散々待たせて申し訳ありませんでした(時間的関係)
正月編、書けませんでした(能力的関係)
他の方々の想像力の凄さを実感しました…
今回エグいくらい長いです!
それではどうぞ…
「……またか」
意識を手放した俺は……またこの場所に居た。此処は……所謂夢の中なのだろうか?それともまた別のものなのか?分からない……
だが今回はいつもと少し違う。辺り一面が黒ではなく白いのだ……地面も血のような赤く汚れた水ではなく、澄んだ川のような水が広がり……美しいとは逆に奇妙な風景だ……
────気分はどう?──
またいつものように見えない何かが話しかけてくる
だが……おかしい。声がいつものように低くない、かなり高い声なのだ。いつもは人を小馬鹿にするような話し方だというのに、今は本当に心配しているかのようにさえ聞こえた……
────思ったより元気そうだね!──
「……ああ」
訳も分からず質問に答えてしまう……だが今はそうすることしか出来ない。戸惑いを隠せない中、俺はいつものように見えない何かに話をするのだ……
だが……いつもと違うこいつは一体何なのだろうか。そもそもここは何なのだろうか。いくつもの疑問が泉のように湧いてくる中……
────ねえねえ。聞いてる?──
「……すまない」
────もう!ちゃんと聞いててよ!──
コイツはずっと話しかけてくるのだ……。……いや。子供のようなので「この子」と呼ぼうか?
そうするとしよう……
────その怪我……痛くないの?
傷のことを言われ、俺は深くえぐられた顔の左を触る。下に広がる水を鏡代わりにして顔を見るとかなり深い傷だということが見るだけで分かるほど酷い傷だった事に少し驚いた。
ようやく傷を彼女たちに見せるようにしようとしていたにも関わらず……ますます傷を見せられなくらってしまった事に苛立ちを思えたが、その怒りはすぐに冷めた……
────痛いんでしょ?なんで泣かないの?──
「この程度で泣くわけないだろ」
────どうして?──
「……お前には関係ないだろ」
────むーっ!ケチ!──
一体この子は何なのだ……。ここまで感情豊かなのは彼女たちくらいだ。ますます謎が深まる……
だが時間が来た。足下がふらつくと思いきや、体が水に沈んでいくのだ……
徐々に体が沈み、体の半分が沈んだ位でこの子は長々と話しをし始めた
────もう行っちゃうの?──
────もっと話したいのに!──
────でもね!本当は、君は分かってるんだよ!──
────君が分からないものは!これから知れば良いんだ!──
────だから……頑張ってね……──
──― ■■■〇■■■■
体は完全に水の中に沈み、最後の一言が何だったのか良く聞き取れなかった。一体何と言われたのだろうか……分からない。
空気吸え、を息を吐く度に泡が出るが濡れているような感覚が無く、沈むというより落ちていくというのが正しい感覚を感じながら俺はまた意識を手放した…
「……い!おい……」
ぼんやりとする意識の中……俺はまた徐々に意識を取り戻しゆっくりと右目を開いた
「ったく。ようやく起きたか」
「……どうした?」
「一息ついでに状況報告だ」
「……聞こうか」
そこからは俺が寝た後について聞かされた
まずあの男達は、警察が手を焼いていた暴力団だったらしく。脅迫、強盗、暴行等で……ようは殴ってもいい奴らだったということを聞かされた。まぁリーダー以外は全員、腕だの肋骨だのをへし折ってやったので全員警察病院送りだな。何故か、か?今この場所に10台以上のパトカーと警察病院搬送の車両が止まっているからだ
次に……元マネージャーは抵抗もなく警察に現行犯逮捕された。
罪状は分からないが……近藤曰く「あくまでも事情徴収」との事だ……まぁどうなるのかは分からないが俺はあの男を殴ってやりたいという思いは変わらないがな
「最後に負傷者1名。貧血で、片目に重傷ありだ」
「そうか。……ご苦労」
「ああ、あと負傷者は手術とのことだ」
「また……学生生活が遠のくな……」
「まぁお前の事だ。深手くらい三日、四日で治るだろ」
「かもな」
再び入院なのかとショックを受けるが……失明しなかっただけマシだと考えることにした。
左頬には血の染みついた布がひっつき、まだ血が滴っていた……立とうにも貧血で立てず改めて壁にもたれる。頭だけ壁にこすりながら動かし、壁の上の方をを見ると大きく凹んだ部分がある……俺が木刀で作ったものだ。下には粉々になった木刀の破片が無数に転がり、木刀は俺が握っていた持ち手の部分だけ残ったのだ……
もし木刀を受け取っていなければ……何か変わったのだろうか。俺は素手でも十分動けるが加減が出来ないのだ……力加減を間違えると……骨など成人男性の物でも簡単に折れる程のものだと近藤は言う。
ここまで来て……前と同じ事はしたくない。そう考えると……イヴの言う通り木刀は御守りとなった。そう思いながら残った木刀の持ち手を握りしめる
「そろそろ移動しようぜ。このまま居ると、お前死体みたいだからな」
「……笑えない」
「お前が嫌でも救急車は来たからな。乗ってもらうぞ」
本当に面白くもないジョークを言いながら俺に肩を貸そうとする近藤の肩を借り俺はようやく立ち上がった。
頭を上げれず視線は常に地面を見ている……数歩歩くだけで肩で息をする程息が上がる……
結局俺は……何一つ約束を守れなかったな……
だがその約束は……
「れい君!!」「零!!」「レイさん!!」
「零くん!!」「零さん!!」
彼女たちも破ったようだ……
「帰る場所があるというのに……此処に来たら約束守れないだろ……」
彼女たちの顔を見ようにも頭が上がらないので……息を整え下を向き俺は話をする……
「れい君……なんでふらついてるの?」
「貧血だって事忘れててな……このザマだ」
「貴方……どうして服の一部が無いの?」
「掴み合ったら破けた」
「レイさん……木刀はどちらに?」
「やはり危なかったからな!ちゃんとあそこに置いてある」
「零……さん」
「少し疲れたが……これで問題なく終わったな」
「零くん……」
「長かったが……これで……」
「……。全部嘘だ」
何を意味の無いことをしているのだろうか……俺は貧血症にでもなったのか?
「悪い……彩……千聖……約束……守れなかった。イヴの木刀も粉砕してしまった」
「れい君……怪我したの?」
「ああ」
「大丈夫です!木刀ならまだありますから!気にしないでください!」
「……そうか」
「また頬?全く……困った人ね」
大した怪我じゃない。そう言おうとしたが……
突然全身の力が抜けドサッと音を立て崩れ落ちた。その後、すぐに呼吸が荒くなり息が苦しくなる……その後追い打ちをかけるかのように……顔の左側が焼けるように熱くなり、俺は布越しに顔を押さえつけ苦しんだ。
「あ゙あ゙ああっ!!!」
「「「「っ!?」」」」
「おい!!大丈夫か!?」
「あ゙……あ゙あ゙っ……あ……」
呼吸が上手く出来ないので、叫びで空気を失いますます苦しくなる……
「マズい!!おい誰か!!」
『何事ですか!?近藤さん!!』
「早くコイツを病院へ!!」
『分かりましたっ!!』
また徐々に意識が薄れていく……
もはやもがく事も……叫ぶことも出来ない。貧血によって酸素の供給量が一気に下がったのだと今になって理解したがもう遅い。俺はもう動けない……顔から血を流し、ただ周りの音と彼女たちの呼びかけと悲鳴のような声が聞こえた中……また意識を手放したのだ……
再び……もういいか。
今度は、また
目線を下に向けると口には酸素マスクを付けられ、腕には点滴と輸血袋の管が刺さっている。左目は開こうとするが器具を取り付けられ開くことが出来ない……
空腹感と疲労感が同時に襲う中、周囲を身渡すと様々な医療器具が並べられているものの誰も居ない……
「ようやく起きたか?片目の手術はしたが……」
「近藤…………まただ」
「そうか……。確かに分かる。だがお前のは特に辛いよな……不憫だよな~俺達の
「だがコレが無ければとっくに死んでいる」
いつぞやか治癒力が上がったなどと言われたことがあるのを覚えているだろうか。だが俺たちの肉体はそれどころの話では無い……俺たちが体に投与した薬品は様々な種類があったが、特に異常な物があったのだ。
それを俺たちは【Xセル】と呼ぶ。
投与したのは俺だけだ。その効果は話したく無い。いずれ話すが、その薬が異常な物だったと今は知っておいてもらいたい。
再生時の説明は、詳しくすると面倒なので簡単に説明すると……深手が一般人より何倍も素早く治るが傷を治す際激痛が走るといういもの。
故に俺は瀕死に近づくほど叫び、もがき崩れるのだ。
Xセルは関係ないため、森田や近藤も同じ事なのだが……俺はその上である
「それで?俺はどうなる」
「2日間!コレに乗ってもらう!」
「コレってどれだ?見えない」
「ああ悪い……車椅s「断る」早えよ」
「そんなもの無くても歩ける」
「乗らないと彼女たちに怒られるぞ」
「……乗る」
自力で起き上がり、近藤が押す車椅子に乗る……
点滴と輸血袋を吊した器具も同時に動かす羽目なるのだが……邪魔だな。この車椅子に取り付ければ良いか……
近藤に押されながら聞いたのだが……この点滴は4袋目で
この目に付いている器具は特殊な医療器具で、付けたのは俺が初めてだそうだ……理由は【この傷で生きている人間が居ない】からだと。まるで俺のための器具だな……
しばらく押されて移動すると、この前使用したばかりの部屋である会議室の前に来た
「こっからはお前1人で行け」
「何故?」
「いいからいいから」
あれこれ言って近藤は去って行った。
理由も分からず、車椅子の車輪を自力で動かし扉に近づきドアノブに手を掛け扉を開ける
扉を開けるとそこに居たのはパスパレの5人だけがそこに居た
俺が何か言い出す前に彼女たちは俺に抱きついてきた。危なかったが俺はなんとか受け止め切れた
「おいおい。転けたらどうするんだよ……」
「れい君!……れいくんっ!!」ボロボロ
「見ている私たちの身にもなってちょうだいっ!」ボロボロ
「どうなるかと……思いましたよっ!」ボロボロ
「良かったよっ……ホントにっ……」ボロボロ
「無事で……なによりですっ!」ボロボロ
「すまなかった……みんな」
その後、彼女たちが泣き止むまで俺は彼女たちに謝り続け……部屋には彼女たちの泣き声が響き続けた……
彼女たちが泣き止んだ後、俺はあの後について色々聞いた。
あの後俺は救急車で此処まで連れられ、すぐに手術を受けたそうだ。その事は他の面々にも伝わり、皆が一度此処に集まったそうだ……
その時……
「全員が……見たのか?その……傷を……」
「うん……」
「で、ですけど!皆さん心配はしてました!それに……」
「それに?」
「きっと気にはしてないですよ!」
本当にそうだろうか……。
いや、隠すのを止めるのだと決めたからにはその覚悟を決めるべきだとは思っていた。だが……このような形では望んでいなかった。
しかし逆に考えれば……見せると決めて結局戸惑うのならこれで良かったのかもしれないな。
「だといいがな」
「零……その……傷はどう?」
「かなり痛む。しばらくはこの器具を付けたままで様子見だそうだ」
「……傷は残るの?」
「浅くは無いからな……今までで一番大きく残る」
「「「「っ!」」」」」
「だが……まぁ仕方ない事だ。気にするな」
何かして傷つくのは俺にとって普通の事であり……今更どうだこうだと言う筋合いは無い。勝手に俺が首を突っ込んだ結果がこれなのだから……ただ俺が弱かったのが悪い。
それに今更傷が増えたところで何も変わらない。そうだろう?
傷が付いた野菜は買う気が失せるだろう?その野菜にいくつ傷が付いているか気になるか?つまりはそういうことだ。傷があるだけで、人はすぐに不良品や悪印象という認識しかしない。それは人間の心理であり絶対なのだ。
その後も彼女たちからは様々な質問をされるが俺は普通に返答した。
答える度に謝るのは何故なのだろうか?謝る必要は無いというのに……
◇◆◇◆◇◆◇
彼との会話のうち、彼女たちは疑問に思い始めていた。
「どうして彼は……ここまで普通に話せるの?」と
それは良い意味でも悪い意味でも深く考えない日菜でさえも感じた。
顔色1つ変えず聞かれたことに答える彼の姿は、彼女たちの感覚を狂わせたかのような錯覚を感じさせる程の異常な光景にも見えたのだ。
怪我をしたら痛みで泣き顔を歪める、それは普通の事であり何もおかしくない至って普通のとこである。
だが彼は……泣きもしない、顔を歪める事も無い。ましてやその傷が大きく顔に残るのだ、彼女たちは「どうしてくれるんだ!」と怒られる覚悟をしていた。
だがその答えは……「仕方ない」たったそれだけ……
彼女たちの中でも彼の事を一番知るであろう千聖に関しては、目の前の彼に……恐怖を感じた
「(何故?どうして……そんなに平然としていられるの!?)」
怒りもしなければ泣きもしない。軽くあくびをして、頭を動かし首を鳴らす。挙げ句の果てには……目が少し笑っているようにも見えてしまっていたのだ……
千聖の感じた小さな恐怖は大きな疑問と確信に変わった
「(彼は一体……どんな人生を過ごしてきたの?間違いなく……私の苦しみでは比にならないのでしょうね……)」
徐々に複雑な感情にむしばまれていく中、彼女たちの大きな疑問を口に出したのは……
「どうしてなの!?」
彩だった……
◇◆◇◆◇◆◇
いきなりだった。普通に返答していただけなのに、急に彩が叫んだのだ
「どうして。とは?」
「どうしてそんなに怒らないの!?」
「怒ったところで何も変わらないだろ」
「傷が残るんだよ!?これからずっとだよ!?」
「そうだな」
「ずっと顔の傷で辛い思いをしてたんでしょ!?」
「辛いと言うよりは不憫だと思っていた」
「一緒だよ!!」
「急にどうしたんだよ……」
「私は怖かったの!ライブが終わって急に外に呼び出されたから慌ててみんなで外に行ったら……また……れい君が怪我してたから!また苦しんでたから!……手術するって聞いたとき……このまま……死んじゃうかと思ったの!」
「多分腕を切り落とされても生きてるかもな」
「そんなの嫌だよ!考えたくもない!!傷ついて欲しくないっ!!!」ボロボロ
「それは無理だ。俺はまた何処かで傷つく」
そんなの不可能だ。俺は傷ついて初めて何かをなせるのだ……
傷つけ、傷つかなければ何も出来ない。それが俺なのだから……
そこは……どうあがいても変わらない……
「……どうしようもない事だ」
「「「「え?」」」」
ふと口から出た言葉は、泣き崩れる彩にも聞こえるほど大きく発していた。ただ何か言わないといけない、その一心で出たのは、所謂【ボロ】である。過去を隠して生きていくと決めた俺にとってはな。
「傷というものは…」
何か意味があるわけでも無く、ただ独り言を言うかのように彼女たちに話す。彼女たちの誰とも顔を合わさず、首だけを動かして窓の外を見る……外は曇りで日の光を見ることは出来ない。自分の心境を見ているかのように感じながら、俺は言葉を発し続ける……
「つけられるものではなく、つけるものだ」
「一度付けると消えない。だがそれは経験によって物事を教わり、それを永久に記憶に体に残すということ。文字通り【体に刻み込む】ということだ」
人間は、経験を教えてもらい覚える人間と経験を刻み込み覚える人間の二種類がいる。そんなことは無いと言う奴ほど、現実が見えていない世間知らずでしかない。それは何故か?ソイツは恵まれているからだ……
知識があっても経験をしていない。
「例えるなら……火を触ると火傷をする。だが火傷の跡が無い人間にはその熱さと痛みが分からない、という事だ」
これは今までで一番楽に聞こえる例え。まぁ俺は、建物ごと何度か燃やされたがな……。だからこそ、このようなこのような表現が出来るのだろうな。
経験したからこそ分かる事、いや……しなければ分からない事が多くある。
「話が逸れるが、初めて俺と会った時。俺が傷を隠さなかったら?今のように接することが出来たか?」
質問のように語り目線だけ彼女たちの方を見ると、皆が下を向いている。それに腹を立てるつもりは無い、恐らく25人全員に聞いてもこうなる事は分かる。
日菜でさえ下を向くのだ、ほぼ同じ思考を持つ「こころ」もそうなるだろう……
「見た目……第一印象はそれで決まる」
「無理矢理話を繋げると、俺にとって知るという事は傷をつけられるという事だ。俺は何かを知る為に傷付かなければならない」
「それが嫌だというのなら……」
「……いや。何でも無い」
最後にそう一言言って、俺は下を向く彼女たちに背を向け自力で部屋を出た
「あそこまで言う必要あったか?」
廊下に出て近藤とすれ違うと、近藤はそう言った。
「……まだ疑ってるのか?」
「……」
「お前の事ここまで心配する奴が俺たち以外に居たか?」
「だからこそ……疑うんだ」
俺は……悪いが彼女たちを完全に信用していない。
信用はしたい……だが……
〈結局……そうなるのか?〉
〈……ああ、そうかよ……〉
〈だったら……初めから信じなければよかった!!!〉
「
一度止まった車輪を動かし、キコキコと車輪が回る音を廊下に響かせ前に進む。その先に……日の光は無い。
「世話が焼けるな全く……」
何か聞こえたような気がしたが……気にしないで置こう……。
今は……数少ない感情を整理したいからな……
◇◆◇◆◇◆◇
「世話が焼けるな全く……」
分かってはいる……分かっているのだが……
面倒くさいなぁーホント堅い。
だが仕方が無いんだ。アイツがそう育っちまったのは俺たちの責任でもあるからな。言っておくがあれでもまだ丸くなった方だぞ?昔はもっと荒れてたからな……
特にその……いや、この話今は止そう。
兎に角……重要なのは、ここまで来てまだアイツを心配している奴らがいる!それが今一番重要なのだ!ましてや女子!女子だぞ!?色々と恵まれなかったアイツにようやく春を与えられるチャンス到来なんだぞ!?
ここで関係を終わらせるわけにはいかない!余計なお世話でも、俺は俺の今できることをさせてもらう……
「失礼するよ」
アイツと入れ替わるように俺は彼女たちの居る部屋に入室させてもらった。
ああ……暗いな……空気が重いな……
だがこの空気を変えられるのは俺だけだ……
「彼と何かあったか?」
「その……彼が言っていたことの意味がよく分からなくて……」
「意味は合っているようにも聞こえたけど……」
「どういうことなのかな……」
「分かりません……」
「それでも……間違っている気がします……」
「……君らは……本気でアイツを心配してるか?」
「「「「「当然です!」」」」」
彼女たちのその言葉に躊躇も迷いも無く、5人全員がこちらを真っ直ぐ見て言い放った。嘘では無い……本気であると信じるには十分な眼差しだ。
ならば俺は彼女たちに賭ける。アイツが彼女たちと共に変われる可能性に……
アイツには悪いが……少しだけ明かさせてもらおう
「……正直に言おう。俺と零は初対面じゃない」
「「「「「えっ!?」」」」」
「かと言ってあまり深い仲でも無いがな」
当然全ては話さない。アイツとの関係は……そうだな……
適当にはぐらかしておこう。そう決めて俺は……とても曖昧な内容を彼女たちに話して話しをはぐらかした。
「それで、だ。この事を俺が言ったのは黙っていてもらいたい。後々面倒になるからな……」
「「「「「……分かりました」」」」」
「最後に。ここからが君らにとって一番重要だ。アイツを本気で助けたい、支えたいと思っているのならな」
「聞かせてくれ。何故……アイツを心配するんだ?」
「どういう意味ですか?」
「もう分かっていると思うが……アイツは傷ついてばかりだ。それでもアイツはああいう性格だからな……助けるのが面倒だと思われがちだ。だというのに君らはアイツを助けたいと言う……何故そこまで言えるのかが知りたいんだ」
仮に……ただなんとなく、などのしょうもない理由なら絶対に無理だ。だがこの子たちはそんな簡単な理由とは思えない。
だが理由が分からない以上、完全に信用する事が出来ない
どっちにしろ……理由を知りたい
少しだけ時間を与え彼女たちなりの答えを待った。すると彼女たちは1人1人話し始めた
「れい君は……苦しんでた私を慰めてくれたから!何度も助けてくれたから!だから私は……彼をまた傷つかないようにしたいんです!」
「零は……本当の意味で、初めて私を理解してくれた人です。ですから私は!本当の意味で彼を理解してあげたいんです!」
「零くんはお姉ちゃんを助けてくれた!零くんの事考えるとスッゴく、るんってする!でも今の零くんを見てると……モヤってする。だからあたしは!零くんをるんってさせたい!」
「レイさんは……私と千聖さんを何度も助けてくれました!レイさんのブシドーで、九死に一生を得ました!今度は私が、私のブシドーでレイさんを助けたいです!」
「ジブンは……零さんに頼ってばかりでした……。ジブンは零さんに手伝ってもらってばかりだというのに……零さんには何もしてません……今更だとは思います!ですがそれでも……ジブンは恩返しがしたいんです!」
……予想以上だ。
丸山彩、白鷺千聖、氷川日菜、若宮イヴ、大和麻弥の順にそれぞれの思いを聞かせてもらった。
彼女たちなら……あんな事にはならない!確信が出来る!
「……君らの思いは伝わった」
零……お前はようやく……人に恵まれたな。
お前のめちゃくちゃだと思われた一生を変えられるチャンスだぞ!
「アイツには何もかもが足りてない。だから!アイツを……任せた」
「「「「「はいっ!」」」」」
完全に丸投げである事と彼女たちならアイツを変えられると信じて……アイツを変えてくれ、助けてやってくれ、そういう意味を込めて俺は彼女たちに、アイツのことを頼んだ
その後彼女たちは、明日アイツにしてやりたいことがあるとか何とか言って会議のようなものをしていた。
まぁ俺は別の事をしなければならないので席を外させてもらった。
彼女たちの策が何なのか……明日分かる事だ。
これでアイツの
アイツが通った廊下は……日の光が差し込んでいる……
これが良い予兆だといいな。そう思いながら俺は廊下を歩き出した……
続く……
次回でパスパレ編最終回!……多分
☆10滅亡のcatastrophyさん
☆9CHILDSPLAYさん
評価ありがとうございます!
それではまた、次回を気長に待ってください(^^)/
【改めて】次回のシリアスは?
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afterglow
-
ハローハッピーワールド