ありふれちゃいけない職業で世界最強   作:キャッチ&リリース

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第6.5話クラスメイトside2 過去の払拭と悪夢の再来

総司がユエと出会い、サソリモドキを秒殺した日。

 

光輝達勇者一行は、再び【オルクス大迷宮】へ遠征に来ていた。但し、訪れているメンバーは勇者パーティーと小悪党組、永山重吾という大柄な柔道部の男子生徒が率いる男女5人パーティーだけであった。

 

理由は簡単だ。先の遠征でベヒモスと戦い命を落とした(事になっている。)総司とハジメの姿を見てしまったからだ。それによって、"戦いの果ての死"というものを強く印象付けられてしまったのだ。

 

それによって、戦いに恐怖を抱き戦場に出る事が出来なくなってしまった者が多くいた。

 

当然、聖教教会の者達は良い顔をしなかった。実践を繰り返し、時が経てばまた戦えるだろうと、毎日のようにやんわりと復帰を促してくる。

 

しかし、それに猛然と抗議した者がいた。愛子先生だ。

 

愛子は、当時遠征には参加していなかった。作農師という特殊かつ激レアな天職である為、実践訓練するよりも、教会側としては農地開拓に力を入れて欲しかったのである。愛子がいれば食糧問題は解決してしまう可能性が限りなく高いからだ。

 

そんな愛子は、総司達の死亡を知るとショックで寝込んでしまった。自分が安全地帯でのんびりしている間に、生徒が死んでしまったという事実に、全員を連れて帰る事が出来なくなったという事に、責任感の強い愛子は強いショックを受けたのだ。

 

だからこそ戦えないという生徒を戦場に送り出すことなど断じて許せなかった。

 

愛子の天職はこの世界の食糧問題を一変させてしまう程の激レアである。その愛子先生が、不退転の意志で生徒達への戦闘訓練の強制に抗議しているのだ。関係の悪化を防ぎたい教会側はその抗議を受け入れた。

 

結果、自ら戦闘訓練を望んだ勇者パーティーと小悪党組、永山重吾のパーティーのみが訓練を継続する事となった。今回もメルド団長と数人の騎士団員が付き添って来ている。

 

今日で、迷宮攻略6日目。

 

現在の階層は60層だ。確認されている最高到達階数まであと5層である。

 

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少し時は遡る。

 

実践訓練再開の前日、香織は雫と共にある話していた。それは、今後どのように行動するかという事だった。

 

「ねえ、雫ちゃん。私ね明日からの遠征で総ちゃん達と合流する為に此処からいなくなろうと思っているの」

 

「?!ど、どうして!?」

 

「だって、天ノ河くん達は総ちゃん達は生きていないと思い込んでいるし」

 

香織は光輝達の総司達が死んだと決めつけている事に腹を立てており、それと同時に、一刻も早く総司と合流したいと思う気持ちがある。

 

「このままだと総ちゃんが取られちゃいそうな気がするから」

 

そして、度々過る嫌な感じ(という名の女の勘)がして、総司が他の女に奪われてしまうのではないかと思っているのだ。そのせいで、香織の背後にはよくスタ○ドらしきものが立っていて、周りの生徒達、そして騎士団の者達が怖がっているのだ。

 

「それに、さっきステータスプレートを確認したら色々と変わっていて………」

 

「えっ?」

 

香織はそう言って雫にステータスプレートを見せた。そこには本来人間が到達できないようなステータスと可笑しな技能増えていた。

 

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白崎香織 17歳 女 レベル27

天職:騎士王妃(治癒師)

筋力:22604

体力:19560

耐性:20472

敏捷:21681

魔力:185639

魔耐:79580

技能:回復魔法[+回復効果上昇][+回復速度上昇][+イメージ補強力上昇][+浸透看破][+範囲回復効果上昇][+遠隔回復効果上昇][+状態異常回復効果上昇][+消費魔力減少][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]・全属性適正[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・高速魔力回復[+瞑想]・複合魔法・言語理解

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「なっ!?」

 

「これなら総ちゃんの足手纏いにはならないでしょ?だから………私は総ちゃん達の所に行く」

 

「そう…………」

 

雫は頷く事しか出来なかった。何せ雫は、バカをやらかす事の多い光輝達のストッパーであり、そう簡単に見捨てる事が出来ないのだ。それ故に、香織と一緒に抜ける事が出来ないと思っている。

 

但し、雫は内心羨ましいと、自分も総司の元へ行きたいと思っているのであった。

 

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勇者一行は60層にて立ち往生をしてしまっている。道に迷ってしまったという事ではなく、何時かの悪夢を思い出してしまったからである。あの時と同じ様な断崖絶壁がその記憶を呼び覚ましているのだ。

 

香織はその記憶による頭痛に苛まれながら、「総ちゃん………」と呟き悲痛な表情を見せた。総司達には同じ様に落ちる事でしか会えないと思っているからこそ覚悟を決めたが、総司達が生き延びているかは定かではないのである。その考えがどうしても過ってしまう為、覚悟が揺らいでしまうのだ。

 

そんな香織の気持ちに気付かず、空気も読まずに雰囲気をぶち壊してしまった大馬鹿者がいた。勇者パーティーのリーダーである光輝は悲痛な表情を見せる香織が総司達の死を痛ましく思っているからだと思い込んでこう言った。

 

「香織………君の優しいところ俺は好きだ。でも、クラスメイトの死に何時までも囚われていちゃいけない!前へ進むんだ。きっと、朝田達もそれを望んでいぐぉは!!」

 

しかしそれは悪手であった。光輝は香織と総司はただ仲が良いだけで付き合っている訳ではないと言う見当違いも甚だしい思い込みをしており、何時もの微笑みも、ただクラスメイトの死によって現実逃避をしているか心が病んでいると思っている。

 

だからこの様に、阿保みたいな発言が出来るのである。

 

そしてこの発言によって香織は激怒し、言葉を言い切る前に光輝を殴り飛ばしたのだ。

 

「天ノ河くん、総ちゃんはまだ死んでないよ。だって総ちゃんは、一度言った事は絶対に曲げない、覆さないんだもの。にも関わらず何でそんな事言うのかな?何で愛する人の生存を信じちゃいけないのかな?かな?かな?」

 

「ひっ!!」

 

「止めなさい香織。貴女の気持ちはよく分かる、けどね、それ以上はやっちゃダメよ」

 

雫が止めに入った事で何とか助かった光輝だが、ベヒモス戦の時以上の恐怖をその身に刻み込まれ、今なら総司達の仇を討つ事が出来ると思っていた。

何とも馬鹿な男である。

 

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光輝達勇者一行は65層へと到達し、悪夢の地に足を踏み入れた。しかしそこで待っていたのは先へと続く希望ではなく、あの時と同じ悪夢の再来だった。

 

赤黒く脈動する直径10メートル程の魔法陣。それは、とても見覚えがあるものだった。

 

「ま、まさか……アイツなのか!?」

 

勇者一行は恐れ慄き、一時は戦意を喪失しかけてしまう程だった。しかし、光輝がクラスメイトを鼓舞し、力を発揮した事により徐々に優勢になっていき、あと少しで倒せるところまできた。

 

「皆、後もう少しだ!行くぞ!」

 

しかし、ベヒモスは総司達を失った時のバハムートと同じ様に橋に攻撃を仕掛けた。幸い崩れる事は無かったが、香織が橋の外へ投げ出されてしまった。

 

「なっ!?香織!」

 

光輝は手を伸ばし香織の手を掴もうとするが、その手は健闘虚しく空を切った。

 

「よくも香織を!!」

 

ベヒモスに対して怒りを露わにした光輝はクラスメイトの力を借り何とか仕留める事に成功した。しかし、クラスメイト達はとても大きなものを失った。

 

クラスメイト達は、皆一様に涙を流し悲しんでいた。

 

 

 

 

 

香織の計算通りに進んでいるとも知らずに…………。




9/26香織の天職を変更しました。

清水くんは助ける?

  • 助ける
  • 助けない
  • 寧ろ最凶化
  • ラーメン食べたい
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