僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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今回は導入なので、短いです


強化合宿へ

須川と横溝が仮入隊して数日後、明久達は高橋女史と紅女史が配ったしおり

 

学力強化合宿のしおりを見ていた

 

「この学校って、本当に凄いよねー。合宿専用の建物まであるなんて」

 

「本当ですね」

 

シアが感嘆した様子で言うと、ネリネも同意するように頷いた

 

すると、同じくしおりを見ていた明久が

 

「なんでも、倒産した旅館を格安で購入し、試験召喚獣に対応させる工事をして使っているそうです」

 

と説明した

 

それを聞いて、稟が

 

「明久、よく知ってるな」

 

と感心した様子で言った

 

すると明久は、目を瞑って

 

「一応、安全かどうか調べたからな……」

 

と呟やいた

 

その直後

 

「案内位つけろよー!!」

 

という叫び声が聞こえた

 

「な、なに……?」

 

桜が驚いていると、明久が

 

「Fクラスは現地集合になっているからな、それだろう」

 

と言った

 

それを聞いて、稟達はしおりに書いてある各クラスの現地までの移動方法を見た

 

Aクラスはリムジンバスで移動する、と書いてあったが、Fクラスは

 

〈各自現地集合〉

 

としか書かれていない

 

しかも

 

〈迷っても、自分でどうにかしろ〉

 

と書いてあった

 

その文章を見て、興平は鼻息荒く

 

「あんなことしたんだ。自業自得だろ」

 

と吐き捨てるように言った

 

なお、須川と横溝以外のFクラス男子達と島田は今現在、学園側が建てたプレハブに住んでいる

 

そして、須川と横溝は近衛隊の隊舎に住んでおり、共に切磋琢磨しており、メキメキと力を付けている

 

魔力に関しては、二人は人族なためにそれ程多くはない

 

だが二人はそれぞれ、杖術と二丁拳銃での格闘戦に高い適性を示した

 

それを受けて明久は、二人に試作品の兵装を渡した

 

近年、人族と結婚して産まれる魔力値の低いハーフに対応させるために開発された試作兵装だ

 

実を言うと、明久が使っている魔力刀や札もその一つだ

 

須川に渡されたのが、伸縮自在の魔力杖で、横溝は魔力で弾と魔力刃を作る魔力銃だ

 

その兵装に関しては、既に学園に話を通して持ち込み許可を得ている

 

なお、明久の二人への評価は

 

「今後の成長に期待」

 

という評価だった

 

二人の成長速度が高いのは、二人の向上心の高さもあるだろう

 

二人は暇があれば特訓をしているか、先達達にコツなどを聞いているらしい

 

らしい、と言うのは、明久は直接見た訳ではないからだ

 

それらは全て、副隊長の一人のフリージアから聞いた話だ

 

須川と横溝の二人は、魔法に関しては残念ながら才能はほとんど無い

 

だが、諦めないで特訓しているという話だ

 

その影響を受けてか、先達達の練習意欲も上がっている

 

そういった部分を明久は買い、近い内に正式に採用する予定だ

 

なぜならば、明久も同じだったからだ

 

明久は魔法だけでなく、剣の才能も無かった

 

だが寝る間を惜しみ、血反吐を吐く思いで特訓を続けて、剣神の二つ名を得た

 

だから明久としては、二人にはそのまま頑張って特訓を続けてほしいと思っている

 

閑話休題

 

「さて、何事もなく終わってくれれば僥倖なんだが……」

 

明久はそう呟くものの、その願いは叶わないとは、この時は思っていなかった


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