化け物の俺は彼女たちと人間になりたい   作:ゼルクニル

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安定するかもとか言っておきながら遅くなりました……
結局忙しくなりそうです……

安定しないので「投稿不安定」というタグを付けようかな…


今回は…ちょっと緩いかも


第42話 親代わりの男の悩み

「お待たせしました」

 

 

 病室から会議室に戻り俺は元の席に座った

 席に座ると彩以外の4人から何をしていたんだ?と訴えるような目線を向けられ、近藤からは遅くなった理由を質問をされた。だが正直に答えられるわけでもなく嘘をつき誤魔化した

 

 

「では…自分の策を説明させてもらいます」

 

 

 言い方が悪いがおとり作戦と言っても、ただ彼女たちを餌にして後ろから捉えようという考えではない。それでは余計に危険にさらすだけだからな…

 そもそも主犯は前のマネージャー、他にいたとしてもそれは事務所の関係者としか考えられない

 

 そうなると主犯は誤解している

 何故か?彼女たちは悪くない。事の発端は意味の分からない指示を出した人物であって彼女たちではない、彼女たちも被害者であり裏切るような行為は行っていない

 そこさえ理解してもらえれば大体の事は収まるはず。それでも揉め事に発展するのなら俺と近藤で解決できるだろう。つまりは平和的解決を目的とした策だ

 

 話が少しそれたが作戦の内容は…

 

 

「簡単に言うと、パスパレにライブをしてもらいます」

 

『「「「「え?」」」」』

 

「またぶっ飛んだこと考えるな…」

「(相変わらずの無茶降りだな)」

 

「それを可能にするための貴方ですよね?」

「(俺とお前なら出来るだろ?)」

 

「そうじゃないと思うんだがな」

「(当然だろ)」

 

「そう言わずお願いしますよ」

「(じゃあやるか)」

 

「ま、解決するならな」

 

 

 表情、目、言い方で口に出さない会話が目の前で行われているなど誰が予想できるだろうか

 口には出さない会話が俺と近藤で行われているなどいざ知らず、4人と社長には口に出す会話しか聞こえていない

 

 

『1つ聞いてもいいかな?解決策なのは分かったが…何故ライブなのだ?』

 

「ライブはおとりというのを隠すため…という建前は止めましょう。真の目的はパスパレの演奏を聞いて貰うためです」

 

『んん?どういうことだ?』

 

「辞めていった人達の為ですよ」

 

『……聞いたんだな』

 

 

 言いたいことは山ほどある。だが今は押さえこの一件が片づいたときに全て言わせてもらう。

 だが社長も4人も表情が曇り下を見ている……彩と同じ事を考えているのか、それともまた別のことか。それは分からないが心境くらいは言っておこう

 

 

「言っておきますけど別に怒ってませんから。今更怒っても仕方ないので」

 

「零…」

 

「先に言うが謝罪なら後で聞く」

 

「…ええ。分かったわ」

 

「ようやく前を見たな。それでいい」

 

 

 俺の言葉を聞き千聖を始めとし他3人と社長も前を向き始めた。姿勢だけではなく意識的にも前を向いたならなおいいが…きっと向いたはずだ

 

 

「それで…具体的にはどうするんですか?」

 

「基本的にやることは変わらない。みんなは練習して俺と社長で準備するだけだ」

 

 

 そこは何も変わらない。違う事と言えば安全が保証できないことだ。主犯が来たら説得、最悪は俺と近藤でどうにかする。まとめるとそういった作戦である

 

 

『活動休止だというのに…よくそんな大胆なことを考えるね…』

 

「ですがこの問題を解決できたら他のアイドルも活動を始められ、パスパレの知名度も上がるはず、損得で考えると得の方が大きいと思います。どうにかなりませんか?」

 

『…まぁ場合が場合だ、何とかしてみよう』

 

「ありがとうございます。みんなもそれでいいか?」

 

「ええ」「「はいっ!」」「うんっ!」

 

「決まりだな」

 

 

 これでやることは決まった。後は十分な準備をし問題を解決するだけだ

 だが…4人はそろそろおかしいと思い始めたようだ

 そう、もう1人がまだ帰ってこない事に…

 

 

「アヤさん…遅いですね」

「そうね。少し遅すぎるわね」

「もー彩ちゃんどこ行っちゃったんだろう」

 

「ジブンが探しに行きますね」

 

 

 麻弥が彩を探しに行くと言い扉を開けると、そこにはオドオドしている彩がいた

 少し前からそこに居たのだろうか…偶然開けたタイミングでいたという驚き方では無い

 

 

「あれ?彩さん?もしかしてずっと居たんですか?」

「え?そ、そんなこと無いよ!つ、つい今来たんだよ!?」

 

 

 とてもそうには見えない…

 あまりの慌てぶりに、みんな疑うどころか笑っている…

 ここまで「そうなんです」と公言しているような誤魔化し方は見たことがない…

 

 

「…彩ちゃん?今まで何をしていたの?」

「え?それはーその…」

 

「(…まさか)」チラッ

 

 

 何を思ったのか彩に質問している千聖は何故か俺の方を見ている…

 …まさか気づかれたか?いや…幾ら何でも気絶していたことに気づけるはずがない

 いや……女の勘というものは恐ろしいと誰かから聞いたことがある…まさか?

 

 

「…まぁいいわ」

「(よ、よかったぁ~)」

 

 

 …バレていない?

 

 

「後でじっくり聞かせてもらうから」

「」

「貴方もね?零」

「何故俺も?」

「いいわよね?」

「………分かった」

 

 

 ……バレたのか?マズいどうしようか…

 本当のことを言えばいいのか?まぁそうするしかないな…

 …近藤。そんな不審者を見るような目を向けるな

 あれはただの事故だ。あれにも落ち度があったが決して悪意があったわけではないんだ…

 

「(あいつ一体何をした?…そうだ)」ニヤニヤ

 

 おい待て近藤…何故笑っている?

 余計なことを言うなよ?これ以上誤解を招くような発言は許さないからな?

 

「社長。そろそろ今後について話したいので場所を変えようじゃないか」

『そうだな。では行こうか』

「君も来てくれ」

「え?はい…」

 

 

 何を考えてるんだ近藤…

 訳が分からないまま俺は社長、近藤と共に彼女たちを残し部屋を移動した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと?お前、何したんだ?」

 

 

 部屋を移り、俺は今近藤と2人だけだ

 社長はイベントの話を他の人達に話すために電話をしに外に行っている

 

 

「で?どうなんだよ~ええ?」

「何でそんな興味津々何だよ…」

「何だよ~そんないかがわしい事したのか~?」

「ハァー…は分かった話す、話すから落ち着け」

 

 

 そこからは…正直に全て話した…

 

 

「…という訳だ」

「」

 

 

 全てを話したが、近藤は何故か頭を抱えため息を吐く…

 確かに呆れる話だ。興味本位で年上の女子を気絶させるのは流石におかしな話だからな…

 

 

「お前…まさか今までもそんなことしてたのか?」

「そんなことは流石にない」

「そ、そうだよな!幾ら何でも流石にそんな」

「気絶したのは今回が初めてだ」

「…………は?」

 

 

 今度は驚きを隠せていない…忙しい奴だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今…コイツなんて言った?

 気絶したのは今回が?初めて?

 何だそれ…え?…待て…落ち着け、落ち着くんだ俺…

 

「今回が?初めて?」

「そうだが?」

「抱きしめたのが?」

「違う気絶させるのはだ」

 

「…抱きしめたのは?」

「そんなのいつもしている事だ」

 

 

 聞き違いじゃなかったぁぁぁぁっ!!

 

 何っ!?コイツ女子抱きしめてんのか!?

 しかもいつも!?コイツヤベぇ奴じゃないか!!

 誰だそんな風に育てたのは!……俺達じゃないか

 

 だが起きてしまったことは仕方が無い…うん

 落ち着くんだ近藤克典!!幾らなんでも2,3人位だろう…

 

 

「因みに~どれくらいその…抱きしめた?」

 

「確か……ええと…8人だ」

 

「」

 

 

 抱きしめた女子の数を特におかしいこと言ってないかのような顔しながら指で数えてやがる…

 

 コイツヤベぇ奴じゃないか!!

 誰だそんな風に育てたのは!……俺達じゃないか

 

 これ言うの2回目だな…

 

 ていうかおかしいだろ!コイツ意味分かっててやってるのか!?

 

「おおい待て!何でそんなことしてんだ!?」

「何故って…そういった行為は人を癒やす効果があるんだろ?」

「…誰から聞いた?」

「森田」

 

 

 あの野郎かあぁーっ!!

 あいつ何イカれた事教えてんだよ!!

 おかげでとんでもない事やってんじゃないか!!

 どうすんだよ!コイツいろんな意味で死ぬぞ!?

 

 

「…それで?その子達からどんなこと言われる?」

「基本は…もっと。だな」

 

 

 そうか……もう遅かったか……ん?

 

 もっと?

 

 まさか…好感度下がるどころか上がった?

 

 だが…顔が傷だらけとはいえコイツはかなり容姿が良い方だ…お世辞抜きでな

 それに普通の常識が無い。それは俺達が教えなかったのが悪いが…

 だから誰も恥ずかしがってやらない事も平然と出来る

 それに聞く話が本当なら少女達は皆コイツに何かしら助けられている…

 

 

モテない方がおかしい!

 

 

 どう聞いてもモテる要素しかない!

 だがその事実を知らない。というか分かってない!!

 そりゃそうだ!戦場で育って野郎ばっかでの生活がずっと続いていたからな…

 

 

 

 …逆に考えれば…それでいいのかもしれない

 

 コイツは青春を知らない。それは俺達も責任がある…無駄死になせないために幼い頃から厳しく育てたからな…

 俺でも打つのが辛かったイカれた薬を平然と数回打ち、陸軍のレベルを超えた訓練を10年ぐらい俺達と受け、いつの間にか俺達を導いていた…

 

 コイツは人としての生き方をしていない…

 させてやれなかった…

 

 だが今はどうだ?偶然の偶然が重なり今は少女に囲まれてやがる

 コイツにやましい感情は無い。そもそもそんな感情知らない

 だからこのままでいいかと言われればそうでは無いが…いずれ理解する日が来るだろうし…このままでもいいかもな…

 

 

 幸い彼女たちとコイツはそれなりの友好関係を結べているようだ…

 今会った5人もそのようだ

 

 特に千聖という少女、コイツと共感できる何かがあるようでコイツにご執心のようだし…

 

 日菜とイヴという少女も独特の表現ができるようだ、コイツの堅苦しい部分を砕くきっかけを作れるかもしれない…

 

 麻弥という少女は社長の話通りなら、かなりの機材好きらしく…機械いじりばかりしていた時期があったコイツと話が合いそうだ…

 

 そしてあの彩という少女は…完全にコイツの事、気に入ったようだしな…

 

 

「何故そんな事を聞くんだ?」

「いや…その…」

「なんだよ」

「いやその…環境が変わったから上手く馴染めてるかな〜って思ったからさ」

 

 

 

 

 

 

「…確かに変わった。考えられないくらいにな…」

「…そうか」

 

 やはり浮いているのだろうか…

 そんな心配が俺の中で膨らむ…

 

「だが…良い感じだ」

「!」

「争い事もあったが…それでもみんなは俺は受け止めてくれたからな…」

「…そうか!」

 

 いらない心配だったようだ…

 スッとした。独身の俺だが…親のような気分だ

 いや…親だな。ここまでコイツの事を考えてると…

 

「よし零!電話番号教えろ!」

「ええっ?まぁ…いいが…」

 

 渋々出された携帯に俺の番号を登録する

 これで何かあったら連絡が取れるからな!

 

「よしこれでいい。何か困ったら俺を呼べ!どうせ俺暇だし!その内ここら辺に引っ越すし!」

「そうなのか?まぁ何かあったら助かるが…」

 

 せめて普通の親らしいことしてやらないとな!

 

 

「そういえば…他の奴らって今何してるんだ?」

「他か?そうだな…確か森田は……ってああっ!!」

「な、なんだ?どうした」

「そうだ!お前に言っておけってあいつらから伝言があったんだ!」

「なんだよ!そんな重要なこと早く言えよ!」

 

 

 それはコイツにとって結構重要な事だった

 すぐに言おうとしたが…タイミングが悪く社長が帰ってくる声がするので、その話は今度の機会にした

 

 

『お待たせして申し訳ない…』

「それで…どうでした?」

 

 

 

『……明日だそうだ』

「「!?」」

 

 

 明日って事は…明日やれってのか!?

 

 

『他の事務所も協力はしてくれるようだが…元々予定されているイベントがあるのでな…出来るのは明日だけだそうだ…』

 

「えらく無慈悲な話だな…」

 

 どうすんだよ…急すぎる話に彼女たちは着いてくれるのか?そもそも練習の時間もないじゃないか…

 ハッキリ言ってどうしようもない状況だ……

 

 

 だがコイツは……

 

「分かりました。明日やりましょう」

 

 ここだけは変わらずだった…

 

 

「やれるのか?」

「当然です」

「……何故だ?」

「簡単ですよ」

 

 

 〈行けるか?〉

 〈当然だろ?〉

 〈何でそんなに自信があるんだよ〉

 〈何故って?〉

 

 

「〈俺が出来ると言ったからだ〉ですよ」

 

 

 この自信に満ちた顔と声は……今も昔も変わらない

 

 

「そうか…」

 

 

 だったら俺はコイツについて行くだけだ

 前のように…何も変わらずただ手伝うだけだ

 

 

「だったらやるか!段取りは出来てるんだろ社長?」

『勿論です!……あとは彼女たち次第です』

「でしたら彼女たちには自分が説明します」

『そうか。一応演奏スペースの使用許可は得ている、楽器もそこに置いてあるから』

「分かりました」

 

 

 そう言ってあいつは出て行った…

 

 

『どうですか?彼』

 

 社長にそう聞かれたとき…俺は特におかしな事は言わず「根性がある」とだけ言った

 

『そうですよね。優秀ですよね…彼』

 

 

 社長の言葉の後、どこからか明るい演奏が聞こえてくる…

 

 

「(ホント…あいつの凄さは変わらないんだな…)」

 

 

 近くで見てきたからこそ…あいつの変化が大きい事がすぐ分かる…

 だが変わらない所があるのもいいのかもな

 

 

 

 そう思いながら、俺はあいつの為にも明日は頑張ろうと決意した

 

 

 

 

 

 だがあの後、あいつが千聖という少女に問い詰められたあげく「だったら…イベント終わって安定したら彩と一緒に3人で寝るか」と言った時には、やっぱり変わるべきなんじゃないのか!?とつい口に出してしまいそうになった…

 

 あの2人か?

 顔赤めながら「それは…」と言っていたが…一言も嫌だとは言ってなかった…

 

 

 …………マジで寝ないよな?

 

 

 

 

 もう、俺、知ーらない!

 

 

 

 続く…

 




お気づきの人は気づいたと思いますが…
そうです。あれこれ変わりました。書かれている内容は全く変わってませんが…
その内もっと読みやすいように変えていきます

あとキャラ設定が消えていると思いますが、編集のために一度削除しました。
編集し終わり次第投稿します

……設定なんか興味ない?だったら読まなくても問題なしですよ?


では次回を気長にお待ちください

【改めて】次回のシリアスは?

  • afterglow
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