僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

38 / 68
お待たせしました
一週間以上かけて、短いです
あかん
これ書くの、結構キツイかもしれん………


修羅

「隊長。どうでした?」

 

昼食後、須川は明久に何か進展があったか尋ねた

すると、明久は一枚の紙を取り出して

 

「隠密から報告書が来た。まず、更衣室にはカメラが最低でももう一台あるようだ」

 

「つまり、見つかったのは囮ってことか?」

 

明久の言葉を聞いて稟がそう言うと、明久は無言で頷いた

 

「隠してあった場所も、入り口付近の裏返した籠の中だったらしい……明らかに囮だな」

 

明久のその言葉を聞いて、興平が頷いた

そして

 

「明らか過ぎる」

 

と同意した

確かに、あからさま過ぎるのだ

まるで、見つけてくださいと言わんばかりだ

 

「そして、調査した隠密によると、更衣室から不明電波が発せられてるとのことだ。今、詳細は調査中だ」

 

「不明電波?」

 

明久の言葉を聞いて、稟が首を傾げた

すると、明久が

 

「学園で使っているのとは、全く違う電波を確認したらしい。恐らくは、犯人が仕掛けたものだろう」

 

と言った

 

「要するに、犯人はまだ諦めてないと…………」

 

「だな。それで、男子達は?」

 

「諦めてるわけないですよ」

 

「特に、Fクラスはね」

 

稟の言葉に、須川と横溝が答えた

二人はFクラス男子達から裏切り者扱いされており、情報を得るのは難しいだろう

《普通》にやれば

しかし、今の二人は仮にも近衛隊に所属している

隠密の魔法も習っていた

二人はそれを使い、ギリギリまで潜入したのだ

 

「どうやら、Fクラス男子達は他のクラスにも参加を要請したようです」

 

「Aクラスは拒否。それ以外は、覗き側として参加するようです」

 

二人の報告を聞いて、明久は唸りだした

約百名近くが、覗き側として参加する

かなり、頭が痛い話しだった

勝てないわけではないが、普通に戦ったら、かなり時間が掛かるのは間違いなかった

 

「隊長。どうします?」

 

「隊長……」

 

須川と横溝の二人が問い掛けるが、明久はしばらく黙っていた

そして

 

「仕方ない。影を動かすか」

 

と言った

 

「影?」

 

「隊長。影とは?」

 

影の意味がわからなかったのか、二人は首を傾げた

すると、明久が

 

「普段は催眠暗示で一般人として過ごしているが、俺がある動作をすると近衛として活動を始めるんだ。だから、影」

 

要は隠密だった

しかも、無自覚の隠密

これほど恐ろしいことはないだろう

何人居るのか聞こうと思ったが、恐らく機密だろうから言わないと判断した

 

「問題は、やっぱり人数差を覆す方法か」

 

須川がそう言うと、明久は指を一本立てて

 

「方法は一つだけだ……召喚獣を使う」

 

と言った

それは、須川と横溝もやった手だった

試験召喚獣を使った、試召戦争

それを行い、数の差を覆すのだ

試召戦争は、0点になると問答無用で補習室に連行される

それを使って、相手を全て倒すのだ

そうすれば、数の差は覆せる

後必要なのは、点数だ

 

「須川、横溝。お前達は後で、テストを受けてこい。先の戦いで減った点数を回復させておくんだ」

 

「了解」

 

明久の指示を聞いて、二人は頷いた

すると、明久は立ち上がり

 

「俺は、影を起こすとするか」

 

と言った

それを聞いた興平が

 

「そういえば、その影は何人位居るんだ?」

 

と明久に問い掛けた

それを聞いて、明久は少し思い出すように僅かに上を見て

 

「約20人足らずだったか」

 

と答えて、部屋から出た

しかし、問題はもう一つある

それは、覗きの真犯人だ

明久は言わなかったが、実は一人怪しいのが居た

それは、Dクラスの清水美春という女子だった

近衛の調べでは、彼女には前科があった

そして、何より大きいのが、百合だということ

彼女はFクラスの島田が好きらしく、事ある毎に島田にアプローチしていたのだ(島田は、それら全てを断っているが)

しかし、恋する乙女はなんとやら

島田に断られているのに、未だに諦めてないらしい

それは別に構わないのだが、他人を巻き込むのは関心しなかった

清水の過去を調べたのだが、気に入った女子に近づく奴が居たら、あらゆる手段を使って排除していたのだ

それにより、転校や不登校になってしまった生徒も居ることが分かった

今回は、島田が稟に近寄った(清水の認識では、稟が島田に近寄っただと思われる)ので、稟を排除しようとした

そんな処だろう

だが、そんな暴挙は

 

「絶対に許すものか……」

 

そう言った明久の目には、冷たい光が宿っていた

清水は、怒らせてはいけない相手を怒らせた

それに気づくことは、ない………

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。