化け物の俺は彼女たちと人間になりたい   作:ゼルクニル

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携帯での急ピッチ作成なので、誤字脱字あるかも知れません…内容も薄いかな…
しっかり書ける時間が欲しい!!




_当然今回もシリアス!回れ右スペース_







第39話 責任感は時に感情を殺す

「(…此処は何処だ?)」

 

目を開くと黒い世界が広がり、俺は椅子に座っていた。前には誰が座るのか分からない椅子がありそれ以外は何も無い…

 

俺はこの光景に似たようなものを知っていた。そう…Roseliaの一件の後で経験した謎の存在との出会いも(悪夢の最後)と似たような場所だ。またなのかと思いながらも何処かに行けるわけでもなく、ただ何かが起こるまでずっと待つことしか出来ない

 

 

『待つ必要は無いぞ』

 

 

 

目の前の椅子に誰も座っていない。だがどこからともなく声がする時点で、また謎の存在(コイツ)だと分かった

 

『また此処に来たようだな』

 

嫌ならさっさと帰してくれ。とコイツに言う、俺は忙しいんだからな

 

『弾丸喰らった事への関心は無しか?』

 

無い訳では無い。あの後どうなったのか分からないんだ…こんな所で無駄な時間を過ごしている訳にはいかない!

 

『戻ってどうするんだ?あの馬鹿共を殴り飛ばすのか?』

 

 

誰がそんなこと!と反発したいが…本当はそうしたいのが本心なのは間違いでは無い。あの男共が真面目に働いていればこんな事にはならなかったのは紛れもない事実だからだ

だから俺はコイツに向かって何も言えなかった…

 

 

『何故こうなったのか教えてやろうか?お前が人間になろうとしているからだ』

 

何を言っているのか分からない、だがそれは間違いに決まってる。俺は化け物じゃ無いのだから!

 

 

 

 

 

『間違い?自分の身を守れなかったくせにか?』

 

俺が口を開く前にコイツは話を続ける

 

英雄(化け物)と呼ばれた頃は仲間は傷つきながらも誰も死ななかった。ましてやお前は腹に弾丸喰らっても人を追いかけられる程走れたじゃないか』

 

コイツは責めるような強い声では無く、人を小馬鹿にするような軽い声で俺に語り続ける

 

『だが今はどうだ?まともな指揮も出来ず、一瞬の判断も出来やしない。これでも間違いだと言えるか?』

 

否定が出来ないことに腹が立つ…だが…事実だ…

 

 

もしあの時…所持していたアンプを盾として利用していたら傷を浅く出来たかもしれない。

 

もしあの時…男を機材のコードで縛っていたら警察に突き出せたかもしれない

 

もしあの時…彼女たちに向けて発砲していたら彼女たちは…

 

 

『何も出来ていないじゃないか。ただ運が良かっただけだ違うか?』

 

そうだ…今立てた予測も…起きない起こせないと否定出来ない、起こりえたかもしれない未来だ…

 

予測、指揮、冷静な判断。今まで出来ていたのに何故…出来なくなったんだ?

 

 

頭を抱え自問自答する。だが答えは分からない…何故?何故なんだ?

考えがまとまらず混乱し、まともな判断が出来ない状態に陥ったタイミングを見計らったかのようにコイツは俺に追い打ちをかけ始めた

 

『いい加減諦めろよ。お前は化け物だ』

 

違うっ!俺は人間だっ!

 

『それを認めない限りお前は何も救えないぞ?いいのか?』

 

…何も…救えない?

 

『おかしいと思わないか?お前が配置した警備の無線は何故電源が入ってなかったんだ?』

 

そうだ…警備を任せた奴らは皆気を抜い…まさかサボっていた!?

 

『そうだろうなぁ。何せ人の命なんかどうでも良い連中だからなぁ』

『そもそも、何であの敵共は練習するタイミングを知ってたんだろうなぁ』

 

嘘だろ?…誰かが情報を漏らしたとでも言うのか!?

 

『さあな』

 

 

この時俺は…1つの感情が崩れ始めていた…それは信じる心。誰かを疑いながら生きてきた俺がようやく掴み始めた人の心。それが…徐々に崩れていくのが分かる…

 

 

「(守ろうとしない警備の配備と情報漏洩…俺は…何も出来てないじゃないか…どうしてこうなったんだよ…何でなんだよっ!!)」

 

 

人になり始めた精神が崩れていく…俺は…人間になってはいけないのか?

 

『そうだ…お前は…ただの化k』

 

するとパリンと言う音と共に黒い世界にヒビが入り、に徐々に光が差し込んでくる…

 

『ちっ、時間か…これからだってのに…』

 

そう言い残し、謎の存在は完全に消えてしまった

 

そして俺はその光に飲み込まれていく…

 

 

 

 

 

 

光が弱くなりぼやけた目を少しずつ開けると、そこは…また同じ天井、同じ病室だった。時計の針は午後7時前を指し、日が沈む時間だ

 

「…」

 

夢だろうがそうでなかろうが、俺にとってはどうでも良かった。俺は…

 

「俺が、俺1人が動けばいいんだ…」

 

自分1人で全て解決すればいい(化け物に戻ればいい)と理解したのだから…

 

 

 

横になっていたベットから降り自力で立つ、多少ふらつくが無理矢理にでも立とうとすれば立てる。服は患者用の服に着替えさせれていたが、ハンガーに掛けてある、血が染み込み異臭がする俺の服に着替えた。腹には包帯が巻かれているが邪魔だし傷は塞がっているので引きちぎり放り捨てた

 

「喉が渇いたな…」

 

病室に水道が無いので、近くに置いてあった花瓶の中の水を飲んだ。酷い味だが戦場で(前に)飲んだ一番酷い水よりはマシだな味だ…何も問題は無い、死ななければ何でもいい…

 

「外に行くか…」

 

 

病室の隅に並べておいてあった靴を履き、俺は自力で歩き病室を出る。屋上に向かう途中で誰かに呼ばれた気がしたが、無視して外へと向かった…

 

 

 

 

外は雨が降り注いでいたがそれでも関係なく外に出た。ズボンのポケットに両手を入れ、傘もささず全身で雨水を受ける、服は雨に濡れてシミになり始め、髪は雨水が染み込み重さで下に下がる。気づけばあっという間に全身が水浸しになった

 

「…」

 

雨水は氷水のように冷たく全身の熱が奪われていく。だがそんな事はどうでもいい。冷たいのは雨水じゃない…元から俺は冷たいんだ、冷徹なんだ。と自分に言い聞かせる為に外に出たのだとようやく理解した…

 

 

雨が降る音が辺り一面に響く中、いくつもの足音が後ろから聞こえてきた

 

「待ってよ!れいくん!」

「何処に行くつもりなのよ!」

「傘くらいさしてよ!風邪ひくよ!?」

「無理はしない方が良いですよ!」

「ムリは禁物です!」

 

後ろに居るのはパスパレの5人のようだ。丁度良い…状況を整理するためにいろいろ聞くとしよう

 

「あれから何があった?」

 

「そんな事、後でもいいでしょ!?」

 

後でもいい?そんなことあるわけが無い、休んでいた時間を取り戻さなければいけないのだからな

 

だが彼女たちに何度同じ事を聞いても何度も望んだ返答は帰ってこない

 

「いいから言えよっ!!」

 

望む答えが返ってこない事に苛立ちを覚えた俺は、彼女たちの方を向いてそう叫んだ。彼女たちの顔は驚きを隠せていない…それどころか怯えるような表情だった。何故?そう思った時、自分の顔から変色した雨水が額を流れている事を、額から落ちる雨水を見て理解した。彼女たちが驚いたのは、()()()()を見たからなのだろうか…それとも大きな声を出したからなのか。まぁどっちでもいいがな…

 

「零!貴方顔の傷が!!」

 

「どうだっていい…」

 

「どうだって良いこと無いでしょ!?」

 

「どうだっていいさ…いずれ明かすんだ…今と後、何が違うって言うんだ…」

 

「零…くん?どうしちゃったの?」

 

「どうもしてない…コレが俺だ。それより状況は?あの男共は?なぁどうなったんだ?」

 

 

早く教えろ…あの男共はどうせ捕まってないんだろ?俺がどうにかすれば良かったんだろ?どうして俺の事ばかり気にするんだ…そんなの後回しで良いじゃ無いか…

 

 

「もしかして…責任を感じてるんですか?」

 

そうだ。だから早く教えろって言ってるんだが?まぁ話がようやく進むのか…

 

「そんなに…気負わなくてもいいじゃない」

 

「そうですよ!零さんは頑張ってましたよ!」

 

…は?何を…言ってるんだ?気負わなくても…いい?

そんなこと…許されるはずが無い…

 

 

 

「…だろ」

 

「えっ?」

「零……くん?」

 

 

「気負わなきゃいけないだろっ!!」

 

雨の音が俺の叫びと同じタイミングで激しくなり、雷も鳴り始めた中、俺は感情にまかせて声を発し続けた

 

 

「全ての責任は俺にあるんだ!人員配置も瞬間的な判断も出来ない俺が悪いんだよ…俺が無能だからあの男共も取り逃がしたんだっ!銃弾を受けて死にかけた?だから何だってんだ!!それで責任を取らなくていい訳がないだろうがっ!」

 

 

俺が叫ぶ言葉に対し、彼女たちは顔を歪めながらも俺に言い返した

 

 

「でも!れいくんは私達を守ってくれたよ!?」

 

「そんなの当たり前の事だろ!だいたい俺は統率者なんだぞ!?ロクに警備もできない人間を配置し!軽々と外部からの侵入を許した時点で無能そのものじゃないかっ!!」

 

「おかしいよ!そんなのあの人達の問題で!零くんは何も悪くないじゃん!」

 

「その人間の問題をなくすのが俺の仕事だ!それが出来なかった俺自身の問題なんだ!指示された人間の失敗は統率者である俺の責任だ!!」

 

「だからといってレイさんが全ての責任を背負うのはおかしいです!」

 

「だからこそだろ!?だから俺が全て片付ければ良いだけの話じゃ無いか!!」

 

「そんなのおかしいです!零さんがそこまでする必要ないじゃないですか!!」

 

「俺が…俺だけが傷つかなければいけないんだ!!」

 

「どうしてよ!貴方が…そこまで傷つく必要ないじゃない!!」

 

「俺が傷つけばそれで終わりなんだよ…」

 

「どうして?何で…貴方が傷つかななければいけないの?」

 

 

 

「どうしてよ!」

 

「それ以外の解決策がある訳ないだろっ!!」

 

 

 

千聖と共に感情を叫んだ時、雷が落ちる音がに響いた…

 

その言葉を聞いた彼女たちは更に顔を歪め俺の方を見る。その時俺は…今までで1番の衝撃の光景が脳裏に焼き付いた。彼女たちの目は…思い出したくも無い奴らの目と同じ…異様なものを見る目だ…

 

「嘘…だろ?…お前らも…そうなのか!!どいつもコイツも何でそんな目で俺を…見るんだ…っ」

 

その一言を言い切る前に急に体に力が入らなくなり、崩れ落ち地面に膝をついた

 

 

「情けない…たかがこれだけでもう立てないのか?」

 

また視界がぼやけてくる…また限界か…ますます無能な…人間もどきだな

 

「どうした…笑いたければ…笑えよ…どうせ俺は…無能な…死に損ない…だ…」

 

言いたいことを言い切り、俺はビチャリと音を立て地面に倒れる感覚を最後に、また意識を手放した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてなの?」

 

 

私達は再び病室に運ばれた彼を横から見つめ、私は彼に答えるはずのない問いかけをした…

 

彼が倒れた原因は、疲労と貧血、後は万が一、彼が勝手な移動をした場合に連れ戻せるようにと投与された鎮静剤の効果だと医師から説明された

 

「どうして…貴方だけが傷つかなければいけないの?」

 

彼は私達の為に誰よりも動いていた。スタッフへの指示やイベントの段取りについての会議、そして私達との練習…両立は難しいはずだったのに彼は顔色1つ変えずに頑張っていた

 

報われるべき行動をした彼が…何故1番苦しまなければいけないの?

 

「私が…悪いのかな…」

「彩ちゃん…そんなことないわよ」

「でも!…イベントに出たいって言ったのは私だよ?」

「それは…そうだけど…」

「私が出たいって言わなきゃ…れいくんは…こんな事にはならなかったんじゃ…」

「「「…」」」

 

 

そんなのおかしい。彩ちゃんは何も悪くない。元はと言えば、私達に脅迫状を送りつけた集団が悪いに決まってるじゃない…。…え?

「(待って…おかしいじゃない…)」

 

 

そもそも私達を襲ったあの男はどこから入ってきたの?当然裏口のはず、けどそこには零がスタッフに警備をするように指示していた。万が一に備え零は無線機を持たせるように指示したと言っていた…

おかしい…無線機があるならすぐに危険が近づいていることを知れたはず…。

そもそも…()()()()()()()()()()()()()もし…居なかったら?

 

 

そう考えたとき、私の中で全てが繋がった。勝手な予想だけれども理解した…

あの日…リハーサルの日、スタッフは皆気が抜けていた。その事に不安を感じ、万が一のことをがあったら対処できないと思った私は彼に本当に大丈夫なのかと質問した。だが彼が居るから問題ないと勝手に決めつけた。

あの時…スタッフが休憩などの適当な理由をつけ警備をサボり持ち場を離れていたら?全てが繋がるじゃない…

 

 

あくまでも予想、でもその可能性が大いにある。違うにしろスタッフ達も私達も…皆彼に頼りすぎなのは紛れもない事実。

 

その事実に怒りが込み上げてくるのを感じる。全身に力が入り、自分の腕を強く握る…

 

 

「零を苦しめていたのは…私達全員なのかもしれないわね…」

 

私が言った一言は、みんなにも…そして私自身にも突き刺さった

 

 

「ジブンたちは…どうすれば良かったんでしょうか…」

「分からないわ。けど私達は…零に頼りすぎていたようね…」

「一生のフカクです…」

「これから…どうしよっか…」

「分かんないよ…分かんないよっ…」ボロボロ

 

 

どうすれば良いのか分からず…私達は彼の側で下を向くことしか出来なかった…

 

「そろそろ帰らないとね…」

「そうね…明日は休みだから。続きは明日此処で話し合いましょう?」

「そうですね…今は気持ちを整理する時間が欲しいです…」

「そうだね…」

「うん…じゃあみんな…また明日ね…」

 

こうしてみんな帰って行った…

 

 

 

私は最後まで残り彼の側に居た…

 

「零…ごめん…なさいね…」

 

例え聞こえてなかったとしても、彼に謝るために…

 

「貴方は…私より多くのものを抱えていたのね…私達の為に…」

「それなのに私は…私達は…」

 

『俺が…俺だけが傷つかなければいけないんだ!!』

 

『嘘…だろ?…お前らも…そうなのか!!どいつもコイツも何でそんな目で俺を…見るんだ…』

 

 

『笑いたければ…笑えよ…』

 

 

「笑えるわけ…ないじゃない…」ボロボロ

 

彼があの時見せた表情は、歪んでなかったけど…とても辛そうだった。瞳は今にも泣きそうになっているように見えた。

その顔を思い出す度に、私は自分が許せなくなった。

 

 

「貴方は私を受け止めてくれるって言ってくれた…初めて出会った…大切な人なのよ?」

 

私は泣きながら彼の傷ついたの頬を撫でる。彼の頬は冷たく、彼の心を連想させた

 

「それなのに私は…貴方に全て任せっきりにしてしまった…貴方を傷つけてしまった…」

 

彼が最後に叫んだとき、私は彼に謝りたかった。どうしたら良いのか分からず、ただ彼の方を見た。けど…

 

「それが貴方を…深く傷つけたのよね?貴方の過去を…掘り返すような目をしてしまったのよね?」

 

「明日…貴方の目を見て謝るわ。でも…これだけは今言わせて…」

 

 

『どうせ俺は…無能な…死に損ない…だ…』

 

 

「そんなこと…言わないで…」

 

「貴方は無能じゃない…死に損ないじゃない。貴方は有能で…勇敢で…頑張り屋で…」

 

「貴方が居ないなんて…そんなの嫌よ…」

 

「ごめんなさい…ごめん……なさい……零…」ボロボロ

 

 

謝っても彼には聞こえない。そんなことは分かっている…けど今はこの感情を彼に向けて言いたかった

 

「そろそろ…帰らないと…」

 

「零…また明日」

 

彼の手を握り、別れの挨拶をして病室を出た

 

 

 

 

 

「(明日…真実を突き止めなければいけないわね)」

 

残っていた涙を拭い、1つの決意をする…

 

その時見た夜空は…

今の私の心ように曇りの無い夜空だった…

 

 

続く…




試験が…ようやく終わった…これで自由!かと思ったら次の試験がすぐそこに…
また更新が遅くなります(白目)まぁ気長にお待ちください。

今更ですけど更新は基本深夜です

もしよろしければ評価、リクエストなどの感想をよろしくお願いします!

【改めて】次回のシリアスは?

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