僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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短くてすまぬ


戦闘直前

二日目、女子の入浴時間より少し前

 

「そうか……やはり、清水か」

 

『はい。部屋のカバンの中に、ノートパソコンが有り、その中に盗撮映像を確認しました』

 

明久は通信機を使って、部下と連絡を取っていた

その内容は、清水のカバンの中にノートパソコンが有り、更には盗撮映像も有ったというものだった

 

『更に、どうやら盗撮映像を使っての脅迫や販売をしていたようです。ノートパソコンのメモに書いてありました』

 

「そうか……コピーは?」

 

『万事抜かりなく』

 

部下からの報告を聞いて、明久はふむと頷いた

 

「分かった。それら全てのデータは、俺の端末に送れ。俺が対処する」

 

『承知』

 

それを最後に通信を終わると、明久は通信機を懐に仕舞ってから合宿所に戻った

その時、明久はふと悪意に気付いて

 

「……上か?」

 

と天井を見上げた

しかし分からないのは、誰かに向けられているということのみ

近距離だったら、誰に悪意が向けられているのか分かる

更に、自分に向けられているなら誰が悪意を発しているのかすら分かる

しかし、今は距離が大分離れてるようで分からない

明久は深々と溜め息を吐くと

 

「たまには、落ち着いた時を過ごしたいものだね……」

 

と愚痴をこぼして、自室へと歩きだした

そして時は経ち、入浴時間

明久達は手早く入浴を終わらせると、準備をしていた

それは勿論、覗きをしようとする男子達(バカ共)の殲滅戦のである

今のところ、戦闘に参加するのは明久、須川、横溝、禀、興平の五人のみである

それに対して、相手の人数は約百人程

戦力差は絶望的だった

明久曰く

 

『どこのスパルタだ』

 

とのことだった

なおその時、何処からか

 

『炎門の守護者ァァァァァァァ!』

 

と暑苦しい男の声が聞こえた

というのは、須川の談である

閑話休題

因みに、禀の参戦に明久は何度も制止した

敵は嫉妬に燃えるFクラスの男子達が中心となった、覗き部隊

バカなFクラス男子達ならば、覗きよりも先に禀を攻撃してくるのは想像に難くない

そうなった場合、明久でも人数差で禀を守りきれない可能性が高かった

だが明久が制止しても、禀は頑なに譲らなかった

理由は語らなかったが、興平の

 

『諦めろ、明久。こうなった禀は、絶対に引かない』

 

という言葉で、明久が折れたのだ

何時かは分からないが、影が援軍として現れる

それでも、戦力差は約四倍

絶望的な差には変わらない

だから明久は、須川と横溝の二人に禀の護衛を命じた

なるべく、禀から離れるな。と

それを聞いて、二人は真剣な表情で敬礼した

そして彼らは、戦場へと向かう

鮮血(点数)火花(嫉妬)が渦巻く戦場に


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