次の日
原初の炎を清めるのは二日後、色々と準備が必要であるため、今日はベルと春姫が念願のオリンピア観光めぐりである
だが
オリンピアも全部回るにしては難しい程、オラリオ程遠いらしく、手分けして好きな所を回ることが決まった
班を作って分担して観光する
ベル班にヘスティア、案内役イリア
ヴェルフ班にヘファイストス、アイシャ、命、案内役巫女のアエミリア
アスフィ班にヘルメス、リリルカ、春姫、案内役の巫女のミヌキア
俺の班にリュー、ウンディーネ、ノーム、案内役のレア
の班に分かれて、今日一日回ることになった。
もちろん回る範囲は限られていると、レア達巫女達に注意はある。それは何があっても外壁の外に出ることはしてはいけない
理由はここでもモンスターが出るからだそうだ。
流石に原初の炎の結界が貼られていても、安全のために教団以外やそれなりの理由が無い限りは市民でも外壁へ出ることは許されないことになっている。
その理由は安全としてはその通りなのだが、モンスターの気配は俺の感知を感じる限りはしないのだがな
まあ、別に確認する必要はない。今は観光を楽しむことにしよう。まあ俺はの場合は『確認』だがな
なのだが
「ではジークさん。こちらではオリンピアの鍛冶職人が製作したアクセサリーです。いかがでしょうか?」
「ああ、そうだな。オラリオに負けないくらい輝かしいアクセサリーだな」
「こちらには良い食材が揃っていますよ」
「ほう、それは興味あるな。確認したい」
「『『・・・・・・・』』」
なぜかレアは俺に何かとオリンピアのオススメスポット紹介してくる。
俺以外にもリュー達が居ると言うのに、なぜかレアは俺だけを何かと勧めてくる。どういう理由で俺ばかりに勧めるのかはわからないが、先程から俺ばかり贔屓するかのように、リュー達には軽い案内ばかりして、次も俺だけなぜかオススメしてくる。まあ食材に興味があるのは事実
そんなことなかりしていると、不自然にリューがレアの行動に質問する
「レアさん、何かとジークさんばかりにお店のお勧めなどをしていませんか?」
「え!?そ、そんなことないですよ・・・」
『動揺していますね。明らかにジークさんに媚を売るように見えます』
『レアさん。もしかして主に一目惚れしたわけじゃあないですよね?』
「え!?そ、そんなことないですよ!ちゃ、ちゃんと皆さんに案内しているつもりです!」
「つもりって事は・・・・・やはりそうなのですね?」
「だから違いますって!」
媚を売るような事をされているわけではないと俺も思う、俺が単に疑わしいのと変に鋭いからと、隠している事を悟られないように、俺に機嫌を取らせて、謎めいたところを視線を逸らさせようとしているだけとしか俺には思えない
まあ確かに、昨日は『ジーク殿』と言っていたのに、次の日に『さん付け』をしてくるのは気になるが
リュー達の方は、全然仕事の考えではなく、女性らしい恋愛面のような考えをしているようだ
レアも本気でそんな事を思っているなら、旦那に悪いと思わないのだろうか、これが不倫と言う者だろうか
いや、そもそももしそんな事を考えているなら、レアはもしかしなくとも俺の事に関して勘違いしているのではないかと思い、一応質問してくる
「レア。お前、俺を何歳だと思っている?」
「え、えっと・・・・・予想で言いますけど・・・・・25歳程でしょうか?」
「やはりか・・・・・確かに俺は身長はかなり高い方だが、俺はまだ成人していない19歳だ」
「え!?そうなんですか!?私より年下なんですか!?と言うよりまだ子供!?てっきり大人びているから成人男性かと!?」
「ああ、どうやらしっかりと誤解しているようだ。それとお前達もレアがそんな事をするわけないだろ?彼女は娘二人を養っている二児の母だぞ?」
「『『え!?てことは人妻!?人妻が成人前のジークさん((主))を狙っていると!?』』」
「なぜそれでも彼女が俺を狙っていると思うんだ?普通に旦那が居るから無いと思うのが当然のだが?」
やはりレアが俺が子供だと理解していなかった。確かに俺は185くらい身長があるからな。大人びているって言われても仕方ないと思う。それでも思うのならきっと性格が問題なのだろうか
まあなんにしても、リュー達がレアが虹の母ならそんな事ありえないとすぐ旦那が居ると言う事が常識的に考えられるのはずなのだが
「あの・・・・ご家庭の事を皆様に言う必要はないと、言う気はなかったのですが、私の旦那は五年前にとある戦場で亡くなりまして」
「『『っ!?』』」
「そうか、すまない。苦しい事を聞いて、知らないとは言え、悲しい事を言わせてすまなかった」
「い、いいんですよ!旦那が居なくても今はなんとかやっていけてますので」
「だからジークさんを狙って、新しい伴侶を得るつもりですね」
『なるほど、今度は人妻ですか、主。モテ過ぎです』
『まさかとは思いますけど、人妻に主は興味ありますか?』
「だから違いますよ!?」
「お前達、もういろいろ彼女に失礼だろ」
旦那が居ないとは知らなかった。心苦しい事を言わせてしまった事を、すまないと謝罪する。
でも、旦那が居なくてもなんとか生活できているって言っているのに、新しい伴侶を得るために俺に近づこうとするなど、どう考えてもあり得ないとしか思えない
リュー達も案内されている身で、色々案内人に失礼な事を言う立場ではないと思うのだが
ドン!!
「っ!?」
「っ!リュー。大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。誰かに後ろをぶつけられて・・・」
「・・・・・・」
「ん?少女か?」
「っ!?」
突然後ろから、リューは誰かにぶつかってしまい。倒れそうになる所を俺が受け止める。
後ろ振り返ると。水色髪のまだ10代以下の年齢の少女。手には花束を持っている。おそらくそれを持って急いで何処かへ向かうはずだったあ、前を見てないでリューにぶつかったようだ。ぶつかった事で少女は花束を落としてある
そしてなぜかその少女を見掛けた瞬間、レアがなぜか顔をしかめる。誰か知っている人間なのだろうか
いや、この少女を見る限り、間違いなくこの子は
「危ないですよ。走る際は前を見て走ってください」
「私はシオン。妹の『シアテ』のためにお花を持っていくの。私お姉ちゃんだから」
「そうですか、でも気をつけてくださいね」
「シアテのために、お花を持っていくの、病気でベットから出られないから」
「そうなんですね。とても貴方は偉い子です」
「私、お姉ちゃんだから。シアテのためならなんだってするの!」
「そうですか、なら尚更気をつけて走ってください。ほら花束を落としましたよ?」
「ありがとう。またねお兄ちゃん!」
「お、お兄ちゃん!?」
「・・・・・・・」
シオンと言う少女はリューにぶつかった謝罪はせずに、ただ自分が走っていた理由は、妹のためにすぐさま花束を渡すために、急いで走っていたらしい
でも、花束を拾ってお礼は言ってくれた。
だが
『リューを見てお兄ちゃんと呼んだ』
ああ、そうか。
やはりかと、俺はレアの方へと話しかける
「あれはお前の娘だな?」
「はい。そうです」
「妹想いの良い姉だな」
「ええ、立派なお姉ちゃんですから」
「そうか・・・・・・」
ああ、なるほど。今回依頼した理由はなんとなく、この理由も含まれていると理解した。
しかもあの少女だけではないようだな
「私・・・・お兄ちゃんと呼ばれました。そこまで女らしくないのでしょうか?ウンディーネ様、ノーム様」
『別にそんな事はないと思いますよ?』
『私もそう思います』
リュー達の方は気付いてないようだ。あまりに女として見られていない事をショックを受けたからなのか
まあ周りを見て気付いたのだが、ここまで『綺麗な火』があるとは思わなかった
確かに『あいつがこれをなんとかしたい』と言う気持ちがよくわかった
それに
「レア。街のあちらこちらに原初の炎の一部とも言える『松明』があちらこちらにあるんだな?・・・・」
「この火杖も天の炎のご加護によるものです。主な役目の一つはまず証明としての機能と、二つ目は神議長がお話しした夜の『瘴気』を退ける力も有してるのです」
「まるでオラリオの魔石と言った所ですね」
『通りや建物の前に、等間隔で設置してありますね』
『あれも原初の炎の一部なんですね?』
「はい。オリンピアにとって炎とは奉ずるものであり、敬うもの。この領域における全ての我々の生活に密接に関係している他、文化の一つでもあるのです」
「まるで炎に生かされている感じだな」
「え、ええ。そう言った感じです」
『主、この松明・・・』
「ああ、おそらく『精霊の破片』も含まれている。誰が用意した物なんだろうな」
レアの説明を聞いて、段々とこの街の仕組みは大体理解した。だとするなら確かにこれを解決しようとするのはかなり難しい上に
『あいつ』が、今までこの国の襲撃を失敗したのもよくわかる。確かに『あいつが居ても』、この状況はなんとかする事は不可能に近い。
いや、近づかないようにしたの間違いか
と、俺がまたある事に気付いた
「ところで気づいたんだが、書庫の店に行っても『エピメテウスの英雄譚』が無かったのだが、なぜだ?有名のはずだぞ?」
「その質問には理由がありまして、その質問を答える前に、ジークさんに注意があるのですけど、よろしいですか?」
「なんだ?俺にしてはならない事でも?」
「はい。神議長の前で『エピメテウス様』の話をしないでくれますか?」
「エトンの前でエピメテウスの話をするなか、もしかしてエトンが『そのエピメテウスの子孫』だからか?」
「『『え!?英雄の系譜!?』』」
「っ!どうしてその事を!?」
「確信はない、予想しただけだ。おそらくそうではないかと思ってな」
「そうですか、エピメテウス様のお話は確認していますか?」
「ああ。英雄譚好きではないが、その有名人は俺も知っている」
「大英雄の栄光と凋落があのお方を苛んで、悪名を轟かせた英雄の子孫が馬鹿にされて、先祖を恨むようになったんです。市民でもその事や神議長の事を知っていますから、あまりあのお方の前でエピメテウス様の話は禁句で、書物もその・・・・・・・・販売はあまりされてないんです」
「なるほど、確かに有名ではあるが、『悲惨な男』でもあるからな」
「ジークさん。英雄譚は詳しくないので、エピメテウスと言う英雄は名前しか知らないのですが、どんな英雄ですか?」
「俺と今同じ現状を味わって終わった男だ」
「同じ現状?」
「簡単に言うと、『人々のために戦い続けているにも関わらず、最後の最後には人を少し守れなかっただけで人々に非難を受けた』、と言った感じといえばわかるか?リュー?」
「っ!?・・・・・そういう事ですか」
それだけを聞いてリューはエピメテウスがどんな結末を迎えた悲しき英雄なのか、理解した
確かにエトンの前でそのような話をするのはあまりに良いものではないだろう。俺はベルや春姫ほどではないが、彼の英雄譚は生涯くらいは知っている
おそらくエトンもその先祖のことを認めていないだろう。あんな結末を迎えれば俺もそれなりに愛想が尽きる。だから俺もベル達がいなければ、そうなってたかもしれない。書庫の店でエピメテウスの英雄譚がないのも理解した
ただ
あの老人が『エピメテウスの子孫』とは思えないが
「今更聞くのはどうかと思いますが、気になったのですが・・・・ジークさんのその左片方だけ包帯を巻いているのですが、もしかしてまだ治ってない怪我が?治ってないなら私で治療しましょうか?」
『『っ!』』
「レアさん。ジークさんのこれは・・・・」
「すまないが、これは放っておいてくれ。怪我ではないがどうしても外してはならない理由がある。これのことは気にしないでくれ」
「そうですか・・・・・もしもの時は力を貸しますので、お申しください」
「すまない。礼を言う」
まあ俺のこの包帯が巻かれていることに関して質問されるのは当然。レアがもし俺にそのような気持ちがあるのなら、これを外した姿の俺を見たらどう思うか、余程ショックを受けるのではないかと
俺もエピメテウス同様に非難されると想定する
ゴーン!!ゴーン!!ゴーン!!
「「『『っ!?』』」」
「なんだ?警鐘音か?」
突然観光途中、オリンピアの警鐘と思える音が街全体で鳴り響いた。オラリオでは緊急事態の知らせであるのだが
オリンピアではなんの知らせか、レアに聞く
「レア。なんの知らせだこれは?」
「敵襲です!!!オリンピアに敵襲の知らせです!」
『『敵襲!?』』
「オリンピアでは炎の結界があるはず、モンスターでも居るのですか!?」
「モンスターではなく・・・・おそらく『またあの方達』なのでしょうけど・・・とにかく侵略者です」
「侵略者?・・・・・・っ!これは・・・」
レアは敵襲の知らせだと言った
でもリューの言うとおり、原初の炎の結界でオリンピアは入れないはず、なのに敵襲が来るなどあり得ない。
そう思っていると、西の方角から
『知っている力』を感知した
ああ、『ちょっと予定が早すぎる』と、俺は敵襲が誰なのかよくわかった
「とにかく、皆さんは宿に戻ってください!私はこのまま門の方へ対応しに行きます!」
「待て、レア!」
「え?」
「俺を連れて行け。『俺なら』なんとかできる」
「え!?しかし・・・・・」
「いけませんジークさん!今の貴方の状態では・・・」
「大丈夫だ。これは戦わなくても済むことだ」
「戦わなくても済む?」
「レア!早くその門の場所へ案内しろ!」
「あ、はい!わかりました!」
俺ならなんとかできると、敵襲の対応は俺にまかせろとレアに案内をさせる。
俺が出た方が良いと、早くその襲撃された門へと案内しろと言い。リュー達も含め、その現場へ行く
なんで『こんな早く出てくるのか』と、予定とは違うと、すぐに注意すべきだとそこへ向かう
そしてレアの案内で、俺達はオリンピアの門の前までやってきた。そこではオリンピアの兵士と巫女が大騒ぎをして何かを止めている
そして班に分かれたベル達全員も居る
「ジークさん!リューさんも!」
「ウンディーネ!ノーム!」
「全員揃っているな?」
「何があったのですか?」
『一体何に襲われているのですか?』
『どうして兵士の皆さんは目隠しと耳栓をしているのですか?あれではまともに戦えないと思うのですが』
門の前に着き、ベル達はもう既にここにたどり着いていた。だが、なぜかベル達は武器を手に持っていない。体に身につけているのに武器を抜かずに、なぜか兵士たちは目隠しも耳栓をしていて、ノームの言う通り戦える状態とは思えない
そしてベル達が武器を持たずに呆れた顔をしている。と言うことは
「全員その呆れた顔をしていると言うことは、そういうことか?ヘスティア?」
「うん、なんでここに居るんだろう」
「おかしいな、なんで彼女が」
「大丈夫。私がなんとかするから」
「やめろヘファイストス。お前が前線に出るということは・・・・」
ヘスティアとヘルメスがどういう敵が出てきたのかは明白と言う近い言葉。そしてヘファイストスが怒り奮闘で神であるのに前線に立とうとする。
だとするなら、もう正体を言わなくてもわかる
今オリンピアに襲撃している人物は
「おほほほほほ!!今すぐ私に明け渡しなさいオリンピア!この女神アフロディーテに!!」
「「「「「ああ・・・・・・」」」」」」
「「なんで彼女が来ているんだよ!!」」
「本当にどうしてなのかしらね?」
『主?』
『早くないですか?』
「ああ。何をしているんだあいつは・・・・」
今襲撃しているのは
アフロディーテ・ファミリアの主神・アフロディーテだった
確かに『来て欲しい』とは言ったが。まさかこんなタイミングで来てくれなど。完全に予定外。なんでこのタイミングで出るのかはわからないが
彼女の言う言葉が本当なら、今までここを襲っていたと言うわけか
アフロディーテが居たことに、ベル達でも呆れて武器を取らない
「悪いけど!今日は破れないわよ!今回は『私の一番の可愛い子供』を連れてきているのだから!」
「え!?ジークさんまさか!?」
「『ヘクトル様』です!?」
「ああ。通りでデカイ魔力をしているなと思った」
どうやら門の向こうでは、アフロディーテだけでなく、どうやらヘクトルも居るのだと気配で分かった
と言うことは『余程の問題』なのか、これは
「ヘクトルが門を壊される前に俺がなんとかするから全員下がらせろ!あとは俺がやる!レア!兵士と巫女達を下がらせろ!」
「え!?しかし!」
「いいんですよレアさん!あれはジークさんに任せましょ!あれはジークさんにしかなんとかなりませんから!」
「え?」
「ヘスティア達も全員を下がらせるんだ!あとは俺が対応する」
ヘクトルの槍で門を破壊される前に、俺が先に止めるべきだと。門の上を飛び越えて跨ぐ。
そして飛び越えた先に
「アフロディーテ!ヘクトル!そこまでだ!」
「っ!?ジーク!」
「アキレウス!なぜここに!?」
「まったく。ほとんど団員を連れてきているのか、懐かしい面々がたくさん居る」
飛び越えた先には、アフロディーテと、ヘクトルと、その部下達のベックリンとサンドロも居る
九年前に世話になった者達がこうもこんなところで、出会すとはタイミングが悪い。
でも、これだけ集めているのならもう『明白』だな
「アフロディーテ。今は下がれ!今は・・・・・っ!おい!」
「ジーク!ジッとして!」
アフロディーテが俺を見掛けた瞬間、アフロディーテは俺に近づいて、俺が巻かれた包帯を少しだけ剥がして、中身を見る
そして中身を見た瞬間
「な!?なんて酷い顔に!?・・・本当にヘルメスの言う通りだった!?」
「聞いているならわかるだろう。俺が果たし、代価を払ってこの姿になることを選んだ。もう・・・・・選んだことだ」
「ああ・・・・なんて酷い道を・・・・選ぶのよ・・・貴方は・・・馬鹿だわ・・・トールが見たら何を言うか・・・」
「気にするな。お前が悲しむ必要はない。俺には・・・・仲間が居た。乗り越えるべき壁は超えた。俺は一人じゃない。お前も居る。だからお前は・・・・俺のなに?」
「うう・・・・・婚約者よ!!ええ!私は婚約者よ!だから絶対に嫌いにならないわよ!絶対にそんな姿になっても!」
「そうか・・・・ありがとう。そう思ってくれるなら今は下がってくれると嬉しいのだがな」
今はとにかく泣き出す彼女を抱きしめて安心させる。
ペルセフォネにもこんなことをしたのだが、次はアルテミスにもしなくてはならないだろう。アフロディーテもヘルメスの通達を耳に入っているようで、俺がこんな姿になったことも知っていたようだ
ただあまりの侵食に、悲しまずにいられないと、俺を抱きしめる
「アキレウス。貴様は本当にあの黒竜を・・・」
「そういうことだ。ヘクトル。ベックリンとサンドロも久しいな」
「ええ、お久しぶりですジーク様」
「まさか、再び貴方に出会えたと言うのに、そのような姿になるとは・・・」
「全て俺が選んだことだ。揺るぐことのない決意だ」
ベックリンの言う通り、次会う時はマシな姿で会おうと思ったが、九年ぶりに出会った面子に、こんな姿を晒して出会うとなれば、何かの悲しい出会いになってしまった
でも、今は下がらせると言う仕事を全うする
「アフロディーテ。眷属を連れて今は下がれ。『まだ早すぎる』」
「アキレウス。貴様は分かっているのか?オリンピアがどんなものか・・・」
「分かっているから下がれと言っているんだ。今の段階ではな」
「今はなにもできないと言うのか?」
「ああ。今はな・・・・戦っても・・これは終わらないぞ?冗談なくな」
「そうか、わかった。全員撤退だ!!撤退する!ベックリン!サンドロ!全員撤退だ!よろしいですね?アフロディーテ様?」
「・・・・・ええ・・・そうね」
俺の言葉を珍しく聞くヘクトル。ヘクトルはこの戦いは決着はつかないと無意味だと去る。今は下がるしかなにもできない
ヘクトルもどうやらオリンピアがどんな状況が知っているようだ
「行けアフロディーテ。俺も明日会いに行く」
「ジーク・・・・・」
「行くんだ!!」
「・・・・・分かったわ。お願いだからもう死なないでよ?」
「ああ。次は無いさ」
そう言って、アフロディーテもヘクトルに連れて下がる。
またも女を悲しませてしまった。これが俺の報いだろうか、やはりこの代償は大きすぎる。次も覚悟しておかなくてはならないと、次も受け止めることを覚えておく
アフロディーテ達が下がったことを確認して、俺はヘスティア達の元へ飛んで戻る
「アフロディーテは撤退した。少し言い聞かせたから今日みたいなことはもう起こらない。安心してくれ」
「ふう、ありがとうございます」
「ジーク君。アフロディーテは?」
「俺の『姿を見て』泣いた。今は俺の言葉を聞いて撤退した。まあ俺が隠していたから仕方ないのだがな」
「そう・・・なんだ」
「帰るぞ。もう少しで夜になる。瘴気が出る前に宿に戻るぞ」
仕事は果たした。もう夜になる
瘴気が湧き立つ前にすぐに宿に撤退する。今日の観光で大体のことは『確認』できた。もう疑いを出す必要もない。
俺はもう全て理解した