僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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深夜テンションって恐ろしいね
二時間で書きあがった


呆気ない幕切れ

二日目が始まって数時間後、AとFクラスの合同出店は大盛況だった

 

明久と桜も休憩から戻ると、すぐさま教室内を忙しなく歩き回った

 

そして、数時間後

 

『これより、試験召喚獣大会決勝戦を行います! 選手と観戦者の方々は第一会場へと集まってください! 繰り返します……』

 

という放送が聞こえた

 

その放送を聞いて、康太と雄二は頷きあって教室から退室した

 

それを見ると、明久は左耳に手を当てて

 

「フリージア、行動を開始しろ」

 

と呟いた

 

『了解!』

 

明久はフリージアの返答を聞くと、翔子に近づき

 

「霧島。すまないが、少し離れる」

 

と言った

 

「……わかった」

 

翔子が頷くと、明久は教室から出た

 

「瑠璃、稟達の護衛を頼む」

 

『了解、必ず守り抜いてみせます』

 

瑠璃からの返答を聞いて、明久は教頭室へと向かった

 

そして、決勝戦は呆気なく終わりを告げた

 

それはフリージアの操作により、決勝戦の科目が保健体育になったからである

 

雄二と康太の相手である常村と夏川は理数系を得意としており、保健体育はAクラスの平均点程度だった

 

だが、康太は寡黙なる性職者(ムッツリーニ)と呼ばれるほど保健体育を得意としている

 

だから、その点数差は圧倒的なものだった

 

常村と夏川が二百点後半に対して、康太は六百点超えという脅威の点数だった

 

だから試合開始直後、康太は自身の腕輪たる加速を発動

 

まさしく一瞬にして、二人を切り捨てたのである

 

その頃、明久は……

 

「まったく、使えない役立たず共だ……」

 

と言ったのは、文月学園の教頭の竹原である

 

竹原は飲んでいた紅茶のカップを置くと、常村と夏川の写真を引き裂いて

 

「役立たずは要らない……」

 

と言って、二人の写真をライターで焼いた

 

「さて、次はどうするか……」

 

と竹原は言うと、机の引き出しから新しく数枚の写真を取り出して

 

「彼らに犠牲になってもらうか」

 

と言った

 

その写真に写っているのは、稟達だった

 

「そうだな……そこらへんのゴロツキでも金で雇って、襲わせるか……そして、その罪を学園長にでも擦り付けるかな……」

 

と呟いた

 

その直後、ザギン! という切り裂く音が響き渡り、ドアがバラバラに崩れ落ちた

 

「な、なに!?」

 

竹原が驚愕で立ち上がると、瓦礫と化したドアを踏み越えて明久が現れた

 

「き、貴様……っ! 何をしたのかわかっているのか! 器物損壊だぞ!」

 

竹原は非難がましい視線を明久に向けるが、明久は意に介さず

 

「ならば、貴様が行ったのは業務上横領罪並びに、犯罪教唆だな」

 

と言った

 

すると、竹原は小馬鹿にしたように鼻で笑い

 

「そんな証拠がどこにあると言うのかね?」

 

と明久に侮蔑の視線を向けた

 

すると、明久は冷静に懐に手を入れて

 

「まず、これは貴様の銀行口座の預金残高だが……この金はどうやって手に入れたのかな?」

 

と指し示した

 

そこに記載されているのは、千万単位で記載されている残高だった

 

それ程の金額の金が、ある日に突如として竹原の口座に振り込まれていた

 

「この金額、学園長に聞いたら、貴様に任せた教室の改修費用の八割以上らしいじゃないか……」

 

「それは、盗まれないようにと預かったまでだよ」

 

明久の言葉に対して、竹原はそう言うが明久は竹原を睨みつけて

 

「そうかそうか……ではなぜ、Fクラスの教室施設があれほどボロボロだったのかな? 学園長に確認させたら、あれは改修する対象らしいが?」

 

明久の言葉を聞いて、竹原は鼻を鳴らし

 

「たかがFクラスの屑共に対して、教室施設の改修など勿体ない。だったら、私が有意義に使わせてもらうさ」

 

と答えた

 

「その時点で、貴様は業務上横領罪を行っている!」

 

「そんなの、私には関係ない! この世は、私のような天才と、その天才に使われるべき道具しか必要ない! Fクラスの奴らは道具以下だ!」

 

明久の言葉を聞いて、竹原は両手を広げながらそう言った

 

それを聞いて、明久は竹原を睨んで

 

「見下げ果てた屑だな……」

 

と吐き捨てるように言った

 

「話はこれだけかな? ならば、貴様はここで死ね!」

 

竹原はそう言うと、懐から球体の物を取り出した

 

だが、次の瞬間

 

「神剣一刀流……奥義、不動!」

 

という掛け声の直後、その物体を持っていた竹原の手が手首から飛んだ

 

「グアァァァ! 手が、私の手がぁぁぁ!?」

 

竹原は痛みにうずくまるが、明久は無視して

 

「貴様……これほどの魔道具、どうやって手に入れた? これは、特A級危険魔道具だぞ?」

 

と呟いた

 

だが、痛みにのたうち回っている竹原に答えられる訳がない

 

明久は魔道具を拾い上げて

 

「まあ、どうせ貴様に協力した反派の奴らが渡したんだろうがな……」

 

と言うと、空中に放り投げてから魔力刃で切り裂いた

 

そして明久は、なおも喚いている竹原に視線を向けて

 

「いい加減にうるさい!」

 

と言うと、顎を蹴り上げて竹原を気絶させた

 

そして竹原が気絶すると、札を取り出して傷口に貼り付けた

 

「まだ死なれたら、困るからな……貴様には、洗いざらい吐いてもらうぞ」

 

と言った

 

その時だった

 

『隊長、夏川と常村の両名が学園長と坂本雄二並びに、土屋康太の会話を盗聴。屋上の設備を使って放送しようとしてます』

 

という、フリージアの報告が聞こえた

 

「何としても止めろ。手段は問わない!」

 

と告げた

 

『了解!』

 

という、フリージアの返答の直後、屋上の方から爆発音が聞こえた

 

どうやら、魔法を使って攻撃したようだ

 

『隊長、放送の阻止に成功。二人を拘束しました』

 

「わかった。二人を直ちに連行して、どういう経緯で協力したのか、洗いざらい吐かせろ」

 

『了解!』

 

フリージアの返答を聞くと、明久はトントンと二回叩いてから

 

「瑠璃、そちらはどうだ?」

 

と稟達の護衛に着いている瑠璃に問い掛けた

 

『なんら異常はありません』

 

瑠璃の報告を聞いて、明久は満足そうに頷くと

 

「わかった。引き続き、護衛を頼む」

 

と言ってから、通信を切った

 

そして、自身で切ったドアと天井を見上げると

 

「仕方ない……陛下方に頼んで派遣してもらうか」

 

と言うと、携帯を取り出した

 

こうして、陰謀塗れの文化祭は幕を下ろしたのだった


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