ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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過去を断ち切るための激突 

 

 

何を語ろうが、どんな信念を持とうが、どんな正義を貫いても、俺には響かない。

 

俺たちは所詮争うのが運命

 

どんなことであっても、俺がフィン達と争う事は、黒竜を物にした時からわかっていた

 

いや

 

 

 

 

『強くなる上』でより敵が増えることを俺は理解していたのだ。

 

 

強くなるに連れて敵も多く出てくる。ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアやガネーシャ・ファミリアなど。意志を持つ生物である我々人間は意志の相容れぬ理由から争いを起こし、強さを求めて強者を貪る。つまりは強くなるためなら平和を望んでいる強者であっても戦いを仕組まれると言うわけだ。

 

強くなる上での代償と言ったところか

 

そんな理由があるように、強くなればその代償が加算され、次から次へとその強くなった者には多くの敵が現れ、その強者の得た力を奪われる。弱ければ死に、強ければ生きる

 

 

これが弱肉強食である

 

 

それに対して俺は・・・・・・・・敵である者にはとことん容赦無く無慈悲に消す。敵がどれだけ強かろうと、心を無くしたも同然の薄い心を持つ俺に恐れる者などいない

 

だから慈悲など与えずに

 

 

それが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつての友だった。フィンやベートであろうとも

 

 

「ふう!!」

 

 

「く!」

 

「ぐ!」

 

 

突撃を交わした俺は、リジルとグラムでフィンとベートを弾き返した。黒竜の半分を扱えるとは言っても、それだけで『加減ができない』と言うもの。案外黒竜の力も楽ではないと同時に下手なことをしてしまうかもしれない。

 

例えば

 

 

「は!!」

 

 

「な!?なに!?」

 

「黒い斬撃波!?」

 

 

グラムで遠くに居るフィンとベートに目掛けて、俺は二振り程グラムを振ったら黒い闇のような斬撃波が出てきた。グラムに黒竜の力を載せただけでグラムの刃から黒竜の斬撃波を出せるとは。流石の俺も驚いた。いくら黒竜の力を得たとは言え、武器にまで力を流すことができるとは

 

フィンもベートも、ギリギリな所で黒い斬撃波を避けた

 

避けたことに関しては驚くことなく当然だと思っているが、そこではなく

 

 

「な!?」

 

「後方にある建物が!?」

 

 

「黒竜の力を使えば当然だ。だが・・・・ヘスティアに怒られてしまうな。建物を最小限に壊さないことを約束していたのだがな、まあいいか、別に『人を殺している』わけじゃあないんだ。建物の一つや二つが壊れても構わんだろう。いつでも直せるのだからな」

 

 

「マジかよ・・・」

 

「これが黒竜の力か、ゼウスとヘラの眷属がやられたのも納得がいくな」

 

 

フィンとベートの後ろにある建物が、一刀両断で真っ二つになった。もちろん一つや二つではなく、その後ろにある建物に並んでいた後ろのもだ。今やっとその斬撃波がオラリオの『外壁』まで届いた。それでもその壁まで斬撃波が貫かれては穴が開いた。

 

やはり黒竜の力を半分出せても加減ができない。それだけ威力も斬れ味もあると言うわけだ。まだこれは『基本的な技』だと言うのに、制御をしなくてはこのダイダロス通りそのものを壊しかねんと、俺はヘスティアにまた怒られてしまうと思っていた

 

だがだ

 

 

「別に構わんだろう?それくらい・・・俺はお前らを殺す気でいると言うわけだ。本気である証にはなっただろう?」

 

 

「今のは・・・流石のフロスヴィルトでも吸収できねえな」

 

「しない方がいいよベート。あれは・・・・触れていいものじゃないからね。でなければ僕の親指がさっきから震えるのが止まらないからね」

 

 

俺が嘘を言ってないことをフィンも証明した

 

なぜなら戦う前からなのか、俺と出会した時から親指の震えが止まらないのが、俺の眼で見てもわかっていた。あれだけ俺に挑んで捕まえるとは言うものの。いざ挑んでみれば俺の力には危険あり過ぎると、フィンはどんな攻撃も触れないようにした方がいいと言った

 

まあカースみたいなものだと思ってくれた方がいいだろう。今の斬撃波を当たった建物を見ると、斬られた切り口から黒い炎が燃えていた。その炎に焼かれた部分からどんどん溶けていく。

 

殺す気でやったとは言え、もしあの二人が当たっていたら今頃あいつら二人の体は炎に焼かれて溶けていただろう。世界三大クエストの最後である隻眼の黒竜ファフニールの力は伊達ではないと言うわけだ

 

 

「まさかとは思うが・・・今挨拶代わりに一撃を放っただけで恐れるわけもないだろう?お前達二人が・・・」

 

 

「ああ。つまりは・・・・・あの黒竜を倒せるチャンスなんだ!」

 

「ああ!テメエがフィンより先に出し抜いたくらいで恐れるわけ、ねえだろ!!!」

 

 

「それでいい。そうでなければ・・・・・・・建物を壊した言い訳ができないからな」

 

 

もちろんこの程度で恐れないと俺は信じていた

 

黒竜の力を改めて眼にしたとしても、これで恐れては勇者としても凶狼としても名に汚れが出てしまうと、今更ここまでしといて引き下がるわけもなく、俺が恐ろしい黒竜の力を手にしても立ち向かってくるのだった。

 

まあ俺としてもそうでなければここまでした意味もなくなる。ひとまずこの壊した建物の言い訳ができて安心した。

 

 

それでも手を抜くことは無いがな

 

 

「ふ!ぬん!」

 

 

「は!オラ!」

 

 

「ふ!は!!」

 

 

二人とも俺を襲いかかるが、ベートは同時にフィンにも攻撃をし、フィンも俺を相手にしつつベートを槍で応戦している。この戦いに味方は居ない。一対一対一である。俺もベートとフィンを倒し。ベートも俺とフィンを倒し、フィンも俺もベートを倒しに来る。三つ巴の戦いであるため、助けに加勢する者などいない。今己の実力でこの場に居る敵を倒す以外に切り抜けることはないと。

 

俺たち三人はこの戦いの終止符を始めている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その終止符の戦いの轟音に、俺の仲間やフィンの仲間たちが遠くで気づいた

 

初めに気づいたのは、ベル達とアイズだ

 

 

「っ!今の黒い炎は!?」

 

 

「ジークさん!?」

 

『主!?黒竜の力を使ったのですね!?』

 

 

「黒竜!?まさかジークはそこまで・・・・っ!く!!」

 

 

ベルとサラマンダーは東の方角から俺が黒竜の炎と思われる斬撃波が放たれていたのを遠くから目撃する。俺が黒竜の力を使うとは聞いたが、まさか本当に使うと言ってはいたが、まさか本当に使うとはベルもサラマンダーも思ってもいなかった

 

今現状としてはまたしてアイズが追い込まれていた。加勢に来たラウル達はサラマンダーとリドに気絶された。今は道端や建物の屋根の上などに倒れている。もちろん殺すつもりない上で、それ以上なことを手を出さないようでアイズは安心しているが

 

今の彼女は仲間のことは気にしてられる状況じゃなかった

 

アイズもまさか本当に俺が黒竜であることに驚きで、もう確信のある証明にはなった。もう現実逃避をすることはできない。俺が黒竜であることはもう証明されている。それでも認めようとしないのがアイズである。人が怪物に変身するなど、モンスターを敵視してきた彼女においては一番斬ることが難しい難題となった

 

だが、何にしても行かせないのが、ベル達の役目である

 

 

「ベル!お願いだからジークの所へ行かせて!」

 

 

「ダメです!貴方はジークさんを捕まえるのなら敵です!貴方はあの人の害でしかありません!本当に・・・・なぜ貴方がジークさんの敵になるんですか!?」

 

 

「っ!それは・・・・」

 

 

「貴方にとってジークさんは・・・・大切な人なんですよね!ならどうしてそんな人を捕まえようとするんですか!大切な人ならそんなことはしない!両親を殺された気持ちはわかりますけど、あの人はモンスターじゃない!!!」

 

 

「な!?ベル・・・・貴方私の両親の事をジークから聞いたの!?」

 

 

「詳しくではありませんけど、ジークさんから貴方が黒竜に両親を殺されたことは聞きました。貴方がモンスターを許さない事について前々から気になってはいましたけど、そんな事情があるとは思いもしませんでした。でも!もう黒竜は居ないんです!黒竜はジークさんが倒しました!彼が黒竜に変身するのはそのドロップアイテムを食べて、その黒竜の力を得たからです」

 

 

「黒竜のドロップアイテムを食べた・・・・・・だから変身したんだ」

 

 

「これだけの真実を言って、まだジークさんを追いますか?復讐は終わったんです。貴方のご両親の仇はジークさんが取りました。あの人は黒竜じゃないんです。あの人はジーク・フリードです!そこまであの人を怪物として扱わないで下さい!」

 

「クラネルさん・・・」

 

『ベルよ・・・』

 

 

「ベル・・・私は・・・・ジークを・・・」

 

 

憧れのアイズにここまで言うのは心苦しい程初めてだろう

 

それでもベルは、初めての相反した考えに付いていけず、黒竜に変身しようと理性と意志があると言うのに、それでも俺を捕らえようとするアイズのこれからの遣り口に反対し、東区には行かせないように道を封鎖する。でも相手はアイズで、こっちにはアステリオスが居るにも関わらず、未だにアイズを戦闘不能にすることができない。さすがは剣姫と言った所だろうか

 

だからベルは殺す気はないが、気絶させてでもアイズを抑えるために、最終手段を取る

 

 

「これだけ言って、それでもあの人の所へ行くんですね?」

 

 

「うん・・・・・私はジークの言葉で直接聞きたいの」

 

 

「そうですか・・・・なら僕たちのやることは一つです!皆さん魔法で一斉攻撃です!」

 

「いいのか?ベル?」

 

「はい。アステリオスも魔剣を使ってください。リドさんも火炎をお願いします」

 

「わかった。ベルっち!」

 

「わかった」

 

「サラマンダー様。加減をしてお願いします」

 

『うむ、まあ『彼奴の娘』であるなら、我の魔法を威力を抑えれば問題なかろう』

 

 

「っ!?魔法!?」

 

 

もう手段など選んでられないと、ベルは最終手段として魔法を使う選択をした。もちろん威力を抑えて、殺すことはベルだってしたくない。況してや憧れの相手に、その憧れを倒すのは苦しいが、それでも倒さねば仲間がやられると、もはやアイズが聞き入れてくれないなら倒して抑えるしかないと手段を選ばずに魔法で繰り出す事にした

 

リューは詠唱を開始して。リドは両剣を地面に刺して口を大きく開ける。サラマンダーは尻尾を動かしてルーン文字を描いてその文字を口で食べると口の間から火が噴き出す。アステリオスは背中に背負っていた冒険者から盗んだ魔剣を使用する。ベルは少し威力を抑えた魔法を使う

 

 

「皆さん!一斉にお願いします!」

 

 

ベルの合図で一斉に放った

 

 

「ルミノス・ウインド!!」

 

「喰らえ!!」

 

『ファイヤー・ブラスト!!』

 

「ふん!!」

 

「ファイア・ボルト!!」

 

 

「く!テンペスト!?」

 

 

流石の五人の攻撃魔法にアイズもエアリアルで防御を開始する。リューの風、リドの火炎ブレス、サラマンダーのルーン魔術、アステリオスの魔剣、ベルの火炎魔法、こんな五つも魔法を喰らっては身が持たないと、エアリアルを最大出力で防御するが

 

 

「く!ダメ!?うあああああああ!!」

 

 

流石のリューとリドの攻撃はともかく、サラマンダーとアステリオスとベルの攻撃だけは防ぎ切れずにそのまま後ろへと吹っ飛んだ

 

後方にある何かしらの建物内に吹っ飛んだ。威力を抑えているとは言えど、五人の魔法攻撃を受けては一人でレベル六でも防げることは難しく。流石のアイズでも無理だったようだ

 

吹っ飛んだ衝撃に煙が舞い、攻撃を受けたアイズの姿が遠くからでは建物内を確認できない

 

 

「これで・・・やったのか?」

 

「わかりません。リューさん!サラマンダーさん!」

 

「はい、確認します!」

 

『うむ!』

 

 

リューとサラマンダーに頼んで、アイズが吹っ飛んだ思われる建物内を捜索しに中へ行く。

 

すると

 

 

「居ない・・・・・・どこへ?」

 

『む!リュー、これを見てみろ』

 

「これは!?クラネルさん!!」

 

「アイズさんは見つかりましたか?」

 

「いいえ、それがこれを・・・・」

 

 

建物内に入ってリューとサラマンダーがアイズが無事かどうか確認する

 

だがそのアイズの姿が無い

 

建物内全体を探ってはいたが、それでも見つからず、だがサラマンダーがある光景に気づいた。それを見たリューも急いでベル達を呼んで、サラマンダーが見つけた光景を見る

 

それは

 

 

「な!?地下水路!?」

 

『おそらく、アイズ・ヴァレンシュタインは流石の数に一人ではなんともならんと、一度地下水路に逃げたようだな』

 

 

サラマンダーが見つけたのは、地面の底が空いた。地下水路の通り道だった。流石のアイズでも一人で五人を相手にすることは敵わず、一度体制を立て直すつもりなのか、もしくはベル達と戦わないで俺を最優先にして俺の方へと向かっているのか、地下水路へと逃げたようだ

 

 

「どうしますか?クラネルさん?追いかけますか?」

 

「地下水路ですか、確かジークさんが言っていたことですが、ダイダロス通りの地下水路は複雑で下手をしたら迷ってしまうとか・・・でもアイズさんをジークさんを行かせるわけには・・・・」

 

 

ダイダロス通りは、街の構造も含めて地下水路もメチャクチャで複雑な通り道がいくつもある。流石に地下水路を追いかけてアイズを止めるのは難しい、それどころか見つけられるかもわからない

 

流石にこれからどうすればいいのか、ベルは判断ができない

 

 

だが

 

 

『ベル君聞こえる!大変な知らせがあるんだ!!』

 

「っ!神様!」

 

 

突然腕輪であるオクルスからヘスティアの通達がやってくる。大変と言うから何かあったのではないのかと、急いでその通達を聞く

 

 

『ギルドが、ジークの捕獲に苦戦しているのを聞いたのか、懸賞金を上げたらしくて、その懸賞金目当てに今ダイダロス通り北区から物凄い数の冒険者達が・・・』

『ロイマンギルド長が勝手に依頼の報酬を上げたんです!」

 

 

「なんだって!?」

 

「く!金に目が眩んだ他派閥の冒険者が、一斉にジークさんを襲うつもりか!」

 

『おのれギルドめ!』

 

 

『頼む!もうヴァレン何某くんは後回しだ!ベル君達だけでも向かってくれ!』

 

 

ヘスティアからの通達は

 

 

ギルドが俺を捕獲するのが困難であると聞いて、何があっても治安を守ろうと、やむを得ず依頼の報酬である懸賞金を跳ね上げ、俺の懸賞金を一億ヴァリスへと上げて、俺を捕まえた者にはその特別報酬を授けると聞いた途端、

 

オラリオ内に所属する他派閥の冒険者達が、金の欲しさに一斉に北地区のダイダロス通りの入り口から入ってきて俺を捕まえようとしているの事に。通達を受ける

 

北区であると、今俺が戦っている東区とほぼ近い、かと言って他の仲間達はロキ・ファミリアと交戦中であるため

 

今一度戦闘を終えたベル達が止めに行くしかないと、次のやる事へと移行する

 

 

「皆さん!聞いた通り北地区の方へ行きます!アイズさんは後回しです!何がなんでもジークさんの所へは行かせないように迎撃します!」

 

『「おう!」』

 

「はい!」

 

「わかった」

 

 

ベル達は地下水路に逃げたアイズは追いかけず、北地区に入り込んできた冒険者たち多数を一斉に迎撃すると言う作戦へと移行する

 

流石の緊急事態に、ベル達が対象をしなくてはならないと、逃げたアイズを追わずに北地区へと走る

 

 

そして水路に逃げたアイズは

 

 

「ジーク・・・本当に・・・貴方が倒したの・・・だから黒竜に変身したんだ・・・・・じゃあ・・・・お母さんはどうなったの?」

 

 

アイズが俺を捕まえたい理由は一つのみ、

 

母親がどうなったか聞きたいからだ

 

黒竜に喰われたアリアがどうなったのかを聞きたい。ただそれだけのために彼女は俺を追う。精霊であるのだから生きている可能性があると、何かの確信があるのか、彼女は黒竜を倒した後の事を聞くために、水路を辿って俺の方へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてヴェルフ達は

 

 

「行っけえええええええええええ!!」

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「でやああああああああああああ!!」

 

『はあああああああああああああ!!』

 

 

「うおおお!!」

 

 

ヴェルフ達はガレスを相手に激戦を繰り広げていた

 

覚悟はしていたが、流石はロキ・ファミリアの盾と言う程の噂に相応しい強さを持っていて、中々に倒せないとヴェルフたちは苦戦をする。ノームもドワーフのレベル6は耐久力と体力は以上に強く長いのは承知してはいるが、オラリオのドワーフも俺の故郷に居るドワーフ達よりも負けてないと、ノームでも苦戦する相手だった

 

魔剣だってグロスも使っていると言うのに、それでもガレスは揺るがない。絶氷や風武を何度も使っているにも関わらず、動きを封じても体の筋力で自力で弾く。ドワーフのレベル6ならこの程度なら力任せで可能なのだが、氷や風まで力で足掻くのは、おそらくガレスだけだとノームとヴェルフは思っている

 

 

「ほう!中々にやるな!だがこれではワシも体力が持たん、そろそろ・・・・・終わりにさせて貰おう!!」

 

 

「な!?うあああああああ!!!」

 

「斧を投げただと!?ぐ!?ぐわああああ!!」

 

「命!?」

 

『グロスさん!』

 

 

流石にこのまま攻撃を受けたままでは身が持たないと、流石にレベル6でも我慢ならないと、愛用の大斧を投げたきた。命とグロスは直撃はしてないものの、近くの建物に大斧は直撃し、その直撃した建物の破片に体をぶつけられ、二人は気絶して地面に倒れる

 

 

「ふう、さて・・・あとはお前達だ」

 

 

「くそ、ノーム?やるしかねえのか?」

 

『ええ、覚悟を決めて戦う他ないです』

 

「だよな、やるしかねえか!!」

 

 

「む!?魔剣と魔法か!?」

 

 

ノームとヴェルフは、流石に命もグロスもやられてはまずいと、今は戦況が悪いと判断し、流石はレベル6のドワーフを相手にして苦戦するだけのことはあると思い、もう手段を選んでられないと魔剣と魔法をヴェルフとノームは使う

 

のだが

 

 

「させるか!!」

 

 

「く!」

 

『やはり発動させない気ですか!?く!』

 

「ノーム!?」

 

 

ガレスがそんなことをさせるわけもなく、

 

流石のレベル六でも、魔剣や魔法を喰らっては堪らないと、今度ばかりは体の耐久力でもどうにもならないと、発動する前にヴェルフとノームを片付けようと斧を振りかかってくる

 

流石にガレスの斧捌きに、魔剣も抜く暇もルーン文字を描く暇もなく、ノームがヴェルフの前に立って守る

 

しかし

 

 

 

「助太刀が必要であろう?ヴェル吉!」

 

 

「な!?お前!?」

 

『椿さん!?』

 

 

「なに!?椿!?」

 

 

突然横からへファイストス・ファミリアの団長である椿・コルドブランドが出てきた。

 

どうやらへファイストスも俺たちに味方をしているようで、椿が腰に背負っている魔剣二本を抜いて、ガレスの動きを吹雪で封じる

 

 

「ぐ!?なぜお主が!?」

 

 

「すまんなガレス!主様からヴェル吉とジークを助けるようにと言われてな!すまぬが拙僧達へファイストス・ファミリアはヴェル吉の味方をさせて貰う!」

 

 

「ぐ!?まさか・・・へファイストス・ファミリアまでも・・・ジークの味方をするとは!?」

 

 

『今です!ヴェルフさん!』

 

「おう!悪いがエルガルム!ここでお前を倒すぜ!」

 

 

椿がガレスの動きを封じている間に、ヴェルフは新しい魔剣を取り出して、ノームも右手でルーン文字を描いて、描いたルーン文字を右手で掴んで空へと投げた。そして投げられたルーン文字が魔法陣となって空へと広がり、そこから小さな石つぶてのような物が魔法陣から出てくる

 

 

「まさか!?メテオスウォームか!?」

 

 

『デミ・スピリットと一緒にしないでください!エルガルム!』

 

「街中でメテオスウォームを発動したわけじゃあねえよな!?ノーム!?」

 

『当然です!これはその最小限の『メテオショット』です!!』

 

「おお!?凄そうだな!?ノームよ!?」

 

 

「な!?なんじゃあ!?あの石は!?」

 

 

『これで終わりです!放て!!!』

 

 

メテオショット

 

ノームの魔法の一つ、言うならメテオスウォームの威力抑えめの魔術、メテオスウォームは隕石だが、メテオショットは小さな石つぶて。石の雨なら相手を殺さずに戦闘不能にできると、ノームはこの魔術を選んだ。まあガレスの耐久力なら問題ないと、ドワーフの身体能力を知り尽くしているノームだからこその選択した魔術である

 

そして魔法陣から出てくる石の雨が一斉にガレスを襲う

 

 

「ぐ!?ぐおおおおおおおおおおおおおおおおお!!??」

 

 

「おお!?効いとる効いとる!!」

 

『今です!ヴェルフさん!』

 

「おう!!これで終わりだ!!」

 

 

「な!?なに!?まだ魔剣を持っていたのか!?」

 

 

ガレスがメテオショットを手持ちの斧を盾にしていて身動きが取れない間に、ヴェルフは絶氷と言う魔剣の次に、新しい魔剣を腰から引き抜く。これは先程の絶氷や命が持っていた風武よりも威力の高い氷属性の魔剣だ

 

相手を完全に凍らせるヴェルフの今一番強い魔剣ではあるが、ここでガレスを止めなかれば俺がやられると、仲間を守るために手段を選らんでられないと、ガレスがこの魔剣を受けても生きていることを信じて放った

 

 

 

「猛り狂え!氷鷹!!!」

 

 

「氷の波だと!?ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

石の雨の中、今度は前からヴェルフの魔剣から放たれる大きな氷の波に飲み込まれて全身凍ってしまった。もちろん体全体だけでなく、ガレスの後方にある建物全域まで凍った

 

威力が強いだけのことはあるのか、後ろの方にある建物まで凍らせてしまい、街中で氷の波を作ってしまった

 

 

「はあ・・はあ・・・・あ!あいつは!?・・・エルガルムは生きているのか!?」

 

『大丈夫ですよ。ヴェルフさん』

 

「そうだぞヴェル吉、彼奴なら・・・ほれ!」

 

 

「ぐぬぬ・・・ぬぬ・・・・ぬぬ・・・ぬぬ」

 

 

「ほれ、生きとる」

 

「化け物かよ!?凍ったのに氷を体で割ろうとしやがって!これだから上級冒険者は・・・」

 

 

全身凍ったとは言え、ちゃんと息はしているようで、ガレスは氷の波で体全身凍ったとしても、体の筋力だけで凍て付いている氷を砕こうと足掻こうとしている

 

全身まで凍りついているのに、それでも息をして体に凍てついた氷を砕こうと足掻く姿に、ヴェルフは上級冒険者と言う存在が化け物だと思っていた

 

 

「なあ?生きているだろ?」

 

「上級冒険者は本当に化け物揃いだな・・・・」

 

「全くもって強大な敵でしたね」

 

「ああ。こんな人間が地上に居たとはな」

 

「命!?グロス!?」

 

『お体は大丈夫ですか?』

 

「ええ、多少の傷はありますが」

 

「動けない程ではないからな」

 

 

命もグロスも気絶から眼を覚ました。ガレスも殺すつもりはないからだと軽く気絶させるつもりで攻撃したのだとわかった。だから早く眼を覚ました。おまけにそこまで動けない程に重症に追い込まれていない。最初から軽く事を済まそうと手加減されていたのだよくわかる

 

だから今回の戦いは運良く勝てたのだと、ヴェルフ達は今回の戦いは実力ではないと、少し悔しくも思うが、ガレスを相手に倒すと言うのはそれだけ苦難だと、今回は運が良いと言うことで勝利を収めたのだと、ひとまずは安心するのだった

 

 

「それでヴェル吉?お前さんたちはこれからどうする?拙僧達へファイストス・ファミリアはお前さん達の味方と言うわけで、今南の方でジークを捕らえようとする冒険者を足止めしている。今ダイダロス通りは冒険者同士の戦いになっている」

 

「ん?どう言うことだ椿?」

 

 

「要するに、まだジークを英雄として信じている手前達のような物好きが、今ギルドの依頼を全うしている冒険者達を止めていると言うわけだ」

 

 

「なに!?」

 

『この街でまだ主を信じている者が!?』

 

 

椿から朗報がやってきた

 

まだこの街で俺を味方にしている冒険者も居るようで、俺を捕らえようとしている冒険者を足止めしているようで、今オラリオ中で内戦が始まっていると椿から聞いた

 

これなら作戦も上手く行きそうだとヴェルフは思っていた

 

だが

 

 

『ヴェルフ君!そっちはロキの子供を抑えられたかい?』

 

 

「この声は!・・・・ヘスティア様!?どうしたんですか!?」

 

 

突然オクルスからヘスティアの緊急連絡が入った

 

声からして焦っている様子、また何か非常事態が起きたのかもしれないと、ヴェルフが内容を聞く

 

 

『南地区から百人程の冒険者が入ってきている!そっちが空いたら止めに行ってくれ!』

 

 

「なんだって!?」

 

「ギルドが増援を要請したんですね!」

 

 

ベル達が北地区を制圧していると言うのに、今度は南からもギルドが冒険者の増援を出してきた。この街を敵に回すと覚悟はしていたが、まさかまだ残っている数が居るとは思いもよらず、今行かなければ俺が居る現地まで辿り着いてしまうとヘスティアから報告を受けた

 

 

『ベル君たちが北地区でジークを捕縛しようとする冒険者達を止めていますけど、今度は南の方からも数多くの冒険者が迫っています!クロッゾ氏!ヤマト氏!止められるのであれば止めに行ってください!!』

 

 

「だそうだ。覚悟はしていたんだ。命?グロス?ノーム?まだやれるな?」

 

「ええ!この程度の傷!まだまだ!」

 

「私もだ!このままジークの借りを返したとは言えないからな!」

 

『もちろん!抑えます!』

 

「椿。お前もここまでしてくれたなら、手伝って貰うぞ?」

 

「構わん。今度は数多くの冒険者だな!武者震いがする!」

 

「わかりました!俺たちはこのまま南を抑えます!」

 

 

『頼む!なんとしてでも止めてくれ!』

 

 

ヴェルフ達は、凍ったガレスをその場に置いて、ダイダロス通りの南地区を目指す。目的はギルドが派遣した冒険者達の制圧、まだまだやるべき事は多く、この街を敵に回すと言うのはそれだけ苦難と言う事だ

 

でもだからと言って、ここで終わるつもりもなく、仲間を三度失った彼らからすれば耐えきれない事だと、どんな状況に置いても足掻き続けるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして中央でも

 

 

「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・これ・・・物凄くヤバい」

 

「冗談にも・・・程があるぞ・・・」

 

 

「あとは・・・・そのお二人・・・だけです!」

 

「流石はロキ・ファミリア・・・ですが・・・こちらにも譲れないものがあります!」

 

「ええ。まだまだです!」

 

「ここで・・・終わらせるにゃ」

 

「久しぶりに・・・体動かしたにゃ」

 

「そりゃあ・・・相手はあの・・・ロキ・ファミリアだからね・・当然でしょ・・・」

 

 

アキ達はリリルカ達に追い込まれてはいるかと思いきや、そうでもなく互角で苦戦している。敵はもうアキとクルスのレベル4のみで、あとは道端に倒れている仲間、

 

でもリリルカ達も体力が限界になっている。ここまで何度も他の冒険者を欺き倒してきたのだ。リリルカに関してはレベル1、アスフィ達の力を借りているとは言え、限界も近い

 

 

だが、そうでもなく

 

 

『これまでです!ロキ・ファミリア!』

 

 

「な!?みんな!?」

 

「俺たちの仲間を!?しかも無傷!?」

 

 

『侮りましたね。私をヒッポグリフのように弱いと思いましたか?』

 

 

こちらにはグリフォンが居る

 

天空の精霊は上位精霊。トップである四大精霊ではないが、倒すならレベル7でなければ、だがあいにくアキとクルスの相手ではない。グリフォンなら竜巻で簡単にバラバラにされる。今は本気を出してないだけ、俺の指示を聞いて『殺すな』と殺害を出さない条件で倒せと指示に入れている以上、グリフォンは本気を出さずにアキの部下達全員を気絶させた

 

 

『さあ!!ここであなた達にはリタイアして貰います!』

 

 

「こんな事をして!タダで済むと思っているの!?」

 

 

「思いません!ですが!ジーク様を助けるためには必要な事です!あなたは友人でもあるジークさんを助けないんですね!」

 

 

「っ!?それは・・・・」

 

「クルス!聞いちゃダメよ!こっちにだって譲れないものがあるんだから!」

 

 

「そうですか・・・・でもそれでなければ・・・リリ達もここまで来た意味がありませんから!」

 

「ええ・・・ここで叩かせて貰います!」

 

「まだ・・・まだにゃ!」

 

「今度こそ・・・助けるにゃ!」

 

「ああ!!・・・まだよ!!」

 

「ええ!・・・あの人に恩を返します!」

 

『お覚悟!!!』

 

 

「ヤバいぞ!アキ!」

 

「く!このままじゃあ!」

 

 

先程から地面に膝を着いていたリリルカ達が、もう一踏ん張りだと、俺を助けるまでは諦めないと精一杯込めて立ち上がる

 

もうアキ達に体力も少ない状態で、更に未だ無傷のグリフォンも相手に戦うなど。流石に限界だと。もはや打つ手がない

 

 

すると

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

 

 

「っ!?なに!?」

 

「なんだ!?あの黒い炎は!?」

 

 

「な!?グリフォン様!まさか!?」

 

『はい!主です!誰かを相手に黒竜の力を使って戦っています!東の方です!』

 

 

突然東の方から、黒い炎の爆発が舞い上がっているのを発見した。グリフォンの気配感知で、俺が東にて敵と交戦中であることを確認し、そして黒竜の力を使っているとも確認取れた

 

その方から建物の屋根に黒い炎が付いているのも確認が取れた。間違いなく派手に暴れているのだと、リリルカ達は思っている

 

 

 

 




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