第0話 名誉捨て去り零から生きる
此処は、某国のとある1室。
「「「……」」」
張り詰めた空気の中で男達は並ぶ…
この部屋にいる者達の目線は……
その目線を集めているのは……
「……なん、だと!?」
1人の男と……
「……言ったとおりだ」
男達の前に立つ1人の少年の背中だった
「お前を……」
「生かす価値はないっ!!」
「やっ……やめ!」
バン!
「…制圧完了、撤収する。此処は跡形も無く消すぞ」
「了解だ。砲撃要請を行う」
「この建物…砲撃で崩れるのか?」
「どうしますか?リーダー」
「だったらC4をありったけ使う。此処を完全に吹っ飛ばすぞ」
「「「「了解だ!」」」」
リーダーと呼ばれる少年の指示に従う男達は少年と共に建物の中を爆薬で埋め尽くすし建物から出た…
それから5分ほど経ち、砲撃の嵐と建物内の爆発で激しい爆発音が響き…続いて建物が大きな音を立て盛大に崩れ落る。その爆風で少年と男達の服は激しく靡いた後、辺りは男達の歓声が響いた…
瓦礫となった建物の前で2人の男は、崩れた建物を見つめ満面の笑みを浮かべていた
「これで……終わったのか?」
「そうだ。終わったんだ……何もかも」
「そうか……」
「これで俺たちは……」
「そうだ!」
「まだだ」
喜ぶ男達の会話に水を差したのはリーダーと呼ばれる少年だった。喜ぶ男達とは違い、彼の表情は変わらず喜びを感じられない程…硬い表情だった
「「リーダー?」」
「まだ終わっていない」
「何故でだ!?」
「そうだぞ!もう敵は全員!」
「そうじゃない」
「……じゃあ何故?」
「俺たちはまだ日本に帰ってないからだ」
少年の冷静な発言は男達に緊張感を与え、冷静さを取り戻させた
「っ!、そうだった。悪い…」
「俺たちちょっと浮かれてたな…」
「いや、気は抜いても良いが程々にだ。絶対気を抜くなよ」
「「ああ!」」
男達の表情を確認し満足がいったのか。少年は1人仲間のところへ戻っていく…その後ろ姿はこの場にいる誰よりも大人だった
「はぁ、普通は喜ばないか?あいつは……」
「そうだな……」
「だがあいつの…『リーダー』のおかげで俺たちは勝てたんだ」
「そうだな…」
「だが……どうなるんだ?リーダーは」
「……分からん。何せリーダーは……」
「帰る場所が無い…からな…」
「はぁ……」
少年が活動拠点としているテントに入ると、先に戻っていた仲間達が喜びながら少年に声を掛け始めた
「ようやくだな!リーダー!なぁ皆」
「森田さんの言うとおりですよ!リーダー!」
「ようやくだな!」
「森田…お前ら…もうリーダーはやめてくれ。もうそんな呼ばれ方はされたくない」
「そうか?まぁこれが最後なんだ。我慢してくれ!」
「……分かった」
「まぁとりあえず!今日は宴会だ!酒用意しろ酒!」
「「「おおっ!!」」」
少年の仲間達が宴会を開く準備をする中…
「…はっ……」
少年はただ1人ため息をつき乱暴に椅子に座り何かを呟いていた事を知る者はいなかった…
宴会が始まり……あっという間に終わった。皆、酒を飲み過ぎ夢の中…
少年は酒を飲む気分にならず、星空の下でたき火をして水を飲んでいた
「……はぁ」
「浮かない顔だな、リーダー」
「森田……」
「……まだ考えてるのか?」
「ああ」
「もう気にしなくても良いんじゃ無いか?」
「そうか?」
「そうだぜ?親が居ない子供は結構居るからな」
「それはそうらしいが…」
森田たちは元々、観光地として有名だったこの国に旅行に来ていた一般市民だった。
だが某国内で突如紛争が起り、人質として捕まった友人や家族を助けるためにこの部隊を築いたのが森田だった。
だが俺は…戦略増加の為に拉致され、その際に両親と弟は殺されたらしい
此処に連れ去られたとき俺は4歳だったらしく今となっては森田達が俺の親みたいなものだ
家族はどんな者達だったのかはもう分からない
だが俺は紛争を生き抜いた兵士だ。森田達からあらゆる知識を教わり、薬品によって身体は進化と呼べる程の造りとなった上、特殊な訓練を10年近く受けたのだから生活はどうにでもなるはずだ
「まぁ…どうにかなるだろ?」
「ああ!どうにかなるさ!」
夜空の下、たき火が燃える音が響く中再び森田が口を開いた
「話が変わるが…リーダー?」
「いい加減リーダー止めないか?昔みたいに話せ」
「…分かった。お前はいまいくつだ?」
「年か?確か…16ぐらいだと思うが?」
「…そうなのか」
「何でだ?」
「お前、老けて見えるからさ」
「殴んぞ」
「いやいや!皆そう思ってるぞ?」
「普通驚くところじゃないのか?」
「俺達はお前の親みたいなもんだぞ?息子の年聞いて驚くわけないじゃないか」
「じゃあ何でいくつか聞いたんだ?」
「…確認だ」
「……そうか」
気を遣っているのか、それともただ気になっただけなのかは分からないが多少の気紛らわしにはなった
「ありがとよ。森田」
「気にすんな…ちょっと待てよ?お前、名前はどうする?」
「名前か…」
俺には名前が無い、そもそも名前を知らないから名乗れないのだ。だから今までも「リーダー」とか「指令官」とか呼ばれてきた。
「それなら考えてある」
「そうなのか!?どんなのだ?」
「明日の朝教えてやる」
「そうか!じゃあ明日のためにも、最後の準備をしますかね!」
「ああ」
俺は砂を掛けたき火を消し、森田と最後の準備を始めた
“翌朝”
「全員!リーダーの最後の挨拶だ!」
森田の指示が朝日と共に響き渡る、そして俺は最後の職務を全うするべく全員の前に出た
「皆、ついに紛争は終わった。ここにいる全員が、ようやく故郷である日本に誰一人欠けること無く出来る。
まず皆に感謝したい。幼い俺をここまで育ててくれたことそして、こんな俺の指示に従ってくれたこと、それ以外のことも全部まとめてありがとう」
言ったとたんに泣き出す奴がたくさんいたので驚いたが、話を続けた
「そして俺は、今日この日に生まれ変わる」
「とうとうだな、お前ら!リーダーが自分の名前を決めたぞ!」
森田がそう言い放った瞬間歓声が上がった、お前らそんなに気になっていたのかよ…
「マジでか!?」
「ああ、今まで無かった俺の名前…」
「今日この日から俺は…」
3日後…
あの後俺たちは日本に着いたが、ついた途端新聞記者たちに囲まれた。当然だ、一般市民が友人や家族のために戦い続けたんだからな。
そこから先は、森田たちに取材班が集まったが俺は隙を狙い逃げた。16の少年がリーダーだったと報道されたくなかったし、親代わりもいないから少年院確定だとおもっていたからな。
だかうれしい誤算があった、それは…
「これで良しと、いやーやっと終わった」
「にしてもこうなるとはな、ありがたい」
16歳でもひとり暮らしが出来る事だ、しかも森田の知り合いがバイトを募集していたのでそこで働き生計を立てることにした。
帰国前に今までの資金と敵共の溜めてた金を頂戴し山分けしたのだが、いつかのためにほとんど貯金することにした、それでも生活資金は結構あるので当分は問題なさそうだ。
「口調はこんな感じか?…やはりおかしいな」
口調を変えておけと言われたのでなるべく変えてみたが…
しばらくは今まで通りでいいだろう…
「さて、それでは今日から仕事頑張るとしよう」
森田が紹介してくれた仕事はどうやらライブハウスのでのアルバイトらしい、仕事先くれた森田に感謝だな…
「ここだな」
着いたは良いが、立派すぎないか?ここで働くと思うと気が引き締まる。
息を整え、俺は扉を開けた。
「すいません!今日からここで働くものなんですけれども」
「はーい。ちょっと待ってくださーい。」
奥から声がしたので待っていると、スタッフらしき人が来た。
「今日からここで働く新人は君だね、私は月島まりなだよ。君の名前は?」
「はい、今日からここでお世話になる
「うん、よろしくね。零くん」
「はい。よろしくお願いします、まりなさん」
ついにこの日、この日から俺は、戦争で育った化け物としてでは無く、
この時、俺は予想もしてなかった。
この場所で出会う者達のおかげで…俺は大きく変わるということを…
簡単なキャラ設定
名前:神鷹 零
身長:184cm
年齢:16歳
特徴:ダークブラウンの髪 顔の傷
能力:驚異的な身体能力・毒物耐性・負傷時の急速回復(激痛のデメリットあり)
【改めて】次回のシリアスは?
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afterglow
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ハローハッピーワールド