『時雨蒼燕流はいつだって完全無欠最強無敵』……それは鬼滅の刃でも?   作:必殺遊び人

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始めましての方は初めまして! 必殺遊び人と申します。

*注意*
今作は、アニメに触発されたのと同時に、リハビリを兼ねた作品となります。
ある程度頭の中で構想はあるのですが、形にするのには少し時間がかかるかもです。
もし更新が止まったら考え中なのだと思って気長に待ってくださるとうれしいです。

一応五話あたりぐらいからこの作品がどういったものなのか分かるかなと思います。

それではお楽しみいただけると幸いです!!


帰還・そして始まり

 その場所は、ある屋敷のその一室。

 

「いつ戻っていたんだい?」

 

 まず声を出したのは、顔に火傷の跡がある男だった。

 

 それを聞いて、戸に体をあずけるように腕を組んでいた一人の青年は、懐かしく思うと同時に、優しく包まれるような不思議な感覚へ襲われた。

 化粧次第では女の子にも見えるその顔でその青年は微笑み、流れるようなつやのある髪を揺らしながら答えた。

 

「ついさっきですよ。兄様の体調がふと心配になりましてね、元気な顔が見れてよかった」

 

 ニコリと笑うそれを見て、火傷の男――産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)は、ぽかんとしたように口を開けた。

 いつも柔和な笑みを浮かべるそれを思えば、それはとても珍しと言える。

 だがそれも一瞬のことで、すぐに優しい笑みへと顔へと戻った。

 

光哉(こうや)のそんな礼儀正しい言葉を聞けるだなんてね、少し驚いたよ」

 それを聞いた少年は――。

 

「はは、それなら僥倖。()()を驚かせるならここしかないと思ってたからな、俺も少しは成長したってことさ」

「それを聞く限り成長はしてなさそうだけどね」

 

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)と話すその少年は、弟の産屋敷光哉(うぶやしきこうや)

 年齢は15とは言え、笑うその姿はいたずらが成功した子供のように幼かった。

 

「いや、元気そうなのは本当に安心したさ。なんせ……いや、何でもない。それよりも結婚したんだって? お見合いをしたきりだったから知らなかったぞ? とりあえずおめでとうと言っておこうかな」

「ありがとう。光哉(こうや)は7年前に家を出てたからね、まさかここまで帰ってこないとは思わなかったけど……」

 

 責めているというよりは心配しているようだった。

 それを理解してか、光哉(こうや)は少しバツが悪そうに頭をかいた。

 

「忙しかったんだよ」

 

 一言だけそう言って、光哉(こうや)は輝哉の前へと腰を下ろした。

 

 そして――。

 光哉(こうや)唐突にその雰囲気を変えた

 

「さて、どこから聞きたい?」 

 

 空気が変わる。

 先ほどまでの優しい雰囲気はお互いになかった。

 

光哉(こうや)、お前は味方なのかな?」

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)はまずそれを聞いた。

 七年前。産屋敷光哉(うぶやしきこうや)が家を出たその理由の一つ。

 その答え次第で、産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)の首はここで飛ぶだろう。それを思っての輝哉の言葉がそれだった。

 

「……」

(『柱』ぐらいいるかと思ったんだけどな、肝が据わっているというか何と言うか……)

 

 殺されるかもしれない。そんな状況にいながら、笑顔を絶やさない兄を見て、光哉(こうや)はその姿がとてもかっこよく見えた。

 

「味方か……敵か……」

 光哉(こうや)は腰に掛けている刀を手に取り、

 

「その質問をしている時点で、輝哉の気持ちは十分に理解できるよ」

 静かに、その刀を机へと置いた。即ち――争う意思なんてない、と。

 

「俺は言ったよな。輝哉が産屋敷の当主として父さんから言い渡されたとき、別の道を行くと……」

「そうだね。僕はその方法を聞いて、君は僕と敵対する気なのだと思った」

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)の肩が少し落ちた。

 やはり少しは緊張していたのだろうか、先ほどよりも全体的に安堵の空気を纏っているように見える。 

 

鬼無辻無惨(きぶつじむざん)と交渉なんてね……気でも狂ってしまったのかと心配にすらなったよ。子供の戯言、そう思ったけど光哉(こうや)はそれを実行しようとしている」

 

「……俺は――この家で唯一『呪い』の影響を受けなかった子供だ。まぁ死ぬ年齢はその時でないと分からないが、今のところ体の異常はないし、兄さんみたいな虚弱体質でもないからな。当主になる可能性も十分にあったし、それならそれでちゃんと継ぐつもりではあったさ」

 

 そう――産屋敷光哉(うぶやしきこうや)は、無惨が現れてから産屋敷家が生んだ子供で唯一『呪い』を受けない子孫であった。

 産屋敷家は無惨と同じ一族としてなのか、あるいはまた別の何かなのか、長くても30程度までしか生きられない、そんな『呪い』ともいえるそれを抱えた一族なのだ。

 

「兄さんはいつも言ってただろ? 「僕の代で無惨を討つ」ってさ。俺の場合は違う、俺の代でこの戦いを終わらせたい。そう思ってる」

 

 ――つまるところ。

 

「つまり……光哉(こうや)は無惨を止められればそれでいいと思ってる。……確かにそうだね。珠代(たまよ)のように少量の血だけで生活ができる薬もある。それを飲ませ、無惨に鬼を作り出すのを止めさせることができれば、後は鬼を狩るだけでこの戦いは終わるだろう」

「兄さんの気持ちは分かっているさ。それでも、死者を出さないならばそれに越したことはない。俺は戦いが嫌いなんだ、知ってるだろ?」

「……」

 

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)は黙ってそれを聞いていた。

 

「なぁ何百年だ? いったいいつまで続けるつもりだ? 無惨は確かに最低野郎だろう。クソ野郎なのは俺も理解できる――けどだ、俺には死んでほしくない人たちがいる。それに……無惨は強い」

「……そう、だね」

「ただ幸い、無惨の目的は明白だ。ならそれを餌に交渉できないなんて決めつけられるか? 少しでもいいんだ、俺は鬼無辻無惨を知りたい……話したい……」

 

 光哉(こうや)は他の人とは違う部分があった。

 それは心。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「俺は敵でも味方でもない。ただこの戦争を終わらせる。別に輝哉の邪魔をするつもりはないし、だからと言って無惨の味方ってわけでもない。輝哉が無惨の首へ刀を突きつけられたら躊躇する必要もない。引っ掻き回すだけになるかもしれないのは理解している。けど、もう少し俺に時間をくれ――いや、ください」

 

 そう言って、光哉(こうや)は頭を畳へと落とした。

()()()()()()()()()俺は無惨と話さなければならないんだ……っ)

 

 光哉(こうや)は兄の事理解しきれていなかったのだろう。

 いつも笑顔を見せてくれて、優しく接してくれて、裏切るようなその行為にも肯定的にとらえてくれて、七年前度に出る時も、心底心配していたのを今でも覚えている。

 

 だからこそ分からなかった。なんで自分にここまで優しくできるのかと。

 今日ここへ来た時だって、拘束されるのを覚悟だった。

 役目を果たさず、ありえない戯言をいつまでも言っているのだ。その可能性もも十分にあっただろう。

 

 輝哉が死を覚悟するのと同時に、光哉(こうや)も『柱』と戦う程度の覚悟はしていたのだ。

 

「……、」

 光哉(こうや)の手が震えていた。『戦いが嫌いだ』この言葉に嘘はないのだろう。

 傷つくのが嫌いで、傷つけるのも嫌いで、だからここで産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)と対立していること自体が、恐怖を抱えるには十分すぎた。

 

 たが、産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)はそれを見ても微笑むだけだった。

 

「僕は……何もできない。『柱』のみんなから「お館様」なんて言われて慕われていても、僕には何をする力もない」

 

 弟の心が落ち着くように、ゆっくりと。

 そのまま――だから、と続けて。

 

「僕は光哉(こうや)を応援する。後の事なんて気にしなくていい、僕は兄なんだ、なら後ろは任せなさい」

  

 バッ、と、顔を上げる光哉(こうや)に見せるように、微笑むのではなく、とびっきりの笑顔を見せて。

 

「頑張れ光哉(こうや)。君ならできる」

 

 当主としては間違った、しかし、家族としては最高の言葉を言ったのだ。

 

 涙が出そうだった。

 感謝の言葉を言おうとして言葉にがつまるのを感じる。それほどに、光哉は困惑し嬉しかったということだ。

 

「光哉……」

 そんな光哉を安心させるようなその声で。

 

「聞かせてくれないか。君の七年間を……何を見てきて、何をしてきたのか」

「……え、えッ?」

「出ていくときに言っていたよ? 助けたい人がいると。それは助けられたのかい? 他にもいろいろ聞きたいんだ……」

 

 少しだけポカンとした後、光哉は笑ってそれを話し始めた。

 

「……そうだな。最初はどこだろう。そう、まずは鱗滝さんのところに行ったんだよ! そしたらさ――」

 

 鬼滅隊に重要な話から、本当にただの笑い話まで――。

 その様子は、きっと七年ぶりの兄弟の会話だった。 

 

 

 +++++

 

 

 

 光哉(こうや)は縁側でそらを見ていた。

 

「流石は産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)だ。最高にかっこいいな、まったく」

 

 そう呟きながら、伊織は隣においてある刀を見た。

 刀の名は『時雨金時(しぐれきんとき)』。

 

 家庭教師ヒットマンリボーンにおいて、主人公の『雨の守護者』山本武がの物と()()()()()()()

 

 産屋敷光哉(うぶやしきこうや)は転生者と言う奴だった。

 

 前世の記憶を持ち、漫画の世界に、と言う理解の及ばない超常現象の当事者である。

 

 転生特典とでも言えばいいのか、彼は山本武と全く同じ力を持っていた。それもあって手にしているのがこの『時雨金時』である。 

 いいや、むしろ逆か、『時雨金時(しぐれきんとき)』でしか力を発揮でいない光哉の力は『時雨金時(しぐれきんとき)』であるからこそ山本の力、技術を使うことができるのだ。

 厳密には少し違うが、それは今はいいことだろう。

  

 副次結果としてだが、産屋敷家特有の虚弱体質もこれによって回避したに過ぎない。

 

「『鬼滅の刃』に『リボーン』……か」

 首にかけた雨のリングを見ながら、光哉(こうや)は小さく呟いた。

「なぁ小次郎に次郎どう思うよ? 七年間でやってきた俺の出来事が原作にどう影響するのか分からないけど、俺がここにいる理由は本当にあるのか?」

 

 庭で尻尾を振っている日本犬次郎と、光哉(こうや)の周りを飛んでいた燕の小次郎は、言葉を理解していないのか、はたまた質問の意味が分からないのか、可愛らしく首を傾けた。

 

 これらのアイテム『時雨金時』『雨のリング』『小次郎・次郎』は、彼が五歳の頃、唐突に目の前に現れた特典のそれなのだ。

 

 

『何もないところからとか、もっとなんかあっただろうに……』

 

 

 『小次郎・次郎』をボックス兵器ではなく()()()()()()として寄越したのならば、なおさらだ

 

 目の前に急に現れたそれと、自身の力を無理やり頭にねじ込まれたそれを体験した光哉(こうや)は、神と言う存在がいることをこの時確信したのだ。

 

 まぁ本当に神ならもっと丁寧な説明がほしいところだが……。残念ながら彼が不思議体験をしたのはこれが最後でああった。

 

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)の弟に生まれるというイレギュラー。

 さらにはこの世界にはない力を得るというチート持ちの転生者。

 それが産屋敷光哉(うぶやしきこうや)の正体だった。 

   

 だが――。

 それを踏まえたからと言って、彼がそこまで大きな人間でないことは明白だろう。

 

 『戦いが嫌いで、傷つくことも苦手であり、傷つけるのも許容しない』

 

 いわゆる普通の人間だが、前世の記憶や、彼の本質が、この世界で生きることを否定している。

 

「夢なら覚めてほしいと何度思ったか、……けど」

 

 光哉(こうや)は心が普通の人間である。

 しかしならば何故、彼はこの七年間動き回っていたのか。

 

「意味はあったはずだ。()()()()()()()()()それが吉と出るか凶と出るか……それに……」

 

 ――助けられる命を見捨てるほど、彼は臆病者はなかった。 

 

 七年間、彼は鬼無辻無惨と会うのと同時に、知っている原作知識をいけしては助けられる命に手を伸ばしていた。

 

「もし俺と言うイレギュラーに意味があるとしたらここのはずだ」

 

 自身がここにいる意味はそれらを助けるためだと半ば確信しての行動。

 

「さて、次は胡蝶カナエだったかな?」

 

 原作で失われるはずだった命を救う。

 簡単に言ってるようだが、光哉(こうや)が認知できるそれが多いとは言えない。

 原作知識をもってしても時系列が分からず救えない命もあるかもしれなかった。

 

 時には死ぬ原因を作った存在を殺すことでそれを回避しようとしたこともあった。

 

「そろそろのはずだ。胡蝶カナエが『柱』になってから彼女はなくなったはずだ。ならそろそろ……」

 

 曖昧な記憶を頼りに、彼はこれからの計画を立てていく。

 光哉(こうや)が今ここにいる理由。即ち七年ぶりにここへ戻っている理由、それはここにいたほうが都合がいいからと言う事だ。 

 

「この七年で『十二鬼月』の場所も大体把握できた。後はそこへ胡蝶カナエが任務へ行くときについていけばいいだろう」

 そもそも、胡蝶カエデや胡蝶しのぶの両親が殺害される前に彼は動けるはずだった。

 だが、死亡するという知識をもっていても()()までは知識にはなかったのだ。

 

「この七年で地形や地理は大体把握した。これからだ。本番は……」

 

 原作はすでに狂い始めた。

 産屋敷光哉(うぶやしきこうや)と言うイレギュラーによって、未来は全く知らない者へと変貌しようとしている。

 原作知識と言う武器を捨ててまで、彼は動いた。

 

「必ず助けるさ、輝哉」

 

 そう――。

 原作死亡者を死なせない、それは彼にとって目的と同時に手段でもあった。

 

 産屋敷輝哉(うぶやしきかがや)は死亡する。

 原作を見れば残りの寿命が少ないことを見越しての自爆は確かに有効的な手段だっただろう。

 展開としては勿論ありだった。

 

 だが、それはあくまでも外側にいたらの話だ。

 

「家族を巻き込んでの自爆。そんなの、優しい()()()にやらせるかよ」

 

 星が輝く縁側で、一人喋るその姿は滑稽ですらあった。

 けどこれは必要な行為だった。口に出さなければ保てない心だってあるだろう。

 

「さてと、そろそろ寝るかな」

 

 おもむろに立ち上がる伊織は、やはりどこか普通の少年で、しかし――

 

 その胸に光る雨のリングが、確かに炎を纏っていた。

 

 




ここでは作者の独り言や、感想などで得た質問などと回答を添えたものなどを記載しようかなと思っています。

一応なのですが。
アンチ・ヘイトのタグをつけています。
これは鬼滅の刃を否定するつもりでつけたわけではありませんのでよろしくお願いします。
好きでなければ書けませんからね(笑)

それでは次回もよろしくお願いします。

ではではー。
 
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