ありふれちゃいけない職業で世界最強 作:キャッチ&リリース
総司 side
「明日から実践訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要な物は此方で用意しておくが、今迄の王都外の魔物との実践訓練とは一線を画すると思ってくれ!まあ気合入れろよって事だ!今日はゆっくり休めよ!では、解散!」
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何とも急だが、まあ仕方が無い事でもあるんだろうな。ただ、封印中という表示は解けず、能力も上がっていないこの状況で遠征に行く事になるとはな。
最悪死ぬ覚悟を持っておかなければ。
「ねえ総司。僕たち生き残れるかな?」
「さあな。………ただ俺はもう死ぬ覚悟は決めてる。どちらにせよ今のままでは何時か命を落とす事になるだろうからな」
「そっか。僕はそんなに簡単には決められないかな。怖いし、まだ死にたく無いし」
「それでいいんだよ。寧ろ俺みたいに簡単に死ぬ覚悟を決めるなんて事はするな。俺もこんな事を言ってはいるが正直、生に対する未練が無いかと聞かれたら絶対にあると答えるからな」
「けど、やっぱり不安で………」
「…………何にせよ、怖かったら誰かにそれを伝えて共感できれば楽になると思う。だから、俺もお前のお陰で助かったよ」
「そっか。ありがとう総司」
会話が終わってから数秒した頃ドアがノックされた。ハジメと俺は顔を見合わせたが、俺がドアを開けに行った。
「こんばんは、総ちゃん。それに南雲くんも」
「どうしたんだ突然、不安にでもなったか?」
「いやその前にツッコみなよ」
ハジメはとてもツッコミを入れたそうにしているが気にしない事にしよう。それにもし香織が不安に駆られて眠れないのであれば何とか落ち着けて楽に寝かせてあげたいからな。
「あのね総ちゃん、南雲くん。明日の大迷宮への遠征には行かないで欲しいの!」
「それは、足手まといだから?」
「何か夢を見たのか?昔っからそういった夢は悉く当たってきたからな。不安の原因はそれか」
「うん。さっき少し眠ったんだけど、夢を見てね、総ちゃんと南雲くんが居たんだけど………声をかけても全然気が付いてくれなくって………走って追いかけたけど全然追いつけなくって………最後には………」
そうか、用心する事に越した事は無いが、不安を取り除く為には何かしら絶対的な安心感が必要となるだろう。
ただ、それが何か俺には………。
「…………消えてしまうの」
「…………そうか」
「…………そっか」
「けどな、メルドさんや他のクラスメイトだっているし、俺だって戦う術が無いって訳じゃない」
「うん……」
「けど、もし。もしもだ、俺の身にいや俺たちの身に危険が迫ったら君が助けてくれ、治癒師である香織が治してくれ」
「っ!うん!!」
「ははは……。僕空気だったなぁ………」
「「大丈夫だよハジメ(南雲くん)」」
「「「ははははは!!!」」」
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「ロックマウントだ!」
「万翔羽ばたき、天へと至れーー"天翔閃"!」
ああ!超クサイ事言っちまった!!やべえ恥ずかしい!超恥ずかしい!!!大迷宮の中を進んでる最中なのに集中できない〜!!周りのことが頭に入ってこない〜!!
「団長!トラップです!」
「なに!?」
ハニトラですか!?何ですか!?恥ずかしがってるんだからもう少し優しくしてくれ!!
「全員、早くこの部屋から出るんだ!!」
ファ!?
えっ!?ちょっ!これ魔法陣ジャン!やべえ、早く出なきゃ!!
なっ!?この浮遊感…………ッ!!
クソったれ間に合わなかった………。
ーーーまさか、………ベヒモス……なのか………
原作で知っちゃあいたがこりゃあ絶望する筈だわ。
「グルァァァァァアアア!!」
ドクンッ!
『目覚めなさい』
またあの時の声が。
「誰だ!」
『貴方は』
誰なんだ!?
「がぁ!?!?」
頭が?!割れっ!?!?!!?
『世界を救う救世主』
クソガァ!!
「ぐぁぁぁあ!!!」
『そして』
あぁ、そうか。
『私の愛しき息子』
「俺は」
「『アーサー・ペンドラゴン』」
手に握っていた鍵型のアーティファクトが砕け散った。
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「アラン!生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ!カイル、イヴァン、ベイル!全力で障壁を張れ!やつを食い止めるぞ!光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」
「待ってくださいメルドさん!俺達もやります!あの恐竜みたいなのが一番やばいでしょう!俺達も………」
「馬鹿野郎!あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ!奴は65階層の魔物!かつて"最強"謳われた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ!早く行け!お前達を死なせる訳にはいかないんだ!」
光輝は、「見捨ててなどおけない」といった風にメルド達に自分達も戦うと言う。
メルドは何とか撤退させようと光輝達に必死に説得を行おうとしたが、光輝は考えを変えず、武器を手に取り戦う姿勢を示す。
そのとき、ベヒモスは咆哮しながらメルド達の元へと突っ込んできた。このままでは、撤退中の生徒達を轢殺してしまうだろう。
そうはさせるかと、ハイリヒ王国の騎士達は障壁魔法を唱えた。否唱えようとした。
しかしそれは突然割り込んできたある人物によって邪魔をされてしまう。
「総ちゃん!危ないから早く下がって!!」
「坊主、逃げろ!!」
総司は、その説得を意に介さず尚も突き進んでくるベヒモスと相対する。
「騒がしいぞ。身を弁えろ魔物風情が」
刹那、言葉に乗った殺気がフィールドを包み込む。それは正しく王の覇気であり、怒りでもあった。
「束ねるは星の息吹」
手に持つ剣に光が宿る。
「輝ける命の奔流」
それは、万物の命の根源をあらわしているかの様だった。
「受けるがいい!!」
《約束された勝利の剣》
「グルゥ……ガァァァアア……」
一閃、それは神々しく輝く断罪の一撃のようでもあった。戦闘中であるにも関わらず生徒達は勿論、騎士達、そして敵であるトラウムソルジャー達ですら見惚れてしまう様な美しいそんな一太刀であった。
「何を惚けている、戦いの最中に余所見など言語道断!敵を斬り尽くせ!!」
皆に命令を下す姿は故郷に伝わる伝説の騎士の様であった。
「恐れるな!武器を取れ!我々に敗北は無い!!」
その姿は、数多ある騎士を統べし王の様であった。精神的主柱を手にした彼等の前に敗北の二文字は消えて無くなった。
『おぉぉぉぉぉおおおおお!!』
清水くんは助ける?
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助ける
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助けない
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寧ろ最凶化
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ラーメン食べたい