ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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ヘスティアの目的

 

アルテミスの館に入り、暖かい紅茶を飲みながら、俺達がオリンピアに来た理由とアポロンがなぜここに居るかの説明から映る

 

まとめ役として、俺が仕切る

 

 

「ではまず、アポロン。オラリオを追放されたお前が、なぜここに居るのか、なぜアルテミスと共にここに居るのか説明を聞こうか?」

 

 

「ああ、私はあの後君たちに負け、オラリオを去った。そこからの話だな」

 

 

アポロンは、俺を欲しさにウォーゲームで俺達に挑み、俺達に敗北した。そこまでは俺の知る限りである

 

そしてそこからだ

 

その後、オリンピア近くの大陸まで歩き、とにかくオラリオから遠く離れることをして旅していたらしい、なんでもヒュアキントスに言われて『俺を忘れるために、オラリオから遠くへ行くべき』だと、眷属の言う通りにして、ひたすら西を移動していたらしい、その旅で偶然にもこのアルテミスの集落に辿り着いたらしい

 

そこでアルテミスから事情を聞き、オリンピアの事実を知り、アルテミスの力になると、『アルテミスの兄ヅラ』などをしてここで眷属と共にオリンピアの難民を守っている

 

 

「と言うわけなんだ・・・・・ジーク。私はこれでも善神なんだよ?」

 

 

「気持ち悪い趣味はしている癖に、まあ善神であることは俺も知っている。だが俺のした仕打ちは忘れないぞ」

 

 

「ジーク・フリード。貴様誰に文句を言っている?」

 

 

「事実だろ、ヒュアキントス。この男神のせいで俺の半分の人生はロクでもないことになった。忘れろと言う方がおかしいだろう」

 

 

「アポロン。ジークは私の婚約者でもあるんだ。私の想い人に手を出したらどうなるか、わかっているだろうな?」

 

「もちろん、私もよ。アポロン」

 

「あ、あはははは、も、もちろんさ・・・」

 

 

「絶対手を出してくるから、そんなことを言っても無駄だと思うぞ。アルテミス、アフロディーテ」

 

 

アルテミスとアフロディーテはアポロンに、俺にちょっかいを出すなと禁句を入れる。アルテミスにも以前アポロンに酷い目にされたと話してあるから、もうそんなことがないように釘を打つ

 

アポロンがこの程度で、俺のことを諦めるなど、俺も無いと気づいている。まあその時はアルテミスとアフロディーテの眷属と戦争だ。アクタやカリスの魔力量が以前と違うと感知する。間違いなくレベル4になっている。もちろんヒュアキントスもレベル4になっているようだ。ステイタス極めるのがあまり適していないこのオラリオの外でそこまで上がるとは、ヒュアキントスも根はアレだが流石だなと思う

 

 

「そして、なぜ俺たちがここへ来たのかだが、イリアとレアの依頼でここへやってきた」

 

 

今度は俺たちがここで来た理由を説明した

 

もちろんここに居るイリアとれあの依頼だと、最初は謎すぎるオリンピアの使者の依頼など、あまりに危険だと思い、俺は断るべきだと言うが、ヘスティアが絶対に引き受けてくれとのことで、止むを得ず引き受けることになり、ここへ来たと説明する

 

そして、この依頼の真の目的は、ヘスティアを利用して、世界を壊そうとするかつての英雄エピメテウスの目論見だと伝える

 

だが

 

 

「俺たちもエピメテウスも騙された。ヘスティアに、おそらくヘスティアも、この依頼がプロメテウスの依頼ではなく、エピメテウスの目論見だとわかり、そして天の炎の深刻差を見て、自分が器になって清めるしかないと、結局あいつは俺たちになんの相談もなく俺たちを捨てこの事態を起こし、自分一人で解決しようとオリンピアは現在誰も入れない『箱』となった。俺たちに何もさせずに、神々の問題だからと、手伝わせたくないのか、俺たちもオリンピアから追い出された状況だ」

 

 

「ふん、主神にまで捨てられるとは、ジーク・フリードだけでなく、貴様らも哀れだな」

 

 

「なんだと!!」

 

「言わせておけヴェルフ、ヒュアキントスは人の弱みをでなきゃ減らず口が出せない下等生物だ。こんなゴミ同然な奴と口喧嘩なんてするな、時間の無駄だ、それに捨てられたのは事実だ。否定する気はない」

 

「っ・・・・・・・・」

 

 

「よせヒュアキントス。私もヘスティアと同じ立場になっていたら、私もそうするつもりだ。ヘスティアはジーク達を捨てたのではなく、神の問題で死んで欲しくないからと、関わらせたくないために家族を追い出しただけだ」

 

「っ・・・・・失礼しました」

 

 

確かにヘスティアを止めきれなかったのは事実。それを否定するつもりはない

 

だから俺はヒュアキントスの言葉でも受け入れる。だからと言って口喧嘩するのも時間が惜しい。今は自分たちの力不足を味わって、そこから学習して名誉挽回すればいいと、今はその言葉を受け入れるだけでいいと俺は何も言わない

 

アポロンが珍しく眷属に注意するのは、なかなかにお目にかかれない光景で皆驚くことだろう

 

 

「話を戻すが、それほど今の原初の炎の深刻差は普通ではないと言うわけだ。アレから三千年。人の悪意を吸い続けた原初の炎が誰の手にも負えない程に、ヘスティアも自身を器にしてでも止める他ないと、最終手段を選んだようだ。無論俺らの相談もなく」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

「キュロス。ヘスティアが自身の体を器にしたら、どうなるか教えて貰えるか?」

 

「当然・・・・・結末は一つじゃ」

 

 

キュロスに、このまま放っておけばどうなるかを聞く。もちろん言わなくても俺はわかってはいるが、それでも改めて全員居る前で聞く

 

ヘスティアが天の炎を清めるために犠牲となったら、結末はひとつだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「送還ではなく・・・・・消滅じゃ」

 

 

「「「「「「「!」」」」」」」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

 

「だろうな」

 

 

ヘスティアはこのままだと汚れと共に消滅する

 

 

つまりは『神の死』である

 

 

一刻も早く、原初の炎と一体化したヘスティアを止めなければ手遅れになる。全部終わることをわかっていて、俺と同じ道を彼女は選んでしまった。

 

もう誰にも止められない事態まで進んだ原初の炎を、自分の命を引き換えにしてでも、俺たちを救うために最終手段を取った

 

 

「ヘスティアは自分が終わった後の事を考えているのだろうか、そもそも気になる。なぜあいつが本来プロメテウスが後始末をしなきゃいけない仕事をあいつがするのか、これが終わったら残されている俺たちのことを考えているだろうか?」

 

「それは・・・・・」

 

 

「もしかしたらプロメテウスともう会っていて、プロメテウスが俺たちの主神代わりになることを取引した上で、あいつがこの後始末をしているんじゃないのかと思っている」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「・・・・・・・・」

 

 

俺は常に、死んだ後の俺亡き後の引き継ぎを考えてから自分を犠牲にする

 

だがヘスティアがそれを考えているのだろうか

 

彼女はそこまでバカではないことは俺もわかっている。彼女が自分亡き後くらい考えいるはずだ。俺たちのことを、となれば、どこかで俺たちの知らない場所でプロメテウスと取引した上で、この計画を実行したのかもしれないと推測する

 

もちろん自分にしか原初の炎の汚れを浄化するのも含めて

 

 

「浄化できるのはヘスティアのみ、プロメテウスもおそらくタダでヘスティアにそんなことを頼んでいるはずがない。おそらく俺たちの代わりの主神を用意する代わりこれを引き受けたと、この計画を実行をしているに違いない。そうでなければ・・・俺たちがこれからどうなるか、考えてない彼女ではない」

 

「なんですか・・・・・それ」

 

「もしそれが本当なら!」

 

「ヘスティア様は本当に大馬鹿ですよ!」

 

「自分たちに代わりの主神を用意するつもりで、こんなことを!?」

 

「私たちの主神はヘスティア様だけだと言うのに」

 

「そうでなければ、俺たちを追い出して、プロメテウスの仕事を請け負うとは思えない」

 

 

ヘスティアは犠牲を選び、その後の俺たちの主神の代わりはプロメテウスが引き受けるよう、奴に取引している。

 

彼女とは思えない計画だが

 

 

「だが、そうさせたのはプロメテウスだけでなく、ヘルメスやヘファイストスもそうさせたのだろう?」

 

「「「え!?」」」

 

「な!?本当ですかヘルメス様!?」

 

「まさか!?嘘ですよね!?ヘファイストス様!」

 

 

「いいえ・・・・・本当よ」

 

「ああ・・・・・俺たち二人は、ヘスティアに犠牲して貰うよう頼んだ。事実だよ」

 

 

この計画を賛成したのは決してヘスティアの意志だけでなく、プロメテウスの依頼ではなく

 

ヘルメスとヘファイストスがそうさせたのも事実

 

ヘルメスとヘファイストスがここまで付いてくるのが不自然な理由、それがこの理由であろう、ヘスティアが無事に穢れた炎を浄化できるか、この依頼を引き受ける前から、そう計画をしていたのだろう。もちろん、以前から原初の炎の悪化を知った上で、この計画を賛同していたようだ

 

 

「なんでそんなことをしたんですか!?ヘファイストス様はヘスティア様とは神友なんですよね!?なんでそんなことをヘスティア様に頼むんですか!?ヘファイストス様!!」

 

「わかっているわ・・・・・・・こんなことをして正しくないことも、でも・・・・これしかなかった」

 

「ヘルメス様もですか!?」

 

「ああ、そうだよリリちゃん。こうするしか下界を救える方法がなかった。俺には・・・・下界を犠牲にはできないから・・・・こういう主神としてね」

 

 

「そう文句を言うな。二人だって自分たちの限界があってそうしたのだからな、それに神としての判断としては正しい。間違いではない」

 

 

別にヘルメスとヘファイストスも悪気があってそうしたわけではない

 

自分たちにはどうしようもできなかった。下界を救うにはこれしか方法がない。その限界があった上でヘスティアを犠牲にするしか二人には何もできなかった

 

誰にでも限界がある。それ故の手段も限られているものだ

 

 

「だが、今回の計画は、ヘスティアらしくない。あの子は本当に大バカ者だ」

 

「私もよ。まさかあの子がこんな無謀なことをするなんてね、アレスでも流石にやらないわ」

 

「だが、原初の炎がもう限界を迎えている。ヘスティアもさすがに看過できない状態だったのだろう。でなければジーク君たちを置いて自己犠牲を行うなど、彼女のすることではないからな」

 

 

アルテミスとアフロディーテとアポロンも

 

今回の計画はヘスティアらしくないと言う。彼女は誰よりも優しい子だ。こんな無謀で残酷なことをするはずないと、普通ならこんなことをするはずないと思った

 

と言うことはヘスティアも原初の炎がまずい状態になった。自分の手でなんとかしなければならない事態だと、自身の力でなんとかするしかなかっただろう

 

 

だが

 

 

 

本当にそれだけか?

 

 

 

俺は思う。なぜそこまでヘスティアが背負ったのか

 

理由は神々の責任とかも含まれているからだと思うが、どうも俺には原因がそれだけとは思えない。

 

 

理由その1:原初の炎の穢れが酷いから

 

理由その2:自分は聖火の女神だから、原初の炎を扱えるのは自分だけ

 

理由その3:プロメテウスの取引で、こうするしかなかったから

 

理由その4:これは神々がやらかしたことだから

 

 

理由を聞く限りでは、確かに他の神々からすれば、ヘスティアがここまでする理由は揃っていると思いつくだろう

 

だが

 

 

 

俺はそれだけとは思えない

 

 

 

彼女がここまでするのは、もっと他に別の理由があるのではないのかと俺は思う。そうでなきゃ、あれだけ優しい神が、ここまで犠牲なんてことをするとは思えないからだ

 

 

だからその話を、何か心当たりがあるこの神々に聞いてみようと思う

 

 

「話を変えるのだが、なぜ原初の炎を彼女は自由に扱えるんだ?誰かこのことについて知っている神は居ないか?」

 

 

「いや・・・・それは・・・・」

 

「それは・・・ヘスティアは聖火の女神だからで・・・」

 

 

「それだけか?ヘファイストス」

 

 

「え?」

 

 

そう、そもそもの話だ。聖火の女神だからヘスティアが原初の炎を扱えるのは当然だ。そこは神々が理解できる話だ

 

だが

 

 

それだけで彼女が扱える理由には足りないと考え付く

 

 

「それは炎の関連性の話だろ?炎だけならお前も炎の女神で原初の炎をなんとかできるはずだ。分類は違うから自分には扱えない。そんな『種類のある炎』には耐性があるからと言って、俺は彼女が『聖火の女神』だから扱えるとは思えない」

 

 

「何が言いたいんだい?ジーク君?」

 

 

「俺はどう考えても、ヘスティアが聖火の女神だから原初の炎を扱えると言う理由に対して、それはなぜなのかと、疑問が出てくるんだ。ヘルメス」

 

 

原初の炎は悠久の聖火

 

確かに、それだけを聞けば、その炎の種類を司る彼女なら、それを止めることはできると考えるだろう。

 

でもだ

 

 

それだけでヘスティアがそれをコントロールできるとは思えない。

 

むしろその扱いをより上手くやっていると言うより、むしろ『自分の物』のように扱っているように見える。

 

 

だから思う。もしこの考えが的中しているのなら、

 

 

もしかして、原初の炎がヘスティアにしかなんとかできないのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかとは思うが、原初の炎は元々『彼女が創った炎』で、自分の創った物だから、創った本人としてなんとかしているとかじゃないのか?」

 

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

「「「「「!?」」」」」

 

『確かに、言われて見れば・・・』

 

『ヘスティア様が、聖火の女神だからと言って、それを扱えるのは・・・どうも・・・理屈が合わないと言うか』

 

 

「「・・・・・・・・・」」

 

 

原初の炎は、もしかしたら元々は彼女の炎。

 

無論、これはただの想像で、仮説ですらもないが、考える限りじゃあ、俺はそう思っている。だから自身の力でなんとかしようと、俺たちは退けてでも、自己犠牲をしているのではないのかと思っている

 

でなきゃ『これは英雄は必要ない、これは神々の決着たる物語だ』。と

 

そのようなことを、ヘスティアが言うとは思えない。それを言われた時、俺はそう思った

 

 

あれは彼女が天界時代の時に創った代物ではないのかと、すぐに思いつく

 

 

その話をして、キュロスとイリアが黙ると言うことは、正解のようだな

 

だがだ

 

 

「ジーク君。本当に鋭い考えはするなとは思うけど・・・・」

 

「いくらなんでもそれは考え過ぎよ」

 

「ああ、確かにそれは私でも無いと思っている」

 

「私もだ。ジーク。私はヘスティアの親友として、彼女の知らないことはない。彼女がそんな物を創ったと言う話は本人から聞いたことがないぞ?」

 

「それにあの子は隠し事はできない素直な子よ。ジーク。貴方の言葉を否定するつもりはしたくないけど、私もそれだけはないと思っているわ」

 

 

だが、それだけの考え事では、理由にならないと、残念ながらヘルメス達神々は、それだけはないと言う

 

アルテミスはヘスティアの親友だ。天界時代ではいつも側にいて、尚且つ処女神仲間だ。その仲間に隠し事されたことはないとアルテミスは主張する

 

アフロディーテも、あの素直で隠し事なんて真似ができない誠実な子が、そんなことをするはずないと、アフロディーテも、俺の言葉を否定はしたくないが、ヘスティアを知り尽くしているアフロディーテでも、それだけは無いと言う

 

まあ、確かにこれだけじゃあ理屈も納得もしないだろう

 

 

なら、そもそもの話を出すべきだ

 

 

 

 

 

 

「では。プロメテウスは『天界のどこから』原初の炎を見つけて、下界に落としたんだ?」

 

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

そう、原初の炎は天界のどこにあったんだ?と言う話だ

 

神々は原初の炎の存在を知っている。だが、初めは天界のどの場所にあったかの話だ。まだその話を詳しくされていない。プロメテウスの事件を神々が知っているなら、ではその原初の炎は天界のどこにあったかだ。それが天界で複数あるとも思えない

 

 

「原初の炎の存在をお前達神々は知っていた。なら、それは元々はどこにあったのか、どこに置かれてあったのか、それとも天界ではそのような炎が複数自然に、地面にも置かれているのか?」

 

 

「あ・・・それは・・・・」

 

「確かに、私も原初の炎を知ったのは、プロメテウスの事件で知った事で・・・」

 

「私も、プロメテウスの事件を知ってから、その炎の存在を知ったが・・・・」

 

「そのような事は・・・私も考えていなかった」

 

「言われてみれば、プロメテウスが盗まれてから、事件が終わった後でゼウスにその炎の詳しさを教えて貰っただけで、それまでは知らなかったわね」

 

 

ヘルメス達は、プロメテウスの事件を起こすまでは、原初の炎がどこにあるのかは知らなかった

 

知った時は、既にプロメテウスが罰を受けて下界に落とされた後、ゼウスがヘルメス達に教えた。だが、原初の炎が天界のどこに置かれているかは知らなかった。原初の炎の力を知っている彼らでも、元々どこに置かれていることを知らないのであるならば

 

やはりあれは

 

間違いなく

 

 

 

「ふははははははははははははははは!!!」

 

 

 

「「「「「!」」」」」

 

「お爺ちゃん?」

 

「キュロス殿、どうなされましたか?」

 

「いや、すまんすまん。どうもジークの鋭さには、『親父譲り』過ぎて、懐かしくて笑えてしまってな、ふははははは!!」

 

 

「笑ってないで、お前も真面目に答えろ。お前がここで笑うと言うことは、そういうことなんだな?」

 

 

「ああ、その通りじゃ」

 

 

「やはりか・・・・・」

 

 

キュロスは、俺が疑わしい考えを出したことに、俺の親父そのものだと、懐かしくて笑ったようだ。こんな所で笑うと言うことも、正直に答えたと言うことはだ

 

やはりあの原初の炎は

 

 

 

 

 

「天界にあるヘスティアの神殿から盗んだ、つまりは彼女の炎と言うわけだな?」

 

 

 

 

「ああ、正解じゃ」

 

 

 

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「「「「「あれがヘスティアの炎!?」」」」」

 

「・・・・・・・」

 

 

やはり正解だった。

 

 

原初の炎は元々は彼女の炎だった

 

 

でなければ彼女がそこまで扱えるはずがない。あんな結界まで貼って、自由に扱えるはずがないとわかった。全知全能であったとしてもだ、あそこまで原初の炎を上手く扱えるとは思えない。

 

やはり俺の推理は正解だった

 

無論、この考えが付いた理由は、もう一つある

 

それは

 

 

「やはり彼女の炎だったか、おかしいと思ったんだ。なぜプロメテウスはヘスティアをここへ呼んだのか、彼女が聖火の女神だから、原初の炎は聖火の炎でもあるから彼女にしかなんとかならないと、なぜヘスティアしかなんとかならないのか、それは彼女が聖火の女神だからではなく。プロメテウスが彼女の神殿から炎を盗んだからで、その所有者を知っていたから、その所有者に頼むしかなかったからだろうと、すぐに考えが付いた」

 

 

「お前さん。本当に親父似じゃな。トールの息子とは思えんわい。お前さんは体は母親譲りで、中身は親父譲りじゃな」

 

 

「詮索するな、キュロス。詳しい話を知っているなら、お前が話せ」

 

 

「そうじゃな。今この青年の言った言葉は事実じゃ。プロメテウスはヘスティアの神殿からその炎を盗んだんじゃ。元々は竈の中にあった炎なんじゃが、それはヘスティアの半分の力でできた炎じゃ。それさえ使えば下界の子供達はヘスティアの炎を自由に扱える。その炎の力を知ったプロメテウスがヘスティアが寝込んでいる間に盗んだんじゃ」

 

 

「てことは・・・・神様の神殿に進入して盗んだ!?」

 

「ヘスティア様のことですからあり得ますね。あのぐうたら女神なら、誰が自分の神殿に進入したってぐっすり眠っているでしょうしね」

 

 

「ああ、リリルカちゃんの言う通りじゃ。警戒心のないヘスティアは簡単にプロメテウスに盗まれた。じゃがワ・・・・・・・・ではなく、ゼウスがその力を知っているが故に、人間には放ってはならないと止めに入ったのじゃが、間に合わなかったのじゃ」

 

 

「事の経緯はわかった。そしてゼウスは罰として、プロメテウスを下界に落とし、原初の炎が落ちたオリンピアを見守るようにと、指示を入れたと言うのが三千年前か」

 

 

「その後ヘスティアは、『あの炎なら心配ないよ』と、半分の力程度なら暴走するはずがないと、ゼウスと話し合った結果、プロメテウスに頼り切って放置を選んだんじゃ」

 

 

「絶対ヘスティア様が面倒臭くて、神殿から出たくない為に、変な言い訳をしてサボったんだろうな」

 

「自分の創った物でもあるから、絶対に暴走するはずないと、自分の物を理解していたが故に、ヘスティア様は変な所で楽をしますから・・・」

 

「ヴェルフ様も、命ちゃんも、ヘスティア様の悪口はそこまでにしましょう。なんだか私もそんな気がしてきましたが・・・」

 

 

「ヴェルフ坊主や命ちゃんの言う通りじゃ、ゼウスがどうしても、『お前さんもあの炎をなんとかするんじゃ!』と、人間が手に負えなくなることを踏まえた上で、ゼウスがヘスティアにも下界に降りて管理を頼んだんじゃが、どうしても聞いてくれなかったのじゃ」

 

 

「そういえばあの子、ちょうど三千年前くらいに、神殿の門を固くして、誰も中に入れないようにしていたわね」

 

「ゼウスの申し出を断る為だったのか、私でも当時入れなかったからな」

 

 

「なんだかんだで、気にしていなかったのじゃが、それから三千年。ヘスティアがやっと下界に降りてファミリアを結成し大きくした時に、プロメテウスの依頼を聞いて、参加をし、原初の炎が今どうなっているか久しく調べた、じゃが」

 

 

「あの炎が人間の悪意を吸い、その代償があることをヘスティアは理解していなかった。おそらく原初の炎も、下界の味に染まって変わったのだろう。しかも最悪なことに悪い方向に、その変わり果てた姿を見たヘスティアは、自分がなんとかしなくてはと、三千年前に放置した炎を、今所有者としてなんとかしなくてはと、俺たちを見捨て、この計画を実行した。と言うのが・・・・今の現状だろうな」

 

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

 

元々はヘスティアの物

 

原初の炎は彼女が創った炎、プロメテウスに任せて放置したが、三千年で悪化し、汚れが腐食をして、自身の手で止める他なかった。

 

その為には自身を犠牲にする他ない、それほど悪化していた。自分が今までプロメテウスに頼り切ったせいで、だから今度は自分の手でなんとかする。自分の創った炎のせいで世界に悪影響を出さない為にも、そういう自分の責任を守るのは、彼女の頑固の強さだった

 

今全ての経緯を聞いたが、ヘスティアが今回犠牲をする理由がなんとなくわかると、ベル達は思った

 

 

「神様って、そう言う所あるよね?」

 

「はい、確か借金とかも、自分で作った金だからと、自分でバイトをしてましたから」

 

「ヘスティア様のそんな頑固さ、俺もよくわかるぜ」

 

「自分たちには絶対に迷惑をかけないようにだけはしていましたからね、でも・・・・」

 

「だからって・・・・こんなの・・・」

 

 

でも、納得できない

 

自分の放っておいた責任ではある。それを自分が補うのが責任であると、確かに筋は通っている。だがだ。だからと言って自身を消すなど認めることはベル達にはできない。それとこれとは別問題。確かに人間においては関係のないこと

 

だが

 

 

「あいつの責任など、俺はどうでもいい」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

「知ったことか、あいつの責任など、そんなものは俺が壊す。何もかも跡形もなく壊し尽くすだけだ。それしかない」

 

 

「と言うと?」

 

 

「簡単だキュロス。俺が原初の炎を壊せばいい」

 

 

「「「「「原初の炎を壊す!?」」」」」

 

 

それしかヘスティアの犠牲を防ぐ方法はない

 

原初の炎を破壊すれば、丸く収まる。あれを消せば全て解決する話だったんだ。ゼウスの言う通り、あれは人間の手に負えない。あの力は人を腐らせる。破壊してその力を無にすべきだ

 

しかし

 

 

「ジークフリード!それだとオリンピアが滅ぶわよ!オリンピアは神聖の聖火を祀る都市よ!原初の炎が消えたらオリンピアはおしまいよ!」

 

「ジークさん・・・それだけは・・・」

 

 

イリアとレアは反対だった

 

今までずっとオリンピアを守ってきた。炎人を外に出ないように、ここ三百年守ってきた。今原初の炎を破壊されては今までの行いが無駄になると言い、それが無ければオリンピアは滅びると、イリアとレアは言いたいのだろうが

 

 

「もう滅んで終わっていると言うのに、原初の炎を生かすつもりか?」

 

 

「「っ!?」」

 

 

「永久の神域と呼ばれた幻の都市が焼け野原になっていると言うのに、あれを終わっていると言わないで、他になんと言うんだ?レア、お前は以前あそこは地獄だと言った。このまま生かしては何もかも失うだけだ」

 

 

「そ、それは・・・・」

 

 

「そもそも、その三百年前に起きた『大炎災』は紛れもなく原初の炎が原因だ。つまりはあの炎のせいでオリンピアはあの姿になり、お前の娘たちも死ぬ事のない燃えカスになったんだぞ?原因はあの炎にあると、なぜあの穢れだけを浄化をすれば丸く治ると、勘違いしているんだ。レア」

 

 

「ですが、そうでもしなければ・・・・」

 

 

「レア。俺は何度でも言おう。お前の娘たちはその炎でもう死んでいるんだぞ?」

 

 

「っ!?」

 

 

「もうあれは救えない。殺してあげるしか道はない。あのまま化け物として生きていくぐらいなら、安らかに殺してあげる方が苦しみが小さくなる。家族をこの手に掛けると言うのは心苦しいが、そうでなきゃ炎人となったお前の娘は助けきれない」

 

 

「そ、そんなことは・・・・私だってわかっています!でも・・・・・」

 

 

レアだっておそらくわかってはいた。もう娘達が死んでいることくらい

 

でも

 

改めて俺に直接言われて、涙を流さずにはいられなかった。あの姿になった者達は生きてはいない。殺さなければ救えないことも、でも、もう二度と会えなくなるこことを考えると、自分の娘に手を掛けるなど、レアは母親としてできなかった

 

 

だが。俺はそれでも言う

 

 

「俺のおふくろもそうだった。俺のおふくろも殺された」

 

 

「え?」

 

「「「「「「っ!?」」」」」

 

 

「英雄譚を読んでいるなら、俺の母親が女神であることは知っていると思うが、俺の母も、俺が14歳の時に殺された」

 

 

「殺されたのですか?確か・・・・雷の女神トールの息子なんですよね?」

 

 

「ああ。しかも相手は実の妹だった。妹の欲が原因で母は追い詰められ殺された。本当に憎かった、それ以来俺は信用できない神を殺してきた。この手で、もう俺は母には会えない。そう思うと、そうされた神々は殺さなければ気が済まないと、今でも俺は神々を憎む」

 

 

「それはお辛いでしょうね。しかも母親の妹さんに殺されるなんて」

 

 

「ああ、だが・・・・・その後俺はこうも考えた」

 

 

「何がです?」

 

 

 

「いつまで俺は母親の元で生きねばならないだろうと思った。子はいつか母の元を去って旅をしなければならないと言うのに」

 

 

「!」

 

 

慰めにはならないだろう、この言葉は

 

だが、俺もレアと同じだ。実の家族を失っている。少なくとも共通点はある。その共通点があると信じて、この言葉をレアに言う

 

 

「俺はいつまでも母の元へ暮らしても弱いままだ。それでは俺は強くなれない。やはり強くなるには母の元を去らねば、子はいつか母の元を去る。それが子供の成長だ。そしてお前は子を失った。だが、子供をあのような姿で生かすよりも、次の転生を信じて殺す他道はない。このまま殺さずに生かしたままでは、辛くなるのはあの子達だ。だからお前の手であの子達の苦しみを断ち切るんだ」

 

 

「私が、シオンとシアテを・・・」

 

 

「無論どうするかはお前に任せる。俺はあくまで同じ痛みを持つ者としてアドバイスをしたつもりだ。仮に俺の母は女神で天に還ったとして、俺も天に逝けば母に会えるかもしれないが、俺はそんなことは望まない」

 

 

「っ!?どうして!?」

 

 

「決まっている。俺の母トールも俺の兄フレイも、常に俺の心の中で生きている。会いに行く必要などない。再会を望むことは二度としない」

 

 

俺の家族は死んだ

 

だが

 

常に俺の心の中で生きている

 

心の中で生きる俺の家族が常に俺を見ている。ならば、それに恥じない姿を見せるまで、立ち尽くしてもいい。泣いてもいい。苦しんでもいい、どんなことがあっても立ち上がることのできない困難は出てくる

 

それでも

 

 

「家族が俺にくれた愛情がいつまでも俺の心の中で見守っている、だからこそ俺はこんな状況になっても屈しない。俺はトールの息子として、フレイの義弟として、そして・・・・ヘスティアの眷属だ。こんな絶望であろうとも、俺の心は折れない。俺は雷神の息子として母に恥じない男になるんだ」

 

 

「っ!?ジークさんの体から発光が!?」

 

「ジークさんの体からピンク色の光が!?」

 

「でも、これは!?・・・まさか!?」

 

「なぜあのお方の!?」

 

『これは!?まさか!?』

 

『フレイ様の神威!?』

 

「どうしてフレイの神威を!?」

 

「ジークはトールの息子で、フレイの実の子供じゃないと言うのに!?」

 

 

「まさかジーク君にこのような力が!あははは!やはりジーク君は素晴らしい!」

 

 

「ふはははははは!!驚かせてくれるじゃないか、ジーク!」

 

 

その揺るぎない想いを伝えただけで、俺の体からフレイ・リーベの光が発光する

 

それを出しただけでフレイの神威を出している。フレイの神威を浴びたエルフであるリューとリッソスが自然に膝を地面に付ける。フレイの息子でもない男がなぜ、そして今は恩恵は封じられていると言うに、なぜこのレアスキルが発揮するのか、今でも謎めいている。まあ理由は一つであろうが

 

謎が多いが、話を続ける

 

 

「お前の娘達も、これから天に逝き。常にお前を見ているんだぞ。母親であるなら、母親にふさわしい生き方をこれからもするんだ。それがお前のあの子達に対する手向けだ」

 

 

「私が母親としてふさわしい生き方を」

 

 

「無論さっきも言ったが、その先はお前に任せる。これから先はお前が決めろ」

 

 

レアに伝えるべきことは伝えた

 

それだけを言うと、俺の放った光は消える。兄の詰まった愛を少しでも使えば、こうなるのだろうな。兄上め、自分の半分の力を俺に託すとは、やってくれたものだ

 

まあ、それなりに助言は言った。それからをどうするかレア次第によるがな

 

 

それでだ

 

 

全ての経緯も目的も、全て理解した。その上で今後どうするかを、皆に言わねばならない

 

 

「さて、今後の話をさせて貰う。俺たちヘスティア・ファミリアは主神の計画を阻止し、エピメテウスの目論見を阻止し、ヘスティアを救い、原初の炎を破壊する」

 

 

「「「「「「「!」」」」」」」」

 

 

「ハッキリ言おう、俺も上ぶみくらいしか原初の炎を確認していないが、あれは浄化しても、また今回のようなことがまた近い未来に起こるかもしれない。つまりは原初の炎は破壊しない限り、この下界を燃やす。そういえばわかるな?ベル?いつも俺たちが立ち向かっていたことだろう?」

 

「下界の・・・危機!」

 

「ああ、その通りだ」

 

 

俺たちヘスティア・ファミリアの目的は三つ。エピメテウスの目的を阻止、ヘスティアの救出、原初の炎の破壊である

 

原初の炎は今回でヘスティアが犠牲になって浄化しても、また人の悪意を吸っていつかまた暴走するだけ、所詮一時的な維持に過ぎない

 

それならいっそ破壊するしか道がない

 

しかし

 

 

「だが、俺たちには力が足りない。恩恵を封じられ、こんなに予想外のメンバーが揃っても力が足りない。このままではヘスティアの思惑通りにされてしまうだろう」

 

 

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

 

メンバーは揃っていても、それでもまだ力が足りないからなのか、この状況を打破する術はまだない

 

ここでも、まだあの炎に逃れたオリンピアの難民も居る。身動きが取れない状態であることは変わりはない。

 

それにいつまでもここに居れば、いずれエピメテウスがここに来るのも時間の問題ない。でも力がないのは変わりないだろう

 

作戦も、反逆策もない。

 

 

今、俺たちが危機的な状況であることは変わりない

 

 

 

だが

 

 

 

「それでも、この命ある限りは限界を迎えてもやる。ヘスティアの思惑を阻止、エピメテウスの計画も阻止する。もう戦うこと以外に道はない。全員ここから先は恩恵を無しにオリンピアに向かって戦う道を選べ。これがヘスティア・ファミリアの最後の戦いだ。命を賭けろ」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

俺は、ヘルメス達にではなく、あえてベル達であるヘスティア・ファミリアの団員に指令を出す

 

作戦は無論無い。だが、そうでもしなければヘスティアを失う。そんな結末を覆すために俺は争う道を選ぶ。そうまでしなければここまで来た意味はない

 

 

「これよりはヘスティア・ファミリアだけで戦う。もう協力は結構だ。あとは俺たちだけでやる。ヘルメス達は先にオラリオに帰れ」

 

 

「ジークさん。あなた方だけでやるのですか?」

 

 

「ああ、これは俺たちの問題だ。他派閥であるお前らが関係を入れることではない。だからもう助けてくれなくていい。あとは俺たちでやる」

 

 

「作戦はありますか?ジーク様?」

 

 

「無論無い。あっても通用しない。あとは命が尽きるまで戦うだけだ。ヘスティアは約束を破った。なら俺たちのやることは一つ、命が尽きるまでヘスティアを助ける。それまでだ」

 

 

「ジーク君、それは賢明な判断とは思えないね」

 

 

「賢明な判断?はあ・・・・ヘルメスも、わかってはいないな」

 

 

「な、なにがだい?」

 

 

俺はつくづくヘルメスも含めて、くだらないことを言ってくる下等生物ばかりで呆れた。その理由は、常に一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう俺たちがどうなろうと構わないからヘスティアは自身を犠牲にした。なら、その先は俺たちがどうなろうと構わないはずだ。ヘスティアのために今から全員に死に急いで貰う」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

「ちょ!?ジーク!?」

 

「お前は何を言っているんだ!?ヘスティアのために、お前達がこれから死に行くと でも言うのか!?」

 

 

「そう言ってるんだが?アフロディーテ、アルテミス」

 

 

ヘスティアは自身を犠牲にする。もう俺たちがどうなろうと構わないはず。と言うのなら、俺たちはもう命を捨ててでもヘスティアのやることを阻止するまでだと、ここで最後を飾る

 

そうすれば、いやでも、あいつは止めるだろうと思う

 

それに

 

 

「原初の炎の災害をこれ以上増やすわけにもいかない。ヘスティアがそれに気付いているかはともかく、あれを放っておくわけにはいかない。いずれ、また近い未来に災害は起こるだろう。今度はオリンピアだけでなく、この下界全てをな。その可能性もあるだろうキュロス?」

 

 

「ああ、もしかしたらな・・・・・」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

つまりは、もう俺たちは立ち向かうしか道はない。いずれ来る災害が来るのなら、原初の炎は破壊するしかないと、その好機は今しかないと言う

 

 

「今ここであの炎を打たねば、いずれ終わりもやってくる。ならここで打つしかない。もう俺たちに猶予はない。このままでは世界の終わりだ」

 

 

ここで命を賭けてまで戦わなければ、我々に未来はない。今回でヘスティアが浄化を果たしても、またあの原初の炎が悪意を吸い穢れがまた生まれ、またもこのような状況が続く。

 

つまりは

 

 

ヘスティアの犠牲は無駄に過ぎない

 

 

それに

 

 

「もう敵はここまで来ている。時間はないみたいだからな」

 

 

「え?ジークさん?それはどう言う意味で?」

 

 

突然俺は、もう敵はここに居ると発言した。もうエピメテウスがここまで追いかけてきたのだろうと思うだろう。俺たちが逃げた先を知るとは思えんが

 

いや、敵は別に居ると感知している

 

 

だから

 

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアン!!!!!

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

「なんだ!?」

 

「後ろから爆発音!?」

 

 

突然後方から爆発音が響いた。その音は間違いなく、ここである。その爆発音が起きたその後でアルテミスの眷属が館のドアから現れる

 

 

「アルテミス様!大変です!地面から炎人が現れました!それも複数です!」

 

 

「なに!?」

 

「どうせ誘導されたんだろうな。ある『集団』が、そう言えばわかるだろう?レア、イリア」

 

 

「まさか!?」

 

「あの子達が!?炎人をここへ誘導を!?」

 

 

「おそらくな」

 

 

炎人たちが勝手にここまで来るはずがない。ならば、俺たちの拠点にしているこの場所を知っている。エピメテウスに従う巫女たちが、ここまで炎人を誘導させる以外、ここまで地面からなんて来るはずがないと、俺はもう予想した

 

 

「とにかくだ。難民の避難をしつつ、炎人達を殲滅しろ。あれはもう人間ではない。臆することなく殺せ。行くぞ!!」

 

 

「「「「「「は、はい!!」」」」」

 

 

とにかく今は、敵を殲滅しつつ、難民を避難させると、この時間はまずは目の前の敵を殲滅することを優先する

 

それでから、この後を打開策を考えればいい。今はそれでいいとも

 

 

それに

 

 

そろそろ、『勇気』を出してもいいはずだからな

 

 

 

 

 

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