ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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ヘスティア・ファミリア 開戦

翌日の夕方、もう俺とシルとフェルズとウィーネ達以外はもうすでに準備をするために教会やホームを出てそれぞれ配置に着いている。決戦は夜だが、夕方の内に作戦を決行するためにそれぞれの持ち場に着いている。ヘスティアもヘルメスとエイナと共にデュオニュソスと合流するために現地に近いダイダロス通りの東区の建物の屋上へ向かっている。その指示ですぐに相手より先に行動を起こせる。全員に念のためにオクルスを持たせてあるからいつでも声を通して動ける。

 

ダイダロス通りの市民はもう他の地区に避難済みだ。今やダイダロス通りは戦場になる。俺かゼノスを狙った冒険者が今も彷徨いている。今でも殺意と血眼で他のファミリアも俺とゼノスを探しているだろう。目的は金か名誉か評価か、何にしても戦果を起こさない限りは変わらない。

 

 

だが、いつの日かこうなると、俺はわかっていた

 

 

わかっていたと言うのはこの事態のことではなく、ロキ・ファミリアと決別を取らなくてはならないことだ。いつか生きて行く故で進むべき前に壁に衝突した。それがオラリオの双方の片方であるロキ・ファミリアとぶつかること。いつの日か強くなって行くために必ず衝突するとわかっていた。ロキ・ファミリアと戦うことはもはや運命。メンバーの中にどうしても敵対したい者がいる限り、分かり合えないと闘争心を燃やして争う。

 

どうあってもこの戦いは避けられない

 

 

「ジーク・フリード・・・・・全員の配置は完了した」

 

「ベル達もヘスティア様たちも完了したみたいだぞ?」

 

 

「そうか・・・・・となると・・・・あとは俺だけか」

 

「うん・・・・大丈夫?」

 

「体力と傷はもう取り戻し癒えた。今は全開だ。奴の力は十分今は抑えている。いつでもやれる」

 

 

他の団員や仲間の準備は完了したと報告を受ける。あとは俺が夕日が沈む前に教会を出るのみ。あれだけ休んでいれば俺ももう万全だ。十分に魔力をも完全に補充した。他の準備は怠るようなことはない。グラムの切れ味も良くしてある。マジックアイテムも問題なし。俺もなんとか準備は完了している

 

まああるとしたらだな

 

 

「シル、聞いてもいいか?」

 

「なに?」

 

「義姉さん・・・・いや・・・フレイヤは今回の件でどういう判断をしている?」

 

「え?何を?・・・・・」

 

「俺が気づかないと思ったか?君がフレイヤと関係があることは気付いている。でなければミアの娘になったりはしないだろう。隠す必要ないから教えてくれ」

 

 

「そうなのか?シル・フローヴァ?」

 

「シルさん・・・」

 

「シル・・・・・」

 

 

「ああ。だよね。ジークならわかっていると思っていた。ミアお母さんは元はフレイヤ・ファミリア団長だからその繋がりで私も関係していると。ジークも気付くと思っていたよ」

 

 

シルは初めて俺からフレイヤと関わりがあると言われた瞬間、包み隠さずに関係があると明かす。シルがフレイヤの力を半分持っていると勘付き、アーニャやミアは元フレイヤ・ファミリアの団員、クロエとルノアは別のファミリアの恩恵を得ている。あの豊饒の女主人はフレイヤ・ファミリアの警備が入っている。その時点で彼女がフレイヤと関係していることは明白であり、今フェルズは居るがそれ以外のヘスティア達やウンディーネ達も居ない今だからこそ、

 

今回の件でフレイヤはどう関与するか聞いてみる

 

 

「フレイヤ様は・・・・今回の件は関与しないと言っているわ」

 

「そうか、だが・・・・・・・・・その『本人がここに来ている』みたいだが?」

 

「え?」

 

「出てきたらどうだ?隠れているのはバレているぞ?」

 

 

シルから今回のことに関してはフレイヤは関与しないと通達が来た。おそらく今回は流石にバベルの守りでギルドに行動を止められているからなのか、前回イシュタル・ファミリアを派閥潰しした罰として、バベルの守りを徹底にするよう指示されているのだと。ペナルティを免れなかったようだが

 

今この協会の門の前に彼女と護衛二人が居た。隠れていることをバラすと

 

 

「ごめんなさいね。盗み聞きするつもりはないのよ?」

 

 

「フレイヤ様!?」

 

「女神フレイヤ!?」

 

 

「聞きに来ると思っていた。オッタルとアレンが護衛か・・・」

 

 

「ジーク。人間の姿に戻っているようだな」

 

「テメエ。どういうことなのか、このお方や俺らにも説明しやがれ」

 

 

「お、おい!?ジーク!?」

 

「味方か?敵なのか?」

 

 

「心配するなグロス。こいつらは敵ではない。この猫人は敵かもしれないがな」

 

 

まさかフレイヤがオッタルとアレンに護衛を付けてこんな古びた教会にくるとは思っても居なかった。だが明らかにこの場所に俺が居たことを知っていたならシルは明らかに関係者。そして俺が三日間寝ている間に密かに護衛していたのもフレイヤの眷属達、全部フレイヤにはお見通しだとわかった

 

 

「フレイヤ様。なぜこちらへ?」

 

「ごめんなさいねマリア。どうしても義弟が心配だったから、私がここへ来てはいけなかったかしら?」

 

「いいえ、先日も護衛と寄付金までありがとうございます」

 

「構わないわ。シルがお世話になっているのは事実だしね、それでジーク。ある程度の説明はシルから聞いたけど、本当にあの黒竜を倒したってことでいいかしら?」

 

 

「そこまでシルから聞いたか、おい、フレイヤが来たぞ。今なら話せるぞ?爺さん。ヘイムダル」

 

『そうだな。詳しく話そうかフレイヤ』

 

『ええ。真実を話しましょう。あなたのお兄さんのことも』

 

 

「っ!?オーディン!?ヘイムダル!?」

 

 

『久しいな。フレイヤ』

 

『相変わらずお美しいですが、あまり欲が過ぎるところも相変わらずですね』

 

 

俺はパンドラボックスからもう一つ水晶を起動させて、フレイヤにオーディンとヘイムダルに水晶越しではあるが会わせる。まさかこの神二人に出会すなど思いもしなかったのか、フレイヤでも驚きは隠せない。証人として俺はオーディンとヘイムダルに連絡させてもう一つの水晶を起動させた

 

 

「オッタルもアレンも何も言わずにただ聞け。俺が黒竜になった真実とあんたの兄であるフレイが俺のために犠牲になった半年前を」

 

 

俺はもう決戦を控えていると言うのに、もはやまたも説明で長引くするわけにもいかず、今ここでオーディンとヘイムダルが説明すると、俺から説明はしなかった。俺が説明したとしてもフレイヤはともかくオッタルとアレンが信じると思えないからだ。

 

だからあまり時間もないために手短に説明をオーディンとヘイムダルがする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

「そう・・・・・お兄様はジークを守るために黒竜にやられたのね」

 

「まさか・・・・あの黒竜を・・・しかも奴のドロップアイテムを口にしただと!?」

 

「おい・・・なんの冗談だ・・・レアスキルで倒しただと?テメエ・・そんな強力な力を持っているのか?」

 

 

『全て事実じゃぞ』

 

『大きな犠牲が多くでした。その中で最もジークさんが大切にしていた家族も』

 

 

「正直喜べたものではない。愛する兄を亡くした悲しみが強くて、世界を救えた喜びもない」

 

「ジーク・・・・」

 

「ジーク・・・・」

 

 

真実を聞いた三人はフレイヤでさえも、ロキとリヴェリア同様に驚きは隠せない。特にフレイが犠牲になったと聞いたフレイヤは、以前に俺が強制送還を通達したが、改めて真実を聞いてみるとあまりに口を噛み締めて悲しみや怒りを抑えている状況だ。敬愛する兄が義弟に世界を救わせるためとは言え、己の命を犠牲に俺に倒せたとしても、兄妹を失った気持ちは妹でも苦しい。愛と美の女神でも悲しい真実

 

オッタルとアレンは全く持って信じられない。ゼウスとヘラの眷属はレベル8とレベル9のオラリオ最高最上級の派閥、そして英雄アルバートや風の大精霊であるアリアでさえ勝てなかった最強のモンスター、隻眼の黒竜ファフニールが

 

当時たったレベル3の冒険者である俺が、たかがレアスキルを持っただけで倒せるなど信じられない。もしかしなくても神の力でズルしたのではないのかと疑うが、そもそも俺は雷神トールの子供、つまりは人間と神の、神が生まれるはずのない子供だ。もしかするとその神の力が含まれて勝ったのではないのかと。母の力とフレイの想いでレアスキルが影響を与えて発揮させたのだと、オーディンとヘイムダルが推測している

 

とにかくフレイの犠牲を得て、俺は世界を英雄になる前に果たして、奴のドロップアイテムを口にして変身したと、あり得ない事実を話した

 

だが嘘ではない。神二人が説明するくらいだから。全て事実である

 

 

「黒竜の力はまだ未制御だ。だが奴そのものに変身することはできる。まあ意志は取られずに済んでいるだけマシ。まあその代わり怒りや憎しみがかなり増すがな」

 

 

「まさか黒竜の心臓を引き剥がしても死なないなんて、しかもその心臓たる黒竜のドロップアイテムを食べるなんて」

 

 

「感染呪いと同じだ。自分の滅びる体を別の体へと移し替えて生き続ける。ファフニールはその呪縛能力があったに違いない。でもなんだっていい。この黒竜の力を使って俺はこれからも仲間や友人を己の正義で貫くのみだ」

 

 

「ジーク。街ではもうあなたを英雄と扱う子供はほとんど居ないわ。これからどうする気なの?」

 

 

「ここに居る喋るモンスター達をダンジョンへ戻す。もはや英雄ではなくなった俺は。犯罪者としての汚名を背負ってでも、己が正しいと思う道を貫くまで。この喋るモンスターゼノス達をダンジョンに戻した後、ギルドに脅しを入れる。『もしも今後我々に危害を加えるなら、ギルドを黒竜に変身して吹き飛ばす』と、イヴィルスに近いことをする」

 

 

「本気なの?」

 

 

「もう引き返せない。ロキ達もガネーシャ達も全力で俺を捕まえに来る。俺が黒竜に変身した以上はもう俺は犯罪人。それでもこの街で生き抜くには力で示すしかない。解決できることは常に一つのみ、全派閥に戦いを挑んで勝利し、力を持ってしてオラリオに居続けるしかない。今回ばかりはヘスティア・ファミリアの威厳を見せて生きるしかない」

 

 

「それをヘスティアが?」

 

 

「ヘルメスやデュオニュソスやあのウラノスもそういう方針として納得してくれた。人の信用を失うのはこれで二度。こんな事態も状況も二年前と変わりない。そして今まで人のためにしてきても、モンスターであるなら俺は化け物だど非難してくる。真実を伝えて同情してくれるはずもない。それが人間だ。今夜俺たちが起こすのは人間同士の戦争だ。憎しみ合い怒り合い、お互いの正義でぶつかり生きるか死ぬかの戦いだ。ダイダロス通りは居ない方が身のためだ。ここ以外はな」

 

 

「本気のようね・・・・・力は貸しましょうか?」

 

 

「義姉さん・・・・いや・・・もうフレイヤと呼ばせて貰う。もう俺はあんたに貸しも作らない。これは俺たちの問題だ。いくらフレイが俺を守ってくれたと言っても、あんたがそこまで俺の力にならなくていい。俺はあんたに望むようなお礼はできない。貸しは貸しのままになる。それにあんたは俺を自分の眷属に引き入れたいと言う目的があって、俺に近づいているのだろう?」

 

 

「「っ!?」」

 

「あら?なんのことかしら?」

 

 

「フレイが言っていたぞ?あんたは見た目は美しいが心は欲張りだと。兄であるあいつはあんたのことをよくわかっていた。兄妹だけのことはあった。あんたが俺を手に入れるためにいろんなことをしてくれることは俺もオーディンもヘイムダルも分かっていた。だから・・・・・もう何もしてくれなくていい。俺はヘスティア・ファミリアの団員だ。依頼で力になれと言うなら内容によっては協力するが、あまり変に俺に気を使わなくていい。俺はあんたの所へ行くつもりはない。この際ハッキリ言うがな」

 

 

「酷いわジーク。私はお兄様の妹なのよ?あなたはお兄様の義弟なのよ?なら私も姉弟として仲良くするべきだと思わない?」

 

 

「あまり限度を考えてくれるなら、俺もあんたを義姉として扱うが、あんたの眷属になったらそこに居る二人がうるさくて一緒に居たくない。会話もロクにできなさそうだからな」

 

 

「おいジーク。テメエそれは俺とオッタルに言ってるのか?」

 

「心外だなジーク。俺は・・・・そこまで物分かりではない」

 

 

「どうだか。俺は少なくともお前ら二人が俺に変なことをしなければ、考えによってはフレイヤの眷属になっても構わないと思っている。だが少なくともお前らがこの真実を聞いた瞬間、余計俺に勝負を挑みそうな顔をしているのは明白。俺は平和に過ごしたいだけだ。もう戦いは避けられるものなら避けたい。いつも戦いの引き金は相手からだからな」

 

 

「まあ・・・オッタルとアレンはこんな武道派だもんね」

 

 

「ああ。俺が黒竜を倒したと聞いた瞬間、もっとこいつらは俺を狙う目付きがかなり変わって来ているからな、平和を望む俺からすれば迷惑でしかない」

 

 

『フレイヤ。あまりジークに変なことをするのはやめて貰おう』

 

『フレイヤ。ジークは私たちにとっても大事な家族です。あまり度が過ぎるなら許しませんよ?』

 

 

「心外よ。オーディン、ヘイムダル、私はお兄様が命を賭けて守った義弟と仲良くしたいだけよ。お兄様が大事にしていたのであれば、私も彼を大事にしたいもの」

 

 

「ジーク。フレイヤ・ファミリアに配属したらいつでも一緒に居られるね?」

 

「シル。君までフレイヤ・ファミリアの配属を賛成しないでくれ。俺はあいつらが居なかったら入っていたかもしれないと言う話をしただけだ。ヘスティアが聞いたら怒る話だ」

 

 

 俺はハッキリとフレイヤに眷属にはならないと告げた。フレイヤが俺を欲しがっていることは分かっている。だからこの際ハッキリとあんたの眷属にならないと。犯罪人となった俺に今でも信頼をしているヘスティア達を裏切ることはできないと宣言した

 

愛だけでは俺は生きていけぬ、それ以上の絆で結ばれた、悲しみの先に得た信頼を掴み取った限り、俺の居場所は常にヘスティア・ファミリアのみ。だから義姉の頼みでも聞けぬ。それでオッタルとアレンを相手にしても恐れることはない。黒竜を相手にしてきた俺がレベル7の猪と同じレベルの猫を相手にすることくらい増することもない

 

シルはシルで、自分もフレイヤ・ファミリアの住人だからと言って、俺もシルに合わせてフレイヤの眷属にさせようと勧誘みたいなことを言わないで貰いたい

 

だがせっかくフレイヤのことだから今回の件についてを改めて聞く

 

 

「シルから聞いたんだが、今回の件はあんた達は関与しないんだな?」

 

 

「ええ、でもジーク達はあの喋るモンスター達をダンジョンに戻すために、ロキ達と戦うのでしょう?」

 

 

「ああ。あんたからすれば有難いだろう?あのロキ達が弱体するんだ。今後において有利になるはずだぞ?」

 

 

「ロキのファミリアに本気で挑む気?あっちはレベル6が七人も居るのよ?」

 

 

「ベル達も本気だ。別に殺すわけじゃない。それにウンディーネ達だって居る。あいつらにもルーン魔術を使わせる。俺はあいつらとは馴染みがある上に戦法も頭に入っている。ベヒーモスや黒竜を一人で相手にしてきた俺からすれば恐れるに足らず」

 

 

「勝利条件は揃っているのね。もしもの場合は黒竜にも変身する気ね」

 

 

「俺たちの勝利は確実だ。そろそろフィン達に決別を下す。フレイヤ達は何もするな。何かしてくるなら敵として認識する。来るなら容赦はしない」

 

 

「安心して、私はあなたの活躍を今回も見たいの。お兄様に黒竜を倒せさせた貴方の悲しみを乗り越えた強みを。どうか私に見せて頂戴」

 

 

「分かった。あんたの眼に俺達が先にオラリオの双方の片方を落とすところを見せてやる」

 

 

「ジーク。お前達にフィン達よりもだし抜けるのか?」

 

「テメエ。黒竜を倒したからと図に乗るのもいい加減にしろよ」

 

 

「俺はお前らが相手でも恐れない。ここまで仕出かしといて今更お前らを恐れる意味など感じられない。気に食わないなら来いと言ったはずだ。ゼウスとヘラの眷属を超えたとは思ってはいないが、黒竜の力を手にしたからの代償はこれなのだと予想はしていたからな。今更お前ら『下等生物』に恐れる理由もないからな」

 

 

「ほう・・・・・流石だな。フレイヤ様の兄君の想いを託された強さを感じる。黒竜を倒した威厳も感じる」

 

「そうか・・・・この時を待っていたぞ。テメエを潰せる時をな!」

 

「ダメよ。オッタル、アレン」

 

「「っ!?・・・・・・御意」」

 

「言ったはずよ、手出しは無しよ。私はジークがロキ達を倒す戦いを見たいの。ジークと戦いたいと言う気持ちはわかるけど、無駄な戦いをしてジークの体力を削らないで」

 

「フレイヤ様の命であれば」

 

「承知・・・しました」

 

 

「お前らは本当にペットだな」

 

 

「なにを!!」

 

「アレン」

 

「っ!?・・御意」

 

 

オッタルとアレンは俺がフレイヤに口出しをする態度と自分の立場の弁えなさを聞いて、なにより崇拝している女神の優しさを受け取らずに、自分たちでだけで解決しようと、ベヒーモスと黒竜を倒したくらいで粋がる俺に二人は勝負を挑もうとするが

 

俺たちとロキ達の戦いを見たいと、ここで俺を倒してはならないと止めの指示を入れる。フレイヤ本人も、下級冒険者だけでロキ達を本当に倒せるのかどうか確認したいようだ。

 

もう長話はここまでにして、水晶の起動を切って、俺は立ち上がる

 

 

「そろそろ出る。フェルズ、グロス、シルも頼むぞ?」

 

「ああ。合図を待っている」

 

「うむ、ジーク・フリードも気をつけてな」

 

「うん。任せてジーク」

 

 

「ジーク・・・・・大丈夫?」

 

「心配するなウィーネ。必ず俺は生き残ってダンジョンで会いに行く。いいな?」

 

「うん!」

 

「ではなフレイヤ。この後の戦いを・・・どうかお楽しみあればな」

 

 

「ええ、お兄様の想いを抱いて黒竜を倒した貴方の本気の力を見せて頂戴」

 

 

俺も出陣する

 

ある程度の説明をフレイヤにし終えた俺は、もう時間だと。夕日は沈むの確認して教会へ出る。フレイヤ・ファミリアが今回関与しないとは正直驚いた。オッタルとアレンなら掛かってくると思ったのだが、フレイヤに止められたようだ。指示がなかったら完全に吹っかけてきたに違いない。今回はフレイヤに感謝だ。面倒ごとが減って

 

だが

 

 

「オッタル。一つお前に言っておく」

 

「なんだ?」

 

「そんなに急がなくても、いずれ『俺とお前が殺し合う日』は必ずやって来る。だから黒竜の力を得た今の俺に挑む必要はない」

 

「っ!?お前と俺が・・・・いずれ戦うと?」

 

「ああ。その時は俺も『同じレベルになっている』はずだ。その時が必ず近い未来にやってくる。頂点を賭けてな、それまで待っていろ。その日が来るまで力を付けろ。その時が俺とお前の『ここの決戦』となる」

 

 

それだけをオッタルに言って教会を出ていく

 

必ず来る争いを先にオッタルに伝えた。いつの日か近い日に俺とオッタルは争うはずだと予想している。なぜそんなことを言うのかと言うと

 

フレイヤ義姉さんが『俺を欲しがっている顔』しているからだ

 

『彼女とよく似ていて』、物欲しそうな顔で俺を見ているのが俺の眼で見てわかった。いずれフレイヤ義姉さんが俺を狙う日も近い、その時が俺とオッタルの『オラリオ最終決戦』の時だろう。俺がレベル7になるのも近いと黒竜の力を得たからなのか、前よりも力の増幅を感じる。いずれ来るだろうと今このタイミングで俺はオッタルに伝えた

 

さて、これからロキ達と一戦することになるのだが、またも彼らと争う羽目になるとはな。二年前を思い出す、アポロンに騙されて大喧嘩したあの夜の雨の日に。あれが決別の日だったはずなのに、それが果たしておらず、今もフィン達は俺と何か切れない縁で繋がっているのか、あまりに吹っ切れていないようだ。いい加減俺と縁を切ってはくれないのだろうか、リヴェリアは無理だろうが。いつの日かヘスティア・ファミリアに所属したらこんな時が来るかもしれないと予感はしていた。やはり俺とあいつらは相反するのだ

 

 

まあなんにしても、これが真の決別の戦いになる。

 

 

これはヘスティア・ファミリアとロキ・ファミリアの己の正義を賭けた戦いなのだ。魂を持つモンスターを守るために人を斬るか、魂を持っていようともそれがモンスターであるなら人のために斬ると。

 

人種差別と言う、神でも解決が不可能と呼ばれる人間社会問題の事件となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空に綺麗な星空と満月が浮かび上がる。今日は珍しく街はとても静かだ。いつもなら深夜まで街は賑わっているのだが、今宵の街はとても静かだ。その理由はダイダロス通りの街の各地で冒険者が武器を持って彷徨いているからだ。その冒険者が武器を持っている目的は俺を捕らえることと、地上に出てきたと思われるモンスターの排除だ

 

ロキ・ファミリアとガネーシャ・ファミリアが中心となって行動していた

 

その他の冒険者達は

 

 

「なあ?本当にあの雷帝があの黒竜に変身したと思うか?」

「知らねえよ!そんなことを!でもお前も聞いたろ?あの声を」

「ああ。今でも信じられねえよ」

「魔法かスキルだと思うが、未だに信じられねえよ」

「オラリオの英雄だと思っていたのに、まさかあの三大クエストのモンスター隻眼の黒竜に変身するなんてよ」

「ブレイバーよりカッコイイのに、なんでよ」

「いろいろショックよね」

「すっかり騙されたよな」

「でも見つからないぜ、結局四日も捜索したってのに」

「ていうか、勝てると思うか?あの雷帝に?」

「無理だと頭でわかっていてもさ」

「ギルドの賞金だってあるしな。一応これ依頼だし」

「本当に、なんでこうなっちまったんだよ」

 

 

今でも冒険者達は信じられない

 

英雄と呼ばれた俺が世界三大クエストの最後のモンスター隻眼の黒竜に変身するなど、こんな事態になるなど想像できない。ロキ・ファミリアの団長であるフィンから今回の捜索について話は聞いているが、捕縛対象である俺は、刃向かうなら襲撃すると、同じ冒険者だと言うのに攻撃をしてくると言う警戒に、彼は怖気ついてもいた。

 

相手は仮にも英雄と呼ばれた雷帝、レベル6で単独でベヒーモスを倒した強者。下級冒険者の彼らからすれば、今からそんな強大な敵を捕縛するなど、無理に等しい。まあロキ・ファミリアとガネーシャ・ファミリアも居るから、協力な仲間が居ると問題ないだろうと彼らは思っていたのだが

 

 

 

 

 

 

 

「ほう・・・・・四日もあって俺を見つけられないとは、いつからお前達は捜索力が甘くなったんだ?」

 

 

 

「「「「「「「っ!?雷帝!?」」」」」」」

 

 

 

ここダイダロス通り東広場にて、俺はタルンカッペを剥がして姿を現す。手初めに捜索する冒険者達を片付けようとわざわざ探していた。もちろん突然姿を現した俺を、冒険者達は仲間で一斉に俺を囲む。もちろん今は犯罪人だ。すぐに見つけ次第捕らえるのは当然だと思っている

 

別にこのような状況、俺としては通用しなかった

 

 

「雷帝!ギルドから捕縛命令が出ている。念のために言うが大人しく投降してもらうぞ?」

 

 

「断る。フィンから聞いているだろう?わざわざ俺からお前らの所にやってきたと言うことはお前らを殲滅しに来たと言うことだ。姿を自ら現したんだ。お前らの言う言葉を聞くとでも思ったか?」

 

 

「おい雷帝!?正気か!?それでも英雄かよ!?」

 

 

「お前達も見ただろう?俺が黒竜になった姿の状態で喋っていたのを。もはや俺はかつての英雄雷帝ではない。ただの人の姿した怪物だ」

 

 

「地上に出現したモンスターをダンジョンに帰すと言うのは本当か?」

 

 

「ああ。テイムしてなんとかダンジョンへ帰るように指示してある。その邪魔をするお前達を殲滅する。ロキ・ファミリアもな」

 

 

「しょ、正気とは思えないぞお前。この街がどうなってもいいのか!?」

 

 

「もはや人の信頼はない。それでも俺を信じて守ろうとしてくれる者達が居る。その者達に報いるため、己の正義で平和を勝ち取るために戦いを選んだだけのこと。それが人に仇なすことになろうとも、難しい話ではない」

 

 

冒険者達は俺が英雄としての役割を捨て、人に危害を加える怪物をダンジョンへと戻して、敵となった人を斬るなど。理解に耐え難く。まるでイヴィルスだと軽蔑を受ける。

 

モンスターとなった俺は英雄ではない。人の信頼も無い俺に道はなく、なら正しいと思える道を進んで平和を勝ち取ると戦いを選んだだけのこと。何を言っても理解ができないのなら、宣言してわからせると、俺はグラムを出して刃を地面に刺して発言する

 

 

 

「聞け!!もはや俺は英雄ではなく隻眼の黒竜だ!!!世界三大クエストの最後のモンスターはここに居るぞ!人の信頼はもはや無くなった!名誉も評価も無くなった俺は!今でも信じてくれる友や仲間のために己の正義で平和を勝ち取るために戦争を始める!これよりは正義か悪か判別し選択し、俺に戦いを挑む者は容赦しない!!!覚悟を決めて掛かって来い!!」

 

 

 

俺が悪か正義か、よく考えて立ち向かえと警告はかけておく、もちろん邪魔する者も容赦せず、俺がダイダロス通りで戦争を引き起こすと、オラリオの街内で戦いを始めると宣言した

 

これだけ大きな声を出せば十分他の冒険者に耳に入ると、懸賞金を目当てにしている冒険者達を引き寄せることはできると。まずは囮としての仕事を始める

 

 

もちろんそんな宣言をした冒険者達は

 

 

「雷帝、残念だ。英雄となったお前が罪人になるとは・・・・」

 

 

「何を言っている?黒竜に変身した俺など、もはや英雄として扱えないだろう。だから捕縛したいなら掛かって来い。覚悟を決めてな」

 

 

「く!・・・・全員で雷帝を捕縛するぞ!」

 

 

冒険者たちはは俺の横暴な目的に従うわけもなく、俺の方がレベルは上だが、全員でかかれば捕縛できると。全眷属で俺を捕縛しようと武器を取る。もちろん冒険者達が依頼通りに動くことは想定済み。そうでなければ俺も作戦通りにならない

 

街にモンスターが出てきている以上は冒険者が見逃すわけもない。それが隻眼の黒竜であるなら。戦う他なかった

 

 

「お前達の覚悟は確認した。ならば・・・・・・・殲滅を開始する!!!」

 

 

俺はパンドラボックスからエギルの髪飾りを出して頭に身につけて、常に相手を威嚇させて戦う。常に戦争で挑む時はこのスタイルである。これが人間同士の戦争をしてきた俺の気迫である。グラムと体から青い雷を放出して、雷雲を作ってそこから落雷を放出させて冒険者達を襲い掛かる。ここまでは作戦通り。合図である落雷を落とした。ダイダロス通で俺を捜索している冒険者たちを手初めになるべく殲滅するため、グラムを持ち替えて立ち向かう

 

俺が先に戦闘開始を初めて、作戦開始の合図が街中に鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その落雷に、ある建物の屋上からヘスティアとヘルメスとデュオニュソスが目撃し、エイナに報道指示を流させる

 

 

「合図が来たぞ!ヘスティア!」

 

「ジーク君の落雷だ!」

 

「よーし!!始めよう!アドバイザー君!」

 

 

「はい!全員行動開始してください!これよりゼノス迷宮送還と雷帝救済作戦を開始します!!!」

 

 

『『『『『『はい!!(にゃ)』』』』』』

『『『『『『おう!!』』』』』』

『『『『『『了解!!』』』』』』

 

 

「ジーク君。一人で囮になるとは言え・・・どうか生き残ってくれ」

 

 

エイナがオクルスを通じて、作戦のために各地に移動した仲間や友人達が作戦開始の合図を伝え、それぞれの行動を開始する。随時の報告をすぐにエイナが通達する役割を任せている。地図で敵位置を確認するのがヘルメスとデュオニュソスとヘスティア。もし何か敵に変な動きがあればエイナに報告してベル達に通達をして作戦成功へと導く

 

情報収集と敵の行動パターンを分析する主な役割、戦いとは常に状況報告が必要である。それだけで有利か不利なのかも戦況が変わる。だから何かあったら随時報告をして問題に対応して処理する。

 

ヘスティア達も、今は生き残りを賭けて相手の動きを見極める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジークさん、始めたんですね」

 

「ええ、相手は下級冒険者たちですが、ジークさんならレベルは上ですし、一人でも問題ないはずです」

 

「ジークっちならやれそうだな。ダンジョン18階層でも人間を殺しまくっていたからな」

 

『主は仲間や友人を守るためなら容赦はせんからな。それよりもリドよ。もう少しでアステリオスの合流地点だぞ?』

 

「ああ。もうここまで来たらあいつの力を頼るしかねえからな」

 

 

ロキ・ファミリアの眷属を倒すためにベルとリドとリューとサラマンダーをA部隊は俺の落とした合図である落雷に気づいて行動を開始している。まずはアステリオスと合流するために地下にあるクノッソスの扉を目指す。

 

相手はあのロキ・ファミリアとなると、黒いミノタロスの力が必要だと。合流地点へと走る。でもベルはこんな日が来るなんて思いもしなかった。俺と出会う前にダンジョンで戦って倒した黒いミノタウロスが輪廻転生してゼノスとして生まれ変わり、今回は協力する羽目になるとは

 

でも今は少しでも戦力が欲しいと、今俺が一人で戦っている間にやられる前に加勢しようと、今は仲間のためにも手段なんて選んでいられなかった

 

 

「ここです!」

 

「ジークさんの言う通りでしたね」

 

『リド。頼むぞ』

 

「ああ。レッド!開けてくれ!俺だ!」

 

 

『ああ。しっかりと聞いた。頼むぞアステリオス!』

 

『ああ・・・・・同胞を助けるために力を貸そう』

 

 

アステリオスとレッドと合流する予定地であるクノッソスの地下の扉へと辿り着いたベル達、レッドに渡していたディックスが持っていたとされるクノッソスの鍵を所持しており、リドはオクルスでレッドに連絡して扉を開いて貰う

 

そして扉を開けた先に

 

 

「ここまで来て貰ってすまねえな。アステリオス。レッド!」

 

「同胞を助けるためだ。仕方ないさ」

 

「ああ。自分が全力で力を貸そう」

 

「これが・・・・」

 

『ほう、オラリオにも良い覇気をしたミノタウロスが居たのだな。我らの故郷のミノタウロスに負けない強気を感じる』

 

「やっぱり・・・・あの時の黒いミノタウロス」

 

 

扉を開けた先に、斧を手に持ち、魔剣と思われる斧を背負った黒いミノタウロスが、レッドの後ろに立っていた。リューは普通のミノタウロスとは遥かに違う強さを持っていると恐怖を感じる。これが味方で助かったと思っている。サラマンダーは恐れていないが、まさかオラリオでも覇気のあるミノタウロスに出会すとは思ってもみなかった。俺の故郷ではアナザー モンスターの中には当然ミノタウロスも居る。ほとんどは牧場で働くのだが、中にオークと共に鎧を身につけて戦う戦士も居る。故郷に居るミノタウロスを見てきたがここまで覇気の強いミノタウロスは初めて見たようだ

 

ベルは・・・・・やはり以前倒した黒いミノタウロスで間違いないと思っていた

 

圧迫感もその時と同じだった。当時持っていたのは大剣だったが、斧で持っていてもあの時の闘争心をベルは持ってしまう。今ではないが、いつか再戦の時が来たら我を忘れそうで本能と警戒心を持ってしまうところだった

 

そしてアステリオスもベルを見ると

 

 

「ベル・・・やはりあの時の少年」

 

「うん・・・・やっぱりあの時の黒いミノタウロス」

 

「今ではないが・・・いつの日か再戦を」

 

「うん・・・・その時は全力で貴方を倒す」

 

 

アステリオスも今は本能を抑えているのか、今戦うべきではないとわかっているようだ。同胞を助けるが先だと優先はしっかり考えているようだ。こんな巨体で魔剣すらも所持した助っ人がいれば心強いとベル達は思っていた

 

 

「それでどうする?ベルよ」

 

「なんとかアステリオスとは合流できたぞ」

 

『ベルよ。どうするのだ?』

 

「僕たちはこのままロキ・ファミリアの冒険者を撃退しに行きます。ですが・・ジークさんが言うには・・・・あの人を先に止めた方がいいと言っていました。今もジークさんだけを狙っていると思いますから」

 

「ジークさんだけを狙う?・・・っ!?クラネルさん・・まさか!?」

 

「はい、そうですリューさん。僕も戦うの嫌ですけど・・・・・・彼女を止めなくちゃ!」

 

 

アステリオスとは無事に合流はできた。だがこれからロキ・ファミリアをどう撃退するのかと言う方針なのだが、まずはある人物が行動不能にさせたいと。A部隊の筆頭であるベルは。俺を集中的に狙うロキ・ファミリアのある人物の一人を抑えることを決めた

 

その人物はベル本人からしても戦うのを拒む相手だ、心苦しいと思うが、止めなくてはならない厄介な相手だと思っているらしく、自分たちはその者を今から探して倒しに行くと。まず地下を出て、その人物を抑えに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその内のガネーシャ・ファミリア団長と副団長のシャクティとイルタは地上のモンスターと俺の捜索に手古摺っている

 

 

「居ないな姉者。今日で四日目になるが見つからないな?」

 

「ジークは賢く考慮が鋭い男だ。この程度でも簡単に見つからないと自負していたが、ここまでとはな・・・・」

 

「もうオラリオを出たりしてな」

 

「わからん。ただでさえその仲間であるリトル・ルーキーや主神である神ヘスティアでさえも見つからない。おそらく共に行動しているに違いない。それにフィンに聞いたが昨日ジークがフィン達の前に現れたようだ」

 

「は!?なんで!?」

 

「宣戦布告だそうだ。地上に出没したモンスターをダンジョンに戻すために、今捜索している冒険者である私たちを一掃するとのことだそうだ」

 

「なんであの英雄がモンスターの味方するんだよ!?本当にあの黒竜になっちまったのか!?」

 

「それもわからん。なぜジークはモンスターをダンジョンへ戻すのか、それに一番気になるのが、なぜあいつがあの隻眼の黒竜に変身するのか、真相を知りたい」

 

 

英雄となった俺がモンスターをダンジョンへ帰すためにダイダロス通りに捜索している冒険者を殲滅すると、フィンから聞いているようで、そのためにもシャクティは部下を連れて捜索を継続している。シャクティ本人は俺がなぜ黒竜に変身したのか真相を知りたく、そもそもガネーシャ・ファミリアの捜索依頼が出た理由は俺の捜索して捕らえてギルドに引き渡すようにと依頼されて出動されている。ロキ・ファミリアと協力した上で

 

すると

 

 

ドカアアアアアアアアアン!!!

 

 

「な、なんだ!?」

 

「姉者!東の方向で街中で落雷が!?」

 

「あれは・・・まさかジークの雷か!?本当にジークが冒険者を襲っているのか!?」

 

 

突然東区の方から落雷が発生した。シャクティやイルダもその落雷は一度見たことがある。それは間違いなく、俺ジーク・フリードの落雷だと

 

一応フィンから聞いていたが、今回俺は敵と認識された者は容赦無く襲いかかってくると、俺に出会したら気を付けろと助言を貰っている。本気で俺が今度は冒険者を襲ってくるとは、もう英雄としては扱えないと考えていると

 

 

「おやおや・・・・雷帝をお探しかい?」

 

「残念ですが、ジーク様はこの南地区には居ませんよ?」

 

 

「アンティラ・ネイラ!?」

 

「サンジョウノ・春姫!?ヘルメス・ファミリアに!?戦闘娼婦!?」

 

 

春姫とアイシャ達ヘルメス・ファミリアと戦闘娼婦達がガネーシャ・ファミリアの前に突然立ち塞がる。俺はヘルメス・ファミリアに協力を求めたはずだが、アイシャが前回イヴィルスの残党にレナ達を助けたお礼としてと、セクメト・ファミリアにやられたアマゾネスを俺が

魔法で助けたお礼も含めて、アイシャがサミラ達に頼んで借りを返そうと更に加勢を増やしてきた

 

 

「悪いけど。ここから先は通行止めだよ」

 

「雷帝がある程度冒険者を片付くまでは、あたしらが相手してやるよ」

 

「俺たちヘルメス・ファミリアも雷帝と取引があるため、シャクティ。すまないが一戦やらせて貰うぞ」

 

 

「なんの真似だ、お前達!?」

 

「おいおいお前ら。雷帝の味方かよ!?アンティラ・ネイラ!?戦闘娼婦!?ヘルメス・ファミリア!?」

 

 

「今すぐこの街を離脱してください。これは警告です。私たちの団長は生き残るためにも今捜索している冒険者を叩いてでも、ファミリア継続のために力であなた方に反逆をします。こちらは手段なんて選びません。団長を守るために闘います」

 

 

「どうする姉者?あのサンジョウノ・春姫の言うことは本当みたいだぞ?」

 

「く・・・どうやらジークはこの街を戦場にしてでも捕まる気はないようだな」

 

 

シャクティはまさか俺がオラリオを戦場にしてでも刃向かうと、このまま俺が潔く捕まる気はなく、捜索している冒険者を退けてギルドを脅してこの街に居続けると。もはや誰がなんと言おうと、己の正しさで生き抜くと手段を選んでられないようだ

 

その警告にシャクティは、答える

 

 

「なら・・・・・街の治安を守るファミリアとして、力づくでジークの元へ行き拘束する!!全員戦闘体制!」

 

「マジで・・・あの雷帝がこんなことをするのかよ!」

 

 

ガネーシャ・ファミリアは街の治安を守る派閥として、俺が争いを起こすならそれを防ぐためにこちらも戦おうと部下全員も春姫達に立ち向かう。シャクティは迷うことはなかった。相手はあのベヒーモスを一人で倒した男でも、己の役目を忘れない彼女は恐れることなく依頼を実行する

 

 

「そうですか・・・アイシャさん!お願いします!」

 

「ああ。全員構えな!ガネーシャ・ファミリアは敵対すると決めたよ!」

 

 

春姫はシャクティの決断に予想をしていたのか、残念ながらもアイシャ達に戦闘体制をこちらも出す。部下達はともかく、シャクティとイルダはレベル5。もちろんレベル4以下の自分たちでは勝てないと自負している

 

だから春姫は

 

 

「ウチデノコヅチ!!!」

 

 

「なんだ!?」

 

「アンティラ・ネイラの体から!?変なオーラが!?」

 

 

もちろんこのままでは勝てないことは理解している。だからアイシャにレベルブーストを掛けて同レベルにする。アイシャは前回俺たちと戦った時はベルと同じレベル3だったが、その後でダンジョンで修行をし、なんとかヘルメス・ファミリアに入った時にはレベル4になった。つまり今のアイシャはレベル一つ一時的上がってレベル5である

 

これで戦力は対等である。むしろこっちは数が多く。レベルは下だが、シャクティとイルダはアイシャが止める

 

 

「妹の頼みで、雷帝に借りを返す時だ。あんたら!!本気出しな!!」

 

「「「「「「おお!!」」」」」

 

「ヘルメス・ファミリアも!雷帝から金を貰うために!ガネーシャ・ファミリアに立ち向かうぞ!」

 

「「「「「「おお!!」」」」」

 

 

「来るぞ!気を引き締めろ!」

 

「相手は私らより数が多い!散り散りにならずに固まって挑め!」

 

 

「全員ぶっ潰せええええええええええええええええええ!!!」

 

「「「「「「オオオオオオオ!!!」」」」」」

 

 

「行くぞおおおおおおおお!!!」

 

「「「「「オオオオオオオ!!!」」」」

 

 

ヘルメス・ファミリアと戦闘娼婦VSガネーシャ・ファミリアの激突が始まった

 

数ではこっちの方が上だが、相手はレベル5が二人も居る上にレベル4も多数いる。それでもこちらにも引けない理由があると、引くことなく第一級の派閥に立ち向かう。勝てる見込みはお互いにはないと感じている

 

数はこちらが上、強さはあちらにと。勝敗も戦果も見えない戦いが始まった

 

 

「皆さん・・・どうか勝ってください・・・・ジーク様も」

 

 

春姫にできるのはこのくらい、支援とどうか勝利を祈るだけ、どうかアイシャ達がガネーシャ・ファミリアを倒してくれることを祈って、今目の前にある光景を見ながら支援に移る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその戦火にフィン達は気付いた

 

 

「ジークが中央通りで現れ、冒険者達を攻撃しています!」

 

 

「出てきたかジーク。宣言通りだな」

 

 

エルフィの報告を受け、俺が宣言通りの時刻で攻撃したことを遠くで目撃したと報告を聞いたフィン。もちろん俺が嘘を吐くこともなく、その通りに動くと、以前イシュタルやアレスの眷属を皆殺しにした俺が、本気でこの街をも戦場にすると。生き残りを賭け、喋るモンスターをダンジョンへ戻すために、もはや英雄としての名誉を捨て、己が信じた道を貫くと、敵になった者を容赦せずに攻撃すると。一切の迷いを無くして動いているのだと。フィンは俺の本気を疑わなかった

 

それに

 

 

「敵襲もほとんど居ます!ヘルメス・ファミリアに戦闘娼婦も!」

 

「っ!?ヘルメス・ファミリアや戦闘娼婦までも、ジークの味方をしているのか!?」

 

「大変です!ジークに数十名の冒険者を多数撃退されました!このまま南へと向かいながら出会った冒険者を蹴散らしている模様!」

 

「流石だな。ジークは戦争経験者と聞いた。僕らのファミリアを辞めた後で人殺しは慣れているようだな」

 

 

俺がもうほとんどの冒険者を撃退したことをエルフィに聞いた。下級冒険者が俺に勝てるとは当然フィンは思っていない。このままだと俺にいろんな冒険者達がやられると、すぐに指示を出す

 

 

「エルフィ!他の冒険者にジークに挑むなと伝えろ!君たちじゃあジークに殺されるだけだと!」

 

「はい!」

 

「シャロン!今すぐナルヴィ達にジークを止めるようにガネーシャ・ファミリアを呼ぶように要請を!」

 

「それが!そのガネーシャ・ファミリアにヘルメス・ファミリアと戦闘娼婦に足止めされています!」

 

「く!ジークはヘルメス・ファミリアと戦闘娼婦に増援阻止を頼んだのか!」

 

「それとナルヴィ達も!足止めされています!」

 

「なに!?」

 

 

エルフィに下級冒険者達に俺には挑まないようにと通達させるように向かわせ、俺にはガネーシャ・ファミリアとティオナとティオネを呼びせるつもりだったが、ガネーシャ・ファミリアはヘルメス・ファミリアとバーベラに足止めされているのか、俺に向かわせるのは不可能。更に通達を頼むナルヴィ達にも足止めを喰らっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?なんであんた達が!?」

 

 

ナルヴィ達は護衛をしつつ俺を見つけたら捕縛するようにフィン達に指示されていた。そして東の方から落雷が発生したのが見えた。ナルヴィ達もベヒーモスの戦いの時に見ている。あれが俺が起こしているものだと。すぐに東に向かって走るのだが

 

目の前に

 

 

「ジークの言う通りだったにゃ」

 

「ここにロキ・ファミリアが来ることは予想済みにゃ」

 

「まさか、簡単にあんたらを見つけられるなんて思ってもいなかったけど」

 

 

「まさか!?ヴァナ・アルフィ!?」

 

「それに黒猫に!?黒拳!?」

 

「なんで豊饒の女主人の店員がここに居るんだよ!?」

 

 

「うわあ〜〜〜久しぶりに言われたにゃ。その二つ名」

 

「もう仕方ないにゃ」

 

「そういうこと。あんた達には悪いけど・・・・潰れて貰うわよ!!!」

 

 

俺がフィンの陣形は全てお見通し。全クノッソスの扉に守備に付いている。そんなことは俺には予想済み。ナルヴィ達がおそらく西通りに居るはずだと認識はしていた。だから第一冒険者が居ない部隊が居るはずだと。そこに俺はアーニャ達を止めるように指示しておいた

 

ルノア達は俺の予想に的中して、指示通りルノア達はナルヴィ達を襲う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジークにはお見通しか、でもジークはあの喋るモンスターをダンジョンに返さなくてはならない仕事もある。ジークが一人で暴れているのは囮としての役目か、だがジークを野放しにすれば被害も大きくなる」

 

 

俺が自分の考えなどお見通しだと。フィンは陣形の守備は全て抑えられると思っている。ただでさえ元団員。元仲間だった俺に、陣形の動作は全て見切っている。だからこそ目的を二つある俺たちの守備を全て仲間や友人に頼んで突破し、ギルドにて脅しを入れてルールを付けて今回の依頼を中止させようと、俺の魂胆をフィンはわかっていた

 

ガネーシャ・ファミリアやナルヴィに足止めを喰らっている。すると次に起こるのは

 

 

「大変です!!西方面にてモンスターが!」

 

「次は・・・・・撹乱か」

 

 

次は撹乱をしてくるはずだと。フィンも俺のしてくることは予想済みのようだ。そして西の方面でモンスターが出没したと報告を受ける。でもどうせそれもジークが支持した魔法かマジックアイテムだと思っている。もしくはあの喋るモンスター達か。と考えているが

 

 

「アキ、ベートはどうした?」

 

「えっと・・・・護衛を無視して東へと走っています」

 

「だろうね。やっぱり指示しなくて正解だ。モンスターは無視だ!他の冒険者の好きにさせろ!僕たちの目的はジークだ!ベートに続いて他の団員にもジークの所へ向かうように通告を!足止めをしてくる者は退けてでも突破しろと!」

 

「はい!」

 

 

フィンは予定通り喋れるモンスターは無視だ。目的は俺を捕らえること。だから俺を集中的に狙うと、当初の目的通りに動く。ベートは任せれていた指示を無視して、俺が現れたとなれば迷うことなく己の役割を忘れ、本能のままに俺の方へと走る。早く俺を倒したいと血眼になってでも俺に挑みたいのだと。アキの眼には見えた。でもフィンはその動きに間違いはなく、俺を少しでも追い込もうと、シャロン達に通告させる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてモンスターを撹乱していると通告していたが、それはモンスターではない。

 

 

「上手くいきましたね。アーデ」

 

「ええ、アスフィ様も良いマジックアイテムを所持しているようで、なんとか撹乱した後に気絶してくれて助かりました」

 

 

撹乱していたのはリリルカとアスフィだ。モンスターに変身したリリルカと、眠り粉を吹かせたアスフィ。俺の指示通り道に居る冒険者達を撹乱しているのだ

 

もちろんそれだけでなく

 

 

「リリルカさん!アスフィさん!」

 

『こちらもある程度、冒険者を眠らせてきました』

 

「これで作戦通りです」

 

「チュール。こちらも撹乱作戦は順調です。次の場所を教えてください」

 

『はい!わかりました!』

 

 

アスフィはオクルスでエイナに次に撹乱する場所の報告を待つ。グリフォンとレイが竜巻で吹っ飛ばしたり、歌声で眠らせたりと、通り道で捜索する冒険者達を無力化している。錯乱班は上手く仕事を果たしている。

 

次の場所を錯乱する場所を聞く

 

すると

 

 

『アンドロメダ氏、次は中央に向かってください。もちろんその辺りには・・・』

 

「ロキ・ファミリアが拠点にしている場所ですか・・・」

 

「でも・・・・やるしかありません」

 

「ええ、突破するのみですね」

 

『大丈夫です。その時は私が本気を出します』

 

「ここまで来たんですから、やりましょう」

 

「わかりましたアーデ。チュール。こちら中央に向かいます。随時何かあったら報告をします」

 

 

『わかりました。ご武運を』

 

 

「では・・・・行きましょう!」

 

 

もうある程度は冒険者の撹乱は成功している。あとはロキ・ファミリアだけ、相手は第一級派閥だ。撹乱が上手くいくとは思えない。だがやるしかないと、リリルカはとっくに覚悟を決めている。だから恐れない。

 

それに俺の注意を受けているから、撹乱が効かない相手はもう誰なのかわかっている。でもやるしかない。やらなければ俺は助からないと。仲間のために必死だ。戦力にならないリリルカ自身の最もできる戦いだと

 

もう二度も死を起こした俺への、一番の後悔でもある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

「お前ら、もうそろそろ」

 

「出発しましょう」

 

 

「グロス〜〜〜!もう行っちゃうのかよ!」

 

「ラウラも行くの?」

 

「皆さんも、ウィーネも、また会えますよね?」

 

 

「すまぬライ。私達はモンスターなんだ」

 

「見ればわかるでしょう?本来なら私たちはここに居てはダメなの」

 

「うん、ごめんね。でも・・・・・また会えるはずだから」

 

「いつの日か彼らと共にここで暮らせればいいと思うが、ここに住む人間達が許さないからな」

 

 

「みんな。そんなことを言ってはダメよ。彼らには彼らの事情があるのだから、でも・・・・・分かり合えたらいいよね?」

 

「「「「「うん・・・・」」」」」

 

 

「すまないなマリア。世話になった」

 

「いつの日かまた会えることを祈るわ」

 

 

そしてヴェルフ達と合流できたのだが、ライ達があまりにゼノス達が気に入ってしまったのか、ウィーネ達ゼノスと別れるのが惜しいのか、別れが告げられない。ヴェルフと命とフェルズは思う。まさか本当に俺たち以外の人間にモンスターであるゼノス達と分かり合えるのだと。こんな奇跡のような光景が見れるのだと思いもしなかった

 

子供達からすればモンスターは敵でしかないと言うのに、彼らゼノスとは分かり合えるなんて、いつ子供達は区別をするのを覚えたのかフェルズは思う。でもそれは無理だと、現実をマリアが教える。いくら心が人でも人種がモンスターである以上は、人は偏見で態度を表してしまう。だから無理なのだ

 

だからいつの日か、共に過ごせる環境が時期来ればいいと願うばかりだ

 

 

『そろそろ急ぎましょう。皆さん』

 

 

「ええ、今行くわ。それじゃあねみんな?」

 

「それでは・・・・・皆!行くぞ!!!」

 

「うん!頑張って走ろう!」

 

 

子供達に別れを告げて、グロス達の残りのゼノスは教会を出る。そこへノームとヴェルフと命とフェルズが護衛として向かう。グロスも護衛として地上に戻る。あくまでラウラ達ゼノスをダンジョンへ戻すのが目的のヴェルフ達の班

 

もちろん外では俺だけでなく、地上に出没したモンスターも排除する指示もギルドから入っている。だから外を走っている際は気を付けるようにしなくてはならない

 

ウィーネは恐れることなく走るかし生き残れないと。もう迷いもなく、一度俺に守って貰ったのか、もう勇気を出して出るしかないと。いつの日かまたライ達と会える日を願って教会を出るのだった

 

 

 

 

 

 

そしてジークは

 

 

「ぐはあ!!」

「ごは!?」

「のは!?」

 

「くそ!?増援はまだか!?このままだと全滅だ!?」

 

 

「どうした?この程度か?」

 

 

俺は作戦通り、道端に警護する冒険者を殲滅している

 

ほとんどの冒険者のレベル2であるため、武器を使わなくても素手で倒せる。なんとかヘスティアの約束を守れそうだ。

 

だが

 

やはり囮になる分だけ、道端に居た冒険者の数が多く、このままだと倒しきれないまま次の作戦に移行できない。こいつらの数を甘く見ていたわけではないが、流石に一気に倒さないと、時間がかかると次の手段を考える

 

 

「仕方ない。グラムを使うか」

 

 

本当なら必要のない殺しはしないのだが、多少の重傷を負わされるくらいなら、ヘスティアを許してくれるだろうと。彼女には申し訳ないが、これ以上の時間を掛けないためにもグラムを使用する

 

しかし

 

 

 

「おりやああああああああああああああああ!!!」

 

「はああああああああああああああああああ!!!」

 

 

「「「「「ぐわあああああああ!?」」」」」」

 

 

「っ!ドルムル?ルヴィス?」

 

 

 

突然横から、マグニとモージが俺が片付けようとした冒険者を代わりに倒してくれた。

 

なぜこの二人が助けてくれるのかわからないが、あのエイナに恋をしていたドワーフとエルフが俺を助けてくれた。二人のハンマーと弓の一撃により、目の前に居た敵は一斉に吹き飛ばされて気絶した

 

その隙に、俺は二人がなぜ自分を助けたのかを聞く

 

 

「ドルムル、ルヴィス、どうしてお前達が?」

 

 

「エイナちゃんに頼まれたんだ!あと主神からもだ!」

 

「私もだ!ジーク・フリード!フ、フレイ様の義弟様である貴方様に文句を言う資格はない上に・・・・・・エイナさんまで取られた貴方様には悔しい気持ちでいっぱいだが、エイナさんに頼まれたことであるなら、私はエイナさんの指示に従い貴方を守るまで!あと主神からも!」

 

 

「エイナとマグニとモージが・・・・」

 

『ジーク!ドルムルさんとルヴィスさんが助けに来てくれた?』

 

「ああ、確かに来たぞ。いつの間に頼んだんだ?」

 

『ウラノス様と相談した後に、念の為に頼んだの!お願いします二人とも!ジークを守ってください!』

 

 

「任せろエイナちゃん!ここはオイラに任せて行くんだ雷帝!まだやることはあるんだろ?」

 

「お任せください!ここは私がやります!さあ!あなた様は行ってください!」

 

 

「すまない。感謝する」

 

 

エイナが念の為に、俺を助けるためにドルムルとルヴィスに冒険者の足止めを頼んでいたようだ。

 

本来なら、俺を助けたりなどしないだろう、なぜならこの二人はエイナに好意を抱き、その本人は俺に好意を抱く、つまりは俺はこの二人において、恋敵と言うわけだ

 

でも、エイナが助けてくれと言われたがため、彼女の願いを叶えるために、冒険者に逆らう。それだけでなく、二人の主神であり、俺の義兄であるマグニとモージが、怪物になったにも関わらず俺を信じ助けてくれるようだ

 

とにかく、二人に感謝をして、俺は次の作戦に移行する

 

二人が時間を掛けてくれるおかげで、なんとか作戦は予定通りに移行できた

 

あとは、俺たち次第だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、フェルズはウィーネ達を連れて西通りの道を通っている。ヴェルフと命とノームに護衛されながら、ダイダロス通りの道を歩く。当然街中を歩いているのだから冒険者に見つかるのは見えている。しかし西通りの道には冒険者が居なかった

 

 

「リリスケもペルセウスも上手くやってくれたようだな!」

 

「おまけにジーク殿が暴れていることで他の冒険者も南へ向かっているようですね」

 

 

撹乱班であるリリルカの部隊と俺が暴れたおかげで西通りを捜索していた冒険者が居ない。どうやら上手くゼノス達を移動できる道は上手くできた。

 

 

「それでアステリオスが出てきた地下のクノッソスを行けばいいのだな?フェルズ?」

 

「ああ。そのために西通りであるここを突破するしかないのだが」

 

 

地上に四つのクノッソスの扉があるのだが、あえてそちらには行かない。ベルからの連絡があったのだが五つ目のクノッソスの扉にロキ・ファミリアの警備は無い、つまりはアステリオスと合流場所である地下にあるクノッソスの扉を目指す。

 

だが

 

 

「来るぞ!」

 

「く!」

 

「来たか!」

 

「ジーク殿の言う通りでしたね」

 

 

当然無人と言うわけではない。だからそのための護衛だ。グロスは建物の中から詠唱をしてきた魔道士の火炎を翼で防ぐ。それだけでなく前方からも

 

 

「居たぞ!」

 

「モンスターだ!」

 

 

橋の上から弓兵が居る。数は三人、すぐにその直後に対応してヴェルフと命が応戦する

 

 

「「は!!」」

 

 

「「「ぐわああああああああ!!!」」」

 

 

魔剣で凍らせて動きを封じた。体を多少凍らせた。ヴェルフの魔剣は未だに完成はしてないが、それでも威力は発揮する。今はまだ軽い威力の魔剣で相手を無力化させて氷属性の魔剣で凍らせる

 

 

「今だ!走れ!」

 

 

このまま集団を維持してこの道を突破する。しばらく少しづつ敵が出ていながらヴェルフと命が魔剣で対応する。相手はそこまで強くなく、レベル1や2の下級冒険者のみ、これでなら応戦しやすかった

 

今度は少し広い広場にて

 

 

「見つけたぞ!ヘスティア・ファミリアとモンスターたちだ!」

 

 

「ヴェルフ殿!」

 

「ロキ・ファミリアか!?やっぱり出てきやがったか!」

 

 

まだ西地区にロキ・ファミリアの眷属が居たようで、ヴェルフ達とモンスターが行動をしているのをオルバと言う獣人に目撃され、仲間と共に迎撃にあたる

 

だが

 

 

「絶氷!!」

 

「風武!!」

 

 

「「「「「ぐわああああああああああ!!!!!」」」」」

 

 

「やるなヴェルフ。命」

 

「流石はクロッゾの魔剣」

 

 

もちろんここでもヴェルフと命が応戦する。レベル3のオルバでも、仲間もろともクロッゾの魔剣に吹き飛ばされ建物の壁に激突して気絶する

 

ロキ・ファミリアがまだここに居るとなれば、他の仲間もまだ居るはずだと。引き続き警戒しながら進む

 

だが

 

 

『っ!上から何か来ます!!』

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

突然ノームが何かの気配に気づいたのか、上から誰かが来ると察知して。ノームの発声に全員上へと顔を上げる。

 

その上に

 

 

「うおおおおおおおオオオオオオオ!!!」

 

 

ロキ・ファミリアの一番盾である。ガレス・ランドロックが大斧を振りかぞそうと地面に向かって飛んできた

 

 

「ガレス・ランドロック!?」

 

「エルガルムです!」

 

『く!皆さん伏せてください!』

 

「ノーム!?」

 

 

『はああああああああああああああ!!!』

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

振りかざしてくるガレスの一撃に、地上の地面に着く前にノームが持っているガレスとは少し普通の柄の無いどこにでも売ってそうな大斧で振り上げようと反撃し、ガレスの大斧とノームの大斧の刃がぶつかり合う

 

ガレスの一撃とノームの反撃の一撃が突風と衝撃を巻き起こす

 

 

「「「「うわああああああああああ!!!」」」」

 

「フェルズ!?」

 

「ウィーネ殿!?」

 

「ラウラ!?」

 

 

その衝撃にノームの言われた通りにヴェルフと命とグロスは地面に剣を刺して衝撃を耐えたが、流石のラウラ達は地面に手を着けても耐えきれず吹き飛ばされてしまう。ノームもあまりにレベル6のドワーフの一撃の剛力差があるのか、頭に被っていた帽子が吹き飛ぶ

 

だが

 

 

『ふ!はああ!!!』

 

 

「うお!?・・・・ほお・・・まさかモンスターを連れたジークの仲間と・・・・土の大精霊ノームと出会すとはな」

 

 

ノームだって土の大精霊、ガレスよりも負けない細い腕に似合わない剛力な怪力、ガレスの衝撃を吸収して押し込んで下がらせる

 

まさかここでロキ・ファミリアの幹部が出てくるとは思わなかっただろう。

 

だが

 

 

「やっぱり出てきやがったな!エルガルム!」  

 

「『西の扉の護衛』をしていたはずですが、騒ぎを聞けば、こちらに来てもおかしくない。ここまでは予定通りですね」

 

 

「む!?お主達!?なぜワシが西の護衛をしていると知っている?」

 

 

ヴェルフは俺から『ガレスは西の扉の護衛をしている』と通達は受けている。だからなぜ西の扉から離れたこの広場に現れるのか、ヴェルフ達には理解できている。それと同時になぜヴェルフ達が自分が西のクノッソスの扉を護衛していることを知っているのか気になるガレス

 

だがそんな考える暇などない。今は目の前の敵にお互い集中あるのみだ。だがここでガレスと出会ってしまったのなら戦う他ない。だからヴェルフは

 

 

「ここは予定通り俺たちで抑える!フェルズ。お前達は行け!」

 

「行くのだラウラ!私は予定通りヴェルフ達と共にここに残って戦う!」

 

「わかった!行くぞみんな!」

 

「グロスも!生き残ってよ!」

 

「そちらもな!」

 

 

「ガ・・・ガレスさん・・・」

 

「オルバ。お前さんは動けるようだな?仲間を連れてフィンの元へ中央に行け。それとジーク達にワシらの守備位置がなぜか悟られていると報告するんじゃ」

 

「は、はい!」

 

 

ヴェルフ達がガレスを抑えると、フェルズとラウラ達を先に扉の方へと行かせる。フェルズは鍵を持っている。最悪先に扉を開けてダンジョンに帰っても構わないとグロスはここでヴェルフ達と共に戦って生き残れたらダンジョンに帰るつもりだった

 

ガレスの方は、先ほどヴェルフ達に吹き飛ばされたオルバ達だが、オルバだけは気絶することなく、少し傷を負っているが、このまま戦闘を継続せずに引いて、仲間達を連れてフィンの元へ行って休めと指示した

 

そして今この場に残った

 

ヴェルフと命とグロスとノーム VS ガレス

 

の戦いが始まる

 

 

『会ったのが一度ですね。ガレス・ランドロックさん。まさかまたも主に危害を加えようとは流石はロキ・ファミリア・・・・・・・本当に不愉快な人たちです』

 

 

「こちらにも譲れない理由があってな・・・・まあお主達ジークの精霊はワシらを恨むようなことばかりであろう」

 

 

『おや、自覚があるようで何よりです。私だけでなくウンディーネ達も主を疑った二年前を。主が許しても私たちは許してませんから、今回も含めて』

 

 

「その話をされるとワシも心が苦しくなる。まあワシらが悪いから仕方ないのじゃが」

 

 

『正直今回の事件であなた方と戦えることを主に感謝しています。なにせ・・・・・・あの憎きロキ・ファミリアを潰せるのですからね』

 

「ノーム。お前・・・」

 

「ジーク殿に仕えるノーム殿からすれば許し難いことですからね」

 

「主君に仕える僕の忠実なる意志か」

 

 

ノームは今回の件について完全にロキ・ファミリアと敵対することにノームは喜んでいた。多分サラマンダー達もそうだろうと思うが、俺の精霊達であるノーム達は未だにロキ・ファミリアのことを恨んでいるようで、リヴェリアとアイズはどう思っているのか知らないが、相容れぬ敵として認識している可能性は高い

 

ノームは今もロキ・ファミリアに対して怒りを抑えきれない

 

 

『殺しはしませんが、主に危害を加えるのであれば、私土の大精霊ノームとヴェルフさん達があなたを戦闘不能にさせます。お覚悟は・・・よろしいですね?』

 

 

「相手は土の大精霊と喋るガーゴイルにクロッゾの魔剣を持った二人か・・・・・相手にとって、不足無しじゃ!!!」

 

 

『では・・・・・行きますよ!!』

 

「行くぞおお!!」

 

「参ります!!」

 

「行くぞ人間!」

 

 

『「「「うおおおおおおおおお!!!!」」」』

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

西広場にて、ヴェルフの部隊とロキ・ファミリアの幹部ガレス・ランドロックが激突する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方フィンは

 

 

「予想以上にジークに抑えられてしまったか」

 

 

一度陣形とこの状況にて立て直しをする必要があると。今俺がまだ誰も相手していないと、未だに俺はどこの所属もわからない冒険者達をあしらっている。どうして誰も自分の仲間や部下達が俺と出会していないと。一度陣形と状況を確認している

 

すると

 

 

「あれ?団長?」

 

「ラウル!?」

 

「え!?ラウル!?どうしてここに居るのよ!?西の塔はどうしたの!?」

 

「え!?でもアキ!団長がさっき自分たちの所へ来て、ここ中央通りに行けと・・・」

 

「そんなことを団長は命じてないわ!」

 

「え!?そんな・・・でも確かに団長が自分たちの所に来て!?」

 

「ジークの仕業だな・・・・・僕に変身できる魔法かマジックアイテムでラウル達をヘスティア・ファミリアの誰かが騙したんだな。ジークは撹乱できる仲間を率いれているんだな」

 

 

突然ガレスと同じ西の塔で守りをしていたラウル達が突然中央塔に拠点にしている所へやってきた。ラウルが言うにはフィンに指示されたからと西の守りはガレスに任せてラウルだけで中央に行けと指示されてここへ来たらしい。だが生憎フィンはここにずっと残ったまま。中央を一歩も出ていない

 

もちろんフィンはその原因はわかっている。俺の仲間で姿を別の者に変身する魔法かマジックアイテムを所持してラウル達を騙したのだと、すぐにわかった

 

更に

 

 

「だ・・・団長」

 

「オルバ!?」

 

「オルバ!?どうしてここにいるっすか!?その傷とその仲間はどうしたんすか!?西の扉でガレスさんと護衛しているはずじゃあ」

 

「ジークの仲間と喋るモンスターと土の大精霊にやられました。今ガレスさんが『西広場』にて交戦中です!」

 

「「は!?」」

 

「ガレスが警護している近くの場所で、ジークの仲間がモンスターを連れて移動していたか・・・・・・っ!?」

 

 

オルバ達が突然ここへ来て、西の扉の近くにて土の大精霊率いる俺の仲間が移動しているのを見かけたようで、西の扉の守りを放棄して西広場にて交戦しているようだ

 

目的としてモンスターは無視だからいいのだが、ガレス一人で相手にするのは苦しいだろうとラウルに向かわせるが

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

 

「あれは!?なんの爆発ですか!?」

 

「西広場の方よ!」

 

「ガレスが戦っているんだな。ラウル!君たちはそのままガレスの加勢に迎え!」

 

「はいっす!」

 

「団長!ジークがどんどん冒険者達を薙ぎ倒しています!」

 

「シャロン達はどうしたのよ!?もうティオネやティオナに通達が届いているはずよ!」

 

「おそらく、シャロン達もジークの仲間に足止めされているか撹乱されているかだな」

 

 

もうほとんど足止めを喰らっている。まだ俺の所に辿り着いている者はフィンの仲間は一度もいない。完全に俺のところに未だに辿り着けていない。しかももう先に出たはずのベートも、まだ俺がどこに居るのかわかっていないのか、未だに誰もロキ・ファミリアの眷属は俺のところまで辿り着いていない

 

だから

 

 

「フィン、もういいよね?」

 

「ああ。君はここで念のために待機して貰っていたけど、やっぱりジークに封じられるようだからね。だから・・・・・行っていいよ」

 

「うん、ジーク・・・・・今度こそ全部を教えて」

 

 

拠点で待機していたアイズがをフィンは出動させる。

 

本当ならピンチの時に出動をさせるつもりだったが、どこの仲間も足止めを喰らってを喰らって俺に敵が来ないことを聞いて、もはやアイズを出す他ないとフィンは諦めてアイズを出動させる指示をする

 

アイズは早く俺に真相を知りたいと、出動要請を待って拠点で待機していた。両親を殺した黒竜に変身する俺の理由が知りたいと、ずっと出動指示を待っていたのか、指示が降りた途端すぐに急いで俺の方へと屋根の上を走る。余程俺の真相を知りたかったようだ

 

更にオルバからとてつもない報告をフィンは受ける

 

 

「それと団長、ガレスさんから報告が」

 

「なんだいオルバ?」

 

「ヘスティア・ファミリアのクロッゾと絶影が言っていたのですが、俺たちがガレスさんと一緒に西の扉を警護をしていることをまるで守備位置を知っていたかのような口調をしてました」

 

「なに?なぜ彼らが僕らの陣形守備を知っているんだ?何かクロッゾからそれらしいことを言ってなかったか?」

 

「いいえ、ただガレスさんと我々が西の扉の警護をしていることを知っていたのは間違いありません」

 

「どういうことだ・・・・」

 

 

こちらの守備位置が完全に把握されていることをオルバから聞く

 

どこから索敵班でも居るのか。ロキ・ファミリアの陣形位置が全部知られていると報告を受ける。誰かがから陣形を聞いたのか、どうやら俺たちヘスティア・ファミリアは陣形位置を知られていると、その動きを踏まえた作戦をしてくるとフィンは頭に入れる

 

だとするなら今向かったアイズは、もしかしたらとフィンはこの先を予想する

 

 




話が長いですので、この続きを、月の下旬にまた更新します
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