ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

8 / 201
黒き巨人を滅ぼす雷

辺りはもう完全に暗くなっている中。俺たちは森の中をゴライアスに向かって走っていた。モンスターは予想以上に多く。まるでモンスターパーティー状態だった。その中でゴライアスも暴れ。モルド達を襲っている

 

それを見かけて。すぐに対応する

 

 

「ベート!アイズ!先行しろ!!」

 

「うん!」

 

「ジークの癖に俺に命令しやがって!」

 

 

速度の速い二人を先に先行させてゴライアスの動きを封じる。その間に周囲に居るモンスターを倒しながら救出を急ぐ。

 

 

「レフィーヤ!千草!リリルカ!今の内に連れ出せ!」

 

「「「はい!!!」」」

 

「ヴェルフ!桜花!命!ベル!周囲のモンスターを鎮圧!」

 

「「「おう!」」」

「はい!」

 

「ティオネ!ティオナ!ゴライアスの足を!」

 

「うん!!」

「ええ!!」

 

「リュー。行くぞ!」

 

「はい!」

 

 

全員それぞれの役割を言われ行動する。俺は周囲の冒険者を気にしながらゴライアスの相手をリューと一緒に相手をする。

 

 

「はああ!!」

「ふ!!」

 

 

ゴライアスの頭を剣で斬る。大分怯んだ。だが

 

 

「ん!」

 

 

ゴライアスの傷口から瞬時に回復した。それも俺とリューの一撃だけでなく、ベートやアイズ。ティオネやティオナの攻撃支えも硬く。傷口を深く入れることができず、その傷でさえも回復した

 

どうやら自己再生を持っているようだ

 

アイズのデスペラードと言う『オリハルコン』でできた剣でさえも、ベートのブーツのミスリル製でさえも、ティオネとティオナの武器であるアダマンタイト製でさえも深く斬ることができない。あいつらレベル5だと言うのに、第一冒険者の傷にも入らないと言うことを理解した

 

 

「嘘でしょ!?」

 

「私たちの攻撃も通らないなんて!?」

 

『グウ!ガア!』

 

「ん!避けろ!ティオネ!ティオナ!」

 

「「っ!?ぬ!」」

 

『ガア!!』

 

 

ゴライアスは反撃のためにティオネとティオナに向けてなにやら口から砲撃なようなものを放とうとしていた。いち早く二人に注意し、二人は避けて砲撃を避けると。砲撃に打たれた地面が割れていた

 

 

「空気弾か!しかもあんな距離まで・・・・・・奴の砲撃に注意しろ!空気弾とは言え重いぞ!」

 

「あれがゴライアス!?全然桁が違いすぎるわよ!?」

 

「くそ!ゴライアスの癖に!」

 

 

「だが。怯むだけのことはあるな。このまま奴に攻撃を続けろ!奴に一切の反撃を許すな!でなければあの砲撃を喰らうぞ!」

 

 

「テメエが俺に指図すんなジーク!!」

 

 

普通のゴライアスとは違うとは思っていたが、まさか自己再生を持つのと強度の高い硬さを持っているとは、しかも口からの空気弾の放射

 

これではせいぜいレベル6も良いところだ。デカイ威力のある攻撃じゃなきゃ無理だと判断した。だとしたらあいつらの避難が完了した後で、魔法攻撃をするしか無い

 

 

「ジーク様!避難完了しました!とは言ってもそのまま周囲に居るモンスターを鎮圧してくれているようですが」

 

「あいつらもやる気になったんだろ。あいつらでも腐っても冒険者だ。自分のやるべき事は忘れないだろう」

 

「ジーク!」

 

「アスフィ」

 

「ボールスの援軍を得ました。街の魔導師が詠唱を唱えています。ゴライアスの注意を引きつけましょう!」

 

「そのつもりだ。俺たちで囮になるぞ!レフィーヤ!」

 

「は、はい!」

 

「お前も詠唱に入れ!リヴェリアの教えなら第一階位攻撃魔法を覚えているだろ!ゴライアスから距離を取って詠唱しろ!」

 

「はい!」

 

「リリルカ!千草!盾を持ってレフィーヤを守れ!!」

 

「「はい!!」」

 

「命!桜花!ヴェルフ!お前達も周囲のモンスターは他の冒険者に任せろ!お前達もゴライアスの注意を引け!」

 

「「おう!!」」

「はい!」

 

「ベル!」

 

「はい!」

 

「ベル。一昨日出した。お前のスキルである『英雄願望』を使えるか?」

 

「あれですか?」

 

「お前のあの威力はどんなモンスターにも強いダメージを与えられる!今からチャージしてくれ!」

 

「はい!」

 

「アスフィもゴライアスの注意に引くのを手伝え!リュー!魔導師から注意を剃らせ!」

 

「はい!攻撃を続けます!」

 

「俺も始める!」

 

 

アスフィの伝言のおかげでボールスの協力を得て。街の冒険者総出で出動してくれた。周囲のモンスターはあいつらに任せるが、街の魔導師達が詠唱を開始しているならこちらも戦いながら詠唱を始める

 

ゴライアスは今、アイズとベートに集中している。その隙に何としても詠唱を何人か開始している。あれ程の強度の硬さと再生所を考えると

 

魔石を壊して倒す以外ない。そこまで削るには魔法で鎮圧するしかない

 

 

それまでの詠唱に時間をかけて、数分経つと

 

 

「おーいジーク!こっちは詠唱を完了したぞ!」

 

 

と、ボールスから詠唱完了を合図が鳴る

 

 

「ジークさん行けます!」

 

「こっちもです!」

 

「よし!全員離脱!魔法の連射が出るぞ!引け!!」

 

 

俺の掛け声でアイズやベート。それ以外の仲間達を一斉に引かせる。そして時間を稼ぎ魔導師達の詠唱を完了させ、一斉掃射が放たれる

 

俺も広範囲では無いルーン魔術をルーン文字を描いて放つ

 

 

「全員放て!!!」

 

「一斉掃射だ!!」

 

「ヒュゼレイド・ファラーリカ!!」

 

 

 

俺やボールズ合図により魔導師の冒険者達が一斉に魔法を放った。レフィーヤの魔弾とリヴィラの街の魔導師の魔法の攻撃がゴライアスを鎮圧する

 

 

『グオオオオオ!!』

 

 

ゴライアスの体はどんどん魔法の攻撃により体が溶けていき。魔石を見える所はまではまだ削れてはいないが。それでも反撃のできない状態になっていた。

 

もちろんこれだけでは終わらない

 

 

まだそれ以上に威力を出す俺の仲間が居た

 

 

「今だベル!」

 

「ファイア・ボルト!!」

 

『ガアアアアアア!!』

 

 

炎とは言い難い白い光がゴライアスの胸を突き刺さる。大穴が開いた。やはりベルのスキル溜めの威力は強い。まだそれでも魔石は見えないが十分削れている。魔石は腹の近くで間違いないが。これなら後は剣で突き刺せば削れる

 

 

と思っていたのだが

 

 

「ん!なに!」

 

 

だが、奴は自己再生を最速で治した。体の半分がほぼ溶けていたにも関わらず。たったの数秒で瞬時に何もなかったかのように回復した

 

予想以上に奴の回復する速度が速かった

 

 

『ガアアア!!ガアアアアアアアア!!』

 

「は!まずい!総員退避!もしくは防御しろ!」

 

 

ゴライアスは両手を合わせて拳を地面へ殴りつける。その衝撃が一斉に周囲に広がる

 

 

「く!スヴェルヘイム!!」

 

 

俺はあらかじめスヴェルヘイムのルーン文字を描いておき。防御力の無いレフィーヤや千草やリリルカのために自分を差し置いて彼女達を守ろうと防御フィールドを張った

 

その代わりに俺たちはゴライアスの衝撃波を受ける

 

 

「「「「「ぐはああああああああ!!」」」」」

 

「く!がは!」

 

 

俺も衝撃波をまともに喰らい。アイズもエアリアルで防御をするが、まさかの耐えきれずに吹っ飛ぶ。アイズと言う第一冒険者の防御ですらも奴の地面に叩きこんだ衝撃波デカかった。スヴェルヘイムで守っていたレフィーヤ達に放った俺の防御結界すらも簡単に壊されてしまった

 

奴の攻撃により地面は大きく砕け。地形が予想以上に変わってしまった。冒険者達は全員吹っ飛び。ほぼ重傷をしている。ロキ・ファミリアでもあるベートやティオネまでもが、立ち上がれない傷を負い。太刀打ちできない状態になってしまった

 

 

「く・・・・くそ!」

 

「ゴライアスに・・・・ここまで追い詰められるなんて」

 

「普通と全然・・・・違う」

 

「このままじゃあ・・・」

 

「み・・・・皆さん」

 

 

後方に控えていたレフィーヤ達もその衝撃波を喰らい。ロキ・ファミリアとは思えない彼女達の追い込まれる状況を俺は目にした

 

 

「そんな・・・・ここまでだなんて・・・」

 

「再生が早すぎて・・・・どうにもできない」

 

「くそ!どうすりゃあいいんだ!!」

 

 

アスフィもリューもボールスもその部下達も完全に手段が無くなり、完全に立ち上がれない傷を負い。魔法までも全力で出したのにどうしようもならないと完全に地面に這いつくばっている

 

 

「く・・・・このままじゃあ!」

 

「どうすれば・・・」

 

「このままじゃあ・・・みんな死んじゃう」

 

 

桜花達タケミカヅチ・ファミリアも完全に気力を無くした。

 

 

「く・・・・くそ!ふざけろ!こんなところで!」

 

「くう・・・・ベル様!・・・ヴェルフ様!」

 

 

「うう・・・・立ち上がらなきゃ・・・じゃないとみんなが・・・・アイズさんが!」

 

「ベル・・・・」

 

 

ヴェルフやリリルカも倒れ。ベルは必至ながら無理に立ち上がろうと、必死に足を手につけてでも起き上がろうとする。その隣でアイズが見て、自分も負けられないと無理に立ち上がろうとする

 

 

だが

 

 

ゴライアスはその二人に向けて。口から空気弾を打とうとする

 

 

「おい!やべえぞ!」

 

「逃げてください!アイズさん!ベル・クラネル!」

 

「ベル!」

 

「ベル様!」

 

 

「「く!」」

 

 

リリルカ達はベルとアイズに声をかけて避けることを叫ぶが、それでも二人の体力が限界なのか、二人は動けない。もちろんそれを助ける者でさえも傷がデカくて立ち上がれない

 

二人に向けてゴライアスは砲撃を放った

 

 

ドガアアアアアアアアン!!!

 

デカイ衝撃波と空気が大きくその場で広がるが

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

「え?」

 

 

二人は無傷のまま立っていた。なぜなら・・・・・

 

 

「がは!!く・・・ぬう!」

 

 

俺の体で守られていたからだ。俺は痛い感触は確かにするものの。俺は自分の命を守る意思はなく。この二人を助けるために先ほどの衝撃波で足に木の枝が何本も突き刺さっていようが、頭に血が流れようが、胸に切り傷があろうが、俺は自分の命を捨てでも仲間を助ける方を選択し。魔術は使わずに二人を守った

 

 

「ジーク!!」

 

「ジークさん!」

 

「大丈夫だ。まだやれる・・・・・・ぬ!くう!!」

 

 

「は!?」

 

「ジークさん!」

 

 

俺は今度はベートとティオネにも攻撃しようとしたゴライアスの拳を、素早く動いてリジルとフロッティで守る

 

 

「な!?・・・テメエ!なんで!」

 

「なんで・・・・なんであんたが!」

 

 

「そんなことを聞くな。今は一緒に戦う仲間だ。俺を疑った奴等だとか。今はそんなこと・・・・・関係ない!!」

 

『ガア!!』

 

「はあああ!!」

 

『グガア!!』

 

 

俺は大きく二刀の剣で押し返し。ゴライアスに傷を入れても回復するが、大きく衝撃を入れて倒れることはできるため、奴の胸を大きく蹴りを入れて後ろに倒す

 

そして疑った自分を助ける価値ないとベートとティオネはこの状況でそんな下らないことを聞いてくる

 

だから俺は言い放つ

 

 

「お前らのことなど確かにどうでもいい。疑ったことに関しても恨みは無い。お前らのことなんて俺だって好きじゃない。だが・・・・・今はお互い背中を守る仲間だ。俺の命を張ってでもお前らの死ぬ姿を見たくない」

 

「ジ、ジーク・・・・」

 

「ジークの癖に・・・・ふざけたことを言いやがって」

 

「これが今残された俺の意思だ」

 

 

好まないのは俺も当然だ。俺を嫌う連中をなんで俺が好きこのむ理由はない。だが俺はどんな奴にでも死んだ姿などもう見たくもない。フレイとトールの天界に送還されるような光景を思い出すからだ

 

例えボロボロにならうと、これだけの望みだけは叶えたいんだ

 

 

「全員聞け!相手は最速で自己再生する階層主だ!大きなダメージを与えて魔石を破壊しない限り!奴を倒せない!諦めずに奴に立ち向かうんだ!そうでなければ全滅だ!」

 

 

「ジーク・・・・」

 

「ジークさん・・・・」

 

「立ち上がれ!こんな所で死ぬな!全員で協力し!力を合わせれば必ず奴に勝てる!こいつに勝って地上に帰るぞ!」

 

 

こう言っておかなければ奴に戦おうと意思が出ないだろう。強い力は持っていても強い意思は他の奴らは無いようだからと。嘘つき冒険者である俺が堂々と前でに出て言った方が、俺に負けたくないと悔しいと思い立ち上がるはず

 

更にもっと立ち上がる方法がもう一つあると思い。悪い言い方をしてやる

 

 

「おいベート?いや・・・・・『クソ犬』」

 

「!?」

 

「さっさと立てクソ犬。・・・・・所詮お前も『雑魚』か?」

 

「んだと!?テメエに言われなくても立って戦ってやる!」

 

「おい『クソ尻デカ女』」

 

「!?」

 

「さっさと立て。テメエが弱いからいつまで経ってもフィンに振り向いて貰えねんだよ」

 

「なんだと!!ジーク!もっとイケメンになったからって調子ずいてんじゃないわよ!!」

 

「だったらさっさと戦えアホ女。まあお前ら二人が居なくても俺一人でやれるがな」

 

「「なんだと!!」」

 

 

そう言ってベートとティオネを無理に起き上がらせ戦わせるにはの挑発が一番だ。おかげで俺にムカついて動いてくれた。あとは・・・

 

 

「お前らはどうする?こんな所で終わるか?」

 

「うう・・・・まだだよ!私もまだやれる!」

 

「私も・・・・負けられない!」

 

「私もまだ・・・やれます!」

 

 

アイズもティオナもレフィーヤも立ち上がる。諦めずにこのまま終われないと二人に続いて立ち上がる。どうやら俺たちに負けてられないようで再度立ち上がる

 

 

「アスフィ。お前もここで諦めるのか?リューは終わりにする気は無いだろ?」

 

「はい!私は・・・・ジークさんのためにも立ち上がります!」

 

「ふう・・・・私も冒険者らしく立ち上がりましょう!」

 

 

リューもアスフィも俺の掛け声に答えて再び立ちがる。リューは最初から諦める様子はなかったようだが。アスフィもこんな所で終われないと立ち上がる

 

 

「千草!斧だ!」

 

「桜花?」

 

「俺は!こいつらに押し付けた罪がある!俺はあの時みたいに力不足で終わりたくはない!頼む!!」

 

「は、はい!」

 

「拙者もここで終わるわけにはいかない!」

 

 

桜花達もここで終われまいと俺の声も掛けずに自分から立ち上がる。

 

 

「俺だって・・・・・俺だってな!!」

 

「ヴェルフ!これを!」

 

「ん!?ジーク!?お前なんでこれを!?」

 

「昨日ヘスティアから預かっていた!今こそ『クロッゾの魔剣』を使う時だ!こんな時こそだろ?」

 

「ん・・・・・そうだな!」

 

 

昨日ヘスティアから預かっていた。ここに助ける前にヘファイストスからにも救出を頼まれたようで、ヘファイストスが勝手にヴェルフの家から持ち出してヘスティアに持たせたらしい。ヘファイストスもこんな時だからこそ使うべきだと、物の価値をわかっているようだな、たとえ嫌いだろうと

 

 

ヴェルフも自分の力不足を目にして。今更魔剣が嫌いなのは関係なく。今こそクロッゾの魔剣を使用すると、風呂敷を解いて出す

 

 

「アイズ様!」

 

「ん?」

 

「申し訳ありませんが!これを使用させてくれませんか?」

 

 

突然リリルカが何かロキ・ファミリアのエンブレムをした風呂敷で包まれた剣のような物をどこからかもってきた

 

 

「アイズ。これはなんだ?」

 

「それは!・・・・私が以前ウダイオスを倒して手に入れた!『ウダイオスの黒剣』!」

 

「ウダイオスの黒剣。あの階層主の剣であるドロップアイテムを手に入れていたのか?」

 

「アイズ様!どうかこれを私たちに譲ってくれませんか?」

 

「これを?でも・・・どうして?」

 

「そうか。リリルカ。これをベルに使用させる気だな?」

 

「はい!」

 

「アイズ!今度お前に美味い飯を作ってあげるからこれを譲ってくれ!」

 

「え?それってなんでも?」

 

「なんでもいい。とにかく譲ってくれ」

 

「うん。わかった!」

 

 

「ベル!やれるな?」

 

「頼むよ。ベル」

 

 

「ジークさん・・・アイズさん・・・・はい!!」

 

 

リリルカがどこでそんなものを持ってきたかは知らないが、以前アイズはウダイオスを倒していたようで、そのドロップアイテムを素材としたウダイオスの黒剣をあの街に置いていたようだ。それをベルに装備させて『英雄願望』のスキルを使えば。さっきのファイアボルトよりは威力は出せる

 

全員これで立ち上がった。今度こそゴライアスを倒すために、全員で立ち上がる。そうでなければ生き残れない。

 

問題は最速で自己再生をし。強度の硬さを持つ、そんなゴライアスを倒すには常に一つ

 

 

「全員全身全霊をを持って奴に大きなダメージを与えろ!そして魔石を完全に破壊すれば奴は復活しない!ここで力を全部出し切れ!奴に再生する隙を与えるな!!」

 

 

「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

全員俺の掛け声により一斉に攻撃に掛かる。その中で俺とベルはまだ後方に控えていた。ベルはチャージのために後方に控えているのだが

 

 

俺は胸に痛みを感じていた。その理由は・・・・・・

 

 

本能が疼きそうだからだ

 

それだけではなく

 

 

『坊や?貴方は戦わないの?』

 

『言われなくても戦う』

 

『貴方は私だけでなく、『アレ』を倒したのだから。それを使えばいいじゃない?』

 

 

「俺の本能を剥き出しにしたいだけだろ?『亡霊の女神』め!」

 

 

「ジークさん?」

 

「気にするな。少し本気を出そうとしているだけだ」

 

 

アレの力を使うにも、俺は怒りに振り回されそうだが、俺の魂の中に居る『亡霊女神』に唆そうともする。これほど鬱陶しいこともあるため、本気だそうにもカオス・ヘルツの力を最大限に使用することになる

 

俺の魂の硬さでなんとか抑えるにしてでも、最大限を使う訳にはいかない

 

 

だが

 

 

「来いグラム!」

 

 

パンドラボックスから『魔剣グラム』を呼び出した。これを使用しないと勝てない相手だと悟り。俺も全力全開で奴に電光を撃つ

 

その前に周りのフォローだ

 

 

「ベート!!これを使え!」

 

「あ!?うお!?なんだこりゃあ!?」

 

「電撃だ!お前の魔法効果を吸収できる武器フロスヴィルトならこれで攻撃の効果が上がるだろう!」

 

「たく!要らねえことしやがって!だが!今日はテメエの言葉に乗ってやるよ!オラアアアアアアア!!」

 

 

『グガアアアアア!!』

 

 

ベートの電撃を帯びたブーツで強烈な蹴りをゴライアスの頭に撃った。そのおかげでゴライアスは大分怯む

 

 

『グガアア!!』

 

 

「続けるぞ!頼む二人とも!」

 

「うん!行こうティオネ!」

 

「ええ!ジークに負けてられないわね!ふ!」

 

「ふ!」

 

 

「「でやああああああああああああ!!」」

 

『ガアアアアアア!!』

 

 

今度はティオネとティオナが一緒に一斉に奴の胸を罰点を描くように深く切り刻んだ。更に反撃しないよう追尾するようにリューが素早く動く

 

 

「反撃をさせません!ルミノス・ウィンド!!」

 

『ガアアアアア!!』

 

 

広範囲魔法であるルミノス・ウィンドが緑風を纏った無数の大光玉を広い範囲に放ち。ゴライアスの全身が切り刻まれる

 

 

「ぬ!?」

 

「リュー!・・・・・がは!!」

 

「ジークさん!?」

 

「ジーク!?」

 

 

ゴライアスは反撃しようと自分の周囲を飛ぶリューを掴もうとしたところを、俺が飛んで庇い。俺が奴の手に捕まってしまった

 

 

「全員攻撃を続けろ!」

 

「しかし!ジークさんが!」

 

「早くしろ!俺に構うな!ぐ!ぐううう!!」

 

「ジークさん!」

 

「なら!私も本気で行きます!」

 

「アスフィ!」

 

「はあ!やあ!ぜやあ!!」

 

『グウ!グウ!ガア!』

 

 

アスフィは俺を助けようと。ブーツである『タラリア』と言う魔道具で、足の横に大きな翼が生え。空を飛んで俺を助けようと、蹴りを入れるが全く力を緩めることなく、アスフィの蹴りに耐えて。未だに俺を力強く握りしめる

 

 

「ぐううう!」

 

「ジークさん!」

 

「ここは任せろ!」

 

「私も!」

 

「お二人とも!?」

 

 

「命!重力魔法だ!俺がジークを助ける!」

 

「はい!」

 

 

「うおおおお!!ぜやあ!」

 

『ガアア!!』

 

「桜花!」

 

「大丈夫か?」

 

「ああ」

 

「命!今だ!!」

 

 

「はい!『フツノミタマ』!!」

 

 

桜花が俺を握る腕を斧で斬り裂いてくれたおかげで俺は脱出できた。そしてその後に巨大なドーム状の重力結界を展開し、ゴライアスを包んで押し潰そうとする

 

 

『ガアアアアアアア!!』

 

「くう・・・・押し潰せない!」

 

「限界に潰さなくてもいい!ヴェルフ!」

 

「おう!次は任せろ!」

 

「よし!命!もういいぞ!」

 

 

「はい!・・・・ぬう!」

 

 

そうして準備が出来た所で、命の重力魔法を解除して、ヴェルフがクロッゾの魔剣を持ってゴライアスに斬りかかる

 

 

「どけええええ!煌月いいいいいいいいいい!!」

 

『グガアア!!』

 

 

「なんて威力だ!」

 

「オリジナルを超えているな。それ以上の魔剣をヴェルフはやはり持っているのか・・・」

 

 

「へへ。砕けたが。いい威力だぜ」

 

 

 

ヴェルフの与えた一撃。魔剣は砕けてしまったが。だがかなり周囲を粉々にするほどの爆撃。それをまともに喰らったゴライアスは完全に怯み。自己再生しようと一度地面に膝を着く

 

 

「まずい!また!」

 

「大丈夫だ!レフィーヤ!頼む!」

 

 

「はい!『妖精の射手。穿て!!必中の矢』アルクス・レイ!」

 

 

『ガアアア!!』

 

 

奴を自己再生させないために後方に控えていたレフィーヤが諦めずに詠唱を続けて控えていた。アルクス・レイと言う光線が杖から一直線にゴライアスの胸を貫く

 

だが

 

「くそ!まだか!」

 

「まだ再生するよ!」

 

 

それでもやはりまだゴライアスは再生する。どうやらこれでもまだ足りないようだ。そうだ。魔石を壊さないと終わらない

 

だが

 

 

ゴン!!ゴン!!ゴン!!

 

ビュン!!ビュン!!ビュン!!

 

 

「ん!?なにこの音!?」

 

「なんだこの風!」

 

「この音色・・・・そしてこの微風・・・・一体どこから」

 

 

この18階層に大鐘が鳴り響き。大風ではなく涼しい風が吹き荒れる。

ああ、このために二人を後ろに控えてチャージさせていた。アイズとベルには大きな力がある。それを前面に出すにはいい機会だろう

 

 

「二人ともいいか?」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

 

「それじゃあ・・・・・・・行け!!」

 

「うおおおおおおおお!!」

「はあああああああああ!!」

 

 

ベルはチャージを満タンにして体を白く光らせて『ウダイオスの黒剣』を持って前進する。アイズも大きく風を纏って空を飛んで突進する

 

 

「いけえええええええ!!!」

「リル・ラファーガアアアアア!!!」

 

『ガアアアアアア!!』

 

 

白い光と緑の風の突進がゴライアスと激突し、大きな光が広がりゴライアスを包んで灰になるように体がボロボロに崩れていく。

 

 

「ぐあ!」

「くう!」

 

「ベル様!」

「アイズさん!」

 

「やった・・・のか?」

「わからない・・・」

 

 

全力を出し切った二人は後ろに吹っ飛ぶ。全力の一撃を与えた二人の攻撃は未だ煙は消えないまま、ゴライアスの姿が見えない

 

だが、その煙も一瞬にして晴れる。

 

 

すると

 

 

「な!?」

 

「そんな!?」

 

 

体は溶けているものの。骨だけが残っていてまだ生きていた。

 

 

「嘘だろ!」

 

「もう次は全力を出せねえぞ!」

 

「や、やばい!」

 

「どうしたら・・・」

 

「このままじゃあ・・」

 

 

当然、もうベルやアイズでさえも全力を出した以上は次の反撃する手段は無くなっている。もう先ほどマジックポーションも尽きた。もう次に対抗する手段は無い

 

そうしていると、ゴライアスがまたも再生しようと、体の肉がどんどん戻っていく

 

 

「不味い!また再生だ!」

 

「これじゃあキリがないよ!」

 

「魔石までどうやって崩せばいいのさ!アイズやアルゴノオト君の技でも崩せなかったんだよ!」

 

 

どうやらどの全力の一撃を持っても、ゴライアスの魔石までは届かなかった。漆黒のゴライアスと呼ぶべきなのか、やはり思った以上に強い階層主の亜種だ。威力や速度はそこまで無いが。厄介なのはその再生力と再生速度

 

これがなんども繰り返すから、厄介だ

 

 

 

なら

 

 

 

 

「♫〜〜〜〜〜〜♪」

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

 

 

それ以上の一撃を撃って。『レア・カース』で再生をさせなければいいと

 

『ニーベルンゲンの歌』を謳歌する。

 

 

『ぐ!グウ!!』

 

突然ゴライアスは再生する途中で奴は見た。バチ。バチ。バチと電流が流れる。ゴライアスの前に周囲にある電流が集まる。一体なにがどうなって電流が集まっていると、全員その流れた先を見ると

 

 

「ジーク?・・・」

 

「ジークさん?」

 

 

俺の体にはルーン文字が大量に浮き出ている。その文字がどんどん魔剣グラムに移動して電流を集めている

 

どんどん俺の持つグラムは黒い電光に輝き。もはやその電光を抑えられない状態になり黒い電撃が体に漏れるほど吹き溢れる。そして俺の体から黒い雷が噴き出した

 

あの『怒りのスキル』が発動した

 

 

『グウ!グウ!』

 

「まさかモンスターの癖に恐怖を覚えたかゴライアス?そうだろうな。なにせ・・・・・今の俺は『怒っている』だからな!!」

 

 

更に電撃が俺の体から更に溢れる。そうこれは俺にとって許さない事。この世から消さない限り、許さない

 

 

「お前は俺の主神を狙って出てきた事。それはつまり俺の主神を殺すために出てきた事だろう。そしてこの有様。俺の仲間を傷をつけた事。それが俺にとって最も・・・・・・・・・・・・・・・・・許せない事だ!!!」

 

『ガア!?』

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 

誰もが俺の怒りに驚いている。一番に驚いているのは

 

 

 

俺が『竜の眼』をしているからだろうな

 

もう俺はあの竜を殺したことで、体は呪われている。もはや人間の姿はしていない。でなければ

 

 

「こ。これって・・・」

 

「竜・・・・黒い竜」

 

 

精霊の血を引くアイズと神の血を引くベルが、俺の影に移る『黒き竜』の姿を目にすることなんてないだろう。ゴライアスも俺と言う『竜の気配』感じ取ったことで恐れを覚えたのだ。怒りを出すかでやはり俺は自分の『本性』が見えてしまうんだろう。こんな姿シルに見せられないな。アイズもその黒き竜には見覚えのある姿。それは自分がモンスターを憎む原因でもあるもの

 

 

だが

 

 

それを剥き出しにする程、主神に手を出すことを許さないと

 

あんな子供のような女神でも、俺を拾ってくれた女神だと。感謝としては十分なくらいだと。だから

 

 

「この一撃を持って。俺の女神に手を出すお前を穿つ!」

 

 

「ジーク君・・・」

 

「あれは・・・・トールの雷!?」

 

 

遠くで見ていたヘスティアやヘルメスも俺の怒りを目にした。逃げることを忘れるほどに俺の本心と熱意が母であるトールと同じだと、思っていた

 

おふくろ。あんたの言う通り。守るべきものができた

 

 

だから今は

 

 

怒らせてくれ

 

 

「ルーンブレイク発動!!!うおおおおおお!!」

 

 

そして電光のように素早く走り。光線のように真っ直ぐ走って奴の腹に魔剣グラムで穿つ

 

 

 

「穿て!!!ヴォルスング・サガアアアアアアアアアアア!!」

 

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

デカイ黒い光線がゴライアスの腹を穿つ。電光の光線は天井にまで突き刺さり、圧倒的な破壊力で電磁波と衝撃波まで出てしまった。

 

 

その光線が消えると、ゴライアスの再生は完全に止まり。力が入らないのか。完全に腕が降りていた。そして

 

 

『ガアアアアアア・・・・』

 

 

どんどん灰となって体が消えていく。大きな魔石の中心に風穴が空き。モンスター の心臓である魔石が壊れている以上。モンスターの生命は完全に消え。ゴライアスは灰となり。中心に風穴が空いている魔石だけが残った

 

 

「はあ・・・はあ・・・・」

 

 

今の一撃でかなり体力を持っていかれた。おまけに地鳴りや地形まで崩してしまった。ルーンブレイクは使うには周りのことも考えないとならないな

 

 

まあでも今は、とにかく

 

 

「ゴライアス・・・・・・討伐完了だ」

 

「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」

 

「ジーク!」

 

「ジークさん!!」

 

 

今は喜ぶことにしよう。ゴライアスの亜種の討伐完了を初めてこのメンバーで成し遂げた。アイズ達とも久しぶりに共闘できる日が来るとはな。もう怒りは無いから、竜の眼は消えて、体から溢れる電流も消えて、普通の人間の眼に戻る

 

 

 

「や、やりやがった!あの嘘つき冒険者が!」

 

「す、すごいわね・・・見直したわ」

 

「ふ!強いな・・・・スキールニル!」

 

 

モルド達も遠くで俺たちの戦いをよく見ていたようだ。やれやれ。あいつらのおかげでトラブルが多かったが、まあ俺のことを見直してくれたおかげで。もう金輪際あいつらが俺たちにちょっかいを出さないだろう

 

 

「ジークさん!」

 

「やったじゃねえか!」

 

「流石はトール様の息子です!」

 

「おい・・・お前ら」

 

 

「ジーク!すごかったよ!」

 

「ジークさん・・・流石はフレイ様の幼馴染です!」

 

「ジーク!すごい!私たちでも仕留めきれなかったのに!」

 

「まあ・・・・やるわね」

 

「ち・・・・まあでかしたな」

 

 

「すごい・・・・」

 

「これがかつて元ロキ・ファミリアの実力ですか」

 

「すごい魔法だった・・・」

 

 

「流石ですジークさん。流石はフレイ様の弟」

 

「ジーク・・・・あなたは本当に変わりましたね」

 

 

「ふう・・・・みんな。俺に協力してくれてありがとう。おかげで無事ゴライアスを倒せた。これは俺の手柄じゃないここに居る全員の手柄だ」

 

 

ああ、俺一人では確かに勝てなかった。全員の手柄で間違っていない。これは全員の協力を得て勝つことのできる成果だ

 

 

「ジーク君!ベル君!」

 

「ヘスティア?」

 

「神様!」

 

『主!ご無事ですか!?』

 

「心配ない。体はボロボロだが、なんとか勝てた」

 

 

どうやらゴライアスが消えたことを確認すると、グラニが主神を連れて俺の所にまでやってきた。もう安全になったからとここにやってきたようだ

 

 

「何が心配ないだ!君もベル君も無茶をして!」

 

「これが俺たち眷属だ。当然のことだ。それに生きている。心配かけて悪かったな」

 

「本当に!でも・・・・・ありがとうみんな!!」

 

 

「わあああ!神様!!」

 

「たく・・・お前は」

 

 

ボロボロになった俺とベルを大きく抱いて泣いて喜んでいた。眷属を得たばかりだと言っていたが、ここまでとはな。眷属がボロボロになって帰る姿を慣れていないようだな

 

まったく、子供ぽいな

 

 

だが

 

 

懐かしいな。俺も二年前で無茶をしてロキに心配されてよく泣いて抱きついてきたのを覚えている。今度また俺は眷属想いの主神に入ったんだなとそう実感した

 

 

「ゴライアスは無事に討伐を完了した。この後の件だが、お昼まで休憩してから地上に帰る。それでいいかヘスティア?」

 

「うん!OKだよ!」

 

「アイズ達もどうだ?一緒に帰らないか?」

 

「え?私たちも?」

 

「ああ、別に今日帰ることには変わりないんだ。どうだ?」

 

「そうだね・・・・お願いしようか?」

 

「よし。リリルカ。千草。レフィーヤ。これは大量のハイポーションとエリクサーだ。全員に手渡してくれ」

 

「「「はい!!!」」」

 

「回復が済んだら、昼食にしよう。腹が減っただろう?俺が回復した後で飯を作る。アイズ達の分もな。これは協力してくれたお礼だ」

 

「やったー!ジークの料理が食べれる!」

 

「うん、嬉しい・・・」

 

 

 

デカイトラブルとなったが全員無事でなんとかなった。リリルカと千草とレフィーヤが全員に回復薬を手渡している間に俺はグラニとヘルメスの元へ

 

 

「グラニ。二人を移動させてありがとう。もういいぞ」

 

『はい。主のお役に立てたなら満足です』

 

 

そうしてグラニを精霊樹に帰るらせる。そしてヘルメスに今度は声をかける、かける理由は何か言いたそうにしているからだ

 

 

「何か言いたいことでもあるか?」

 

「そうだね。でも言うことはあるよ?」

 

「なんだ?」

 

 

 

「ゼウス。トール。フレイ。君の孫であるベル君や君の息子や弟であるジーク君は、これから時代を大きく変える。新しい英雄が『二人』も誕生だ!!」

 

 

「英雄?俺とベルが?馬鹿馬鹿しい。俺は英雄じゃない」

 

 

ヘルメスの奴。何を言うかと思えばそんな下らない事を言うのか、はっきりと言ってつまらないもいい所だ。それではまるで俺が親父と同じ運命を辿ることになる

 

 

俺は英雄じゃない。ただの竜殺し

 

トールの息子にして、フレイの幼馴染。ただそれだけの男

 

 

 

ゴライアスを無事倒した事でアンダーリゾートである18階層はボロボロに地形を変わってしまった。リヴィラの街も半分以上壊されてしまった。休憩しようにももうその場所も壊されて無い。それに主神二人が居る以上はここに留まり続けるわけにもいかない。もしかしするとまた新しい主神を狙ったモンスター出る可能性があると言う事で、

 

昼食を過ぎた後で、すぐに地上に帰ることとなった

 

 

 

別のファミリアでの初遠征が、とんだトラブルの連続だったが、これで無事に地上に帰れる

 

 

そして食事の支度を俺が急ぐのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。