうとしていたからな。こっちに来ている。俺が時間を稼ぐから、お前達はリド達を頼む」
「そんな!?ジークさん一人で!?」
「しかもそんな腹に傷を負っているあなたじゃあ無理ですよ!?」
「ダメだ。他の冒険者も来ている。いくらお前達が俺に加勢しても、ウィーネ達だけに行動させるわけにはいかない。お前達は彼女の護衛に付くんだ。俺はフィン達の相手をする」
「アイズさん達もリドさん達と話しました!もう大丈夫ですよ!」
「話したのか?あいつらが?・・・・まさかな・・・だとしても他の冒険者が居る。ここは俺に任せて行け。俺はウィーネを救うためとは言え18階層のリヴィラを壊した責任がある」
「ジーク」
俺にはウィーネを救うためにリヴィラを壊した。いくらイケロス・ファミリアを倒すためとは言えな。だからその責任を果たすためにも、俺はここで他の冒険者達を遇らわなければならない。ギルドにも説明が居る。ベル達がリド達を連れ回したことも説明しないとならない
またファミリアの保険のために要らん脅しをしなくてはならないからだ
「心配するなウィーネ。俺は常に戦いが付き物なんだ。大丈夫。俺はまた生きてまた会いに行く。そして今日みたいに俺は君を守ろう。これは絶対な約束だ」
「ジーク・・・・・」
俺は約束した。でもこの約束はいつまでもだ。だから今も守るべき者のために果たすまで、それでも俺は貫く。相手が誰であろうと。あのロキ達がゼノス達と会話することに関しては驚いた。それでもティオネとベート・・・・・フィンとアイズは認めないはずだと。
俺はここに一人で残り、ここに来る者達を遇らう
「無茶だよ!ジーク君!」
「すべての責任は俺が取ると決めた。今更決めたことに曲げたりなどしない。君も行くんだ。ヘスティア。やっとウィーネを救えたんだ。この時を無駄に・・・・・・っ!?」
「ジーク君?」
「は!?・・・・・ウィーネ!!!」
「え?ジーク?」
俺はヘスティアに一刻も早くここを抜け出してウィーネ達をダンジョンに連れて帰れと言う。だが振り返ったヘスティア達の後ろに俺はある者がここに居ることに気づいた。そしてその者が武器を持ってウィーネに目掛けて投げようとしていた
俺はウィーネを横にどかして倒し、その投げてきた武器に
ザシュ!!!!!!!!
「え?」
「は?」
「え?」
「「「「「っ!?」」」」」
「「「「「っ!?」」」」」
「がは!!・・・ああ!・・・・ああああ!!」
俺はウィーネの方を向いて盾になった。そして背中に
『赤い槍』が俺の心臓を貫かれた
俺はまたも心臓を貫かれて血反吐を吐く。そしてその投げてきた先に振り返った。その先には
左腕を包帯で巻いたディックスが居た。
その後ろにグランやあのクノッソスのルームから逃げたイケロスの団員も包帯を体に巻いて居る者が多く、重症になりながらもここまで来たようだ。ディックスは笑いながら俺を貶す
「ふはははははははははは!!!やっぱり付いてきて正解だった!!やったぜ!この俺が!!英雄雷帝を殺したぞ!!ふはははははははは!!そんな化け物を庇うからだ!!!」
「やっぱり付いてきてよかったなディックス!!化け物を殺してえが、あの偽善者である英雄を殺せてスッキリだぜ!!」
「「「「「ふはははははははは!!!」」」」
「なんだよディックス・・・・雷帝を追いかけていたのか?」
「主神を助けるのは当然だろ?」
「ディックス・・・・・貴様・・・・がは!!」
「ジーク!?」
「ジーク君!?」
「ジークさん!!」
「テメエらああああああああああああ!!!」
「よくもおおおおおおおおおおおおお!!!」
「お前ら・・・・よくもジークっちを!!」
「もう許さん!!!人間共め!!」
「ジークさん。しっかりしてください!!」
「おのれヘイザー!ここまで追ってきたと言うのか!?」
「ぐふ!・・・・がはは!!・・・・」
またも、俺は二度も、他者から背中に心臓を貫かれた。アンタレスの次にはディックスに刺されるか、やはり俺の最後は誰かに殺されるのが運命だと確信した。よりにもよってこんな奴にやられるとはな。皮肉だ。本当に。流石にこれでは立つのは無理だと倒れた
でも・・・・ウィーネは救えた
俺がやられたことで、ヴェルフや命もベルも泣きながらディックス達を襲う。リド達もやっと俺のことを信用したのか、仲間がやられたかのように怒ってベル達と一緒にディックスを襲う。ディックス達も怪我を負っているにも関わらず応戦する
そしてフェルズとレイと春姫とリリルカとウィーネとヘスティアが俺の方へ近づき、俺の背中に刺さった奴の槍を抜く。春姫とリリルカがポケットからハイエリクサーを出して、胸に刺された傷を治すのだが
「ハイエリクサーで早く!・・・・・っ!?」
「よせ、もう心臓が刺されたら治らない・・・エリクサーでも治せる範囲があるんだぞ?前回だってそうだろう。カース・ウエポンで刺されて、俺のスキルでカースは無効されても、心臓が刺されたのであれば・・・・・救えない」
「そ、そんな!?」
「また・・・二度も・・・君が死ぬのか・・・いやだ・・・そんな・・・」
「泣くなヘスティア・・・・ウィーネは守れた・・・俺はそれで・・ぐふ!!」
「ジークさん喋らないでください!!」
「ジーク!ジーク!!ジーク!!!」
「ふう・・ふう・・・・レイ・・・ウィーネを連れて逃げろ・・・はあ・・・はあ・・・奴の狙いは・・・俺だ・・・・もうすぐ俺以外の冒険者が・・・来る・・・・その前に・・・リド達も・・・連れて・・逃げろ・・・・残されたディックスは・・・あとでフィン達が倒す・・・行くんだ」
「そんな!?」
「君を置いて逃げろと言うのか!?ジーク君!?」
「ゼノス達が加勢しても・・・・ディックスはレベル5・・・グランはレベル4・・・お前らじゃあ無理だ・・・・・俺を置いて・・・行くんだ」
自分が死にそうになっているにも関わらず、俺を置いて行けと、ここでも俺は自分を蔑ろにしろと言って俺はここに残って死ぬ道を選ぶ。もう俺は死ぬしかない。ミーミスブルを発動すれば助かるが、もう心臓を刺されては俺でも魔術の発動はできない。もう俺は助からない
ここで死ぬしかない
運が良いことに、ディックスは俺を狙っている。おそらく左腕を斬り落とされた仕返しだろう。ならここで俺を置いて行けば、彼女達は助かると、ここでも俺は犠牲を果たす
「嫌だよ・・・嫌だよ・・ジーク・・・ジーク!!死んじゃあ嫌だよ!!」
「すまないウィーネ・・・・・俺は・・・もう無理だ・・・俺はここで死ぬしかない・・・俺の・・・ことは・・・諦めろ」
「嫌だ・・・嫌だ・・・嫌だあああああああ!!絶対にまた会うって言った!!また守ってくれるって言った!・・・こんなところでお別れしたくない!!」
「俺は!!・・・・お前のお兄ちゃんだ・・・・兄は・・・妹のために・・・命も捧げる生き物だ・・・・お前のためなら・・・・・ここで死ぬも・・・・良し」
もう無理だった。結局いつもそうだ。俺には悪意を持つ者に纏わりついていずれ背中から刺される。結局俺はこういう最後なのだ。俺は誰かを救えても、俺は誰にも自分でさえも守れない。この苦しい弱肉強食の現実に打ちのめされた
弱者を守るために、強者となって悪意に殺される
これが俺のふさわしい最後だ
「そうだ!そいつを置いてけ!雷帝!お前の命は俺が貰う!」
「「「っ!?」」」
「ヘイザー!ぐは!!」
「フェルズ様!?」
「お前はどいてろメイジ。俺の目的は雷帝だ」
「ディッ・・・・クス・・・・」
「ジークさん!!ぐ!?」
「ベルっち!?くそ!」
「邪魔するなリトル・ルーキー!ディックスがあの英雄様を殺すまで俺らが相手だ!」
ディックスは部下にベル達の相手をさせ、自分だけでせめて雷帝だけでも殺そうと俺の方まで来た。フェルズが前に立ち塞がったが、フェルズはレベル4でディックスはレベル5。勝てる見込みはなかった。だから奴に蹴られて横に転がる
そして、ディックスは先ほど投げた槍を地面から広い。それで再び俺の方へ歩み寄る
「雷帝・・・もうその化け物もどうでもいい・・・逃げたきゃそうしろ・・・だが・・・・テメエだけは俺の手で殺す!!俺の左腕の分だ!!!」
「く・・・ああ・・好きに・・・」
「ダメ!!!」
「っ!?よせウィーネ!!」
「ウィーネ君!?」
「「ウィーネ様!?」」
ディックスが俺の方まで自分のカース・ウエポンで俺にとどめを刺すのだが、目の前にウィーネが立って両手を広げて盾になる。俺やヘスティア達が止めても聞かずに盾になる
「ああ?なんだ竜女?邪魔するな」
「今度は私がジークを守る!ジークに手出しはさせない!!」
「そうか・・・・・・じゃあ死ねええ!!!」
「ウィーネ君!!」
「「ウィーネ様!!」」
「やめろおお!!ウィーネエエエエエエエエエエエエ!!!」
ここまで来て、またもウィーネが殺されてしまう。
なぜだ。俺は守ってきたはずだ。なのに、ここまで来てまたも彼女が殺されるだと。耐えきれない。俺はこの感情はこればかりは抑えられず、無理に立ち上がろうとする。もうそんな力は無い。だが彼女は助けなくてはならない
だからウィーネが槍に迫り来る前に動く
途端
(ジーク・・・力を使いなさい)
(っ!?ヘル!?)
突然俺の脳裏にこの世で一番嫌いの女神、母である雷神トールの妹の『死の女神ヘル』が脳裏に話しかけてくる。ここであの力を使えと、惑わすように囁いた
(確かにこのままだとあなたは死ぬわ。でも私が助けてあげるけど。そういう時こそ、その力を使うべきよ。もうあなたの体は保たないわ。精霊や私でも抑えきれないわ。私は死の女神だしね。あなたの体と一体化したその力はもう貴方のものよ)
(勝手に言ってくれる)
(じゃあこの子を死なせるの?)
(・・・・いや、使うさ)
(そう、それでいい。使いなさい。それは貴方が憎しみで手に入れた力よ。誰にもできない半神である貴方にだからこそできる力よ。わかるでしょ、人間は敵よ。人間は殺さないと理解しないの、そう・・・神もね。だから殺しなさい。貴方や仲間を生き残るために・・・死は必要よ)
(・・・・・・・)
俺は何度も犠牲にしてきたが、こんな敵に追い詰められた状態で犠牲になるなどやはり考えきれなかった。こいつは・・・ディックスは悪だ。グランも悪だ。イケロスも悪だ。イケロス・ファミリアも悪だ。全ては悪だ。人間も悪だ。人類も悪だ。神も悪だ。『天界』も悪だ
俺はヘルに唆されてよくわかった。そうだ。滅さねば自分は生き残れない。奴らに死を与えねば気が済まない。そうだこんな悪意の生き物は殺さねば報いを思い知らせねばわからないのだ。
殺さねばわからない。
だから
ガキン!!!!!
「っ!?」
「っ・・・・・・ん?っ!?」
「ジーク・・・君?」
「ジーク様?」
「ジーク様?」
「・・・・・・・・」
俺はウィーネの前に瞬時に立った。ディックスのカース・ウエポンを右手で素手で掴んだ。もちろんそんなことをすれば素手はタダでは済まない
「ふはははは!!素手で掴むなんてな!しかもその心臓が刺された状態で!」
「・・・・・死を」
「あ?」
「人間に死を、神に死を、精霊に死を、獣人に死を、エルフに死を、ダークエルフに死を、パルゥムに死を、ドワーフに死を、巨人に死を、下界に死を、天界に死を、冥界に死を、英雄に・・・・死をおおおおおおおおお!!!!」
バリン!!!
「っ!?なに!?」
俺は素手で奴のカース・ウエポンを握り潰して刃を壊した。普通そんな高価なカース・ウエポンを素手で壊すのはレベル6でも不可能。なのに俺は壊した。それだけではなく俺の青髪が黒髪に全色染めて、そして完全に青い竜眼となる
もはや俺はイケロス・ファミリアに憎しみを覚えてしまい。殺すまで止まらなくなった。これは死ねない。心臓を貫かれても、俺の憎しみは死ねない
と、『黒いルーン文字』を描く
「恐怖、後悔、無念、嫌悪、軽蔑、嫉妬、罪悪、殺意、怨念、苦痛、憤怒、空虚、傲慢、強欲、色欲、暴食、狂気、残酷、怠惰、悲嘆、虚栄、淫蕩、絶滅、滅亡、破滅、闘争、憎悪、・・・・・・・・・・絶望!!!終焉!!!」
「な・・・・何してやがる?」
俺はその言った単語のルーン文字を描いた。描いた文字が突然勝手に動き出し、俺の体にまとわりつく。そして告げる
『「我は半神・・・・人や神であらず・・人や神を滅ぼす者・・・九つの世界を壊し・・・世界樹を焼却し・・・悪を冥界へと誘う者・・・・神を滅殺する矢・・・・我は絶望の黒竜となりて・・・・・・・全てを終結せよ!!!」』
「な・・・・何言ってやがる!?」
「ジーク様の声・・・おかしいです!?」
「何か別の声が・・・聞こえます!?」
「絶望の黒竜?・・・・は!まさか!?」
『「ディックス・・・・・お前のせいだ」』
「は?・・・・・な、何がだ?」
『「お前のせいで・・・・・」』
俺は彼に告げる。俺の声にもう一つ獣の声がする。俺がこうなったのも、俺がこんなことをしなくてはならないのも全部こいつのせい、全部、全て、元凶としてこいつのせいだ
こいつのせいで
『「全て終わりだ!!!」』
ブワアアアアアアアアアアアアアア!!!
ドカン!!ドカン!!
「「「うわああ!!??」」」
「春姫君!?サポーター君!?ウィーネ君!?く!?」
「「「「「「ジーク!?」」」」」」
「「「ジーク(さん)(殿)!?」」」
「おいおい・・・・・なんだ!?雷帝から流れるこの黒いのはなんだ!?」
突然俺の空から猛烈に闇が吹き出す。そして空までも雷雲で集まっている。今にも黒い雷が降りそうな程に、もはや俺の力を抑えきれないことをヘスティアは気づいてしまった。もう俺は限界なのだ。人間を憎んでしまった。神を憎んでしまった。俺は神罰を持って全てを下さないとならない。
全てを滅さねばと。俺の体に流れるルーン文字がやがて俺の穴が空いた胸に集まり、文字が重なり、『竜のシンボル』ができる。それを手に当てる
そして
『「ルーン・アーマメント!発動!!!」』
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
「ジーク君!?うわああ!!!」
「「「「「うわああああああああ!!!!」」」」」
「な!?ぐ!?うわああああああああああ!!」」
「な、なんだ!?う、うわああああああああ!!!!」
俺はルーン・アーマメント発動させた。
途端、俺の体から黒い柱が出てくる。その黒い柱が天にまで届いた。まるで神の送還のようにとても赤黒く。誰も見たことのない光景を。その黒い柱を出したことでヘスティア達やゼノス達だけでなく、デイックス達イケロスの団員も吹き飛ばされる
その黒い柱はどんどん広がって大きくなる
その黒い柱をオラリオ中が目撃する。
フィン達も
「っ!?なんやあれ!?」
「まさか・・・神の送還か!?」
「いや!にしては光が黒いぞ!?」
「なんか突然天候も悪くなったぞ!?」
「何がどうなっているの!?」
「この先って確かヘスティア・ファミリアが走っていた先よね!?」
「誰があの黒い柱を出しているのでしょうか!?というかだんだんと広がっていますよ!?」
「とにかく急ぐぞ!!」
「ん?・・・・・・アイズさん?止まったりしてどうしたんですか!?」
「そんな・・・あの光・・・いや・・・・あの闇は!!?まさか!?!?」
その黒い柱にヘスティア・ファミリアを追いかけるフィン達も目撃する。なぜ目の前にそんなものが出てくるのか、現場に行けばわかるのだが、その向かう途中でレフィーヤは隣で走っていたアイズが突然走るのをやめて止まるのを目撃する
でも彼女は顔が青ざめている。あれを見て驚愕しているからだ
「なんで・・・なんで・・・・この闇が・・・オラリオに!?」
もちろんフィン達だけではない。バベルから見たフレイヤやヘファイストスのファミリア。市民街近くのタケミカヅチとミアハのファミリア。他のファミリアも目撃している。もちろんダイダロス通りをあるファミリアを捜索しているヘルメスも
ほとんどのファミリアが、俺の出した黒い柱を目撃する
その黒い柱はどんどん少しづつ広がる。その中に入っている俺の体も徐々に体が変わってゆく、顔がどんどん竜の頭になり、そこから四本の角。体は蛇のように長くデカくなり、腕はどんどん皮膚が黒い鱗と爪が長く鋭くなり、背中には大きな羽ばたく黒翼。足もどんどん竜の足となる。腰には竜の尻尾・体には青い線の筋が。唯一青い竜眼は変わらず
俺の体はやがて、ゴライアスをも超える大きな黒い竜の体となった
その姿になって、黒い柱は消えた
「っ!・・・・・は!?ジーク君!?」
「っ・・・・・え!?竜!?」
「な、なんですか・・・これ!?」
「おいおい・・・・どうなっているんだ!?」
「なんでここに・・・・こんな大きな竜が!?」
「まさか・・・・ジーク様!?」
「ジークっち・・・なのか!?」
「なぜ貴方が・・・・そんな姿に!?」
「どういうことだ・・・・青年!?」
「なぜジーク・フリードが・・・・竜に!?」
「ジ、ジーク・・・・・ジーク?」
ヘスティア達はその黒い柱に吹き飛ばされたが、黒い柱が消えて再び立ち上がって俺の方を向くが
もはや俺の姿は無く。そこに居たのは、この街に住む人間が見渡せるほど、大きい黒き竜。ヘスティア達が目の前に居る大きな竜の名は
世界三大クエストの最後のモンスター
隻眼の黒竜ファフニールだった
『「黒竜怪獣(ファーブニル・ドラグーン)!!!」』
これで世界は終わる。俺が終わらせる。この憎しみを持って全てを滅ぼす。人間は悪だ。神も悪だ。だから滅ぼそう生き残るために、そう、全ては俺の復讐なのだ
この絶望の黒竜に成りて。俺はオラリオだけでなく
この下界そのものを終わりにさせるのだった
一方、とある酒場では
「っ!あれって!」
とある酒場である少女は黒い柱を見た。彼女にはそれがなんなのかすぐにわかった。だから彼女は俺の身に何かあったのだと。まだ彼女は仕事中なのだが
「ごめん!少しお願い!!」
「え!?ちょっと!?」
彼女は酒場を出て、酒場の制服のままで俺の方へとダイダロス通りに走る。彼女はこれから何が起こるのか知っている上に、俺がこれから何をするのかも知っている。これから何に変身するのかも、彼女は俺と心が本当に繋がっている。だから全て知っている。神と人への憎しみも、世界の現実に打ちのめされたことも、また二度死んだ事も。そしてまた大事なものを奪われそうになっていることも
だから彼女は走る。憎しみも、苦しみも、痛みも、俺の全てを知っているから
俺の闇を癒そうと、彼女は自分の魂にある『愛』で、俺を救うために走った
異端の竜少女編(前編) END
次回絶望の黒竜ファーブニル編(後編)