ホウセンカを持ってない方はネタバレにご注意ください
ホウセンカらしく書けてるといいんですが…拙いSSですが楽しんでいただければと思います
とある孤島でガン・ショーをしていた際、どこからともなく無数の害虫が現れた。一座が、私の家族とも呼べる存在が害虫と戦うも皆殺されていく。
「逃げなさい!ホウセンカ!」
「そんなの嫌よお母さん!私も戦う!」
「ここにいたら死ぬだけよ!貴方は…貴方だけでもここから離れて生き残ることを考えなさ………!…くっ…!」
害虫が私たちに向かってくる。その事に気づいたお母さんは咄嗟に私を庇い、そして⎯⎯切り裂かれた。
「ぐぅっ…!ああぁ…!」
「…!お母さん!?」
「ホウ…センカ…逃げ…て……」
「い、いやああああぁぁ!目を、目を開けてよお母さん!お母さん…!」
「ドォルォォォ!」
倒れたお母さんに声をかけているとお母さんを殺した害虫が今度は私を狙ってきていた。
「ひっ…」
私は恐怖で体がすくんだ、のと同時に激しい怒りを感じた。
お母さんを…一座を滅茶苦茶にされて…逃げる…?そんなことできるはずない…許せるはずがない…!
目の前が真っ赤になる。生まれてから今まで感じたことのない激しい怒りに駆られ、私は銃を構える。そして無我夢中で撃ち始めた。
「…クハッ、ハ、ハハハ!アハハハハハハハ!」
銃声が鳴り響く。自分を律することなく、殺意を解放し撃ち続けた。
「はぁ…はぁ…」
気がつけば、害虫はいなくなっていた。いや、自分が殲滅していたのであった。
「うっ…うあぁぁぁぁ…っ」
我を取り戻した途端生き残れたことの喜び、お母さんを、一座を失った悲しみ、そして母の教えに背いたこと、様々な感情が渦巻き大粒の涙がこぼれる。
「あああああぁぁ…」
…っ!
ここ数日昔の夢を見る。嫌な汗をかいて気持ち悪い。
ハッピートリガーに陥り自分を律することができてないことへの罰だろうか。
⎯⎯銃は一座の私たちにとって殺す道具ではない。それでも銃は殺意の発生と解放を簡単にしてしまう。だから銃使いは常に自分を律しなさい。
それがお母さんが私に教えてくれた一番大切なこと。今でも私はその教えを大切にしている。
でもその教えに背いたからあの時生き残れたのも事実。
お母さんの遺訓と生き残れた理由、矛盾する二つのものに挟まれ苦しくなる。
悩むことから逃げる訳にはいかないけど今はその時じゃないわね…。今日は団長に副団長任命されている、支度して行かなくちゃね。
支度をし、執務室に入ると既に団長は来ていた。
「おはようホウセンカ」
「おはよう…団長」
「…ん?ホウセンカ、顔色が悪くないか?体調が優れないのか?」
普段色々鈍いくせにこういう時はすぐ気付くのね…。流石お人好しと言うべきかしらね。
「別に…なんでもないわよ」
「なんでもないことはないだろう。無理をせず教えてくれないか?」
「……ここ最近昔の…一座が殺されていく夢を見てあまり眠れてないってだけよ」
「…!一座の…そうか…」
「今日の仕事に支障が出るほど体調が悪いという訳でもないわ。問題ないわよ」
そう言い私は仕事を始めていった。
「夢見が悪い…か、ふむ…」
団長が何か考え込む。するととんでもない言葉が飛んできた。
「ホウセンカが良ければだが、俺が添い寝をしてみるってのはどうだ?」
「…は?はああぁ!?いきなり何を言ってるのよ団長!」
「以前俺といると上手くリロードできる感じがして、少し気が楽になると言ってくれたろう?だから一緒に寝てみるのはどうだろうと思ったんだ」
「た、確かに言ったけどそれとこれとは…」
「とりあえずこれだけは聞かせてくれ。俺の添い寝は嫌か?」
「………い、嫌では…ないわ」
「なら今の状態のホウセンカを放ってはおけないし、俺に添い寝をさせてくれ!」
「っ…はぁ…断り続けても無駄そうね…分かったわ団長…お願いするわ。ただし!良からぬことを考えてるようなら撃つわよ」
「か、考えてない考えてない!これはホウセンカを心配してのことだし、良からぬことをするならホウセンカが元気になってからだ」
「へぇ…つまり私に手を出す気があるということね」
私は銃に手をかける。しかし団長はお構い無しに言葉を続けてくる。
「そりゃあるに決まってる!こんなかわいくて魅力的な女性に何も思わないなんてこと俺にはできない」
「な、何を言ってるのよ!馬鹿じゃないの!?やめなさい!」
「いいや、やめないね。真面目だし戦う姿は美しいし優しいところもあるし俺はホウセンカに惹かれてる!」
「あぅ…だ、団長…分かったから、分かったからもうやめてぇ…」
団長にそんなことを言われると頭と顔が熱くなってしまいよく分からなくなってしまう。胸がドキドキして私が私じゃなくなるみたいだわ。
「それじゃ今晩執務室に来てくれ」
「執務室なのが怪しい気がするのだけれど…分かったわ」
正常な判断ができないうちに決められてしまった気がするわね…。
団長と一瞬に寝る…か。眠れない時には人肌があるといいとは聞いたことあるけれど本当かしら?異性の人と寝るとなると寝られない気がするのだけど…
考えてても仕方ない。一度決めた以上いつまでもおどおどしてるなんて私らしくないわ。私は覚悟を決めることにした。
そして夜⎯⎯私は執務室に来ていた。
「来たかホウセンカ。ちょっと待っててくれ、今ホットミルク入れるから」
「ホットミルク?」
「ああ、温かい上カルシウムには精神の安定させてくれる効果があるみたいでな。寝る前にはホットミルクを飲むといいと言われてる」
そう言い団長はホットミルクを用意してくれた。
「温かい…なるほど、確かに落ちついてくる感じがするわね」
「だろ?体が暖まってるうちに寝ようか…と言いたいけど飲んですぐ横になるのは胃に悪いみたいだからしばらく話でもしてようか」
「話…と言われても特に話題がないのだけれど」
「うーん…そうだなぁ、騎士団に入って何か衝撃を受けたこととかないか?」
「衝撃を受けたこと…?…あ、あれは驚いたわ。夏だからと言って水着で戦う花騎士がいるなんて!予備の武器や食料も持てないし、マイクロビキニで戦ってる花騎士を見たときはなんというか…すごいと思ったわ」
「あー…水着姿で戦うこと自体は珍しくはないけど、マイクロビキニを着て戦ってるのは確かにすごいと思ったわ。バナナオーシャンってすごい!」
「ああ…あれバナナオーシャンの水着なのね、納得だわ」
他愛もない話をしているとそれなりに時間が過ぎ去っていた。団長との会話だったからかここまで話を続けられた自分に驚いた。
「それじゃそろそろ寝ようか、おいでホウセンカ」
「おいでってねぇあなた…まぁいいわ」
いざ団長と寝るとなると緊張していたが、優しげな言葉の言い方に解されて団長と同じ布団に入る。
「どうだ?少しは眠れそうか?」
「…分からないわ。貴方が傍にいると眠れそうな、逆に目が冴えるような、そんな感じよ」
「そうか…今は眠れる方に転がってくれるといいんだけど」
私がなかなか眠れないまましばらく時間が経った。ふと、団長を見てみると…彼は既に寝ていた。
「貴方が先に寝ちゃってどうするのよ…まぁそれだけ普段の仕事で疲れてたってことかしら」
膨大な書類仕事に追われ、時には戦場へも赴く。人間である団長は私たち花騎士よりも疲労等に弱いだろう。
彼の寝顔を見る。どこか子供っぽさを残したあどけない寝顔。
他人を放っておけず、誰かの為ならば自らが傷付くことも厭わない、とんでもなくお人好しな馬鹿な人。時に煩わしくも思うが助けられている部分も大きい。
こんな性格の私を本気で好いてくれており、私もなんだかんだでこのお人好しに惹かれつつあると自覚している。
何故こんな面倒な人を好きになりつつあるのやら。
そんなことを考えていると少しずつ眠気が襲ってきて、いつの間にか私は眠りについていた。
「ハハッ…アハハハッ!あぁ…もう我慢…できない…っ。団長…あなたが欲しいわ…!」
…っ!
妙な夢を見て目が覚める。何が我慢できないのよ私!どうして団長を襲おうとしてる夢なんて見てるのよっ!
というか目の前が真っ暗だし動けない。どういう状況?と思い顔を動かし、状況を確かめると団長が私を抱き締めており、私は団長の胸元に顔を埋めていたようであった。
自分の顔が熱くなり、赤くなるのが分かる。
なんで抱き締められてっ…!あんな夢を見たのは団長と密着していたせい!?そもそも私はまだ団長とそういうことしたことないのに!
しばらくあたふたしていたが、下心があって抱き締めた訳ではないであろう団長を起こすのも悪いと思いこのままの状態でいることにする。
変な夢は見たもののよく眠れた気がする。団長といるとどこか安心する部分がある。
私自身の在り方について私と共にもがいてくれると言ってくれた人、本当に私みたいなのとずっと一緒にいても私を好きだと言ってくれるのなら、それに応えて私の力と意思であなたを満足させてあげたい。
なんて柄じゃないこと思ってるわね。…でも本当に感謝しているわ、ありがとう…団長。
ネムノキのSSを何かしら書いてみたいと思ってますが…書けるかは分かりません。春庭の文化とか司聖官たちの反応とか知りたい
眠れないお話はネムノキの方が合ってた気がしますね