いっつん観察記録   作:教授@

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途中から記録が乱れますが暖かく見守ってください。

あと観察記録をしているものは女の子なので安心してください。


樹観察記録 2

 今回も犬吠埼樹の観察記録をここに記す。

 

 

 

【16ページ】

 

 樹ちゃんがお役目を行う際、特徴的な現象が起きる。それは突然居なくなるのだ。教室から出ていく、とかではなく言葉通りに突然消されたかのように消える。最初は不安だった。まるで樹ちゃん自身がどこかに消えてしまい、存在すらも消されて忘れ去られてしまうのではないか、と。だが終わりがあり、もうそろそろ終わると本人が言っていた。無理をせず、確実に終わらせてほしいと願うばかりだ。

 

 

 

【17ページ】

 

 今日はお役目がなかった。

 樹ちゃん他、勇者部の人たちは勇者部の活動を行って至って平和な一日だった。疲れも見られないようだし、これだったら問題なくお役目も終われるだろう。早く解放されることを祈っている。

 

 

 

【18ページ】

 

 休みの日。

 この日は祝日にしてもよい、と言ってもいいくらいの出来事が起きた。簡単に説明するのであれば犬吠埼家にお邪魔させてもらったのだ。なぜこうなったのか、それは休日に親のお使いで日用品を買いに行っていたのだがその帰りに樹ちゃんと風先輩に会った。挨拶程度ですぐに帰ろうと思ったのだが自分が樹ちゃんのクラスメイトだと分かると風先輩は「今日は非番だからウチに来てもらったら?」と言ってきて断れないムードになってしまい、犬吠埼家に向かうことになった。そこで自分は樹ちゃん、風先輩と三人で映画を見たりゲームしたりと最高な時間を過ごし、最終的には夕食までいただくことになった。風先輩からお泊りのお誘いまでしてもらったのだが、さすがに初めての訪問でのお泊りは失礼すぎるのでやめておいた。

 

【19ページ】

 

 犬吠埼家に訪問してから一週間が経過し、次の週末を迎えた。

 家が近いことから風先輩に何か起きたと起用の連絡先を教えてほしいと頼まれて教えた結果、まさかの今日連絡がきた。

 内容は「ごめん‼ 人手が足りてなくて手伝ってほしいんだけど今日空いてる⁉」だった。この文面から勇者部の活動のことを言っているのだろう、とすぐに分かった。粗方ボランティア活動だから自分でもできるだろう、と思って返事を出し、指定された場所に向かったのだが、そこは学校で開かれていたのは料理対決だった。ここで新事実が発覚したのが樹ちゃんは料理が壊滅的にへたくそであること。女子として料理ができないのは超絶マイナス点ではあるが自分にとっては滅茶苦茶可愛いじゃん、と思っているので問題ない。その料理対決で自分は樹ちゃんのフォローに回り頑張った。

 

 

 

【20ページ】

 

 正直、風先輩には感謝している。感謝しても足りないくらい感謝している。犬吠埼家に訪問してから樹ちゃんに自分のことをお友達と思ってもらえているらしく、同性でもあることから家にはよく呼んでもらい、行ったら毎回風先輩の手料理をご馳走してもらえる。もちろんギブアンドテイクで邪魔にならない程度で自分も勇者部の活動の手伝いをした。料理対決の一件から結城先輩や東郷先輩にも覚えられて最終的に勇者部の部室を自由に行き来できるようになった。これで樹ちゃんを近くで見守ることができる。もっと可愛らしい彼女の笑顔と頑張りを記録していきたいと思っている。

 

 

 

 【21ページ】

 

 ついにこの日が来た。

 お役目が終わった、ついに終わったのだ。ボロボロになって帰ってきた樹ちゃんを見て自分は泣き出してしまった。無事に帰ってきてくれたことに涙が止まらなかった。見守る立場として、彼女との接触を極力避けようと思っていたが我慢できなかった。彼女を強く抱きしめた。壊れそうなくらい強く抱きしめて私は【お帰り】と言った。

 

 

 

【22ページ】

 

 お役目が終わった後、樹ちゃんたちは入院をすることになった。といっても大怪我をして入院するのではなく検査入院だ。予想はできていた、命を落とすかもしれなかったお役目。大赦はできる限りの安全を確保してくれていたが、かもしれないと思うだけで私の心はいつも不安だらけだった。

 入院初日に私は学校が終わってすぐに彼女の病室に向かった。だがそこで私は悲報を伝えられる。

 

 お役目で樹ちゃんの声が出なくなってしまったのだ。

 私は焦ってしまった。病院や大赦が言うにはお役目の疲れが一気に出てしまい、それがそれぞれの形で出てしまい、樹ちゃんの場合は声になったと聞く。疲れだからしばらくすれば治る、と聞いた。無事に後遺症が残さらずに治ってほしいと願う。

 

 

 

【23ページ】

 

 樹ちゃんが入院してから私は毎日彼女のお見舞いに行った。

 入院期間は一週間、東郷さんだけ10日かかる予定らしい。勇者部の皆さんとの集まりがないときを狙って私は樹ちゃんに会いに行った。

 お見舞いの品もできる限り喉にいいような物と疲労が回復しやすいものを用意した。もちろん勇者部の皆さんの分も用意して送っている。部活動をして短い期間なのに仲良くしてもらっている分、ここで恩返しをしようと考えている。

 

 

 

【24ページ】

 

 お見舞いの日は続く。

 言語機能が停止してしまった樹ちゃんに私は画期的なアイテムをプレゼントした。それはミニホワイトボードとボードマーカー。手で簡単に消せるから簡単に筆談会話が可能となる。最初はふつうの紙にペンで書いていたのだが、消費を抑えるためにホワイトボードを使うようになってくれた。

 

 

 

【25ページ】

 

 楽しいことが続けば時間経過は早く感じられる。まさにその通りだった。一週間の入院なんて絶対につらいだろうと思っていたのだが、あっという間に終わってしまった。まだ声は治らないのだが、樹ちゃんは筆談会話に慣れて普通の会話と変わらない速度でコミュニケーションが取れるようになっていた。

 学校生活が始まってもクラスメイトと問題なく会話が取れており、これだったら私のサポートもいらずに生活を送ることができる。

 

 

 

【26ページ】

 

 問題はない、と思っていたのだが、やはり声が出せないというのは少しばかり厄介だった。そう、音楽だ。音楽の授業は実力がもろに成績に反映されてしまう。先生もお役目のことを理解してくれて歌のテストは避けて楽器などのテストを行ってくれていた。だがこれでは贔屓をしてしまっているのではないか? と気まずくなってしまい、やりづらそうな雰囲気だった。このままではまずい、何か治せる方法を見つけなければならない。折角楽しい学校生活が戻ってきたというのに気まずい状態が続けば樹ちゃん自身が孤立してしまう可能性が出てくる。

 

 

 

【27ページ】

 

 結論から言ってしまって無理だった。

 最初、樹ちゃんの声が出ないというのは疲れ、ストレスからくる機能停止だと思っていたのだが違った。医者の話からよると何等かの現象が起きて声を出すために必要な器官を自分の意志で動かせずにいる。この場合、薬や食べ物ではどうにもならない。ただ治るのを信じて待つしかほかはない。

 

 

 

【28ページ】

 変な夢を見た。

 不思議な夢、最初は変な空間の中でたたずむ夢。自分の意志で体を動かすことはできない。見える景色は鮮明で不気味だったが美しいと思えるような場所。そこを長い時間たち続け、このまま終わるかと思っていたのだがそこから声が聞こえ始めた。「こっちにおいで」

という声。優しい声だった。その声が聞こえ始めると私は歩き出せるようになり、声の聞こえる方角へと歩きだす。歩いていくのだが途中で目を覚ましそうになり、優しい声は「……で君を待ってるよ」と最後に言って私は目が覚めた。

 

 

 

【29ページ】

 

 私は勇者部のお手伝いさんとしていつの間にか有名になっていた。まだ勇者部の人たちのことよく知らないのに聞かれ、そして先生からは「これ勇者部の頼まれていたやつ、部長に渡しておいてね」と頼まれる始末。彼女たちのグループの一員と思われるのは嬉しいのだが少し調子狂う。ほかの皆は私のことを高く評価してくれるが自分自身の中での自分の評価はかなり低い。

 一応風先輩にこのことを話し謝罪をした。変に噂されているのではないか?と不安だったが、そんなことはなかった。しかも風先輩からは驚きの話を聞かされた。

 私はすでに勇者部員として学校に登録されていたらしい。風先輩からの話によると樹ちゃんと仲良い友人、部活をよく手伝ってくれる、これは入ってくれるのかな?と勝手に思い込み、最終的に本人確認せず樹から誕生日などを聞いて入部届を出してしまったらしい。予定とか入部届を出す前からよく把握してくれていたから問題ないだろう、と思い、連絡先も知っているし不都合はなかった。

 

 このことを知って帰宅後、私は嬉しさのあまりに発狂してしまった。

 樹ちゃんたちと仲間入りできたことに。実際少数の部活はとても仲良く見えて入りずらいと感じてしまう。そのせいで人数を増やそうにも周りの者たちは気を使ってしまい入ろうとしない。だが認めてもらい、入ることができた私は感激で死にそうだった。

 

 ついに公式に近くで樹ちゃんを見守ることを認めてもらえたのだ。

 

 

 

【30ページ】

 

 嬉しいことが連発して起きると次の日死ぬのではないか? と思ってしまう。正式に入部を認めてもらい、歓迎会をしてもらった私にさらに嬉しい情報がやってきた。勇者部で合宿を行うらしい。といってもお役目が終わってそれの打ち上げ扱いで行われるものなのだが。大赦側から合宿先を用意してもらったらしく、そこに泊まって合宿を行う。私も参加していいのか? と思って聞いたのだが大赦側からはお役目をした樹ちゃんたちを支えてくれた者としてお礼がしたい、と言ってきて合宿に参加していいことになった。

 

 そのことを金曜日に言われて私は嬉しかった。と同時にあることに気づく。

 そう、樹ちゃんと同じ部屋で寝ることができるのだ。え? コレマジで私、合宿終わった直後に車にひかれるんじゃない?と思い逆に怖かった。でも樹ちゃんが嬉しそうに「合宿楽しみだね」と笑顔で言ってきて私はその場で泣き崩れ静かに息を引き取った。

 

 

 

 

 

  続く!!

 




感想お待ちしてます。




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