零のバトルを読みたい方は、コメントでお知らせください
それではどうぞ……
作業が楽しくなる人って居るのか?もしそうならそのコツとか教えて欲しいな……。書類作業って意外と辛いんだな。毎日毎日パソコンの画面にへばり付いての仕事はさすがに疲れる、閃光弾と比べると大したことはないが……ずっと見ているのはやはり辛い。
「……。」
「零くん!?しっかりして!!」
「……あれ?……まりなさん?どうしました?」
「どうしました?じゃないよ!無理し過ぎだよ!」
「…あれ…もうこんな時間ですか」
最近仕事に集中し過ぎて時間を忘れることが良くある…何事も似たような感じだがな
「零くん…張り切るのは良いけど無理しちゃダメだよ?」
「すみません…でも、もうすぐ終わりそうです」
「じゃあそれが終わったら帰って良いよ。ちゃんと休んでよ?」
「分かりました」
“数日後“
「…………。おはようございます」
「おはよう、出来上がったの?」
「はい」
「うん、問題ないね。……ちゃんと休んだ?」
「はい」
「嘘でしょ」
「……はい。あの後やり続けました」
「もう!健康第一って知らないの!?」
「知りませんよ…命が第一でしょう?」
(第一は自分の命って教わったしな)
「対して変わらないでしょ!自分の身を大事にして!」
「そんなこと言われても…この状態が普通だったんで…」
「君まずその考え方を辞めさせないといけないね」
「まあ、頑張ってみます……」
「とりあえず!皆の様子を見に行くよ!」
「はい……」
「みんな、お疲れ様~!どう?仲良くやってる~?」
何人かはもうTシャツ着てる様子から見て、皆気合いが入っているのが分かる。ただ気が早すぎないか?
「お疲れ様です。ちょうどこれから、段取りの話をしたいと思ってまして。お二人の意見も聞かせてもらえますか?」
「は、はい~っ!」 「ああ」
これは……休む暇なんて無いな…
「なるほど、だったらそれでいいんじゃないか?」
「そうですか。分かりました」
「よし、コレで一通り終わったか?」
「そうですね。お疲れ様でした」
段取りの話がようやく終わった……思ったより時間もかかったが、まぁこれで少しは仕事は減ったか?
思いっきり腕を伸ばしたら音鳴りまくった、ここまで疲れがたまっていたとはな
「お疲れのようですが…忙しいのですか?」
「もうすぐ終わる。それに休めって怒られたところだ」
「具体的にどのくらい残っているのですか?」
「そうだな……企画書は完成して提出したし、後は資料をまとめるだけだな」
「そうですか」
「ああ、さてと」
「どちらへ?」
「設備の調節を頼まれてたからな、先に片づけてくる。用事でもあったか?」
「いえ。時間に余裕があるので待ってます」
「そうか?じゃあ少し待っていてくれ」
さて頑張るか、休めと言ったのに頼み事って…あの人言ってること無茶苦茶じゃないか?まぁ普通に出来るからなんでもいいがな
“紗夜サイド”
「……大変なんですね」
零さんはいつも仕事ばかりしている気がします…イベントの事と私たちの練習での指導、両立させるには相当な気力と体力が必要になるはずですが…
「なぜパソコンの電源を付けたまま行ってしまったんですか?」
あの人は最近どこか抜けてる気がします。そんなに多くの仕事をこなしているのでしょうか?
(零さんの仕事内容……一体どんなことを?)
パソコンの画面を覗いてみると……
「!これは……」
そこに映っていたのは、カフェのメニューやTシャツなどの資料、それも一つ一つ細かく書かれている
「…これは本来私たちの仕事では?」
一体零さんは何を……?
ガチャ
「戻ったぞ」
“零サイド”
「戻ったぞ」
作業をさっさと終わらせて戻ると、紗夜がパソコンをガン見していた。もう覗くとか言うレベルじゃない
「紗夜?何してんだ?」
「零さん…これは何ですか?」
「それか?資料だ。保管用のな」
「保管用?どういうことですか?」
「このイベントはCIRCLEにとってかなり重要なイベントなんだ。もし第2・3回目があったときの際に今回のイベントについての資料が必要になってくる。その際に使うための資料がな」
「でしたらなぜ私たちにそれを言わなかったのですか?」
ごもっともだ、言い出せば彼女たちなら手伝ってくれるだろうから作業が楽になる。だがそれはしたくないしさせたくない、なぜなら……
「みんなに楽しんで欲しいからだ」
「どういうことですか?」
「俺にとって今回のイベントは、ただ人に楽しんで貰うことが目的じゃない。楽しませる側、つまり演奏する皆にも楽しんで貰いたい。現に曲も仕上がってきたみたいだし、皆忙しそうにしてるのに、その上仕事を手伝えだなんて俺は言えない。だからだ」
今回は楽させてあげたいと思ったしな
「そういうことですか。ですが私たちも頼ってばかりなのは……」
「俺がここまでするのは今回だけだ。だからこのことは秘密にしてくれないか?」
「そう言われましても…これは私たちの仕事ですし…」
「頼む」
「しかし…」
交渉はあまり得意じゃない…勢いでどうにかするしかないな……
「…分かった。じゃあこうしよう」
こういうことはあまり言わない方が良いんだが仕方が無い
「俺の頼みを聞いてくれるんなら、俺は紗夜の頼みを聞こう」
「どういうことですか?」
「要は何でも言うこと聞くって事だ」
「……分かりました。この事は誰にも言いません」
「ありがとな。紗夜」
「それで…何か望みはあるか?」
「そうですね……でしたら少しお話ししたいことが」
「分かった、外で話そう」
CIRCLEに来てからの俺の仕事は幅広い、ロビー・スタジオ・ステージが俺の職場だが最近になってカフェも任された。俺は料理も出来るからな
「はい、コーヒー。これでいいか?」
「ありがとうございます。ですがよろしいのですか?勝手にカフェの設備を使用してしまって」
「良いんだよ。たまにここが職場になるからな」
「本当に何でも出来るんですね…」
「何でもじゃない。出来る事だけだ」
(まぁ…それが多いからそう言われるんだろうけどな……)
「……美味しいです」
「そうか?それはよかった。他の物も飲みたくなったら言ってくれ」
「いいんですか?」
「いいさ。材料は余りまくってるからな…」
「では、カフェオレを……」
「分かった」
生きるために身につけた
「はいカフェオレ」
「いただきます……やはり美味しいです」
「そうか……」
紗夜がカフェオレを飲み干した事を確認し、俺は口を開いた
「さて、本題に入るが話ってのは何だ?」
「……今後についての相談です」
「と言うと?」
「私はまだ未熟なんです。ギタリストとしても姉としても」
「そうか?向き合ってるんだろ?」
「ですが今のままでは成長とは呼べません。どうしたら私は成長できるのでしょうか」
「う~ん……」
前よりは丸くなったが…。確かにまだ未熟だな。
「紗夜…確かに紗夜は未熟かもしれないが、深く考えてると余計にひどくなるぞ?」
「どういうことですか?」
「いいか紗夜。人は一言で言えばコップだ」
「…コップですか?」
「そうだ、よく考えてみろ。ファミレスで出されるコップにプールの水を全部入れられるか?」
「無理です」
「だろ?プールの水を入れたいなら同じプールのサイズのコップじゃないと入らない。これは人も同じだ」
「つまり?」
「器に余る物は持てない、だから器を大きくしたい、でも早くしたい。それが今の紗夜の状態、焦りだ」
「確かにそうですね…」
「まぁ…何が言いたいって言うと、焦らず少しずつ変わっていけば良いって事だ」
(例え話をせずにこれだけ言えば良かったかもな……)
「……なるほど」
「焦って何かすると間違えやすい、よく知ってるだろ?」
焦りが一番思考を鈍らせる、 向こうじゃ[焦る=死]だったんだからな。何事も冷静に判断できるように育てられた俺が言うんだから間違いない…
「そうでした…」
「まぁ、少しずつ変わっていこうじゃないか」
「そうですね。聞いて頂いてありがとうございます」
「すっきりしたか?」
「はい」
「そうか……おかわりは?」
「いただきます……」
「はい、おかわりどうぞ」
「ありがとうございます」
「……なぁ紗夜」
「なんでしょうか」
「紗夜は学生…なんだよな?」
「そうですが…それがなにか?」
「紗夜の学校ってどこなんだ?」
「花咲川女子学園です」
「あ~女子校か…」
「そうですけど…それがなにか?」
「いや、なんとなく聞きたかっただけだ」
本当は進学を少しだけ考えたんだが……女子校はさすがに無理だな…
あっという間に日が沈んだな……そろそろ帰ろうか
「今日はありがとうございました」
「いや、こっちも色々聞けて楽しかった」
「そうですか?」
「ああ」
「それはよかったです」
さて……飲んだ後の片付けだな
「それじゃあ、カップを片づけますかね」
「いえ、それくらいは私がやります」
「やらなくていいよ?出したのは俺だし」
「ですg『ガタッ』、っ!?」
「おおっと!!」
紗夜が慌てて立った際に足を引っかけてしまった、そして俺はそれを抱き止めてる。……結構焦ったのか、俺をがっしりと掴んでるな。……端から見たら抱きついてる状態だな
「……大丈夫か?」
「……」
「紗夜?」
「え、ええ。大丈夫です///」
「そうか?それはよかった……あれ?」
離れようとしたが完全捕まれてる…全然離れようとしない。何故だろうか。何でさっきより腕に力を入れているのだろうか
「さ、紗夜?どうした?」
「……のままで」
「んん?何だ?」
「……このままで居させてください」
「え?な、何でだ!?」
「このままで居たいんです……ダメですか?」
なんか前にもこんな事があったような気がするがまぁ…それくらいいいだろう
「分かった。気が済むまでそうしてくれ」
「……腕」
「ん?」
「腕を……」
「腕?……ああ、そういうことか」
腕を紗夜の背中に回した……完全に抱き合ってる状態だな。見えるではなく完全に抱き合っている。俺は何か間違ってる事をしているのだろうか。それとも正しいのだろうか。聞いてみるか
「これでいいか?」
「はい……満足です」
(温かい…何かが満たされている…そんな気がします///)
「そうか」
(じゃあ問題ないようだ。今後もコレで行こう)
この時間は、日が沈みきるまで続いた……
「満足しました」
「あ、ああ。そうか」
(何かスッキリした顔つきになったな)
「なあ紗夜」
「な、何でしょうか?」
「さっきのあれ、そんなに良かったのか?」
「な、なぜですか?」
「いや…それで満足するならいつでもするつもりだ」
「本当ですか?」
「ああ。言ってくれればいつでもいいぞ」
「約束…しましたからね?」
「ああ、約束だ」
「そうですか……では。明日からまたよろしくお願いします」
「ああ、お疲れ」
(抱き合うと言う行為は人を癒やす効果があるのか……森田の話は本当だったのか。いつか会ったらお礼をしなければないな。これからはこの方法を彼女たちを支える手段の一つとして取り入れていくとしよう)
この日、零は人生で最大の勘違いを、常識として認知するようになってしまった。この勘違いが原因でこの先どうなってしまうのか。それはまだ誰も知らない……
次回で第1章を終わらせます。
第2章は学校編についてのアンケートを元に作らせて頂くので、参加者の皆様。もう少しだけお待ちください!
高評価、又はお気に入り登録をよろしくお願いします!
【改めて】次回のシリアスは?
-
afterglow
-
ハローハッピーワールド