ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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新たな乱入者

 

 

 

 

「やはりここに居たかジーク・・・・そしてアリアも居るのか」

 

 

「っ!?貴方は!?」

 

 

「レヴィス・・・・・まさかクノッソスから出てくるとはな、だとするならタナトスは今頃焦っているだろうな」

 

 

アイズの元から去ろうとした瞬間

 

 

エニュオの指示に動く怪物、クリーチャー・レヴィスが目の前に現れた

 

 

なぜこのタイミングで出てきたのかは謎だが、明らかに奴の武器であるカース・ウエポンを持っていると言うことは、またも俺を襲うためにここへ来たようだ。しかも奴の目的であるアイズもここに居る

 

どうやらまたも予想外の問題が発生し、俺はレヴィスの方へと体を向けて、なぜここへ来たか問い詰める

 

 

「ここへ来て良いのか?タナトスが助けを必要しているはずだと思うぞ?」

 

 

「あの男神のことは今はどうでもいい。あの神が、今お前が地上で暴れていると教えてもらった。だから私も混ぜて貰おうと思ってな。お前とまた殺し合いができる」

 

 

「神・・・・・・エニュオか」

 

 

神エニュオ

 

都市の破壊者と言われ、今オラリオを壊滅させようと、闇派閥に力を貸す、謎の存在。誰も正体は未だにわかっておらず、それをロキが追っているのだが、詳細も女神なのか男神なのかすらもわからないまま、今目の前に居るレヴィスや、人型の怪物であるクリーチャー達を使って、穢れた精霊である『精霊の分身』や食人花と言う極彩色のモンスターを戦力にした組織の主神

 

闇派閥よりも強力な敵だと思うが、奴が何故地上を攻撃するのか問う

 

 

「タナトスの指示も聞かずにここに来たとはな、それで、なぜエニュオはオラリオを滅ぼそうとする?」

 

 

「彼女は、かつてモンスターに蹂躙された人間の暗黒の時代、『狂乱』と言われるオルギアを再開させたいそうだ」

 

 

「ほう、ダンジョンからモンスター達が地上へと出没したあの千年前を繰り返したいのか。てことは・・・・・・・・奴の目的はモンスターを再びダンジョンから地上へ出すことか」

 

 

エニュオの目的は、あの千年前を繰り返すこと

 

つまりは神々がこの下界に降りてくる前の時代、まだモンスターがダンジョンから地上へと送り込むこと、そしてモンスター達が人間を食べて殺し尽くす所が見たいと言うこと

 

そんな事をしたらいつか天界にも危機が出ると言うのに、そのエニュオは相当に狂気な奴なのか、殺しを楽しもうと殺戮を起こすようだ

 

だが、もしエニュオがそれを目的にクリーチャー達を操っているのであれば、そんな『狂った』事をする神であるなら

 

 

やはりエニュオの正体は間違いなく『奴』なのかと推測する

 

 

そんなことは後で考えるとして、今確かに俺達が起こしたこの事態において、地上で動けるファミリアは限られているだろう、それ以外は俺たちが殲滅しているから、確かに試しに襲撃して地上にダメージを負えるのは確実だろう

 

だが、どのように攻撃をしてくるかだ。今地上はある意味無防備ではあるが、一体何をして攻撃するのか

 

彼女の話を続けて聞く

 

 

「目的はわかった。それで食人花やモンスターをダンジョンから出すだけで簡単に俺を蹴散らせるとでも?」

 

 

俺を襲うのは別に構わないが、仮に地上に食人花を出没させても簡単に排除されてしまうのがオチ、いずれエニュオがこの都市を滅ぼす時が来ると言う脅しにしても

 

どう攻撃する?

 

タナトス・ファミリアと手を組んでいると言う事はクノッソスを利用しているはず、ならそこからモンスターを地上へと出すか。それとも食人花を出すかだが、その程度なら今地上に残っている冒険者も加えれば簡単に片付けられる。もしくは俺だけ出ればいいなど

 

戦力としては問題なく、イレギュラーに対応はできる

 

 

と、考えているとレヴィスが発言する

 

 

「もちろんモンスターや食人花を使うつもりはない」

 

 

「なに?」

 

 

彼女は食人花やモンスターは使わずに俺を攻撃すると発言した。どう言う事だろうか、タナトスの眷属だって、今はリヴェリア達とクノッソスで交戦中のはずだ。クノッソスにウィーネの護衛をリヴェリア達に頼んだのはそれが理由なのだが、だから今レヴィス以外の闇派閥はそれしか動けないはずだ。それともレヴィスだけが動いでここで暴れるのだろうか

 

なぜ彼女が他の者を使わないで、俺を攻撃するのか、よく・・・・

 

 

「っ!この感じ・・・・まさか!」

 

 

「ほう・・・・やはりジークなら気づいたか」

 

 

突然バベルの塔がある方向から魔力を感じた。その魔力は

 

 

もしかしなくても『精霊の魔力』

 

 

それが位置からして『中央広場』辺りに感じる。レヴィスがモンスターでも食人花を用意しないのは、おそらく宝玉の胎児が『もう一つ』そこに用意してあるのであって。間違いなくともレヴィスがいずれ地上に攻撃すると言うのは

 

 

 

「ああ・・・・・・・私はお前と殺し合いがしたい。だが、エニュオがせっかくだから『デミ・スピリット』を地上に出して攻撃してみようと言い出してな」

 

 

「く、まさか地上で奴を出すとは!」

 

 

「あの穢れた精霊をここに!?」

 

 

レヴィスが俺と殺し合いがしたいのが目的でもあるが

 

モンスターとなった精霊と言うデミ・スピリットを。試しに地上へ出してみようと、エニュオの策略らしい

 

非常にまずい状況だ。あの穢れた精霊をここへ出しては、街に大きな被害を受け、最悪魔法を使われたりでもしたらこの街が吹き飛ぶ。

 

エニュオめ、まさか本当に穢れた精霊を送り込むとは、思ってもいなかったぞ

 

その事実を聞いた瞬間

 

 

『ジーク君大変だ!セントラルパークで蛇の体をした人のようなモンスターが!!』

 

 

「今出てきたか!」

 

 

突然オクルスからヘスティアの声が聞こえた。緊急事態の報道が来た。

 

中央広場の方でもうデミ・スピリットが地面から出現したらしく。またもイレギュラーが発生してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央広場

 

ここではダイダロス通りに住まう市民やそれ以外の市民達を集めた避難場所でもあった。だから俺たちが激戦区から逃れた市民においては唯一の安全場所だ

 

だがヘスティアの通告を受ける。5分前のこと

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

「ん?なんだ?」

 

「地震?」

 

「どうして地震が?」

 

 

そこで護衛していた。桜花、千草、ナァーザ、ダフネ、カサンドラ、がその地震に気づいた。俺が起こしているものだと思っていたのだが、その割には揺れが近い。間違いなく自信が起きている中心は自分が立っているこのセントラルパーク

 

なぜこの中央広場から地震が起きるか、突然のことで桜花達は戸惑う。

 

そんな中で

 

 

「これは!?・・・・じゃあ・・・やっぱりあのお告げは・・」

 

「カサンドラ?」

 

 

カサンドラだけが、この地震に驚いていた

 

彼女の予知アビリティが夢に見せていたのか、この地震も昨夜の睡眠の時に見ていた。だから次に何が来る事を知っていたからなのか

 

カサンドラは

 

 

「皆さん!!セントラルパークから逃げてください!!」

 

 

「え?」

 

「なんだ?」

 

「どうした?」

 

 

「カサンドラ!?一体どうしたのよ!?」

 

「ダフネちゃん!みんなを逃して!」

 

「え?なんで?」

 

「この地面からモンスターが!!」

 

 

カサンドラは大きな声で叫んで、全員をこの場から逃がそうとした。もちろん突然の叫び声に、市民や桜花達でさえも、突然のことで驚きはしたが困惑している

 

ただ地面からモンスターがと、叫んだ瞬間

 

 

ドカン!!!!!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

『ああああああああああああああああああ!!!』

 

 

突然地面から、下半身蛇の尻尾をし、上半身は人の上半身をした女の姿の、大きなラミアが出現した

 

カサンドラが夢に見たのは、この光景、地面から大きなラミアが出現した事だった

 

いきなりラミアが出てきたことにより、市民達は

 

 

「「「「「う、うわあああああああああああ!!」」」」

 

「に、逃げろ!!」

 

「なんでこんな所にモンスターが!?」

 

「地面に出てくるんだよ!?」

 

 

突然のラミアの出現に、市民達は一斉に逃げ出して走り出す。

 

一斉にセントラルパークから出ようとする。まさかのモンスターの出現に桜花達も焦りつつも

 

 

「く!市民を守るぞ!冒険者は武器を取れ!」

 

 

「「「「おう!!」」」」

 

 

桜花は指示取って、今ここにいる護衛している冒険者たちが桜花の指示を聞いて、全員武器を取って、その大きなラミアに立ち向かおうとする

 

だが

 

 

『あははははは!美味しそう・・・』

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「喋った!?」

 

「モンスターが!?」

 

 

突然ラミアが喋ったことに桜花達は驚いた

 

もちろん桜花たちがデミ・スピリットと言う怪物となった精霊の存在など知らないため、モンスターが言語を喋ることなど有り得ないと、戦う前に驚いた。

 

だが

 

 

『どれも美味しそうな魔力・・・・・・私にちょうだい!!!』

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

間違いなくとも敵で間違いない

 

このラミアは今でも眼が血眼のように、桜花達を餌だと思って捕食者と同じ眼をしていた。間違いなく自分たちを殺して魔力を奪おうとしているのだと

 

追う形でもわかりやすく、このラミアが喋っていようが敵だと認識した途端

 

 

「く!!みんなこいつは敵だ!!斬るぞ!!」

 

「「「「「「おう!!」」」」」

 

「行くぞおお!!」

 

「「「「「おおおおおおおおお!!」」」」」

 

 

『おいで!私にその魔力を捧げて!!!』

 

 

桜花達はこのラミアがいかに自分たちを殺そうとしたのか、発言してわかっため、

 

間違いなくモンスターとして排除しなければ殺されると分かったため、全員で一斉にラミアに襲いかかる

 

だがこのデミ・スピリットもそのまま殺されるわけもなく、桜花達まで迫りかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「名前としては『ゴルゴン』だ。蛇みたいな奴に宝玉を埋め込んだ」

 

 

「なるほど、だから蛇型の穢れた精霊と言うわけか、厄介な事をしてくれたな」

 

 

デミ・スピリットならマズイ状況である

 

周囲を最も簡単に強力な魔法を放てる精霊となったモンスターとなれば、流石の今動ける冒険者では対応できない。デミ・スピリットは第一級冒険者でなければ倒せない強敵だ

 

俺が出ればいいのだが

 

 

目の前に居るレヴィスが今にも俺に襲い掛かろうと眼が血走っている

 

 

どうあっても俺が早くこいつを始末して、中央広場に駆けつけるしかない。それまでに今中央広場に居る市民の護衛をしている桜花達が死なずに生き残れるとは思えない。況してや魔法を使われたりでもしたら

 

こうなったらと、俺はヘスティアに指示を伝える

 

 

「ヘスティア、俺以外ベル達全員を中央広場に総集して、そこに居るラミアのモンスターを蹴散らせる指示を送れ。今この場の状況にて戦いは一度中断だ」

 

『え!?でも君がこのままだと他の冒険者に・・・』

 

「今は市民の安全が最優先だ!俺ならなんとでもなる。それに他の冒険者でも、あれだけ大きなモンスターを放っておくはずがない。今俺たちは『人間として』やるべきことを全うするんだ。俺たちは冒険者だ。わかるな?」

 

『ジーク君・・・・分かった!ベル君達を一斉に中央広場に居るモンスターを倒すように指示をするよ!』

 

「ああ。俺もこれが終わったら行く。それまでは・・・・どうか生き残ってくれ」

 

 

俺はオクルスにてヘスティアに俺以外の団員や協力者も含めたベル達を急いで中央広場に出現したデミ・スピリットを最優先して討伐するよう招集を掛ける

 

まだ生き残っているならサラマンダーやノームやグリフォンも居る。あいつらならデミ・スピリットにも対応できる。

 

少しでも桜花たちや市民が死なないよう、ロキ・ファミリアの交戦は一時中断して、最優先して倒すべくモンスターを蹴散らすようにと、冒険者としてすべき事を実行させる

 

そして、それだけでは止められるかもわからないため、

 

俺はそこに居るアイズも中央へと送らせる

 

 

「アイズ、中央広場にてデミ・スピリットが出現したようだ。早くしなければそこに避難していた市民達が一斉に奴に殺されるだろうな」

 

 

「っ!私は・・・・・」

 

 

「今お前がやるべき事は、アリアが亡くなった事実に悲しむ前に、この地上に出てきたモンスターを倒すべきじゃないのか?」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「もしアリアが生きていたら、そうしていたはずだぞ」

 

 

「・・・・・・・・・・・うん、戦う。私はモンスターを倒す」

 

 

「なら行け。市民を守るんだ、冒険者としてな。こいつは俺が引き受ける」

 

 

「うん!」

 

 

そうして俺はアイズを中央広場へと送り込む説得をした

 

まあ少し誘導させたと言っても過言じゃないほど、アイズの都合を考えない事をさせたのもあるが、アイズは一度デミ・スピリットと戦っている。経験者が居ればいいと思い送り込んだ見込みでもある

 

レヴィスは当然俺が引き受けると言うことで、この場から離脱するアイズを、レヴィスは何もする事なく素通りさせ、俺の方へ振り向く

 

 

「アリアもついでに貰おうと思っていたが、まあいい、ジークが私と『同じ存在』になって戦えるんだ。こっちの方が私の最優先すべき事だ」

 

 

「同じ存在か・・・・・まあこの左腕では仕方ないだろうな」

 

 

あえてレヴィスがアイズを狙わないのは、自分と同じクリーチャーにでもなった俺と戦うため、左腕は黒竜の腕、間違いなく俺もクリーチャーとして同一の存在であろう。そんな自分と同じ怪物となったのなら、力も数倍に上がっているはずだと。怪物の本能か、あるいは彼女の今の欲望なのか、怪物となった俺と殺し合うことを望んでいる

 

 

「竜の腕か・・・・ジーク。お前も私と同じ怪物だったとはな・・」

 

 

「バカなことをした結果だ。だが好都合だろう。お前からすれば」

 

 

「ああ。私にとっては好都合だ。こうして・・・・ジークが私と同じ立場で戦えるのなら!!!」

 

 

「ダンジョンで怪物となったお前、怪物の心臓を食べて怪物となった俺、どちらが上か・・・・・・・・・殺し合ってハッキリさせるとしよう」

 

 

「さあ、狂乱の時だ!!ジーク!!!」

 

 

「化け物のお前は、絶滅が運命!」

 

 

ガキン!!!!!

 

 

俺のグラムと彼女のカース・ウエポンが激しくぶつかり合い

 

フィンとベートが激突するよりも激しく、赤い火花と黒い雷がお互いの刀身から噴き出す。この場にある地面は砕け、天に衝撃が舞い。空に浮かんでいた俺の雷雲が一斉に晴れていく

 

レヴィスも前よりも魔石をたくさん食したのか、俺に対抗できる力を身につけてきたようだ。前回のように簡単には落とされないようにしているのが感じられる

 

 

「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

 

あの無口なレヴィスでさえ、俺との戦いには叫んでいた

 

余程化け物になった俺と殺し合う快楽に目覚めたのか、顔が笑っている。何も興味を持たないこの女が、唯一俺との殺し合いを楽しむ。俺のフレイ・フェロモンが原因なのか、真相はわからないが。少なくともこいつが俺と同じ存在になって殺し合うのを楽しんでいる。前回のイシュタルの地下で再び争ったことを学習して、俺が自分と同じ怪物だったことを知ったからだろう

 

尚更挑まずには居られない上に、どこかで俺が黒竜に変身した事を耳に嗅ぎつけて来たのだろう

 

完全な怪物となった俺と戦えればなんだっていいと、今この本能が目覚める戦いをただ彼女は楽しんで、俺に斬りかかろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央広場では

 

 

『ねえ?それでお終い?全然面白くないんだけど?』

 

 

「く、くそお・・・・」

 

「なんて強さなのよ・・・」

 

「どうするのよモルド?」

 

「こいつ・・・めちゃくちゃ強いぞ・・・」

 

「なんでこんな・・・化け物が・・・地上に出るんだよ!!」

 

 

ゴルゴンと言うデミ・スピリットは、容赦なく桜花達を尻尾を振り回して撃退していく。まだ死者が出ていないのと、魔法を使われていないだけマシかもしれないが

 

それでも桜花達やモルド達レベル2や3しかいない冒険者では、あのデミ・スピリットを倒すことは力不足

 

このままだと、まだ逃し終えていない市民が守れない。今は千草とナァーザとカサンドラに市民の避難を誘導をしているのだが、このまま倒すことすらできないまま、やられるだけ市民すらも守れないだろう。どうあってももっと増援がなければ倒せないレベルだろう

 

 

『そろそろ飽きてきたし・・・・・あなた達から魔力を貰いましょうか!!』

 

 

「く!まずい!?」

 

「どうすれば!?」

 

 

ゴルゴンは桜花たちと戦っているのを飽きたのか、そろそろトドメを刺して、桜花達から魔力を吸い上げようと尻尾を振り回してきた。

 

このままだと街までも壊されてしまうと桜花は予想するが、その前に敵が攻撃してくる。だが盾もないから防ぎようがない

 

だが

 

 

 

 

 

「ファイア・ボルト!!!」

 

「ルミノス・ウインド!!!」

 

 

『っ!?ぎゃあああああ!!』

 

 

「な!?この魔法は!?」

 

「だ、誰!?」

 

 

突然街の方から、炎と風の弾丸が飛んできた。

 

その炎と風の弾丸がゴルゴンに直撃し、増援が来たのかと桜花達は魔法が飛んできた方を向く、その中で桜花とダフネがその魔法名を聞いたことがあった。今やってきた援軍は間違いなくとも

 

彼らだった

 

 

 

「桜花さん無事ですか!」

 

「助けに来ました!」

 

「助太刀するぜ!人間!」

 

『クリーチャーめ!蛇に宝玉を埋め込んだか!』

 

「あれも敵でいいのか?」

 

 

「ベル!?あんたは18階層のエルフ!?サラマンダー!?」

 

「ベル・・・・・・・って!?なんで武器を持ったリザードマンとミノタウロスが居るのよ!?」

 

 

東の方から出てきて助けに来たのはベルが率いる部隊。

 

ヘスティアの指示を聞いて急いでこの場に駆けつけられたようだ。この場にリドやアステリオスも居るが、今あのデミ・スピリットと言う強敵を目の前にして、リドやアステリオスの力も借りないわけにもいかず、冒険者や市民の前に姿を表す

 

更に

 

 

「俺らも居るぞ!大男!」

 

「またもあの化け物の精霊か!あの時は支援しかできなかった上に少し姿は違うが、今度は手前の腕を試せる!」

 

「あれがそうなんですね?ノーム殿?」

 

『はい!あれはモンスターとなった精霊です。敵として斬ってください命さん!』

 

「リドもアステリオスも無事か!」

 

 

「ヴェルフ!?椿さん!?命さん!?」

 

「ノーム様!?ご無事で!?」

 

「グロスも無事だったか!?」

 

 

今度は南の方からヴェルフ達が現れる

 

ヴェルフ達もヘスティアの指示を聞いて、ここまで駆けつけたようだ。ちょうどベル達と数分前で到着する。ガレスや他の冒険者達と戦った後だが、それでも冒険者としてモンスターを倒すのであれば、市民のためではなく自分のたちのやるべきことだと。俺の指示でなかろうとヴェルフ達は自分の成すべきことを、冒険者として討伐を尽くす

 

 

これだけでなく

 

 

「ベル様もヴェルフ様も無事ですか!」

 

「こちらも加勢します!」

 

「力を貸しますよ!」

 

『地上に穢れた精霊を解き放つとは、やはり闇派閥の仕業ですか!』

 

「今度は本当にモンスターかにゃ!?」

 

「見る限り、ただの大きなラミアにしか見えないにゃ」

 

「あれがモンスターになった精霊とは言い難いよね・・・」

 

 

「リリ!?グリフォンさん!?」

 

「アンドロメダ!?無事だったんですね!」

 

「レイも無事だったんだな!」

 

「豊饒の女店員も!」

 

 

西の街からリリルカ達部隊もここへ辿り着いた

 

本当は戦闘途中であったのだが、今は同業者同士で争っている場合ではないと。今は冒険者として倒すべき敵を倒そうと、全部隊がここへ総集した

 

 

だが

 

 

 

『こ、この!人間共がああああああああああああああああああああ!!!』

 

 

 

「来ます!!」

 

「来るか!!」

 

 

突然の魔法攻撃をまともに喰らったのか、ダメージは入っていてもやられたまま終わるはずもなく、初めに攻撃が通ってしまったイラつきにより、ゴルゴンはまたも尻尾で大きく振りかざして一斉にベル達を吹き飛ばそうと動いた

 

 

だが

 

 

「「でやああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」

 

 

『は!?ギイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?』

 

 

「な!?あれは!?」

 

「まさか!?」

 

 

突然ゴルゴンの横から、二名ほどの者達が飛んできた

 

そしてゴルゴンの顔を斬り刻んだ。そしてそのままゴルゴンの後方へと地面に着地した

 

ゴルゴンに切り刻んだ二名の助っ人は、まさかの人物

 

 

「なんかよくわかんないけど!モンスターなら倒すしかないよね!」

 

「喧嘩している間に、モンスターの声がすると思ったら、なんでこいつが地上に出てきているのよ!」

 

 

「ティオナさん!?ティオネさん!?」

 

「味方でいいのか?」

 

「あれを斬ったのですから間違いありません!力を貸してくださいお二人とも!今は争っている時ではありません!」

 

「ティオナ!ティオネ!ジークが言っとたんだが、このモンスターはデミ・スピリットだそうだ!あの59階層と同じだぞ!手前達の敵だ!」

 

 

「え!?デミ・スピリット!?」

 

「てことは敵ってことでいいのね?なんでここに出てきたのかはわからないけど、あの怪物の精霊なら倒すまでね!」

 

 

ティオナとティオネだった

 

喧嘩の最中だったのだが、突然中央広場から聞いたことのある声を聞いて駆けつけてきたようだ。アスフィと椿の話を聞いて、これが59階層で戦ったデミ・スピリットと同じだと聞いて、これが倒すべきモンスターだと認識して、ティオナとティオネも助っ人として参加する

 

 

それだけではなく

 

 

 

 

「デミ・スピリット・・・・・ラミアと体格は同じ。ジークの言う通りだった」

 

 

 

「「アイズ!?」」

 

「アイズさん!?」

 

『アイズ・ヴァレンシュタイン!?』

 

『アリアの娘!?』

 

 

『っ!?アリア!?』

 

 

最後にアイズ・ヴァレンシュタインが現れる

 

俺の言う通りに動いて、冒険者が倒すべきモンスターを排除すべく、そして自分の望みでもあるモンスター退治を全うするため、今は俺を捕縛するよりも、市民を守るためにモンスターを討伐する

 

 

「ベル・・・・・・私も一緒に戦う。デミ・スピリットは放ってはいけない」

 

 

「アイズさん・・・・・・・よし!皆さん力を合わせて戦いましょう!このモンスターを倒して街の人たちを守るんだ!!」

 

 

『「「「「「おう!!」」」」』

『『「「「「「はい!!」」」」』』

 

 

アイズ加勢してくれることを聞いて、今はお互い争いをせずに、冒険者としてデミ・スピリットを討伐する

 

ベルが率先してこの場に集まる者たちを先導する。

 

もちろんデミ・スピリットに魔法を使わされれば、この街は一瞬で吹き飛ぶ。それを邪魔するように襲いかかるしかないと、サラマンダー達の力も借りて挑む

 

 

『アリアに・・・サラマンダーに・・・ノームにグリフォン。嬉しいわ。なんとも懐かしい面々が揃っていて、つまりは・・・・私の魔力になってくれると言うわけね!』

 

 

「貴女は私たちが倒す!」

 

『誰が貴様のような怪物に魔力を渡すものか!!』

 

『貴女など!もはや同族ではありません!!』

 

『モンスターのように灰になっていただきます!!』

 

 

ゴルゴンは。元は精霊であるからなのか、怪物になる前の精霊としての記憶を持っているため、懐かしき大精霊に会えたことで懐かしむが、本能に生きる怪物であり、かつての仲間でもあるのに、サラマンダー達やアイズの魔力を奪おうとする

 

もちろんサラマンダー達やアイズまでもが、精霊として扱っておらず、モンスターになった精霊であるため、理性があっても殺しをするのであれば敵だと。

 

大精霊であるサラマンダーやその血を引くアイズでも容赦無く斬る

 

 

 

「行きます!!!あのゴルゴンに魔法を使わせずに倒します!!!」

 

 

「「「「「「「「『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」」』』』

 

 

『嬉しいわ!こんなに獲物が大量に!私の魔力となれええええええ!!』

 

 

ベルの掛け声から一斉に全員でゴルゴンに立ち向かう

 

ゴルゴンもそれに合わせてベル達を襲う

 

アイズやティオネやティオネや椿と言うデミ・スピリットを倒した経験者の力を借りれるのだから、少なくとも勝機はある。でも魔法を使われたらこの街も住む市民も命はない。絶対に魔法を使わせないように、何がなんでも隙を作らずに追い込まなくてはならない

 

千草やペルセフォネやカサンドラが市民を避難をさせているが、それでもまだ避難が済んでいない

 

 

そんなリスクのある現状で、なんとしてでもこのゴルゴンと言うデミ・スピリットの討伐を、非難しきれていない市民の前で繰り広げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

ガキン!ガキン!!ガキン!!!

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!

 

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

 

俺とレヴィスは

 

未だに自分の持つ長剣一つで斬り合い続けていた

 

剣と剣がぶつかり合う鉄音がその広場に鳴り響く、剣同士がぶつかり合うだけでなく、その衝撃と斬撃で少しお互いの体や手や頬のあちらこちらに傷が入り血が垂れる。まだ俺も黒竜の力や魔術も使わずに剣捌きで斬っている。レヴィスも同様、モンスターになるまではレベルは幾つだったのかは知らないが、俺の剣捌きに付いて来ている。怪物になるまでレベル4はあったはずだと予想する。でなければ数十分も剣をぶつかり続けることなどできるはずがない

 

レヴィスも相当の腕を持つクリーチャーだとわかった

 

でも魔石を前よりも食い尽くして力を付けたのだと予想は付いている

 

だがここで、レヴィスが剣のぶつかり合いに飽きたのか、戦いながら俺に質問をしてきた

 

 

「ジーク!・・ふ!・・・その竜の腕の力は・・・ふ!・・・使わないのか!」

 

 

「未制御な力を・・・そう簡単に安易と・・・使うわけがない!」

 

 

「このまま剣だけでは・・・・いつまで経っても・・・終わらんぞ!私はそれでも構わんがな!」

 

 

「確かに・・・・このままぶつかり合うだけでは・・・・今セントラルパークで暴れているデミ・スピリットを放っておく事になる・・・・そういうわけにはいかないからな!」

 

 

レヴィスとの戦いに時間をかけるつもりはない

 

アイズも居るだろうから、ベル達が負けることはないとは思うが、あの新しいデミ・スピリットが何かベル達に予想のつかないことをするかもしれないと、なぜか試しにデミ・スピリットを地上に出現させるのに、何か理由があるのではないのかと、疑わしさを感じる

 

急いでレヴィスを倒して駆けつけたいのだが、前よりも魔石を喰って力を付けたのか、前よりもレヴィスとの戦いは苦戦を強いられた

 

 

「だが、私もこのままではお前に勝てない。カースはお前に効かないことは分かっている。なら・・・・・・・・これならどうだ!!」

 

 

「っ!魔剣!ダンジョンに挑んだ冒険者を襲って奪ったのか!」

 

 

レヴィスはこのままでは埒が明かないと、流石に斬り合いだけでは満足できずに奥の手を使ってきた。だからと言って、俺にカースが効かないことは前回の戦いで学習済み、いくら魔石で能力を高くしても勝てないともわかっている。だから一度下がり、手に持っていたカース・ウエポンを捨て

 

背中に背負っていた武器があった、風呂敷に包まれていた剣と思われる物、それは

 

 

魔剣だった

 

 

おそらくダンジョンで探索している冒険者を襲って、その者から奪ったに違いないと予想する。まさか武器を盗んでまで俺に斬りかかろうとするとは、思いもしなかった

 

 

「ジーク!!竜の力を使わなければ死ぬぞ!!使え!!」

 

 

「っ・・・・・・・」

 

 

レヴィスが風呂敷から解いたのは、炎の形をした刃の大剣。ゴブニュ・ファミリアが製作した武器であることは間違いなしの良い魔剣だ。おそらく豪炎を出すことのできる威力を発揮するレアな魔剣に違いない

 

確かにレヴィスの言う通り黒竜の力を使わなければ魔剣は防げない。だが次使えば、今度は体の『左半分のどこかが怪物化』する。つまりは体の一部が黒竜の鱗になる。そんな犠牲が伴われるだろう

 

 

「はああ!!死ねえぇぇ!!!!」

 

 

ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

「ぐっ!?」

 

 

レヴィスから放たれた魔剣の能力が容赦なく襲いかかり、俺の体を焼き尽くした。まあこの魔剣がどのような力を発揮するのか試しに受けてみた。その理由は

 

魔剣であろうとも、黒竜の心臓に侵食されたこの体は耐え切れるのか試すためだと思っていたのだが

 

黒竜の力を使えば、体は黒竜の体となるのだが、

 

 

そんなことは気にしないくらい、体はもう怪物と化していると確信していたからだ

 

 

奴の魔剣を受けたのはもうそれがハッキリするか確認のため、魔剣の炎が左半分が痛みを感じない。その確信も確認も取れた。もはや躊躇う必要もない。怪物として為すべきことをすべきだと、俺の考えまで怪物と化していた

 

だから

 

 

「ふん!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

レヴィスの火炎の中、俺は左腕の拳を強く握り、そこからルーン文字が流れた。その流れたルーン文字から紫色の氷が放出し、その黒い氷は俺の左腕に纏わりつき、まるで氷の手のように左腕全体が結晶化する。それだけでなく俺の左腕に纏わりついた黒い氷から冷気が漏れて俺の体から吹雪が流れた、まだ黒竜の力が未制御なのか黒い吹雪がオーラを纏うように、俺に襲い掛かった魔剣の炎を跳ね返した

 

 

 

「なに!?」

 

 

「お望み通り、黒竜の力を使ってお前を倒す」

 

 

レヴィスの魔剣の炎を吹き飛ばしてことでやっと反撃ができる。俺が流したルーン文字はニブルヘイムなのだが、黒竜の力である。俺のまだ一度も使ったことのないレアスキル

 

呪龍怨念(ファーブニル・フルーフ)が連動して、ニブルヘイムであるダイヤモンドのような結晶体の氷が紫色の氷に変わったのだ

 

呪龍怨念(ファーブニル・フルーフ)は相手を憎む度に力と防御が倍に増幅。更に相手に呪いをかけてスキルと魔法や能力を封印する。モンスターも可能。このレアスキルが俺のルーン魔術と連動して発動してしまった。だからレヴィスの魔剣の能力である炎を無効化し、俺に襲いかかる炎が吹き飛んだのである。

 

言うなら、これはルーン魔術とレアカースの融合魔術。その新しい魔術を

 

 

俺はレヴィスの魔剣を拳で砕く

 

 

 

「ニブルヘイム・ドゥンケル!!!」

 

 

「ぐ!?これは・・・・闇の氷!?」

 

 

闇のような紫の結晶体となった氷を纏った拳が、レヴィスの魔剣の刃に直撃した。凍えるような冷気が全体に広がり、俺の地面や周囲にある建物が少しだけ凍てつく

 

すると

 

 

ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキ!!!!!

 

 

「っ!?魔剣が!?」

 

 

俺の氷の拳が、レヴィスの魔剣全体が決勝が出来上がるように凍てつき、咄嗟にレヴィスは魔剣の柄から手を離したことで、手まで凍らずに済んだ

 

結晶化した魔剣は床に落ちると

 

 

バリン!!!

 

 

「魔剣が粉々に!?」

 

 

おそらく最上級の魔剣だと思うが、その魔剣が床に落ちて地面に着いた瞬間に、破片や氷の結晶すら残らずにガラスが砕けるように破れて消えた

 

 

「逃がさん!」

 

 

「まずい!・・・・・っ!?足が!?」

 

 

拳はそのまま収まることなく、そのまま武器を無くしたレヴィスが、一旦下がって一度捨てたカース・ウエポンを取りに行こうとするが、先程の俺が放ったニブルヘイム・ドゥンゲルが地面も凍てつき、レヴィスの足が本人の知らずに凍てついていた。おかげで動けずにそのまま拳を振り尽くすことができた

 

 

「終わりだ!!!」

 

 

「ぐ!?ぐわあああああああああああああああああ!!!」

 

 

あのレヴィスが、俺の一撃を腹で直撃して悲鳴を出した

 

流石のレヴィスでも俺の魔術と黒竜の力が合わさった呪いの魔術は完全に効くようだ。呪いと全てを凍てつく紫の氷が、レヴィスに。黒竜が見た記憶からゼウスとヘラの眷属達を殺して苦しんだと同じく。

 

彼女も黒竜の力には無力に滅びるのだった

 

だが

 

 

「ふ!フハハハハハハハハ!!・・・さすがはジークだ!!・・・・ははは・・・・・・はははははははは!!」

 

 

「はあ・・・はあ・・・・・瀕死に追い込んで吹っ飛ばされて尚・・・・・喜ぶか、怪物女め」

 

 

レヴィスを俺は上空に向けて殴り飛ばしたのだが、その吹っ飛ぶ際にクリーチャーであるレヴィスは笑った。かつて喰らったことのない下界最強の竜の一撃を直撃され、剰え喜んだ。レヴィスは空を飛んで行くように、オラリオの外壁まで飛んでいった

 

俺との闘争心が快楽となった唯一のレヴィスの楽しみであり、もう彼女は立ち上がれないだろうが、それでも本望だろう。彼女が得たかった快楽なのだから、

 

満たされたなら、これで終わりにできる

 

 

「これでゴルゴンの所へ行ける。倒すべき敵を殲滅するまで、それでこの戦いが終わるかは・・・・・・わからないが、奴を放っておくことはできない」

 

 

レヴィスがこの場に去っても、俺の戦いは終わらない

 

今セントラルパークに出現しているデミ・スピリットであるゴルゴンと言う敵が居るのであれば、放っておくことはできないと足を運ぶ。

 

それと今思ったのだが

 

 

ゴルゴンと言うデミ・スピリットを地上で試しに出すのかの理由が想像できた。

 

 

レヴィスが言っていた。エニュオは人間達がモンスターに食われる所が見たいと言う地上の殺戮を望んでいた。そしてデミ・スピリットが中央広場に召喚された。中央広場と言うことはダンジョンの入り口であるバベル。つまりは・・・・

 

 

バベルを壊せるか、試すつもりで召喚したのだろう

 

 

バベルを壊せば、ダンジョンの入り口が崩壊し、ダンジョンからモンスターが放たれるだろう。それが実現できるのかどうかを試すために、わざわざ中央広場に召喚したのだろう

 

魂胆としては想像できた

 

だが、俺が警戒すべきはそんなことではない。デミ・スピリットが魔法を使わずに居られるかだ。サンダーレイやアイシクル・エッジ、ライト・バースト、カエルムヴェールはまだそこまで被害は出ないが、

 

 

メテオ・スウォーム、ファイヤーストームは危険だ

 

 

あれは周囲を一帯を覆い尽くす最上級の魔法だ。そんなものを発動されたらこのオラリオの街は終わる。それをノームやサラマンダーやグリフォンは承知しているから問題ないと思うが

 

 

だからと言って駆けつけないわけにはいかないと、俺はダイダロス通りを出て中央へ走った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央では

 

 

「はああああああああ!!」

 

「でやあああああああ!!」

 

 

『ぐ!?おのれ!人間風情が!!化け物風情が!!』

 

 

「「うおおおおおおお!!」」

 

 

『ぐ!?こんなカスみたいな生き物に!!!』

 

 

流石のデミ・スピリットでも。ベル達と言う数に苦戦を迫られる

 

ベル達人間だけでなく、サラマンダー達大精霊、そしてアステリオスと言うゼノス達、これだけの戦力にゴルゴンも反撃ができない。

 

 

「私たちが59階層で戦っていた時よりも有利だよ!」

 

「まさかジークのファミリアやモンスターに助けられるなんてね!」

 

 

59階層で戦ったデミ・スピリット戦よりも、今のデミ・スピリットは有利に戦えた。これはティオナとティオネが思っていることだが、ベル達と共に戦うことで、ここまで有利になるとは思いもしなかった

 

特に・・・・・あのアステリオス達と言う喋るモンスターに助けられて共に戦うなど、モンスターを敵だとしか認識できないティオナとティオネが、まさかの敵と共闘するのだと信じられない事態になったが、今は倒すべきデミ・スピリット討伐のために、彼らを敵ではないと認識して、共に戦う

 

そして・・・・・アイズは

 

 

「く!」

 

 

「大丈夫ですか!?アイズさんと言う方!?・・・・っ!?傷を!?リリルカさん!!」

 

「メガポーションです!剣姫!」

 

 

「あ、ありがとう!」

 

 

『っ!アリア!!!』

 

 

「は!?危ないアイズ様!」

 

「リリルカさん!?く!!二人とも伏せてください!」

 

 

「っ!?」

 

 

アイズがゴルゴンの尻尾の打撃を直撃した所を、リリルカとレイに助けられ、メガポーションをリリルカが受け取った直後、ゴルゴンがアイズから魔力を奪おうと集中して狙う。その襲撃に気付いて、リリルカは怪我を負ったアイズを抱いて守り、レイは盾になろうと翼腕で防ごうとする

 

そのモンスターに守られる光景をアイズは目撃し、

 

彼らが本当に敵ではないと、頭ではなく心で認識した。それに守られるだけで終わりたくないと、アイズはリリルカの手を退かして、レイよりも前へ出て、二人を守る

 

 

「はあ!!」

 

 

『く!このお!!』

 

 

「アイズ様!」

 

「アイズさん・・・」

 

 

「大丈夫。みんなを・・・・守る!!やあ!!」

 

 

『ぐ!?小賢しい!!』

 

 

アイズはゼノス達は決して敵ではないことを分かったのか、レイも一緒に守ってゴルゴンを斬りに走る。獣人と同じだとやっと理解できたのか、彼女はリドもグロスも、あの強力なミノタウロスであるアステリオスまでも、彼女は守ろうとしていた

 

 

『おのれ!!・・・っ!?ぎゃあ!!』

 

 

「皆さん!このまま追い込みますよ!」

 

「うむ、引き受けた」

 

「分かったぜ!」

 

『追撃や蓮撃を続けてください!』

 

『超長文詠唱でも!攻撃を続ければ撃てる隙などあるまい!!』

 

 

『お、おのれ!!!』

 

 

ベルの指示を聞き、サラマンダーやノームの助言を聞いて、ゴルゴンに一切の魔法攻撃をさせないように追い込んでいた。メテオスォームやファイヤーストームは超長文詠唱でも、攻撃を続けられれば発動することはできない。それ以外はベルと同じく名前を出すだけで発動できるが、アステリオスや椿やグリフォンやアイズや武器や魔法で弾かれてサンダー・レイやアイシクル・エッジを発動しても塞がれてしまう

 

後ろにはヴェルフの部隊、目の前にはベルの部隊、左にはアイズ率いるリリルカの部隊、右にはティオナとティオネ。完全に囲まれていて身動きが取れない状態となった

 

 

流石の追い込まれように、ゴルゴンは

 

 

『鬱陶しいわね!それなら・・・・・これでどう!!』

 

 

「な!?」

 

「自分の体を尻尾で絡めた!?」

 

『まさか!?尻尾を盾にして、その隙に詠唱をする気か!?』

 

「「「「「「「え!?」」」」」」

 

 

ゴルゴンは、逃げ場がないと理解した瞬間、ゴルゴンは自分の尻尾を盾代わりに体を包むように絡めて、その間に一斉にベル達を一掃しようと、超長文詠唱を始める

 

 

『一気に滅ぼしてあげるわ!!(火よ来たれ!!)』

 

 

『まずい!?ファイヤー・ストームだ!!』

 

『皆さん!攻撃してください!!』

 

『このままだと!オラリオの街が焼き野原になります!!』

 

「だけど!」

 

「この尻尾が硬い!!」

 

 

ゴルゴンが一斉にベル達を蹴散らそうと、ファイヤー・ストームを発動しようと詠唱始める。ファイヤー・ストームを打たれると、オラリオの街は吹き飛ぶのは確実、それを阻止しようと、ベル達が止めに行くのだが、ゴルゴンの尻尾はとても硬く。武器や魔法でも傷が付かない。なにもできないまま、ゴルゴンの詠唱は続けられた

 

 

『燃える空燃える大地燃える海燃える泉燃える山燃える命!』

 

 

「く!このままじゃあ!」

 

「どうすれば!」

 

 

ベルやアイズでも。これをどう突破すればいいのか、手段がなく、手も足も出ない。このままゴルゴンの詠唱が完成すれば、このオラリオは滅び、アステリオスも魔剣は使用し尽くしてしまい、完全に打つてはない

 

 

「みんな!」

 

「だけど!?攻撃が効かない!」

 

「あの怪物に魔法を打たれてしまう!」

 

「市民の皆さんも避難を完了したのに!」

 

 

ゴルゴンの出現に合わせて、ヘスティア達も市民の避難を手伝っていたのだが、今避難を完了した市民すらも、一人残らず燃え尽きてしまうと、ヘスティア達でもゴルゴンが発動しようとする魔法の恐ろしさを体で感じた

 

どうすれば詠唱を止められるのか、必死に止める方法を考えているが、それでもゴルゴンの詠唱が早くて、追撃しようにも攻撃が尻尾で通らない

 

 

このまま撃たれてしまうのかと、諦めかけていた時

 

 

「ジーク!早く来て!」

 

 

シルだけは、まだ辿り着いてない俺になんとかして貰おうと、ただ俺が早く中央広場に辿り着つくように祈っていた

 

 

 

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