化け物の俺は彼女たちと人間になりたい   作:ゼルクニル

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第一章 
第1話 帰り道での出会い


CIRCLEで働き出して1ヶ月近くたった

 

「零くーん、この機材運ぶの手伝ってー」

「今行きます」

 

 

まりなさんにあれこれ教えて貰い、ようやくスタッフとしての仕事が出来るようになった。

 

と言っても、現状は機材の運搬や簡単な整備程度しか出来ないものの、それでも構わないと受け入れて貰いながらも出来ることを増やしていこういう目標を持ちながら働いている。

 

 

だがそれでも、多くのことをこなしてきた俺でも出来ないことが1つだけあった。

 

 

 

 

「ここまで出来るようになったんだから、そろそろ受付も頼めないかな?」

「いくら仕事とはいえ、受付はまだ断らせて頂きます」

 

 

まりなさんは平然と会話をしているが、俺の顔はかつての古傷である刃傷が多く残っている。その為、俺が受付をするとお客さんが来なくなるのは目に見えていた。なので俺は受付だけは絶対にしないのだが、やはりコミュニケーションのことを考えると…かなり不憫である。

 

 

「まぁですけど、以前よりは変わったような気がします」

「君は強いね…」

「それはどっちの強さですか?」

「どっちもだよ」

 

 

まりなさんは俺の境遇を知っている数少ない人物の一人だ、俺の境遇を知っていてもなお快く迎えてくれた恩人であるので、この人の頼みには出来るだけ良い返事をしたいが受付だけはまだ出来ないと言わざる終えない。

 

 

「でもね?だからこそ君には青春を謳歌して、今まで出来なかったことをしてほしいの、ここについてはよく知っているでしょ?」

「それはそうですけど…」

 

 

ここに来たとき聞いた話だが、ここはガールズバンドのためにオーナーが建てたらしく今は主に5つのバンドが使用しているらしい。どのバンドとも面識は現状無いが、出会う日はそう遠くない可能性もある。

 

 

 「すいませーん」

 

「はーい、今行きまーす。零くん、ここの機材をしたまで運んで貰ってもいい?」

「わかりました」

「うん、頼んだよ」

 

 

 

 

 

 

 

「やっと、と言うほど時間掛かっていないが終わったな」

 

 

過去の経験はいつか役に立つと言うらしいが事実だな、機材の方が重装備よりも軽く感じるのは重労働を経験したからだろう。

 

 

「おつかれさまーってすごいね!?本当に一人で運べたの!?」

「寧ろ軽いくらいでしたよ」

 

 

仕事が終わる度にまりなさんに驚かれる。それが仕事のルーティーンとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

仕事が終わり、俺は家に帰った後について考えていた。

 

 

「…しばらくはバイトも休み、アニメでも見るとしよう」

 

 

最近、俺はアニメを見るようになった。きっかけは今時の流行を知るために見始めたのだが…中々おもしろい、現実味があるものもあれば幻想的なもの等様々だというのにほぼ毎日見れるという事実に驚きだ。これが日本の普通…まだ慣れないな。

 

 

「今日は何を見ようか…やはり今日は『ち、ちょっと!』…なんだ?」

 

 

明らかに嫌がっている声がしたので急いで声のする方に行ってみると,

白桃色の髪をした少女が男に腕を捕まれていた。明らかに嫌がっている…だが揉め事は避けたいがしょうが無い。偶然通りかかったように近づき少女を掴む手を払うという算段を立てている間に俺は男に気づかれ、男は怒鳴り散らし始めた

 

 

『あ?何だよお前には関係ないだろ!引っ込んでろ!』

「あんたのせいで関係者だ。無理矢理その子の腕を掴んでいる時点で犯罪だ」

『うるさい!!俺の女なんだぞ!!彼女と何しようが勝手だろう!』

 

「放してよ!このストーカー!助けてください!!」

 

『ストーカーじゃない!僕は君のためなら何だってする!君は僕と結ばれる運命にあるんだ!』

 

 

流石に見ているだけでは居られなくなったので、俺は少女の腕を掴む男の腕を無理矢理引き剥がしてやった。

 

 

「手ぐらい放したらどうだ」

『邪魔するなっ!』

 

 

すると逆上して殴りにかかってきたので横に避け、足を掛け転ばしてやると男はそのまま電柱に頭をぶつけ倒れた。

この男をどうしてやろうかと考えていると、少女に声をかけられたので振り返ると少女が近くにいた

 

 

「あっありがとうございますっ!」

 

 

彼女の顔は半泣きだった。当然だ。ストーカーに腕捕まれていたからな……今更だが、これは正当防衛の判定内だろうか。誰かに質問されたら勝手に転んだと言っておこう。

 

 

「怪我はしているか?」

「大丈夫です。それよりも…この人どうします?」

「頭部を強くぶつけ当分は起きないはずだ。どうするかは君の判断次第だ」

 

 

少女は少しうなった後何かを言い出そうとしたが、少女の電話が鳴ったので電話に出るように言った。しばらく続いていたのでひとまず男を落ちてたロープで縛ると少女が戻ってきた

 

 

「お待たせしま……なにやってるんですか?」

「ひとまずはこれで一安心だ」

 

 

結局警察を呼ぶこととなり男は逮捕、連行されていき俺は正当防衛ということでこの一件は終わった。

 

 

「帰りは気をつけるんだぞ」

「待ってください!」

「んん?どうした?」

「あの、あなたの名前を教えてください!」

「…神鷹 零だ」

 

あまりの勢いだったのでつい名乗ってしまった。だが少女の方は満足したようで「いつかお礼をします!」と言って元気に帰って行ったので「気をつけるんだぞ」と注意だけをして再び家路につくことにした。

 

 

揉め事は金輪際ゴメンだ。

 

 

 

 

 

少女はあの後、幼馴染みの数名といつも集まる喫茶店にいた。幼馴染み達は少女が襲われたと聞きつけ、心配で急遽集まったようで少女は最高の幼馴染みを持ったんだと感動しながら出されたコーヒーを飲んでいた。

 

幼馴染み達は少女を救った男について少女に聞いたものの、彼は帽子をかぶりマスクをしていたため顔が見れなかったが、身長や髪の色、「れい」と名乗っていた等の数少ない情報を少女は話した。

 

 

「なんか…想像つかないね…」

「まぁ、そんなに特徴的ならすぐに見つかるんじゃない?」

「れい、か…今度会ったらあたしたちもお礼いわないとね」

「だな!」 「だね~」 「うん!」

 

 

幼馴染み達が感謝を伝えようと考えていたとき、少女は『また会えるような気がする』。そんな謎の核心を抱きながら、心を落ち着かせるために追加で頼んだパフェを口に運ぶのだった

 

 

【改めて】次回のシリアスは?

  • afterglow
  • ハローハッピーワールド
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