僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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如月グランドパーク編
デートの始まり


明久が負傷して、数日後

 

「如月グランドパークのチケット?」

 

「はい。出張中の父さんから、手紙で送られてきました」

 

楓がそう言いながら見せたのは、間違い無く如月グランドパークのプレオープンチケットだった

 

「どうやって手に入れたんだ?」

 

「なんでも、取引先の方が好意でくれたそうです」

 

楓の説明を聞いて、稟はふーんと言うと、少し考えてから

 

「行くか?」

 

と問い掛けた

 

「え? 私とですか?」

 

楓がビックリした様子で問い掛けると、稟は頷き

 

「まあ、日頃からお世話になってるしな」

 

と言うと、立ち上がって

 

「財布取ってくるか」

 

と言って、居間から出た

 

それを楓は見送ってから、少しポーッとして

 

「ハッ!? 私も準備しなきゃ!」

 

と慌てた様子で居間から出ていった

 

同時刻、近衛部隊詰め所

 

「強制休暇……ですか」

 

詰め所に現れた神王の言葉を聞いて、明久はそう言った

 

「ああ……明久。お前、この間重傷を負ったらしいじゃねぇか」

 

「はあ……確かにそうですが、その怪我は協力者のおかげで完治しましたよ?」

 

神王の言葉を聞いて、明久がそう返すと、神王は頷いてから

 

「確かに、そうかもしれねぇな……けどよ、考えてみたらな……今までお前、碌に休暇取ってないからな……ここらで一旦、休暇を与えたいんだ」

 

と言った

 

「ですが……そうしたら、ここの指揮は……」

 

と明久が言いよどんでいると、瑠璃とフリージアが入ってきて

 

「安心してください、隊長」

 

「二三日くらいなら、私たちでも十分に回せますよ」

 

と言った

 

それを聞いて、明久は少し黙考すると

 

「わかりました。休暇に入ります」

 

と言った

 

そして、詰め所から出ると明久は

 

「そういえば、魔王陛下から如月グランドパークのプレオープンチケットを貰っていたな……」

 

と呟くと、一旦自宅に戻って

 

「ふむ……ペアチケットか……」

 

と呟くと、携帯を取り出した

 

同時刻、八重家

 

「え? 如月グランドパークのプレオープンチケット?」

 

明久から電話が来て、桜はキョトンとした

 

『ああ……ペアチケットだから、一緒に行かないか?』

 

「……私でいいの?」

 

『ああ』

 

桜が問い掛けると、明久は即答した

 

「分かった。行くね」

 

『ああ……大体、十分もすれば、桜ちゃんの家に到着するから』

 

明久の言葉を聞いて、桜は時計を見てから

 

「分かった。待ってるね」

 

と言うと、通話を切った

 

その数秒後、桜は顔を真っ赤にして

 

「アキくんと……デート……」

 

と呟くと、ベッドに倒れ込んでジタバタした

 

恋する乙女として、意中の少年に誘ってもらったのは、桜としては非常に嬉しかった

 

だが、悲しいかな

 

彼女はデートは初めてで、どういう服装をすればいいのか分からなかった

 

「と、とりあえず! 着替えよう!」

 

桜は意気込んでそう言うと、クローゼットを開いた

 

そして、十分後

 

「待たせたな」

 

「う、ううん!」

 

明久が到着すると、桜は門柱の前で待っていた

 

桜の服装は白いブラウスに水色のスカート、桜色のカーディガンである

 

そして明久はと言うと、紺色のGパンに青いワイシャツ、白黒迷彩柄のジャンバーを着ている

 

「よく似合っているよ、桜ちゃん……それじゃあ、行こうか」

 

「う、うん!」

 

明久の言葉を聞いて、桜は嬉しそうに頷くと明久に付いていった

 

こうして、三組のデートが始まる


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